JP4344781B1 - 消化ガスのシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法 - Google Patents

消化ガスのシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消化ガスに含まれるシロキサンを充分に除去できる消化ガスのシロキサン除去方法を提供する。
【解決手段】本発明の消化ガスのシロキサン除去方法は、メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを圧縮機10により圧縮して圧縮ガスを得る圧縮工程と、前記圧縮ガスを冷却除湿機20により冷却して凝縮液を生成させ、該凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿工程と、前記除湿ガスを減圧弁40により減圧して減圧ガスを得る減圧工程と、前記減圧ガスを吸着器50内の多孔質吸着剤に通してシロキサンを吸着させるシロキサン除去工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機性廃棄物の生物学的処理により発生した消化ガスに含まれるシロキサンを除去するシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法に関する。
下水処理場、食品工場、ビール製造工場、家畜の飼育場等で生じる有機系廃棄物、例えば、汚泥、生ごみ、し尿等を、タンク内において35℃程度で発酵させることなどによって生物学的に処理すると、メタン、二酸化炭素、硫化水素等を含む消化ガスが発生する。近年、この消化ガスに含まれるメタンをエネルギー源として有効利用することが検討されている。例えば、消化ガスから回収したメタンをガスタービン等の発電設備に供給して発電することが検討されている。
ところで、消化ガスには、通常、微量のシロキサンが含まれている。そのため、発電設備にて消化ガスを燃焼させると、シロキサンの酸化によりシリカが生成されるが、このシリカが発電設備の磨耗などを引き起こすことがあった。このことから、消化ガス中のシロキサンの除去が要求されている。
その要求に対し、特許文献1,2では、消化ガスを活性炭に通して、消化ガス中のジメチルシロキサンを除去する方法が提案されている。
また、特許文献3では、消化ガスを冷却した後に多孔質吸着剤に通して、消化ガス中のシロキサンを除去する方法が提案されている。
また、特許文献4では、シロキサン除去に適した平均細孔直径、細孔容積を有する活性炭が提案されている。
特開2003−225525号公報 特開2002−058996号公報 特開2002−138851号公報 特開2005−177737号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載のシロキサン除去方法、特許文献4に記載の活性炭を適用しても、シロキサン除去量が充分であるとは言えなかった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、消化ガスに含まれるシロキサンを充分に除去できる消化ガスのシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法を提供することを目的とする。
消化ガスには、メタンおよびシロキサンだけでなく、メタン以外の炭化水素類(トルエン、トリデカン等のアルカン、アルケン等)や水分(水蒸気および液滴)が含まれている。本発明者が調べた結果、メタン以外の炭化水素類の一部は、多孔質吸着剤との親和性がシロキサンと同程度以上であるため、シロキサンの吸着座を奪い、多孔質吸着剤のシロキサン吸着量を少なくし、また、メタン以外の炭化水素類の一部は、多孔質吸着剤に吸着したシロキサンを脱離させることを見出した。
そして、この知見に基づき、多孔質吸着剤のシロキサン吸着量を多くする手段について検討した結果、以下のシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法を発明した。
[1] メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮機と、
前記圧縮ガスを冷却して凝縮液を生成させる冷却器、および前記凝縮液を排出させる凝縮液排出弁を備え、前記凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿機と、
前記除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧弁と、
前記減圧ガスに含まれるシロキサンを吸着する多孔質吸着剤が充填された吸着器とを具備することを特徴とする消化ガスのシロキサン除去装置。
[2] 冷却除湿機から排出された凝縮液および該凝縮液に同伴した一部の除湿ガスを収容して気液分離させる気液分離器と、
気液分離器にて得たガスを前記圧縮機に返送するための返送用配管と、
