JP4589005B2 - ピロロピリダジン化合物および増殖性疾患治療におけるその使用方法 - Google Patents
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Description
本願は、ピロロピリダジン化合物、その化合物の製造方法および増殖性疾患その他の疾患の治療におけるその使用方法に関する。
以前の研究によれば、遺伝工学的にアンチセンスSrcメッセージを発現する結腸ガン細胞はヌードマウスにおいて血管新生低下を示し、Src阻害剤が抗増殖性であると同時に抗血管新生的であることを示唆した〔Ellis, et al., J.Biol.Chem., 273,1052(1998)〕。
有利なことには、本発明は、ガンを含む増殖性疾患および炎症性疾患治療のための組成物および方法を提供する。該方法は下式Iのキナーゼ阻害剤の有効量を投与することからなり、該阻害剤には式Iの塩、溶媒和物、プロドラッグ、その立体異性体を含み、および任意で少なくともひとつの追加的治療薬を含んでもよい。その治療は、好ましくは哺乳類に対して、更に好ましくはそれを必要とするヒトに対してなされる。
R1およびR2は一緒になってシクロアルキル、アリールまたはヘテロシクロ基を形成してもよい;
R4は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロ、アラルキル、R1'OC(O)、R1'C(O)、R1''R1'NC(O)、R1'''O(O)2S、R1'R1''N(O)2SおよびR1'''(O)nSよりなる群から選択され、ここでnは1または2の整数である;
Zは、原子価結合、O、SおよびNR5'よりなる群から選択され;R5'は、H、アルキル、アラルキルおよびヘテロシクロよりなる群から選択され;Zが原子価結合の場合は、R5はH、ハロゲン、置換アルキレン、シアノよりなる群から選択され、更にZがSの場合は、R5はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロおよびアラルキルよりなる群から選択される;そして、
本発明はさらに、上記式Iの化合物、その塩、溶媒和物若しくは立体異性体と少なくともひとつの薬学的に許容される担体よりなる薬学的組成物を提供する。また、その薬学的組成物は任意で少なくとも一つの他の治療薬を追加的に含んでいてもよい。
本発明はまた、上記式Iの化合物、その塩、溶媒和物若しくは立体異性体と、任意で少なくとも一つの他の追加的治療薬を必要とする患者に投与することよりなる、増殖性または炎症性疾患の治療方法を提供する。
限られた特別な例を除いて、以下の定義を本明細書中において適用する。
特に指定しない限り、ここで用いる「低級アルキル」、「アルキル」または「アルク(alk)」の語は、単独で、またはアラルキル、ハロアルキルのように組み合わせた形で用いる場合、直鎖および分枝鎖を有する炭化水素を包含し、通常のアルキルまたはアルクの場合炭素数1から12が好ましく、低級アルキルの場合は炭素数1から4が好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t-ブチル、若しくはイソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、ウンデシル、ドデシル等が含まれる。各アルキル基は任意で1個から4個の置換基で置換されていてもよく、該置換基にはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアミノ、スルホネート、スルファミド、シアノグアニジン、オキソ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、SOn(nは0、1または2)および/またはアシル基等が含まれる。
ここで用いる「アシル」の語は、式C(O)Rの基をいい、ここでRは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロシクロまたはアラルキル基を表す。
ここで用いる「カルボアルコキシ」の語は、式C(O)ORの基をいい、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロシクロまたはアラルキル基を表す。
ここで用いる「カルボキサミド」の語は、式C(O)NR2の基をいい、ここでRは同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロシクロまたはアラルキル基を表す。あるいは二つのR基は一緒になり窒素原子とともにヘテロシクロを形成してもよい。
ヘテロシクロ基の適切な置換基の例には、上記のアルキル基若しくはアリール基の置換基、またはアルキル基自体のひとつまたはそれ以上が含まれる。さらに、アリール基およびエポキシドやアジリジンのようなより小さなヘテロシクロ基もまた含まれる。
ここで用いる「ヘテロ原子」の語は、酸素、硫黄および窒素を含み、窒素および硫黄のヘテロ原子は任意で酸化を受けていてもよく、また窒素のヘテロ原子は任意で四級化されていてもよい。
「任意で置換された低級アルキル」や「任意で置換されたアリール」のように用いられる「任意の置換基」の表現は、上述した置換基で置換された、または置換されていないアルキル、アリールその他の基をいう。さらに、ひとつより多い置換基で任意に置換されると記載された場合は、複数の置換基は上述した置換基の中からそれぞれ独立して選択されることを意図する。
R1およびR2は一緒になってシクロアルキル、アリールまたはヘテロシクロ基を形成してもよく、いずれも任意で置換基を有していてもよい。
