JP4590270B2 - 有糸分裂キネシン阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有糸分裂キネシン、特に有糸分裂キネシンKSPの阻害剤であり、細胞増殖性疾患、例えば、癌、過形成、最狭窄、心臓肥大症、免疫疾患および炎症の治療に有用であるテトラヒドロピリジン誘導体に関する。
癌を治療するために使用される治療薬には、タキサン類およびビンカアルカロイド類がある。タキサン類およびビンカアルカロイド類は、様々な細胞構造内に存在する微小管に作用する。微小管は、有糸分裂紡錐体の主構成要素である。有糸分裂紡錐体は、細胞分裂により生じた2つの娘細胞各々へのゲノム複製コピーの分配に関与している。これらの薬物による有糸分裂紡錐体の破壊は、癌細胞分裂の抑制および癌細胞死の誘発をもたらすと推測される。しかし、微小管は、神経プロセスにおける細胞内輸送路を含む他のタイプの細胞構造も構成している。これらの薬剤は、有糸分裂紡錐体を特異的に標的とするわけではないため、副作用があり、有用性が制限される。
癌を治療するために使用される薬剤の投与に付随する副作用を低減することができたなら実現されるであろう治療恩恵のため、これらの薬剤の特異性の改善に多大な関心が寄せられている。伝統的に、癌治療における劇的な改善には、新規メカニズムにより作用する治療薬の特定が付きものである。この例には、タキサン類ばかりでなく、カンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤も挙げられる。これら両方の背景から、有糸分裂キネシンは、新規抗癌剤の魅力的なターゲットである。
有糸分裂キネシンは、有糸分裂紡錐体のアセンブリおよび機能に不可欠な酵素であるが、神経プロセスなどにおいては、通常、他の微小管組織の一部ではない。有糸分裂キネシンは、有糸分裂のすべての相を通して欠くことのできない役割を果たしている。これらの酵素は、ATPの加水分解によって放出されるエネルギーを、微小管に沿った細胞カーゴの指向性移動を駆動させる物理的な力に変換する「分子モーター」である。このタスクに足りる触媒ドメインは、アミノ酸約340の小さな構造である。有糸分裂の間、キネシンは、微小管を組織化して、有糸分裂紡錐体である双極性構造にする。キネシンは、紡錐体微小管に沿った染色体の移動、ならびに有糸分裂の特定の相に結びついた有糸分裂紡錐体の構造変化を媒介する。有糸分裂キネシンの機能を実験的に混乱させると、有糸分裂紡錐体の奇形または機能障害が生じ、多くの場合、その結果、細胞周期停止および細胞死がもたらされる。
特定されている有糸分裂キネシンには、KSPがある。KSPは、逆行性ホモ二量体から成る双極性ホモ四量体を構成するプラス端指向性微小管モーターの進化保存キネシンサブファミリーに属する。有糸分裂の間、KSPは、有糸分裂紡錐体の微小管と会合する。KSPに対する抗体のヒト細胞へのマイクロインジェクションは、前中期の間の紡錐体極分離を妨げ、その結果、単極性紡錐体が生じ、有糸分裂の停止および細胞自己死の誘発が起こる。他の(ヒト以外の)生物では、KSPおよび関連キネシンは、逆行性微小管を束ね、それらを互いに滑走させて、紡錐体の2つの極を分離させる。KSPは、後期B紡錐体の伸長およびその紡錐体極における微小管の集束も媒介する。
ヒトKSP(HsEg5とも呼ばれる)は、記載されており[Blangyら,Cell,83:1159−69(1995);Whiteheadら,Arthritis Rheum.,39:1635−42(1996);Galgioら,J.Cell Biol.,135:339−414(1996);Blangyら,J.Biol.Chem.,272:19418−24(1997);Blangyら,Cell Motil Cytoskeleton,40:174−82(1998);WhiteheadおよびRattner,J.Cell.Sci.,111:2551−61(1998);Kaiserら,JBC 274:18925−31(1999);ゲンバンクアクセッション番号:X85137、NM004523およびU37426]、KSP遺伝子のフラグメント(TRIP5)は、記載されている[Leeら,Mol Endocrinol.,9:243−54(1995);ゲンバンクアクセッション番号L40372]。アフリカツメガエルKSP同族体(Eg5)ならびにショウジョウバエK−LP61 F/KRP 130は、報告されている。
最近、あるキナゾリノンが、KSP阻害剤であると記載された(PCT国際公開公報第01/30768号、2001年5月3日)。
有糸分裂キネシンは、新規有糸分裂化学療法薬の発見および開発の魅力的なターゲットである。従って、本発明の1つの目的は、KSP、有糸分裂キネシンの阻害に有用な化合物、方法および組成物を提供することである。
(発明の要約)
本発明は、細胞増殖性疾患の治療に、KSPキネシン活性に関連した疾患の治療に、およびKSPキネシンの阻害に有用なテトラヒドロピリジン誘導体に関する。本発明の化合物は、式I:
Figure 0004590270
によって説明することができる。
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンの阻害に有用である。本発明の第一の実施態様は、式I:
Figure 0004590270
(式中、
aは0または1であり;
bは0または1であり;
mは0、1または2であり;
nは0または1であり;
rは0または1であり;
sは0または1であり;
は、
1)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルキル;
2)(C〜C−アルキレン)(C=X)アリール;
3)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルケニル;
4)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルキニル;
5)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜Cシクロアルキル;
6)(C〜C−アルキレン)(C=X)ヘテロシクリル;
7)(C〜C−アルキレン)(C=X)NR’;
8)(C〜C−アルキレン)SONR’;
9)(C〜C−アルキレン)SO〜C10アルキル;
10)(C〜C−アルキレン)SO〜C10アルケニル;
11)(C〜C−アルキレン)SO〜C10アルキニル;
12)(C〜C−アルキレン)SO−アリール;
13)(C〜C−アルキレン)SO−ヘテロシクリル;
14)(C〜C−アルキレン)SO−C〜Cシクロアルキル;
15)(C〜C−アルキレン)P(=O)R’;
16)アリール;
17)ヘテロシクリル;および
18)C〜C10アルキル;
(前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレン、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;
、R、R、RおよびRは、
1)H;
2)(C=O)(C〜C10)アルキル;
3)O(C〜C)ペルフルオロアルキル;
4)(C〜C)アルキレン−S(O)
5)オキソ;
6)OH;
7)ハロ;
8)CN;
9)(C=O)(C〜C10)アルケニル;
10)(C=O)(C〜C10)アルキニル;
11)(C=O)(C〜C)シクロアルキル;
12)(C=O)(C〜C)アルキレン−アリール;
13)(C=O)(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル;
14)(C=O)(C〜C)アルキレン−N(R
15)C(O)R
16)(C〜C)アルキレン−CO
17)C(O)H;
18)(C〜C)アルキレン−COH;
19)C(O)N(R
20)S(O);および
21)S(O)N(R
(前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルキレンおよびヘテロシクリルは、R、OH、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、オキソおよびN(Rから選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
から、独立して選択され;
およびRは、
1)アルキル;
2)C〜Cシクロアルキル;
3)アリール;および
4)ヘテロシクリル;
(前記アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロシクリルは、R13から選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;
は、
1)H;
2)C〜C10アルキル;
3)C〜C10アルケニル;
4)C〜C10アルキニル;
5)CN;
6)ハロ;
7)COH;
8)(C〜C)アルキルアミノ;および
9)(C〜C)アルキルヒドロキシ;
であり;
10は、
1)(C=O)〜C10アルキル;
2)(C=O)アリール;
3)C〜C10アルケニル;
4)C〜C10アルキニル;
5)(C=O)ヘテロシクリル;
6)COH;
7)ハロ;
8)CN;
9)OH;
10)O〜Cペルフルオロアルキル;
11)O(C=O)NR1112
12)S(O)
13)S(O)NR1112
14)オキソ;
15)CHO;
16)(N=O)R1112;または
17)(C=O)〜Cシクロアルキル;
(前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、へテロシクリルおよびシクロアルキルは、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
であり;
11およびR12は、
1)H;
2)(C=O)O〜C10アルキル;
3)(C=O)O〜Cシクロアルキル;
4)(C=O)Oアリール;
5)(C=O)Oヘテロシクリル;
6)C〜C10アルキル;
7)アリール;
8)C〜C10アルケニル;
9)C〜C10アルキニル;
10)ヘテロシクリル;
11)C〜Cシクロアルキル;
12)SO
13)(C=O)NR
14)オキソ;および
15)OH;
(前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニルおよびアルキニルは、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
から、独立して選択されるか;
11およびR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにN、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式または二環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式または二環式複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されており;
13は、
1)(C=O)(C〜C10)アルキル;
2)O(C〜C)ペルフルオロアルキル;
3)(C〜C)アルキレン−S(O)
4)オキソ;
5)OH;
6)ハロ;
7)CN;
8)(C=O)(C〜C10)アルケニル;
9)(C=O)(C〜C10)アルキニル;
10)(C=O)(C〜C)シクロアルキル;
11)(C=O)(C〜C)アルキレン−アリール;
12)(C=O)(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル;
13)(C=O)(C〜C)アルキレン−N(R
14)C(O)R
15)(C〜C)アルキレン−CO
16)C(O)H;
17)(C〜C)アルキレン−COH;
18)C(O)N(R
19)S(O);および
20)S(O)N(R
(前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルキレンおよびヘテロシクリルは、R、OH、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、オキソおよびN(Rから選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;
は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル(前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは、Rから選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)であり;
は、H、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)シクロアルキル、(C=O)OC〜Cアルキル、(C=O)C〜CアルキルまたはS(O)(前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは、Rから選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)であり;
およびRc’は、H、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリルおよび(C〜C)シクロアルキル(これらは、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)から、独立して選択されるか、
およびRc’は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにN、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式または二環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式または二環式複素環は、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されており;
およびRd’は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびNR から、独立して選択されるか、
およびRd’は、これらが結合しているリンと一緒になって、各環の環員数が4から7であり、リンのほかにNR、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式複素環は、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されており;
は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され;
は、ヘテロシクリル、アミノ置換へテロシクリル、(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、OHおよびNHから選択され;ならびに
Xは、O、NRおよびSから選択される。)
によって示される化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体である。
本発明の第二の実施態様は、式II:
Figure 0004590270
(式中、
10aおよびR10bは、
1)H;
2)C〜C10アルキル;
3)C〜C10アルケニル;
4)C〜C10アルキニル;
5)OH;
6)CN;
7)ハロ;
8)CHO;
9)COH;
10)(C〜C)アルキルアミノ;および
11)(C〜C)アルキルヒドロキシ
から、独立して選択され;ならびに
他の置換基および可変項はすべて、第一の実施態様において定義したとおりである。)
によって示される化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体である。
本発明の第三の実施態様は、
が、
1)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルキル;
2)(C〜C−アルキレン)(C=X)アリール;
3)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルケニル;
4)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜C10アルキニル;
5)(C〜C−アルキレン)(C=X)C〜Cシクロアルキル;
6)(C〜C−アルキレン)(C=X)ヘテロシクリル;
7)(C〜C−アルキレン)(C=X)NR’;
8)(C〜C−アルキレン)SONR’;
9)(C〜C−アルキレン)SO〜C10アルキル;
10)(C〜C−アルキレン)SO−アリール;
11)(C〜C−アルキレン)SO−ヘテロシクリル;
12)(C〜C−アルキレン)SO−C〜Cシクロアルキル;
13)(C〜C−アルキレン)P(=O)R’;
14)アリール;
15)ヘテロシクリル;および
16)C〜C10アルキル
(前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレン、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;ならびに
他の置換基および可変項がすべて、第二の実施態様において定義したとおりである、
式IIによって上に示した化合物である。
本発明の第四の実施態様は、
が、
1)(C=O)C〜C10アルキル;
2)(C=O)アリール;
3)(C=O)C〜C10アルケニル;
4)(C=O)C〜C10アルキニル;
5)(C=O)C〜Cシクロアルキル;
6)(C=O)NR’;
7)SONR’;
8)SO〜C10アルキル;
9)SO−アリール;
10)SO−ヘテロシクリル;
11)SO−C〜Cシクロアルキル;および
12)P(=O)R
(前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレン、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;
、R、R、RおよびRが、独立して、
1)H;
2)C〜C10アルキル;
3)C〜C10アルケニル;
4)C〜C10アルキニル;
5)CHO;
6)COH;
7)(C〜C)アルキルアミノ;
8)(C〜C)アルキルヒドロキシ;
9)(C=O)(C〜C10)アルキル;および
10)C(O)N(R
であり;
が、
1)H;
2)(C〜C)アルキルアミノ;および
3)(C〜C)アルキルヒドロキシ
であり;ならびに
他の置換基および可変項がすべて、第三の実施態様において定義したとおりである
化合物またはそれらの医薬適合性の塩もしくは立体異性体である。
本発明の第五の実施態様は、
が、
1)(C=O)NR’;
2)SONR’;
3)SO〜C10アルキル;および
4)(C=O)C〜C10アルキル
(前記アルキルは、R10から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)
から選択され;ならびに
