JP3626931B2 - 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置 - Google Patents

膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3626931B2
JP3626931B2 JP2001341863A JP2001341863A JP3626931B2 JP 3626931 B2 JP3626931 B2 JP 3626931B2 JP 2001341863 A JP2001341863 A JP 2001341863A JP 2001341863 A JP2001341863 A JP 2001341863A JP 3626931 B2 JP3626931 B2 JP 3626931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
raw water
water chamber
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001341863A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003144866A (ja
Inventor
克巳 樺沢
洋平 伊本
卓也 鬼塚
修平 矢田
光広 長屋
甫 堀内
賢作 小松
勤 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Suido Kiko Kaisha Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Suido Kiko Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd, Suido Kiko Kaisha Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001341863A priority Critical patent/JP3626931B2/ja
Publication of JP2003144866A publication Critical patent/JP2003144866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3626931B2 publication Critical patent/JP3626931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置に関し、特に、中空糸膜の封止部側を上方に向けて配設した大孔径中空糸膜(ここで大孔径中空糸膜とは孔径が0.8〜3μmで、上水処理で問題となるクリプトスポリジウム、ジアルジアなどの病原性原生動物を除去するためのもの)モジュールの処理室側にバブルポイント以下の圧力空気を圧入し、破断した中空糸膜から原水側に漏出する気泡を検知して、中空糸膜の破断を検知する機能を有するようにするための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川水、湖沼水などを原水として原水中に含まれるSS成分を除去して上水道用水として使用する場合、一般には凝集沈殿砂ろ過法が用いられている。しかし、原水中にクリプトスポリジウム、ジアルジアなどの病原性原生動物が含まれていることがあり、これらの病原性原生動物は砂ろ過法では除去できず、浄水処理後工程の塩素減菌に対しても死滅しにくい。そのため、近年、これらの病原性原生動物が水道水中に混入し、集団感染を起こすことがしばしば発生していた。
この原水中に含まれるSS成分と共に、これら病原性原生動物を直接除去する技術として、透過膜ろ過法が用いられることもある。この方法は、孔径が約0.2μm以下のMF膜あるいはUF膜を用いてこの孔径以上のSS成分や病原性原生動物(クリプトスポリジウムは直径約5μm、ジアルジアは約7μm)を除去するものである。
しかし、この方法は原水の膜を通過させるろ過抵抗が大きく、しかもろ過流束が1〜2m/dayと凝集沈殿砂ろ過法の100m/day以上と比較して小さく、大規模の浄水施設に適用するのは難しかった。
【0003】
また、膜処理装置においては、中空糸膜の破断が生じることがあり、安全性を高めるために膜破断の検知が必要となる。中空糸膜の破断の検知方法としては水中に浸漬された中空糸膜に加圧空気を圧入し、破断個所からの気泡を肉眼、超音波センサ、粒子計、濁度計で検知する方法がある。
前記従来の孔径が約0.2μm以下の中空糸膜であるMF膜あるいはUF膜を用いたろ過装置は、図2に示される通りである。このろ過装置に用いられる中空糸膜モジュールは、一端を封止した多数本の中空糸膜の他端をポッティングにより結束し、封止した端部を自由端とし、この自由端を下方に、結束部を上方にして配置立設されている。このろ過装置のろ過工程、洗浄工程の作用を説明する。
