本発明の第1の実施の形態を図面を用いて説明する。
代表例として、Mobile IPv6対応移動ノード(MN)がホーム網以外の網(以下、在圏網)に移動した際の通信方法を詳細に説明する。
図1は、本発明における通信網の構成例である。本発明における通信網はMN7のホーム網N1と在圏網N2から構成される。本実施例において、ホーム網N1、在圏網N2はIPv6網である。MN7はMobile IPv6対応移動ノード(MN)である。ただし、本発明の効果を奏することができる構成である限り、ホーム網N1、及び、在圏網N2はIPv4網やその他の網でもよく、MN7はMobile IPv4やその他のプロトコルに準拠した端末でもよい。
在圏網N2とホーム網N1は、ルータ、或いは、ゲートウェイ装置を介して接続される。
ホーム網N1は、I-CSCF4、S-CSCF5、HA6、AAA10aを備える。I-CSCF4、S-CSCF5、HA6、AAA10aは、IP網N4に接続される。
在圏網N2は、無線アクセスネットワーク(RAN)9(9a、9b)、PDSN1、PDF2、P-CSCF3、AAA10bを備える。PDSN1、PDF2、P-CSCF3、AAA10bは、IP網N3に接続される。
PDSN1は、MNと外部IP網間で送受信されるユーザIPパケットを転送する機能を提供する。
PDF2は、PDSN1やP-CSCF3と通信を行い、QoS制御機能を提供する。
P-CSCF3とI-CSCF4とS-CSCF5は、セッション制御機能を備える。P-CSCF3は、MN7が最初にアクセスするCSCFである。I-CSCF4は、在圏網に存在するMNのS-CSCFを特定する機能を備える。S-CSCF5は、MN7のセッション状態を制御・管理する機能を備える。
HA6はMobile IPv6対応ホームエージェント(HA)である。HA6はMN7の位置情報を管理する。上記位置情報とは、MNのホームアドレスと気付アドレスのバインディング情報である。HA6は通信相手端末がMN7のホームアドレス宛に送信するパケットを捕捉して、在圏網N2に存在するMN7にパケットを転送する機能を備える。
AAA10aは、移動端末の加入者プロファイルを管理し、移動端末の認証を行う機能を備える。AAA10bは、PDSN1からAAA10aへの問い合わせ、および、応答を中継する機能を備える。
MN7は、モバイルIP対応移動端末機能とSIPプロトコルを処理する機能と識別子NAI(Network Access Identifier)を備える。MN7は、SIP識別子としてSIP URIを保持する。AAA10aは、NAIを検索キーとして移動端末の認証を行う。
図2にPDSN1の構成例を示す。PDSN1は、回線12(12a、12b)を収容するインタフェース部(IF)11(11a、11b)と、CPU14と、メモリ15と、データベース16とから構成される。各構成要素は、バス13で接続される。
メモリ15には、RAN信号制御・IP/PPP制御を実行するプログラムとPDF信号制御を実行するプログラムと、QoS制御機能18を実行するプログラムが記憶されている。RAN信号制御・IP/PPP制御は、RANに存在する通信装置との間で信号を送信または受信する機能と、端末との間でIP/PPPを送信または受信する機能を備える。対PDF信号制御は、PDFとの間で信号を送信または受信する機能を備える。QoS制御機能18は、Mobile IPバインディング情報取得ルーチン50とQoS制御ルーチン60とトラヒックのQoS制御を行うQoS情報管理テーブル220とMSの接続種別を備える移動端末情報テーブル230を含む。データベース16が、QoS情報管理テーブル220と移動端末情報テーブル230を含んでもよい。
PDSN1がMobile IPバインディング情報取得ルーチン50を備えることにより、PDSN1がPDF2にMNのバインディング情報(ホームアドレスと気付アドレスの対応情報)を通知することが可能になる。PDSN1がQoS情報管理テーブル220とQoS制御ルーチン60を持つことにより、PDSN1を通過するパケットのQoS制御(例えば、パケットフィルタリングや優先制御)を行うことができる。
PDSN1が移動端末情報テーブル230を備えることにより、PDSN1が移動端末の接続種別を保持することが可能になる。この結果、PDSN1はP-CSCF3に移動端末の接続種別を通知することができる。
図8-aはQoS情報管理テーブル220のテーブル構成の一例である。PDSN1は、パケットの優先制御やフィルタリング等のQoS制御を行う際、QoS情報管理テーブル220を参照する。
QoS情報管理テーブル220は、少なくても端末間のセッションを識別するtoken221に対して、送信元IPアドレス222、送信元ポート番号223、QoS Class 224、 ポートの空塞状態を示すOn/Off225との対応関係を格納する。
上記QoS情報管理テーブル220は、着信先IPアドレス226、着信先ポートアドレス227を含んでもよい。QoS情報管理テーブル220が着信先IPアドレス226や着信先ポートアドレス227を含む場合、PDSN1は着信先IPアドレスや着信先ポートアドレスに応じてポートの空塞を管理できる。
図8-bは移動端末情報テーブル230のテーブル構成の一例である。PDSN1は、PDF2にQoS情報の問い合わせを送信する際、移動端末情報テーブル230を参照する。移動端末情報テーブル230は、少なくても移動端末のNAI231に対して、接続種別232、PPPリンク番号233、token234の対応関係を格納する。
図3にPDF2の構成例を示す。PDF2は、回線22(22a、22b)を収容するインタフェース部(IF)21(21a、21b)と、CPU24と、メモリ25と、データベース26とから構成される。各構成要素は、バス23で接続される。
メモリ25には、対P-CSCFメッセージ処理を実行するプログラムと、対PDSNメッセージ処理を実行するプログラムと、QoS制御機能27を実行するプログラムが記憶されている。対P-CSCFメッセージ処理は、P-CSCF-PDF間のメッセージを送信または受信する機能を備える。対PDSNメッセージ処理は、PDF-PDSN間のメッセージを送信または受信する機能を備える。QoS制御機能27は、QoS制御ルーチン90と、MN情報管理テーブル210と、QoS情報管理テーブル830と、QoS classテーブル850を含む。
データベース26がMN情報管理テーブル210と、QoS情報管理テーブル830と、QoS classテーブル850を含んでもよい。
PDFがMN情報管理テーブル210とQoS制御ルーチン90とQoS 情報管理テーブル830を備えることにより、PDFは、PDSNにQoSパラメータを送信する際、MN情報管理テーブル210の該当エントリからMN7の気付アドレスを読み出し、QoSパラメータに設定することが可能になる。
図11-aはMN情報管理テーブル210のテーブル構成の一例である。MN情報管理テーブル210は、MNのホームアドレス211、少なくてもMNが在圏網で取得したCare of Address (CoA)212との対応関係を格納する。例えば、エントリ210-1には、ホームアドレス(hoa)と気付アドレス(coa#1)との対応関係が格納される。
上記MN情報管理テーブル210は、Binding Cacheの有効期間を示す有効期間213を含んでもよい。MN情報管理テーブル210が有効期間213を含む場合、PDF2は上記テーブルから有効期限が切れたエントリを削除できる。
図11-bはQoS情報管理テーブル830のテーブル構成の一例である。QoS情報管理テーブル830には、Token831と、発側のIPアドレス(O-c、 832)、ポート番号およびメディア情報(O-m、 833)、発側気付アドレスの有無(836)、着側のIPアドレス(T-c、 837)、ポート番号およびメディア情報(T-m、 838)、着側気付アドレスの有無(841)、QoSクラス(842)との対応関係が格納される。
QoS情報管理テーブル830が気付アドレス有無フィールド(836、841)を含むことにより、PDF2はMNの気付アドレスの有無を管理することができる。気付アドレスがある場合、PDF2がPDSN1に送付するQoSパラメータに気付アドレスを設定することが可能になる。
上記QoS情報管理テーブル830が発側の属性(O-a、 834)、発側の帯域情報(O-b、835)、着側の属性(T-a、 839)、着側の帯域情報(T-b、840)を含んでもよい。上記QoS管理テーブル830がO-a834、T-a839を含む場合、PDF2はパケット送受信に関する属性(発信可、着信可、発着信可)を指定できる。上記QoS管理テーブル830がO-b835、T-b840を含む場合、PDF2は通信に使用する帯域を指定できる。
図11-cはQoSクラステーブル850のテーブル構成の一例である。QoSクラステーブル850は、メディアの種別(851)と優先度を示すQoS Class (852)の対応関係を格納する。例えば、エントリ850-1には、media (audio)とQoS Class(high)との対応関係が格納される。