他の置換基および可変項がすべて、第四の実施態様において定義したとおりである、
式IIによって示した化合物またはそれらの医薬適合性の塩もしくは立体異性体である。
本発明の化合物の具体的な例には、
3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン;
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
N1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド;および
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−[2−メチル−3−(メチルアミノ)プロピル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;または
これらの医薬適合性の塩もしくは立体異性体
が挙げられる。
本発明の具体的なTFA塩には、
N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド;および
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−[2−メチル−3−(メチルアミノ)プロピル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;または
これらの立体異性体
が挙げられる。
本発明の化合物の特定の例は、
3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;および
N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド;または
これらの医薬適合性の塩もしくは立体異性体
である。
本発明のさらなる例は、
6−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
6−(3−アミノプロピル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
6−(4−アミノブチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
3−[1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロプロピルエタノイル]−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジメチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
6−(3−アミノプロピル)−4−イソプロピル−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
6−(3−アミノプロピル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピル−N,N−ジメチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
2−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]エタナミン;
3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]プロパン−1−アミン;
4−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]ブタン−1−アミン;
3−[1−アセチル−2−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
3−[1−アセチル−2−(3−アミノプロピル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
3−[1−アセチル−2−(4−アミノブチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
3−[1−アセチル−2−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
1’−アセチル−4’−(2,5−ジフルオロフェニル)−1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,2’−ビピリジン−6(1H)−オン;および
1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン−2’(1’H)−オン;または
これらの医薬適合性の塩もしくは立体異性体
である。
本発明の化合物は、(E.L.ElielおよびS.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds,Johon Wiley & Sons,New York,1994,1119−1190頁に記載されているような)不斉中心、キラル軸およびキラルプレートを有することがあり、また、ラセミ体、ラセミ混合物としておよび個々のジアステレオマーとして発生することがあり、光学異性体、すべてのこうした立体異性体を含む可能なすべての異性体およびそれらの混合物は、本発明に包含される。加えて、ここで開示する化合物は、互変異性体として存在することがあり、たとえ片方の互変異性構造しか示されていない場合でも、両方の互変異性形が本発明の範囲に包含されるものと解釈する。
いずれかの可変項(例えば、R10およびR13など)がいずれかの構成要素の中に一回以上出現するとき、各出現時の定義は、他のいずれの出現時のものとも無関係である。また、置換基および可変項の組み合わせは、こうした組合せが結果的に安定な化合物をもたらす場合にのみ許される。置換基から環構造の中へと示されている線は、この示されている結合が、置換可能な環原子のいずれにも結合可能であることを表している。環構造が多環式である場合、この結合は、もっぱら近い環に存在する、適する炭素原子のいずれかに結合していると解釈する。
本発明の化合物の置換基および置換パターンは、化学的に安定な化合物であって、容易に入手可能な出発原料から当該技術分野において公知の技術ならびに下に記載する方法により容易に合成することができる化合物が生じるように、通常の当業者により選択され得るものと理解される。置換基、それ自体が、1個またはそれ以上の基で置換されている場合、これらの複数の基は、結果的に構造が安定であれば、同じ炭素上にあってもよいし、または異なる炭素上にあってもよいと理解される。「1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている」という言い回しは、「少なくとも1個の置換基で場合により置換されている」という言い回しと同等であると考えるべきであり、こうした場合、好ましい実施態様は、0から3個の置換基を有するであろう。
ここで用いる「アルキル」は、指定された数の炭素原子を有する分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基と直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を包含するものと解釈する。例えば、「C〜C10アルキル」の場合のようなC〜C10は、直鎖または分枝鎖配列で炭素原子を1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個有する基を包含するものと定義される。例えば、「C〜C10アルキル」には、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。用語「シクロアルキル」は、指定された数の炭素原子を有する単環式飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアルキル」には、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。本発明の1つの実施態様において、用語「シクロアルキル」は、直ぐ上に記載した基を含み、単環式不飽和脂肪族炭化水素基をさらに含む。例えば、この実施態様において定義される「シクロアルキル」には、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロブテニルなどが挙げられる。
用語「アルキレン」は、指定された数の炭素原子を有する炭化水素二端遊離基を意味する。例えば、「アルキレン」には、−CH−、−CHCH−などが挙げられる。
「C〜Cアラルキル」および「C〜Cヘテロアラルキル」という言い回しの中で使用されているときの用語「C〜C」は、この部分のアルキル部を指し、この部分のアリールおよびヘテロアリール部に関する原子数は表さない。
「アルコキシ」は、酸素架橋によって結合されている指示された炭素原子数の環状または非環状アルキル基を表す。従って、「アルコキシ」は、上記アルキルおよびシクロアルキルの定義を包含する。
炭素原子数が指定されていない場合、用語「アルケニル」は、炭素原子を2から10個と炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ含む、直鎖、分枝鎖または環状の非芳香族炭化水素ラジカルを指す。好ましくは、1つの炭素−炭素二重結合が存在し、4以下の非芳香族性炭素−炭素二重結合が存在し得る。故に、「C〜Cアルケニル」は、炭素原子を2から6個有するアルケニルラジカルを意味する。アルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。アルケニル基の直鎖、分枝鎖または環状部分は、二重結合を含有していてもよく、置換アルケニル基が示されている場合には置換されていてもよい。
用語「アルキニル」は、炭素原子を2から10個と炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ含む、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素ラジカルを指す。3つ以下の三重結合が存在できる。故に、「C〜Cアルキニル」は、炭素原子を2から6個有するアルキニルラジカルを意味する。アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどが挙げられる。アルキニル基の直鎖、分枝鎖または環状部分は、三重結合を含有していてもよく、置換アルキニル基が示されている場合には置換されていてもよい。
ある特定の例では、置換基は、(C〜C)アルキレン−アリールなど、零を含む炭素数範囲を伴って定義することができる。アリールが、フェニルであるとする場合、この定義は、フェニルそれ自体ならびに、−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどを包含することになる。
ここで用いる「アリール」は、少なくとも一方の環が芳香族である、各環の原子数が7以下のあらゆる安定な単環式または二環式の炭素環を意味するものと解釈する。こうしたアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニルが挙げられる。アリール置換基が二環式であり、一方の環が非芳香族である場合、結合は、芳香族環経由であると理解される。
ここで用いる用語「ヘテロアリール」は、少なくとも一方の環が芳香族であり、O、NおよびSから成る群より選択されたヘテロ原子を1から4個含有する、各環の原子数が7以下の安定な単環式または二環式の環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基には、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンが挙げられるが、これらに限定されない。下の複素環の定義と同様に、「ヘテロアリール」も、あらゆる窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体を包含すると理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、一方の環が非芳香族であるか、へテロ原子を含有しない場合、結合は、それぞれ、芳香族環経由であるか、へテロ原子を含有する環経由であると理解される。
ここで用いる用語「複素環」または「ヘテロシクリル」は、O、NおよびSから成る群より選択されたヘテロ原子を1から4個含有する4から10員の芳香族または非芳香族複素環を意味すると解釈され、二環式の基を包含する。従って、「ヘテロシクリル」は、上述のヘテロアリールならびにそれらのジヒドロおよびテトラヒドロ類似体を包含する。「ヘテロシクリル」のさらなる例には、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにそれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子経由で、またはヘテロ原子経由で発生し得る。
1つの実施態様において、複素環は、2−アゼピノン、ベンズイミダゾリル、2−ジアザピノン、イミダゾリル、2−イミダゾリジノン、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノン、2−ピリミジノン、2−ピロリジノン、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニルおよびチエニルから選択される。
当業者には理解されるように、ここで用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含するものと解釈する。
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル置換基は、特に別様に定義されていない限り、置換されていてもよいし、非置換であってもよい。例えば、(C〜C)アルキルは、OH、オキソ、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノまたはヘテロシクリル(モルホリニル、ピペリジニルなど)などから選択された1、2または3個の置換基で置換されていてもよい。この場合、1個の置換基がオキソであり、その他がOHであるならば、この定義は以下のものを包含する:−C=O)CHCH(OH)CH、−(C=O)OH、−CH(OH)CHCH(O)など。
ある特定の例では、R11およびR12ならびにRおよびRc’は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにN、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式または二環式複素環を形成することができるように定義され、この場合、前記複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。こうして形成することができる複素環の例には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、また、前記複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上(好ましくは、1、2または3個)の置換基で場合により置換されていることにも留意する。
Figure 0004590270
ある特定の例では、RおよびRd’は、これらが結合しているリンと一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにNR、OおよびSから選択された1または2個の追加のへテロ原子を場合により含有する単環式または二環式の複素環を形成することができるように定義され、この場合、前記複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。こうして形成され得る複素環の例には、以下のものが挙げられるが、これらに限定されず、また前記複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上(好ましくは、1または2個)の置換基で場合により置換されていることにも留意する。
Figure 0004590270
1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキル(前記アルキルは、R10から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)ならびにSONRc’および(C=O)NRc’から選択される。
もう1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキル(前記アルキルは、R10から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)ならびにSONRc’および(C=O)NRc’(この場合、RおよびRc’は、Hおよび(C〜C)アルキルから独立して選択される。)から選択される。
もう1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキル(前記アルキルは、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)ならびにSONRc’および(C=O)NRc’から選択される。
もう1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキル(前記アルキルは、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)ならびにSONRc’および(C=O)NRc’(この場合、RおよびRc’は、Hおよび(C〜C)アルキルから、独立して選択される。)から選択される。
もう1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキルならびにSONRc’および(C=O)NRc’から選択される。
もう1つの実施態様において、Rは、SO〜C10アルキルおよび(C=O)C〜C10アルキル、ならびにSONRc’および(C=O)NRc’(この場合、RおよびRc’は、Hおよび(C〜C)アルキルから、独立して選択される。)から選択される。
もう1つの実施態様において、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C10アルキル、(C〜C)アルキルアミノおよび(C〜C)アルキルヒドロキシである。もう1つの実施態様において、RおよびRは、Hである。
もう1つの実施態様において、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C10アルキル、(C〜C)アルキルアミノおよび(C〜C)アルキルヒドロキシである。もう1つの実施態様において、R、RおよびRは、Hである。
もう1つの実施態様において、Rは、Hである。