(ろ過工程)
まず、すべての弁V1〜V9を閉じた状態から弁V1、V2、V5bを開弁し、原水槽13からポンプPにより加圧し中空糸膜モジュール1に原水を導入する。この原水室3内の空気を排出した後、空気洗浄気泡抜弁V5bを閉弁してろ過を開始する。
そして、ろ過時間の経過に伴い中空糸膜2の膜表面と中空糸膜2の細孔内にSS成分が捕捉されて細孔が塞がり、膜間差圧が徐々に増大し、ろ過能力が低下してくる。このろ過能力の低下を抑制するために次の定期的な洗浄工程によりろ過能力の回復を図る。
(洗浄工程)
この工程はろ過工程でろ過した処理水を逆洗水ポンプ15で加圧して、中空糸膜2を逆流洗浄した後、加圧空気を中空糸膜の一次側(原水室3)に送り込み空気洗浄を行うものである。
まず、ろ過工程後、弁V1、V2を閉じ逆洗水ポンプ15を運転し、弁V3及びV7を開けて処理水槽14に貯留してある処理水を逆洗水として処理水室5に導入する。逆洗水が中空糸膜2の内側から原水室側に流出する時、ろ過工程で膜表面及び細孔に捕捉されたSS成分を剥離し、原水室3の下方にある逆洗水排水管11を通ってSS成分と共に系外に排出される。
次に、逆洗水ポンプ15を停止し、逆洗水供給弁V3とドレン弁V7を閉じコンプレッサ16を運転すると共に空気洗浄弁V8bと空気逆洗気泡抜弁V5bを開弁すると加圧空気が原水室3に送り込まれ、この気泡が中空糸膜2に沿って上昇し、空気洗浄気泡抜弁V5bから大気に放出される。
気泡が中空糸膜3面に沿って上昇するとき中空糸膜2を揺動しながら、また中空糸膜2と接触揺動しながら上昇するので、水による逆洗では剥離しきれなかったSS成分の剥離が可能となる。また、剥離されたSS成分はドレン弁V7を開けて系外に排出され、これにより洗浄工程を終了する。
これらの洗浄を効率的に行うためにUF膜やMF膜のように孔径の小さい中空糸膜2では自由端を下にして中空糸膜モジュール1が配設されている。中空糸膜2の自由端を上にした場合は膜エレメント下部のポッティングで結束した部分の近傍に入り込んだ濁質や膜面の付着物を剥離するのが難しい。
以上のろ過工程、洗浄工程を繰り返しながら長期間運転していると、中空糸膜2が破断したりひび割れすることがある。この中空糸膜2が破断すると原水はろ過されず、処理水に混入するので中空糸膜モジュール1はろ過機能を失うことになる。従って定期的に中空糸膜2が破断しているか否かを、チェックすることが必要となる。
この中空糸膜2の破断の検知方法としては水中に浸漬された中空糸膜2に加圧空気を圧入し破断個所からの気泡を肉眼、超音波センサ、粒子計、濁度計で検知する方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の中空糸膜モジュール式ろ過装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、中空糸膜の破断検知のために、原水室3に加圧空気を注入していくと、加圧空気は原水室を上昇し、上部から溜まってくる。この加圧空気によって原水室3内の原水は中空糸膜2を透過し、原水水位が下がってくる。この時破断個所があれば、そこで気泡が発生し中空糸膜2と処理水室5を通って気泡の膜破断検知用透明管12で検知される。この中空糸膜2の下端まで水位が下がるまでは中空糸膜2下端の破断個所は検知できないので、その検知のためには時間がかかるという問題点があった。
また、もう一つの破断検知の手順として、原水室3の水を弁V5b、V7を開けることにより排水し、加圧空気を注入し、破断個所から発生する気泡を検出することもできるが、本工程が増えることになり、その後に原水室3を原水で満水にする工程も増えることになっていた。
また、膜破断による気泡の発生は目視でも可能であるが管理上、目視は不確実であると共に超音波センサや粒子計、濁度計は高価であった。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、中空糸膜の封止部側を上方に向けて配設した大孔径中空糸膜モジュールの処理水室側にバブルポイント以下の加圧空気を圧入し、破断した中空糸膜から原水側に漏出する気泡を検知して、中空糸膜の破断を検知する機能を有するようにした膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置は、一端に封止部他端に開口部を有する多数本の中空糸膜の前記開口部側をポッティングによる中空糸膜結束部により結束し、前記封止部を自由端としてなる大孔径中空糸膜モジュールの前記封止部側の原水室と前記開口部側の処理水室とを前記中空糸膜結束部により区画した外圧型ろ過方式の大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置において、前記大孔径中空糸膜モジュールの原水室を上方に処理水室を下方にして立設し、前記原水室の上部に中空糸膜破断検知用透明管及び気泡抜弁を備えた気泡抜管を接続すると共に、前記処理水室に空気逆洗管を配設し、前記気泡抜弁を開弁して前記原水室に原水を充満した状態で、前記空気逆洗管より前記気泡抜管の大気開放水位と空気逆洗管位置との水位差以上で且つ前記中空糸膜のバブルポイント以下の空気を圧入した場合に前記中空糸膜破断検知用透明管内の気泡の有無により前記中空糸膜の破断を検知する構成であり、また、前記中空糸膜破断検知用透明管には光電センサが設けられ、前記光電センサにより前記気泡を検出する構成である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、従来例と同一又は同等部分には同一符号を用いて説明する。
