以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(基本構成)
図15に配線システムのシステム構成を示す。この配線システムでは、建物内の適所において1乃至複数のスイッチボックス90を埋込配設してあり、始端のスイッチボックス90に対しては、屋外より配線盤6内に引き込まれ主幹ブレーカMBおよび分岐ブレーカBBを介して屋内に引き込まれた電力線L1と、外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続される情報線L2とを導入する。また各スイッチボックス90の間は壁面内に先行配線された電力線L1と情報線L2とを送り配線してある。
ここで、スイッチボックス90は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋込型の配線器具を3個取り付けることができる1連の取付枠70(図5参照)に対応して規格化されたもので、図15に示すように配線盤6又は他のスイッチボックス90から送り配線されてくる電力線L1及び情報線L2をボックス内部に導入するとともに、他のスイッチボックス90へ送り配線するための電力線L1及び情報線L2をボックスの外部へ導出している。なお、スイッチボックス90には、図14及び図15に示すように室内の天井100に設けられるものと、壁101に設けられるものと、床102に設けられるものとがある。
そして、各スイッチボックス90の内部には、図4及び図5に示すゲート装置1が取付枠70を用いて埋込配設されている。取付枠70は矩形枠状であって、器具取付用の細長の取付窓71を有しており、左右の枠片72には取付窓71の長手方向において器具取付孔73を3組ずつ備えている。また取付枠70の上下の枠片74には、スイッチボックス90に取り付けるための取付ねじ用の長孔75や、壁を構成する石膏ボードなどに取り付けるための従来周知のはさみ金具(図示せず)が取着される取着孔76や、前面側に後述のプレート枠80を取り付けるためのプレートねじ用のねじ孔77や、石膏ボードなどにタッピングねじにより直接ねじ固定するためのねじ挿通孔78が少なくとも設けてある。この取付枠70をスイッチボックス90に取り付ける際には、取付枠70の上下の枠片74に設けた長孔75に挿通する取付ねじ(図示せず)をスイッチボックス90のねじ孔(図示せず)に締結することで、ゲート装置1ごとスイッチボックス90に取り付けられる。
ゲート装置1は、規格化された単位寸法(1個モジュール寸法)の埋込型配線器具を短幅方向に3個並べた大きさ(3個モジュール寸法)のゲート装置本体10を備え、このゲート装置本体の左右両側には取付枠70の枠片72に設けた器具取付孔73に係止する係止爪10aが各2対ずつ形成されている。そして、このゲート装置本体10は、取付枠70の取付窓71から前面を露出させた状態で取付枠70に取り付けてある。
またゲート装置1では、ゲート装置本体10の背面に設けた速結端子構造の端子部21a,21bに電力線L1を接続するとともに、端子部31a,31bに情報線L2を接続するようになっており、端子部21b,31bにそれぞれ接続される電力線L1、情報線L2は他のスイッチボックス90への送り配線となる(図2及び図9参照)。
一方、ゲート装置本体10の前面には、端子部21a,21bに接続された電力線L1と電気的に接続されている導電部を備えた電力路接続口22と、端子部31a,31bに接続された情報線L2と電気的に接続されている導電部を備えた情報路接続口32とが設けられている。
ここに、ゲート装置1の電力路接続口22および情報路接続口32は、それぞれ、導電部の配列や開口部の形状をシステムとして定形化(規格化)してある。後述する基本機能モジュール4の背面側には、電力路接続口22および情報路接続口32にそれぞれ対応した形態に規格化されたコネクタ42a,42bが形成されており、コネクタ42a,42bをそれぞれ接続口22,32に着脱自在に結合できるようになっている。尚、電力路接続口22と情報路接続口32とは、導電部の配列や開口部の形状を互いに異ならせているので、誤接続を防止することができる。
次に、ゲート装置1に接続される基本機能モジュール4について説明する。基本機能モジュール4は扁平な直方体状のモジュール本体40を備えており、モジュール本体40の背面に設けたコネクタ42a,42bを、ゲート装置1の各接続口22,32に接続することによって、ゲート装置本体10の前面側にモジュール本体40が重ねた状態で取着される。このように本配線システムではゲート装置本体10を3個モジュール寸法に形成するとともに、モジュール本体40の大きさを3個モジュール寸法に対応する寸法に形成しているので、埋込型配線器具用の取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1に対して、ゲート装置本体10の前面を覆うようにして機能モジュール4を取り付けることにより、後付け感を与えることなく、機能モジュール4をゲート装置1に容易に接続することができ、またゲート装置1に接続する機能モジュール4を変更することで、機能モジュール4の変更にも容易に対応できる。
以下に基本機能モジュール4の回路構成について図9に基づいて説明する。この基本機能モジュール4は、後述する拡張機能モジュール5を連接して使用するために以下の構成を備えている。すなわち基本機能モジュール4は、コネクタ42aを介して接続される商用電源ACを所定電圧に降圧するとともに、周波数を高周波に変換し、この高周波に変換した定圧交流電源をコア44aに巻装したコイル44bに印加するAC/ACコンバータ43aと、低圧交流電源を整流平滑後、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を得る直流電源部43bと、コネクタ42bを介して接続される情報線L2を通じて情報信号の送受信を行う送受信部45と、情報線L2を介して受信される情報信号をE/O変換し、発光素子LEDを通じて光信号で送出するE/O変換部46aと、後述する拡張機能モジュール5から送られてくる光信号からなる情報信号を受光素子PDで受光し、O/E変換して送受信部45に出力するO/E変換部46bと、機能モジュールの種類(例えばスイッチ)に対応した機能部49と、機能部49から送られてくるスイッチの操作データをI/Oインターフェース48を通じて取り込み、送信先へ情報信号として送信させる処理を行う機能や、送受信部45で受信した負荷の動作情報などを取り込み、機能部49が備える動作表示ランプLDの点灯/消灯信号を生成し、I/Oインターフェース48を通じて機能部49へ送信する機能を備えた演算処理部47とで構成されている。
ここで、上述したコイル44bとコア44aとは、基本機能モジュール4から拡張機能モジュール5に電力を非接触で供給するためのトランスの一次側となる電磁結合部を構成するもので、拡張機能モジュール5側に同様に設けた電磁結合部のコアにコア44aが磁気結合し、トランス作用によって拡張機能モジュール5に設けた電磁結合部のコイルに定圧交流電源を誘起させて電源供給を行うようになっている。AC/ACコンバータ43aでは、電力線L1を通じて供給される商用電源を、商用電源周波数に比べて高周波の交流電源に変換することで、電磁結合部によるトランス構成の小型化を図っている。なお図9ではコア44aとコイル44bとからなる電磁結合部が1組しか示されていないが、拡張機能モジュール5は基本機能モジュール4の左右何れかの側、或いは、基本機能モジュール4の左右両側に並べて配置されるので、実際には電気的に並列な2組の電磁結合部が設けられ、モジュール本体40の左右両側において側壁に近接する内部位置に電磁結合部が1組ずつ配置してある。ここに、各電磁結合部のコア44aの先端が近接配置されるモジュール本体40の側面位置が、拡張機能モジュール5に対する磁気結合部Xとなっている。
