JP4590734B2 - 抗血栓薬およびヒト化抗フォンビルブランド因子モノクローナル抗体 - Google Patents
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Description
[技術分野]
ヒトフォンビルブランド因子に対するヒト化モノクローナル抗体、同抗体を産生する細胞、および活性成分として前記抗体を含有する抗血栓薬。
【0002】
[発明の背景]
内皮下組織が傷害のために露呈されると、血流中を流れる血小板が直ちに内皮下組織に粘着する。この出来事は、一連の血小板活性化過程、例えば血小板凝集および血小板内顆粒の放出の引き金となり、その後、血栓が形成されて、出血が止まる。血栓形成は、生理学的止血機構に必要である。しかしながら、血栓は多数の血栓性疾患、例えば心筋梗塞、狭心症、脳梗塞および脳血栓症を引き起こし得る。
【0003】
多数の抗血栓薬が、血栓性疾患を治療するために開発されてきた。しかしながら、多くの従来の抗血栓薬は臨床的適用に際して有効性が低く、そして血栓特異性が低く、副作用として出血を引き起こす。
【0004】
血栓形成の初期段階で機能する重要なタンパク質が、血漿中のフォンビルブランド因子(「vWF」)である。vWFの定性的および定量的変化に関連した出血性疾患は、フォンビルブランド病(「vWD」)である。vWFに対するいくつかの抗体が知られている。即ち、Fujimura et al., J. Nara Med. Assoc., vol.36, 662(1985)により開示されたNMC−4、Tuddenham et al. Blood, vol.177, no.1,113(1992)により開示されたRFF−VIIIRAG:1、ならびにNagano et al. PCT/JP95/02435(これらの記載内容は、参考として本明細書中に取り込まれる)により開示されたハイブリドーマAJvW−1、AJvW−2、AJvW−3およびAJvW−4により産生されるモノクローナル抗体である。
【0005】
本発明は、ハイブリドーマAJvW−2により産生される抗体を基礎にしたヒト化抗体を提供する。このマウスモノクローナル抗体は、vWFの生理学的活性の効果的な阻害剤であり、血栓性疾患を治療するために用いることは望ましい。残念ながら、AJvW−2のようなマウスモノクローナル抗体の使用は、ヒトの治療では、特に反復投薬治療においてはある種の欠点を有する。そして、マウスモノクローナル抗体はヒト中では半減期が短く、ヒト中で用いた場合、その他の重要な免疫グロブリンの機能的特徴を欠く傾向がある。さらに重要なのは、マウスモノクローナル抗体は、ヒト患者に注射された場合に免疫原性である本質的なアミノ酸配列を含有することである。外来抗体の注射後、その抗体に対して患者中で引き出される免疫応答は非常に強く、初期治療後の抗体の治療的有効性を消失させる、ということを多くの研究が示している。さらに、マウスまたはその他の(ヒトに対して)抗原性を有するモノクローナル抗体を用いてヒト疾患を治療する場合には、血縁のないマウス抗体によるその後の治療は無効であるかまたは交差反応性のために危険でさえある。
【0006】
いわゆる「キメラ抗体」(例えばヒト定常領域に連結されたマウス可変領域)の産生は、可能であるとが多少立証されたが、一方で、重大な免疫原性の問題は依然として存在する(LoBuglio, A.F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86, 4220-4224(1989); M.N. Saleh et al., Human Antibod. Hybridomas e:19(1992)参照)。
【0007】
概して、フォンビルブランド因子と高い親和性で反応するヒト免疫グロブリンの製造は、典型的ヒトモノクローナル抗体製造技法を用いる場合、非常に難しい。したがって、ヒトにおいて実質的に非免疫原性であるフォンビルブランド因子に特異的な、そしてさらに治療的処方およびその他の用途に適した方法で容易に且つ経済的に製造される改良形態のヒト化免疫グロブリンが必要である。本発明は、これらのおよびその他の要求を満たす。
【0008】
[発明の概要]
本発明の目的は、フォンビルブランド因子に対するモノクローナル抗体のようなヒト化免疫グロブリン、マウス抗体AJvW−2のヒト化型、前記免疫グロブリンをコードするポリヌクレオチド配列、前記免疫グロブリンの製造方法、活性成分として前記免疫グロブリンを含む製剤組成物、活性成分として前記抗体を含む血栓性疾患の治療のための治療薬、ならびにこのような疾患の治療方法を提供する。
【0009】
[発明の詳細な説明]
本発明にしたがって、ヒトフォンビルブランド因子と特異的反応性のヒト化免疫グロブリンが提供される。少なくとも約107M-1〜1010M-1の、好ましくは約108M-1〜1010M-1の、またはそれより強いvWFに対する結合親和性を有するこれらの免疫グロブリンは、例えば、リストセチンまたはボトロセチンの存在下で、vWFのGPIbとの結合を阻害し得る。
【0010】
本発明は、ヒトのvWFと特異的に結合し得るヒト化免疫グロブリンを含有し、ヒト血小板のRIPA(リストセチン惹起血小板凝集)、BIPA(ボトロセチン惹起血小板凝集)およびSIPA(高ずり応力惹起血小板凝集)反応を阻害する新規の抗血栓組成物を提供する。
【0011】
免疫グロブリンは2対の軽鎖/重鎖複合体を有し、少なくとも一つの鎖はヒトフレームワーク領域セグメントに機能を発揮できるよう連結される1つ又はそれ以上のマウス相補性決定領域を含む。例えば、マウス相補性決定領域は、付加的な天然関連マウスアミノ酸残基を伴う場合も伴わない場合も、ヒトフレームワーク中に導入されて、約107M-1より強い親和性レベルで抗原と結合し得るヒト化免疫グロブリンを産生し得る。これらのヒト化免疫グロブリンは、CDR供与マウスモノクローナル抗体(即ちAJvW−2)のvWFへの結合をブロックし得る。
【0012】
本発明の免疫グロブリンは、その結合断片およびその他の誘導体を含めて、種々の組換えDNA技術により容易に製造され、トランスフェクトされた細胞、好ましくは不死化真核生物細胞、例えば骨髄腫またはハイブリドーマ細胞中での最終的発現を伴う。ヒト化免疫グロブリンフレームワーク領域をコードする第一の配列および所望の免疫グロブリン相補性決定領域をコードする第二の配列組を含むポリヌクレオチドは、合成により、または適切なcDNAおよびゲノムDNAセグメントを組合せることにより製造され得る。
【0013】