図4にP-CSCF3の構成例を示す。P-CSCF3は、回線32(32a、32b)を収容するインタフェース部(IF)31(31a、31b)と、CPU34と、メモリ35と、データベース36とから構成される。各構成要素は、バス33で接続される。
メモリ35には、SIPメッセージ処理を実行するプログラム37と、対PDFメッセージ処理を実行するプログラムと、QoS制御機能38を実行するプログラムが記憶されている。SIPメッセージ処理37は、SIPメッセージを送信または受信する機能を備える。対PDFメッセージ処理39は、P-CSCF-PDF間のメッセージを送信または受信する機能を提供する。対PDFメッセージ処理39は、QoS制御情報更新ルーチン900とベアラ解放通知ルーチン910を備える。QoS制御情報更新ルーチン900は、PDF2にQoS制御情報を設定或いは更新する際に実行するプログラムである。ベアラ解放通知ルーチン910は、PDF2からベアラ解放通知を受信した際に実行するプログラムである。
QoS制御機能38は、セッション情報管理テーブル800を含む。
データベース36がセッション情報管理テーブル800を含んでもよい。
図13-aはセッション情報管理テーブル800のテーブル構成の一例である。セッション情報管理テーブル800は、少なくてもMNが確立中セッションを一意に識別するダイアログ(call ID801、 To headerのTagパラメータ802、From headerのTagパラメータ803のうち少なくともいずれか一つを含む)に対して、発側のIPアドレス情報O-c804、発側のポート番号とメディア種別O-m805、着側のIPアドレス情報T-c808、着側のポート番号とメディア種別T-m809、Token812、PDF id813、接続種別814との対応関係を格納する。
セッション情報管理テーブル800がダイアログ毎にMN7の接続種別814を格納することにより、P-CSCF3はMN7の接続種別に応じた処理を行うことが可能になる。
セッション情報管理テーブル800は発側の属性O-a806、発側の帯域情報O-b807、着側の属性T-a810、着側の帯域情報T-b811を含んでもよい。P-CSCF3はSIPメッセージのmessage-body部に該当パラメータが設定されるときこれらのフィールドを用いる。
上記セッション情報管理テーブル800がO-a806、T-a810を含む場合、P-CSCF3は属性情報(発信のみ、着信のみ、発着許容など)を指定できる。上記セッション情報管理テーブル800がO-b807、T-b811を含む場合、P-CSCF3は帯域情報を指定できる。
次に、IPv6パケットフォーマットについて説明する。IPv6パケットは、IPv6基本ヘッダと、これに続く拡張ヘッダと、これらのヘッダに続くペイロードとで構成される。このIPv6基本ヘッダは、送信元アドレスと、着信先アドレスとを含む。以下、このフォーマットに準拠したIPv6パケットを用いて説明をするが、本発明の効果が発揮される限り、IPv6以外のプロトコルに準拠した、例えばIPv4などのパケットを用いてもよい。
次に、SIPメッセージを含むパケットフォーマットについて説明する。SIPメッセージは、TCP/UDPなどのトランスポートプロトコルのデータ部に格納される。トランスポートプロトコルのヘッダとデータ部は、IPv6パケットフォーマットのペイロードに格納される。
次に、SIPメッセージのフォーマットについて説明する。
SIPメッセージは、少なくても要求又は応答を示すstart-lineと、SIPメッセージのパラメータが設定されるmessage-headerとで構成される。SIPメッセージを用いて端末間通信に利用するメディア情報等を送信する場合、SIPメッセージはメディア情報等を格納されるmessage-bodyを含む。
次に、Binding Updateメッセージを含むパケットのフォーマットについて説明する。Binding Updateメッセージを含むパケットは、Destination Options HeaderとIPv6 Mobility Headerから構成される。これらのヘッダは、IPv6パケットの拡張ヘッダに格納される。MN7がHA6に送信するBinding Updateには、以下の値が格納される。IPv6パケットヘッダの着信先アドレスに、HA6のアドレスを設定する。IPv6パケットヘッダの送信元アドレスに、MN7の気付アドレスを格納する。送信元アドレスにMN7のホームアドレス以外の値を格納する場合、MN7のホームアドレスがDestination Options Headerに格納される。
次に、Binding Acknowledgementメッセージを含むパケットのフォーマットについて説明する。Binding Acknowledgementメッセージを含むパケットは、Routing HeaderとIPv6 Mobility Headerから構成される。これらのヘッダは、IPv6パケットの拡張ヘッダに格納される。HA6がMN7に送信するBinding Acknowledgementには、以下の値が格納される。IPv6パケットヘッダの送信元アドレスに、HA6のアドレスを設定する。IPv6パケットヘッダの着信先アドレスに、MN7の気付アドレスを格納する。着信先アドレスにMN7のホームアドレス以外の値を格納する場合、MN7のホームアドレスがRouting Headerに格納される。
図5、図6、図7に示すシーケンスに従って、図1に示すRAN9aに在圏するMN7がHA6に位置登録を行い、通信相手端末(CN8)との間でセッションを確立するシーケンスを説明する。まず、図5を用いて、MN7が位置登録を行う手順を説明する。
第1の実施例において、PDSN1は、Mobile IPバインディング情報取得ルーチン50とQoS制御ルーチン60と移動端末情報テーブル230を備える。PDF2は、QoS制御ルーチン90を備える。
PDSN1にはPDF2のアドレスが設定されているものとする。
在圏網N2の無線アクセスネットワーク(RAN)9aに存在するMN7は、PDSN1aとの間にPPPを確立する(101)。PPP確立時に、PDSN1aは在圏網のAAA10b経由でホーム網のAAA10aにMN7の加入者プロファイルを問い合わせる(1000)。具体的にはPDSN1aは、MN7のNAIを検索キーとして、MN7の加入者プロファイルを要求する。AAA10aは、MN7の認証処理が正常に終了すると、MN7の接続種別などの加入者プロファイルを含む応答メッセージをPDSN1aに送信する。PDSN1aは、加入者プロファイルを含む上記応答メッセージを受信すると、MN7のNAIを検索キーとして、移動端末情報テーブル230を検索する。上記移動端末情報テーブル230にMN7のエントリが存在すれば、上記エントリの接続種別を更新する。上記移動端末情報テーブル230にMN7のエントリがなければ、新規エントリ230-1を作成し、MN7のNAI231に対してMN7の接続種別232とPPPリンク番号233を格納する。具体的には、MN7のNAI(aaa@example.com)とMN7の接続種別(Mobile IP)とPPPリンク番号(xxxx)の対応情報を保持する。これにより、PDSN1がPDFにQoSパラメータ問い合わせを送信するとき、PDSN1はMN7の接続種別を上記問い合わせに設定することが可能になる。
MN7は、PDSN1aからルータ広告(Router Advertisement)を受信し(102)、CoAを取得する(103)。PDSN1aからCoA(coa#1)を取得したMN7は、HA6に位置登録メッセージ(Binding Update)を送信する(104)。上記Binding Updateには、以下の値が格納される。MN7のCoA(coa#1)がIPv6パケットヘッダの送信元アドレスに設定される。MN7のホームアドレス(hoa)がIPv6 Destination Options Headerに設定される。
HA6は、上記Binding Updateを受信し、MN7の位置登録処理を行う。位置登録終了後、HA6は、Binding Updateの応答(Binding Acknowledgement)をMN7へ送信する(105)。上記Binding Acknowledgementには、以下の値が格納される。MN7のCoA(coa#1)がIPv6パケットヘッダの着信先アドレスに設定される。MN7のホームアドレス(hoa)がIPv6 Routing Headerに設定される。HA2は、MN7のプロキシとして動作する。