もう1つの実施態様において、R10aは、H、C〜C10アルキル、COH、ハロ、CNおよびOHである。さらなる実施態様において、R10aは、独立して、Hおよびフルオロである。もう1つの実施態様において、R10aは、フルオロである。
もう1つの実施態様において、R10bは、独立して、H、C〜C10アルキル、COH、ハロ、CNおよびOHである。さらなる実施態様において、R10bは、独立して、H、C〜C10アルキル、メトキシおよびOHである。さらなる実施態様において、R10bは、HおよびOHである。
もう1つの実施態様において、Rが、ヘテロシクリルまたはアミノ置換へテロシクリルであるとき、前記へテロシクリルまたはアミノ置換へテロシクリルは、
Figure 0004590270
である。
式Iの化合物の遊離形ならびにその医薬適合性の塩および立体異性体も、本発明に包含される。ここに示されている特定の化合物のあるものは、アミン化合物のプロトン化塩である。用語「遊離形」は、塩でない形のアミン化合物を指す。包含される医薬適合性の塩には、ここに記載する特定の化合物について示す塩ばかりでなく、式Iの化合物の遊離形の一般的な医薬適合性の塩すべてが挙げられる。記載する特定の塩化合物の遊離形は、当該技術分野において公知の技術を使用して単離することができる。例えば、前記遊離形は、NaOH、炭酸カリウム、アンモニアおよび重炭酸ナトリウム希薄水溶液などの適する塩基希薄水溶液で前記塩を処理することにより、再生することができる。遊離形は、極性溶媒への溶解度などの一定の物理的性質においては多少これらのそれぞれの塩の形態と異なることがあるが、本発明のために、これらの酸性および塩基性の塩は、他の点で、それぞれの遊離形と製薬学的に等価である。
本化合物の医薬適合性の塩は、塩基性または酸性部分を有する本発明の化合物から、通常の化学的方法によって合成することができる。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、適する溶媒中または様々な組み合わせの溶媒中で遊離塩基を化学量論量または過剰の望ましい塩形成性無機または有機酸と反応させることにより調製される。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機または有機塩基との反応によって形成される。
故に、本発明の化合物の医薬適合性の塩には、塩基性の本化合物と無機または有機酸を反応させることによって形成されるような本発明の化合物の通常の非毒性塩が挙げられる。例えば、通常の非毒性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導されたもの、ならびに、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸から調製された塩が挙げられる。
本発明の化合物が酸性であるとき、適する「医薬適合性の塩」は、無機塩基および有機塩基を含む医薬適合性で非毒性の塩基から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩が、特に好ましい。医薬適合性の有機非毒性塩基から誘導される塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの、第一、第二および第三アミンの塩、天然置換アミンを含む置換アミンの塩、環状アミンの塩および塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。
上に記載した医薬適合性の塩および他の一般的な医薬適合性の塩の調製は、Bergら,「薬学的塩(Pharmaceutical Salts)」,J.Phram.Sci.,1977:66:1−19により、より充分に記載されている。
本発明の化合物は、生理条件下ではカルボキシル基などの本化合物中の脱プロトン化酸性部分がアニオン性であり得るため、分子内塩または両性イオンである可能性があること、またこの電子電荷が、第四級窒素原子などのプロトン化またはアルキル化塩基性部分のカチオン電荷に対してバランスを失うことがあることにも注目されよう。
本発明の化合物は、文献において公知であるか、それらの実験手順に示されている他の標準的な操作に加えて、後続の図式に示すような反応を利用することにより調製することができる。従って、下の具体例としての図式は、挙げられている化合物による制限を受けず、また説明のために用いられているあらゆる特定の置換基による制限を受けない。必然的に、これらの図式に示されているような置換基の番号付けは、特許請求の範囲で使用されているものとは相関せず、また多くの場合、明瞭にするために、上記の式Iの定義のもとで複数の置換基が許される場合でもこの化合物に単一の置換基を結合させて示す。
反応図式
反応図式Aに示すように、4−メトキシピリジン(A−1)をクロロギ酸ベンジルで、インサイチュでアシル化し、利用できる多種多様なグリニャール試薬によりC−2位で接合させて、中間体(A−2)を得ることができる。(A−2)の1,4還元は、L−セレクトライド(L−Selectride)によって行うことができる。得られたエノレートの平衡が生じて、(A−3)におけるようなエノールトリフレートとして捕捉することができる。スズキ反応によりこのビニルトリフレートを多種多様な適切に利用できるボロン酸とカップリングさせて、(A−4)を生じさせることができる。この段階でBBrを使用することにより、(A−4)からベンジルオキシカルボニル保護基を除去して、遊離アミン(A−5)を生じさせ、塩化アセチルなどの利用できる様々な求電子試薬をこれに導入して、(A−6)を生じさせることができる。最後に、BBrを再び適用することにより、フェノール性酸素のメチル保護基の除去を誘発して、(A−7)を生じさせる。
反応図式BおよびCに示すように、反応図式Aに示す標準的な手順に従って、また反応図式BおよびCに示す適切な試薬を利用して、次に続くアルキル、シクロアルキルおよび複素環式2,4−テトラヒドロピリジン誘導体を合成することができる。
反応図式DおよびEに示すように、反応図式Aに示す標準的な手順に従って、また反応図式DおよびEに示す適切な試薬を利用して、次に続くアミノアルキルおよびヒドロキシアルキル誘導体を合成することができる。
Figure 0004590270
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有用性
本発明の化合物は、様々な用途に使用できる。当業者には理解されるように、有糸分裂は、様々な方法で変化させることができる。すなわち、有糸分裂経路において一定の成分の活性を増加または減少させることにより、有糸分裂に影響を及ぼすことができる。言い換えれば、一定の成分を阻害または活性化することにより平衡を妨げることによって、有糸分裂に影響を及ぼす(例えば、中断させる)ことができる。同様のアプローチを用いて、減数分裂を変化させることもできる。
1つの実施態様では、本発明の化合物を用いて、有糸分裂紡錐体の形成を調節し、このようにして有糸分裂において長期細胞周期停止を生じさせる。ここでの「調節する」は、有糸分裂紡錐体の形成を変化させることを意味し、これには、紡錐体の形成を増加させることおよび減少させることが含まれる。ここでの「有糸分裂紡錐体の形成」は、有糸分裂キネシンにより微小管を組織化して双極性構造にすることを意味する。ここでの「有糸分裂紡錐体機能障害」は、有糸分裂の停止および単極性紡錐体の形成を意味する。
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンへの結合および/または有糸分裂キネシンの活性の調節に有用である。1つの実施態様において、有糸分裂キネシンは、(米国特許第6,284,480号、カラム5に記載されているような)有糸分裂キネシンのbimCサブファミリーのメンバーである。さらなる実施態様において、有糸分裂キネシンは、ヒトKSPであるが、他の生物からの有糸分裂キネシンの活性も、本発明の化合物によって調節することができる。この文脈における「調節する」は、紡錐体極分離を増加または減少させることにより有糸分裂紡錐体極の奇形を引き起こすこと、すなわち、有糸分裂紡錐体極を外に広げること、または有糸分裂紡錐体の形態学的混乱を別様に引き起こすことを意味する。これらのために、KSPの定義は、KSPの変異体および/またはフラグメントを包含する。加えて、他の有糸分裂キネシンを本発明の化合物によって阻害することができる。
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患を治療するために使用される。ここでの提供する方法および組成物によって治療することができる疾病状態には、癌(下でさらに論じる)、自己免疫疾患、関節炎、移植片拒絶反応、炎症性腸疾患、医療処置(手術、血管形成術、などを含むが、それらに限定されない)後に誘発される増殖が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、細胞が高または低増殖状態(異常状態)にないにもかかわらず、さらに治療を必要とすることがあることは、理解されるだろう。例えば、創傷治癒中、細胞は、「正常に」増殖され得るが、増殖の増進が望ましいこともある。同様に、上で論じたように、農業界では、細胞は「正常な」状態であり得るが、作物を強化するために、作物の成長を直接増進することによる、または作物に悪影響を及ぼす植物または生物の成長を抑制することによる増殖の調節が望まれることもある。従って、1つの実施態様において、ここでの本発明は、これらの疾患または状態のうちのいずれか1つに罹患しているか、結局罹患することによるだろう細胞または個体に対する適用を包含する。
ここに提供する化合物、組成物および方法は、特に、皮膚癌、乳癌、脳の癌、子宮頚癌、睾丸癌などの充実性腫瘍を含む癌の治療に有用であると思われる。特に、本発明の化合物、組成物および方法により治療することができる癌には、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原性肺癌(扁平上皮細胞癌、未分化小細胞癌、未分化大細胞癌、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖器管:腎臓(腺癌、ウィルム腫瘍[腎石灰沈着症]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性グリア芽細胞腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頸(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫]、顆粒膜−包膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫[胎児性横紋筋肉腫])、ファロピウス管(癌腫);血液系:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、脊髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、色素性形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎:神経芽細胞腫。従って、この用語「癌性細胞」は、上で特定した状態のいずれか1つに罹患している細胞を包含する。
本発明の化合物は、米国特許第6,284,480号に記載されているようにbimCキネシンサブグループの真菌類メンバーの活性を調節することによる抗真菌薬としても有用である。
本発明の化合物は、標準的な製薬学的実践に従って、医薬組成物中、単独でまたは好ましくは医薬適合性の担体、賦形剤もしくは希釈剤と併用で、哺乳動物、好ましくはヒトに投与することができる。本化合物は、経口投与または非経口投与(静脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、皮下経路、直腸内経路および局所経路の投与を含む)することができる。
本活性成分を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ローゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳剤、硬質もしくは軟質カプセルまたはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に適する形態であり得る。経口使用を目的とする組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野において公知のあらゆる方法に従って調製することができ、こうした組成物は、薬剤として洗練されている、味のよい製剤を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択された1つまたはそれ以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬適合性の賦形剤との混合物で活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤、例えば、微結晶性セルロース、ナトリウムクロスカルメロース、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドンまたはアラビアゴム;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。これらの錠剤は、被覆しなくてもよいし、または不快な味を隠蔽するために、もしくは胃腸管の中での崩壊および吸収を遅らせ、その結果、長期にわたる持続作用を提供するために、公知の手法により被覆してもよい。例えば、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性味隠蔽材料、またはエチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどの時間遅延材料を利用することができる。
経口用の調合物は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合する硬質ゼラチンカプセルとして、または活性成分をポリエチレングリコールなどの水溶性担体または油性媒体、例えば、ラッカセイ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合する軟質ゼラチンカプセルとして提供することもできる。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物で活性材料を含有する。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど)、またはエチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであり得る。水性懸濁液は、1つまたはそれ以上の保存薬、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の着香剤、およびスクロース、サッカリンまたはアスパルテームなどの1つまたはそれ以上の甘味剤を含有することもできる。
油性懸濁液は、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油に、または液体パラフィンなどの鉱物油に活性成分を懸濁させることにより調製することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。上に記載したものなどの甘味剤、および着香剤を添加して、味のよい経口製剤を生じることができる。これらの組成物は、ブチルヒドロキシアニソールまたはα−トコフェロールなどの酸化防止剤を添加することにより保存することができる。
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたはそれ以上の保存薬との混合物で活性成分を提供する。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤の例は、既に上で述べたものである。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤および着色剤が存在してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することにより保存することができる。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であることもできる。この油性相は、植物油、例えばオリーブ油またはラッカセイ油であってもよいし、鉱物油、例えば液体パラフィンであってもよいし、またはこれらの混合物であってもよい。適する乳化剤は、天然ホスファチド、例えば大豆レシチン、ならびに脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル、例えばモノオレイン酸ソルビタン、および前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。前記乳剤は、甘味剤、着香剤、保存薬および酸化防止剤も含有することができる。
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。こうした調合物は、粘滑剤、保存薬、着香剤、着色剤および酸化防止剤も含有することができる。
本医薬組成物は、無菌注射用水溶液の形態であることもできる。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張食塩液がある。
無菌注射用製剤は、活性成分が油性相に溶解している無菌注射用水中油型マイクロエマルジョンであることもできる。例えば、活性成分を、最初に大豆油とレシチンの混合物に溶解してもよい。次いで、この油性溶液を水とグリセロールの混合物に導入し、処理して、マイクロエマルジョンを形成する。
前記注射用溶液またはマイクロエマルジョンは、局所ボーラス注射により患者の血流に導入することができる。また、本化合物の循環濃度を一定に保つような方法で前記溶液またはマイクロエマルジョンを投与すると有利であろう。こうした一定濃度を保つために、持続性静脈送達装置を利用することができる。こうした装置の一例は、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈ポンプである。
本医薬組成物は、筋肉内投与および皮下投与のための無菌注射用水性または油性懸濁液の形態であることもできる。この懸濁液は、上で述べた適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って調合することができる。無菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で非経口投与に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液または懸濁液であり得る。加えて、無菌固定油が、溶媒または懸濁化媒体として従来利用されている。この目的には、合成モノまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用の製剤に使用できる。