ヒト化免疫グロブリンは、実質的に純粋形態で、血栓溶解療法に、即ちすでに形成された血管内フィブリン閉塞の除去に用いられ得る。それらは、血管形成術後のアテローム硬化症および再狭窄の予防および治療にも用いられる。それらは、血栓性疾患、例えば脳卒中、一過性虚血発作、不安定狭心症、急性心筋梗塞、狭心症、末梢血管傷害、深部静脈血栓症、並びに溶血性貧血を含む溶血性尿毒症症候群、急性腎不全および血栓性血小板減少性紫斑病を有するか、またはそのおそれのある患者を治療するために用いられる。それらは、血管形成術、例えばPTCA、ステント、アテレクトミーおよび冠動脈バイパス手術後の急性および亜急性血栓症または再狭窄により引き起こされる虚血性合併症を防止するために、そして急性心筋梗塞における血栓溶解療法後の再閉塞により引き起こされる虚血性合併症を併用療法として防止するためにも用いられる。
【0014】
ヒト化免疫グロブリンまたはそれらの複合体は製薬上許容可能な投薬形態で調製され得るが、これらは投与方式によって変わる。
【0015】
ヒト化免疫グロブリンは、ヒトフレームワークおよび免疫グロブリンAJvW−2からの1つ又はそれ以上の相補性決定領域(CDR)を有する。しかしながら、AJvW−2と競合し、リストセチンまたはボトロセチンの存在下でのvWFのGPIbとの結合をブロックし、および/またはAJvW−2が結合するのと同一のvWF上エピトープと結合するようなその他の抗体からのCDRも用いられ得る。本発明の免疫グロブリンは、経済的に大量生産され得るし、例えば種々の技術によりヒト患者における血栓性疾患の治療に用途を見出し得る。
【0016】
基本的な抗体構造単位は、四量体から成ることが知られている。各四量体は、ポリペプチド鎖の2つの同一対から成り、各対は1つの「軽」(約25kD)および1つの「重」(約50〜70kD)鎖を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主に抗原認識に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能に関与する定常領域から成る。
【0017】
軽鎖は、κまたはλのいずれかに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δまたはεと分類され、抗体のアイソタイプをそれぞれIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEと規定される。軽および重鎖内では、可変領域および定常領域は、約12またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域により連結され、重鎖は約10またはそれ以上のアミノ酸の「D」領域も含む(Fundamental Immunology, Paul, W., Ed., Chapter 7, pgs.131-166, Raven Press, N.Y.(1984)参照)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。
【0018】
それぞれの軽/重鎖対の可変領域は、抗体結合部位を形成する。各鎖はすべて、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる3つの超可変領域により連結される比較的保存されたフレームワーク領域の同一一般構造を示す(”Sequences of Proteins of Immunological Interest,” Kabat,E., et al., U.S. Department of Health and Human Services,(1987);およびChothia and Lesk, J.Mol. Biol., 196, 901-917(1987)参照)(参考文献として本明細書中に取り込まれる)。各対の2つの鎖からのCDRはフレームワーク領域により整列され、それによって特定のエピトープとの結合を可能となる。
【0019】
本明細書中で用いる場合、「免疫グロブリン」という用語は、免疫グロブリン遺伝子により実質的にコードされる1つ又はそれ以上のポリペプチドからなるタンパク質を指す。認識される免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。免疫グロブリンは、抗体の他に種々の形態で、例えばFv、FabおよびF(ab’)2ならびに二機能性ハイブリッド抗体(例えば、Lanzavecchia et al., Eur. J. Immunol. 17, 105(1987))の形態で、そして単一鎖中(例えば、Huston et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85, 5879-5883(1988)およびBird et al., Science 242, 423-426(1988)(これらの記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる))に存在し得る(Hood et al., Immunology, Benjamin, N.Y., 2nd ed.(1984), Harlow and Lane, Antibodies. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory(1988)およびHunkapiller and Hood, Nature, 323, 15-16(1986)参照(これらの記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる))。
【0020】
キメラ抗体は、その軽および重鎖遺伝子が、典型的には遺伝子工学により、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから構築された抗体である。例えば、マウスモノクローナル抗体からの遺伝子の可変(V)セグメントは、ヒト定常(C)セグメント、例えばγ1およびγ3に連結され得る。したがって、典型的な治療的キメラ抗体は、マウス抗体からのVまたは抗原結合ドメイン、およびヒト抗体からのCまたはエフェクタードメインからなるハイブリッドタンパク質であるが、しかしその他の哺乳類種も用いられ得る。
【0021】
本明細書中で用いる場合、「フレームワーク(骨組み)領域」という用語は、Kabat等(前記引用文中)に記載されているように、単一種中の異なる免疫グロブリン間で比較的保存されている(即ちCDR以外の)免疫グロブリン軽および重鎖可変領域の部分を指す。本明細書中で用いる場合、「ヒトフレームワーク領域」とは、天然ヒト抗体のフレームワーク領域と実質的に同一(約85%またはそれ以上)であるフレームワーク領域である。