R3は、H、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、アラルキル、アシル、カルボアルコキシ、カルボキサミド、ハロゲン、アミン、置換アミン、OR3'、CH2OR3'、CH2NR3'R3''、CH2SR3'、OC(O)R3'、OC(O)OR3''、OC(O)NR3'R3''、OS(O)2R3'およびOS(O)2NR3'R3''よりなる群から選択される。R3'およびR3''はそれぞれ独立してH、アルキル、アラルキル、ヘテロシクロ、シクロアルキルまたはアリールである。R3'およびR3''は一緒になってシクロアルキル、アリールまたはヘテロシクロを形成してもよく、いずれも任意で置換されていてもよい。
R2およびR3は一緒になってシクロアルキル、アリールまたはヘテロシクロ基を形成してもよく、いずれも任意で置換されていてもよい。
R4は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロ、アラルキル、R1'OC(O)、R1'C(O)、R1''R1'NC(O)、R1'''O(O)2S、R1'R1''N(O)2SおよびR1'''(O)nSよりなる群から選択され、ここでnは1または2の整数である。
さらに加えて、Yが一級若しくは二級アミンの場合は、R3と一緒になって、任意で置換されてもよいヘテロシクロ環を形成することができる。
Zは、原子価結合、O、SおよびNR5'よりなる群から選択され、Zが原子価結合の場合は、R5はH、ハロゲン、置換アルキレンおよびシアノからのみ選択され、更にZがSの場合は、R5はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロおよびアラルキルからのみ選択され得る。R5'は、H、アルキル、アラルキルまたはヘテロシクロである。
本発明には、式Iの化合物の塩、溶媒和物、立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーもまた包含される。
いくつかの好ましい態様においては、R3はアルキル、アリールまたはヘテロアリールであって好ましくはメチルである。
いくつかの好ましい態様においては、YがNである。さらに好ましい態様ではXが原子価結合、OまたはNR2'であり、R2'はR1'C(O)、-C(O)NR1'R2'または-C(O)OR1'が好ましい。
本発明のいくつかの態様に従うと、R1'およびR1''は独立してアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。
本発明における他の好ましい化合物は、式IでZが原子価結合、R5がシアノ、R3がメチルの化合物である。さらにこれら化合物は以下の置換基をひとつ以上有するものが好ましい;YがN;R1'およびR1''は独立してアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル;R4がアルキル、アリールまたはヘテロアリール;Xが原子価結合、OまたはNR2';そして、R2がR1'C(O)、-C(O)NR1'R2'または-C(O)OR1'。
式Iの化合物で追加的に好ましいものは、Zが原子価結合、R5がシアノ、YがNR4'であってR4がひとつ以上の置換基を有するフェニル若しくはヘテロアリール基のものが含まれる。
さらに好ましい化合物は以下の実施例に示される。
一般に、式Iの化合物は式IIのピロールを反応させて製造される;
と反応させて式IIIのアミノ化ピロールを製造する:
式IIIの化合物は閉環条件下で、式R6C(O)CH2ZR5のカルボニルまたは式(RO)2CR6CH2ZR5のアセタールと反応させて式IVの化合物を得る。ここで、Rはアルキル基であり、Z、R5およびR6は既に定義したとおりである。
式IIのピロールを適切な溶媒中塩基で処理しアミノ化試薬を加えると式IIIのアミノピロールを与える。適切な塩基としては、水素化ナトリウム(NaH)、n−BuLi、t−BuLi、NaOH、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)およびリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDSが含まれる。適切な溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、CH2Cl2、ジメチルホルムアミド(DMF)、CH3CNおよびトルエンが含まれる。適切なアミノ化試薬としては、2、4-ジニトロアミノフェノール、NH2OSO3HおよびClNH2が含まれる。アミノ化試薬としてはClNH2または2、4-ジニトロアミノフェノールが好ましい。塩基としては、NaHまたはLDAが、反応溶媒としてはDMFまたはTHFが好ましい。より好ましくは、塩基はNaH、反応溶媒はDMF、アミノ化試薬は2、4-ジニトロアミノフェノールである。
式Vの化合物を反応溶媒中塩基の存在下で式HY-R4の試薬で処理すると式VIの化合物を与えるが、これはR6がHである式Iの化合物である。適切な塩基としてはNaH、Et3N、DIPEA、K2CO3またはNa2CO3が含まれ、適切な反応溶媒としては、THF、DMF、CH2Cl2またはCH3CNが含まれる。好ましい塩基はNaH、Et3NまたはK2CO3であり、好ましい溶媒はCH3CNまたはDMFである。より好ましくは塩基はトリエチルアミンであり溶媒はアセトニトリルである。