PDSN1aは、IPv6拡張ヘッダにMobility Headerを含むパケットを検出すると(106)、Mobile IPバインディング情報取得ルーチン50を起動する。Mobile IPバインディング情報取得ルーチン50の各ステップを図9に示す。まず、Mobility Headerのタイプを確認する。Mobility HeaderのタイプがBinding Acknowledgementであれば(51)、Mobility HeaderのStatus Codeを確認する(52)。Status Codeが128未満であれば、PDSN1aはPDF2aにMN7のバインディング情報を送信し(53、107)、本ルーチンを終了する。上記MN7のバインディング情報は、少なくてもMN7のホームアドレスとMN7の気付アドレスの対応情報を含む。上記MN7のバインディング情報は、有効期限を含んでもよい。MN7のホームアドレスは、上記Binding Acknowledgementを含むパケットのRouting Headerに設定される。MN7の気付アドレスは、上記Binding Acknowledgmentを含むパケットの着信先アドレスに設定される。
ステップ106、ステップ107によって、PDSN1がPDF2にMN7のバインディング情報を送信することができる。これにより、PDF2は、PDSN1に送信するQoSパラメータを生成するとき、MN7のバインディング情報を参照することが可能になる。
ステップ51において、受信パケットがBinding Acknowledgment以外である場合、或いは、ステップ52において、Binding AcknowledgmentのStatus Codeが128以上である場合、本ルーチンを終了する。
図5に戻って、PDF2aはバインディング情報を受信すると、MN7のホームアドレス211を検索キーとして、MN情報管理テーブル210を検索する。上記MN情報管理テーブル210にMN7のエントリが存在すれば、上記エントリのバインディング情報を更新する。上記MN情報管理テーブル210にMN7のエントリがなければ、新規エントリ210-1を作成し、MN7のバインディング情報を格納する(108)。具体的には、MN7のホームアドレス(hoa)とMN7の気付アドレス(coa#1)との対応情報を保持する。
PDF2aは、上記バインディング情報の格納が終わると、PDSN1aに応答メッセージ(109)を送信する。
以上のステップにより、PDF2aはMN7のバインディング情報を取得することができた。これにより、PDF2は、PDSN1に送信するQoSパラメータを生成するとき、MN7のバインディング情報を参照することが可能になる。
MN7は、正常終了を示すBinding Acknowledgement(105)を受信すると、S-CSCF5に対するSIP位置登録を開始する。
まず、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、或いは、DNS(Domain Name System)を用いて、在圏網N2に存在するP-CSCF3のアドレスを取得する(110)。
MN7は、HA2を経由して、ステップ110でアドレスを取得したP-CSCF3にSIP位置登録要求メッセージ(REGISTER)(111)を送信する。上記REGISTERメッセージ111を含むオリジナルIPパケットは、HA6宛の着信先アドレスをもつIPv6ヘッダでカプセル化した形でHA6に送信される。HA6は、受信パケットからカプセル化IPv6ヘッダを削除(デカプセル化)し、オリジナルIPパケットをP-CSCF3に転送する。
P-CSCF3は、上記SIP位置登録メッセージ(REGISTER)のStart-lineに含まれるMN7のSIP URIからI-CSCF4を特定する。P-CSCF3は、I-CSCF4に上記SIP位置登録メッセージ(REGISTER)を送信する(112)。I-CSCF4は、ホーム網N1が保持する加入者情報を参照して、S-CSCF5を特定する。I-CSCF4はS-CSCF5に上記SIP位置登録メッセージ(REGISTER)を送信する(113)。
S-CSCF5は、上記SIP位置登録メッセージ(REGISTER)を受信すると、SIPの位置登録を行う。具体的には、MNのSIP URI(例:sip:mn@example.com)とホームアドレス(hoa)の対応情報を保持する。S-CSCF5は、上記SIP位置登録が終わると、I-CSCF4に上記SIP位置登録要求に対する応答メッセージ(“200 OK”)を送信する(114)。上記応答メッセージは、S-CSCFのアドレスが設定されたmessage-headerを含む。I-CSCF4はP-CSCF3に上記応答メッセージ(“200 OK”)を送信する(115)。P-CSCF3のSIPメッセージ処理37は、上記応答メッセージからS-CSCF5のアドレスを取得し、MN7のSIP-URIとS-CSCF5の情報とMN7のホームアドレスの対応情報を保持する。
P-CSCF3は、応答メッセージ(“200 OK”)をMN7に送信する(116)。SIP位置登録要求メッセージ(111)がHA6を経由した場合、上記応答メッセージはHA6経由でMN7に転送される。この場合、P-CSCF3が送信した応答メッセージを含むIPパケットは、HA6でMN7のCoA(coa#1)を宛先アドレスとするIPヘッダでカプセル化され、MN7に転送される。
上述したHA6への位置登録とS-CSCF5への位置登録は、MN7の気付アドレスが変わらない場合でも、HA6が管理するバインディング情報のエントリ有効期限とS-CSCF5が管理するSIP位置登録情報のエントリ有効期限を更新する目的で、所定の周期で繰り返して実行される。HA6への位置登録周期とS-CSCF5への位置登録周期は必ずしも一致しない。
次に、図6から図7に示すシーケンスに従って、MN7が通信相手端末(CN)8に発信する手順を説明する。
MN7は、P-CSCF3にmessage-body部にMN7のメディア情報とQoS制御が必要であることを示す情報を含むセッション確立要求メッセージ(INVITE)を送信する(121)。第1の実施例において、MN7がP-CSCF3との間で送受信するパケットは、HA6を経由する。MN7が送信するIPパケットは、HA6宛の着信先アドレスをもつIPv6ヘッダでカプセル化される。MN7が受信するパケットは、HA6においてMN7の気付アドレス宛の着信先アドレスをもつIPv6ヘッダでカプセル化される。
P-CSCF3は、上記セッション確立要求メッセージ(INVITE)を受信すると、セッション情報管理テーブル800にMN7のメディア情報を格納する(122)。
まず、受信メッセージ(121)のmessage-header内Call-Idヘッダ、Fromヘッダのtagを検索キーとして、上記セッション情報管理テーブル800を検索する。上記セッション情報管理テーブル800に該当エントリが存在しなければ、P-CSCF3は上記セッション情報管理テーブル800に新規エントリ(800-1)を追加して、該当エントリに受信メッセージ(121)のmessage-body部の情報を格納する。具体的には、c lineに含まれるIPアドレス(hoa)をO-c(804)に、m lineに含まれる受信ポート番号とメディアの種別(4004、audio)をO-m(805)にそれぞれ格納する。a line、blineがある場合、a lineに含まれる属性情報をO-a(806)、b lineに含まれる帯域情報をO-b(807)にそれぞれ格納する。本実施例において、MN7がc lineに設定するIPアドレスは、MN7のホームアドレス(hoa)である。
P-CSCF3は、ステップ115でアドレスを取得したS-CSCF5にセッション確立メッセージ(INVITE)(123)を送信し、暫定応答100(Trying)をMN7に送信する(124)。S-CSCF5は、セッション確立要求メッセージ(INVITE)(125)をCN8に送信し、暫定応答100(Trying)をP-CSCF3に送信する(126)。CN8は、暫定応答100(Trying)(127)とmessage-body部にメディア情報を含む暫定応答183(Session Progress)をS-CSCF5に送信する(128)。S-CSCF5は、上記暫定応答183をP-CSCF3に転送する(129)。
P-CSCF3は、メディア情報を含む暫定応答183を受信すると、セッション情報管理テーブル800にCN8のメディア情報を格納する(130)。
まず、受信メッセージ(129)のmessage-header内Call-Idヘッダ、Fromヘッダのtagを検索キーとして、上記セッション情報管理テーブル800を検索する。ここで、P-CSCF3はステップ122で作成したエントリ800-1を検出し、該当エントリに受信メッセージ(129)のmessage-body部に含まれるメディア情報を格納する。具体的には、To headerに含まれるTagをto tag (802)に、c lineに含まるIPアドレス(cn)をT-c(808)に、m lineに含まれる受信ポート番号とメディアの種別(6002、audio)をT-m(809)にそれぞれ格納する。a line、blineがある場合、a lineに含まれる属性情報をT-a(810)、b lineに含まれる帯域情報をT-b(811)にそれぞれ格納する。