気液分離器にて得た液体を排出させる排出用配管とを具備することを特徴とする[1]に記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
[3] 冷却除湿機と減圧弁との間に、前記除湿ガスに含まれる水分を吸収する潮解性物質が充填された潮解除湿器を具備することを特徴とする[1]または[2]に記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
[4] 吸着器に充填された多孔質吸着剤がヤシ殻活性炭であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
[5] メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮工程と、
前記圧縮ガスを冷却して凝縮液を生成させ、該凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿工程と、
前記除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧工程と、
前記減圧ガスを多孔質吸着剤に通してシロキサンを吸着させるシロキサン除去工程とを有することを特徴とする消化ガスのシロキサン除去方法。
[6] 冷却除湿工程にて除去した凝縮液および該凝縮液に同伴した一部の除湿ガスを気液分離器に収容して気液分離させる気液分離工程と、
気液分離工程にて得たガスを圧縮工程に返送する返送工程と、
気液分離工程にて得た液体を気液分離器から排出させる排出工程とを有することを特徴とする[5]に記載の消化ガスのシロキサン除去方法。
[7] 圧縮工程では消化ガスを圧力0.75MPa(ゲージ圧)以上に圧縮し、冷却除湿工程では圧縮ガスを10℃以下に冷却し、減圧工程では除湿ガスを0.15MPa以上減圧することを特徴とする[5]または[6]に記載の消化ガスのシロキサン除去方法。
本発明の消化ガスのシロキサン除去装置およびシロキサン除去方法によれば、消化ガスに含まれるシロキサンを充分に除去できる。
本発明の消化ガスのシロキサン除去装置の一実施形態例を示す模式図である。
<消化ガスのシロキサン除去装置>
本発明の消化ガスのシロキサン除去装置(以下、シロキサン除去装置と略す。)の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例のシロキサン除去装置を示す。本実施形態例のシロキサン除去装置1は、メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスからシロキサンを除去する装置である。
具体的に、本実施形態例のシロキサン除去装置1は、消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮機10と、圧縮機10に接続され、圧縮ガスを冷却して除湿ガスを得る冷却除湿機20と、冷却除湿機20に接続され、除湿ガスをさらに除湿する潮解除湿器30と、潮解除湿器30に接続され、潮解除湿器30を通過した除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧弁40と、減圧弁40に接続され、減圧ガスが通される吸着器50とを具備する。
また、本実施形態例のシロキサン除去装置1は、圧縮機10の上流側に接続されたガスホルダ60と、冷却除湿機20に接続された気液分離器70とを具備する。
さらに、本実施形態例のシロキサン除去装置1は、ガスホルダ60に圧縮機10を接続するための第1の配管91と、圧縮機10に冷却除湿機20を接続するための第2の配管92と、冷却除湿機20に潮解除湿器30を接続するための第3の配管93と、潮解除湿器30に減圧弁40を接続するための第4の配管94と、減圧弁40に吸着器50を接続するための第5の配管95と、吸着器50からシロキサン除去後の消化ガスを移送するための第6の配管96と、冷却除湿機20に気液分離器70を接続するための第7の配管97と、気液分離器70に第1の配管91を接続するための第8の配管(返送用配管)98と、気液分離器70から液体を排出させるための第9の配管(排出用配管)99とを具備する。
圧縮機10は、消化ガスを所定の圧力まで圧縮するものであり、例えば、スクリュー型、レシプロ型、揺動型、ダイヤフラム型のものを用いることができる。
圧縮ガスにオイルが混入することを防止する点では、圧縮機10は、オイルフリータイプのものが好ましい。また、圧縮機10は、インバータによって回転数を制御できるものが好ましい。
冷却除湿機20は、冷却器21および凝縮液排出弁22を備える。
冷却器21は、圧縮ガスを冷却して、圧縮ガス中の一部の水蒸気、炭化水素類およびシロキサンを凝縮させて凝縮液を生成させる。
冷却器21としては、例えば、消化ガスが通過する配管を冷却媒体(例えば冷水等)によって冷却する間接冷却式のものを使用することができる。
