次に本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の実施形態の像形成ユニット96を用いた画像形成装置10の概要が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の上部に回動支点14を中心に回動自在の開閉カバー16が設けられていると共に、この画像形成装置本体12の下部に例えば1段の給紙ユニット18が配置されている。
給紙ユニット18は、給紙ユニット本体20と、用紙が収納される給紙カセット22とを有する。給紙カセット22の奥端近傍上部には、給紙カセット22から用紙を供給するフィードロール24、及び、供給される用紙を1枚ずつ捌くリタードロール26が配置されている。
搬送路28は、フィードロール24から排出口30までの用紙通路であり、この搬送路28は、画像形成装置本体12の裏側(図1の右側)近傍にあって、給紙ユニット18から後述する定着装置90まで略垂直に形成されている。この搬送路28の定着装置90の上流側に後述する二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72とが配置され、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72の上流側にレジストロール32が配置されている。また、搬送路28の排出口30の近傍には排出ロール34が配置されている。
即ち、給紙ユニット18の給紙カセット22からフィードロール24により送り出された用紙は、リタードロール26により捌かれて最上部の用紙のみ搬送路28に導かれ、レジストロール32によりー時停止され、タイミングをとって後述する二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間を通ってトナー像を転写される。そして、用紙は、この転写されたトナー像を定着装置90により定着され、排出ロール34により排出口30から開閉カバー16の上部に設けられた排出部36へ排出される。この排出部36は、排出口部分が低く、正面方向(図1の左方向)に向けて徐々に高くなるよう傾斜している。
画像形成装置本体12には、例えば略中央部にロータリ現像装置38が配置されている。ロータリ現像装置38は、現像器本体40内にイエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)及び黒(Black)の4色のトナー像をそれぞれ形成する現像器42a〜42dを有し、ロータリ現像装置中心44を中心として左回り(図1において反時計回り)に回転する。現像器42a〜42dそれぞれは、現像ロール46a〜46dを有し、例えばコイルスプリングなどの弾性体48a〜48dにより、現像器本体40の法線方向に押圧されている。
ロータリ現像装置38には、例えば回転支軸49を軸として回転する感光体50が当接するように配置されており、現像ロール46a〜46dは、感光体50に当接していない状態で、それぞれの外周の一部が現像器本体40の外周から半径方向に、例えば2mm突出している。また、現像ロール46a〜46dそれぞれの両端には、現像ロール46a〜46dの直径よりもわずかに大きい直径のトラッキングロール(図示せず)が現像ロール46a〜46dと同軸で回転するように設けられている。つまり、現像器42a〜42dの現像ロール46a〜46dは、ロータリ現像装置中心44を中心として、それぞれ90°の間隔で現像器本体40の外周に配置され、現像ロール46a〜46dのトラッキングロールが感光体50の両端に設けられたフランジ(図示せず)に当接し、現像ロール46a〜46dと感光体50との間に所定の隙間を形成しつつ、感光体50上の潜像をそれぞれの色のトナーで現像する。
感光体50の下方には、該感光体50を一様に帯電する例えば帯電ロールからなる帯電装置52が設けられている。また、感光体50には、回転支軸49にぶら下がるように像担持体用クリーナ54が保持されており、感光体50と像担持体用クリーナ54とは一体化されている。像担持体クリーナ54は、例えば一次転写後に感光体50に残留する廃トナーを掻き取るクリーニングブレード56と、クリーニングブレード56が掻き取った廃トナーを回収するトナー回収ボトル58とから構成される。
なお、トナー回収ボトル58の背面側(図1において右側)は、例えばリブなどが形成され、用紙が滑らかに搬送されるように曲面にされて搬送路28の一部を形成している。
ロータリ現像装置38の下方背面側には、帯電装置52により帯電された感光体50に、レーザ光などの光線により潜像を書き込む露光装置60が配置されている。また、ロータリ現像装置38の上方には、ロータリ現像装置38によって可視化されたトナー像を一次転写位置で一次転写され、後述する二次転写位置まで搬送する中間転写装置62が設けられている。
中間転写装置62は、例えば中間転写ベルトなどの中間転写体64、一次転写ロール66、ラップインロール68、ラップアウトロール70、二次転写バックアップロール72、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76を有する。
中間転写体64は、例えば弾性を有し、ロータリ現像装置38の上方で長辺と短辺とを有するように略扁平に張られている。中間転写体64の上面側の長辺は、例えば画像形成装置本体12の上部に設けられた排出部36に対して略平行となるように張られている。
また、中間転写体64は、該中間転写体64の長辺下方で一次転写ロール66の上流に配置されたラップインロール68と、一次転写ロール66の下流に配置されたラップアウトロール70との間で感光体50にラップ状に接触する一次転写部(像担持体ラップ領域)を有し、感光体50に所定の範囲だけ巻きついて、感光体50の回転に従動する。
このように、中間転写体64は、一次転写ロール66によって感光体50上のトナー像を例えばイエロー、マゼンタ、シアン、黒の順に重ねて一次転写され、この一次転写されたトナー像を後述する二次転写ロール80に向けて搬送する。なお、ラップインロール68及びラップアウトロール70は、感光体50から離間している。
このように、中間転写体64は、ラップインロール68、ラップアウトロール70、二次転写バックアップロール72、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76の5つのロールにより張架されており、一次転写ロール66によって感光体50上のトナー像を転写される。
さらに、中間転写体64の裏側(図1の右側面)には、ラップアウトロール70及び二次転写バックアップロール72により、平面部(短辺)が形成されており、この平面部が二次転写部となって搬送部28に臨むようにされている。
なお、二次転写部において、中間転写体64と搬送路28との間が、例えば12°の角度になるように、ラップアウトロール70は配置されている。
スクレーパバックアップロール74は、二次転写後に中間転写体64に残留する廃トナーを後述するスクレーパ84が掻き取ることを補助し、ブラシバックアップロール76は、二次転写後に中間転写体64に残留する廃トナーを後述するブラシロール86が掻き取ることを補助する。
中間転写装置62の二次転写バックアップロール72には、搬送路28を挟んで二次転写ロール80が対峙している。つまり、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間が二次転写部における二次転写位置となっており、二次転写ロール80は、二次転写バックアップロール72の補助により、中間転写体64に一次転写されたトナー像を二次転写位置で用紙に二次転写する。
ここで、二次転写ロール80は、中間転写体64が3回転する間、すなわちイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー像を搬送する間は中間転写体64から離間しており、黒のトナー像が転写されると中間転写体64に当接するようにされている。
なお、二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間には、所定の電位差が生じるようにされており、例えば二次転写口―ル80を高電圧にした場合には、二次転写バックアップロール72はグランド(GND)などに接続される。
中間転写体64の反像担持体側端には、中間転写体用クリーナ82が設けられている。中間転写体用クリーナ82は、スクレーパ84、ブラシロール86、トナー回収ボトル88及び回転支軸89を有し、回転支軸89を軸として揺動する。スクレーパ84は、例えば二次転写後に中間転写体64に残留する廃トナーを掻き取ってクリーニングする。プランロール86は、スクレーパ84によるクリーニング後に残った廃トナーをさらに掻き取る。トナー回収ボトル88は、スクレーパ84及びブラシロール86によって掻き取られたトナーを回収する。スクレーパ84は、例えばステンレスの薄板からなり、トナーとは逆極性の電圧がかけられている。
ブラシロール86は、例えば導電性の処理がなされたアクリルなどのブラシからなる。そして、中間転写体64がトナー像を搬送する間には、スクレーパ84及びブラシロール86が中間転写体64から離間しており、所定のタイミングでこれらが一体となって中間転写体64に当接するようにされている。
なお、中間転写装置62、感光体50、帯電装置52、像担持体クリーナ54及び中間転写体クリーナ82は、一体化され、後述する像形成ユニット96の一部を構成する。
二次転写位置の上方には、定着装置90が配置されている。定着装置90は、加熱ロール92と加圧ロール94とを有し、二次転写ロール80及び二次転写バックアップロール72により用紙に二次転写されたトナー像を用紙に定着させ、排出ロール34に向けて搬送する。
図2乃至図7において、像形成ユニット96の詳細が示されている。
像形成ユニット96は、左右(図4において左右)に設けられた一対のサイドフレーム100a、100b、上下(図3において上下)に設けられた一対の保護カバー102a、102bとで構成される支持フレーム99、中間転写装置62、感光体50、帯電装置52、像担持体用クリーナ54及び中間転写体用クリーナ82を一体化したものである。また、サイドフレーム100a、100b、保護カバー102a、102b、中間転写装置62及び中間転写体用クリーナ82は、一体化されて中間転写組立体97を構成する。また、感光体50、帯電装置52及び像担持体クリーナ54は、一体化されて感光体ユニット98を構成する。つまり、図3にも示すように、後述するベアリング111及びベアリング132を介し、感光体ユニット98が中間転写組立体97に組み付けられることにより、像形成ユニット96が形成されている。また、感光体ユニット98は中間転写組立体97に対して着脱自在にされており、中間転写体組立体97は、感光体ユニット98が装着されることにより、中間転写体64に所定の張力が与えられ、感光体50との間に一次転写部が形成される。
中間転写体64は、二次転写バックアップロール72、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76の5つのロールにより回転するように支持され、一次転写ロール66により感光体50に担持されたトナー像を転写される。一次転写ロール66、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76それぞれは、両端にベアリング104(図5参照)が設けられており、ベアリング104を介してサイドフレーム100a、100bに支持される。二次転写バックアップロール72は、軸部106と、この軸部106を軸として回転する回転部108とを有し、軸部106の両端が例えばネジなどの固定部材110、110によりサイドフレーム100a、100bにそれぞれ固定されている。
サイドフレーム100aは、感光体50の回転支軸49を貫通させると共に、ベアリング111を介して回転支軸49の一端を支持する孔部112と、中間転写体用クリーナ82の回転支軸89を貫通させる孔部114とを有し、回転支軸49及び回転支軸89が側方に突出するようにされている。サイドフレーム100aの感光体50側上部には、保護カバー102aの後述する突起140が係合する凹部116(図7参照)が設けられ、中間転写体用クリーナ82側上部には、保護カバー102aの後述する固定部142が固定部材110により固定される孔部120が設けられている。サイドフレーム100aの中間転写体用クリーナ82側下部には、保護カバー102bの後述する突起144が係合する凹部122が設けられ、感光体50側下部には、保護カバー102bの後述する固定部146が固定部材110により固定される孔部126が設けられている。
また、サイドフレーム100aには、二次転写バックアップロール72の軸部106の一端を固定部材110により固定する固定部128が設けられている。また、サイドフレーム100aの内側には、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76の一端を、ベアリング104を介して側方から支持する受け部130(図5のサイドフレーム100b参照)がそれぞれ設けられている。なお、一次転写ロール66の一端は、ベアリング104及び図示しない保持具を介してサイドフレーム100aに支持されている。
サイドフレーム100bは、感光体50の回転支軸49を通過させると共に、ベアリング132を介して回転支軸49の一端を支持する切欠き134と、中間転写体用クリーナ82の回転支軸89を貫通させる孔部114とを有し、回転支軸49及び回転支軸89が側方に突出するようにされている。なお、切欠き134は、ベアリング132が取り付けられる部分に対し、回転支軸49を通過させる部分が狭くなっている。ベアリング132は、図示しないネジなどの固定部材によってサイドフレーム100bに固定されるようになっている。サイドフレーム100bの感光体50側上部には、保護カバー102aの後述する突起140が係合する凹部116(図7参照)が設けられ、中間転写体用クリーナ82側上部には、保護カバー102aの後述する国定部142が固定部材110により固定される孔部120が設けられている。サイドフレーム100bの中間転写体用クリーナ82側下部には、保護カバー102bの後述する突起144が係合する凹部122が設けられ、感光体50側下部には、保護カバー102bの後述する固定部146が固定部材110により固定される孔部126が設けられている。
また、サイドフレーム100bには、二次転写バックアップロール72の軸部106の一端を固定部材110により固定する固定部128が設けられている。また、サイドフレーム100bの内側には、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76の一端を、ベアリング104を介して側方から支持する受け部130(図5参照)がそれぞれ設けられている。なお、一次転写ロール66の一端は、ベアリング104及び図示しない保持具を介してサイドフレーム100bに支持されている。
保護カバー102aは、カバー本体135a、把持部136、凸部138、突起140、140及び固定部142、142を有する。カバー本体135aは、例えばABS樹脂などからなり、弾性を有して中間転写体64及び中間転写体用クリーナ82の上方を覆う。把持部136は、例えば可撓性を有する部材からなり、作業者が像形成ユニット96を把持することができるようにカバー本体135aの上面に設けられている。凸部138は、例えばカバー本体135aと一体に形成され、定着装置90(図1参照)に臨むように突出し、カバー本体135aの上面に載った異物が画像形成装置本体12内に混入することを防止する。突起140、140は、サイドフレーム100a、100bの凹部116、116にそれぞれ係合し、固定部142、142は、固定部材110、110により、サイドフレーム100a、100bの孔部120、120にそれぞれ固定される。
保護カバー102bは、カバー本体135b、突起144、144及び固定部146、146を有する。カバー本体135bは、例えばABS樹脂などからなり、弾性を有して中間転写体64及び中間転写体用クリーナ82の下方を覆うように湾曲している。突起144、144は、サイドフレーム100a、100bの凹部122、122にそれぞれ係合し、固定部146、146は、固定部材110、110によりサイドフレーム100a、100bの孔部126、126にそれぞれ固定される。
即ち、サイドフレーム100a、100bは、感光体50及び中間転写体64の回転方向に対して略平行に配置され、中間転写体64の上部及び下部をそれぞれ覆う保護カバー102a、102b並びに二次転写バックアップロール72の軸部106を介し、互いに3ヶ所で連結されて、像形成ユニット96を構成する各部の相対位置を決めると共に、感光体50、中間転写装置62及び中間転写体用クリーナ82の側方を覆う。また、像形成ユニット96は、二次転写バックアップロール72の軸部106両端がサイドフレーム100a、100bに固定されているので、中間転写体64の二次転写位置近傍が安定した状態で露出している。
一方、保護カバー102a、102bは、上述したように弾性を有し、互い違いに一端がサイドフレーム100a、100bに固定されている。また、一次転写ロール66、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76は、それぞれベアリング104を介してサイドフレーム100a、100bに支持されており、サイドフレーム100a、100bに対して遊びを有する。このように、一次転写ロール66、ラップインロール68、ラップアウトロール70、スクレーパバックアップロール74及びブラシバックアップロール76は、それぞれの一端を中心に、サイドフレーム100a、100bに対して旋回する遊びを有し、この遊びの範囲を保護カバー102a、102bによって制限されている。
つまり、像形成ユニット96は、中間転写体64の二次転写位置近傍を安定した状態で露出させつつ、捩れが生じる自由度を有する。
次に上記実施形態の作用について説明する。
画像形成信号が送られると、感光体50が帯電装置52により一様に帯電され、この帯電された感光体50には、画像信号に基づいて露光装置60から光線が出射される。露光装置60からの光線は、感光体50の表面を露光し、潜像を形成する。露光装置60により形成された感光体50の潜像は、ロータリ現像装置38によってイエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナー像を現像され、中間転写体64に重ねて一次転写される。一次転写において、感光体50に残留する廃トナーは、像担持体用クリーナ54によって掻き取られ、回収される。
一方、給紙信号等により、給紙カセット22に収納された用紙は、フィードロール24により送り出され、リタードロール26により捌かれて搬送路28に導かれ、レジストロール32により一次停止され、タイミングをとって二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間に導かれる。用紙が二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72との間に導かれると、中間転写体64に一次転写されているトナー像が二次転写ロール80と二次転写バックアップロール72とによって用紙に二次転写される。二次転写後に、中間転写体64に残留する廃トナーは、中間転写体用クリーナ82によって掻き取られ、回収される。
トナー像を転写された用紙は、定着装置90に導かれ、加熱ロール92とによる加圧ロール94とによる熱圧力によって、トナー像を定着される。トナー像が定着した用紙は、排出ロール34により排出口30から排出部36へ排出される。
次に、上記実施形態の像形成ユニット96の着脱方法について説明する。
図8において、像形成ユニット96を画像形成装置本体12から取外した状態が示されている。像形成ユニット96を画像形成装置本体12から取外す場合、画像形成装置10は、画像形成装置本体12の開閉カバー16が回動支点14を中心に回動されることにより、画像形成装置本体12の上部を開放する。像形成ユニット96は、中間転写装置62及び感光体50が定着装置90とロータリ現像装置38との間に位置するように配置されており、定着装置90とロータリ現像装置38との間の空間を通じて、画像形成装置本体12から斜め前方(図8において左斜め上方)に取外される。このように、像形成ユニット96は、搬送路28を開放することなく取外される。
また、像形成ユニット96は、画像形成装置本体12に対して着脱自在となっており、開閉カバー16を開くことにより、画像形成装置本体12に装着される。
また、感光体ユニット98は、像形成ユニット96が画像形成装置本体12から取外された状態で、中間転写組立体97に対して着脱されるようになっている。
図9において、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着する方向が模式的に示されている。像形成ユニット96は、把持部136を把持されることにより、主位置決め手段148及び補助位置決め手段150に案内され、画像形成装置本体12に対して所定の方向に着脱される。把持部136は、例えば上方から保持された場合に、像形成ユニット96が画像形成装置本体12への挿入姿勢(図9に示す姿勢)になるようにされている。つまり、把持部136を把持することにより、像形成ユニット96を上方に持上げると、像形成ユニット96は、像担持体用クリーナ54が下方に位置するように傾斜して保持されるようになっている。
主位置決め手段148は、例えば画像形成装置本体12側に設けられた案内溝152、及び、像形成ユニット96の側方に突出した感光体50の回転支軸49から構成される。回転支軸49は、案内溝152に係合する円柱状に形成され、案内溝152に沿って移動するようにされている。補助位置決め手段150は、例えば画像形成装置本体12側に設けられた補助溝154、及び、像形成ユニット96の側方に突出した中間転写体用クリーナ82の回転支軸89から構成される。回転支軸89は、例えば補助溝154に係合する円柱状に形成され、補助溝154に沿って移動するようにされている。
案内溝152は、下部に接離案内溝156が水平線に対する角度Aで形成され、上部に移動案内溝158が水平線に対する角度Bで形成されている。また、補助溝154は、下部に接離補助案内溝160が水平線に対する角度Aで形成され、上部に移動補助案内溝162が水平線に対する角度Bで形成されている。角度Aは例えば70°であり、角度Bは例えば55°である。よって、回転支軸49及び回転支軸89をそれぞれ接離案内溝156及び接離補助案内満160に沿って移動させると、像形成ユニット96は、ロータリ現像装置38の略接線方向より接離する方向に移動する。
また、回転支軸49及び回転支軸89をそれぞれ移動案内溝158及び移動補助案内溝162に沿って移動させると、像形成ユニット96は、ロータリ現像装置38の現像位置を通る略接線方向に移動する。
像形成ユニット96は、上述したようにサイドフレーム100a、100bにより像形成ユニット96を構成する各部の相対位置が決められており、捩れが生じる自由度を有する。よって、回転支軸49及び回転支軸89が、それぞれ案内溝152及び補助溝154に沿って移動することにより、像形成ユニット96を構成する各部は、画像形成装置本体12に対し、所定の位置に位置決めされる。つまり、像形成ユニット96単体での中間転写体64及び感光体50などの位置決め調整を行わなくても、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着することにより、二次転写ロール80に対する二次転写バックアップロール72及びロータリ現像装置38に対する感光体50の位置などの位置決めをすることができると共に、中間転写体64の蛇行などを防止することができる。
また、上述したように、中間転写体用クリーナ82は、回転支軸89を軸として揺動し、感光体50は、回転支軸49を軸として回転して中間転写体64を従動させる。つまり、画像形成装置本体12側から駆動される軸が画像形成装置本体12に対して直接位置決めされているので、像形成ユニット96を駆動する駆動力によって像形成ユニット96が変形することを防止することができる。
また、像形成ユニット96は、サイドフレーム100a、100bの一部、中間転写体64を支持する複数のロールの一部など、像形成ユニット96を構成する各部の一部がどのような組み合わせで案内溝152及び補助溝154に案内されてもよい。
図10には、出荷時の像形成ユニット96を示している。像形成ユニット96の支持フレーム99には、保護紙101が取外し可能に取付けられている。ここで、図2、図12に示すように、像形成ユニット96では、現像ロール46a〜dからトナー像を現像される感光体50の被現像面50a、用紙にトナー像を二次転写する中間転写体64の転写面64aが、支持フレーム99から露出されている。このため、図10に示すように、保護紙101は、この露出された被現像面50a、転写面64aを覆うように支持フレーム99に取付けられている。
図11、図12に示すように、支持フレーム99の下面、即ち保護カバー102bの中央部にはスナップ片103が形成されている。このスナップ片103は、保護カバー102bの中央部にU字状の孔103aを形成し、このU字状の孔103aの間の部分を保護カバー102bの厚み分程、外側に突出させることで形成されている。なお、スナップ片103は、感光体50側、即ち後述する保護紙101の抜き取り方向(図12中の矢印A方向)に向けて開口している。また、スナップ片103は弾性変形可能である。
これにより、図11に示すように、保護紙101の抜き取り方向奥側端部の中央部を、スナップ片103に差込んで、スナップ片103と保護カバー102bとで狭持させることができる。
そして、図10乃至図12に示すように、抜き取り方向の奥側端部をスナップ片103と保護カバー102bとで狭持された保護紙101は、像担持体用クリーナ54に巻き掛けられて抜き取り方向の手前側端部をカバー本体135aにテープ105でテープ止めされる。これによって、感光体50の被現像面50a、中間転写体64の転写面64aが保護紙101で覆われ、保護される。
なお、保護紙101はカーボンを含有した黒色の紙であり、感光体50の被現像面50a、及び中間転写体64の転写面64aを遮光している。また、保護紙101の中間転写体64の転写面64aを覆う部分には、中間転写体の転写面64aに触れてはいけないという注意を喚起するための警告表示101aが印刷されている。これは、中間転写体64が黒色で、黒色の支持フレーム99と一体的に見え易く、ユーザーが、不注意で中間転写体64の転写面64aに触れてしまい易いためである。
次に、保護紙101が取付けられた新しい像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着する方法について説明する。
図13に示すように、新しい像形成ユニット96には保護紙101が取付けられているが、本実施形態の画像形成装置10においては、保護紙101を取付けたまま、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着する。そして、図14に示すように、テープ105をカバー本体135aから剥がす。この状態で、保護紙101の抜き取り方向の奥側端部は、スナップ片103に差込まれ、引き抜き可能な力で狭持されているだけであり、また、支持フレーム99と画像形成装置本体12との間には保護紙101の厚み以上の隙間が空けられている。このため、保護紙101は、感光体50の被現像面50aと現像ロール46a〜dとのニップ力、及び中間転写体64の転写面64aと二次転写ロール80とのニップ力で狭持されているだけである。
これによって、図14、図15に示すように、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着した後で、保護シート101を画像形成装置12と支持フレーム99との間から容易に抜き取ることができる。
従って、保護紙101を付けたままの状態で像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着できるので、感光体50の被現像面50aや中間転写体64の転写面64aを手で触ったり、画像形成装置本体12に直に当てて傷付けたりすることを防止できる。
次に、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着した後の画像形成装置10の主制御部109(図17参照)による画像形成装置10の制御方法について図16のフローチャートを参照して説明する。
画像形成装置10の電源がオンになると本フローが開始され、ステップ100へ進む。ここで、図1、図13に示すように、画像形成装置本体12には、中間転写体64の転写面64aに面してADCセンサ107が配設されている。このADCセンサ107は、転写面64aに向けて光線を出射し、転写面64aで反射される光線の光量を検出する反射型センサであり、プリント動作時には転写面64aのトナー像の濃度検知を検出するセンサ、及び、中間転写体64上に形成されたトナーのパッチを読取り、中間転写体64の回転方向における位置を検出するセンサとして機能する。
ステップ100では、このADCセンサ107が作動され、転写面64aで反射される光量が検出される。ここで、中間転写体64の表面はコーティングされて光沢があるので、保護紙101よりも光の反射率が高い。このため、中間転写体64の転写面64aが保護紙101で覆われている時と、露出している時とでは、ADCセンサ107によって検出される光量が異なる。
そして、ステップ101では、ADCセンサ107によって検出された光量が所定値Aより高いか低いかが判定され、高い場合、即ち保護紙101が検出されなかった場合はステップ102へ進み、低い場合、即ち保護紙101が検出された場合はステップ103へ進む。ステップ102では、画像形成装置10の主制御部109が画像形成装置本体12及び像形成ユニット96の各駆動部を待機状態、即ちプリント動作が可能な状態にし、本フローを終了する。
また、ステップ103では、主制御部109が画像形成装置本体12及び像形成ユニット96の各駆動部の作動を禁止し、プリント指令を受けてもプリント動作が行われないようにする。また、操作パネルの表示画面113(図17参照)に警告表示を表示させる。これによって、ユーザーが、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着した後、保護紙101を像形成ユニット96から取り忘れたとしても、画像形成装置本体12内の保護紙101が画像形成装置本体12や像形成ユニット96の各部に問題を起すことがない。そして、ステップ104へ進む。
ステップ104では、保護紙101が取り除かれるまで否定判定が繰り返され、肯定されると上述したステップ102へ進み、画像形成装置12及び像形成ユニット96の各駆動部を待機状態にし、本フローを終了する。
なお、本実施形態では、中間転写体64上のトナー像の濃度や中間転写体64の回転方向の位置を検出するセンサで保護紙101を検出する構成としたが、感光体50上のトナー像の濃度を検出するセンサ等、他のセンサを用いても良く、また、保護紙101を検出するための専用のセンサを設けても良い。
次に、図18、19に示す画像形成装置本体12に取付けられた現像面カバー61の取り忘れを防止するための構成について説明する。
画像形成装置本体12の出荷時等に、現像面カバー61が、現像ロール46a〜dを支持するフレーム43に、フレーム43から露出した現像ロール46a〜dの現像面46sの上から取外し可能に取付けられている。即ち、現像面カバー61が、現像面46sを覆っており、現像面46sとフレーム43との隙間からのトナーこぼれが防止されている。この現像面カバー61の長手方向一端部には、突起61aが形成されている。また、保護カバー102bには突起61aが係合する凹部63が形成されている。
ここで、図20に示すように、保護紙101は、凹部63を覆うように支持フレーム99に取付けられるので、保護紙101を取付けた像形成ユニット96を、現像面カバー61を付けたままの画像形成装置本体12に挿入すると、保護紙101が突起61aと凹部63との間に挟まり、突起61aと凹部63が係合できなくなる。これによって、像形成ユニット96を画像形成装置本体12に装着できなくなるので、ユーザーに、現像面カバー61の取り忘れを気付かせることができる。
なお、本実施形態では、保護紙101を支持フレーム99に支持する支持手段を、保護カバー102bの中央部で抜き取り方向に向けてのみ開口した1個のスナップ片103とすることで、保護紙101の取付け作業の効率を向上させているが、これに限らず、支持手段は、図21に示すように、保護カバー102bの両端部で内側に向けて開口した2個のスナップ片103´としても良い。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図22、図23に示す像形成ユニット51は、保護紙101を取外してから画像形成装置本体13に装着する仕様となっている。保護カバー53aの中間転写体64に被さった端部には像形成ユニット51の仕向けを識別するためのキー溝55が形成されている。このキー溝55は、像形成ユニット51を画像形成装置本体13に装着した際に、画像形成装置本体13の内部に設けられたキー57に係合する。このキー57は、画像形成装置本体13の仕向け毎に形状を異ならせている。このため、仕向けが一致しない像形成ユニット51を画像形成装置本体13に挿入した場合、キー溝55とキー57が干渉し、像形成ユニット51が画像形成装置本体13に装着不能となる。
ここで、保護紙101は、キー溝55を覆っている。このため、図24に示すように、保護紙101を取付けたままの像形成ユニット51を画像形成装置本体13に挿入した場合、保護紙101がキー溝55とキー57との間に挟まり、仕向けの一致・不一致に関わらず、キー溝55とキー57が係合できなくなる。これによって、像形成ユニット51を画像形成装置本体13に装着できなくなるので、ユーザーに、保護紙101の取り忘れを気付かせることができる。
また、図22、図25に示すように、サイドフレーム59の挿入方向奥側の下部が、感光体ユニット98や保護カバー102bより下方に突出している。このため、像形成ユニット51を画像形成装置本体13の外の平面Sに載置すると、サイドフレーム59の挿入方向奥側の下部が平面Sに当接して、感光体ユニット98、保護カバー102bが、平面Sから離間する。
このため、感光体50及び中間転写体64を備えるがために重量が大きい像形成ユニット51を平面Sに載置した安定した状態で、保護紙101を感光体ユニット98、保護カバー102bと平面Sとの間から抜き取ることができる。これによって、保護紙101を像形成ユニット51から外す際に、中間転写体64の転写面64aや感光体50の被現像面50aに手で触れたり、傷を付けたりすることを防止できる。
なお、第1、第2実施形態では、本発明を感光体50と中間転写体64が備えられた像形成ユニット96、51を例に取って説明したが、これに限らず、感光体50のみ、中間転写体64のみを備える像形成ユニットや、感光体50と現像装置38を備える像形成ユニット等にも本発明を適用可能である。