次に、P-CSCF3はQoS制御に用いる識別子“Token”を生成し、上記セッション情報管理テーブル800の該当エントリ800-1にToken(111@pcscf)を追記する。Tokenは、P-CSCF3の識別子と、P-CSCFが発側であるか着側であるかを示す情報と、MN7とCN8が送受信するメディアストリームを一意に識別する情報を含む。P-CSCF3は上記Token(111@pcscf)を含む暫定応答(183)をMN7に送信する(131)。
MN7は、暫定応答(183)の受信をCN8に通知するため、PRACK(Provisional Response Acknowledgment)を送信する(132)。CN8は、PRACKを正常に受信したことを示す応答200 OKをMN7に送信する(143)。
MN7は、PRACK(132)の送信と平行して、メディア送受信に利用する無線アクセスネットワークのベアラをPDSN1aとの間で確立する(133)。ここで、MN7は、ステップ131で受信したToken(111@pcscf)をPDSN1aに通知する。
PDSN1aは、ステップ133で受信したメッセージがTokenを含む場合、アプリケーションに応じたQoS制御が必要であると判断する。まず、PDSN1aはステップ101において、MN7との間に確立したPPPのPPPリンク番号を検索キーとして、移動端末情報テーブル230を検索する。PDSN1aはPPP確立時(ステップ101)に格納したエントリ230-1から、MNの接続種別(Mobile IP)を読み出す。次に、PDSN1aは、ステップ133で受信したメッセージに含まれるToken(111@pcscf)を該当エントリ230-1のToken234に格納する。
PDSN1aは、エントリ230-1から読み出したMNの接続種別(Mobile IP)と上記Token(111@pcscf)を含むQoS Authorization QueryをPDF2aに送信する(134)。PDF2aのQoS制御機能27は、QoS Authorization Queryを受信すると、図12に示すQoS制御ルーチン90を起動する。まず、QoS制御機能27は、受信メッセージがTokenを含むか検証する(91)。受信メッセージがTokenを含まない場合、PDF2はPDSN1へエラー通知を送信し(99)、本ルーチンを終了する。受信メッセージがTokenを含めば、PDF2はP-CSCF3からQoSパラメータを取得するため、P-CSCF3に接続種別(Mobile IP)とToken(111@pcscf)を含むQoS Parameter Requestを送信する(92、135)。PCFはステップ91で受信したToken(111@pcscf)からP-CSCF3のアドレス(pcscf)を抽出する。
図6に戻り、P-CSCF3は、接続種別(Mobile IP)とToken(111@pcscf)を含むQoS Parameter Request(135)を受信すると、図14に示すQoS制御情報更新ルーチン900を起動する。まず、対PDFメッセージ制御39は、受信メッセージがTokenを含むか検証する(901)。受信メッセージがTokenを含まない場合、P-CSCF3はPDF2へエラー応答を送信し(907)、本ルーチンを終了する。受信メッセージがTokenを含めば、上記Token(111@pcscf)を検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。該当エントリ800-1が存在すれば、該当エントリからCall-ID(801)、To tag (802)、From tag(803)を抽出する。上記抽出した情報(801、802、803)の組み合わせ(SIP dialog ID)により、SIPダイアログを一意に識別する。上記SIP dialog IDを検索キーとして、SIPメッセージ処理37がSIPプロトコル処理の一環として管理するSIPダイアログの状態を参照する(902)。P-CSCF3はステップ129でINVITEに対応する暫定応答(183)を受信している。よって、P-CSCF3が管理する上記SIPダイアログの状態は、“Early state”である。
SIPダイアログの状態が“Early state”又は“Confirmed state”であれば、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル800の該当エントリのPDF id(813)にQoS Parameter Request送信元PDFのアドレス(pdf1)を格納する。次に、セッション情報管理テーブル800の該当エントリの接続種別814にQoS Parameter Requestに設定されたMN7の接続種別(Mobile IP)を格納する(136、903)。
さらに、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル800の該当エントリから発側メディア情報(804〜807)と着側メディア情報(808〜811)を読み出す。P-CSCF3は、PDF2aに上記発着のメディア情報とTokenを含むQoS Param Authorization Requestを送信する(137、904)。ステップ903においてPDF idを新しく格納した場合、P-CSCF3は本ルーチンを終了する。
図12に戻り、PDF2aは発着のメディア情報とTokenを含むQoS Param Authorization Requestを受信すると(137、93)、P-CSCF3に応答確認(QoS Param Authorization Confirmed)を送信する(138、94)。
次に、PDF2aはToken(111@pcscf)を検索キーとして、QoS情報管理テーブル830を検索する(95)。
該当エントリが存在しなければ、PDF2はQoS情報管理テーブル830に新規エントリ830-1を追加する(95)。具体的には、PDF2はステップ137で受信した発側IPアドレス(hoa)を832へ、ポート番号とメディア種別(4004 audio)を833へ、着IPアドレス(cn)を837へ、ポート番号とメディア種別(6002 audio)を838へ、それぞれ格納する。次に、PDF2は、ステップ137で受信したメッセージに含まれる発側IPアドレス(hoa)を検索キーとして、MN情報管理テーブル210のMNホームアドレスを検索する(96)。上記MN情報管理テーブル210に該当するIPアドレスのエントリが存在すれば、該当エントリからCoAを読み出し、QoS情報管理テーブル830のCoA有無フラグ(836)を有に設定する。同様に、PDF2は、ステップ137で受信したメッセージに含まれる着側IPアドレス(cn)を検索キーとして、MN情報管理テーブル210のMNホームアドレスを検索する。上記MN情報管理テーブル210に該当するIPアドレスのエントリが存在しなければ、QoS情報管理テーブル830のCoA有無フラグ(841)を無に設定する(96)。
PDF2は、ステップ108において、該当エントリ210-1を生成している。このため、PDF2は該当エントリ210-1からcoa#1を読み出し、CoA有無フラグ836に有を設定する。続いて、PDF2は、ステップ137で受信したメッセージに含まれる発着のメディア種別(audio)を検索キーとして、QoS Classテーブル850からQoS Class(high)を取得する。PDF2は、取得したQoS ClassをQoS情報管理テーブル830の該当エントリのQoS Class(842)フィールドに設定する。
ステップ139において、PDF2がMN情報管理テーブル210を参照することにより、PDF2はPDSN1に送信するQoSパラメータにMN7の気付アドレスを設定することが可能になる。
PDF2はPDSN1にQoS情報としてTokenとエントリ210-1から読み出したMN7の気付アドレス(coa#1)と上記QoSクラス(high)を含むQoS Authorization Responseを送信し(140、97)、本ルーチンを終了する。PDF2はQoS Authorization Responseを用いて、PDSN1にQoSパラメータを送信する。上記Authorization Responseが発側ポート番号、着側IPアドレス、着側ポート番号を含んでもよい。
PDF2がステップ140のパラメータにMN7の気付アドレス(coa#1)を設定することにより、PDSN1はQoSパラメータとして気付アドレス(coa#1)を利用できる。
ステップ96において、MN情報管理テーブル210に該当するIPアドレスのエントリが存在しなければ、PDF2はPDSN1にMNの気付アドレスを含まないQoS Authorization Responseを送信し、本ルーチンを終了する(98)。
図6に戻り、PDSN1aはPDF2aからQoS Authorization Response(140)を受信すると、PDSN1はQoS制御機能18のQoS制御ルーチン60を起動する。