式Iの化合物は、薬物を直腸内投与するための坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、このため直腸内で溶融して薬物を放出する適切な無刺激性賦形剤と薬物を混合物することにより調製することができる。こうした材料には、カカオ脂、グリセリンゼラチン、硬化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが挙げられる。
局所使用には、式Iの化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などが利用される(この適用のために、局所適用は、口内洗浄およびうがいを包含するものとする)。
本発明の化合物は、適する鼻腔内ビヒクルおよび送達装置の局所使用により、または通常の当業者によく公知の経皮パッチの形態を使用する経皮経路により、鼻腔内形態で投与することができる。経皮送達システムの形態で投与するために、この投薬量の投与は、勿論、この薬剤投与計画を通して間欠的ではなく継続的であるだろう。本発明の化合物は、カカオ脂、グリセリンゼラチン、硬化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルなどの基剤を使用して坐剤として送達することもできる。
本発明の組成物をヒト被験者に投与するとき、この日用量は、通常は処方する医師によって決定され、それは、一般に、個々の患者の年齢、体重、性別および応答、ならびにその患者の症状の重症度に従って変化する。
1つの例示的適用では、化合物の適量を、癌の治療を受けている哺乳動物に投与する。投与は、1日に体重のkgあたり約0.1mgから約60mgの間、好ましくは一日に体重のkgあたり約0.5mgから約40mgの間の量で行われる。
本化合物は、公知の治療薬および抗癌剤との併用でも有用である。例えば、本化合物は、公知の抗癌剤との併用で有用である。本開示化合物と他の抗癌剤または化学療法薬との併用は、本発明の範囲内である。こうした薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology、V.T.DevitaおよびS.Hellman編集、第6版(2001年2月15日)、Lippincott Williams & Wilkins Publishersにおいて見出すことができる。通常の当業者は、薬物の個々の性質および関係する癌を基に、薬物の併用が有用であることを識別することができるだろう。こうした抗癌剤には、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤、増殖抑制剤、プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤および他の血管形成抑制剤、細胞増殖および生存シグナリングの阻害剤、アポトーシス誘発剤、ならびに細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤。本化合物は、放射線療法とともに施すと、特に有用である。
1つの実施態様において、本化合物は、以下のものを含む公知の抗癌剤と併用でも有用である:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性剤、増殖抑制剤、プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、および他の血管形成抑制剤。
「エストロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、エストロゲンの受容体への結合に干渉するか、こうした結合を阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体モジュレータの例には、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、およびSH646が挙げられるが、これらに限定されない。
「アンドロゲン受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、アンドロゲンの受容体への結合に干渉するか、こうした結合を阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体モジュレータの例には、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、および酢酸アビラテロンが挙げられる。
「レチノイド受容体モジュレータ」は、メカニズムにかかわらず、レチノイドの受容体への結合に干渉するか、こうした結合を阻害する化合物を指す。こうしたレチノイド受容体モジュレータの例には、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド、およびN−4−カルボキシフェニルレチンアミドが挙げられる。
「細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤」は、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレータ、低酸素活性化性化合物、微小管抑制剤/微小管安定剤、有糸分裂キネシンの阻害剤、有糸分裂の進行に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗物質;成体応答調節物質;ホルモン性/抗ホルモン性治療薬、造血性成長因子、モノクローナル抗体を標的にした治療薬、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテオソーム阻害剤およびユビキチンリガーゼ阻害剤を含む、細胞の機能化に直接干渉することにより細胞死を生じさせるか主として細胞増殖を抑制する、または細胞有糸分裂を抑制するか、細胞有糸分裂に干渉する化合物を指す。
細胞毒性剤の例には、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモダルシトール、ラミムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、四塩化(トランス、トランス、トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]、ジアリジジニルスペルミン、三酸化砒素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アンルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(国際公開公報第00/50032号を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
低酸素活性化性化合物の一例は、チラパザミンである。
プロテアソーム阻害剤の例には、ラクタシスチンおよびボルテゾミブが挙げられるが、これらに限定されない。
微小管抑制剤/微小管安定剤の例には、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロピル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(例えば、米国特許第6,284,781号および同第6,288,237号を参照のこと)およびBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害剤の幾つかの例は、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルトテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’;6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、およびジメスナである。
有糸分裂キネシン、特にヒト有糸分裂キネシンKSPの阻害剤の例は、PCT国際公開公報第01/30768号、同第01/98278号、同第03/050,064号、同第03/050,122号、同第03/049,527号、同第03/049,679号、同第03/049,678号および同第03/39460号、ならびに係属中のPCT出願番号US03/06403(2003年3月4日出願)、同US03/15861(2003年5月19日出願)、同US03/15810(2003年5月19日出願)、同US03/18482(2003年6月12日出願)および同US03/18694(2003年6月12日出願)に記載されている。1つの実施態様において、有糸分裂キネシンの阻害剤には、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、Kif14の阻害剤、Mphosph1の阻害剤、およびRab6−KIFLの阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「有糸分裂の進行に関与するキナーゼの阻害剤」には、オーロラキナーゼの阻害剤、(PLK−1の特定の阻害剤の中では)Polo様キナーゼ(PLK)の阻害剤、bub−1の阻害剤およびbub−R1の阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
「増殖抑制剤」には、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001などのアンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、ならびにエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスフェート、ホステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナスシジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アナノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デキサロゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、および3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンなどの代謝拮抗物質が挙げられる。
モノクローナル抗体を標的にした治療薬の例には、癌細胞特異的または標的細胞特異的モノクローナル抗体に結合した細胞毒性剤または放射性同位元素を有する治療薬が挙げられる。例には、Bexxarが挙げられる。
「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼの阻害剤を指す。HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の例には、ロバスタチン(MEBACOR(登録商標);米国特許第4,231,938号、同第4,294,926号および同第4,319,039号を参照のこと)、シムバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許第4,444,784号、同第4,820,850号および同第4,916,239号を参照のこと)、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標);米国特許第4,346,227号、同第4,537,859号、同第4,410,629号、同第5,030,447号および同第5,180,589号を参照のこと)、フルバスタチン(LESCOL(登録商標);米国特許5,354,772号、同第4,911,165号、同第4,929,437号、同第5,189,164号、同第5,118,853号、同第5,290,946号および同第5,356,896号を参照のこと)、およびアトルバスタチン(LIPITOR(登録商標);米国特許第5,273,995号、同第4,681,893号、同第5,489,691号および同第5,342,952号を参照のこと)を挙げることができるが、これらに限定されない。本方法に使用することができるこれらおよび追加のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤の構造式は、M.Yalpani,「コレステロール低下剤(Cholesterol Lowering Drugs)」,Chemistry & Industry,85−89頁(1996年2月5日)の87頁ならびに米国特許第4,782,084号および同第4,885,314号に記載されている。ここで用いる用語「HMG−CoAレダクターゼ阻害剤」は、HMG−CoAレダクターゼ阻害活性を有する化合物のすべての医薬適合性のラクトンおよび開環酸形(すなわち、ラクトン環が開環されて遊離酸を形成している場合)ならびに塩およびエステル形を包含し、従って、こうした塩、エステル、開環酸およびラクトン形の使用は、本発明の範囲に包含される。
「プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤」は、ファルネシル−蛋白質転移酵素(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−蛋白質転移酵素I型(GGPTアーゼ−I)およびゲラニルゲラニル−蛋白質転移酵素II型(GGPTアーゼ−II、Rab GGPTアーゼとも呼ばれる)を含むプレニル−蛋白質転移酵素のいずれか1つまたはあらゆる組み合わせを阻害する化合物を指す。
プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤の例は、以下の公報および特許において見出すことができる:国際公開公報第WO96/30343号、同第WO97/18813号、同第WO97/21701号、同第WO97/23478号、同第WO97/38665号、同第WO98/28980号、同第WO98/29119号、同第WO95/32987号、米国特許第5,420,245号、同第5,523,430号、同第5,532,359号、同第5,510,510号、同第5,589,485号、同第5,602,098号、欧州特許第0618221号、同第0675112号、同第0604181号、同第0696593号、国際公開公報第WO94/19357号、同第WO95/08542号、同第WO95/11917号、同第WO95/12612号、同第WO95/12572号、同第WO95/10514号、米国特許第5,661,152号、国際公開公報第WO95/10515号、同第WO95/10516号、同第WO95/24612号、同第WO95/34535号、同第WO95/25086号、同第WO96/05529号、同第WO96/06138号、同第WO96/06193号、同第WO96/16443号、同第WO96/21701号、同第WO96/21456号、同第WO96/22278号、同第WO96/24611号、同第WO96/24612号、同第WO96/05168号、同第WO96/05169号、同第WO96/00736号、米国特許第5,571,792号、国際公開公報第WO96/17861号、同第WO96/33159号、同第WO96/34850号、同第WO96/34851号、同第WO96/30017号、同第WO96/30018号、同第WO96/30362号、同第WO96/30363号、同第WO96/31111号、同第WO96/31477号、同第WO96/31478号、同第WO96/31501号、同第WO97/00252号、同第WO97/03047号、同第WO97/03050号、同第WO97/04785号、同第WO97/02920号、同第WO97/17070号、同第WO97/23478号、同第WO97/26246号、同第WO97/30053号、同第WO97/44350号、同第WO98/02436号、および米国特許第5,532,359号。血管形成におけるプレニル−蛋白質転移酵素阻害剤の役割の例については、European J.of Cancer、35巻、9号、1394−1401頁(1999)を参照のこと。
「血管形成抑制剤」は、メカニズムにかかわらず、新しい血管の形成を抑制する化合物を指す。血管形成抑制剤の例には、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)およびFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤などのチロシンキナーゼ阻害剤、表皮由来、線維芽細胞由来または血小板由来成長因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸エステル、シクロオキシゲナーゼ阻害剤[アスピリンおよびイブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)ならびにセレコキシブおよびロフェコキシブのような選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(PNAS、89巻、7384頁(1992);JNCI、69巻、475頁(1982);Arch.Opthalmol.、108巻、573頁(1990);Anat.Rec.、238巻、68頁(1994);FEBS Letters、372巻、83頁(1995);Clin、Orthop.、313巻、76頁(1995);J.Mol.Endocrinol.、16巻、107頁(1996);Jpn.J.Pharmacol.、75巻、105頁(1997);Cancer Res.、57巻、1625頁(1997);Cell、93巻、705頁(1998);Intl.J.Mol.Med.、2巻、715頁(1998);J.Biol.Chem.、274巻、9116頁(1999))を含む]、ステロイド性抗炎症薬(コルチコステロイド、鉱質コルチコイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレド、ベタメタゾンなど)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンII拮抗薬(Fernandezら,J.Lab.Clin.Med.105:141−145(1985)を参照のこと)、およびVEGFに対する抗体(Nature Biotechnology、17巻、963−968頁(1999年10月);Kimら,Nature,362,841−844(1993);国際公開公報第00/44777号および同第00/61186号を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