図1において大孔径中空糸膜モジュール1は原水槽13に接続された原水管6から導入された原水を中空糸膜2によりろ過して処理水管7から弁V2を介して処理水を排出するものであり、一端の封止部2a他端の開口部2bを有した多数本の中空糸膜2の封止部2a側を自由端とし、開口部2b側をポッティングの中空糸膜結束部4により結束し、封止部2a側を原水室3として、開口部2b側を処理水室5として区画されている。尚、図1では大孔径中空糸膜モジュール1内のエレメントは1個であるが、図示しない複数配設とすることもある。
【0008】
この大孔径中空糸膜モジュール1は、原水室3を上方に処理水室5を下方にして従来とは逆の状態で立設してあり、原水室3には原水室3の上方の原水槽13から原水弁V1を経由して、原水室3に原水を供給する原水管6、原水室3の中空糸膜の封止部2aの上方空間部位置からは後述する空気逆洗時に排水するための逆洗水排水管9、逆洗水排水弁V6および空気逆洗気泡抜弁V5aが設けられており、原水室3の上部には、後述の中空糸膜破断検知時に原水室3から膜破断検知用透明管12及び膜破断気泡抜弁V9を介して気泡を大気に放出するための気泡抜管10が設けられている。
【0009】
尚、前記透明管12は微量の気泡の通過上昇でも検知可能とするため、前記気泡抜弁V5aと比較して、小サイズにするのが良い。一方、処理水室5には処理水を処理水室弁V2を介して処理水室5の下方の処理水槽14に排出貯留するための処理水管7が設けられている。
また、前記処理水室5には、空気逆洗時にコンプレッサ16から空気逆洗弁V8aを介して、処理水室5に加圧空気を供給する空気逆洗管8aが設けられ、この空気逆洗管8aには、空気逆洗弁V8aをバイパスして、中空糸膜破断検知時に、減圧した加圧空気を処理水室3に供給するための減圧弁V4が設けられている。
【0010】
従って、前述したように、原水室3の上方に原水槽13、処理水室5の下方に処理水槽14が配設してあるので、その水位差を利用することにより、原水管6側に原水ポンプを設けなくとも、ろ過操作が可能となる。
前述の大孔径中空糸膜モジュール1を用いたろ過装置において、原水をろ過する大孔径中空糸膜モジュール1のろ過工程では、まず、すべてのバルブV1〜V9を閉じた状態から原水弁V1及び空気逆洗気泡抜弁V5aを開弁して原水を原水室3に導入すると同時に、原水室3の空気を空気逆洗気泡抜弁V5aより排出しながら原水室3を満水状態とする。
前記原水室3が満水状態となった時点で空気逆洗気泡抜弁V5aを閉じ、ついで処理水弁V2を開弁してろ過を開始する。そして、ろ過時間の経過に伴い中空糸膜2の膜表面や微細多孔に原水中のSS成分が付着し、ろ過能力が低下する。この時ろ過能力を再生するために次の空気逆洗工程に移る。
【0011】
空気逆洗工程は、ろ過工程後まず原水弁V1を閉じ原水の供給を停止すると共に処理水弁V2も閉じる。次に、コンプレッサ16を運転すると同時に、空気逆洗弁V8aと空気逆洗気泡抜弁V5aを開き、空気逆洗管8aより処理水室5へ加圧空気を送り込む。この加圧空気は処理水室5より中空糸膜2の内側から微細多孔を通り原水室3に気泡となって放出される際に中空糸膜に付着したSS成分を剥離させる。さらに、この気泡は中空糸膜2面に沿って上昇する時、気泡は中空糸膜2に接触、揺動しながら上昇し、膜に付着したSS成分の剥離を促進し、ろ過能力の再生がより効果的に行える。原水室3を上昇した気泡は空気逆洗気泡抜弁V5aを経由して大気に放出される。次に空気逆洗気泡抜弁V5aを閉じ、逆洗水排水弁V6を開き、原水室3に残った排水をすべて膜モジュール外に排水する。このときの加圧空気圧力は前述したようにバブルポイント(中空糸膜2に加圧空気を送った場合、この中空糸膜2に無数に形成された微細多孔、すなわち、ろ過対象とする物体がろ過できてかつ抵抗が少ない大きさである0.8〜3μmの大孔径を加圧空気が通過できる圧力)以上としなければならない。
前述の空気逆洗は複数回繰り返し行っても良いが、前述の空気逆洗を行って中空糸膜のろ過能力を回復した後再びろ過工程に移る。
【0012】
以上のろ過工程、空気逆洗工程を繰り返しながら長期間運転していると、中空糸膜2が破断したりひび割れすることがある。この中空糸膜2の破断やひび割れが起こると中空糸膜2の孔径以上の粒子径の病原性動物を含むSS成分がろ過水側に漏出し、目的とする病原微生物の除去ができなくなる。このため、定期的に中空糸膜2の破断検知を行う必要がある。破断検知の方法を以下に説明する。