QoS制御ルーチン60の各ステップを図10に示す。PDSN1は、ステップ140で受信したメッセージに含まれるToken(111@pcscf)を検索キーとしてQoS情報管理テーブル220を検索する(61)。該当エントリが存在しなければ、PDSN1はQoS情報管理テーブル220に新規エントリを追加する(61、141)。
具体的には、まず、PDSN1はステップ140で受信したToken(111@pcscf)から、P-CSCFが発側P-CSCFであるか着側P-CSCFであるかを判断する。
P-CSCFが発側P-CSCFである場合、PDSN1はステップ140で受信した発側メディア情報(IPアドレス(coa#1)、ポート番号(4004)をQoS管理情報テーブル220のSource IPアドレス222とSource Port223へ、着側メディア情報(IPアドレス(cn)、ポート番号(6002))をQoS管理情報テーブル220のDest. IPアドレス226とDest.Port227へ、QoSクラス(high)を224へ、それぞれ格納する。
PDSN1は、QoS管理情報テーブル220の発側メディア情報として、MN7の気付アドレス(coa#1)を格納した。これにより、PDSN1がQoS管理情報管理テーブル220を参照して、例えば、パケットの優先制御を行う場合、優先順位を決定する条件としてMN7の気付アドレスを用いることが可能になる。
P-CSCF3が着側P-CSCFである場合、PDSN1はステップ140で受信した着側メディア情報(IPアドレス、ポート番号等)をQoS管理情報テーブル220のSource IPアドレス222とSource Port223へ、発側メディア情報(IPアドレス、ポート番号等)をQoS管理情報テーブル220のDest. IPアドレス226とDest.Port227へ、QoSクラスを224へ、それぞれ格納する。
PDSN1aはMN7にBearer Resource Confirmationを送信し(142)、Open Gate Directiveメッセージの受信を待つ(62)。
次に図7のシーケンスを説明する。MN7は、リソース予約の完了を通知するため、CN8にUPDATEメッセージを送信する(144)。CN8は、UPDATEメッセージ(144)を受信すると、UPDATEを正常に受信したことを示す応答メッセージ(200 OK)をS-CSCF5、 P-CSCF3経由でMN7に送信する(145)。次にCN8はユーザの呼び出しを開始し、呼び出し中を示す暫定応答メッセージ(180 Ringing)をS-CSCF5、 P-CSCF3経由でMN7に送信する(146)。
MN7は、暫定応答(180)の受信をCN8に通知するため、PRACK(Provisional Response Acknowledgment)を送信する(147)。CN8は、PRACKを正常に受信したことを示す応答メッセージ(200 OK)をMN7に送信する(148)。
CN8は、ユーザが応答すると、ステップ125で受信したINVITEに対する応答メッセージ(200 OK)をS-CSCF5経由でP-CSCF3に送信する(149、150)。
P-CSCF3は、上記応答メッセージ(200 OK)(150)を受信すると、上記応答メッセージに含まれるCall ID、 From headerのTag、To headerのTagの少なくともいずれか一つを検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。P-CSCF3は、ステップ122で新規に作成し、ステップ130及びステップ136で更新したエントリを検出し、該当エントリから、PDF2のid(pdf1)とToken(111@pcscf)を読み出す。
P-CSCF3は、PDF2aに上記Tokenを含むAuthorization Request to Gate Openを送信する(151)。
PDF2aはTokenを検索キーとして、QoS情報管理テーブル830を検索する。PDF2aは、ステップ137受信時に作成したエントリを検出する。該当するエントリが上記テーブルに存在すれば、PDF2aはPDSN1aに上記Tokenを含むOpen Gate Directive Approval of QoS Commitメッセージを送信する(152)。
図10に戻り、PDSN1aは上記メッセージを受信する(62)と、Tokenを検索キーとして、QoS情報管理テーブル220を検索する(63)。PDSN1aは、ステップ141で作成したエントリを検出する。該当するエントリが上記テーブルに存在すれば、PDSN1は該当エントリのパケット送受信フラグon/off225をonに更新し、PDF2にOpen Gate Responseを送信し、本ルーチンを終了する(64、153、154)。
ステップ62において、一定時間内にOpen Gate Directive- Approval of QoS Commitメッセージを受信しなかった場合、或いは、ステップ63において該当エントリが存在しなかった場合、PDSN1は本ルーチンを終了する。
図7に戻り、PDF2aはOpen Gate Response154を受信すると、P-CSCF3にAuthorization Answerメッセージ(155)を送信する。P-CSCF3は、上記Authorization Answerメッセージ(155)を受信した後、MN7にステップ121で受信したINVITEに対する正常応答メッセージ(200 OK)を送信する(156)。MN7は、上記正常応答メッセージ156を受信すると応答確認メッセージ(ACK)をP-CSCF3、S-CSCF5経由でCN8に送信する(157〜159)。
以上の処理により、MN7とCN8の間にQoS制御を行ったセッションが確立し、ユーザデータの送受信が可能になる(160、161)。
MN7が受信するパケットは、HA6においてMN7の気付アドレス宛の着信先アドレスをもつIPv6ヘッダでカプセル化される(160)。MN7が送信するIPパケットは、MN7の気付アドレスが送信元アドレスに設定されたIPv6ヘッダでカプセル化される(161)。PDSNは、パケット送信時にQoS情報管理テーブル220を参照し、QoSクラスに応じてパケットを転送する。ステップ141において、PDSN1がQoS管理情報テーブル220の発側メディア情報に、MN7の気付アドレス(coa#1)を格納している。このため、PDSN1は、気付アドレス(coa#1)に対応する優先順位(high)を指定してパケットを転送することができる。即ち、PDSN1は気付アドレスに応じたQoS制御を提供できる。
続いて、図16に示すシーケンスに従って、図5〜図7に示したステップで位置登録、及び、セッションの確立を行ったMN7がPDSN間ハンドオフを行う手順を説明する。
MN7は、PDSN1bとの間にPPPを確立し、新しい気付アドレス(coa#2)を取得する(161〜163)。この際、MM7がPDSN1aとの間に確立しているPPPリンクは切断される。
図17に示すシーケンスに従って、MN7とPDSN1aの間のPPPリンクが切断される際の手順を説明する。PDSN1aは、PPPリンクの切断を検出すると(311)、PPPリンク番号を検索キーとして、移動端末情報テーブル230を検索する。PDSN1aは、上記移動端末情報テーブル230からステップ101で生成し、ステップ133受信時に更新したエントリ230-1を検出し、Token(111@pcscf)を読み出す。PDSN1aは、PDF2aにリンク切断を通知するため、上記Token(111@pcscf)を含むBearer Release / Loss Indicationを送信する(312)。PDF2aは上記Token(111@pcscf)からP-CSCF3を特定し、上記Tokenを含むBearer Release / Loss Indicationを送信する(313)。P-CSCF3は、上記メッセージを受信すると、図15に示すベアラ解放通知ルーチン910を起動したのち、PDF2に応答確認(Bearer Indication Ack)を送信する(314)。PDF2は、PDSN1に応答確認(Bearer Indication Ack)を送信する(315)。
P-CSCF3は受信メッセージがTokenを含むことを確認する(911)。受信メッセージがTokenを含まない場合、P-CSCF3はエラー応答を送信し(914)、本ルーチンを終了する。
受信メッセージがTokenを含む場合、上記Tokenを検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。P-CSCF3は、ステップ136で設定したエントリ800-1を検出し、該当エントリの接続種別814を読み出す(912)。
ここで、接続種別はMobile IPであるため、P-CSCF3は本ルーチンを終了する。
