JP4591670B2 - 膜破断検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水を濾過する膜を備えた中空糸膜分離装置などの膜処理装置における膜破断検知方法に関する。
膜処理装置における膜の破断を検知する技術として、空気逆洗工程において破断箇所から漏れる気泡を目視、超音波センサ、粒子計、濁度計、光電センサによって検知する技術が提案されている。
例えば、特開2001−269551号公報には、浄水処理装置における中空糸膜の破断を超音波流速計を用いて検知する方法が開示されている。当該公報の膜破断検知方法においては、処理水室を処理水で満たし、循環水室に加圧気体を吹き込む。中空糸膜が破断している場合には、加圧気体がこの破断部から中空糸膜内を通って処理水室に移動し、さらに処理水室に接続された処理水管から流出する。この処理水管内を通過する気体を該処理水管に設けた超音波流速計を用いて検出することによって、中空糸膜の破断を検知する。
また特開2000−126563号公報には、ハウジング内が中空糸膜によって原水室と処理水室とに区画され、該ハウジングの該処理水室と接続された処理水排出管に空気溜まりが設けられた中空糸膜濾過装置において、原水室内に加圧空気を供給し、該加圧空気が中空糸膜の破断箇所から処理水室及び処理水排出管を通って空気溜まりに溜まり、該空気溜まりに溜まった空気を目視や水位計等で検知することによって中空糸膜の破断を確認する方法が開示されている。
さらに、特開2003−144866号公報には、中空糸膜モジュール内が中空糸膜によって上部側の原水室と下部側の処理水室に区画され、該原水室の上部に中空糸膜破断検知用透明管を備えた気泡抜管が接続された中空糸膜モジュール式濾過装置において、空気逆洗時に処理水室内に圧入された空気が処理水室から中空糸膜の破断箇所及び原水室を通って気泡抜管に備えられた中空糸膜破断検知用透明管を通過し、該透明管内を通過する空気を目視又は光電センサで検知することにより、膜破断と判定する技術が開示されている。
なお、これら公報に記載の気体検知方法は信頼性が低い、あるいは機器コストが高いなどの短所があるので、これを克服するものとして、本出願人は特願2004−170122号において、膜破断部を通過したときに気体を液の電気抵抗の変化に基づいて検知するようにした膜破断検知方法を出願している。
特開2001−269551号公報 特開2000−126563号公報 特開2003−144866号公報
上記従来の膜処理装置の膜破断検知方法にあっては、膜が破断していないにも拘らず、処理水側に気体が発生して破断と誤認することがあった。これは、原水側において気体が水に溶解し、膜を拡散移動により透過して処理水側に達し、圧力の低いこの処理水側で気化し、センサで検知されるようになるためである。
本発明は、かかる気体の溶解・気化現象に起因した膜破断の誤検知を防止することを目的とする。
また、本発明は、その一態様にて、この膜破断検知方法における気体検知手段のコスト低減を図ることを目的とする。
本発明(請求項1)の膜破断検知方法は、被処理液を濾過する膜を備えた膜処理装置の該膜の破断を検知する方法であって、該膜で隔てられた一方の側に気体を供給し、該膜で隔てられた他方の側において気体を気体検知手段で検知して膜破断を検知する膜処理装置における膜破断検知方法において、該一方の側に気体を供給した後、気体が液に溶解して該膜を拡散移動により該一方の側から他方の側に透過し、該他方の側で気化して該気体検知手段に達する気体伝播時間が経過する前に、該気体検知手段による気体検知動作を終了させるか、又は、前記気体伝播時間経過後に気体が検知されたときには、膜破断に起因したものではないと判定することを特徴とするものである。
請求項2の膜破断検知方法は、請求項1において、該気体検知手段は、該他方の側における液の電気抵抗の変化に基づいて気体を検知することを特徴とするものである。
請求項3の膜破断検知方法は、請求項2において、該膜で隔てられた前記他方の側の液と接するように1対の電極を配置し、該電極間に電圧を印加し、この電極間の電圧、電流又は導電率の変化のパターンから膜破断の発生を検知することを特徴とするものである。
請求項4の膜破断検知方法は、請求項3において、膜が破断している膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率の変化パターンを検出し、この変化パターンを記憶手段に記憶させておき、膜破断が未確認の膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率のパターンを検出し、このパターンを前記記憶手段に記憶された変化パターンと対比して膜破断の有無を判定することを特徴とするものである。