一方、E/O変換部46aの発光素子LEDは、拡張機能モジュール5に対して情報信号を光信号により非接触で伝送するためのもので、連接する拡張機能モジュール5側のO/E変換部(図示せず)に設けた受光素子に対置される。また、O/E変換部46bの受光素子PDは連設する拡張機能モジュール5から光信号により伝達されてくる情報信号を受光するためのもので、連接する拡張機能モジュール5側のE/O変換部(図示せず)に設けた発光素子に対置される。なお、E/O変換部46aの発光素子LED、および、O/E変換部46bの受光素子PDも図9では1個ずつしか示されていないが、各変換部46a,46bには発光素子LEDおよび受光素子PDを2組ずつ接続してあり、モジュール本体40の左右両側において側壁に近接する内部位置に発光素子LEDおよび受光素子PDの組を1組ずつ配置している。ここで、発光素子LEDの発光部及び受光素子PDの受光部が対向するモジュール本体40の側壁部位は光信号が透過可能なように透明部Yとしてある。また、モジュール本体40の両側では、受光素子PDと発光素子LEDの位置が上、下で逆になるように配置され、例えば右側では受光素子PDを上、発光素子LEDを下とし、左側では受光素子PDを下、発光素子LEDを上としてある。そして、電磁結合部のコア44aの先端部の配置位置と、受光素子PD及び発光素子LEDの配置位置の上下間隔は定形としている。
なお本配線システムでは、基本機能モジュール4が機能部49としてスイッチ機能を備える場合について説明を行ったが、機能部49をスイッチ機能に限定する趣旨のものではなく、センサ機能やスピーカ機能などの機能を備えているものでも良い。ここにおいて、ゲート装置1には複数種の情報信号を伝送する情報線L2を接続してあるので、ゲート装置1の情報路接続口32と基本機能モジュール4のコネクタ42bとの間で複数種の情報信号を授受することができ、基本機能モジュール4として様々な種類の機能モジュール4を接続して使用できるから、所望の機能を有する機能モジュール4への交換にも容易に対応できる。例えば図14および図15に示すように、天井100に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、照明器具の引掛プラグに対応した引掛栓刃接続部91を持つ引掛シーリングローゼット型の機能モジュール4aや、人感センサ等を備えたセンサ型機能モジュール(図示せず)、更に監視カメラを備えたカメラ型機能モジュール(図示せず)、更にBGM等のスピーカSPを持つ機能モジュール4b等がある。また壁101に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、照明器具などをオン/オフ操作するスイッチSWを備えた機能モジュール4cや、空調機器のコントローラ等の操作器型機能モジュール(図示せず)、モニタ装置Mを備えた機能モジュール4dがある。さらに床102に設けたゲート装置1に接続する機能モジュール4としては、電源プラグ用のコンセント部92を備えた機能モジュール4eや、スピーカSPを備えた機能モジュール4b等がある。また更に基本機能モジュール4が機能部49を備えておらず、連接された拡張機能モジュール5に対して電力および情報信号を伝達する機能のみを備えているものでも良い。
而して、スイッチボックス90に取付枠70を用いて埋込配設されたゲート装置1の各接続口22,32に、適応する基本機能モジュール4のコネクタ42a,42bを結合して、基本機能モジュール4をスイッチボックス90に取り付けることで、基本機能モジュール4の電力確保と情報路の確保が同時に行え且つ配設が行える。なおゲート装置1の各接続口22,32とコネクタ42a,42bの形態を定形化(規格化)しているので、基本機能モジュール4を何れのゲート装置1にも接続することができるから、レイアウトフリーに施工でき、さらに基本機能モジュール4の機能によって多様な配線システムを展開することができる。従って、ユーザは、好みの利用形態に応じて基本機能モジュール4を自由に施工することができ、将来的に建物内部のレイアウトを変更したり、新しい基本機能モジュール4を追加したい場合にも、基本機能モジュール4の着脱のみで容易に対応できるから、基本機能モジュール4の取替性が向上する。
次に、基本機能モジュール4に連接され、基本機能モジュール4を介して電力供給と情報信号の伝達とを行う拡張機能モジュール5について説明する。拡張機能モジュール5としては、様々な機能を有するものが用意されているが、基本的には図1、図7及び図8に示すように、モジュール本体50,50’の高さ寸法を埋込型配線器具の3個モジュール寸法に規格化するとともに、横幅寸法を1個モジュール寸法の整数倍に規格化し、またモジュール本体50,50’の両側面の形状は基本機能モジュール4の側面と同一形状とし、さらに背面を図2及び図7に示すように平坦な面に形成し、造営面(例えば壁面)に沿って配設できるようにしてある。モジュール本体50,50’の上下位置には、後述するプレート枠80の上下の枠部材80a,80bの前面側に重ねて取り付けられる取付片51,51’を一体に形成してあり、各取付片51,51’には後述するプレート枠80にねじ固定するための固定ねじ85を挿通するねじ挿通孔52が貫設されている。
モジュール本体50,50’の内部には、図10に示すようにコア44aおよびコイル44bからなる電磁結合部を2組備えて、モジュール本体50,50’の左右両側部において側壁に近接する内部位置に配置するとともに、夫々のコイル44bを電気的に接続し、片側の電磁結合部が隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の電磁結合部と電磁結合して電力を受け取る側(二次側)となると、他方の電磁結合部が電力供給側(一次側)となるようになっている。これらの電磁結合部を構成するコア44aの先端が近接配置されるモジュール本体50,50’の側面位置が磁気結合部Xとなる。また両電磁結合部のコイル44b,44b間を接続する線路には直流電源部43を接続し、内部回路の動作電源+Vを得るようになっている。
更に情報信号を授受するために、モジュール本体50,50’内には連接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5から送られてくる光信号からなる情報信号を受光素子PDにて受光し電気的な信号に変換するO/E変換部46bと、電気信号からなる情報信号を隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5へ光信号からなる情報信号として発光素子LEDにより送り出すためのE/O変換部46aと、O/E変換部46bからの電気信号からなる情報信号を受け取るとともに、電気信号からなる情報信号をE/O変換部46aへ送り出す情報信号送受信部46とからなる情報信号送受信手段を二組設け、一方の発光素子LEDと受光素子PDをモジュール本体50,50’の左側側壁近傍の内部に、また他方の発光素子LEDと受光素子PDをモジュール本体50,50’の右側側壁近傍の内部に配置してある。ここで、左側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの下側に、また右側に配置される発光素子LEDの位置は受光素子PDの上側に夫々を配置してある。而して、左側に連接される基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の右側側壁に近接配置された発光素子LED、受光素子PDに、当該モジュールの左側に配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向し、また右側に連接される基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5の左側側壁に近接配置された発光素子LED、受光素子PDに、当該モジュールの右側に配置した受光素子PD、発光素子LEDが夫々対向するようになっている。そして発光素子LED、受光素子PDが対向しているモジュール本体50,50’の側壁は光信号が透過できるように基本機能モジュール4と同様に透明部Yとなっている。
そして両側の情報信号送受信部46,46間をモジュール本体50,50’内において、双方向の信号ライン57で接続して、両側に隣接する基本機能モジュール4又は拡張機能モジュール5に対して情報信号を中継できるようになっている。ここで、拡張機能モジュール5のモジュール本体50,50’の側面に磁気結合部X及び透明部Yが形成される位置は、図5及び図6で示す基本機能モジュール4の側面の磁気結合部X及び透明部Yの位置と合うように規格化され、拡張機能モジュール5同士を並置したとき、或いは、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とを並置したときに面接する側面側の磁気結合部X、X同士、及び、透明部Y,Y同士が夫々対向するようになっている。つまり、夫々の給電手段の接続口同士、情報信号の伝達手段の接続口同士が接続された状態となる。
またモジュール本体50,50’内には、信号ライン57上の情報信号を受信するとともに、信号ライン57上に情報信号を送出する送受信部45と、この送受信部45で受信される情報信号からデータを取り込んで処理を行うとともに、当該拡張機能モジュール5から他の拡張機能モジュール5宛にデータを送る場合のデータ生成処理を行う演算処理部47と、I/Oインターフェース48を介して演算処理部47との間でデータの授受を行って動作する機能部49とを設けてあり、この機能部49の構成が拡張機能モジュール5の種類によって異なるのである。
ここで、拡張機能モジュール5の種類別の構成について説明する。拡張機能モジュールとしては、例えば図1に示すように、照明器具や床暖房装置などの操作スイッチを構成する拡張機能モジュール5a,5bや、モニタ装置を構成する拡張機能モジュール5cなどがある。照明器具の操作スイッチを構成する拡張機能モジュール5aは、図11に示すように押釦スイッチからなる操作スイッチSWa,SWbと、これら操作スイッチSWa,SWbの操作データを生成して演算処理部47にI/Oインターフェース48を介して送るデータ生成機能を有するCPU部49aとで機能部49が構成され、モジュール本体50の前面部には図1および図7に示すように各操作スイッチSWa、SWbの操作釦B1,B2を配置している。また拡張機能モジュール5bは、床暖房装置の操作スイッチを構成する機能モジュールであり、スイッチの数が1個となる点以外は拡張機能モジュール5aと同様の構成を有しているので、その説明は省略する。
一方、モニタ装置を構成する拡張機能モジュール5cの機能部49は、表示の切り替えなどの操作を行う操作スイッチSWcと、I/Oインターフェース48を介して送られてくる画像データを伸長復号して液晶表示部LCDに表示させるとともに、操作スイッチSWcの操作に応じて画面の切替などの処理を行うCPU部49bとで機能部49を構成してあり、モジュール本体50’の前面部には液晶表示部LCDの表示面と操作スイッチSWcの操作釦B2とを配置している。なお、拡張機能モジュール5の機能部49を上記の機能を有するものに限定する趣旨のものではなく、電源コンセントや情報コンセントなどの機能を有するものや、インターホン通話の機能を有するものでも良い。
次に拡張機能モジュール5a…が取着されるプレート枠80について説明する。プレート枠80は、図1及び図2に示すように横長の矩形枠状に形成され、枠内に複数の機能モジュール4,5が横方向に並べて取り付けられるようになっている。ここで、図1及び図2に示すプレート枠80では、図1中の左端の位置に上述の基本機能モジュール4がプレート枠80の裏面側から取り付けられ、基本機能モジュール4の右側に1連の大きさの拡張機能モジュール5が横方向に並べてプレート枠80の表側から取り付けられるようになっている。プレート枠80の上下の枠部材80a,80bの前面は、基本機能モジュール4を保持した取付枠70の枠片74の前面側に位置する部位に比べて、拡張機能モジュール5の取付片51,51’が載置する部位が背面側に後退しており、取付枠70の枠片74に設けたねじ孔77に対応する部位には固定ねじ86を挿通するためのねじ挿通孔(図示せず)が形成され、拡張機能モジュール5の取付片51,51’に設けたねじ挿通孔52に対応する部位には固定ねじ85が締結されるねじ孔84を形成している。またプレート枠80の左右の枠片には、後述する化粧プレート82の背面に設けた係止爪(図示せず)と係止する係止孔87が形成されている。
而して、上述のプレート枠80を用いて拡張機能モジュール5a…を施工するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出して、取付枠70に保持させたゲート装置1に電力線L1と情報線L2とを接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。次に、ゲート装置1の前面部にそれぞれ設けられた電力路接続口22及び情報路接続口32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。また、基本機能モジュール4が枠内の左端に位置するようにプレート枠80を取付枠70の前面側に重ねて配置した後、プレート枠80のねじ挿通孔に挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することで、取付枠70に対してプレート枠80を固定する。その後、プレート枠80の前面側に拡張機能モジュール5a〜5cを重ねて配置し、各拡張機能モジュール5a〜5cの取付片51,51’に設けたねじ挿通孔52に固定ねじ85を挿通し、固定ねじ85をプレート枠80のねじ孔84に締結することで、各拡張機能モジュール5a〜5cがプレート枠80に固定される。そして、プレート枠80の前面側に化粧プレート82を取着して、化粧プレート82の窓孔83から各機能モジュール4,5の前面部の機能面を露出させるのである。ここで、各機能モジュール4,5a…は、プレート枠80への取付状態において、化粧プレート82の前面部と略同じ高さとなっている。
以上のようにして配設施工が終了し、配線システムの施工が完了した後は、ゲート装置1を介して各機能モジュール4,5に電力路および情報路を接続することができ、対応する機能モジュール4,5間で情報信号の授受が行われ、照明器具や床暖房装置などの操作や、カメラで撮影した画像のモニタが行えるのである。ここで、ゲート装置1に接続される情報線L2は複数種の機能モジュール4,5に用いられる情報信号の信号伝送を行うものであり、例えば電話、LANなどのネットワーク機器、TV、インターホン、各種センサなどに用いられる情報信号や、照明器具などの機器を制御するための制御信号の信号伝送に用いられる。したがって、ゲート装置1を介して機能モジュール4,5に複数種類の情報信号を伝達することができるから、機能モジュール4,5に多種多様な機能を持つ機能モジュールを使用でき、多種多様な機能をもつシステムを実現することができる。
上述のように本配線システムでは拡張機能モジュール5a…が、取付枠70にねじ固定された固定手段たるプレート枠80に対してねじ固定されているので、拡張機能モジュール5a…の固定状態が安定し、複数の拡張機能モジュール5a…を連設した場合でも、拡張機能モジュール5a…の固定状態が不安定になることはない。尚、本配線システムではプレート枠80を取付枠70に対してねじ固定しているが、基本機能モジュール4が埋込配設されるスイッチボックスに対してプレート枠80を固定するようにしても良く、上述と同様に拡張機能モジュール5a…を安定に固定することができる。また図1〜図3に示す設置例では基本機能モジュール4の片側のみに拡張機能モジュール5を連設しているが、基本機能モジュール4の両側に拡張機能モジュール5を連設しても良い。但し、基本機能モジュール4に連設できる拡張機能モジュール5の数はAC/ACコンバータ43aの電力供給能力などによって制限される。