血管形成を調節または抑制し、本発明の化合物と併用することもできる他の治療薬には、凝固およびフィブリン溶解系を調節または抑制する薬剤が挙げられる(Clin.Chem.La.Med.38:679−692(2000)における総説を参照のこと)。凝固およびフィブリン溶解経路を調節または阻害する薬剤の例には、ヘパリン(Thromb.Haemost.80:10−23(1998)を参照のこと)、低分子量ヘパリンおよびカルボキシペプチダーゼU阻害剤(活性トロンビン活性化性フィブリン溶解阻害剤[TAFIa]の阻害剤としても公知である。)(Thrombosis.Res.101:329−354(2001)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。TAFIa阻害剤は、PCT国際公開公報第03/013,526号および米国特許出願第60/349,925号(2002年1月18日出願)に記載されている。
「細胞サイクルチェックポイントに干渉する薬剤」は、細胞サイクルチェックポイントシグナルを変換し、これによって癌細胞をDNA損傷薬に感作させるプロテインキナーゼを阻害する化合物を指す。こうした薬剤には、ATR、ATM、Chk1およびChk2キナーゼならびにcdkおよびcdcキナーゼ阻害剤が挙げられ、具体的な例は、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)およびBMS−387032である。
「細胞増殖および生存シグナリング経路の阻害剤」は、細胞表面受容体、およびそれら表面受容体の下流のシグナル変換カスケードを阻害する製剤を指す。こうした薬剤には、EGFRの阻害剤(例えば、ゲフィチニブおよびエルロチニブ)、ERB−2の阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、IGFRの阻害剤、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3Kの阻害剤(例えば、LY294002)、セリン/トレオニンキナーゼの阻害剤(国際公開公報第02/083064号、同第02/083139号、同第02/083140号および同第02/083138号に記載されているようなAktの阻害剤が挙げられるが、それらに限定されない)、Rafキナーゼの阻害剤(例えば、BAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI−1040およびPD−098059)、およびmTORの阻害剤(例えば、Wyeth CCI−779)が挙げられる。こうした薬剤には、小分子阻害剤化合物および抗体拮抗薬も挙げられる。
「アポトーシス誘発剤」には、TNF受容体ファミリーのメンバー(TRAIL受容体を含む)のアクチベータが挙げられる。
本発明は、選択的COX−2阻害剤であるNSAIDとの併用も包含する。本明細書の意図として、COX−2の選択的阻害剤であるNSAIDは、細胞またはミクロソームアッセイにより評価されるCOX−1についてのIC50に対するCOX−2についてのIC50の比率により判断したとき、少なくとも100倍、COX−1よりCOX−2を阻害する特異性を有するものと定義する。こうした化合物には、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,861,419号、米国特許第6,001,843号、米国特許第6,020,343号、米国特許第5,409,944号、米国特許第5,436,265号、米国特許第5,536,752号、米国特許第5,550,142号、米国特許第5,604,260号、米国特許第5,698,584号、米国特許第5,710,140号、WO94/15932、米国特許第5,344,991号、米国特許第5,134,142号、米国特許第5,380,738号、米国特許第5,393,790号、米国特許第5,466,823号、米国特許第5,633,272号、および米国特許第5,932,598号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。これらはすべて、本明細書に参照により組込まれる。
本治療方法に特に有用であるCOX−2の阻害剤は、
3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;および
5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン:または
それらの医薬適合性の塩
である。
特異的COX−2阻害剤として記載されており、従って、本発明に有用である化合物には、パレコキシブ、CELEBREX(登録商標)およびBEXTRA(登録商標)、またはそれらの医薬適合性の塩が挙げられるが、これらに限定されない。
血管形成抑制剤の他の例には、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタノースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル]−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)、および3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)が挙げられるが、これらに限定されない。
上で用いられているような「インテグリン遮断薬」は、αβインテグリンへの生理学的リガンドの結合に選択的に拮抗する、前記結合を選択的に抑制するまたは妨げる化合物、αβインテグリンへの生理学的リガンドの結合に選択的に拮抗する、前記結合を選択的に抑制するまたは妨げる化合物、αβインテグリンとαβインテグリン両者への生理学的リガンドの結合に選択的に拮抗する、前記結合を選択的に抑制するまたは妨げる化合物、および毛細血管内皮細胞で発現された特定のインテグリン(複数を含む)の活性に拮抗する、前記活性を抑制するまたは妨げる化合物を指す。この用語は、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβおよびαβインテグリンの拮抗薬も指す。この用語は、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβおよびαβインテグリンのあらゆる組み合わせの拮抗薬も指す。
チロシンキナーゼ阻害剤の幾つかの具体的な例には、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、STI571、CEP2563、スルホン酸4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタン、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミンおよびEMD121974が挙げられる。
抗癌化合物以外の化合物との併用も、本方法に包含される。例えば、本特許請求化合物とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)作動薬およびPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)作動薬との併用は、一定の悪性疾患の治療に有用である。PPAR−γおよびPPAR−δは、核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γおよびδである。内皮細胞におけるPPAR−γの発現および血管形成への関与は、文献で報告されている(J.Cardiovasc.Pharmacol.1998;31:909−913;J.Biol.Chem.1999;274:9116−9121;Invest.Ophthalmol Vis.Sci.2000;41:2309−2317)。さらに最近では、PPAR−γ作動薬が、インビトロでVEGFに対する血管形成性応答を阻害することが証明された。マウスでは、マレイン酸トログリタゾンとマレイン塩酸ロシグリタゾンの両方が、網膜新生血管形成の発現を阻害する(Arch.Ophthamol.2001;119:709−717)。PPAR−γ作動薬およびPPAR−γ/α作動薬の例には、チアゾリジンジオン(DRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンなど)、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンズイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(米国特許出願第09/782,856号に開示されているもの)、および2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(米国特許出願第60/235,708号および同第60/244,697号に開示されているもの)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のもう1つの実施態様は、癌を治療するための本開示化合物と遺伝子療法との併用である。癌の治療に対する遺伝学的戦略の概要については、Hallら(Am J Hum Genet 61:785−789,1997)およびKufeら(Cancer Medicine,第5版,876−889頁,BC Decker,Hamilton 2000)を参照のこと。遺伝子療法は、何らかの腫瘍抑制遺伝子を送達するために使用することができる。こうした遺伝子の例には、組換えウイルス媒介遺伝子伝達により送達することができる、p53(例えば、米国特許第6,069,134号を参照のこと)、uPA/uPAR拮抗薬(「uPA/uPAR拮抗薬のアデノウイルス媒介送達は、マウスにおける血管形成依存性腫瘍成長および播種を抑制する(Adenovirus−Mediated Delivery of a uPA/uPAR Antagonist Suppresses Angiogenesis−Dependent Tumor Growth and Dissemination in Mice)」,Gene Therapy,1998年8月;5(8):1105−13)、およびインターフェロン・ガンマ(J Immunol 2000:164:217−222)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、固有多剤耐性(MDR)、特に、高レベルのトランスポーター蛋白質の発現を随伴するMDRの阻害剤と併用で投与することもできる。こうしたMDR阻害剤には、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853およびPSC833(バルスポダール)などのp−糖蛋白(P−gp)が挙げられる。
本発明の化合物は、本発明の化合物の単独での使用または放射線療法との併用の結果生じることがある急性、遅発性、晩期および先行嘔吐を含む悪心または嘔吐を治療するために制吐薬と併用することができる。嘔吐の予防または治療のために、本発明の化合物は、他の制吐薬、特に、ニューロキニン−1受容体拮抗薬;オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロンおよびザチセトロンなどの5HT3受容体拮抗薬;バクロフェンなどのGABAB受容体作動薬;Decadron(デキサメタゾン)、Kenalog、Aristocort、Nasalide、Preferid、Benecorten、または米国特許第2,789,118号、同第2,990,401号、同第3,048,581号、同第3,126,375号、同第3,929,768号、同第3,996,359号、同第3,928,326号および同第3,749,712号に開示されているような他のものなどのコルチコステロイド;フェノチアジン(例えば、プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジンおよびメソリダジン)、メトクロプラミドまたはドロナビノールなどの抗ドーパミン作動薬と併用することができる。1つの実施態様では、ニューロキニン−1受容体拮抗薬、5HT3受容体拮抗薬およびコルチコステロイドから選択される制吐薬が、本化合物の投与の結果生じることがある嘔吐の治療または予防のために、アジュバントとして投与される。
本発明の化合物との併用に有用なニューロキニン−1受容体拮抗薬は、例えば、米国特許第5,162,339号、同第5,232,929号、同第5,242,930号、同第5,373,003号、同第5,387,595号、同第5,459,270号、同第5,494,926号、同第5,496,833号、同第5,637,699号、同第5,719,147号;欧州特許第0360390号、同第0394989号、同第0428434号、同第0429366号、同第0430771号、同第0436334号、同第0443132号、同第0482539号、同第0498069号、同第0499313号、同第0512901号、同第0512902号、同第0514273号、同第0514274号、同第0514275号、同第0514276号、同第0515681号、同第0517589号、同第0520555号、同第0522808号、同第0528495号、同第0532456号、同第0533280号、同第0536817号、同第0545478号、同第0558156号、同第0577394号、同第0585913号、同第0590152号、同第0599538号、同第0610793号、同第0634402号、同第0686629号、同第0693489号、同第0694535号、同第0699655号、同第0699674号、同第0707006号、同第0708101号、同第0709375号、同第0709376号、同第0714891号、同第0723959号、同第0733632号および同第0776893号;PCT国際公開公報第WO90/05525号、同第WO90/05729号、同第WO91/09844号、同第WO91/18899号、同第WO92/01688号、同第WO92/06079号、同第WO92/12151号、同第WO92/15585号、同第WO92/17449号、同第WO92/20661号、同第WO92/20676号、同第WO92/21677号、同第WO92/22569号、同第WO93/00330号、同第WO93/00331号、同第WO93/01159号、同第WO93/01165号、同第WO93/01169号、同第WO93/01170号、同第WO93/06099号、同第WO93/09116号、同第WO93/10073号、同第WO93/14084号、同第WO93/14113号、同第WO93/18023号、同第WO93/19064号、同第WO93/21155号、同第WO93/21181号、同第WO93/23380号、同第WO93/24465号、同第WO94/00440号、同第WO94/01402号、同第WO94/02461号、同第WO94/02595号、同第WO94/03429号、同第WO94/03445号、同第WO94/04494号、同第WO94/04496号、同第WO94/05625号、同第WO94/07843号、同第WO94/08997号、同第WO94/10165号、同第WO94/10167号、同第WO94/10168号、同第WO94/10170号、同第WO94/11368号、同第WO94/13639号、同第WO94/13663号、同第WO94/14767号、同第WO94/15903号、同第WO94/19320号、同第WO94/19323号、同第WO94/20500号、同第WO94/26735号、同第WO94/26740号、同第WO94/29309号、同第WO95/02595号、同第WO95/04040号、同第WO95/04042号、同第WO95/06645号、同第WO95/07886号、同第WO95/07908号、同第WO95/08549号、同第WO95/11880号、同第WO95/14017号、同第WO95/15311号、同第WO95/16679号、同第WO95/17382号、同第WO95/18124号、同第WO95/18129号、同第WO95/19344号、同第WO95/20575号、同第WO95/21819号、同第WO95/22525号、同第WO95/23798号、同第WO95/26338号、同第WO95/28418号、同第WO95/30674号、同第WO95/30687号、同第WO95/33744号、同第WO96/05181号、同第WO96/05193号、同第WO96/05203号、同第WO96/06094号、同第WO96/07649号、同第WO96/10562号、同第WO96/16939号、同第WO96/18643号、同第WO96/20197号、同第WO96/21661号、同第WO96/29304号、同第WO96/29317号、同第WO96/29326号、同第WO96/29328号、同第WO96/31214号、同第WO96/32385号、同第WO96/37489号、同第WO97/01553号、同第WO97/01554号、同第WO97/03066号、同第WO97/08144号、同第WO97/14671号、同第WO97/17362号、同第WO97/18206号、同第WO97/19084号、同第WO97/19942号および同第WO97/21702号;および英国特許第2266529号、同第2268931号、2269170号、同第2269590号、同第2271774号、同第2292144号、同第2293168号、同第2293169号、および同第2302689号に充分に記載されている。こうした化合物の調製は、上述の特許および公報に充分記載されている。これらの特許および公報は、本明細書に参照により組込まれる。
1つの実施態様において、本発明の化合物と併用するためのニューロキニン−1受容体拮抗薬は、米国特許第5,719,147号に記載されている2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリンまたはその医薬適合性の塩から選択される。
本発明の化合物は、貧血の治療に有用な薬剤とともに投与することもできる。こうした貧血治療薬は、例えば、赤血球生産受容体持続刺激薬(エポエチンアルファなど)である。
本発明の化合物は、好中球減少症の治療に有用な薬剤とともに投与することもできる。こうした好中球減少症治療薬は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の生産および機能を調節する造血細胞成長因子である。G−CSFの例には、フィルグラスチムが挙げられる。
本発明の化合物は、レバミソール、イソプリノシンおよびZadaxinなどの免疫強化薬とともに投与することもできる。
このように、本発明の範囲は、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤、増殖抑制剤、プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成抑制剤、PPAR−γ作動薬、PPAR−δ作動薬、固有多剤耐性の抑制剤、制吐薬、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫強化薬、細胞増殖および生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤ならびにアポトーシス誘発剤から選択される第二化合物と本特許請求化合物との併用を包含する。