本発明の膜破断検知方法にあっては、膜が破断している場合、気泡が膜を隔てた一方の側から破断部を通って他方の側に流入し、該他方の側の液に気泡が混入し、検知手段によって検知され、膜破断が検知される。
本発明では、膜で隔てられた一方の側に気体を供給した後、気体伝播時間が経過する前に他方の側での気体検知動作を終了させるか、又は、前記気体伝播時間経過後に気体が検知されたときには、膜破断に起因したものではないと判定する。そのため、気体が液に溶解して該一方の側から他方の側へ膜を拡散により透過し、該他方の側において気化し、この気化した気体が気体検知手段に達しても、膜破断と判定されることはない。
請求項2の膜破断検知方法にあっては、気体検知動作を実行する場合、該他方の側に気体が混入すると該他方の側における液の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化から、膜破断を検知する。
具体的には、請求項3のように、膜の前記他方の側に1対の電極を配置しておき、膜破断が生じたときには気泡が該電極間を流れるように構成しておく。この電極間に気泡が流入してくると、電極間に液のみが流れている場合と比較して、電極間の電気抵抗が変化する。従って、この電気抵抗の変化に基づいて膜破断の発生を検知することができる。
この液の電気抵抗の変化の検知は簡易な装置で行うことができるため、設備費が安価なものとなる。
この液の抵抗の変化を検知するには、該1対の電極間に定電圧を印加しておき、電極間の電流値を検知してもよい。
また、電極間に定電流を通電しておき、電極間の電圧の変化を検知してもよい。さらに、電極間の導電率の変化を検知し、この導電率の変化を液の電気抵抗の変化の指標値としてもよい。
この電流値、電圧値又は導電率の変化から膜の破断を判定するには、請求項4の通り、破断した膜を有する膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率の変化パターンを検出し、この変化パターンを記憶手段に記憶させておき、膜破断が未確認の膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率のパターンを検出し、このパターンを前記記憶手段に記憶された変化パターンと対比するのが簡便である。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
第1図は本発明の実施の形態に係る膜破断検知方法が適用される膜処理装置の模式図、第2図は第1図の膜破断検知装置のブロック図である。なお、第1図では図面を明瞭とするために中空糸膜を4本としているが、実際には中空糸膜は多数本配置されている。
[膜処理装置及び膜破断検知方法の概要]
この膜処理装置にあっては、原水槽20内の原水を原水ポンプ4によって内圧式中空糸膜モジュール1の原水室10から中空糸膜4内に流通させ、透過水を処理水槽40に取り出す。
膜破断検知に際しては、コンプレッサCから加圧気体を原水室10から中空糸膜4内に流通させる。膜破断が生じていると、破断箇所から気体が処理水室12に流出し、膜破断検知装置50で検知される。この膜破断検知動作は、コンプレッサCから気体供給を開始した後、所定の時間(気体伝播時間)が経過する前までに終了させる。この気体伝播時間は、気体が水に溶解して拡散移動により中空糸膜4を透過し処理水室12内で気化して気泡となり、この気泡が膜破断検知装置50に達するまでの時間である。以下、内圧式中空糸膜モジュール及び膜破断検知装置の具体的な構成及び及びそれらの動作について詳述する。
[内圧式中空糸膜モジュール1の構造]
内圧式中空糸膜モジュール1のケーシング2内に、複数本の中空糸膜4が束ねられて配置されている。この中空糸膜4の束の下端及び上端はそれぞれ合成樹脂等よりなる封止材6,8によって結束されている。この封止材6,8は、例えば円盤状とされ、その外周面若しくは外周縁部がケーシング2の内面に水密的に接している。下側の封止材6の下側に原水室10が形成され、上側の封止材8の上側に循環水室14が形成され、両封止材6,8の間に処理水室12が形成されている。
中空糸膜4の上端側は封止材8を貫通しており、その上端の開口4aは循環水室14に臨んでいる。同様に、中空糸膜4の下端側は封止材6を貫通しており、その下端の開口4bは原水室10に臨んでいる。