また、連設する拡張機能モジュール5の数が増えると、拡張機能モジュール5の重さでプレート枠80が変形し、プレート枠80の端部(例えば取付枠70に固定される側と反対側の端部、図示例では右端部)が浮き上がる可能性があるため、プレート枠80の右端部に挿通孔88,88を設け、各挿通孔88に通したタッピングねじ(図示せず)を造営面に締結することにより、プレート枠80の端部を造営面に固定しても良く、プレート枠80の端部が造営面から浮き上がるのを防止することができる。なお、プレート枠80の端部を造営面に固定するプレート固定手段は、タッピングねじなどのねじ部材に限定されるものではなく、挿通孔88に通した固定ピン(図示せず)でプレート枠80を造営面にピン止めしたり、プレート枠80の端部の背面と造営面とにそれぞれ面ファスナーを取り付け、プレート枠80を造営面に対して面ファスナーで固定するようにしても良い。
なお、上述の配線システムではゲート装置1と基本機能モジュール4との間において電力路、情報路の接続はコネクタ42a,42b側の接触ピンが各接続口22,32の接触部に接触することで行われるようになっているが、非接触構成としても良い。
つまり上述した基本機能モジュール4が拡張機能モジュール5に非接触で電力を供給するために用いたAC/ACコンバータ43aと、コア44a及びコイル44bからなる電磁結合部と、情報信号の授受を非接触で行うためのE/O変換部46aおよびO/E変換部46bとをゲート装置1に内蔵し、基本機能モジュール4側にこれに対応して磁気結合部、O/E変換部およびE/O変換部を設け、電力路接続口22を上述の磁気結合部Xにより構成し、情報路接続口32を上述の透明部Yにより構成する。また基本機能モジュール4側にも、ゲート装置1の磁気結合部Xおよび透明部Yにそれぞれ対応して、磁気結合部Xと透明部Yとを設ける。そしてゲート装置1では、両接続口22,32を構成する磁気結合部X、透明部Yの形状と両者の間隔を定形化(規格化)して接続口22,32のモジュール化を図り、他方基本機能モジュール4の磁気結合部X、透明部Yの形状と両者の間隔を接続口22,32のそれと合わせて定形化を図れば良い。
また上述の形態では情報路と、電力路を別にしているためゲート装置1には電力線L1と情報線L2とを夫々接続しているが、電力線搬送によって情報信号の伝送を行えば、電力路を情報路として用いることもできるため、配線を電力線L1のみとすることができ、配線施工を簡略化できる。つまり各スイッチボックス90での先行配線は電力線L1のみとし、これに対応してゲート装置1の端子部31a,31bおよび情報路接続口32を無くし、端子部21a,21bおよび電力路接続口22のみとする。そして、基本機能モジュール4において、図13に示すようにコネクタ42aおよびゲート装置1を介して電力線L1に接続され、電力線搬送通信により情報信号を授受するPLCモデム部45aを設けており、送受信部45では、PLCモデム部45aを介して受信された情報信号をE/O変換部46aにより光信号で送信させるとともに、O/E変換部46bが受光した光信号よりなる情報信号を、PLCモデム部45aから電力線搬送によって送信させている。また送受信部45は、PLCモデム部45aを介して受信された情報信号を演算処理部47に出力して、演算処理部47によりデータ処理を行わせるとともに、演算処理部47から入力された情報信号をPLCモデム部45aからゲート装置1を介して電力線L1へ電力線搬送によって送信させている。
尚、PLCモデム部45aで採用する電力線搬送の変調方式としては広帯域スペクトラム拡散方式、マルチキャリア方式、OFDM方式等各種方式の何れでも良いので、ここでは特に説明はしない。また図7に示す例では、基本機能モジュール4のPLCモデム部45aにより電力線搬送通信で伝送された情報信号を分離し、各機能モジュール4,5間ではE/O変換部46aおよびO/E変換部46bを用いて情報信号の授受を行っているが、各々の機能モジュール5にPLCモデム部を設けて、各機能モジュール5において電力線搬送通信により情報信号の授受を行うようにしても良い。
また、この配線システムでは拡張機能モジュール5が、基本機能モジュール4を介して電力の供給を受けると共に情報信号の授受を行っており、拡張機能モジュール5において電力路および情報路を共に確保しているが、拡張機能モジュール5の機能によっては、電力の供給と情報信号の授受の内何れか一方だけを行って、電力路又は情報路の何れかを確保するようにしても良く、様々な機能モジュール5を連設して使用することにより、機能の拡張にも容易に対応することができる。
また、情報信号を伝送する方式としては、ベースバンド伝送又はブロードバンド伝送の何れを採用しても良く、またプロトコルも何れでも良いが、音声、映像などを用いるインターホンの親機、子機との間にはJT−H232パケットに基づいて音声・映像を相互に伝送することとし、また制御系にあっては操作側からの操作データにより1乃至複数の負荷を操作できるような1対1又は1対Nの対応が可能なユニキャスト或いはブロードキャストに対応する経路制御プロトコルを採用すれば良く、特に限定されるものではないので、説明は省略する。また、ゲート装置1間の使用プロトコルと、ゲート装置1に連なる機能モジュール4,5での使用プロトコルを異ならせ、例えばゲート装置1においてプロトコル変換を行うようにしても良い。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図16〜図19に基づいて説明する。上述した基本構成の配線システムでは、基本機能モジュール4と拡張機能モジュール5とが対接する側部、および、拡張機能モジュール5,5同士が対接する側部に電力を供給するための給電手段と、情報信号を光信号で送受信するための情報信号接続手段とを設けているのに対して、本実施形態では、拡張機能モジュール5を固定するプレート枠80に、電力供給を行うための電源ラインと情報信号の伝達を行うための情報ラインとを設け、電源ラインおよび情報ラインと各機能モジュール4,5の間を電気的に接続することによって、基本機能モジュール4を介して拡張機能モジュール5に電力の供給と情報信号の伝達とを行っている。尚、電力路および情報路を伝達する構成以外は基本構成で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図16は本実施形態に用いるプレート枠80の正面図であり、上下の枠部材80a,80bの左端部からは、基本機能モジュール4が配置される部位に、モジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ80c,80dを一体に突設している。また、上側の枠部材80aには、剛性を有する帯板状の板金から形成された一対の導電板23,24が、下側の枠部材80bには剛性を有する帯板状の板金から形成された一対の導電板25,26がそれぞれインサート成形により一体に設けてある。
電源ラインを構成する導電板23,24は、それぞれ、上側の枠部材80aの内部に埋設される中央片23a,24aと、中央片23a,24aの左端部から下側に向かって突出し、先端が支持リブ80cの前面側に配置される突出片23b,24bとを一体に形成してあり、突出片23b,24bの先端(支持リブ80cの前面側に露出する部位)が接続端子23c,24cとなっている。また、各導電板23,24の中央片23a,24aには、一連の大きさの拡張機能モジュール5が並設される位置に、枠部材80aの前面に露設されて、各拡張機能モジュールの端子27a,27bに給電するための端子23d,24dを1乃至複数(本実施形態では4個)設けてある。
情報ラインを構成する導電板25,26は、それぞれ、下側の枠部材80bの内部に埋設される中央片25a,26aと、中央片25a,26aの左端部から上側に向かって突出し、先端が支持リブ80dの前面側に配置される突出片25b,26bとを一体に形成してあり、突出片25b,26bの先端(支持リブ80dの前面側に露出する部位)が接続端子25c,26cとなっている。また、各導電板23,24の中央片25a,26aには、一連の大きさの拡張機能モジュール5が並設される位置に、枠部材80bの前面に露設されて、各拡張機能モジュールの端子27c,27dに電気的に接続するための端子25d,26dを1乃至複数(本実施形態では4個)設けてある。