【0013】
まず、すべての弁V1〜V9を閉じた状態とし、次に弁V1、V5a、V9を開いて原水室3に原水を導入する。すると原水室3内は原水で充満してくる。空気逆洗気泡抜弁V5aを閉じ、更に原水を供給しつづけると、気泡抜管10より膜破断検知用透明管12及び膜破断気泡抜弁V9を経由して、原水が排出されるようになると原水弁V1を閉じる。
尚、最初から膜破断検知用透明管12に水が満水されていれば、前述のバルブ操作は必要ない。
次いで、コンプレッサ16を運転して膜破断検知用空気供給弁V4を開弁し、処理水室5に加圧空気を供給する。この加圧空気の供給圧力は使用する中空糸膜2の前記バブルポイント以下で、且つ、図1に示す水位差h(気泡抜管10の大気開放高さ位置と処理水室5底面位置水位差)以上に、減圧弁としての膜破断検知用空気供給弁V4により減圧してある。
【0014】
次に、中空糸膜2が破断していない場合と破断している場合の作用について説明する。
(中空糸膜2が破断していない場合)
加圧空気は水位差h以上の圧力を有しているので、処理水室5に圧入されて中空糸膜2内の先端(封止部)まで充満する。この空気圧は中空糸膜2のバブルポイント以下なので微細多孔より原水室3側に加圧空気が漏出することはない。したがって、中空糸膜破断検知用透明管12には何の変化も見られない。このことで中空糸膜2は破断していないと判断できる。
【0015】
(中空糸膜が破断している場合)
中空糸膜2の破断の断面は中空糸膜2の微細多孔径に比べてはるかに大きい。例えば内径が300μmの中空糸膜2が折損した場合は、バブルポイントに換算すると0.96×10Paとなり僅かな圧力でも気泡が発生する。これを水位差にすると96mmであり通常の中空糸膜モジュール1であればhが500mm以上はあるので、前述の空気圧力で中空糸膜2の破断個所から気泡が発生し、原水室3の上方の気泡抜管10、膜破断検知用透明管12を通って大気放出される。この時、膜破断検知用透明管12によりその気泡が目視により観測され、膜破断と判定できる。
更に、膜破断検知用透明管12に接近して光電センサ17により膜破断検知用透明管12を通過する気泡を検知することもできる。この場合、光電センサ17は膜破断検知用透明管12を挟んで投光受光素子型の透過光型センサでもよく、反射光を受光する反射光型センサどちらでもよい。
【0016】
次に、前述の実施の形態における本発明の要点をまとめると次の通りである。
(1)中空糸膜2による処理目的を病原性原生動物の除去に限定し、孔径を大きくすることで、従来より大幅に大きいろ過速度でのろ過が可能となるとともに、バブルポイントが1気圧程度となるために通常のコンプレッサ16での空気逆洗が可能となる。空気逆洗が可能となることで、中空糸膜2の1本1本から加圧空気を排出できるので、膜エレメント全体を効率的に洗浄できる。
(2)一端を封止し他端を開口した多数本の中空糸膜2の開口部2b側をポッティングにより結束し、封止部2aを自由端とした中空糸膜エレメント封止部側の原水室3と開口部2b側の処理水室5とを区画した外圧型ろ過方式の中空糸膜モジュール1を、原水室3を上方に、処理水室5を下方にして立設することにより、処理水室5に圧入した加圧空気は、中空糸膜2の開口部2bから中空糸膜2内に入り、破断個所があれば、そこから気泡を生じる。中空糸膜2内の水は少量であり、この水を圧力空気で追い出すことにより破断個所から気泡が生じるので、気泡発生までに必要な時間が短く、破断検知までの時間を短くできる。発生した気泡は、原水室3内を上昇し、中空糸膜2の破断検知用透明管12を通過する。このときの気泡を検知することにより中空糸膜2の破断を検知することができる。
(3)圧入する空気圧を気泡抜管10の大気開放水位と空気逆洗管位置との水位差h以上にすることにより、中空糸膜モジュール1内に空気が圧入できるからである。また、圧入する空気圧を中空糸膜2のバブルポイント以下とする理由は、これ以上にすると、中空糸膜2が破断していなくとも中空糸膜2の内側から膜細孔を通過して原水室3に圧力空気が漏出するからである。勿論、中空糸膜2が破断していても破断個所から空気が漏出する。上記圧力で空気を圧入することにより、もし破断した中空糸膜2が存在すればその破断個所より空気が原水室3に漏出し、気泡となって原水室3を上昇し、気泡抜弁10より大気に放出される。このとき気泡を破断検知用透明管12で検知し中空糸膜2が破断していると判断できる。気泡の発生がなければ中空糸膜2が破断していないと判断できる。
【0017】
【発明の効果】