凝縮液排出弁22は、冷却器21にて生成した凝縮液を冷却除湿機20から排出させて、除去するための開閉弁である。凝縮液排出弁22としては、凝縮液の生成量が所定量に達した際に自動的に弁が開いて凝縮液を排出させるもの(例えば、オートドレントラップ、電磁弁等)が好ましい。
なお、凝縮液排出弁22が開いた際には、一次側の圧力が高いため、気液混相流を形成する。したがって、凝縮液に同伴して一部の除湿ガスも排出される。
潮解除湿器30は、水分を吸収する潮解性物質が充填されたものである。この潮解除湿器30によれば、潮解性物質の潮解作用を利用して、除湿ガスに残留した水分を選択的に除去できる。ここで、潮解作用とは、固体が周囲の気体に含まれる水蒸気を吸収し、その吸収した水分によって溶解する現象のことである。
吸着除去器39に充填される潮解性物質としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、粗製塩化ナトリウムなどが挙げられる。
減圧弁40は、除湿ガスを減圧するものであり、例えば、直動式、パイロット作動式のものが挙げられる。通常、減圧弁40は、二次圧を検知し、二次圧を一定化するようになっている。
吸着器50は、シロキサンを吸着する多孔質吸着剤が充填されたものである。
多孔質吸着剤としては、例えば、活性炭(例えば、ヤシ殻活性炭、木質活性炭、石油系活性炭等)、人工ゼオライト、天然ゼオライト、シリカゲルなどが挙げられる。
本実施形態例のシロキサン除去装置1においては、以下の理由から、多孔質吸着剤として活性炭を使用することが好ましい。
気液分離器70内では、凝縮液に含まれていたメタン以外の炭化水素類の一部が揮発する。その際、炭化水素類の分子量が小さく、沸点が低い程、揮発量が多くなるが、炭化水素類の分子量が小さく、沸点が低い程、活性炭に対する親和性が低くなる。したがって、シロキサン除去用の多孔質吸着剤として活性炭を用いれば、気液分離器70内で炭化水素類が揮発しても、シロキサン吸着量の低下を抑制できる。
また、活性炭のなかでも、シロキサンをより吸着して除去しやすいことから、ヤシ殻活性炭が好ましい。
さらに、ヤシ殻活性炭のなかでも、比表面積が1,000m/g以上、細孔容積が0.45〜0.85mL/g、細孔分布のピークが0.7〜1.2nmのものが好ましい。比表面積、細孔容積および細孔分布のピークが前記範囲のものは、容易に得られる上に、シロキサンの吸着・除去にとりわけ適している。
ガスホルダ60は、消化ガスを一時的に貯留するものである。ガスホルダ60としては、容量可変式のものが好ましい。容量可変式であれば、容積(すなわち消化ガス貯留量)を検出し、その容積に応じて圧縮機10等の後段の機器を制御することができる。
気液分離器70は、冷却除湿機20から排出された凝縮液および凝縮液に同伴した一部の除湿ガスを収容して気液分離させるものである。気液分離器70としては、密閉容器を使用することができる。密閉容器の外形に制限はなく、例えば、円筒体、直方体、球体等を使用することができる。
本実施形態例の気液分離器70の内部には、上面の近傍に、ガス中の液滴を捕捉するための捕集材71が設置されている。液滴を除去したガスを圧縮機10に返送することにより、圧縮機10内の機械的摩耗などを防止できる。
捕集材71としては、例えば、ガラス繊維ろ紙、エレメントフィルタ、バグフィルタ、エリミネータなどを使用することができる。
本実施形態例では、第7の配管97は、気液分離器70に対し、気液分離器70内の液体の液面より高い位置(ただし、捕集材71より低い位置)に接続されている。第7の配管97が、気液分離器70内の液面より高い位置に接続されていれば、気相部に凝縮液および同伴する除湿ガスを導入することになり、気液分離器70内の液体をさらに巻き込むことが防止できるため、捕集材71の処理負荷を最小限に抑制できる。
第8の配管98は、気液分離器70の上面に接続されているが、捕集材71より上方であれば位置は問わない。第8の配管98が捕集材71より上方であれば、重力による液滴の沈降効果によって液体が第1の配管91に返送するガスに混入することを防止できる。
第9の配管99は、気液分離器70の底面に接続され、また、第9の配管99はU字管になっている。第9の配管99が底面に接続されていれば、ガスを外部に放出させずに液体を排出させることができる。
ここで、気液分離器70内の液面Hと第9の配管99の最高点Hとの水頭差△hは、気液分離器70内の圧力に応じて適宜設定される。すなわち、水頭差△hは、気液分離器70内の圧力が上昇もしくは液体が増加したときに、第9の配管99を介して気液分離器70内の液体が排出され、圧力の上昇もしくは液体の増加がないときには、液体が排出されないように設定される。
<消化ガスのシロキサン除去方法>
上記シロキサン除去装置1を用いたシロキサン除去方法の実施形態例について説明する。