一方、基本機能モジュール4では、図17(a)に示すようにAC/AC変換部43aと、コア44aおよびコイル44bからなる磁気結合部Xと、情報信号を非接触で授受するためのE/O変換部46a、O/E変換部46b、発光素子LEDおよび受光素子PDを無くしてある。そして、図18に示すようにモジュール本体40の上部背面には、プレート枠80の上側の枠部材80aに設けた接続端子23c,24cに対応する部位に、コネクタ42aの導体部にそれぞれ電気的に接続された端子33a,33bを設けてある。また、モジュール本体40の下部背面には、プレート枠80の下側の枠部材80bに設けた接続端子25c,26cに対応する部位に、コネクタ42bの導体部にそれぞれ電気的に接続された端子34a,34bを設けてある。なお直流電源部43bでは、ゲート装置1を介して供給される交流電源を整流、平滑して、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源(+V)を生成している。
また、拡張機能モジュール5側では、図17(b)に示すようにコア44aおよびコイル44bからなる磁気結合部Xと、情報信号を非接触で授受するためのE/O変換部46a、O/E変換部46b、発光素子LEDおよび受光素子PDを無くしてある。そして、図19(a)(b)に示すようにモジュール本体50,50’の上部に設けた取付片51,51’の背面には、それぞれ、プレート枠80の上側の枠部材80aに設けた端子23d,24dに対応する部位に端子27a,27bを設けてあり、端子27a,27bを介して直流電源部43に交流電源を供給している。またモジュール本体50,50’の下部に設けた取付片51,51’の背面には、それぞれ、プレート枠80の下側の枠部材80bに設けた端子25d,26dに対応する部位に端子27c,27dを設けてあり、端子27c,27dを介して送受信部45を情報路に接続してある。
而して、本実施形態において各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、プレート枠80のねじ挿通孔84aに挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することで、取付枠70に対してプレート枠80を固定する。
その後、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。この時、基本機能モジュール4の背面に設けた端子33a,33bがプレート枠80の接続端子23c,24cと接触して、電源ラインの導電板23,24が基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して電力線L1に電気的に接続される。また同時に、基本機能モジュール4の背面に設けた端子34a,34bがプレート枠80の接続端子25c,26cと接触して、情報ラインの導電板25,26が基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して情報線L2に電気的に接続される。
次に、プレート枠80の対応する取付位置に各拡張機能モジュール5a〜5cを配置して、取付片51,51’のねじ挿通孔52に挿通した固定ねじ85をプレート枠80のねじ孔84に締結することで、各拡張機能モジュール5a〜5cがプレート枠80に固定される。この時、各拡張機能モジュール5a〜5cの上側の取付片51,51’に設けた端子27a,27bがプレート枠80の上側の枠部材80aに設けた端子23d,24dに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板23,24を介して電力が供給される。また各拡張機能モジュール5a〜5cの下側の取付片51,51’に設けた端子27c,27dがプレート枠80の下側の枠部材80bに設けた端子25d,26dに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cが導電板25,26を介して情報線L2に接続される。
このように本実施形態では、各拡張機能モジュール5a〜5cが取着されるプレート枠80に、電力供給を行うための電源ライン(導電板23,24)と、情報信号の伝達を行うための情報ライン(導電板25,26)とを設け、取付枠70にプレート枠80を固定した後、取付枠70に取着されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付けるとともに、プレート枠80に各拡張機能モジュール5a〜5cを取り付けると、各機能モジュール4,5a…がプレート枠80の電源ラインと情報ラインとにそれぞれ接続されるので、プレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を取り付けるだけで、各拡張機能モジュール5a…の固定と電気的接続とを行うことができる。
また、本実施形態では電源ラインを構成する導電板23,24と情報ラインを構成する導電板25,26とをプレート枠80にインサート成形により埋設固定しているので、プレート枠80の機械的強度が向上し、複数の拡張機能モジュール5a…を並設した場合でもプレート枠80が変形しにくくなり、造営面からの浮き上がりを防止できる。なお本実施形態では電源ラインおよび情報ラインを構成する導電板23〜26を全てプレート枠80にインサート成形により埋設固定しているが、導電板23〜26の一部のみをインサート成形により埋設固定し、他の導電板はプレート枠80の表面(前面又は後面)に絶縁した状態で取り付けるようにしても良い。
(参考例1)
本発明の参考例1について図20〜図22に基づいて説明する。上述の基本構成又は実施形態1では造営面に埋設されるスイッチボックス又は取付枠70に固定されたプレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を固定しているのに対して、本参考例ではスイッチボックス又は取付枠70にプレート部材80’を介して固定される化粧プレート82に拡張機能モジュール5a…を固定している。尚、拡張機能モジュール5a…を固定するための構成以外は上述した基本構成で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
プレート部材80’は、図20に示すように、基本構成で説明したプレート枠80において基本機能モジュール4の上下両側部と左側部に接する部位のみを残して、平面視略C字型に形成されており、上下片の左右方向略中央には固定ねじ86を挿通するためのねじ挿通孔(図示せず)が形成され、上下片の左右方向両端部には係止孔87がそれぞれ形成されている。
一方、化粧プレート82の背面には、図21に示すようにプレート部材80’に設けた係止孔87に対応する部位に係止孔87に係止離脱自在に係止する係止爪82aを突設するとともに、基本機能モジュール4に1連の大きさの拡張機能モジュール5を並列配置したときに各拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にねじ穴89aを有するボス部89を立設してある。
而して、この配線システムにおいて各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、プレート部材80’のねじ挿通孔(図示せず)に挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することで、取付枠70に対してプレート枠80を固定した後、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける(図20参照)。次に、化粧プレート82の背面側に各拡張機能モジュール5a〜5cを並列配置し、拡張機能モジュール5a〜5cの取付片51,51’に挿通した固定ねじ85をボス部89に設けたねじ穴89aに締結することで、各拡張機能モジュール5a〜5cを化粧プレート82に取り付ける(図22参照)。そして、プレート部材80’の前面側から、拡張機能モジュール5a〜5cを保持した化粧プレート82を被せて、化粧プレート82の係止爪82aをプレート部材80’に設けた係止孔87に係止させることで、各機能モジュール4,5a…の取付を完了する。なお基本機能モジュール4を取着した取付枠70に対して、拡張機能モジュール5a…を保持した化粧プレート82を取り付けた状態では、各機能モジュール4,5a…の側部に設けた磁気結合部X、透明部Yがそれぞれ対向配置されるので、各拡張機能モジュール5a…が基本機能モジュール4を介して電力路および情報路にそれぞれ接続されている。