【0022】
本明細書中で用いる場合、「ヒト化免疫グロブリン」という用語は、ヒトフレームワーク、非ヒト抗体からの少なくとも1つのCDRを含む免疫グロブリンを指し、存在するあらゆる定常領域はヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、即ち、少なくとも約85〜90%、好ましくは少なくとも95%同一である。それゆえ、ヒト化免疫グロブリンのすべての部分は、おそらくはCDRを除いて、1つ又はそれ以上のもとのヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。例えば、ヒト化免疫グロブリンは、キメラマウス可変領域/ヒト定常領域抗体を包含しない。
【0023】
ヒト化抗体は、ヒト治療に用いるためのマウスおよびいくつかの場合にはキメラ抗体より優れた少なくとも以下の3つの考え得る利点を有する:
1.エフェクター部分はヒトであるため、それはヒト免疫系の他の部分とより良好に相互作用し得る(例えば、補体依存性細胞傷害(CDC)または抗体依存性細胞傷害(ADCC)により、さらに有効に標的細胞を破壊する)。
2.ヒト免疫系は、ヒト化抗体のフレームワークまたはC領域を異物として認識するはずがなく、したがってこのような注射されたヒト化抗体に対する抗体応答は完全に異物であるマウス抗体または部分的に異物であるキメラ抗体に対する抗体応答より低いはずである。
3.注射されたマウス抗体は、ヒト循環中で、通常抗体(天然ヒト抗体)の半減期よりはるかに短い半減期を有すると報告されている(Shaw, D. et al., J. Immunol. 138, 4534-4538(1987))。ヒト化抗体は、おそらくは、天然ヒト抗体と本質的に同一の半減期を有し、これが投与される用量をより少量且つ低頻度にさせる。
【0024】
本発明は、モノクローナル抗体AJvW−2の様式でvWFに結合し得る免疫グロブリンからの重および/または軽鎖CDRをコードする組換え体ポリヌクレオチドに関する。これらの領域をコードするポリヌクレオチドは、典型的には、適切なヒトフレームワーク領域をコードするポリヌクレオチドに連結される。ヒトフレームワーク領域に関しては、CDR供与非ヒト免疫グロブリンのフレームワークまたは可変領域アミノ酸配列が、ヒト免疫グロブリン配列コレクション中の対応する配列と比較され、高相同性を有する配列が選択される。発現時に、モノクローナル抗体AJvW−2の重および軽鎖CDRを含むポリペプチド鎖をコードする例証的ポリヌクレオチドは、図1および2に含まれる。コドン縮重および機能上で重要でないアミノ酸の置換のために、その他のポリヌクレオチド配列は、下記のように、図1および2の配列の代わりに容易に置き換えられ得る。
【0025】
ヒト化免疫グロブリンの設計は、以下のように実行し得る。アミノ酸が以下の範疇の1つに入る場合、用いられるヒト免疫グロブリン(CDRを移植される側の免疫グロブリン)のフレームワークアミノ酸は、CDRを提供する非ヒト免疫グロブリン(供与側免疫グロブリン)からのフレームワークアミノ酸により置換される:
(a)移植される側の免疫グロブリンのヒトフレームワーク領域のアミノ酸が、ヒト免疫グロブリンに関してはその位置においてはまれであり、一方、供与体免疫グロブリン中の対応するアミノ酸が、ヒト免疫グロブリンに関してはその位置においては典型的である場合。
(b)前記アミノ酸の位置はCDRのうちの1つのすぐ隣である場合。
(c)アミノ酸が三次構造免疫グロブリンモデルにおいてCDRと相互作用し得る場合(それぞれ、Queen et al.,前記引用文献中、およびCo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88, 2869(1991)参照)(これらの記載内容はともに、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。
ヒト化免疫グロブリンの産生の詳細な説明に関しては、Queen等(前記引用文献中)およびCo等(前記引用文献中)を参照。
【0026】
ポリヌクレオチドは、典型的には、ヒト化免疫グロブリンコード配列と連結された発現制御ポリヌクレオチド配列を含むが、これには天然または異種プロモーター領域も含める。好ましくは、発現制御配列は、真核生物宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトし得るベクターにおいては、真核生物プロモーター系であるが、しかし原核生物宿主の制御配列も用いられ得る。ベクターが適切な宿主中に組み入れられると、宿主は、ヌクレオチド配列の高レベル発現に適した条件下で維持され、望ましい場合には、軽鎖、重鎖、軽/重鎖二量体またはインタクトな抗体、結合断片またはその他の免疫グロブリン形態の採取および精製がその後実施され得る。
【0027】
所望のヒト化抗体を最終的に発現し得る本発明の核酸配列は、種々の異なるポリヌクレオチド(ゲノムまたはcDNA、RNA、合成オリゴヌクレオチド等)および構成成分(例えば、V、J、DおよびC領域)から、ならびに種々の異なる技法により作製され得る。適当なゲノムおよび合成配列を連結することは、今のところ、最も一般的な製造法であるが、cDNA配列も用いられ得る(欧州特許第0239400号およびRiechmann, L. et al., Nature, 332, 323-327(1988)参照)(これらの記載内容はともに、参考として本明細書中に取り込まれる)。
【0028】
ヒト定常領域DNA配列は、周知の手法にしたがって、種々のヒト細胞から、しかし好ましくは不死化B細胞から単離され得る(Kabat、前記引用文献中、およびWP87/02671参照)。本発明の免疫グロブリンを産生するためのCDRは、同様に、AJvW−2と同様にvWFと結合し得るモノクローナル抗体から誘導され、周知の方法により、あらゆる便利な哺乳類源、例えばマウス、ラット、ウサギまたはこのような抗体を産生し得るその他の脊椎動物中で製造される。ポリヌクレオチド配列のための適切な供給源細胞ならびに免疫グロブリン発現および分泌のための宿主細胞は、多数の供給元、例えばアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手され得る(Catalogue of Cell Lines and Hybridomas, Fifth edition(1985)Rockville, Maryland, U.S.A.)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。