本発明による膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、多数の中空糸膜を有する中空糸膜モジュールを従来の使用方法とは逆の封止部を上に、開口部を下にして立設使用し、中空糸膜のバブルポイント以下の空気を圧入して空気漏れを見ることにより、1本でも中空糸膜が破断していれば、その破断個所からの気泡の発生を簡単にしかも短時間に検知でき、中空糸膜の破断を早期にかつ確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置を示す構成図である。
【図2】従来装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 大孔径中空糸膜モジュール
2 中空糸膜
3 原水室
4 中空糸膜結束部
5 処理水室
6 原水管
7 処理水管
8a 空気逆洗管
8b 空気洗浄管
9 逆洗水排水管
10 気泡抜管
11 ドレン管
12 膜破断検知用透明管
13 原水槽
14 処理水槽
16 コンプレッサ
17 光電センサ
V1 原水弁
V2 処理水弁
V3 逆洗水供給弁
V4 膜破断検知用空気供給弁(減圧弁)
V5a 空気逆洗気泡抜弁
V5b 空気洗浄気泡抜弁
V6 逆洗水排水弁
V7 ドレン弁
V8a 空気逆洗弁
V8b 空気洗浄弁
V9 膜破断気泡抜弁

Claims (2)

  1. 一端に封止部(2a)他端に開口部(2b)を有する多数本の中空糸膜(2)の前記開口部(2b)側をポッティングによる中空糸膜結束部(4)により結束し、前記封止部(2a)を自由端としてなる大孔径中空糸膜モジュール(1)の前記封止部(2a)側の原水室(3)と前記開口部(2b)側の処理水室(5)とを前記中空糸膜結束部(4)により区画した外圧型ろ過方式の大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置において、前記大孔径中空糸膜モジュール(1)の原水室(3)を上方に、処理水室(5)を下方にして立設し、前記原水室(3)の上部に中空糸膜破断検知用透明管(12)及び気泡抜弁(V9)を備えた気泡抜管(10)を接続すると共に、前記処理水室(5)に空気逆洗管(8a)を配設し、前記気泡抜弁(V9)を開弁して前記原水室(3)に原水を充満した状態で、前記空気逆洗管(8a)より前記気泡抜管(10)の大気開放水位と空気逆洗管(8a)位置との水位差(h)以上で且つ前記中空糸膜(2)のバブルポイント以下の空気を圧入した場合に前記中空糸膜破断検知用透明管(12)内の気泡の有無により前記中空糸膜(2)の破断を検知するように構成したことを特徴とする膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置。
  2. 前記中空糸膜破断検知用透明管(12)には光電センサ(17)が設けられ、前記光電センサ(17)により前記気泡を検出することを特徴とする請求項1記載の膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置。
JP2001341863A 2001-11-07 2001-11-07 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置 Expired - Fee Related JP3626931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341863A JP3626931B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001341863A JP3626931B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003144866A JP2003144866A (ja) 2003-05-20
JP3626931B2 true JP3626931B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=19155821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001341863A Expired - Fee Related JP3626931B2 (ja) 2001-11-07 2001-11-07 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3626931B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102605480A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 吉祥资源科技股份有限公司 洗肾管中空纤维材料的回收再制方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4591670B2 (ja) * 2004-09-17 2010-12-01 栗田工業株式会社 膜破断検知方法