このように本配線システムでは、各拡張機能モジュール5a…が、取付枠70にプレート部材80’を介して固定された固定手段たる化粧プレート82に対してねじ固定されているので、拡張機能モジュール5a…の固定状態が安定し、複数の拡張機能モジュール5a…を連設した場合でも、拡張機能モジュール5a…の固定状態が不安定になることはない。尚、本配線システムでは化粧プレート82がプレート部材80’を介して取付枠70に固定されているが、プレート部材80’を無くして、基本機能モジュール4が埋込配設されるスイッチボックスに化粧プレート82を直接固定するようにしても良く、上述と同様に拡張機能モジュール5a…を安定に固定することができる。
また本配線システムでは図22に示すように基本機能モジュール4の片側のみに拡張機能モジュール5を連設しているが、基本機能モジュール4の両側に拡張機能モジュール5を連設しても良い。但し、基本機能モジュール4に連設できる拡張機能モジュール5の数はAC/ACコンバータ43aの電力供給能力などによって制限される。また、連設する拡張機能モジュール5の数が増えると、拡張機能モジュール5の重さで化粧プレート82が変形し、化粧プレート82の端部(例えばプレート部材80’に固定される側と反対側の端部、図示例では右端部)が浮き上がる可能性があるため、化粧プレート82の右端部を図示しないねじやピンなどで造営面に固定しても良く、化粧プレート82の端部が造営面から浮き上がるのを防止することができる。なお、化粧プレート82の端部を造営面に固定するプレート固定手段は、ねじやピンに限定されるものではなく、化粧プレート82の背面と造営面とにそれぞれ面ファスナーを取り付け、化粧プレート82を造営面に対して面ファスナーで固定するようにしても良い。
また本配線システムにおいて、実施形態1で説明したプレート枠80の場合と同様に、電源ラインおよび導電ラインを構成する導電板を化粧プレート82に一体的に取り付けるとともに、各導電板に電気的に接続される端子を基本機能モジュール4および拡張機能モジュール5a…に設けても良く、拡張機能モジュール5a…を保持したプレート枠80を、基本機能モジュール4を保持するゲート装置1が取着された取付枠70に取り付けることで、化粧プレート82に設けた電源ラインおよび情報ラインを介して各機能モジュール4,5の間が電気的に接続されるから、基本機能モジュール4とゲート装置1とを介して各拡張機能モジュール5a…が電力線L1および情報線L2に接続されることになる。すなわち、化粧プレート82に拡張機能モジュール5a…を接続した後、この化粧プレート82を取付枠70に取り付けることで、各拡張機能モジュール5a…の固定と電気的接続とを行うことができる。
なお、電源ラインおよび情報ラインを構成する導電板の内の少なくとも一つを化粧プレート82に対してインサート成形により埋設固定しても良く、剛性を有する帯板状の導電板を埋設固定することで、化粧プレート82の機械的強度が向上し、複数の拡張機能モジュール5a…を並設した場合でもプレート枠80が変形しにくくなるので、造営面からの浮き上がりを防止できる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図23に基づいて説明する。上述の基本構成ではプレート枠80を枠状に形成された樹脂成型品で構成しているが、本実施形態では、プレート枠80”の横方向(機能モジュール4,5a…の連設方向)に沿う横枠部材を、1乃至複数の枠片を連結して構成してある。なお、プレート枠80”以外の構成は基本構成で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の構成要素を付して、その説明は省略する。
図23はプレート枠80”の正面図であり、平面視の形状が略C状に形成された左枠部材93と、平面視の形状が略コ字状に形成された右枠部材94と、両枠部材93,94の間に連結されて横枠部材を構成する複数個の枠片95とを連結してプレート枠80”を構成している。
左枠部材93は、中央片93aと、中央片93aの上下両端部からそれぞれ右方向に突出する側片93b,93bとで構成され、両側片93bの先端には嵌合凹部93cが形成されている。両側片93bの長さは機能モジュール4,5の単位寸法の約(4/3)倍の寸法に形成されており、取付枠70のねじ孔77に対応する部位にはねじ挿通孔93dが形成されている。
また右枠部材94は、中央片94aと、中央片94aの上下両端部からそれぞれ左方向に突出する側片94b,94bとで構成され、両側片94bの先端には嵌合凸部94cが突設されている。両側片94bの長さは機能モジュール4,5の単位寸法の約(2/3)倍の寸法に形成されており、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にはねじ孔94dを設けてある。また、各側片94bと中央片94aとの連結部位付近には、右枠部材94を造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔94eを貫設してある。
一方、枠片95は略短冊状であって、長さ寸法が機能モジュール4,5の単位寸法に形成されており、左側の端部には左枠部材93に設けた嵌合凹部93cと嵌合する嵌合凸部95aが形成され、右側の端部には右枠部材94に設けた嵌合凸部94cと嵌合する嵌合凹部95bが形成されている。また枠片95には、拡張機能モジュール5の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にはねじ孔95cを設けてあり、さらに枠片95を造営面に固定するために用いる固定ピン(図示せず)を挿通させる挿通孔95dを貫設してある。
而してこのプレート枠80”を組み立てるに当たっては、先ず建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。次に左枠部材93のねじ挿通孔96dに挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することにより、取付枠70に対して左枠部材93を固定した後、両側片93b,93bの嵌合凹部93cに嵌合凸部95aを嵌合させることで、枠片95,95を連結する。さらに各枠片95の嵌合凹部95bに別の枠片95の嵌合凸部95aを嵌合させることで、所望の数の枠片95を連結した後、端末の枠片95,95の嵌合凹部95b,95bに両側片94b,94bの嵌合凸部94c,94cを嵌合させて、右枠部材94を連結する。そして、嵌合凹部93c,95bと嵌合凸部95a,94cとの凹凸嵌合により枠片95および右枠部材94を仮固定した状態で、右枠部材94および枠片95の挿通孔94e,95dに挿通した固定ピン(図示せず)を造営面に差し込むことで、右枠部材94および枠片95を造営面に固定する。このようにしてプレート枠80”の組立が完了すると、基本構成で説明した配線システムと同様の手順で基本機能モジュール4をゲート装置1に取り付けるとともに、拡張機能モジュール5a〜5cをプレート枠80”に固定することで、両機能モジュール4,5aの取付が完了する。
このように本実施形態では、取付枠70にねじ固定された左枠部材93と、この左枠部材93に連結される枠片95および右枠部材94とでプレート枠(固定手段)80”を構成してあり、造営面に固定された枠片95および右枠部材94に拡張機能モジュール5a…をねじ固定しているので、拡張機能モジュール5a…の固定状態が安定し、複数の拡張機能モジュール5a…を連設した場合でも、拡張機能モジュール5a…の固定状態が不安定になることはない。また、連結する枠片95の数を変更すると、プレート枠80”の幅寸法が変更されるので、連接する拡張機能モジュール5a…の数に合わせて右枠部材94を一端造営面から外して、枠片95の個数を増加又は減少させた後、再度右枠部材94を造営面に取り付けることで、大きさの異なるプレート枠80”を容易する必要が無く、交換作業を簡単に行うことができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図24〜図26に基づいて説明する。上述の実施形態1では、造営面に埋設されるスイッチボックス又は取付枠70に固定されたプレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を固定しているのに対して、本実施形態では取付枠70に固定されて各機能モジュール4,5a…の連設方向に沿って平行配置されるレール部材97,98に対して拡張機能モジュール5a…を固定している。尚、拡張機能モジュール5a…を固定するためのレール部材97,98以外の構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の構成要素を付して、その説明は省略する。
レール部材97,98は、実施形態1で説明したプレート枠80の上下の枠部材80a,80bと略同様の形状(横長の帯板状)に形成されており、図24に示すように各レール部材97,98の左端には、背面側に配置される取付枠70のねじ孔77に対向する位置にねじ挿通孔84aが形成されるとともに、右端にはレール部材97,98を造営面に固定するためのピンやタッピングねじを挿通させる挿通孔97b,98bが形成されている。また、各レール部材97,98には、それぞれ、後述する化粧板99の背面に設けた係止爪片(図示せず)がそれぞれ係止する係止孔97c,98cを左右両端部に設けてある。また、各レール部材97,98において、1連の大きさの拡張機能モジュール5a…が取着される部位には、拡張機能モジュール5a…の取付片51に設けたねじ挿通孔52に対応する部位にねじ孔84を設けてある。
上側に配置されるレール部材97の左端部には、機能モジュール4が配置される部位の下側縁から下向きに、モジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ97aを突設してあり、このレール部材97には、剛性を有する帯板状の板金から形成された一対の導電板23,24がインサート成形により一体に設けてある。
一方、下側に配置されるレール部材98の左端部には、機能モジュール4が配置される部位の上側縁から上向きに、モジュール本体40の背面に対向配置される支持リブ98aを突設してあり、このレール部材98には、剛性を有する帯板状の板金から形成された一対の導電板25,26がそれぞれインサート成形により一体に設けてある。
電源ラインを構成する導電板23,24は、それぞれ、上側のレール部材97の内部に埋設される中央片23a,24aと、中央片23a,24aの左端部から下側に向かって突出し、先端が支持リブ97aの前面側に配置される突出片23b,24bとを一体に形成してあり、突出片23b,24bの先端(支持リブ97aの前面側に露出する部位)が接続端子23c,24cとなっている。また、各導電板23,24の中央片23a,24aには、一連の大きさの拡張機能モジュール5が並設される位置に、レール部材97の前面に露設されて、各拡張機能モジュール5の端子27a,27bに給電するための端子23d,24dを1乃至複数(本実施形態では4個)設けてある。
情報ラインを構成する導電板25,26は、それぞれ、下側のレール部材98の内部に埋設される中央片25a,26aと、中央片25a,26aの左端部から上側に向かって突出し、先端が支持リブ98aの前面側に配置される突出片25b,26bとを一体に形成してあり、突出片25b,26bの先端(支持リブ98aの前面側に露出する部位)が接続端子25c,26cとなっている。また、各導電板23,24の中央片25a,26aには、一連の大きさの拡張機能モジュール5が並設される位置に、レール部材98の前面に露設されて、各拡張機能モジュール5の端子27c,27dに電気的に接続するための端子25d,26dを1乃至複数(本実施形態では4個)設けてある。
レール部材97,98は以上のような構成を有しており、これらのレール部材97,98を用いて各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、各レール部材97,98のねじ挿通孔84aに挿通した固定ねじ86を取付枠70のねじ孔77に締結することで、取付枠70に対してレール部材97,98を固定するとともに、各レール部材97,98の右端部に設けた挿通孔97b,98bに固定ピン(図示せず)を挿通して造営面に差し込むことで、各レール部材97,98を平行配置した状態でその両端部を造営面に固定する(図25参照)。尚、本実施形態ではレール部材97,98を取付枠70に固定しているが、スイッチボックス90に直接固定するようにしても良い。
その後、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。この時、基本機能モジュール4の背面に設けた端子33a,33bが、上側のレール部材97の接続端子23c,24cと接触して、電源ラインの導電板23,24が基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して電力線L1に電気的に接続される。また同時に、基本機能モジュール4の背面に設けた端子34a,34bが、下側のレール部材98の接続端子25c,26cと接触して、情報ラインの導電板25,26が基本機能モジュール4およびゲート装置1を介して情報線L2に電気的に接続される。
次に、各レール部材97,98の対応する取付位置に各拡張機能モジュール5a〜5cを配置して、取付片51,51’のねじ挿通孔52に挿通した固定ねじ85をレール部材97,98のねじ孔84に締結すると、各拡張機能モジュール5a〜5cがレール部材97,98に固定される(図25参照)。この時、各拡張機能モジュール5a〜5cの上側の取付片51,51’に設けた端子27a,27bがレール部材97の端子23d,24dに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cに導電板23,24を介して電力が供給される。また各拡張機能モジュール5a〜5cの下側の取付片51,51’に設けた端子27c,27dがレール部材98の端子25d,26dに接触し、各拡張機能モジュール5a〜5cが導電板25,26を介して情報線L2に接続される。
そして、各拡張機能モジュール5a…が取着されたレール部材97,98の前面側には、レール部材97,98と略同じ大きさに形成された横長の矩形板状の化粧板99,99が被着され、化粧板99により固定ねじ85,86が隠されるようになっている(図26参照)。尚、化粧板99,99の背面にはレール部材97,98の左右両端部の係止孔97c,98cと係止する係止爪片(図示せず)が形成されており、また拡張機能モジュール5a…の取付片51,51’には、レール部材97,98の右端にある係止孔97c,98cと連通する連通孔51aが形成されている。
このように本実施形態では、基本機能モジュール4が埋込配設されるスイッチボックス90、又は、造営材に設けた埋込用穴に基本機能モジュール4を埋込配設するために用いる取付枠70に固定されるとともに、各機能モジュール4,5の連設方向に沿って配置されるレール部材97,98に対して、各拡張機能モジュール5a…を固定しているので、複数の拡張機能モジュール5a…を連設する場合でも拡張機能モジュール5a…を安定的に取り付けることができる。また各レール部材97,98は、取付枠70又はスイッチボックス90に固定される側と反対側の端部(右端部)が、ピンやタッピングねじなどのレール固定手段を用いて造営面に固定されているので、連設する拡張機能モジュール5a…の数が増えた場合でも、レール部材97,98の端部(右端部)が造営面から浮き上がるのを防止することができる。
さらに、レール部材97,98には、電力供給を行うための電源ライン(導電板23,24)と、情報信号の伝達を行うための情報ライン(導電板25,26)とを設け、取付枠70にレール部材97,98を固定した後、取付枠70に取着されたゲート装置1に基本機能モジュール4を取り付けるとともに、レール部材97,98に各拡張機能モジュール5a〜5cを取り付けることで、各機能モジュール4,5a…をレール部材97,98の電源ラインと情報ラインとにそれぞれ接続しているので、レール部材97,98に対して拡張機能モジュール5a…を取り付けるだけで、各拡張機能モジュール5a…の固定と電気的接続とを行うことができる。
また、本実施形態では電源ラインを構成する導電板23,24をレール部材97にインサート成形により埋設固定し、情報ラインを構成する導電板25,26をレール部材98にインサート成形により埋設固定しているので、各レール部材97,98の機械的強度が向上し、複数の拡張機能モジュール5a…を並設した場合でもレール部材97,98が変形しにくくなり、造営面からの浮き上がりを防止できる。なお本実施形態では電源ラインを構成する導電板23,24を両方共にレール部材97に埋設固定し、情報ラインを構成する導電板25,26を両方共にレール部材98に埋設固定しているが、何れか一方の導電板のみを埋設固定し、他の導電板はレール部材97,98の表面(前面又は後面)に絶縁した状態で取り付けるようにしても良い。
また、本実施形態ではレール部材に対して拡張機能モジュール5をねじ固定しているが、図30に示すようにレール部材97の下部背面と、レール部材98の上部背面とに係止溝97d,98dを形成するとともに、拡張機能モジュール5のモジュール本体50の背面に弾性係止爪片50a,50aを突設し、各弾性係止爪片50a,50aを係止溝97d,98dに引掛係止することによって、拡張機能モジュール5をレール部材97,98に保持させても良い。なお上述したプレート枠80においても、プレート枠80の背面に係止溝を設けて、拡張機能モジュール5の弾性係止爪片50aを溝部に引掛係止させることでプレート枠80に取り付けるようにしても良い。
(参考例2)
本発明の参考例2を図27〜図29に基づいて説明する。基本構成で説明した配線システムでは、造営面に埋設されるスイッチボックス又は取付枠70に固定されたプレート枠80に対して拡張機能モジュール5a…を固定しているのに対して、本参考例では隣接する拡張機能モジュール5a…の間を機械的に連結する1乃至複数の連結具61,62を設け、少なくとも1つの連結具を造営面に固定することで、拡張機能モジュール5a…を造営面に対して安定に固定している。尚、拡張機能モジュール5a…を固定するための構成以外は基本構成で説明した配線システムと同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
拡張機能モジュール5a…のモジュール本体50,50’は、基本構成で説明した配線システムと同様に高さ寸法を埋込型配線器具の3個モジュール寸法に規格化するとともに、横幅寸法を1個モジュール寸法の整数倍に規格化し、またモジュール本体50,50’の両側面の形状は基本機能モジュール4の側面と同一形状とし、さらに背面を平坦な面に形成し、造営面(例えば壁面)に沿って配設できるようにしてある。そして、モジュール本体50,50’の上下位置には、図28(a)(b)に示すように、矩形板状の取付片51,51’を一体に形成してあり、各取付片51,51’の左右方向(連設方向)の両側部には、左右方向中央部に比べて前面部が背面側に後退した薄肉部51bを形成し、各々の薄肉部51bにねじ孔51cを形成してある。
一方、連結具61は隣接する拡張機能モジュール5の間を連結するためのものであって、図27及び図29(a)に示すように略短冊状に形成され、背面の左右両側部には、拡張機能モジュール5の薄肉部51bが入り込む凹部61aを形成してあり、薄肉部51bのねじ孔51cに対応する部位には固定ねじ64を挿通する挿通孔61bを形成してある。
また連結具62は、基本機能モジュール4に隣接する拡張機能モジュール5と取付枠70との間を連結するためのものであって、図27及び図29(b)に示すように略短冊状に形成され、背面の右端部(拡張機能モジュール5側の端部)には、拡張機能モジュール5の薄肉部51bが入り込む凹部62aを形成してあり、薄肉部51bのねじ孔51cに対応する部位には固定ねじ64を挿通する挿通孔62bが形成してある。また連結具62には、取付枠70のねじ孔77に対向する部位に、固定ねじ64aを挿通するための挿通孔62cが形成されている。
また連結具63は、連結方向における基本機能モジュール4と反対側の端(本参考例では右端)に位置する拡張機能モジュール5を造営面に固定するためのものであって、図27及び図29(c)に示すように略短冊状に形成されて、背面の左端部には、拡張機能モジュール5の薄肉部51bが入り込む凹部63aを形成してあり、薄肉部51bのねじ孔51cに対応する部位には固定ピン64bを挿通する挿通孔63bが形成してある。
連結具61〜63は以上のような構成を有しており、これらの連結具61〜63を用いて各機能モジュール4,5を固定するに当たっては、予め建物の適所(天井100、壁101又は床102)に埋設してあるスイッチボックス90から先行配線された電力線L1、情報線L2を引き出してゲート装置1に接続した後、このゲート装置1を取付枠70を介してスイッチボックス90に取り付ける。そして、ゲート装置1前面の各接続口22,32に対して、基本機能モジュール4の対応するコネクタ42a,42bを接続することにより、ゲート装置1の前面部を覆うようにして基本機能モジュール4を取り付ける。
次に、基本機能モジュール4に並べて拡張機能モジュール5aを配置した状態で、図27に示すように両機能モジュール4,5a間に連結具62を橋架するように配置して、連結具62の挿通孔62cに挿通した固定ねじ64aを取付枠70のねじ孔77に締結するとともに、連結具62の挿通孔62bに挿通した固定ねじ64を取付片51のねじ孔51cに締結することで、拡張機能モジュール5aを取付枠70に固定する。
その後、拡張機能モジュール5aに並べて拡張機能モジュール5bを配置した状態で、両機能モジュール5a,5bの薄肉部51b,51bの間に連結具61を橋架するように配置して、連結具61の挿通孔61b,61bに挿通した固定ねじ64,64を各機能モジュール5a,5bのねじ孔51c,51cに締結することで、両機能モジュール5a,5b間を連結する。さらに拡張機能モジュール5bに並べて拡張機能モジュール5cを配置した状態で、両機能モジュール5b,5cの間を連結具61を介して連結した後、拡張機能モジュール5cの非連設側の薄肉部51bの前面側に連結具63を配置し、連結具63の挿通孔62bと薄肉部51bのねじ孔51cとに通した固定ピン64bを造営面110に差し込むことによって、端末に位置する拡張機能モジュール5cの非連結側の端部を造営面110に固定する。
このように本参考例では、スイッチボックス90に固定される取付枠70に連結具62を介して拡張機能モジュール5aを固定するとともに、隣接する拡張機能モジュール5a,5b間、および、拡張機能モジュール5b,5c間を連結具61を介してそれぞれ連結した後、連結方向の端末に位置する拡張機能モジュール5cを連結具63を介して造営面110に固定しているので、複数の拡張機能モジュール5a…を連設する場合でも拡張機能モジュール5a…を安定的に取り付けることができ、また端末に位置する拡張機能モジュール5cが造営面110から浮き上がるのを防止することができる。
なお本参考例では、連結具63のみを造営面110に対して直接固定しているが、図29(d)に示すように連結具61の左右方向中間部に挿通孔61cを形成し、この挿通孔61cに挿通した固定ピン64bにより各連結具61を造営面110に固定するようにしても良く、拡張機能モジュール5の固定をより安定に行うことができる。