図16に戻り、MN7がPDSN1bとの間にPPPを確立する時、PDSN1bは在圏網のAAA10b経由でホーム網のAAA10aにMN7の加入者プロファイルを問い合わせる(1001)。AAA10aは、MN7のNAIを検索キーとして、MN7の認証を行う。認証処理が正常に終了すると、AAA10aはMN7の接続種別などの加入者プロファイルを含む応答メッセージをPDSN1bに送信する。ここで、PDSN1bはMN7のNAIを検索キーとして、移動端末情報テーブル230を検索する。上記移動端末情報テーブル230にMN7のエントリが存在すれば、上記エントリの接続種別を更新する。上記移動端末情報テーブル230にMN7のエントリがなければ、新規エントリ230-1を作成し、MN7のNAI231に対してMN7の接続種別情報232とPPPリンク番号233を格納する。具体的には、MN7のNAI(aaa@example.com)とMN7の接続種別(Mobile IP)とPPPリンク番号(xxxx)の対応情報を保持する。これにより、PDSN1bは、PDF2bに送信するQoS制御情報にMN7の接続種別を設定することが可能になる。
MN7は、新しい気付アドレス(coa#2)を生成し(162、163)、HA6に登録する(Binding Update、 164)。HA6は、MN7のバインディング情報を更新し、上記Binding Updateの応答メッセージ(Binding Acknowledgment)をMN7に送信する(165)。
PDSN1bがBinding Acknowledgmentを検出し、PDF2bにMN7のBinding情報を通知する処理(166〜169)は、図5のステップ106から109と同じである。
ステップ166〜169より、PDSN1bがPDF2bにMN7のバインディング情報(hoaとcoa#2の対応情報)を通知することができる。PDF2bが気付アドレス(coa#2)を取得することにより、PDF2bはPDSN1bに送信するQoSパラメータに気付アドレス(coa#2)を設定することが可能になる。
MN7は、SIPプロトコル処理の一環として管理するSIP ダイアログの状態を参照する。SIPダイアログの状態が“confirmed state”であれば、MN7はステップ171からステップ180を実施する。ステップ171からステップ180の処理は、図6のステップ133からステップ142の処理と同じである。
PDSN1bは、ステップ171のメッセージを受信すると、PPPリンク番号を検索キーとして、移動端末情報テーブル230を検索する。ここで、PDSN1bはPPP確立時(ステップ161)に格納したエントリ230-1から、MNの接続種別(Mobile IP)を読み出し、MNの接続種別と上記Tokenを含むQoS Authorization QueryをPDF2bに送信する(172)。PDF2bは、MNの接続種別と上記Tokenを含むQoS Parameter Request(173)をP-CSCF3に送信する
P-CSCF3は、Token(111@pcscf)とMNの接続種別(Mobile IP)を含むQoS Parameter Request(173)を受信すると、図14に示すQoS制御情報更新ルーチン900を起動する。
受信メッセージがTokenを含めば(901)、P-CSCF3は、上記Token(111@pcscf)を検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。該当エントリ800-1が存在すれば、該当エントリのSIPダイアログ情報を抽出する。SIPメッセージ処理37は、上記SIPダイアログ情報を検索キーとして、SIPプロトコル処理の一環として管理するSIPダイアログの状態を参照する(902)。P-CSCF3はステップ150でINVITEに対応する最終応答(200 OK)を受信する。よって、P-CSCF3が管理する上記SIPダイアログの状態は、“Confirmed state”である。
SIPダイアログの状態が “Confirmed state”であるため、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル800の該当エントリのPDF id(813)をQoS Parameter Request(173)送信元PDFのアドレス(pdf2)に更新する。この際、更新前のPDFアドレス(pdf1)を一時保持する。次に、P-CSCF3は、セッション情報管理テーブル800の該当エントリの接続種別814に上記QoS Parameter Requestに設定されたMN3の接続種別(Mobile IP)を設定する(174、903)。
さらに、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル800の該当エントリから発側メディア情報(804〜807)と着側メディア情報(808〜811)を読み出す。P-CSCF3は、PDF2bに上記発着のメディア情報とTokenを含むQoS Param Authorization Requestを送信する(175、904)。次にP-CSCF3がステップ903において、PDF idを更新したか否かを決定する(905)。PDF idを更新する場合、P-CSCF3はステップ903において一時的に保持したPDFアドレス(pdf1)を読み出す。次に、P-CSCF3は上記PDFアドレス(pdf1)にQoS制御情報の削除を要求するため、Removal of Authorization処理(ステップ906)を起動し、本ルーチンを終了する。
図16に示すシーケンスに従って、QoS制御情報を削除する処理の手順を説明する。P-CSCF3は、ステップ903で一次的に保持したPDF2a(pdf1)にQoS制御情報の削除を要求するため、Tokenを含むRevoke Auth Requestを送信する(182)。PDF2aは、Tokenを含むRevoke AuthozationをPDSN1aに送信する(183)。PDSN1aは、Tokenを検索キーとして、QoS情報管理テーブル220を検索する。PDSN1aは、上記QoS情報管理テーブル220からステップ141で生成した該当エントリを検出し、該当エントリを削除する。その後、PDSN1aは、PDF2aにTokenを含むRevoke Confirmedを送信する(184)。PDF2aは、Tokenを検索キーとして、QoS情報管理テーブル830を検索する。PDF2aは、上記QoS情報管理テーブル830からステップ137で生成した該当エントリを検出し、該当エントリを削除する。その後、PDF2aはP-CSCF3にQoS制御情報の削除完了を通知するため、Tokenを含むRequest Confirmed(185)を送信する。
以上の処理により、接続種別がMobile IPであるMN7がPDSN間ハンドオフを行ったとき、P-CSCF3は移動前のPDSN1aが保持するMN7のQoS制御情報を消去することが可能になる。
ステップ171においてSIPダイアログの状態が“confirmed state”以外であれば、MN7は図6のステップ121から図7のステップ159までの処理を行う。
P-CSCF3はPDF2bからQoS Param Authorization Confirmed(176)を受信すると、上記メッセージに含まれるTokenを検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。該当するエントリが存在する場合、P-CSCF3は該当エントリからCall ID、 To headerのtag、 From headerのtagを読み出す。次に、SIPメッセージ処理部がSIPプロトコル処理の一環として管理するSIP ダイアログの状態を参照する。SIP ダイアログの状態が“confirmed state”であれば、図7 ステップ150から155と同じ処理(181)を行う。SIP ダイアログの状態が“confirmed state”以外であれば、P-CSCF3はINVITEに対する最終応答(200 OK)の受信したとき、ステップ181を実施する。MN7は、気付アドレスcoa#2を用いてユーザデータを送受信することが可能になる(186、187)。
以上の処理により、MN7が外部IP網との通信に利用するPDSNを変更した場合、P-CSCF3が移動先のPDSN1bにMN7のQoS制御情報(パケット優先制御やパケットフィルタリングの条件)を通知することが可能になる。即ち、モバイルIP対応MN7がPDSN間ハンドオフを行う際、P-CSCF3がMN7の接続種別を保持することにより、移動先PDSNにQoS情報を通知し、移動前のPDSNが保持するQoS情報を削除することが可能になる。
次に、図18、19、20に示すシーケンスに従って、MN7の接続種別がSimple IPである場合の位置登録、および、セッション確立手順を示す。
図18を用いて、MN7が位置登録を行う手順を説明する。MN7がPDSN1aとの間にPPPを確立する手順は、MN7の接続種別がMobile IPである場合と同様である(101)。PPP確立時に、PDSN1aがAAA10aから受信する加入者プロファイルには、MN7の接続種別としてSimple IPが含まれる(1002)。PDSN1aは、移動端末情報テーブル230にMN7のエントリがなければ、新規エントリ230-2を作成し、MN7のNAI231に対してMN7の接続種別情報232とPPPリンク番号233を格納する。具体的には、MN7のNAI(bbb@example.com)とMN7の接続種別(Simple IP)とPPPリンク番号の対応情報を保持する。これにより、PDSN1がPDFにQoSパラメータの問い合わせを送信するとき、MN7の接続種別を参照することが可能になる。
続いて、MN7はDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)、或いは、DNS(Domain Name System)を用いて、在圏網N2に存在するP-CSCF3のアドレスを取得する(110)。
MN7がP-CSCF3、I-CSCF4を経由してS-CSCF5にSIP位置登録を行う手順(117、118)は、MN7の接続種別がMobile IPである場合のSIP位置登録手順(111から116)と以下の点が異なる。MN7がP-CSCF3との間で送受信するSIPメッセージはHAを経由しない。S-CSCF5は、MN7のIPアドレスとして、PPP確立時、あるいは、PPP確立後に取得したMN7のIPアドレス(mn)を保持する。
図19から図20に示すシーケンスに従って、MN7が通信相手端末(CN)8に発信する手順を説明する。接続種別がSimple IPであるMN7がCN8に発信する手順は、図6から図7に示す接続種別がMobile IPである場合の発信手順と以下が異なる。
MN7がP-CSCF3との間で送受信するSIPメッセージはHAを経由しない。
ステップ134において、PDSN1がPDF2に通知するMN7の接続種別は、Simple IPである。ステップ135において、PDF2がP-CSCF3に通知するMN7の接続種別は、Simple IPである。
ステップ136において、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル800の該当エントリの接続種別に“Simple IP”を設定する。
ステップ139において、PDF2はMN情報管理テーブル210を参照する。MN7の接続種別がSimple IPであるため、MN情報管理テーブル210に該当エントリは存在しない。よって、 PDF2はQoSパラメータにP-CSCF3から通知されたMN7のIPアドレス(mn)を設定したQoS Authorization Response(140)をPDSN1に送信する。
ステップ160、ステップ161において、ユーザデータは、HA6を経由せず、MN7とCN8の間で送受信される。
図21に示すシーケンスに従って、MN7とPDSN1aの間のPPPリンクが切断される際の手順を説明する。ステップ311からステップ313は、MN7の接続種別がMobile IPである場合と同様である。P-CSCF3は、Bearer Release / Loss Indicationメッセージを受信すると、図15に示すベアラ解放通知ルーチンを起動する。まず、受信メッセージがTokenを含むことを確認する(911)。
受信メッセージがTokenを含む場合、上記Tokenを検索キーとして、セッション情報管理テーブル800を検索する。上記セッション情報管理テーブル800に該当エントリが存在すれば、該当エントリの接続種別814を読み出す(912)。該当エントリに設定されるMN7の接続種別は“Simple IP”であるため、P-CSCF3は該当SIPダイアログの終了処理を起動し(913)、本ルーチンを終了する。ここで、SIPダイアログの終了処理を説明する。P-CSCF3は、S-CSCF5にセッション終了要求(BYE)を送信した後(316)、PDF2およびPDSN1が保持するQoS制御情報を削除する。QoS制御情報を削除する処理(318〜321)は、図16におけるステップ182からステップ185の処理と同様である。S-CSCF5はセッション終了要求(BYE)を受信すると、CN8にセッション終了要求(BYE)を送信する(317)。CN8は上記セッション終了要求への正常応答(200 OK)をS-CSCF5経由でP-CSCF3に送信する(322、323)。
以上の処理により、接続種別がSimple IPであるMN7が通信に利用するPDSNを変更し、MN7とPDSN1aの間のPPPリンクが切断された場合、P-CSCF3はセッション終了処理を起動し、PDSN1aが保持するQoS情報を削除することが可能になる。
なお、本実施例において、P-CSCF1とPDF2を同一通信装置で実現してもよい。
或いは、本実施例において、PDF2とP-CSCF3を同一装置で実現してもよい。
本発明の第1の実施の形態によると、PDSN1が移動端末の接続種別を取得する手段と、PDF2に上記取得した接続種別を通知する手段を備え、PDF2が上記取得した接続種別をP-CSCF3に通知する手段を備え、P-CSCF3はセッション情報とMN7の接続種別を対応つける手段を備えることにより、MN7がPDSN間ハンドオフを行った際、P-CSCF3はMN7の接続種別に応じた処理を起動することが可能になる。MN7の接続種別がMobile IPであれば、P-CSCF3はQoS制御情報を移動前のPDSNから移動後のPDSNに引き継ぐことが可能になる。MN7の接続種別がSimple IPであれば、P-CSCF3はセッション終了処理を起動し、移動前PDSNが保持するQoS制御情報を削除することが可能になる。
本発明の第2の実施の形態を図面を用いて説明する。第2の実施例は、P-CSCF3
が、MNのバインディング情報を取得する手段と、上記バインディング情報を参照してMN7の接続種別を判別する手段を備えることを特徴とする。
P-CSCF3が上記手段を備えることにより、P-CSCF3はMN7の接続種別に応じた処理を起動することが可能になる。
第2の実施例において、PDSN1のQoS制御機能18を実行するプログラムは、Mobile IPバインディング情報収集ルーチン50を備えない。
第2の実施例において、PDF2のQoS制御機能27を実行するプログラムは、MN情報管理テーブル210を備えない。
第2の実施例において、PDF2のQoS情報管理テーブル830は、CoA有無フラグ(836、 841)を備えなくてもよい。
第2の実施例において、PDF2のQoS情報管理テーブル830は、CoA有無フラグ(836、 841)を備えない場合、PDF2のQoS制御機能27は、QoS制御ルーチン90のかわりにQoS制御ルーチン80を備える。
図24にQoS制御ルーチン80を示す。QoS制御ルーチン80は、ステップMN Binding情報有無96を含まない点がQoS制御ルーチン90と異なる。
図22に第2の実施例におけるP-CSCF3の構成例を示す。
第2の実施例において、P-CSCF3のメモリ35は、さらに、Binding情報制御39を実行するプログラムを備える。Binding情報制御39は、MN情報取得ルーチン70とMN情報管理テーブル820を備える。第2の実施例におけるP-CSCF3のQoS制御機能38は、セッション情報管理テーブル870を備える。
図23にMN情報処理ルーチン70を示す。
P-CSCFがMN情報取得ルーチン70とセッション情報管理テーブル870を備えることにより、P-CSCFはMN7のバインディング情報(ホームアドレスと気付アドレスの対応情報)を取得、及び、保持することが可能になる。
P-CSCFがMNのバインディング情報を保持することにより、P-CSCFがMNの接続種別を特定することが可能になる。その結果、PDFから受信するQoSパラメータ問い合わせにMN7の接続種別が含まない場合であっても、P-CSCFはMNの接続種別に応じたパケット処理を行うことが可能になる。
図13-bはMN情報管理テーブル820のテーブル構成の一例である。MN情報管理テーブル820は、少なくともMNのホームアドレス821と、気付アドレス822の対応関係を格納する。さらに、MN情報管理テーブル820は、有効期限823を含んでもよい。MN情報管理テーブル820が有効期限823を含む場合、P-CSCF3は、上記エントリの有効期限を指定できる。
図13-cは第2の実施例におけるセッション情報管理テーブル870のテーブル構成の一例である。セッション情報管理テーブル870は、セッション情報管理テーブル800のエントリに加え、少なくとも気付アドレスの有無を示すフラグ(871、872)の対応関係を格納する。
セッション情報管理テーブル870が気付アドレス有無を示すフラグ(871、872)を備えることにより、PDSNからPDF経由でMNの接続種別が通知されない場合であっても、P-CSCFはMNの接続種別を管理することが可能になる。P-CSCF3は気付アドレス有無フラグが設定された場合、MNの接続種別はMobile IPであると判断し、該当エントリの接続種別814を更新する。
図25に示すシーケンスに従って、第2の実施例におけるMN7が位置情報を登録する手順を説明する。
MN7が在圏網でCoA(coa#1)を取得し、HA6へ位置登録を行うまでの手順(ステップ101からステップ105)は、第1の実施例と同じである。
MN7が在圏網でP-CSCFのアドレスを取得しS-CSCFにSIP位置登録を行う手順(ステップ110からステップ116)は、第1の実施例と同じである。
第2の実施例において、MN7はカプセル化されたSIP正常応答メッセージ(200 OK)(116)を受信すると、上記メッセージの送信元であるP-CSCF3へMN7のバインディング情報(ホームアドレスと気付アドレスの対応情報)を通知する。P-CSCF3のBinding情報制御39は、MN7からバインディング情報を含むBinding Update(301)を受信すると、MN情報収集ルーチン70を起動する。
P-CSCF3は、ステップ301で受信したメッセージ送信元を検証する(71)。P-CSCF3は、ステップ301で受信したIPパケットの拡張ヘッダに含まれるMN7のホームアドレスを検索キーとして、SIPメッセージ処理37がステップ115で取得した情報を検索する。P-CSCF3に該当エントリが存在すれば、P-CSCF3はMN7のホームアドレスを検索キーとしてMN情報管理テーブル820を参照する。該当エントリが存在しなければ、P-CSCF3は新規エントリを生成し、上記MN情報管理テーブル820にMN7のホームアドレスと気付アドレスの対応関係を格納する(72)。P-CSCF3はMN7に位置登録終了を示すBinding Acknowledgmentを送信し(73、303)、本ルーチンを終了する。
以上のステップにより、P-CSCFはMNからバインディング情報(ホームアドレスと気付アドレスの対応情報)を取得する。これにより、P-CSCFはDSNからPDF経由でMNの接続種別が通知されない場合であっても、P-CSCFはMNの接続種別を保持することが可能になる。
ステップ71において、該当エントリが存在しなければ、エラー通知を含むBinding Acknowledgmentを送信し(74)、本ルーチンを終了する。
次に、図26に示すシーケンスに従って、第2の実施例において、MN7が通信相手端末(CN)8に発信する手順を説明する。
ステップ121からステップ136の手順は、第1の実施例と同じである。
P-CSCF3はPDF idを格納した後(136)、セッション情報管理テーブル870の該当エントリから発側メディア情報(804〜807)と着側メディア情報(808〜811)を読み出す。次に、P-CSCF3は、発側メディア情報のIPアドレスに格納されるMN7のホームアドレスを検索キーとして、MN情報管理テーブル820を参照する(304)。P-CSCF3は、ステップ302で格納したエントリ(820-1)からMN7の気付アドレス(coa#1)を取得し、セッション情報管理テーブル870のCoA有無フラグ(871)を有に設定する。P-CSCF3はMN7の気付アドレスを取得すると、セッション情報管理テーブル870の接続種別(814)に“Mobile IP”を設定する。P-CSCF3はMN7の気付アドレスが取得できなければ、セッション情報管理テーブル870の接続種別(814)に“Simple IP”を設定する。
続いて、P-CSCF3は、着側メディア情報のIPアドレスを検索キーとして、MN情報管理テーブル820を参照する。該当エントリがMN情報管理テーブル820に存在しない場合、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル870のCoA有無フラグ(872)を無に設定する。
P-CSCF3は、発信側IPアドレス情報として、上記MN7の気付アドレス(coa#1)を設定したQoS Param Authorization RequestをPDF2aに送信する(305)。ステップ305により、MNの気付アドレス(coa#1)がPDF2に通知される。
PDF2は、P-CSCF3にQoS Param Authorization Confirmedを送信後(94、138)、第1の実施例と同様の手順でQoS情報管理テーブル830を更新する(95)。第2の実施例におけるPDF2は、MN情報管理テーブル210を備えないため、Binding情報を参照することなく、ステップ97に遷移する。
以降、MN7がCN8と通信を開始するまでの手順(ステップ140からステップ161)は、第1の実施例と同じである。
PDF2がステップ140のパラメータにMN7の気付アドレス(coa#1)を設定することにより、PDSN1はQoSパラメータとして気付アドレス(coa#1)を利用できる。
続いて、図27に示すシーケンスに従って、第2の実施例において、位置登録、及び、セッションの確立を行ったMN7がPDSN間ハンドオフを行う手順を説明する。
ステップ162からステップ166の手順は、第1の実施例と同じである。
MN7は、P-CSCF3に新しい気付アドレス(coa#2)を通知する(311)。P-CSCF3は、MN7のホームアドレスを検索キーとして、MN情報管理テーブル820を参照する。P-CSCF3は、ステップ302で生成したエントリ(820-1)を検出し、MN7の気付アドレス情報を更新する(312)。P-CSCF3はMN7にBinding Acknowledgmentを送信する(313)。
以上のステップにより、P-CSCFはMN7から新しい気付アドレス(coa#2)を取得する。P-CSCFはPDFに送信するQoSパラメータに気付アドレス(coa#2)を設定することが可能になる。
ステップ171からステップ174の手順は、第1の実施例と同じである。
P-CSCF3はPDF idを更新した後(174)、セッション情報管理テーブル870の該当エントリから発側メディア情報(804〜807)と着側メディア情報(808〜811)を読み出す。次に、P-CSCF3は、発側メディア情報のIPアドレスに格納されるMN7のホームアドレスを検索キーとして、MN情報管理テーブル820を参照する(314)。P-CSCF3は、ステップ312で更新したエントリ(820-1)からMN7の気付アドレス(coa#2)を取得し、セッション情報管理テーブル870のCoA有無フラグ(871)を有に設定する。P-CSCF3はMN7の気付アドレスを取得すると、セッション情報管理テーブル870の接続種別(814)に“Mobile IP”を設定する。以上のステップにより、P-CSCFがPDFから受信するQoS Parameter RequestにMN7の接続種別が含まれない場合であっても、P-CSCFはMN7の接続種別に応じたパケット処理を提供できる。
続いて、P-CSCF3は、着側メディア情報のIPアドレスを検索キーとして、MN情報管理テーブル820を参照する。該当エントリがMN情報管理テーブル820に存在しない場合、P-CSCF3はセッション情報管理テーブル870のCoA有無フラグ(872)を無に設定する。
P-CSCF3は、発信側IPアドレス情報として、上記MN7の気付アドレス(coa#2)を設定したQoS Param Authorization RequestをPDF2bに送信する(315)。PDF2は、気付アドレスを含むQoS Param Authorization Requestを受信する。
PDF2bは、P-CSCF3にQoS Param Authorization Confirmedを送信後(94、176)、第1の実施例と同様の手順でQoS情報管理テーブル830を更新する(95)。第2の実施例におけるPDF2は、MN情報管理テーブル210を備えないため、Binding情報を参照することなく、ステップ97に遷移する。
以降の手順(ステップ178からステップ188)は、第1の実施例と同じである。
以上の処理により、PDSN1bは、パケット転送時、MN7の気付アドレスcoa#2をパケット優先制御やパケットフィルタリングの条件として利用することが可能になる。即ち、PDSNは、MN7の気付アドレスに応じたQoS制御の提供が可能になる
なお、第2の実施例において、P-CSCF1とPDF2を同一通信装置で実現してもよい。
或いは、第2の実施例において、PDF2とP-CSCF3を同一装置で実現してもよい。
本発明の第2の実施の形態によると、P-CSCF3がMNのバインディング情報を取得することにより、P-CSCF3がPDF2から受信するQoS Parameter RequestにMN7の接続種別が含まれない場合であっても、P-CSCF3はMN7の接続種別に応じたパケット処理を提供できる。
1 PDSN、 2 PDF、 3 P-CSCF、5 S-CSCF、7 Mobile IP移動ノード(MN)、50 Mobile IPバインディング情報取得ルーチン、60 QoS制御ルーチン、70 MN情報取得ルーチン、90 QoS制御ルーチン、900 QoS制御情報更新ルーチン、910 ベアラ解放通知ルーチン。