本実施形態例のシロキサン除去方法は、圧縮機10にて消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮工程と、冷却除湿機20にて圧縮ガスを冷却して凝縮液を生成させ、凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿工程と、潮解除湿器30にて除湿ガスをさらに除湿する潮解除湿工程と、減圧弁40にて除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧工程と、吸着器50にて減圧ガスに含まれるシロキサンを除去するシロキサン除去工程とを有する。
さらに、本実施形態例のシロキサン除去方法は、冷却除湿機20にて生成した凝縮液および凝縮液に同伴した除湿ガスを気液分離器70に収容して気液分離させる気液分離工程と、気液分離器70にて分離したガスを第1の配管91に返送する返送工程と、気液分離器70にて得た液体を気液分離器70から排出させる排出工程とを有する。
シロキサン除去方法に使用する消化ガスは、少なくともメタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む。また、これら以外の成分(例えば、硫化水素、窒素、酸素、二酸化炭素等)を含んでもよい。
消化ガスに含まれるシロキサンとしては、例えば、メトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、およびドデカメチルペンタシロキサンなどの鎖状シロキサンが挙げられる。また、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3体)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4体)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5体)、およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6体)などの環状シロキサンなどが挙げられる。
消化ガスの圧力は、例えば、1〜3kPa(ゲージ圧)にすることができる。
圧縮工程では、第1の配管91によって移送された消化ガスを圧力0.75MPa(ゲージ圧)以上に圧縮することが好ましい。消化ガスに含まれる炭化水素類は蒸気圧が低いため、圧力が低いと、冷却除湿工程にて冷却しても凝縮しないことがある。しかし、消化ガスを圧力0.75MPa以上に圧縮すれば、冷却除湿工程にて冷却することにより炭化水素類を凝縮させやすくなる。
冷却除湿工程では、第2の配管92によって移送された圧縮ガスを冷却することにより、圧縮ガスに含まれる水分のみならず、メタン以外の炭化水素類、シロキサンを凝縮させることができる。したがって、冷却除湿工程で得られる除湿ガスのシロキサン含有量、メタン以外の炭化水素類含有量および水分含有量は、圧縮ガスに含まれる量よりも少なくなっている。
冷却除湿工程では、ガスの温度を低くする程、得られる除湿ガス中のシロキサン濃度を低下させることができる。ただし、10℃までは減少の度合いが大きいが、10℃以下では減少の度合いが小さくなる。そのため、冷却除湿工程にて、効率良くできるだけ多くのシロキサンを除去するためには、得られる除湿ガスの温度が10℃以下になるように冷却することが好ましい。
また、冷却除湿工程にて除湿ガスの温度が10℃以下になるように冷却した場合には、露点が10℃以下になるため、後段の工程で温度が高くなっても結露を防止できる。
また、水分の凍結による配管閉塞を防止するという点では、得られる除湿ガスの温度が0℃未満にならないように冷却することが好ましい。
冷却除湿工程にて得られる凝縮液は、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水を含む。この凝縮液を凝縮液排出弁22から排出させると、一部の除湿ガスが同伴する。
潮解除湿工程では、第3の配管93によって移送された除湿ガスを潮解除湿器30に通し、除湿ガスに含まれる水分を潮解性物質に吸収させて、除湿ガスをさらに除湿する。潮解性物質による除湿は無動力であるから、潮解除湿工程では、消費エネルギーを増やさずに除湿ガス中の水分量を減らすことができる。
潮解除湿工程によって除湿ガスをさらに除湿しておくと、冷却除湿工程にて冷却温度を0℃以上にした場合(露点を0℃以上にした場合)に、シロキサン除去装置1の周囲の雰囲気温度が氷点下になっても、ガスに含まれる水分の凍結を防止でき、配管閉塞を防止できる。
減圧工程では、第4の配管94によって減圧弁40から移送した除湿ガスを減圧することにより、ガス中の水蒸気圧を低下させ、除湿ガスに含まれるマイクロメートルオーダーの水滴を蒸発させる。除湿ガスに含まれるマイクロメートルオーダーの水滴は微量であるが、大量の除湿ガスが多孔質吸着剤に接触すると、水滴が吸着剤表面を覆い、シロキサン除去を阻害する。したがって、減圧工程で水滴を蒸発させることにより、シロキサン除去工程での、水滴による多孔質吸着剤へのシロキサン吸着の阻害を防止でき、シロキサン除去能力を高めることができる。
例えば、圧力0.75〜0.80MPa(ゲージ圧)の除湿ガス(温度:3.5〜7.0℃)を、減圧後の圧力が0.52〜0.59MPa(ゲージ圧)になるように減圧すると、シロキサンが多孔質吸着剤を破過するまでの消化ガス処理量は、多孔質吸着剤1m換算で約42万m(標準状態)になる。これに対し、減圧しなかった場合には、シロキサンが多孔質吸着剤を破過するまでの消化ガス処理量は、多孔質吸着剤1m換算で約30万m(標準状態)になる。
減圧工程での減圧幅は、シロキサン除去工程におけるシロキサン除去能力がより高くなることから、0.15MPa以上であることが好ましい。
なお、水滴を除去する方法としては、一般的には、フィルタを用いる方法も知られており、減圧工程の前段やシロキサン除去工程の前段にフィルタを設置することが望ましいが、フィルタの目開きより小さな水滴はフィルタを通過するため、フィルタのみでは多孔質吸着剤におけるシロキサン吸着の阻害を防止できない。したがって、減圧工程を行わなければ、本発明の目的を達成することは困難である。
シロキサン除去工程では、第5の配管95によって減圧弁40から移送した減圧ガスを、吸着器50に充填された多孔質吸着剤に通して吸着させる。その結果、吸着器50を通過したガス中のシロキサン含有量は、通過前よりも少なくなる。
シロキサン除去工程では、減圧ガスの線速を0.1m/秒以下にすることが好ましい。減圧ガスの線速を0.1m/秒以下にすれば、多孔質吸着剤破過時において吸着能力が残った多孔質吸着剤(吸着帯)の長さを短くできるため、多孔質吸着剤の使用効率を高くできる。
気液分離工程では、気液分離器70に収容した凝縮液および凝縮液に同伴した除湿ガスを比重差によって、水、高沸点の炭化水素類およびシロキサン等の液体と、メタン、低沸点の炭化水素類等のガスとに分離させる。気液分離工程におけるガスの圧力は、例えば、1〜3kPa(ゲージ圧)にする。
本実施形態例では、得られたガスを捕集材71に通して液滴を捕捉して除去した後に、返送工程にて、第9の配管99を介して第1の配管91に返送する。したがって、気液分離器70で分離したガスを再び冷却除湿機20に供給できる。
また、本実施形態例では、気液分離器70内の圧力が上昇した際に、第8の配管98内の液体が第8の配管98の最高点Hを超えて排出される(排出工程)。したがって、本実施形態例における排出工程では、動力を使用せずに液体を排出させることができる。
上記シロキサン除去装置1および除去方法によって、シロキサンが除去された消化ガスは、第6の配管96を介して、吸着器50から発電設備等に移送され、エネルギー源として消費される。
ここで、発電設備としては、例えば、マイクロガスタービンやガスエンジン等の内燃機関、燃料電池などが挙げられる。
(作用効果)
上記実施形態例のシロキサン除去装置1およびシロキサン除去方法では、メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを冷却除湿機20で冷却しているため、消化ガスに含まれていたシロキサン、炭化水素類および水分の一部を凝縮させることができる。この凝縮液を除去することで、吸着器50に供給するガス中の、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分の含有量を低下させることができる。しかも、冷却する消化ガスを圧縮機10によりあらかじめ圧縮して、凝縮液の生成量が多くなるようにしているため、シロキサン、メタン以外の炭化水素および水分の除去量が多い。したがって、吸着器50に供給するガスに含まれるシロキサンの含有量をあらかじめ減らせる上に、多孔質吸着剤においてシロキサン吸着の阻害物質になる炭化水素類を減らすことができる。
また、冷却除湿機20で消化ガスを除湿する上に、潮解除湿器30でさらに除湿し、減圧弁40で減圧しているため、吸着器50に導入されるガスは水分量が少なく、さらに、ガス中に含まれる水分のうち液滴状となって存在する割合が少ない。したがって、多孔質吸着剤へのシロキサンの吸着を阻害する水分が少ないため、吸着器50におけるシロキサンの除去量を増やすことができる。
よって、上記実施形態例のシロキサン除去装置1およびシロキサン除去方法によれば、消化ガスに含まれるシロキサンを充分に除去できる。
また、上記実施形態例では、凝縮液に同伴して冷却除湿機20から排出された除湿ガスを気液分離器70にて回収し、第8の配管98を介して第1の配管91に返送する。そのため、消化ガスに含まれるメタンのほとんどをエネルギー源として利用できる。また、メタンは温暖化係数が高いため、外部への放出を避けることで環境への負荷を低減できる。また、消化ガス中に硫化水素が含まれている場合には、悪臭の発生を防止できる。
さらに、上記実施形態例のシロキサン除去装置1は構成が単純であるため、簡便にシロキサンを除去できる上に、小型化が容易である。
(他の実施形態例)
なお、本発明は、上記実施形態例に限定されない。例えば、シロキサン除去装置1における潮解除湿器30を省略しても構わない。しかし、除湿ガスの湿度を低くして、シロキサン除去量を増やすという点では、潮解除湿器30を具備することが好ましい。
また、シロキサン除去装置1においては、ガスホルダ60を省略し、消化ガスを発生させる設備に第1の配管91を直接接続しても構わない。
第9の配管99は、気液分離器70内の圧力が上昇した際に液体が排出されるようになっているU字管でなくてもよい。U字管を用いない場合、例えば、気液分離器70から下方に向けた直管を第9の配管99として用いた場合には、気液分離器70内の液面高さが所定の高さに達した際に開く電磁弁を第9の配管99に設置することが好ましい。
また、気液分離器70と、気液分離器70に付帯する第7の配管97、第8の配管98および第9の配管99とを省略しても構わない。しかし、上述したように、消化ガス中のメタンの使用効率を高めるという点では、気液分離器70と、気液分離器70に付帯する第7の配管97、第8の配管98および第9の配管99とを具備することが好ましい。
ガスホルダ60に発電装置以外の消化ガス利用設備(例えば消化タンク加熱用ボイラ等)が接続されている場合には、吸着器50とガスホルダ60とを接続する配管を設けてもよい。このような配管を設けると、発電装置以外の消化ガス利用設備にて消化ガスを多量に消費する際に、発電装置を停止すると共に消化ガスの供給を停止し、吸着器50に吸着貯蔵した消化ガスをガスホルダ60に返送させることができる。
1 シロキサン除去装置
10 圧縮機
20 冷却除湿機
21 冷却器
22 凝縮液排出弁
30 潮解除湿器
40 減圧弁
50 吸着器
60 ガスホルダ
70 気液分離器
71 捕集材
91 第1の配管
92 第2の配管
93 第3の配管
94 第4の配管
95 第5の配管
96 第6の配管
97 第7の配管
98 第8の配管(返送用配管)
99 第9の配管(排出用配管)

Claims (7)

  1. メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮機と、
    前記圧縮ガスを冷却して凝縮液を生成させる冷却器、および前記凝縮液を排出させる凝縮液排出弁を備え、前記凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿機と、
    前記除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧弁と、
    前記減圧ガスに含まれるシロキサンを吸着する多孔質吸着剤が充填された吸着器とを具備することを特徴とする消化ガスのシロキサン除去装置。
  2. 冷却除湿機から排出された凝縮液および該凝縮液に同伴した一部の除湿ガスを収容して気液分離させる気液分離器と、
    気液分離器にて得たガスを前記圧縮機に返送するための返送用配管と、
    気液分離器にて得た液体を排出させる排出用配管とを具備することを特徴とする請求項1に記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
  3. 冷却除湿機と減圧弁との間に、前記除湿ガスに含まれる水分を吸収する潮解性物質が充填された潮解除湿器を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
  4. 吸着器に充填された多孔質吸着剤がヤシ殻活性炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消化ガスのシロキサン除去装置。
  5. メタン、シロキサン、メタン以外の炭化水素類および水分を含む消化ガスを圧縮して圧縮ガスを得る圧縮工程と、
    前記圧縮ガスを冷却して凝縮液を生成させ、該凝縮液を除去して除湿ガスを得る冷却除湿工程と、
    前記除湿ガスを減圧して減圧ガスを得る減圧工程と、
    前記減圧ガスを多孔質吸着剤に通してシロキサンを吸着させるシロキサン除去工程とを有することを特徴とする消化ガスのシロキサン除去方法。
  6. 冷却除湿工程にて除去した凝縮液および該凝縮液に同伴した一部の除湿ガスを気液分離器に収容して気液分離させる気液分離工程と、
    気液分離工程にて得たガスを圧縮工程に返送する返送工程と、
    気液分離工程にて得た液体を気液分離器から排出させる排出工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の消化ガスのシロキサン除去方法。
  7. 圧縮工程では消化ガスを圧力0.75MPa(ゲージ圧)以上に圧縮し、冷却除湿工程では圧縮ガスを10℃以下に冷却し、減圧工程では除湿ガスを0.15MPa以上減圧することを特徴とする請求項5または6に記載の消化ガスのシロキサン除去方法。
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