本発明の化合物に関して、用語「投与」およびその変形(例えば、化合物を「投与すること」)は、この必要がある哺乳動物の系に本化合物または本化合物のプロドラッグを導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグを1つまたはそれ以上の他の活性薬剤(例えば、細胞毒性剤など)と併用で与えるとき、「投与」およびその変形は、各々、本化合物またはそのプロドラッグおよび他の薬剤の同時および逐次的導入を包含するものと理解される。
ここで用いる用語「組成物」は、指定された成分を指定された量で含む製品、ならびに指定された成分を指定された量で組合せることによって直接または間接的に得られるあらゆる製品を包含するものと解釈する。
ここで用いる用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家によって探求される、組織、系、動物またはヒトにおいて生物学的または医学的応答を惹起する活性化合物または製剤の量を意味する。
用語「癌を治療すること」または「癌の治療」は、癌性状態に罹患している哺乳動物への投与を指し、また、癌性細胞を殺すことによりこの癌性状態を緩和する作用を指すが、結果的に癌の成長および/または転移を阻害する作用も指す。
1つの実施態様において、前記第二化合物として使用することができる血管形成抑制剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、表皮由来成長因子の阻害剤、線維芽細胞由来成長因子の阻害剤、血小板由来成長因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸エステル、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、またはVEGFに対する抗体から選択される。1つの実施態様において、前記エストロゲン受容体モジュレータは、タモキシフェンまたはラロキシフェンである。
放射線療法と併用で、ならびに/またはエストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤、増殖抑制剤、プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成抑制剤、PPAR−γ作動薬、PPAR−δ作動薬、固有多剤耐性の抑制剤、制吐薬、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫強化薬、細胞増殖および生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤ならびにアポトーシス誘発剤から選択される化合物と併用で、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む癌の治療方法も、本特許請求の範囲に包含される。
また、本発明のさらにもう1つの実施態様は、式Iの化合物の治療有効量をパクリタキセルまたはトラスツズマブと併用で投与することを含む癌の治療方法である。
本発明は、式Iの化合物の治療有効量をCOX−2阻害剤と併用で投与することを含む癌の治療または予防方法をさらに包含する。
本発明は、式Iの化合物の治療有効量と、エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性剤/細胞増殖抑制剤、増殖抑制剤、プレニル−蛋白質転移酵素阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管形成抑制剤、PPAR−γ作動薬、PPAR−δ作動薬、細胞増殖および生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤ならびにアポトーシス誘発剤から選択される化合物とを含む、癌の治療または予防に有用な医薬組成物も包含する。
本発明は、KSPに結合する他の化合物をスクリーニングする方法における本化合物の使用をさらに包含する。KSPキネシンに結合する化合物のスクリーニング方法において本発明の化合物を利用するには、KSPを支持体に結合させ、それから本発明の化合物(有糸分裂剤である)をこのアッセイに加える。また、本発明の化合物を支持体に結合させ、それからKSPを加える。新規結合剤を探索することができる種類の化合物には、特異的抗体、ケミカルライブラリのスクリーニングで同定された人工結合剤、ペプチド類似体などが挙げられる。ヒト細胞に対する毒性が低い候補薬についてのスクリーニングアッセイには特に関心が集まっている。このために、標識インビトロ蛋白質−蛋白質結合測定法、電気泳動移動度推移分析法、蛋白質結合の免疫学的検定法、官能基分析法(リン酸化検定法など)などを含む多種多様なアッセイを使用することができる。
KSPへの有糸分裂剤の結合の判定は、数多くの方法で行うことができる。特に好ましい実施態様では、有糸分裂剤(本発明の化合物)を例えば蛍光または放射性部分で標識し、結合を直接判定する。例えば、これは、固体支持体にKSPの全部または一部を結合させて、標識した有糸分裂剤(例えば、少なくとも1つの原子が検出可能な同位体によって置換されている本発明の化合物)を添加し、過剰な試薬を洗い落として、標識量がこの固体支持体上に存在するか否かを判定することにより行うことができる。当該技術分野において公知であるような様々なブロッキング段階および洗浄段階を用いることができる。
ここにおける「標識されている」とは、化合物が、検出可能なシグナル、例えば、放射性同位元素、蛍光標識、酵素、抗体、磁性粒子などの粒子、化学発光標識、または特異的結合分子などを生じる標識で直接または間接的に標識されていることを意味する。特異的結合分子には、ビオチンとストレプタビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどのペアが挙げられる。特異的結合メンバーについては、上で概説した公知の手順に従って、検出のために提供される分子で相補的メンバーを正常に標識することになる。この標識が、検出可能なシグナルを直接または間接的に生じることができるのである。
ある実施態様では、成分のうちの1つだけを標識する。例えば、キネシン蛋白質は、125Iを使用してチロシン位を標識してもよいし、蛍光体で標識してもよい。また、2つ以上の成分を異なる標識で標識することができる。例えば、蛋白質には125Iを使用し、有糸分裂剤には蛍光体を使用して標識することができる。
本発明の化合物を競合剤として使用して、さらなる候補薬をスクリーニングすることができる。ここで用いる「生物活性候補薬」もしくは「候補薬」または文法的同義語は、生物活性について試験されるあらゆる分子、例えば、蛋白質、オリゴペプチド、小さな有機分子、多糖類、ポリヌクレオチドなどを表す。それらは、細胞増殖の表現型、または核酸配列と蛋白質配列の両方を含む細胞増殖配列の発現を直接または間接的に変化させることができるものであり得る。他の場合には、細胞増殖蛋白質の結合および/または活性の変化をスクリーニングする。この種のスクリーニングは、微小管が存在する状態で行われることもあるし、または不在の状態で行われることもある。蛋白質の結合また活性をスクリーニングする場合、特定の蛋白質、例えば、微小管などの高分子構造、およびATPなどのエネルギー源に結合することが既にわかっている分子は、好ましい実施態様には含まれない。本明細書におけるアッセイの好ましい実施態様には、本明細書において「外因性」薬剤と呼ぶ、この内因性の自然な状態の細胞増殖蛋白質には結合しない候補薬が含まれる。もう1つの好ましい実施態様では、さらに、KSPに対する抗体が外因性薬剤に含まれない。
候補薬は、非常に多数の化学種を包含し得るが、一般には有機分子、好ましくは分子量が100ダルトンより大きく、2,500ダルトン未満の小さな有機化合物である。候補薬は、蛋白質との構造的相互作用、特に、水素結合および親油結合に必要な官能基を含み、一般には少なくとも1つのアミン、カルボニル、ヒドロキシル、エーテルまたはカルボキシル基、好ましくは、少なくとも2つの官能基を含む。多くの場合、候補薬は、1つまたはそれ以上の上記官能基で置換されている環状炭素または複素環式構造および/または芳香族もしくは多芳香族構造を含む。候補薬は、生体分子の中にも見いだされ、こうした生体分子には、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体またはそれらの組み合わせが挙げられる。ペプチドが、特に好ましい。
候補薬は、合成および天然化合物のライブラリを含む多種多様な供給源から得ることができる。例えば、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現を含む非常に多数の手段を、多種多様な有機化合物および生体分子のランダムおよび指向性合成に利用することができる。また、細菌、真菌、植物および動物のエキスの形態の天然化合物のライブラリを利用でき、または容易に生産することができる。さらに、天然または合成生産ライブラリおよび化合物は、通常の化学的、物理的および生化学的手段により容易に修飾される。既知の薬剤を、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの指向性またはランダムな化学修飾に付して、構造類似体を生産することができる。
競合スクリーニングアッセイは、第一サンプルでKSPと候補薬を併用することにより行うことができる。第二サンプルは、有糸分裂剤、KSPおよび候補薬を含む。これは、微小管が存在する状態で行ってもよいし、不在の状態で行ってもよい。候補薬物の結合を両方の薬物について判定して、この2つのサンプル間の結合の変化、すなわち相違が、KSPへの結合が可能であり、この活性をモジュレートする可能性を秘めている薬剤の存在を示す。すなわち、第二サンプルにおけるこの候補薬の結合が、第一サンプルとは異なる場合、この候補薬は、KSPに結合することができる。
1つの実施態様では、候補薬の結合は、競合結合アッセイの使用により判定される。この実施態様において、競合剤は、抗体、ペプチド、結合パートナー、配位子などのKSPに結合することがわかっている結合部分である。一定の状況下では、候補薬とその結合部分の間などに競合的結合があり、この結合部分がこの候補薬に置き換わることもある。
もう1つの実施態様では、候補薬を標識する。先ず、候補薬もしくは競合剤またはそれら両方を、存在する場合にはこの結合を可能ならしめるに足る時間、KSPに付加させる。最適な活性を促進するあらゆる温度、一般には約4℃と約40℃の間の温度で、インキュベーションを行ってもよい。
最適な活性のためにインキュベーション時間を選択するが、高速高処理能スクリーニングを助長するようにインキュベーション時間を最適化してもよい。一般には、0.1時間と1時間の間で充分であろう。過剰な試薬は、一般には除去するか、洗い流す。次に、第二成分を添加し、標識成分の存在または不在を追跡して、結合を指摘する。
もう1つの実施態様では、競合剤を先ず添加し、次いで、候補薬を添加する。競合剤の置換は、この候補薬がKSPに結合していること、従って、この候補薬が、KSPに結合することができ、KSPの活性をモジュレートする可能性を秘めていることの指標である。この実施態様では、いずれの成分を標識してもよい。従って、例えば、競合剤を標識する場合、洗浄溶液中の標識の存在が、この薬剤による置換を示す。また、候補薬を標識する場合、支持体上の標識の存在が、置換を示す。
別の実施態様では、候補薬を先ず添加し、インキュベーションして、洗浄し、続いて、競合剤を添加する。競合剤による結合の不在は、この候補薬が、より高い親和性でKSPに結合することを示す。従って、候補薬を標識した場合、競合剤の結合がないことと併せて支持体上の標識の存在により、この候補薬がKSPに結合できることが示されると言える。
KSPの結合部位を特定することは、価値あることと言える。これは、様々な方法で行うことができる。1つの実施態様では、KSPが有糸分裂剤に結合していると確認されたら、KSPをフラグメント化するか、修飾し、アッセイを繰り返して、結合に必要な成分を特定する。
調節は、上記のとおり候補薬をKSPと併せる段階およびKSPの生物学的活性の変化を測定する段階を含む、KSPの活性を調節することができる候補薬についてのスクリーニングによって検定する。従って、この実施態様において、候補薬は、KSPに結合すること(とは言え、これは必要でないこともある)と、本明細書で定義するような生物学的または生化学的活性を変化させることの両方をなすものでなければならない。本方法は、一般に上で概説したような、細胞周期分布の変化、細胞生存率の変化について、または有糸分裂紡錐体の存在、形態、活性、分布もしくは量について、細胞をインビトロでスクリーニングする方法とインビボでスクリーニング方法の両方を包含する。
また、分別スクリーニングを使用して、天然KSPには結合するが、修飾されたKSPには結合できない候補薬を特定することができる。
アッセイには陽性対照および陰性対照を使用することができる。統計学的に有意な結果を得るためには、好ましくはすべての対照および試験サンプルについて少なくとも三回一組で行う。すべてのサンプルを、この薬剤が蛋白質に結合するために充分な時間、インキュベートする。インキュベーション後、すべてのサンプルを洗浄して、非特異的結合材料をなくし、結合している、一般には標識された薬剤の量を測定する。例えば、放射性標識を利用する場合、サンプルをシンチレーションカウンタでカウントして、結合している化合物の量を決定する。
様々な他の薬剤をスクリーングアッセイに含めることができる。これらには、最適な蛋白質−蛋白質結合の促進および/または非特異的またはバックグラウンド相互作用の低下のために使用することができる、塩、中性蛋白質、例えばアルブミン、界面活性剤などのような薬剤が挙げられる。プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤などの、このアッセイの有効性を別様に改善する試薬も使用することができる。成分の混合物は、必要な結合が生じるあらゆる順番で添加することができる。
本発明のこれらおよび他の側面は、本明細書にある教示から明らかとなろう。
特定されているすべての特許、公報および係属出願は、本明細書に参照により組込まれる。
後続の化学の説明および実施例において用いられている略記は、次のとおりである:
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DTT ジチオスレイトール
EtOAc 酢酸エチル
NaHMDS ナトリウムビストリメチルシリルアミド
PMSF フェニルメチルスルホニルフッ化物
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸。
アッセイ
実施例に記載されている本発明の化合物を下記のアッセイにより試験して、キネシン阻害活性を有することが判明した。他のアッセイは、文献で知られており、当業者は、それらを容易に行うことができよう(例えば、PCT国際公開公報第01/30768号、2001年5月3日、18〜22頁を参照のこと)。
1.キネシンATPアーゼインビトロアッセイ
ヒトポリ−ヒスチジン標識KSPモータードメイン(KSP(367H))のクローニングおよび発現
pBluescript完全長ヒトKSP構成体(Blangyら,Cell,83巻,1159−1169頁,1995)をテンプレートとして使用するPCRにより、ヒトKSPモータードメイン構成体を発現するためのプラスミドをクローニングした。このN末端プライマー5’−
Figure 0004590270
およびC末端プライマー
Figure 0004590270
を使用して、モータードメインおよびネックリンカー領域を増幅した。このPCR産物をAseIおよびXhoIで消化して、pRSETaのNdeI/XhoI消化産物(Invitorogen)にライゲートし、形質転換させてE.coli BL21(DE3)にした。
OD600が0.5になるまで37℃細胞を成長させた。この培養物を室温に冷却した後、100μMのIPTGでKSPの発現を誘発し、一晩インキュベーションを継続した。遠心分離によって細胞をペレットにして、氷冷PBSで一回洗浄した。ペレットを急速冷凍し、−80℃で保管した。
蛋白質の精製
細胞ペレットを氷の上で解凍し、溶解バッファ(50mM K−HEPES(pH8.0)、250mM KCl、0.1%Tween、10mMイミダゾール、0.5mM Mg−ATP、1mM PMSF、2mMベンズイミジン、1x完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche))に再び懸濁させた。細胞懸濁液を1mg/mLのリゾチームおよび5mMのβ−メルカプトエタノールとともに氷上で10分間インキュベートし、次いで、超音波処理をした(3x30秒)。続く手順はすべて、4℃で行った。溶解産物を40,000xgで40分間、遠心分離した。上清を希釈して、バッファA(50mM K−HEPES、pH6.8)、1mM MgCl、1mM EGTA、10μM Mg−ATP、1mM DTT)中、SPセファロースカラム(Pharmacia、5mLカートリッジ)に装入し、バッファA中、0から750mMのKClの勾配で溶離した。KSPを含有する画分をプールし、Ni−NTA樹脂(Qiagen)とともに一時間インキュベートした。この樹脂をバッファB(PMSFおよびプロテアーゼ阻害剤カクテルをマイナスした溶解バッファ)で三回洗浄し、続いて、15分インキュベートして、バッファBで洗浄した。最後に、この樹脂をインキュベートし、15分間、バッファC(pH6.0であること以外はバッファBと同じもの)で三回洗浄して、カラムに注入した。KSPを溶離バッファ(KClが150mMで、イミダゾールが250mMであること以外はバッファBと同一のもの)で溶離した。KSP含有画分をプールし、スクロース中10%にして、−80℃で保管した。
ウシの脳から単離したチューブリンから微小管を用意する。1mg/mLの精製したチューブリン(>97%。MAP非含有)を、BRB80バッファ(80mMK−PIPES、1mM EGTA、1mM MgCl、pH6.8のもの)中、10μM パクリタキセル、1mM DTT、1mM GTPの存在下、37℃で重合する。得られた微小管を、超遠心分離して、上清を除去することにより、非重合チューブリンと分離する。微小管を含有するペレットを、BRB80中、10μMのパクリタキセル、1mMのDTT、50μg/mLのアンピシリンおよび5μg/mLのクロロラムフェニコールに穏やかに再懸濁させる。