FR2909904B1 (fr) * 2006-12-19 2009-12-11 Degremont Procede de controle de l'integrite de membranes de filtration et dispositif pour la mise en oeuvre de ce procede.
CN110280141A (zh) * 2019-06-25 2019-09-27 宁波建嵘科技有限公司 一种中空纤维膜通量测试装置及其工作方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102605480A (zh) * 2011-01-24 2012-07-25 吉祥资源科技股份有限公司 洗肾管中空纤维材料的回收再制方法
CN102605480B (zh) * 2011-01-24 2015-01-07 吉祥资源科技股份有限公司 洗肾管中空纤维材料的回收再制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003144866A (ja) 2003-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1680210B1 (en) Improved method of cleaning membrane modules
JP4951860B2 (ja) 選択透過性膜モジュールの製造方法および選択透過性膜モジュール
JPH10286441A (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法およびその方法に用いる濾過装置
JP6122525B1 (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法
JP5829080B2 (ja) 水処理方法
JP6319493B1 (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法
JPH11309351A (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法
JP3626931B2 (ja) 膜破断検知機能を備えた大孔径中空糸膜モジュール式ろ過装置
JP5147267B2 (ja) 膜ろ過システムの洗浄方法
JP2013052339A (ja) 水処理方法
JPWO2014128850A1 (ja) 水処理方法及び水処理装置
JP6618708B2 (ja) 中空糸膜モジュールの運転方法及び濾過装置
JP2008246424A (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法および中空糸膜ろ過装置
JP2013212497A (ja) 水処理方法
JP4437527B2 (ja) 膜ろ過モジュール
JP2004057883A (ja) 外圧型中空糸膜モジュールを用いた浄水製造方法及びその装置
TW202128271A (zh) 膜過濾裝置
JP4433276B2 (ja) 中空糸膜ろ過モジュールおよびその洗浄方法
JP6653154B2 (ja) 中空糸膜モジュールの洗浄方法及び濾過装置
JP3616503B2 (ja) 膜濾過装置
JP4454922B2 (ja) 中空糸型分離膜を用いた濾過装置の制御方法
JPH08173774A (ja) 中空糸膜濾過装置の膜破損検知方法及びその装置
US20240009628A1 (en) Method for washing hollow fiber membrane module
JP2009000585A (ja) 膜ろ過装置
JP7213711B2 (ja) 水処理装置および水処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3626931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071210

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081210

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091210

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101210

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111210

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111210

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121210

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees