以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(基本構成1)
図16に基本構成1の配線システムのシステム構成を示す。この配線システムでは、建物内の適所において1乃至複数のスイッチボックス90を埋込配設してあり、始端のスイッチボックス90に対しては、屋外より配線盤6内に引き込まれ主幹ブレーカMBおよび分岐ブレーカBBを介して屋内に引き込まれた電力線L1と、外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続される情報線L2とを導入する。また各スイッチボックス90の間は壁面内に先行配線された電力線L1と情報線L2とを送り配線してある。
ここで、スイッチボックス90は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋込型の配線器具を3個取り付けることができる1連の取付枠70(図6参照)に対応して規格化されたもので、図16に示すように配線盤6又は他のスイッチボックス90から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2をボックス内部に導入するとともに、他のスイッチボックス90へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2をボックスの外部へ導出している。なお、スイッチボックス90には、図15及び図16に示すように室内の天井100に設けられるものと、壁101に設けられるものと、床102に設けられるものとがある。
そして、各スイッチボックス90の内部には、図5及び図6に示すゲート装置1が取付枠70を用いて埋込配設されている。取付枠70は矩形枠状であって、器具取付用の細長の取付窓71を有しており、左右の枠片72には取付窓71の長手方向において器具取付孔73を3組ずつ備えている。また取付枠70の上下の枠片74には、スイッチボックス90に取り付けるための取付ねじ用の長孔75や、壁を構成する石膏ボードなどに取り付けるための従来周知のはさみ金具(図示せず)が取着される取着孔76や、前面側に後述のプレート枠80を取り付けるためのプレートねじ用のねじ孔77や、石膏ボードなどにタッピングねじにより直接ねじ固定するためのねじ挿通孔78が少なくとも設けてある。この取付枠70をスイッチボックス90に取り付ける際には、取付枠70の上下の枠片74に設けた長孔75に挿通する取付ねじ(図示せず)をスイッチボックス90のねじ孔(図示せず)に締結することで、ゲート装置1ごとスイッチボックス90に取り付けられる。
ゲート装置1は、規格化された単位寸法(1個モジュール寸法)の埋込型配線器具を短幅方向に3個並べた大きさ(3個モジュール寸法)のゲート装置本体10を備え、このゲート装置本体の左右両側には取付枠70の枠片72に設けた器具取付孔73に係止する係止爪10aが各2対ずつ形成されている。そして、このゲート装置本体10は、取付枠70の取付窓71から前面を露出させた状態で取付枠70に取り付けてある。
またゲート装置1では、ゲート装置本体10の背面に設けた速結端子構造の端子部21a,21bに電力線L1を接続するとともに、端子部31a,31bに情報線L2を接続するようになっており、端子部21b,31bにそれぞれ接続される電力線L1、情報線L2は他のスイッチボックス90への送り配線となる(図3及び図10参照)。
一方、ゲート装置本体10の前面には、端子部21a,21bに接続された電力線L1と電気的に接続されている導電部を備えた電力路接続口22と、端子部31a,31bに接続された情報線L2と電気的に接続されている導電部を備えた情報路接続口32とが設けられている。
ここに、ゲート装置1の電力路接続口22および情報路接続口32は、それぞれ、導電部の配列や開口部の形状をシステムとして定形化(規格化)してある。後述する基本機能モジュール4の背面側には、電力路接続口22および情報路接続口32にそれぞれ対応した形態に規格化されたコネクタ42a,42bが形成されており、コネクタ42a,42bをそれぞれ接続口22,32に着脱自在に結合できるようになっている。尚、電力路接続口22と情報路接続口32とは、導電部の配列や開口部の形状を互いに異ならせているので、誤接続を防止することができる。
次に、ゲート装置1に接続される基本機能モジュール4について説明する。基本機能モジュール4は扁平な直方体状のモジュール本体40を備えており、モジュール本体40の背面に設けたコネクタ42a,42bを、ゲート装置1の各接続口22,32に接続することによって、ゲート装置本体10の前面側にモジュール本体40が重ねた状態で取着される。このように本配線システムではゲート装置本体10を3個モジュール寸法に形成するとともに、モジュール本体40の大きさを3個モジュール寸法に対応する寸法に形成しているので、埋込型配線器具用の取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1に対して、ゲート装置本体10の前面を覆うようにして機能モジュール4を取り付けることにより、後付け感を与えることなく、機能モジュール4をゲート装置1に容易に接続することができ、またゲート装置1に接続する機能モジュール4を変更することで、機能モジュール4の変更にも容易に対応できる。
以下に基本機能モジュール4の回路構成について図10に基づいて説明する。この基本機能モジュール4は、後述する拡張機能モジュール5を連接して使用するために以下の構成を備えている。すなわち基本機能モジュール4は、コネクタ42aを介して接続される商用電源ACを所定電圧に降圧するとともに、周波数を高周波に変換し、この高周波に変換した定圧交流電源をコア44aに巻装したコイル44bに印加するAC/ACコンバータ43aと、低圧交流電源を整流平滑後、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得る直流電源部43bと、コネクタ42bを介して接続される情報線L2を通じて情報信号の送受信を行う送受信部45と、情報線L2を介して受信される情報信号をE/O変換し、発光素子LEDを通じて光信号で送出するE/O変換部46aと、後述する拡張機能モジュール5から送られてくる光信号からなる情報信号を受光素子PDで受光し、O/E変換して送受信部45に出力するO/E変換部46bと、機能モジュールの種類(例えばスイッチ)に対応した機能部49と、機能部49から送られてくるスイッチの操作データをI/Oインターフェース48を通じて取り込み、送信先へ情報信号として送信させる処理を行う機能や、送受信部45で受信した負荷の動作情報などを取り込み、機能部49が備える動作表示ランプLDの点灯/消灯信号を生成し、I/Oインターフェース48を通じて機能部49へ送信する機能を備えた演算処理部47とで構成されている。
ここで、上述したコイル44bとコア44aとは、基本機能モジュール4から拡張機能モジュール5に電力を非接触で供給するためのトランスの一次側となる電磁結合部を構成するもので、拡張機能モジュール5側に同様に設けた電磁結合部のコアにコア44aが磁気結合し、トランス作用によって拡張機能モジュール5に設けた電磁結合部のコイルに定圧交流電源を誘起させて電源供給を行うようになっている。AC/ACコンバータ43aでは、電力線L1を通じて供給される商用電源を、商用電源周波数に比べて高周波の交流電源に変換することで、電磁結合部によるトランス構成の小型化を図っている。なお図10ではコア44aとコイル44bとからなる電磁結合部が1組しか示されていないが、拡張機能モジュール5は基本機能モジュール4の左右何れかの側、或いは、基本機能モジュール4の左右両側に並べて配置されるので、実際には電気的に並列な2組の電磁結合部が設けられ、モジュール本体40の左右両側において側壁に近接する内部位置に電磁結合部が1組ずつ配置してある。ここに、各電磁結合部のコア44aの先端が近接配置されるモジュール本体40の側面位置が、拡張機能モジュール5に対する磁気結合部Xとなっている。
一方、E/O変換部46aの発光素子LEDは、拡張機能モジュール5に対して情報信号を光信号により非接触で伝送するためのもので、連接する拡張機能モジュール5側のO/E変換部(図示せず)に設けた受光素子に対置される。また、O/E変換部46bの受光素子PDは連設する拡張機能モジュール5から光信号により伝達されてくる情報信号を受光するためのもので、連接する拡張機能モジュール5側のE/O変換部(図示せず)に設けた発光素子に対置される。なお、E/O変換部46aの発光素子LED、および、O/E変換部46bの受光素子PDも図10では1個ずつしか示されていないが、各変換部46a,46bには発光素子LEDおよび受光素子PDを2組ずつ接続してあり、モジュール本体40の左右両側において側壁に近接する内部位置に発光素子LEDおよび受光素子PDの組を1組ずつ配置している。ここで、発光素子LEDの発光部及び受光素子PDの受光部が対向するモジュール本体40の側壁部位は光信号が透過可能なように透明部Yとしてある。また、モジュール本体40の両側では、受光素子PDと発光素子LEDの位置が上、下で逆になるように配置され、例えば右側では受光素子PDを上、発光素子LEDを下とし、左側では受光素子PDを下、発光素子LEDを上としてある。そして、電磁結合部のコア44aの先端部の配置位置と、受光素子PD及び発光素子LEDの配置位置の上下間隔は定形としている。
なお本配線システムでは、基本機能モジュール4が機能部49としてスイッチ機能を備える場合について説明を行ったが、機能部49をスイッチ機能に限定する趣旨のものではなく、センサ機能やスピーカ機能などの機能を備えているものでも良い。ここにおいて、ゲート装置1には複数種の情報信号を伝送する情報線L2を接続してあるので、ゲート装置1の情報路接続口32と基本機能モジュール4のコネクタ42bとの間で複数種の情報信号を授受することができ、基本機能モジュール4として様々な種類の機能モジュール4を接続して使用できるから、所望の機能を有する機能モジュール4への交換にも容易に対応できる。例えば図15および図16に示すように、天井100に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、照明器具の引掛プラグに対応した引掛栓刃接続部91を持つ引掛シーリングローゼット型の機能モジュール4aや、人感センサ等を備えたセンサ型機能モジュール(図示せず)、更に監視カメラを備えたカメラ型機能モジュール(図示せず)、更にBGM等のスピーカSPを持つ機能モジュール4b等がある。また壁101に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、照明器具などをオン/オフ操作するスイッチSWを備えた機能モジュール4cや、空調機器のコントローラ等の操作器型機能モジュール(図示せず)、モニタ装置Mを備えた機能モジュール4dがある。さらに床102に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、電源プラグ用のコンセント部92を備えた機能モジュール4eや、スピーカSPを備えた機能モジュール4b等がある。また更に基本機能モジュール4が機能部49を備えておらず、連接された拡張機能モジュール5に対して電力および情報信号を伝達する機能のみを備えているものでも良い。
而して、スイッチボックス90に取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1の各接続口22,32に、適応する基本機能モジュール4のコネクタ42a,42bを結合して、基本機能モジュール4をスイッチボックス90に取り付けることで、基本機能モジュール4の電力確保と情報路の確保が同時に行え且つ配設が行える。なおゲート装置1の各接続口22,32とコネクタ42a,42bの形態を定形化(規格化)しているので、基本機能モジュール4を何れのゲート装置1にも接続することができるから、レイアウトフリーに施工でき、さらに基本機能モジュール4の機能によって多様な配線システムを展開することができる。従って、ユーザは、好みの利用形態に応じて基本機能モジュール4を自由に施工することができ、将来的に建物内部のレイアウトを変更したり、新しい基本機能モジュール4を追加したい場合にも、基本機能モジュール4の着脱のみで容易に対応できるから、基本機能モジュール4の取替性が向上する。
次に、基本機能モジュール4に連接され、基本機能モジュール4を介して電力供給と情報信号の伝達とを行う拡張機能モジュール5について説明する。拡張機能モジュール5としては、様々な機能を有するものが用意されているが、基本的には図1、図8及び図9に示すように、モジュール本体50,50’の高さ寸法を埋込型配線器具の3個モジュール寸法に規格化するとともに、横幅寸法を1個モジュール寸法の整数倍に規格化し、またモジュール本体50,50’の両側面の形状は基本機能モジュール4の側面と同一形状とし、さらに背面を図3及び図8(b)に示すように平坦な面に形成し、造営面(例えば壁面)に沿って配設できるようにしてある。モジュール本体50,50’の上下位置には、後述するプレート枠80の上下の枠部材80a,80bの前面側に重ねて取り付けられる取付片51,51’を一体に形成してあり、各取付片51,51’には後述するプレート枠80にねじ固定するための固定ねじ85を挿通するねじ挿通孔52が貫設されている。
モジュール本体50,50’の内部には、図11に示すようにコア44aおよびコイル44bからなる電磁結合部を2組備えて、モジュール本体50,50’の左右両側部において側壁に近接する内部位置に配置するとともに、夫々のコイル44bを電気的に接続し、片側の電磁結合部が隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の電磁結合部と電磁結合して電力を受け取る側(二次側)となると、他方の電磁結合部が電力供給側(一次側)となるようになっている。これらの電磁結合部を構成するコア44aの先端が近接配置されるモジュール本体50,50’の側面位置が磁気結合部Xとなる。また両電磁結合部のコイル44b,44b間を接続する線路には直流電源部43を接続し、内部回路の動作電源+Vを得るようになっている。
更に情報信号を授受するために、モジュール本体50,50’内には連接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5から送られてくる光信号からなる情報信号を受光素子PDにて受光し電気的な信号に変換するO/E変換部46bと、電気信号からなる情報信号を隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5へ光信号からなる情報信号として発光素子LEDにより送り出すためのE/O変換部46aと、O/E変換部46bからの電気信号からなる情報信号を受け取るとともに、電気信号からなる情報信号をE/O変換部46aへ送り出す情報信号送受信部46とからなる情報信号送受信手段を二組設け、一方の発光素子LEDと受光素子PDをモジュール本体50,50’の左側側壁近傍の内部に、また他方の発光素子LEDと受光素子PDをモジュール本体50,50’の右側側壁近傍の内部に配置してある。ここで、左側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの下側に、また右側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの上側に夫々を配置してある。而して、左側に連接される基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の右側側壁に近接配置された発光素子LED、受光素子PDに、当該モジュールの左側に配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向し、また右側に連接される基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の左側側壁に近接配置された発光素子LED、受光素子PDに、当該モジュールの右側に配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向するようになっている。そして発光素子LED、受光素子PDが対向しているモジュール本体50,50’の側壁は光信号が透過できるように基本機能モジュール4と同様に透明部Yとなっている。
そして両側の情報信号送受信部46,46間をモジュール本体50,50’内において、双方向の信号ライン57で接続して、両側に隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して情報信号を中継できるようになっている。なお、拡張機能モジュール5のモジュール本体50,50’の側面に磁気結合部X及び透明部Yが形成される位置は、図6及び図7で示す基本機能モジュール4の側面の磁気結合部X及び透明部Yの位置と合うように規格化され、拡張機能モジュール5同士を並置したとき、或いは、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とを並置したときに面接する側面側の磁気結合部X、X同士、及び、透明部Y,Y同士が夫々対向するようになっている。つまり、夫々の給電手段の接続口同士、情報信号の伝達手段の接続口同士が接続された状態となる。
またモジュール本体50,50’内には、信号ライン57上の情報信号を受信するとともに、信号ライン57上に情報信号を送出する送受信部45と、この送受信部45で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール5から他の拡張機能モジュール5宛にデータを送る場合のデータ生成処理を行う演算処理部47と、I/Oインターフェース48を介して演算処理部47との間でデータの授受を行って動作する機能部49とを設けてあり、この機能部49の構成が拡張機能モジュール5の種類によって異なるのである。
ここで、各拡張機能モジュール5の種類別の構成について説明する。まず、照明器具の操作スイッチを構成する拡張機能モジュール5aの機能部49は、図12に示すように押釦スイッチからなる操作スイッチSWa,SWbと、これら操作スイッチSWa,SWbの操作データを生成して演算処理部47にI/Oインターフェース48を介して送るデータ生成機能を有するCPU部49aとで構成され、モジュール本体50の前面部には図1および図8に示すように各操作スイッチSWa、SWbの操作釦B1,B2を配置している。また拡張機能モジュール5bは、床暖房装置の操作スイッチを構成する機能モジュールであり、スイッチの数が1個となる点以外は拡張機能モジュール5aと同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
一方、モニタ装置を構成する拡張機能モジュール5cの機能部49は、図13に示すように表示の切り替えなどの操作を行う操作スイッチSWcと、I/Oインターフェース48を介して送られてくる画像データを伸長復号して液晶表示部LCDに表示させるとともに、操作スイッチSWcの操作に応じて画面の切替などの処理を行うCPU部49bとで構成され、モジュール本体50’の前面部には液晶表示部LCDの表示面と操作スイッチSWcの操作釦B2とを配置している。なお、拡張機能モジュール5の機能部49を上記の機能を有するものに限定する趣旨のものではなく、電源コンセントや情報コンセントなどの機能を有するものや、インターホン通話の機能を有するものでも良い。
本システムに用いる基本機能モジュール4および拡張機能モジュール5は以上のような構成を有しており、基本機能モジュール4と並置した状態で拡張機能モジュール5を造営面に固定するためのプレート枠(枠部材)80について以下に説明する。プレート枠80は、図1及び図2(a)(b)に示すように横長の矩形枠状であって、枠内に複数の機能モジュール4,5が横方向に並べて取り付けられるようになっており、機能モジュール4,5の連設方向に沿う上下の枠部材80a,80bが、連設方向において並べた複数の枠片83を連結して構成されている。
すなわちプレート枠80は、平面視の形状が略C状に形成された左枠部材81と、平面視の形状が略コ字状に形成された右枠部材82と、両枠部材81,82の間に連結されて横枠部材80a,80bを構成する複数個の枠片83とを連結して構成されている。
左枠部材81は、中央片81aと、中央片81aの上下両端部からそれぞれ右方向に突出する側片81b,81bとで構成され、両側片81bの先端部の背面側からは側片81bよりも肉薄の連結片81cが突出し、連結片81cの前面側の基部には係合溝81dが形成されている(図2(b)参照)。また両側片81bの長さは機能モジュール4,5の単位寸法の約(4/3)倍の寸法に形成されており、取付枠70のねじ孔77に対応する部位にはねじ挿通孔81eが形成されている。
右枠部材82は、中央片82aと、中央片82aの上下両端部からそれぞれ左方向に突出する側片82b,82bとで構成され、両側片82bの先端の前面側からは側片82bよりも肉薄の連結片82cが突出し、連結片82cの背面側の先端部には係合溝81dと係合する係合突起82dが形成されている。また両側片82bの長さは機能モジュール4,5の単位寸法の約(2/3)倍の寸法に形成されており、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にはねじ孔82eを設けてある。また、各側片82bと中央片82aとの連結部位付近には、右枠部材82を造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔82fを貫設してある。
一方、枠片83は略短冊状であって、左端部の前面側からは、連結片82cと略同じ厚みの連結片83aが突出形成されて、連結片83aの先端部には係合突起82dと略同じ寸法の係合突起83bが突設されている。また、枠片83の右端部の背面側からは、連結片81cと略同じ厚みの連結片83cが突出形成されて、連結片83cの基部には係合溝81dと略同じ寸法の係合溝83dを形成してある。枠片83の長さ寸法は機能モジュール4,5の単位寸法と略同じ寸法に形成されており、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にはねじ孔83eが設けられ、さらに枠片83を造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔83fを貫設してある。
而して、このプレート枠80を用いて各機能モジュール4,5を造営面に施工するに当たっては、先ず建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。次に取付枠70の前面側に左枠部材81を配置し、左枠部材81のねじ挿通孔81eに挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することにより、取付枠70に対して左枠部材81を固定した後、両側片81bの連結片81cに枠片83の連結片83aを重ねて配置し、係合突起83bを係合溝81dに係合させることで、枠片83を左枠部材81に位置決めした状態で、各枠片83の挿通孔83fに挿通した固定ピン(図示せず)を造営面に差し込むことにより、枠片83を造営面に固定する。そして、各枠片83の非連結側(右側)の連結片83cに別の枠片83の連結片83aを重ねて配置し、連結片83cの係合溝83dに連結片83aの係合突起83bを係合させることで、連設方向に並べた枠片83,83同士を位置決めした状態で、各枠片83の挿通孔83fに挿通した固定ピン(図示せず)を造営面に差し込むことにより、枠片83を造営面に固定する。そして、所望の数の枠片83を連結した後、端末(右端)の枠片83,83の連結片83c,83cに右枠部材82の連結片82c,82cを重ねて配置し、連結片83cの係合溝83dに連結片82cの係合突起82dを係合させることで、右枠部材82を位置決めした状態で、右枠部材82の挿通孔82fに通した固定ピンを造営面に差し込むことにより右枠部材82を造営面に固定すると、プレート枠80の組立が完了する。
以上のようにしてスイッチボックス90に固定された取付枠70に対してプレート枠80を固定すると、取付枠70に取着されたゲート装置1の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。また拡張機能モジュール5a〜5cを、プレート枠80の前面側から所定の取付位置に配置するとともに、各拡張機能モジュール5a〜5cの取付片51,51’に設けたねじ挿通孔52に固定ねじ85を挿通し、プレート枠80(枠片83および右枠部材82)のねじ孔83e,82eに締結することによって、拡張機能モジュール5a〜5cがプレート枠80に取着される。ここで、プレート枠80の上下の枠部材80a,80bの前面は、取付枠70の枠片74の前面側に位置する部位に比べて、拡張機能モジュール5の取付片51,51’が載置する部位が背面側に後退しており、拡張機能モジュール5をプレート枠80に取着した状態では、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5の前面部が略同じ高さに配置されている。
そして、プレート枠80に各機能モジュール4,5a〜5cを取り付けた状態で、化粧プレート93をプレート枠80の前面側に取着すると、各機能モジュール4,5a…を固定するための固定ねじ85,86が化粧プレート93で覆われるとともに、化粧プレート93の窓孔93aから各機能モジュール4,5a〜5cの機能面が露出するようになっている。なお化粧プレート93の背面には係止爪片(図示せず)が突設されており、化粧プレート93の係止爪片をプレート枠80の角部付近に設けた係止孔87に係止させることで、化粧プレート93がプレート枠80に取着される。
而して、各機能モジュール4,5の配設施工が終了し、配線システムの施工が完了した後は、ゲート装置1を介して各機能モジュール4,5に電力路および情報路を接続することができ、対応する機能モジュール4,5間で情報信号の授受が行われ、照明器具や床暖房装置などの操作や、カメラで撮影した画像のモニタが行えるのである。ここで、ゲート装置1に接続される情報線L2は複数種の機能モジュール4,5に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置1を介して機能モジュール4,5に複数種類の情報信号を伝達することができるから、機能モジュール4,5に多種多様な機能を持つ機能モジュールを使用でき、多種多様な機能をもつシステムを実現することができる。
以上説明したように本配線システムでは、取付枠70にねじ固定された左枠部材81と、この左枠部材81に連結される枠片83および右枠部材82とで構成されるプレート枠80に対して、各拡張機能モジュール5a…を取着しているので、拡張機能モジュール5a…の固定状態が安定し、複数の拡張機能モジュール5a…を連設した場合でも、拡張機能モジュール5a…の固定状態が不安定になることはない。しかも、連設方向に沿うプレート枠80の枠部材80a,80bが、連結方向に沿って並べた複数の枠片83を連結して構成されるので、拡張機能モジュール5の数に応じた個数の枠片83を連結することで、枠部材80a,80bの長さを所望の長さに変更することができ、拡張機能モジュール5の数に関係無く拡張機能モジュール5の固定を安定させることができる。尚、本配線システムではプレート枠80を取付枠70に対してねじ固定しているが、基本機能モジュール4が埋込配設されるスイッチボックスに対してプレート枠80を固定するようにしても良く、上述と同様に拡張機能モジュール5a…を安定に固定することができる。また枠片83同士を連結する構造は上記の形態に限定する趣旨のものではなく、適宜の連結構造を適用可能である。またスイッチボックス90を無くして取付枠70を造営材(例えば壁材)に直接取り付けるようにしても良い。
また図1、図3及び図4に示す設置例では基本機能モジュール4の片側のみに拡張機能モジュール5を連設しているが、基本機能モジュール4の両側に拡張機能モジュール5を連設しても良い。但し、基本機能モジュール4に連設できる拡張機能モジュール5の数はAC/ACコンバータ43aの電力供給能力などによって制限される。また、連設する拡張機能モジュール5の数が増えると、拡張機能モジュール5の重さでプレート枠80が変形し、プレート枠80の端部(例えば取付枠70に固定される側と反対側の端部、図1の右端部)が浮き上がる可能性があるが、本配線システムでは個々の枠片83および右枠部材82を固定ピン(固定手段)を用いて造営面に固定しているので、造営面からの浮き上がりを防止することができる。なお本配線システムでは中間部の枠片83も造営面に固定しているが、左枠部材81および右枠部材82と枠片83との間や、枠片83,83の間がそれぞれ強固に結合されていれば、プレート枠80の端部(取付枠70に固定される側と反対側の端部、すなわち右端部)のみを固定ピンなどの固定手段を用いて造営面に固定するようにしても良く、造営面への加工を最小限にしつつ、プレート枠80が造営面から浮き上がるのを確実に防止できる。なお、プレート枠80の端部を造営面に固定する固定手段は固定ピンに限定されるものではなく、挿通孔82fに通したタッピングねじなどのねじ部材でねじ止めしたり、プレート枠80(右枠部材82)の背面と造営面とにそれぞれ面ファスナーを取り付け、プレート枠80を造営面に対して面ファスナーで固定するようにしても良い。
なお、上述の配線システムではゲート装置1と基本機能モジュール4との間において電力路、情報路の接続はコネクタ42a,42b側の接触ピンが各接続口22,32の接触部に接触することで行われるようになっているが、非接触構成としても良い。
つまり上述した基本機能モジュール4が拡張機能モジュール5に非接触で電力を供給するために用いたAC/ACコンバータ43aと、コア44a及びコイル44bからなる電磁結合部と、情報信号の授受を非接触で行うためのE/O変換部46aおよびO/E変換部46bとをゲート装置1に内蔵し、基本機能モジュール4側にこれに対応して磁気結合部、O/E変換部およびE/O変換部を設け、電力路接続口22を上述の磁気結合部Xにより構成し、情報路接続口32を上述の透明部Yにより構成する。また基本機能モジュール4側にも、ゲート装置1の磁気結合部Xおよび透明部Yにそれぞれ対応して、磁気結合部Xと透明部Yとを設ける。そしてゲート装置1では、両接続口22,32を構成する磁気結合部X、透明部Yの形状と両者の間隔を定形化(規格化)して接続口22,32のモジュール化を図り、他方基本機能モジュール4の磁気結合部X、透明部Yの形状と両者の間隔を接続口22,32のそれと合わせて定形化を図れば良い。
また上述の配線システムでは情報路と、電力路を別にしているためゲート装置1には電力線L1と情報線L2とを夫々接続しているが、電力線搬送によって情報信号の伝送を行えば、電力路を情報路として用いることもできるため、配線を電力線L1のみとすることができ、配線施工を簡略化できる。つまり各スイッチボックス90での先行配線は電力線L1のみとし、これに対応してゲート装置1の端子部31a,31bおよび情報路接続口32を無くし、端子部21a,21bおよび電力路接続口22のみとする。そして、基本機能モジュール4において、図14に示すようにコネクタ42aおよびゲート装置1を介して電力線L1に接続され、電力線搬送通信により情報信号を授受するPLCモデム部45aを設けており、送受信部45では、PLCモデム部45aを介して受信された情報信号をE/O変換部46aにより光信号で送信させるとともに、O/E変換部46bが受光した光信号よりなる情報信号を、PLCモデム部45aから電力線搬送によって送信させている。また送受信部45は、PLCモデム部45aを介して受信された情報信号を演算処理部47に出力して、演算処理部47によりデータ処理を行わせるとともに、演算処理部47から入力された情報信号をPLCモデム部45aからゲート装置1を介して電力線L1へ電力線搬送によって送信させている。
尚、PLCモデム部45aで採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。また図14に示す例では、基本機能モジュール4のPLCモデム部45aにより電力線搬送通信で伝送された情報信号を分離し、各機能モジュール4,5間ではE/O変換部46aおよびO/E変換部46bを用いて情報信号の授受を行っているが、各々の機能モジュール5にPLCモデム部を設けて、各機能モジュール5において電力線搬送通信により情報信号の授受を行うようにしても良い。
また本配線システムでは拡張機能モジュール5が、基本機能モジュール4を介して電力の供給を受けると共に情報信号の授受を行っており、拡張機能モジュール5において電力路および情報路を共に確保しているが、拡張機能モジュール5の機能によっては、電力の供給と情報信号の授受の内何れか一方だけを行って、電力路又は情報路の何れかを確保するようにしても良く、様々な機能モジュール5を連設して使用することにより、機能の拡張にも容易に対応することができる。
また、情報信号を伝送する方式としては、ベースバンド伝送又はブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良いが、音声、映像などを用いるインターホンの親機、子機との間にはJT−H232パケットに基づいて音声・映像を相互に伝送することとし、また制御系にあっては操作側からの操作データにより1乃至複数の負荷を操作できるような1対1又は1対Nの対応が可能なユニキャスト或いはブロードキャストに対応する経路制御プロトコルを採用すれば良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。また、ゲート装置1間の使用プロトコルと、ゲート装置1に連なる機能モジュール4,5での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置1においてプロトコル変換を行うようにしても良い。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図17〜図20に基づいて説明する。上述した基本構成1の配線システムでは、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とが対接する側部、および、拡張機能モジュール5,5同士が対接する側部に電力を供給するための給電手段と、情報信号を光信号で送受信するための情報信号接続手段とを設けているのに対して、本実施形態では、拡張機能モジュール5を固定するプレート枠80に、電力供給を行うための電源ラインと情報信号の伝達を行うための情報ラインとを設け、電源ラインおよび情報ラインと各機能モジュール4,5の間を電気的に接続することによって、基本機能モジュール4を介して拡張機能モジュール5に電力の供給と情報信号の伝達とを行っている。尚、給電手段および情報信号接続手段以外の構成は、基本構成1で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図16は本実施形態に用いるプレート枠80の正面図であり、基本構成1で説明した配線システムと同様に左右の枠部材81,82と、上下の枠部材80a,80bを構成する複数の枠片83(枠片83A,83Bからなる)とを連結してプレート枠80を構成している。なお左枠部材81、右枠部材82、および枠片83A,83Bの形状および連結方法は、基本構成1で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、左枠部材81では、上側の側片81bに電源ラインを構成する一対の導電板23A,24Aがインサート成形により埋込配設され、下側の側片81bに情報ラインを構成する一対の導電板25A,26Aがインサート成形により埋込配設されている。また右枠部材82では、上側の側片82bに電源ラインを構成する一対の導電板23B,24Bがインサート成形により埋込配設され、下側の側片82bに情報ラインを構成する一対の導電板25B,26Bがインサート成形により埋込配設されている。また各枠片83A,83Bの内、上枠部材80aを構成する枠片83Aには電源ラインを構成する一対の導電板23C,24Cがインサート成形により埋込配設され、下枠部材80bを構成する枠片83Bには情報ラインを構成する一対の導電板25C,26Cがインサート成形により埋込配設されている。
また左枠部材81には、上側の側片81bの下側縁よりモジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ81fが突設されるとともに、下側の側片81bの上側縁よりモジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ81gが突設されている。支持リブ81fの前面側には導電板23A,24Aの一端側が延出し、その先端部が支持リブ81fの前面に露出しており、この露出部位が接続端子23a,24aとなっている。また、支持リブ81gの前面側には導電板25A,26Aの一端側が延出し、その先端部が支持リブ81gの前面に露出しており、この露出部位が接続端子25a,26aとなっている。
また、右枠部材82では、上側の側片82bの前面に、導電板23B,24Bにそれぞれ電気的に接続された端子23b,24bが所定位置に形成されるとともに、下側の側片82bの前面に、導電板25B,26Bにそれぞれ電気的に接続された端子25b,26bが所定位置に形成されている。
さらに、複数の枠片83A,83Bの内、上枠部材80aを構成する枠片83Aの前面には、導電板23C,24Cにそれぞれ電気的に接続された給電用の端子23c,24cが所定位置に形成されている。また、下枠部材80bを構成する枠片83Bの前面には、導電板25C,26Cにそれぞれ電気的に接続された情報信号伝達用の端子25c,26cが所定位置に形成されている。
ここで、左枠部材81および枠片83A,83Bの連結片81c,83cと、右枠部材82および枠片83A,83Bの連結片82c,83aとが互いに対接する部位には、それぞれにインサート成形された導電板の一部を露出させており、左右の枠部材81,82と枠片83A,83Bとを連結してプレート枠80を組み立てると、電源ラインを構成する導電板23A,23B,23C、および、導電板24A,24B,24Cがそれぞれ電気的に接続されるとともに、情報ラインを構成する導電板25A,25B,25C、および、導電板26A,26B,26Cがそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
一方、基本機能モジュール4では、図18(a)に示すように基本構成1で説明した基本機能モジュール4からAC/AC変換部43aと、コア44aおよびコイル44bからなる磁気結合部Xと、情報信号を非接触で授受するためのE/O変換部46a、O/E変換部46b、発光素子LEDおよび受光素子PDを無くしてある。そして、図19に示すようにモジュール本体40の上部背面には、プレート枠80(左枠部材81の上側片81b)に設けた接続端子23a,24aに対応する部位に、コネクタ42aの導体部にそれぞれ電気的に接続された端子33a,33bを設けてある。また、モジュール本体40の下部背面には、プレート枠80(左枠部材81の下側片81b)に設けた接続端子25a,26aに対応する部位に、コネクタ42bの導体部にそれぞれ電気的に接続された端子34a,34bを設けてある。なお直流電源部43bでは、ゲート装置1を介して供給される交流電源を整流、平滑して、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を生成している。
また、拡張機能モジュール5側では、図18(b)に示すようにコア44aおよびコイル44bからなる磁気結合部Xと、情報信号を非接触で授受するためのE/O変換部46a、O/E変換部46b、発光素子LEDおよび受光素子PDを無くしてある。そして、図20(a)(b)に示すようにモジュール本体50,50’の上部に設けた取付片51,51’の背面には、それぞれ、右枠部材82の上側片82bに設けた端子23b,24b、又は、枠片83Aに設けた端子23c,24cに対応する部位に端子35a,35bを設けてあり、端子35a,35bを介して交流電源を直流電源部43に供給し、直流電源部43では、基本機能モジュール4を介して供給される交流電源を整流、平滑して、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を生成している。またモジュール本体50,50’の下部に設けた取付片51,51’の背面には、それぞれ、右枠部材82の下側片82bに設けた端子25b,26b、又は、枠片83Bに設けた端子25c,26cに対応する部位に端子36a,36bを設けてあり、端子36a,36bを介して送受信部45を情報路に接続してある。
而して、本実施形態において各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、基本構成1で説明したのと同様の手順で取付枠70に左枠部材81をねじ固定するとともに、左枠部材81に枠片83A,83Bおよび右枠部材82を連結して、プレート枠80を組み立てる。
その後、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付けると、基本機能モジュール4の背面に設けた端子33a,33bがプレート枠80の接続端子23a,24aと接触して、電源ラインの導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B,24Cとが基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して電力線L1に電気的に接続される。また同時に、基本機能モジュール4の背面に設けた端子34a,34bがプレート枠80の接続端子25a,26aと接触して、情報ラインの導電板25A,25B,25Cと導電板26A,26B,26Cとが基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して情報線L2に電気的に接続される。
次に、プレート枠80の対応する取付位置に各拡張機能モジュール5a〜5cを配置して、取付片51,51’のねじ挿通孔52に挿通した固定ねじ85をプレート枠80のねじ孔83e,82eに締結することで、各拡張機能モジュール5a〜5cがプレート枠80に固定される。この時、各拡張機能モジュール5a〜5cの上側の取付片51,51’に設けた端子35a,35bが、右枠部材82の端子23b,24b、又は、枠片83Aの端子23c,24cに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B,24Cとを介して電力が供給される。また各拡張機能モジュール5a〜5cの下側の取付片51,51’に設けた端子36a,36bが、右枠部材82の端子25b,26b、又は、枠片83Bの端子25c,26cに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板25A,25B,25Cと、導電板26A,26B,26Cとを介して情報線L2に接続される。
このように本実施形態では、各拡張機能モジュール5a〜5cが取着されるプレート枠80に、電力供給を行うための電源ライン(導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B、24C)と、情報信号の伝達を行うための情報ライン(導電板25A,25B,25Cと導電板26A,26B、26C)とを設け、取付枠70にプレート枠80を固定した後、取付枠70に取着されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付けるとともに、プレート枠80に各拡張機能モジュール5a〜5cを取り付けることで、各機能モジュール4,5a…をプレート枠80の電源ラインと情報ラインとにそれぞれ接続しているので、プレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を取り付けるだけで、各拡張機能モジュール5a…の固定と電気的接続とを行うことができる。
また、本実施形態ではプレート枠80を構成する左枠部材81、右枠部材82および枠片83A,83Bに、電源ライン又は情報ラインを構成する導電板をインサート成形により埋設固定しているので、プレート枠80の機械的強度が向上し、複数の拡張機能モジュール5a…を並設した場合でもプレート枠80が変形しにくくなり、造営面からの浮き上がりを防止できる。なお本実施形態では電源ラインおよび情報ラインを構成する導電板を全てプレート枠80(左枠部材81、右枠部材82および枠片83A,83B)にインサート成形により埋設固定しているが、一部の導電板のみをインサート成形により埋設固定し、他の導電板はプレート枠80(左枠部材81、右枠部材82および枠片83A,83Bからなる)の表面(前面又は後面)に絶縁した状態で取り付けるようにしても良い。
なお本実施形態では電源ラインと情報ラインとを別々に設けているが、電源ラインが情報ラインを兼用して、電力線搬送通信により情報信号を伝達するようにしても良い。この場合は基本機能モジュール4においてコネクタ42bと端子34a,34bとを無くし、コネクタ42aを介して接続される電力ラインを通じて電力線搬送通信により情報信号を伝達するPLCモデム部(図示せず)を設けるとともに、拡張機能モジュール5において端子36a,36bを無くし、端子35a,35bを介して接続される電力ラインを通じて電力線搬送通信により情報信号を伝達するPLCモデム部(図示せず)を設ければ良く、さらにプレート枠80では導電板25A〜25Cと導電板26A〜26Cとを無くして、電源ラインを構成する導電板23A〜23Cと導電板24A〜24Cをそれぞれ左右の枠部材81,82と枠片83とに埋込配設すれば良い。
(基本構成2)
本発明の基本構成2について図21〜図23に基づいて説明する。上述した基本構成1及び実施形態1では造営面に埋設されるスイッチボックス又は取付枠70に固定されたプレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を固定しているのに対して、本実施形態では取付枠70に固定されて各機能モジュール4,5a…の連設方向に沿って平行配置されるレール部材94A,94Bに対して拡張機能モジュール5a…を固定している。尚、拡張機能モジュール5a…を固定するためのレール部材94A,94B以外の構成は、基本構成1の配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の構成要素を付して、その説明は省略する。
レール部材94A,94Bは、基本構成1で説明したプレート枠80の上下の枠部材80a,80bと略同様の形状(横長の帯板状)に形成されており、図21に示すように取付枠70に固定されるレール片95と、中間部の1乃至複数(図示例では例えば3個)のレール片96と、端末のレール片97とを連結してそれぞれ構成される。
レール片95は、横幅が機能モジュール4,5の単位寸法の略(4/3)倍の寸法に形成されて、背面側に配置される取付枠70のねじ孔77に対向する位置にねじ挿通孔95cが形成されるとともに、右端部の背面側から他の部位に比べて肉薄の連結片95aが突出し、この連結片95aの基部には係合溝95bが形成されている。
端末のレール片97は、横幅が機能モジュール4,5の単位寸法の略(2/3)倍の寸法に形成されて、左端部の前面側からは他の部位よりも肉薄の連結片97aが突出し、連結片97aの背面側の先端部には係合溝95bと係合する係合突起97bが形成されている。またレール片97には、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にねじ孔97cを設けるとともに、造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔97dを貫設してある。
また中間部のレール片96は、横幅が機能モジュール4,5の単位寸法と略同じ寸法に形成されており、左端部の前面側からは、連結片97aと略同じ厚みの連結片96aが突出形成されて、連結片96aの先端部には係合突起97bと略同じ寸法の係合突起96bが突設されている。また、レール片96の右端部の背面側からは、連結片95aと略同じ厚みの連結片96cが突出形成されて、連結片96cの基部には係合溝95bと略同じ寸法の係合溝96dを形成してある。またレール片96には、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にねじ孔96eが設けられ、さらに造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔96fを貫設してある。
而して、このレール部材94A,94Bを用いて各機能モジュール4,5を造営面に施工するに当たっては、先ず建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。次に取付枠70の前面側にレール片95を配置し、レール片95のねじ挿通孔95cに挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することにより、取付枠70に対してレール片95を固定した後、レール片95の連結片95aにレール片96の連結片96aを重ねて配置し、係合突起96bを係合溝95bに係合させることで、レール片96をレール片95に位置決めした状態で、各レール片96の挿通孔96fに挿通した固定ピン(図示せず)を造営面に差し込むことにより、レール片96を造営面に固定する。そして、各レール片96の非連結側(右側)の連結片96cに別のレール片96の連結片96aを重ね合わせて、連結片96cの係合溝96dに連結片96aの係合突起96bを係合させることで、連設方向に並べたレール片96,96同士を位置決めした状態で、各レール片96の挿通孔96fに挿通した固定ピン(図示せず)を造営面に差し込むことにより、レール片96を造営面に固定する。そして、所望の数のレール片96を連結した後、右端のレール片96の連結片96cに、端末接続用のレール片97の連結片97aを重ねて配置し、連結片96cの係合溝96dに連結片97aの係合突起97bを係合させることで、レール片97を位置決めした状態で、レール片97の挿通孔97dに通した固定ピンを造営面に差し込むことによりレール片97を造営面に固定すると、各レール部材94A,94Bの組立が完了する(図21参照)。
このように、スイッチボックス90に固定された取付枠70に対してレール部材94A,94Bを固定すると、取付枠70に取着されたゲート装置1の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。また拡張機能モジュール5a〜5cを、レール部材94A,94Bの前面側から所定の取付位置に配置するとともに、各拡張機能モジュール5a〜5cの取付片51,51’に設けたねじ挿通孔52に固定ねじ85を挿通し、レール片96,97のねじ孔96e,97cに締結することによって、拡張機能モジュール5a〜5cがレール部材94A,94Bに取着される(図22参照)。ここで、レール部材94A,94Bの前面は、取付枠70の枠片74の前面側に位置する部位に比べて、拡張機能モジュール5の取付片51,51’が載置する部位が背面側に後退しており、拡張機能モジュール5をレール部材94A,94Bに取着した状態では、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5の前面部が略同じ高さに配置されている。なおスイッチボックス90を無くして取付枠70を造営材(例えば壁材)に直接取り付けても良いし、またレール部材94A,94Bを造営材(例えば壁材)に直接取り付けても良い。
そして、レール部材94A,94Bに各機能モジュール4,5a〜5cを取り付けた状態で、各レール部材94A,94Bの前面側に帯板状の化粧板98を適宜の方法で取り付けると、機能モジュール4,5a…を固定するための固定ねじ85,86が化粧板98によって覆われるようになっている。
以上説明したように本配線システムでは、取付枠70に固定されて各機能モジュール4,5a…の連設方向に沿って平行配置されるレール部材94A,94Bに対して各拡張機能モジュール5a…を固定しているので、拡張機能モジュール5a…の固定状態が安定し、複数の拡張機能モジュール5a…を連設した場合でも、拡張機能モジュール5a…の固定状態が不安定になることはない。しかも、レール部材94A,94Bは、連結方向に並べて配置されるレール片95,96,97を連結してそれぞれ構成されているので、拡張機能モジュール5の数に応じた個数のレール片95〜97を連結することで、レール部材94A,94Bの長さを所望の長さに変更することができ、したがって拡張機能モジュール5の数に関係無く拡張機能モジュール5の固定を安定させることができる。なお、レール片95〜97の間を連結する構造は上記の形態に限定する趣旨のものではなく、適宜の連結構造を適用可能である。
また、レール部材94A,94Bに取り付ける拡張機能モジュール5の数が増えると、拡張機能モジュール5の重さでレール部材94A,94Bが変形し、レール部材94A,94Bの端部(例えば取付枠70に固定される側と反対側の端部、図21の右端部)が浮き上がる可能性があるが、本配線システムでは個々のレール片96,97を固定ピン(固定手段)を用いて造営面に固定しているので、造営面からの浮き上がりを防止することができる。なお本配線システムでは中間部のレール片96も固定手段を用いて造営面に固定しているが、レール片95〜97の間が確実に結合されていれば、端末に配置されるレール片97のみを造営面に固定するようにしても良く、造営面への加工を最小限にしつつ、レール部材94A,94bを造営面に対して確実に取り付ける。またレール片96,97を造営面に固定する手段は固定ピンに限定されるものではなく、挿通孔96f,97dに通したタッピングねじなどのねじ部材で造営面にねじ止めしたり、レール片96,97の背面と造営面とにそれぞれ面ファスナーを取り付け、造営面に対して面ファスナーで固定するようにしても良い。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図24に基づいて説明する。上述の基本構成2では、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とが対接する側部、および、拡張機能モジュール5,5同士が対接する側部に電力を供給するための給電手段と、情報信号を光信号で送受信するための情報信号接続手段とを設けているのに対して、本実施形態では、基本構成2で説明したレール部材94A,94Bに、電力供給を行うための電源ラインと情報信号の伝達を行うための情報ラインとを設け、電源ラインおよび情報ラインと各機能モジュール4,5の間を電気的に接続することにより、基本機能モジュール4を介して拡張機能モジュール5に電力の供給と情報信号の伝達とを行っている。尚、給電手段および情報信号接続手段以外の構成は、基本構成2で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図24は本実施形態に用いるレール部材94A,94Bの正面図であり、基本構成2で説明した配線システムと同様に取付枠70に固定されるレール片95A,95Bと、端末のレール片97A,97Bと、中間部の複数のレール片96A,96Bとをそれぞれ連結して、上下のレール部材94A,94Bを構成している。なお、レール片95A,95B,96A,96B,97A,97Bの形状および連結方法は、基本構成2で説明したレール片95,96,97と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、上側のレール部材94Aを構成するレール片の内、取付枠70に固定されるレール片95Aでは、電源ラインを構成する一対の導電板23A,24Aがインサート成形により埋込配設されている。レール片95Aの下側縁からは、モジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ95dが突設されている。この支持リブ95dの前面側には導電板23A,24Aの一端側が延出形成され、その先端部が支持リブ95dの前面に露出しており、その露出部位が接続端子23a,24aとなっている。また、中間部のレール片96Aには、電源ラインを構成する一対の導電板23C,24Cがインサート成形により埋込配設され、レール片96Aの前面には、導電板23C,24Cにそれぞれ電気的に接続された端子23c,24cが所定位置に形成されている。さらに、端末に接続されるレール片97Aには、電源ラインを構成する一対の導電板23B,24Bがインサート成形により埋込配設され、レール片97Aの前面には、導電板23B,24Bにそれぞれ電気的に接続された端子23b,24bが所定位置に形成されている。また、レール片95A,96Aの連結片95a,96cと、レール片96A,97Aの連結片96a,97aと、レール片96A,96Aの連結片96a,96cとが互いに対接する部位には、それぞれにインサート成形された導電板の一部を露出させており、レール片95A〜97Aを連結してレール部材94Aを組み立てると、電源ラインを構成する導電板23A〜23C、および、導電板24A〜24Cがそれぞれ電気的に接続される。
また、下側のレール部材94Bを構成するレール片の内、取付枠70に固定されるレール片95Bでは、情報ラインを構成する一対の導電板25A,26Aがインサート成形により埋込配設されている。レール片95Bの上側縁からは、モジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ95eが突設されている。この支持リブ95eの前面側には導電板25A,26Aの一端側が延出形成され、その先端部が支持リブ95eの前面に露出しており、その露出部位が接続端子25a,26aとなっている。また、中間部のレール片96Bには、情報ラインを構成する一対の導電板25C,26Cがインサート成形により埋込配設され、レール片96Bの前面には、導電板25C,26Cにそれぞれ電気的に接続された端子25c,26cが所定位置に形成されている。さらに、端末に接続されるレール片97Bには、情報ラインを構成する一対の導電板25B,26Bがインサート成形により埋込配設され、レール片97Bの前面には、導電板25B,26Bにそれぞれ電気的に接続された端子25b,26bが所定位置に形成されている。ここで、レール片95B,96Bの連結片95a,96cと、レール片96B,97Bの連結片96a,97aと、レール片96B,96Bの連結片96a,96cとが互いに対接する部位には、それぞれにインサート成形された導電板の一部を露出させており、レール片95B〜97Bを連結してレール部材94Bを組み立てると、情報ラインを構成する導電板25A〜25C、および、導電板26A〜26Cがそれぞれ電気的に接続される。
一方、本実施形態に用いる基本機能モジュール4および拡張機能モジュール5は、実施形態1で説明したものと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
而して、本実施形態において各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、基本構成2の配線システムで説明したのと同様の手順で取付枠70にレール片95A,95Bをねじ固定するとともに、各レール片95A,95Bにそれぞれレール片96A,97Aとレール片96B,97Bとを連結して、レール部材94A,94Bを組み立てる。
その後、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付けると、基本機能モジュール4の背面に設けた端子33a,33bがレール部材94Aの23a,24aと接触して、電源ラインの導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B,24Cとが基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して電力線L1に電気的に接続される。また同時に、基本機能モジュール4の背面に設けた端子34a,34bがレール部材94Bの接続端子25a,26aと接触して、情報ラインの導電板25A,25B,25Cと導電板26A,26B,26Cとが基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して情報線L2に電気的に接続される。
次に、レール部材94A,94Bの対応する取付位置に各拡張機能モジュール5a〜5cを配置して、取付片51,51’のねじ挿通孔52に挿通した固定ねじ85をレール片96A,96Bのねじ孔96e、又は、レール片97A,97Bのねじ孔97cに締結すると、各拡張機能モジュール5a〜5cがレール部材94A,94Bに固定される。この時、各拡張機能モジュール5a〜5cの上側の取付片51,51’に設けた端子35a,35bが、レール片96Aの端子23c,24c又はレール片97Aの端子23b,24bに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B,24Cとを介して電力が供給される。また各拡張機能モジュール5a〜5cの下側の取付片51,51’に設けた端子36a,36bが、レール片96Bの端子25c,26c又はレール片97Bの端子25b,26bに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板25A,25B,25Cと導電板26A,26B,26Cとを介して情報信号が伝達される。
このように本実施形態では、各拡張機能モジュール5a〜5cが取着されるレール部材94A,94Bに、電力供給を行うための電源ライン(導電板23A,23B,23Cと導電板24A,24B、24C)と、情報信号の伝達を行うための情報ライン(導電板25A,25B,25Cと導電板26A,26B、26C)とを設け、取付枠70にレール部材94A,94Bを固定した後、取付枠70に取着されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付けるとともに、レール部材94A,94Bに各拡張機能モジュール5a〜5cを取り付けることで、各機能モジュール4,5a…をレール部材94A,94Bの電源ラインと情報ラインとにそれぞれ接続しているので、レール部材94A,94Bに対して拡張機能モジュール5a…を取り付けるだけで、各拡張機能モジュール5a…の固定と電気的接続とを行うことができる。
また、本実施形態ではレール部材94Aを構成するレール片95A,96A,97Aに電源ラインを構成する導電板23A〜23C、24A〜24Cをインサート成形により埋設固定するとともに、レール部材94Bを構成するレール片95B,96B,97Bに情報ラインを構成する導電板25A〜25C、26A〜26Cをインサート成形により埋設固定しているので、レール部材94A,94Bの機械的強度が向上し、複数の拡張機能モジュール5a…を並設した場合でもレール部材94A,94Bが変形しにくくなり、造営面からの浮き上がりを防止できる。なお本実施形態では電源ラインおよび情報ラインを構成する導電板を全てレール部材94A,94Bにインサート成形により埋設固定しているが、一部の導電板のみをインサート成形により埋設固定し、他の導電板はレール部材94A,94Bの表面(前面又は後面)に絶縁した状態で取り付けるようにしても良い。
なお本実施形態では電源ラインと情報ラインとを別々に設けているが、電源ラインが情報ラインを兼用して、電力線搬送通信により情報信号を伝達するようにしても良い。この場合は基本機能モジュール4においてコネクタ42bと端子34a,34bとを無くし、コネクタ42aを介して接続される電力ラインを通じて電力線搬送通信により情報信号を伝達するPLCモデム部(図示せず)を設けるとともに、拡張機能モジュール5において端子36a,36bを無くし、端子35a,35bを介して接続される電力ラインを通じて電力線搬送通信により情報信号を伝達するPLCモデム部(図示せず)を設ければ良く、さらにレール部材94Bでは導電板25A〜25Cと導電板26A〜26Cとを無くして、レール部材94Aにおいて電源ラインを構成する導電板23A〜23Cと導電板24A〜24Cをそれぞれレール片95A,96A,97Aに埋込配設すれば良い。