80mMのK−HEPES(pH7.0)、1mMのEGTA、1mMのDTT、1mMのMgClおよび50mMのKClを含有するバッファ中、23℃で、キネシンモータードメインを微小管、1mMのATP(1:1 MgCl:Na−ATP)および化合物とともにインキュベートする。80mM HEPESおよび50mM EDTAの最終バッファ組成物での2から10倍希釈により、この反応を停止させる。2:1の比率のクエンチA:クエンチBを含有する150μLのクエンチCバッファを添加することによるキナルジンレッド/モリブデン酸アンモニウムアッセイにより、ATP加水分解反応からの遊離リン酸塩を測定する。クエンチAは、0.1mg/mLのキナルジンレッドおよび0.14%のポリビニルアルコールを含有し、クエンチBは、1.15Mの硫酸中、12.3mMのモリブデン酸アンモニウム・四水和物を含有する。この反応物を10分間、23℃でインキュベートし、リン酸塩−モリブデン酸塩複合体の吸収を540nmで測定する。
実施例に示す化合物(1−7から1−9、2−2および3−3)を上記アッセイで試験し、IC50 15μMを有することが判明した。
II.細胞増殖アッセイ
細胞を、96ウエル組織培養皿に、24、48および72時間の経過に伴う対数成長を可能ならしめる密度でプレーティングし、一晩付着させる。翌日、10点、1/2 log滴定ですべてのプレートに化合物を添加する。各滴定系列は、三回一組で行い、このアッセイを通して一定のDMSO濃度0.1%を維持する。0.1%DMSOのみの対照も含める。血清非含有培地で各化合物の希釈系列を作る。このアッセイにおける最終血清濃度は、培地量200μL中5%である。薬物添加の24、48および72時間後に、滴定プレート上の各サンプルおよび対照ウエルに、20μLのAlamarブルー染色試薬を添加し、37℃でのインキュベーションに戻す。6から12時間後、Almarブルーの蛍光を、励起波長530から560nm、放射波長590nmを用い、CytoFlour IIプレートリーダーで分析する。
x軸に化合物濃度をプロットし、y軸に各滴定点についての平均細胞成長阻害率をプロットすることにより、細胞毒性EC50を導出する。ビヒクルのみで処理した対照ウエル内の細胞の成長をこのアッセイの100%成長と定義し、化合物で処理した細胞の成長をこの値と比較する。所有権を有する社内ソフトウエアを使用して、4パラメータ算定曲線への当てはめにより細胞毒性率の値および屈曲点を計算する。細胞毒性率は、次のとおり定義する:
毒性%:(蛍光対照)−(蛍光サンプル)x100x(蛍光対照−1
変曲点は、細胞毒性EC50として報告される。
III.FACSによる有糸分裂停止およびアポトーシスの評価
FACS分析を用いて、処理した細胞集団中のDNA含量を測定することにより、細胞の有糸分裂を停止させる、およびアポトーシスを誘導する化合物の能力を評価する。6cmの組織培養皿あたり細胞数1.4x10の密度で細胞を播種し、一晩放置して付着させる。次に、細胞をビヒクル(0.1%DMSO)または滴定系列の化合物で8から16時間処理する。処理後、示した時点でトリプシン処理することによって細胞を回収し、遠心分離によってペレットにする。細胞ペレットをPBSですすぎ、70%エタノールで固定して、4℃で一晩以上保管する。
FACS分析のために、少なくとも500,000の固定細胞をペレットにし、70%エタノールを吸引により除去する。次いで、細胞を30分間、4℃でRNアーゼ A(50 Kunitz単位/mL)およびヨウ化プロピジウム(50μg/mL)とともにインキュベートし、Becton Dickinson FACS Caliberを使用して分析する。(10,000の細胞からの)データを、Modfit細胞周期分析モデリングソフトウエア(Verity Inc.)を使用して分析する。
有糸分裂停止についてのEC50は、x軸に化合物濃度をプロットし、y軸に(ヨウ化プロピジウムの蛍光により測定した場合の)各滴定点についての細胞周期のG2/M相における細胞のパーセンテージをプロットすることにより導出する。SigmaPlotプログラムを使用して、4パラメータ算出曲線への当てはめにより屈曲点を計算することにより、データ分析を行う。屈曲点は、有糸分裂停止についてのEC50として報告される。同様の方法を使用して、アポトーシスについての化合物のEC50を決定する。ここで、(ヨウ化プロピジウムの蛍光により測定した場合の)各滴定点でのアポトーシス細胞のパーセンテージをy軸にプロットして、同様の分析を上に記載したようにして行う。
IV.単極性紡錐体を検出するための免疫蛍光顕微鏡検査
DNA、チューブリンおよびペリセントリンを免疫蛍光染色するための方法は、本質的にはKapoorら(2000)J.Cell Biol.150:975−988に記載されているとおりである。細胞培養試験のために、組織培養処理済のチャンバ付スライドガラスに細胞をプレーティングし、一晩付着させる。次いで、細胞を関心のある細胞とともに4から16時間インキュベートする。インキュベーションが完了したら、培地および薬物を吸引除去し、このチャンバおよびガスケットをスライドガラスから取り除く。次いで、上記参考文献のプロトコルに従って、細胞を透過性にし、固定して、洗浄し、非特異的抗体結合をブロックする。パラフィン包埋腫瘍切片をキシレンで脱パラフィン化し、エタノール系列によって再び水和した後、ブロックする。スライドガラスを、一次抗体(マウスモノクローナル抗αチューブリン抗体、1:500希釈したSigmaからのクローンDM1A;1:2000希釈したCovanceからのウサギポリクローナル抗ペリセントリン抗体)中、4℃で一晩インキュベートする。洗浄後、スライドガラスを、15μg/mLに希釈した接合二次抗体(チューブリンについては、FITC接合ロバ抗マウスIgG;ペリセントリンについては、Texas red接合ロバ抗ウサギIgG)とともに、1時間、室温でインキュベートする。次いで、スライドガラスを洗浄し、Hoechst33342で対比染色して、DNAを視覚化する。Metamorph逆重畳積分およびイメージングソフトウエアを使用し、Nikon エピ蛍光顕微鏡を用いて、免疫染色サンプルを100倍油浸対物レンズで画像化する。
提供する実施例は、本発明のさらなる理解を助けるためのものである。使用されている特定の材料、ならびに種および条件は、本発明を説明するためのものであり、本発明の妥当な範囲を制限するためのものではない。
Figure 0004590270
4−オキソ−2−フェニル−3,4−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−2)
−20℃で無水THF中の4−メトキシピリジン(1−1、0.7g、6.4mmol)を臭化3−メトキシフェニルマグネシウム(14.1mL、7.0mmol)およびクロロギ酸ベンジル(1.09g、6.4mmol)で処理し、−20℃で4時間攪拌した。この反応物を1NのHClに注入し、10分間攪拌した。この反応混合物をEtO(50mL)で抽出して、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。この有機抽出物をろ過して、減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、0から50% EtOAc−ヘキサンの傾斜)により精製して、4−オキソ−2−フェニル−3,4−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−2)を得た。MS 実測値338.1、要求値338.4(M+1+)。
Figure 0004590270
6−(3−メトキシフェニル)−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−3)
4−オキソ−2−フェニル−3,4−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−2、1.0g、3.0mmol)を無水THF(10mL)に溶解し、−78℃に冷却した。得られた溶液をL−セレクトライド(3.1mL、3.1mmol)で処理し、10℃で一晩攪拌した。この反応物を再び−78℃に冷却し、ニートのComins試薬(1.22g、3.1mmol)で処理して、1時間−78℃で攪拌した。反応物を放置して25℃に温め、EtO(40mL)で希釈した。この反応物を水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、有機層を分離して、乾燥させた(MgSO)。減圧下で濃縮した後、この粗製油を次のスズキカップリングに直接付した。H NMR(300MHz、CDCl)δ7.37(m、5H)、7.24(m、1H)、6.84(m、3H)、5.9(m、2H)、5.19(dd、J=12.1、11.4Hz、2H)、4.22(m、1H)、3.73(s、3H)、3.07(ddd、J=13.7、11.6、4.3Hz、1H)、2.71(m、1H)、2.32(dd、J=16.0、0.5Hz、1H);MS 実測値471.9 要求値472.5(M+H+)。
Figure 0004590270
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−4)
4:1のDME(エチレングリコールジメチルエーテル)/HO(1mL)中の6−(3−メトキシフェニル)−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−3、54mg、0.11mmol)を、2,5−ジフルオロボロン酸(45mg、0.28mmol)、炭酸ナトリウム(36mg、0.34mmol)、塩化リチウム(15mg、0.34mmol)およびPd(PPh(6mg、0.006mmol)で処理し、N下、90℃で1時間攪拌した。反応物をEtO(10mL)で希釈し、5%NaHCO(水溶液)およびブラインで洗浄して、MgSOで乾燥させた。この有機抽出物を濾過し、減圧下で濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、0から50% EtOAc−ヘキサンの傾斜)により精製して、4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−4)を得た。MS 実測値436.1 要求値436.5(M+H+)。
Figure 0004590270
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−5)
攪拌棒を装備したフラスコに4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボン酸ベンジル(1−4、0.51g、1.17mmol)およびジクロロメタン(20mL)を添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、BBr(0.15mL,1.17mmol)で処理した。この反応物を0℃で4時間攪拌し、次いで、23℃に温めた。完了したら、反応物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、水(3x100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。この粗製生成物を後続のアシル化に持ち込んだ。
Figure 0004590270
1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−6)
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−5、0.6g、0.19mmol)が入っている攪拌棒装備フラスコに、ジクロロメタン(15mL)を添加し、続いてTEA(0.14mL、0.19mmol)、無水酢酸(0.06mL、0.59mmol)を順次添加した。得られた溶液を10分間攪拌した。水を添加し(2mL)、次いで、この反応物をジクロロメタン(2x30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで洗浄し、濾過して、減圧下で濃縮した。この粗製残留物を逆相液体クロマトグラフィー(0.1%TFA)によって精製して、1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−6)を得た。H NMR(300MHz、CDCl)δ7.26(m、1H)、6.96(m、4H)、6.82(m、1H);6.36(m、1H)、6.20(m、1H)、3.82(s、3H)、3.80(m、2H);3.40(dt、J=11.9、4.2Hz、1H);2.74(m、1H);2.42(dd、J=16.0、1.0Hz、1H)、2.20(s、3H);MS 実測値344.1、要求値343.3(M+H+)。
Figure 0004590270
3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール(1−7)
1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−6、20mg、0.06mmol)をCHCl(1mL)に溶解し、BBr(0.58mL、CHCl中1M、0.6mmol)で処理した。この反応物を、反応が完了するまで、6時間、25℃で攪拌した。この反応溶液を5% NHCl(水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させて、濾過した。減圧下で濃縮した後、この粗製物を逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN/HO/0.1%TFAの傾斜)によって精製して、3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール(1−7)を得た。δ7.26(m、2H)、6.96(m、5H)、6.38(s、1H);6.15(m、1H)、3.79(dd、J=13.7、4.9Hz、lH)、3.42(dt、J=11.0、3.7Hz、1H);2.75(m、1H);2.42(dd、J=16.0、1.0Hz、1H)、2.21(s、3H);MS 実測値330.0、要求値330.4(M+H+)。
この表中の化合物は、上記手順によって製造した:
Figure 0004590270
Figure 0004590270
Figure 0004590270
(1S)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]−1−イソプロピル−2−オキソプロピルカルバミン酸t−ブチル(2−1)
窒素下で4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(1−5、0.06g、0.19mmol)が入っている攪拌棒装備フラスコに、DMF(10mL)を添加し、続いてN−(t−ブトキシカルボニル)−L−バリン(0.08g、0.39mmol)、TEA(0.14mL、0.99mmol)、およびPyBop(ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム)(0.20g、0.39mmol)を順次添加した。得られた溶液を23℃で72時間攪拌した。完了したら、反応物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、塩化ナトリウム水溶液(3x50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。この粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、0から30% EtOAc/ヘキサンの傾斜)により精製して、(1S)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]−1−イソプロピル−2−オキソプロピルカルバミン酸t−ブチル(2−1)を得た。MS 実測値445.0、要求値445.5(MH−C(CH))。
N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド(2−2)
(1S)−3−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]−1−イソプロピル−2−オキソプロピルカルバミン酸t−ブチル(2−1、0.09g、0.18mmol)が入っている攪拌棒装備フラスコに、ジクロロメタン(10mL)を添加した。次いで、TFA(2.0mL)を添加し、得られた溶液を2時間攪拌させておいた。完了したら、反応物を減圧下で濃縮した。残留物にジクロロメタン(10mL)を添加し、続いてBBr(0.59mL、1.8mmol)を添加した。得られた溶液を23℃で24時間攪拌させておいた。この反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、0から50% EtOAc/ヘキサンの傾斜)により精製して、N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド(2−2)を得た。H NMR(300MHz、CDCl)δ8.36(brs、2H)、7.18(m、2H)、6.86(m、5H)、6.39および5.41(s、1H)、5.93(m、2H)、4.42(m、2H)、3.60(m、3H)、1.14および0.96(d、J=6.7Hz、3H)、1.10および0.83(d、J=6.7Hz、3H);MS 実測値387.1、要求値387.4(M+H+)。
Figure 0004590270
ヨウ化1−{[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル]カルボニル}−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム(3−2)
無水THF中の(3−1、0.4g、1.4mmol)に、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)(0.27g、1.67mmol)を添加し、この反応物を3時間還流させた。完了したら、反応物を濃縮し、CHCl(30mL)に吸収させて、HO(2x20mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過して、濃縮した。逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN/HO/0.1%TFA)による精製が必要であった。次いで、この単離尿素をCHCNに溶解し、MeI(3.9g、27mmol)で処理して、25℃で一晩攪拌した。次いで、この反応物を濃縮して、粗製(3−2)を得た。MS 実測値396.4、要求値396.4(M)。
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−[2−メチル−3−(メチルアミノ)プロピル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド(3−3)
CHCl(1mL)中の3−2(25mg、0.05mmol)の粗製溶液にEtN(0.02mL、0.14mmol)およびアミン(11mg、0.09mmol)を添加し、この反応物を一晩攪拌した。この反応物を簡単に濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN/HO/0.1%TFAの傾斜)による精製を行った。H NMR(300MHz、CDCl)回転異性体δ7.30−6.80(m、7H)、6.10(s、1H),5.58(br s,1H),4.08(m,1H),3.58(m,2H),3.46(s,3H),3.30(m,1H),2.90(m,2H),2.58(m,2H),2.38(s,3H),1.90(s,3H),1.00(m,1H);MS 実測値430.4、要求値430.5(M+H)。
以下の化合物は、上に示した反応図式および実施例を利用して製造することができる。
Figure 0004590270
Figure 0004590270
Figure 0004590270
Figure 0004590270
Figure 0004590270

Claims (9)

  1. 式I:
    Figure 0004590270
    (式中、
    aは0または1であり;
    bは0または1であり;
    mは0、1または2であり;
    nは0または1であり;
    rは0または1であり;
    sは0または1であり;
    は、
    1)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルキル;
    2)(C〜C−アルキレン)(C=)アリール;
    3)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルケニル;
    4)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルキニル;
    5)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜Cシクロアルキル;
    6)(C〜C−アルキレン)(C=)ヘテロシクリル;及び
    7)(C〜C−アルキレン)(C=)NR’;
    前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレンおよびヘテロシクリルは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;
    、R、R 及びは、であり;
    は、
    1)H;及び
    2)(C 〜C )アルキレン−NH
    (前記アルキレンは、R、OH、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、オキソおよびN(Rから選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
    から、独立して選択され;
    およびRは、フェニルであり
    (前記フェニルは、R13から選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;
    は、であり;
    10は、
    1)(C=O)〜C10アルキル;
    2)(C=O)アリール;
    3)C〜C10アルケニル;
    4)C〜C10アルキニル;
    5)(C=O)ヘテロシクリル;
    6)COH;
    7)ハロ;
    8)CN;
    9)OH;
    10)O〜Cペルフルオロアルキル;
    11)O(C=O)NR1112
    12)S(O)
    13)S(O)NR1112
    14)オキソ;
    15)CHO;
    16)(N=O)R1112;または
    17)(C=O)〜Cシクロアルキル;
    (前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、へテロシクリルおよびシクロアルキルは、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
    であり;
    11およびR12は、
    1)H;
    2)(C=O)O〜C10アルキル;
    3)(C=O)O〜Cシクロアルキル;
    4)(C=O)Oアリール;
    5)(C=O)Oヘテロシクリル;
    6)C〜C10アルキル;
    7)アリール;
    8)C〜C10アルケニル;
    9)C〜C10アルキニル;
    10)ヘテロシクリル;
    11)C〜Cシクロアルキル;
    12)SO
    13)(C=O)NR
    14)オキソ;および
    15)OH;
    (前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニルおよびアルキニルは、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
    から、独立して選択されるか;
    11およびR12は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにN、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式または二環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式または二環式複素環は、R13から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されており;
    13は、
    1)(C=O)(C〜C10)アルキル;
    2)O(C〜C)ペルフルオロアルキル;
    3)(C〜C)アルキレン−S(O)
    4)オキソ;
    5)OH;
    6)ハロ;
    7)CN;
    8)(C=O)(C〜C10)アルケニル;
    9)(C=O)(C〜C10)アルキニル;
    10)(C=O)(C〜C)シクロアルキル;
    11)(C=O)(C〜C)アルキレン−アリール;
    12)(C=O)(C〜C)アルキレン−ヘテロシクリル;
    13)(C=O)(C〜C)アルキレン−N(R
    14)C(O)R
    15)(C〜C)アルキレン−CO
    16)C(O)H;
    17)(C〜C)アルキレン−COH;
    18)C(O)N(R
    19)S(O);および
    20)S(O)N(R
    (前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルキレンおよびヘテロシクリルは、R、OH、(C〜C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、オキソおよびN(Rから選択された3個以下の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;
    は、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリル(前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは、Rから選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)であり;
    は、H、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリル、(C〜C)シクロアルキル、(C=O)OC〜Cアルキル、(C=O)C〜CアルキルまたはS(O)(前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは、Rから選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)であり;
    およびRc’は、H、(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロシクリルおよび(C〜C)シクロアルキル(これらは、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)から、独立して選択されるか、
    およびRc’は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、各環の環員数が4から7であり、窒素のほかにN、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式または二環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式または二環式複素環は、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されており;
    およびRd’は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシおよびNR から、独立して選択されるか、
    およびRd’は、これらが結合しているリンと一緒になって、各環の環員数が4から7であり、リンのほかにNR、OおよびSから選択された1または2個の追加のヘテロ原子を場合により含有する単環式複素環を形成することができ、この場合、前記単環式複素環は、R13から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されており;
    は、Hおよび(C〜C)アルキルから選択され;ならびに
    は、ヘテロシクリル、アミノ置換へテロシクリル、(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルアミノ、ヒドロキシ(C〜C)アルキル、OHおよびNHから選択され。)
    の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  2. 式II:
    Figure 0004590270
    (式中、
    10aおよびR10bは、
    1)H;
    2)C〜C10アルキル;
    3)C〜C10アルケニル;
    4)C〜C10アルキニル;
    5)OH;
    6)CN;
    7)ハロ;
    8)CHO;
    9)COH;
    10)(C〜C)アルキルアミノ;および
    11)(C〜C)アルキルヒドロキシ
    から、独立して選択され;ならびに
    他の置換基および可変項はすべて、請求項1において定義されているとおりである。)
    によって示される、請求項1に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  3. が、
    1)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルキル;
    2)(C〜C−アルキレン)(C=)アリール;
    3)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルケニル;
    4)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜C10アルキニル;
    5)(C〜C−アルキレン)(C=)C〜Cシクロアルキル;
    6)(C〜C−アルキレン)(C=)ヘテロシクリル;及び
    7)(C〜C−アルキレン)(C=)NR
    前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキレンおよびヘテロシクリルは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;ならびに
    他の置換基および可変項がすべて、請求項2において定義されているとおりである、
    請求項2に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  4. が、
    1)(C=O)C〜C10アルキル;
    2)(C=O)アリール;
    3)(C=O)C〜C10アルケニル;
    4)(C=O)C〜C10アルキニル;
    5)(C=O)C〜Cシクロアルキル;及び
    6)(C=O)NR’;
    前記アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキは、R10から選択された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;
    、R、R 及び であり;
    が、
    1)H;及び
    2)(C 〜C )アルキレン−NH
    からなる群から選択され;
    が、であり;ならびに
    他の置換基および可変項がすべて、請求項3において定義されているとおりである、
    請求項3に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  5. が、
    1)(C=O)NR’;及び
    2)(C=O)C〜C10アルキル
    (前記アルキルは、R10から選択された1、2または3個の置換基で場合により置換されている。)
    から選択され;ならびに
    他の置換基および可変項がすべて、請求項4において定義されているとおりである、
    請求項4に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  6. 3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
    1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン;
    4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド;および
    4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−[2−メチル−3−(メチルアミノ)プロピル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド
    から選択される化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  7. N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド;および
    4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−[2−メチル−3−(メチルアミノ)プロピル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド
    から選択されるTFA塩またはその立体異性体。
  8. 3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;および
    N−1−[4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−1−L−バリル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]−L−バリンアミド
    から選択される、請求項6に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
  9. 6−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    6−(3−アミノプロピル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    6−(4−アミノブチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    3−[1−[(2S)−2−アミノ−2−シクロプロピルエタノイル]−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
    4−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジメチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    6−(3−アミノプロピル)−4−イソプロピル−N,N−ジメチル−6−フェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    6−(3−アミノプロピル)−6−(3−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピル−N,N−ジメチル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキサミド;
    2−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]エタナミン;
    3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]プロパン−1−アミン;
    4−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−フェニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]ブタン−1−アミン;
    3−[1−アセチル−2−(2−アミノエチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
    3−[1−アセチル−2−(3−アミノプロピル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
    3−[1−アセチル−2−(4−アミノブチル)−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール;
    3−[1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]フェノール
    1’−アセチル−4’−(2,5−ジフルオロフェニル)−1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,2’−ビピリジン−6(1H)−オン;および
    1−アセチル−4−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,2,5,6−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン−2’(1’H)−オン
    から選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬適合性の塩もしくは立体異性体。
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