ケーシング2の原水室10側には、原水入口ノズル10a及び気体入口ノズル10bが設けられている。原水入口ノズル10aは、原水配管21、原水弁V及び原水ポンプPを介して原水槽20に接続されている。原水配管21の原水ノズル10aと原水弁Vとの間の箇所から、排水弁Vを備えた排水配管24が分岐している。気体入口ノズル10bはバルブVを備えた気体配管27を介してコンプレッサCと接続されている。
ケーシング2の循環水室14側には循環水出口ノズル14aが設けられている。この循環水出口ノズル14aは、循環水弁Vを備えた循環水配管31を介して原水槽20と接続されている。この循環水配管31の循環水出口ノズル14aと循環水弁Vとの間の箇所から、ベント弁Vを備えたベント配管33が分岐している。
ケーシング2の処理水室12側の上部には処理水出口ノズル12aが設けられている。この処理水出口ノズル12aは処理水配管41を介して膜破断検知装置50に接続されており、この膜破断検知装置50は処理水配管42を介して処理水槽40に接続されている。なお、図1は内圧式の場合を示しているが、本発明はこれに限らず外圧式でも実施できる。
[膜破断検知装置50の構成及び作動]
第2図の通り、膜破断検知装置50は、1対の電極51a,51bからなる測定部51と、測定部51に電圧を印加する電源52と、測定部51の電流、電圧又は導電率を計測する計測部53と、電流、電圧又は導電率の経時変化を記憶する記憶部55と、電流、電圧又は導電率の経時変化のパターンから気泡の発生を判定する判定部56とからなる。
前記電極51a,51bは、処理水室12から排出される処理水と接している。処理水のpHの影響を受けないように、電極51a,51bの材料は白金やステンレスであることが好ましい。
次に、膜破断検知装置50を定電圧方式とした場合の作動内容を説明する。電源52が測定部51の電極51a,51b間に一定の電圧を印加する。この印加電圧により、電極51a,51b間に処理水の電気抵抗に応じた電流が流れる。測定部51を通過する処理水中に気泡が存在する場合には、この気泡が電極51a,51b間を通過する際に、電極51a,51b間の電流が変化する。
この電極51a,51b間の電流値を計測部53が計測する。
次いで、記憶部55に記憶された電流値の変化パターンと、計測部53で計測した電流値の経時変化パターンとが判定器56で対比され、膜破断の有無が判定される。
膜破断検知装置50を定電流方式とした場合には、電源52が測定部51の電極51a,51b間に定電流が流れるように電圧を印加する。測定部51を通過する処理水中に気泡が存在する場合には、この気泡が電極51a,51b間を通過する際に、電極51a,51b間の電圧が変化する。この電極51a,51b間の電圧値を計測部53が計測する。次いで、記憶部55に記憶された電圧値の変化パターンと、計測部53で計測した電圧値の経時変化パターンとが判定器56で対比され、膜破断の有無が判定される。
膜破断検知装置50を導電率検知方式とした場合には、電源52が測定部51の電極51a,51b間に所定の電圧を印加し、電極51a,51b間に電流を通電させる。測定部51を通過する処理水中に気泡が存在する場合には、この気泡が電極51a,51b間を通過する際に、電極51a,51b間の導電率が変化する。この変化を計測部53が計測し、次いで、記憶部55に記憶された導電率の変化パターンと、計測された導電率の経時変化パターンとが判定器56で対比され、膜破断の有無が判定される。
[膜処理装置の運転動作]
このように構成された膜処理装置の通常運転時及び洗浄運転時の水又は気体の流れは次の通りである。
(1)通常運転時
通常運転時には、弁V,Vを開とし、その他の弁(V,V,V)を閉とし、原水ポンプPを作動する。原水槽20内の原水は、原水配管21、原水ポンプP、弁Vを通り、原水入口ノズル10aから原水室10内に流入する。原水室10内の原水は、中空糸膜4の下端の開口4bから中空糸膜4内に流入し、この原水の一部は中空糸膜4を透過して処理水室12内に流入し、残りは中空糸膜4の上端の開口4aから循環水室14内に流入する。
処理水室12内の処理水は処理水出口ノズル12aから流出し、処理水配管41、膜破断検知装置50及び配管42を介して処理水槽40に送水される。
循環水室14内の循環水は循環水出口ノズル14aから流出し、循環水配管31、弁Vを介して原水槽20に送水される。
(2)気水混合水による洗浄
膜処理装置を気水混合水で洗浄するときには、上記通常運転の状態において、弁Vを開とし、コンプレッサCを作動する。これにより、コンプレッサCからの加圧気体が、原水ポンプPによって供給された原水と共に中空糸膜4の内部を通過し、中空糸膜4を洗浄する。
中空糸膜4の内部を通過した気体と原水の混合物は循環水室14に流入し、さらに排水管33を介して系外に排出される。
(3)気体による洗浄
気体による洗浄を行うには、上記水及び気体の混合洗浄運転において、原水ポンプPを停止し、弁Vを閉とした状態とする。これにより、中空糸膜4の内部や原水室10内等に残留している原水と加圧気体との混合水によって中空糸膜4が洗浄される。
[膜破断の検知]
(a)膜破断既知の膜モジュールを用いた変化パターンの記憶
膜破断を検知するには、検知作動に先立って、まず膜破断が確認されている膜モジュールを第1図の通りに組み込み、上記通常運転を行って膜モジュール内に水を満たした後、上記(3)の「気体による洗浄」を行う。
この膜破断が存在する膜モジュールにおいて気体による洗浄を行うと、コンプレッサCからの加圧気体の一部は、中空糸膜4の破断部を通過して気泡となって処理水室12に流出し、この気泡が処理水配管41を介して膜破断検知装置50を通過する。
この気泡が膜破断検知装置50を通過する際に電極51a,51b間の導電率が変化する。即ち、電極51a,51b間に気泡が入り込んでくると、電極51a,51b間の電気抵抗が増大する。従って、電極51a,51b間に定電圧電源から定電圧を印加しているときには、この電極51a,51b間の電流値が低下し、気泡が電極51a,51b間を通り過ぎると、電極51a,51b間の電流値は元に戻る。
この気泡通過に伴う電流の変化を電圧変化に変換した波形図の一例が第4図(b)に示されている。記憶部55では、この電圧の変化パターンを記憶する。例えば、第4図(b)の如き電圧の変化を2値化処理してパルス波形に変換し、パルスの周波数及び周期の平均値を記憶しておく。
(b)膜破断未知の実装置における膜破断検知
実際の水処理装置に組み込まれた膜モジュールの膜破断検知を行うには、この膜モジュールについて気体による洗浄を行い、膜破断検知装置50によって電極51a,51b間の電流変化に伴う電圧変化を測定する。膜破断が無ければ、通常は電圧は第4図(a)の如く一定となるので、判定部56により膜破断なしと判定される。
変化パターンが検知される場合、判定部では、この検知された変化パターンを記憶されている変化パターンと対比し、膜破断であるか否かを判定する。例えば、電圧変化を2値化して得られたパルスパターンの周期及び周波数が記憶された平均値に基づいて定められる所定範囲内にあれば膜破断ありと判定し、該所定範囲外のものであれば膜破断なしと判定する。
なお、このように変化パターンを対比して膜破断の判定を行うため、原水水質の変動などの外乱に伴う電圧変化があっても膜破断とは判定されず、判定の精度がきわめて高いものとなる。
(c)気体伝播時間
上記(b)の膜破断検知動作は、コンプレッサCからの気体供給開始から所定時間(気体伝播時間)が経過する前に終了させる。この気体伝播時間とは、原水室10から中空糸膜4内に気体が流入し、この気体が中空糸膜4に保持された水に溶解し、この中空糸膜4を拡散移動により透過して処理水室12内に到達し、気化して気泡となり、この気泡が膜破断検知装置50に流入するまでの時間である。
なお、処理水室12内の水圧は原水室10及び中空糸膜4内の圧力よりも低いので、気体が中空糸膜4に保持された水に溶解し、該中空糸膜4を拡散移動により透過し、処理水室12に達すると、気化し、気泡が発生する。処理水室12から膜破断検知装置50まで気泡が移動する時間は比較的短く、通常は10秒以下程度である。また、コンプレッサCを始動してから気体が中空糸膜4に保持された水に溶解を開始するまでの時間も極めて短い。従って、上記気体伝播時間は、実質的には、水に溶解した気体が拡散により中空糸膜4を透過するのに要する時間である。
この気体伝播時間は、膜の材質、厚さ及び膜両側の圧力差によって決まるので、予め実験的に設定しておくことができる。具体的には、膜破断が存在していないことを確認してある内圧式中空糸膜モジュール1にコンプレッサCから規定圧力の気体を供給開始し、それから膜破断検知装置で最初に気泡が検知されるまでの時間を気体伝播時間として設定する。そして、膜破断検知工程にあっては、上記規定圧力にて気体を内圧式中空糸膜モジュールに供給し、気体供給開始から、設定された気体伝播時間内に膜破断検知装置50による検知動作を終了させる。なお、気体伝播時間経過後に気体が検知されたとしてもそれは膜破断に起因したものではないと判定してもよい。
内径0.7mm、外径1.2mm、分画分子量15万の限外濾過中空糸膜の場合、圧力200kPaにて空気を供給したときの気体伝播時間は約3分である。
内径1.15mm、外径1.9mm、分画分子量13000の限外濾過中空糸膜の場合、圧力200kPaにて空気を供給したときの気体伝播時間は約5分であった。
いずれの中空糸膜の場合も、破断があると、気体供給開始後、数秒以内に膜破断検知装置50にまで気泡が達する。
[別態様]
(i) 上記説明では、定電圧電源により電極51a,51b間に電流を通電して変化を測定しているが、定電流電源により定電流を電極51a,51b間に通電し、気泡通過に伴う印加電圧変化を測定し、その変化パターンから膜破断を判定してもよい。
(ii) 本発明では、電極51a,51b間の導電率を測定し、この導電率の変化パターンに基づいて膜破断を判定してもよい。
膜破断検知工程の終了後、膜破断が有る場合は膜モジュール1内の中空糸膜4を交換し、次いで前記通常運転を再開する。
(iii) 本発明では、洗浄運転と膜破断検知運転とを別としてもよく、洗浄運転中に膜破断検知装置50をONとして、膜破断の有無を検知するようにしてもよい。
(iv) 上記実施の形態では、コンプレッサCを原水室10と接続し、中空糸膜4の内部に気体を導入するようにしたが、コンプレッサCを処理水室12と接続し、中空糸膜4の外側に気体を導入して気体逆洗するようにしてもよい。この場合、膜破断検知装置50を、例えば循環水配管31に設けることにより、膜破断を検知することができる。
(v) 上記実施の形態では膜モジュール1は内圧式中空糸モジュールであるが、外圧式中空糸モジュールであってもよい。この場合も、コンプレッサを原水側に設け、膜破断検知装置を処理水側に設けてもよく、逆にコンプレッサを処理水側に設け、膜破断検知装置を原水側に設けてもよい。
(vi) 上記実施の形態では、膜モジュール1は1基であったが、2基以上あってもよい。膜モジュールが複数基ある場合、コンプレッサC及び膜破断検知装置50は各モジュール毎に1つずつ設けられていてもよく、共用されていてもよい。コンプレッサC及び膜破断検知装置50を共用した場合における各膜モジュールの膜破断検知手順は、例えば以下の通りである。
コンプレッサCからの加圧気体を第1の膜モジュールのみに導入し、膜破断検知装置によって膜破断の有無を検知する。第1の膜モジュールの膜破断検知が終了した後、第1の膜モジュールへの加圧気体の導入を停止し、次いで第2の膜モジュールのみに加圧気体を導入し、膜破断検知装置によって膜破断の有無を検知する。同様に、第3の膜モジュールから最後の膜モジュールの膜破断検知を順次行う。
膜破断の発生を検知すると、例えば管理室内の警告ランプが点滅し、どの膜モジュールに膜破断が発生したかを保守管理担当者に通知する。通知を受けた保守管理担当者は膜破断が発生している膜モジュールの運転を停止し、膜モジュールを新しいものに交換し、通常運転を再開する。膜破断した膜モジュールは修理し、再利用する。
(vii) 上記実施の形態では膜として中空糸膜を用いたが、これに限定されるものではなく、例えばスパイラル膜等であってもよい。
(viii) 本発明では、上記の電極51a,51bなどの電極は通水用の配管部材を利用して設置されてもよい。このようにすれば、膜破断検知装置の構成が簡易化される。
第3図はかかる構成とした配管部材としてのエルボ付近の断面図である。なお、第3図には、定電圧源として乾電池を用い、電極間に流れる電流の変化をトランジスタで増幅して検知するように構成した定電圧方式の膜破断検知回路図が示されている。
第3図において、ステンレス製エルボ63に樹脂継手64が接続されている。樹脂継手64に設けられた孔66内に針状電極65が挿入され、接着剤67によってこの電極65が孔66に固着されている。この電極65の先端は樹脂継手64の内壁から突出している。
ステンレス製エルボ63がNPN型トランジスタTのベースと接続され、電極として用いられている。トランジスタTのコレクタが抵抗R,Rを介して電極65と接続されている。トランジスタTのエミッタが乾電池68の陰極と接続されている。乾電池68の陽極が上記抵抗RとRとの間の箇所と接続されている。抵抗Rの電圧降下を測定するように電圧計Vが設けられている。エルボ63と電極65との間に乾電池68から定電圧が印加されている。エルボ63内を水のみが流通するときは、エルボ63と電極65との電流値は一定であるが、エルボ63内を気泡が通過するとこの電流値が低下する。この電流変化がトランジスタTで増幅され、トランジスタTのコレクタ電流が変化し、電圧計Vで検出される抵抗Rの両端間の電圧が変化する。この電圧計Vの検出電圧の変化より、エルボ63内の気泡通過が検知される。特に、この第3図の検知機構では気泡が針状電極65に接することにより、電極65を流れる電流値が大幅に変化するので、気泡を敏感に検知することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
第1図の膜処理装置を用いて、膜破断の有無の検知を行った。
なお、中空糸膜4としては、内径1150μm、外径1900μm、長さ1000mm、分画分子量13000、有効膜面積0.14mであるものを用いた。導電率計としては、第3図のものを用いた。抵抗Rは1kΩ、Rは22kΩ、乾電池は9Vである。
上記構成を有する膜処理装置において、上記実施の形態で記載した通りの通常運転を数分間行った後、原水ポンプPを停止し、コンプレッサCを作動して、気体洗浄運転し、抵抗Rに生じる電圧を電圧計Vによって測定した。なお、第4図(a)は中空糸膜が切断されていないことを確認した膜モジュールにおける電圧の経時変化を示す図である。図示はしないが、コンプレッサCを始動した後、約5分経過すると電圧計Vの検出電圧が変化し、気体伝播時間は約5分であることが確認された。
次いで、予め中空糸の1本を切断した後、上記と同様の通常運転及び膜破断検知運転を行い、抵抗Rに生じる電圧を電圧計Vによって測定した。結果を第4図(b)に示す。
第4図(a),(b)の通り、膜が破断していると、コンプレッサCの始動後、数秒以内に電圧計Vの検出電圧が変化し、膜破断が検知される。
以上の結果より、コンプレッサCの始動後、気体伝播時間が経過する前に膜破断検知動作を終了することにより、膜破断を誤認することのない、正確な膜破断検知を行うことができることが認められた。
実施の形態に係る膜処理装置の模式図である。 図1の膜処理装置に組み込まれた膜破断検知装置のブロック図である。 実施例で用いられる膜破断検知装置を示す断面図である。 (a)は中空糸膜が切断されていない場合における電圧の経時変化を示す図であり、(b)は中空糸膜が1本切断されている場合における電圧の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 内圧式中空糸膜モジュール
2 ケーシング
4 中空糸膜
6,8 封止材
10 原水室
12 処理水室
14 循環水室
20 原水槽
40 処理水層
50 膜破断検知装置
51a,51b 電極
63 ステンレス製エルボ
65 電極

Claims (6)

  1. 被処理液を濾過する膜を備えた膜処理装置の該膜の破断を検知する方法であって、
    該膜で隔てられた一方の側に気体を供給し、
    該膜で隔てられた他方の側において気体を気体検知手段で検知して膜破断を検知する膜処理装置における膜破断検知方法において、
    該一方の側に気体を供給した後、気体が液に溶解して該膜を拡散移動により該一方の側から他方の側に透過し、該他方の側で気化して該気体検知手段に達する気体伝播時間が経過する前に、該気体検知手段による気体検知動作を終了させるか、又は、前記気体伝播時間経過後に気体が検知されたときには、膜破断に起因したものではないと判定することを特徴とする膜破断検知方法。
  2. 請求項1において、該気体検知手段は、該他方の側における液の電気抵抗の変化に基づいて気体を検知することを特徴とする膜破断検知方法。
  3. 請求項2において、該膜で隔てられた前記他方の側の液と接するように1対の電極を配置し、該電極間に電圧を印加し、この電極間の電圧、電流又は導電率の変化のパターンから膜破断の発生を検知することを特徴とする膜破断検知方法。
  4. 請求項3において、膜が破断している膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率の変化パターンを検出し、この変化パターンを記憶手段に記憶させておき、
    膜破断が未確認の膜処理装置に気体を供給して前記電圧、電流又は導電率のパターンを検出し、このパターンを前記記憶手段に記憶された変化パターンと対比して膜破断の有無を判定することを特徴とする膜破断検知方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記気体検知手段による気体検知動作の前に、膜破断の不存在が確認されている膜を備えた膜処理装置の前記一方の側に規定圧力の気体を供給して気体伝播時間を計測し、
    前記気体検知動作にあっては、該規定圧力にて気体を検知対象となっている膜処理装置の前記一方の側に気体を供給することを特徴とする膜破断検知方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記膜は限外濾過膜であることを特徴とする膜破断検知方法。
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