【0029】
本明細書中で特に説明したヒト化免疫グロブリンの他に、その他の「実質的に相同の」修飾化免疫グロブリンが容易にデザインされ、当業者に周知の種々の組換えDNA技術を用いて製造され得る。例えば、フレームワーク領域は、いくつかのアミノ酸置換、末端および中間付加および欠失などにより、一次構造レベルで元の配列から変わり得る。さらに、種々の異なるヒトフレームワーク領域は、本発明のヒト化免疫グロブリンのための基礎として、単一で、または組合せて用いられ得る。概して、遺伝子の修飾は、種々の周知の技法により、例えば部位特異的変異法により容易に成し遂げられ得る(Gillman and Smith, Gene 8, 81-97(1979)およびRoberts S. et al., Nature 328, 731-734(1987)参照)(これらの記載内容はともに、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。
【0030】
あるいは、抗体の一次構造の一部のみから成るポリペプチド断片が作製され、その断片は、1つ又はそれ以上の免疫グロブリン活性(例えば、補体固定活性)を保有し得る。これらのポリペプチド断片は、当業界で周知の方法によるインタクトな抗体のタンパク質分解的切断により、あるいはFab断片を生成するためにCH1の後で、またはF(ab’)2を生成するためにヒンジ部の後でといったようなベクターの特定部位に部位特異的変異法を用いて終止コドンを挿入することにより生成され得る。単一鎖抗体は、VLおよびVHをDNAリンカーを用いて連結することにより作製され得る(Huston等、前記引用文献中、およびBird等、前記引用文献中、参照)。また多数の遺伝子と同様に、免疫グロブリン関連遺伝子は別々の機能領域を含有し、各々が1つ又はそれ以上の異なる生物学的活性を有するために、前記の遺伝子は他の遺伝子からの機能領域に融合されて、新規の特性を有する融合タンパク質を生成し得る。
【0031】
前記のように、ポリヌクレオチドは、その配列が発現制御配列と作動可能に連結された(即ち、発現制御配列の機能化を保証するよう置かれた)後に、宿主中で発現される。これらの発現ベクターは、典型的には、エピソームとして、または宿主染色体DNAに組み込まれた部分として宿主生物体中で複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換されたそれらの細胞の検出を可能にするための選択マーカー、例えばテトラサイクリンまたはネオマイシン耐性遺伝子を含有する(例えば、米国特許第4,704,362号参照)(この記載内容は、参考として本明細書中に取り込まれる)。大腸菌は、特に本発明のポリヌクレオチドをクローニングするために有用な原核生物宿主の1つである。用いるのに適したその他の微生物宿主としては、バチルス属、例えば枯草菌およびその他の腸内細菌、例えばサルモネラ属、セラチア属および種々のシュードモナス属が挙げられる。これらの原核生物宿主中では、典型的には宿主細胞と適合性の発現制御配列(例えば、複製起点)を含有する発現ベクターも作製され得る。さらに、任意の数の種々の周知のプロモーター、例えばラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、β−ラクタマーゼプロモーター系またはλファージからのプロモーター系が存在する。プロモーターは、典型的には発現を制御し、任意にオペレーター配列を伴い、そして転写および翻訳を開始および完了するためにリボソーム結合部位配列を有する。その他の微生物、例えば酵母も、発現のために用いられ得る。サッカロミセス属は好ましい宿主であり、望ましい場合には3−ホスホグリセレートキナーゼまたはその他の解糖酵素を含むプロモーターのような発現制御配列、および複製起点、終止配列などを有する適切なベクターを伴う。
【0032】
微生物の他に、哺乳類組織細胞培養も、本発明のポリペプチドを発現し、製造するために用いられ得る(Winnacker, From Genes to Clones, VCH Publishers, N.Y., N.Y.(1987)参照)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。真核生物細胞は、インタクトな免疫グロブリンを分泌し得る多数の適切な宿主細胞株、例えばCHO細胞株、種々のCOS細胞株、HeLa細胞、好ましくは骨髄腫細胞株等、またはハイブリドーマのトランスフォームされたB細胞が当業界で開発されていることから、実際的に好ましい。これらの細胞のための発現ベクターは、発現制御配列、例えば複製起点、プロモーターおよびエンハンサーを(Queen et al., Immunol. Rev. 89, 46-68(1986))(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)、そして必要なプロセシング情報部位、例えばリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写ターミネーター配列を含み得る。好ましい発現制御配列は、免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、サイトメガロウイルス等に由来するプロモーターである。
【0033】
当該ポリヌクレオチド配列(例えば、重および軽鎖コード配列および発現制御配列)を含有するベクターは、細胞宿主の種類によって変わる周知の方法により宿主細胞中に導入される。例えば、塩化カルシウムトランスフェクションは原核生物細胞のために一般的に利用され、一方リン酸カルシウム処理またはエレクトロポレーションはその他の細胞宿主のために用いられ得る(一般的に、Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press(1982)参照)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。
【0034】
一旦発現されると、本発明の全抗体、それらの二量体、個々の軽および重鎖、またはその他の免疫グロブリン形態は、当業界の標準手法、例えば硫安沈澱、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動等により精製され得る(一般的には、Scopes, R., Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y.(1982)参照)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)。製薬的用途には、少なくとも約90〜95%均質性の実質的に純粋な免疫グロブリンが好ましく、98〜99%またはそれ以上の均質性が最も好ましい。意図されて部分的にまたは均質に精製されると、次にポリペプチドは治療的に(体外を含む)または検定法、免疫蛍光染色等の開発および実施に用いられ得る(一般的には、Immunological Methods, Vols. I and II, Lefkovits and Pernis, eds., Academic Press, New York, N.Y.(1979 and 1981)参照)。
【0035】
本発明の免疫グロブリンは、典型的には、ヒト患者における血栓性疾患の個別の治療に用途を見出す。本発明のヒト化免疫グロブリンおよびその製剤組成物は、非経口投与、即ち皮下、筋肉内、静脈内または眼内投与に特に有用である。非経口投与用組成物は、一般に、許容可能な担体、好ましくは水性担体中に溶解された免疫グロブリンの溶液またはそのカクテルを含む。種々の水性担体、例えば水、緩衝化水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシン、5%グルコース、ヒトアルブミン溶液等が用いられ得る。これらの溶液は、無菌で、一般に粒状物質を含有しない。これらの組成物は、慣用的な周知の滅菌技法により滅菌され得る。組成物は、適切な生理学的条件に必要とされるような製薬上許容可能な補助物質、例えばpH調整および緩衝剤、等張剤、毒性軽減剤等、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等を含有し得る。これらの処方物中の免疫グロブリンの濃度は、広範に、即ち約0.5%未満から、通常は少なくとも約1%から15または20重量%まで変化し、そして選択される特定投与方式にしたがって、主に流体容積、粘度等を基礎にして、選択される。
【0036】
したがって、注入用の典型的製剤組成物は、1mlの滅菌緩衝水および1〜100mgの免疫グロブリンを含有するよう製造され得る。静注用の典型的組成物は、250mlの滅菌リンゲル液および150mgの免疫グロブリンを含有するよう製造され得る。非経口投与用組成物の実際的製造方法は、当業者には既知であるかまたは明らかであり、そして例えば、Remington’s Pharmaceutical Science, 15th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania(1980)(この記載内容は、参考文献として本明細書中に取り込まれる)にさらに詳細に記載されている。
【0037】
本発明の免疫グロブリンは、貯蔵のために凍結または凍結乾燥されて、使用前に適切な担体中で再構成され得る。この技法は、従来の免疫グロブリンに関しては有効であることが示されており、当業界で既知の凍結乾燥および再構成技法が用いられ得る。凍結乾燥および再構成は、種々の程度の免疫グロブリン活性損失を生じること(例えば、従来の免疫グロブリンを用いた場合、IgM抗体はIgG抗体より大きい活性損失を有する傾向がある)、および使用レベルを調整して補償しなければならないことが、当業者には理解される。
【0038】
本発明のヒト化免疫グロブリンまたはそれらのカクテルを含有する組成物は、治療的または予防的処置のために投与され得る。治療的適用では、組成物はすでに血栓性疾患に罹患している患者に、出血を引き起こすことなく、その疾患およびその合併症を治癒するかまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。これを成し遂げるのに適した量は、「治療的有効用量」と定義される。この用途に有効な量は、疾病重症度および患者自身の免疫系の全身状態によるが、一般的に約0.1〜200mg/kgの免疫グロブリン/患者の範囲が普通に用いられる。毎日、週に2または3回、毎週、2週間毎、毎月等で投与される1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、20mg/kg等の用量を用いた特定投与レジメンはすべて可能であり、疾病の重症度およびその他の因子によって熟練医師により選択される。
【0039】
本発明の物質は一般的に、重篤疾病状態、即ち致命的または致命的なおそれのある状態に用いられ得る、ということに留意しなければならない。このような場合、本発明のヒト化免疫グロブリンにより達成される外来物質の最小化および「異物」拒絶のより低い可能性の点から見て、実質的過剰量のこれらの免疫グロブリンを投与することは、処置医師により可能であり、望ましいと感じられ得る。
【0040】
組成物の1回または多数回投与は、処置医師により選択される投与レベルおよびパターンで実行され得る。いかなる場合でも、製剤処方物は、患者を有効に治療するのに十分な本発明の免疫グロブリン(単数または複数)の量を提供する必要がある。
【0041】
特定の実施態様では、本発明のヒト化免疫グロブリンを含む組成物は、vWFを検出するために用いられ得る。したがって、AJvW−2抗体により同定される抗原決定基と結合するヒト化免疫グロブリンは、標識され、有意な濃度のvWFを含有する解剖学的部位を同定するために用いられ得る。例えば、1つ又はそれ以上の標識体がヒト化免疫グロブリンに結合され得るが、それらに限定されない。標識体の例としては、特に放射線医学的技法または磁気共鳴画像法において診断的に有益な、放射線不透過性染料、放射線対比剤、蛍光分子、スピン標識分子、酵素またはその他の標識分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明のヒト化免疫グロブリンは、in vitroでの広範な種々の用途をさらに見出し得る。例として、免疫グロブリンは、vWFの検出のために用いられ得る。
【0043】
診断のためには、免疫グロブリンは標識されることも標識されないこともある。非標識化免疫グロブリンは、ヒト化免疫グロブリンと反応性であるその他の標識化抗体(二次抗体)、例えばヒト免疫グロブリン定常領域に特異的な抗体と組合せて用いられ得る。あるいは、免疫グロブリンは直接標識され得る。広範な種々の標識、例えば放射性核種、蛍光物質、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素阻害剤、配位子(特にハプテン)等が用いられ得る。多数の種類のイムノアッセイが利用可能であり、当業者に周知である。
【0044】
細胞活性または選択された抗原の存在に対する防御またはその検出において目的の免疫グロブリンとともに用いるためのキットも供給され得る。したがって、本発明の目的の免疫グロブリン組成物は、通常は容器中に凍結乾燥形態で、単独でまたは所望の細胞型に特異的な付加的抗体と組合せて提供され得る。免疫グロブリンは、標識または毒素と結合させても、結合させなくてもよく、緩衝液、例えばトリス、リン酸塩、炭酸塩緩衝液等、安定剤、防腐剤、殺生物剤、不活性タンパク質、例えば血清アルブミン等、および一式の使用説明書とともにキット中に含有される。一般に、これらの物質は、活性免疫グロブリンの量を基礎にして約5重量%未満で存在し、通常はこれも免疫グロブリン濃度を基礎にして、全量で少なくとも約0.001重量%存在する。しばしば、活性成分を稀釈するための不活性増量剤または賦形剤を含むのが望ましく、この場合、賦形剤は全組成物の約1〜99重量%で存在し得る。免疫グロブリンと結合し得る二次抗体が検定に用いられる場合、これは、通常は別個の容器中に存在する。二次抗体は、典型的には、標識を結合させて、前記の免疫グロブリン処方物と同様の方法で処方される。
【0045】
説明のために以下の実施例を提供するが、これらに限定されない。実施例はヒト化AJvW−2抗体に関するが、vWF抗原に対して高結合親和性を有するヒト化抗体を製造する場合、それは、vWFの同一エピトープと結合するその他のモノクローナル抗体からのCDRを用いても企図される、と理解されるべきである。
【0046】
【実施例】
実施例1:マウスAJvW−2可変領域cDNAのクローニングおよびシーケンシング
マウスAJvW−2重および軽鎖可変領域cDNAを、アンカー化PCRを用いてハイブリドーマ細胞から単離したmRNAからクローン化した(Co et al., J. Immunol. 148:1149(1992))。用いられた5’プライマーは、cDNAに付加されたポリ−dGテールとアニーリングさせ、そして3’プライマーは定常領域とアニーリングさせた。次に、増幅遺伝子断片をプラスミドpUC18に挿入した。VLおよびVHcDNAの両方に関して、いくつかの独立したクローンから、ヌクレオチド配列を決定した。重鎖に関しては、マウス重鎖可変領域の典型である、単一非反復配列を同定した。軽鎖に関しては、ともにネズミ軽鎖可変領域配列と相同である2つの非反復配列を同定した。しかしながら、一方の配列は、V−J接合部でフレームシフトを引き起こす欠損ヌクレオチドのために機能し得ず、非生産的な対立遺伝子と同定された。他方の配列は、典型的な機能性マウスκ鎖可変領域であった。重鎖および機能性軽鎖の可変領域cDNA配列、ならびに翻訳化アミノ酸配列を、図1に示す。マウスVκ配列は、Kabatのマウスκ鎖サブグループVに属する。マウスVHは、Kabatの重鎖サブグループIII(B)に属する。
【0047】
実施例2:ヒト化AJvW−2可変領域の設計
ヒト化抗体中でマウス抗体の結合親和性を保持するために、Queen等の一般手法にしたがった(Queen et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:10029(1989)、ならびに米国特許第5,585,089号および第5,693,762号)。フレームワーク残基の選択は、高結合親和性の保持に際しては重大であり得る。原則として、あらゆるヒト抗体からのフレームワーク配列がCDRグラフティングのための鋳型として役立ち得る。しかしながら、このようなフレームワーク中への直接のCDR置換は、抗原に対する結合親和性の有意の損失をもたらし得ることが実証されている(Tempest et al., Biotechnology 9:266(1992); Shalaby et al., J. Exp. Med. 17:217(1992))。ヒト抗体が元のネズミ抗体と相同的であるほど、ヒトフレームワークは、親和性を低減しかねないマウスCDR中の歪みを生じにくくなると思われる。Kabatデータベース(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ed., U.S. Department of Health and Human Services, 1991)に対する配列相同性検索を基礎にして、マウスAJvW−2抗体との良好なフレームワーク相同性を提供するように、ヒト抗体I3Rを選択した。その他の高相同ヒト抗体鎖も、ヒト化抗体フレームワーク、特にKabatにより記載されたようなヒトサブグループIからのκ軽鎖およびヒトサブグループIIIからの重鎖を提供するのに適している。
【0048】
コンピュータープログラムABMODおよびENCAD(Zilber et al., Biochemistry, Vol. 29, 10032(1990); Levitt et al., J. Mol. Biol. 168:595(1983))を用いて、AJvW−2可変ドメインの分子モデルを構築し、これを用いて、それらと相互作用する可能性のあるCDRに十分近いAJvW−2フレームワーク中のアミノ酸を同定した。ヒト化AJvW−2重および軽鎖可変領域を設計するために、マウスAJvW−2抗体からのCDRをヒトI3R抗体のフレームワーク領域中にグラフトした。コンピューターモデルがCDRとの有意の接触を示唆したフレームワーク位置で、マウス抗体からのアミノ酸をもとのヒトフレームワークアミノ酸の代わりに置き換えた。ヒト化AJvW−2に関しては、これは重鎖の残基28、48、49および67で、ならびに軽鎖の残基48、70および71で実施した。さらに、ヒト抗体のデータベース中のそれらの位置で稀にしか存在しないフレームワーク残基を、それらの位置でヒトコンセンサスアミノ酸により置き換えた。ヒト化AJvW−2に関しては、これは重鎖の残基1、78および118で、ならびに軽鎖の残基62、73および83で実施した。
【0049】
ヒト化AJvW−2抗体の重鎖および軽鎖可変領域の配列を、図2に示す。しかしながら、CDRと接触していると考えられる残基の多くは、抗原に対する実質的親和性を保持したまま、他のアミノ酸と置換し得る。下表に、代替的アミノ酸が適合するフレームワーク中の位置をいくつか列挙する(LC=軽鎖、HC=重鎖)。
【0050】
【表1】
【0051】
同様に、ヒト化AJvW−2重および軽鎖中のCDRと近接しない多数のフレームワーク残基は、ヒト化抗体の親和性または非免疫原性の有意の損失を伴わずに、ヒトI3R抗体の対応する位置からの、その他のヒト抗体からの、ヒトコンセンサスアミノ酸による、マウスAJvW−2抗体からの、またはその他のマウス抗体からのアミノ酸の置換に適応し得る。下表に、代替的アミノ酸が適合し得るフレームワーク中の付加的位置をいくつか列挙する。
【0052】
【表2】
【0053】
種々の代替的アミノ酸を選択することにより、親和性、特異性、非免疫原性、易製造性およびその他の望ましい特性の種々の組合せを有するヒト化AJvW−2のバージョンを製造し得る。したがって、前記の表中の例は、説明として提示されるものであって、本発明はそれらに限定されない。
【0054】
実施例3:ヒト化AJvW−2の構築
一旦ヒト化可変領域アミノ酸配列を前記のように設計したら、遺伝子はシグナルペプチド、スプライスドナーシグナルおよび適切な制限酵素部位を含めて、それらをコードするよう構築した(図2)。約65〜80塩基の長さの範囲の8つの重複する合成オリゴヌクレオチドを用いて、軽および重鎖可変領域遺伝子を構築し、増幅した(He et al., J. Immunol.160:1029(1998)参照)。これらのオリゴヌクレオチドを対ごとにアニールさせ、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片を用いて延長して、4つの二本鎖断片を生成させた。その結果生じた断片を変性し、アニールさせ、そしてクレノウを用いて延長して、2つの断片を生成させた。これらの断片を変性し、対でアニールさせ、再び延長して、全長遺伝子を生成させた。その結果生じた生成物を、Taqポリメラーゼを用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅し、ゲル精製して、XbaIで消化し、再びゲル精製して、pVk、pVg4またはpVg2.M3発現ベクターのXbaI部位中にサブクローニングした。軽鎖発現のためのpVkベクターは、以前に記載されている(Co et al., J. Immunol. 148:1149(1992)参照)。重鎖発現のためのpVg4ベクターは、g1定常領域遺伝子を含有するpVg1のXbaI−BamHI断片(Co et al., J. Immunol. 148:1149(1992)参照)を、g4遺伝子のCH1エキソンに先行するHindIII部位から、その遺伝子のCH4エキソンに続くNsiI部位の後270bpまで延長したヒトg4定常領域遺伝子の約2000bpの断片(Ellison and Hood, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1984(1982))で置き換えることにより構築した。γ2鎖の発現のためのpVg2.M3ベクターは、以前に記載されている(Cole, et al., J. Immunol. 159:3613(1997)参照)。pVg2.M3は、234位および237位のアミノ酸ValおよびGlyをAlaで置換することによるヒト野生型IgG2の変異体である。変異体は、そのFc受容体との相互作用の低減を示し、したがって最小抗体エフェクター活性を有する。
【0055】
最終プラスミドの構造を、ヌクレオチドシーケンシングおよび制限酵素マッピングにより確認した。DNA操作はすべて、当業者に周知の標準的方法により実施した。
【0056】
2つのヒト化AJvW−2、IgG4およびIgG2.M3を、比較実験用に生成した。ヒト化AJvW−2を産生する細胞株を構築するために、それぞれの重鎖および軽鎖プラスミドをマウス骨髄腫細胞株Sp2/0−Ag14(ATCC CRL1581)にトランスフェクトした。トランスフェクション前に、重および軽鎖含有プラスミドを、制限エンドヌクレアーゼを用いて線状化した。κ鎖およびγ2重鎖をFspIを用いて線状化し、γ4鎖をBstZ17Iを用いて線状化した。約20μgの各プラスミドを、PBS中の1×107細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションは、Gene Pulser装置(BioRad)を用いて、360Vおよび25μFDキャパシタンスで、メーカーの使用説明書にしたがってエレクトロポレーションにより行った。各トランスフェクションからの細胞を4つの96ウエル組織培養プレートにまき、2日後に、選択培地(DMEM、10%FCS、1×HTサプリメント(Sigma)、0.25mg/mlキサンチン、1μg/mlミコフェノール酸)を適用した。
【0057】
約2週間後、出現したクローンをELISAにより抗体産生に関してスクリーニングした。細胞を通常の培地(10%FCSを含有するDMEM)中で最高細胞密度まで細胞を増殖させることにより、高産生クローンから抗体を調製し、次に培地を無血清培地(ハイブリドーマSMF:Gibco)に置換して、培養中で最大抗体力価が達成されるまで培養した。培養上清をプロテインA−セファロースカラム(Pharmacia)に通し、抗体を0.1Mのグリシン、100mMのNaCl、pH3で溶出し、中和して、その後リン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)に交換した。アクリルアミドゲル上で分析することにより抗体の純度を確認し、OD280読み取りによりその濃度を決定して、1.0mgの抗体タンパク質は1.4のOD280読み取り値を有すると推定した。
【0058】
実施例4:ヒト化AJvW−2の特性
ビオチン化マウスAJvW−2抗体との競合的結合により、フォンビルブランド因子(vWF)に対するマウスおよびヒト化AJvW−2抗体の親和性を調べた。実験に関する手法を以下に記載する:
【0059】
1.vWF溶液を、TBS(20mMのトリス、pH7.4+0.15MのNaCl)で8ug/mlに稀釈した。50ulを、96ウエルNUNC Maxisorpプレート(VWR Scientific Product)の各ウエルに分注し、4℃で一夜インキュベートした。
【0060】
2.プレートをTBSで1回洗浄し、200ul/ウエルのブロック溶液(TBS+5%BSA)を添加することによりブロックし、室温で3時間インキュベートした。
【0061】
3.プレートをTBSで3回洗浄した。
【0062】
4.メーカーの使用説明書にしたがって、スルホサクシニミジル−6−(ビオチンアミド)ヘキサノエート(Pierce, Rockford, IL、製造番号21335)を用いて、マウスAJvW−2を予めビオチン化した。ビオチン化抗体をTBS+0.1% BSA中で0.5ug/mlに稀釈した。
【0063】
5.非標識の競合させるマウスおよびヒト化抗体の25ug/mlの濃度からの8段階の4倍稀釈系列溶液を、TBS+0.1% BSAで調製した。
【0064】
6.下記の溶液をvWFをコートしたプレートの各ウエルに付加し、静かに振盪しながら、室温で1時間インキュベートした。
25ulのTBS+1% BSA+10% DMSO、100ulの非標識競合抗体(マウス、ヒト化IgG2m3またはヒト化IgG4)および25ulのビオチン化抗体。
【0065】
7.プレートを洗浄溶液(TBS+0.05%Tween−20)で3回洗浄し、メーカーの使用説明書にしたがってImmunoPure ABCホスファターゼ染色キット(Pierce, Rockford, IL)で染色した。特に、2滴の試薬A(アビジン)および2滴の試薬B(ビオチン化アルカリホスファターゼ)を50mlのTBS+0.1%BSAに付加することにより、溶液を調製した。50ulの調製溶液を96ウエルプレートの各ウエルに添加し、室温で1時間インキュベートした。
【0066】
8.プレートを洗浄溶液で3回洗浄し、アルカリホスファターゼ基質(Sigma, St. Louis, MO)で発色させた。
9.405nmで吸光度を測定し、競合抗体の濃度に対してプロットした。
【0067】
図3に示した結果は、ヒト化AJvW−2 IgG4およびIgG2m3は、非標識マウス抗体と比較した場合、ビオチン化マウス抗体と同程度に十分に競合することを実証したが、これは2つのヒト化抗体が同様の結合親和性を有し、そして抗原に対するヒト化抗体とマウス抗体の親和性に有意差は認められないことを示唆している。
【0068】
図1は、マウスAJvW−2抗体の重鎖(A)および軽鎖(B)可変領域のcDNAおよび翻訳されたアミノ酸配列を示す。相補性決定領域(CDR)に下線を付し、翻訳後の第一アミノ酸には二重下線を付してある。
【0069】
図2は、ヒト化AJvW−2抗体の重鎖(A)および軽鎖(B)可変領域のDNAおよび翻訳されたアミノ酸配列を示す。相補性決定領域(CDR)に下線を付し、翻訳後の第一アミノ酸には二重下線を付してある。
【0070】
図3は、フォンビルブランド因子とのマウスおよびヒト化AJvW−2抗体(IgG4およびIgG2m3)の競合結合特性のグラフである。漸増濃度の非標識競合抗体を、ビオチン化マウスAJvW−2の存在下でフォンビルブランド因子とともにインキュベートした。吸光度を測定し、非標識化競合抗体の濃度に対してプロットした。
【0071】
前記の教示に鑑みて、明らかに数多くの本発明の変更が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内において、本発明は特定的に記載した以外の方法で実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 AJvW−2の重鎖可変領域配列、配列番号1。
【図1b】 AJvW−2の軽鎖可変領域配列、配列番号2。
【図2a】 ヒト化AJvW−2の重鎖可変領域配列、配列番号3。
【図2b】 ヒト化AJvW−2の軽鎖可変領域配列、配列番号4。
【図3】 フォンビルブランド因子に対するネズミおよびヒト化AJvW−2抗体(IgG4およびIgG2m3)の競合的結合特性のグラフである。
Claims (14)
- 図2aで示される重鎖可変領域(配列番号3)および図2bで示される軽鎖可変領域(配列番号4)を含む、ヒトフォンビルブランド因子と結合するヒト化免疫グロブリン。
- 配列番号3に示すアミノ酸配列におけるアミノ酸番号19−139のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号4に示すアミノ酸配列におけるアミノ酸番号21−127のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、ヒトフォンビルブランド因子と結合するヒト化免疫グロブリン。
- LC−48、LC−70、LC−71、HC−28、HC−48、HC−49およびHC−67からなる群から選択される少なくとも1つの位置が、表1に示す代替アミノ酸により置換される請求項1または2に記載のヒト化免疫グロブリン。
- LC−62、LC−73、LC−83、HC−1、HC−78およびHC−118から選択される少なくとも1つの位置が、表2に示す代替アミノ酸により置換される請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリン。
- 2対の軽/重鎖複合体を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫グロブリンであって、各鎖は、可変領域および定常領域を含む免疫グロブリン。
- Fab断片またはF(ab’)2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫グロブリン。
- IgG2またはIgG4免疫グロブリンサブタイプを有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリン。
- 定常領域は、Cγ2Cγ4領域である請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリン。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリンの重および軽鎖をコードする細胞株を培養し、それによりマウス抗体AJvW−2と競合するヒト化抗体を発現し、そして前記ヒト化抗体を回収することを含む免疫グロブリンの製造方法。
- 製薬上許容可能な担体とともに前記ヒト化抗体を処方して製剤組成物を製造することをさらに含む請求項9記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリンおよび製薬上許容可能な担体を含む製剤組成物。
- 血栓性疾患もしくはアテローム硬化症の予防用または治療用である、請求項11に記載の製剤組成物。
- 前記予防または治療は、脳卒中、一過性虚血発作、不安定狭心症、急性心筋梗塞、狭心症、末梢血管障害、深部静脈血栓症、溶血性尿毒症症候群、溶血性貧血、急性腎不全、血栓性血小板減少性紫斑病、血管形成術後の急性および亜急性血栓もしくは再狭窄により引き起こされる虚血性合併症のための治療、または急性心筋梗塞における血栓溶解療法後の再閉塞により引き起こされる虚血性合併症を併用療法として防止するためである請求項12に記載の製剤組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒト化免疫グロブリンを産生する細胞株。
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