式VIにおいてR2XがR2a'R2a''NC(O)、ZR5がCN、R6が水素である式VIIIの化合物は、反応溶媒中で式VIIの化合物と縮合剤および式NH2R2a'R2a''のアミンとを反応させて得られる。適切な縮合試薬としてはPyBOP(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、BOP〔ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート〕、CDI(N,N'-カルボニルジイミダゾール)、DCC(N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、HBTU(O-ベンゾトリアゾール-1-イルN,N,N',N'-テトラエチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)、HOBt(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)およびEDC〔1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド〕が含まれる。好ましい縮合試薬はHOBt、PyBOPまたはEDCである。さらに好ましい縮合試薬はHOBtとPyBOPである。
式VIにおいてXR2がR2a'OC(O)NR2a''、ZR5がCN、R6が水素である式Xの化合物は、式VIIの化合物をアジド化試薬(N3源)で処理し、続いて式R2a'OHのアルコールを加えることにより得られる。適切なアジド化試薬としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)およびNaN3が含まれる。好ましい試薬はDPPAである。
式XIIの化合物は、式R2a'CHOのアルデヒドと還元試薬を適切な溶媒中で用いて、式XIの化合物を還元的アミノ化することにより得られる。適切な還元試薬としてはNaBH4、LiBH4、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化リチウムアルミニウム(LAH)およびNaNH(OAc)3が含まれる。好ましい還元試薬はNaNH(OAc)3またはNaBH4である。より好ましい還元試薬はNaNH(OAc)3である。適切な反応溶媒としては1,2-ジクロロエタン、CH2Cl2、THFおよびCH3CNが含まれる。好ましい反応溶媒は1,2-ジクロロエタンおよびCH2Cl2であり、さらに好ましくはその還元は1,2-ジクロロエタン中がよい。
Advanced Organic Chemistry 第3版, Part B: Reactions and Synthesis, Francis A.Carey, Richard J.Sundberg, Plenum Publishing Corp.,NY(1993);March's Advanced OrganicChemistry: Reactions, Mechanisms and Structure, 第5版,Wiley-InterScience, John Wiley & Sons,Inc.,NY(2001)等の参考文献中に見出せる(参考までに引用した)。
式XVIIのピロールを室温下、塩基の存在のもとで式HYR4の試薬で処理すると式XVIIIの化合物を与える。好ましい塩基はNaHCO3またはトリエチルアミンである。アセトニトリルはこの反応に対して適切な反応溶媒である。式XVIIのピロールを塩基の存在下で式HYR4の試薬とともに加熱してもまた式XVIIIの化合物を与える。
式XXIIの化合物のR2置換基中の二重結合を触媒の存在下で水素化することにより、式XXIIIの化合物を得ることができる。適切な触媒としては、PtCl2、パラジウム炭素Pd/C、Pd(OH)2、およびラネーNiが含まれる。好ましい触媒は、Pd/Cである。
式XXVIの化合物は式R5aLの試薬(式中Lは脱離基で、例えばハロゲン)と組み合わせると、塩基の存在下で式XXVIIの化合物を与える。適切な塩基としては、KH、K2CO3、N-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウムおよびNaHが含まれる。式R5aLの試薬は市販品から容易に入手できる。
塩基の存在下で式XXIXの中間体をアセトニトリルと反応させると環化反応が進行して式XXXの化合物が得られる。適切な塩基としては、KH、NaH、sec-ブチルリチウム、および好ましくはN-ブチルリチウムが含まれる。上記のスキームAに示したとおり、式XXXの化合物は、R6が水素でZR5がニトリルである式Iの化合物を合成するための中間体である。
式XXXIIIの中間体を高沸点溶媒中でさらに加熱すると環化反応が進行して式XXXIVおよび式XXXVの中間体が得られる。適切な溶媒としては、DMF、DMA、N-メチルピロリジノン、好ましくはDowtherm(商標)、または高圧容器中のトルエンが含まれるが、これらに限定はされない。
上記のスキームKに示されたように式XXXIVおよびXXXVの化合物は、R6が水素でZR5がニトリルである式Iの化合物を合成するための中間体である。式XXXIIの活性中間体および関連する該構造の試薬は市販品から容易に入手できるか、当業者によって調製される。
式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた本発明の範囲内に含まれる。溶媒和の方法は当業者に知られている。従って、即時の発明化合物は遊離または溶媒和の形態であってもよい。
塩基性基を含む式Iの化合物の好ましい塩としては、一塩酸塩、酸性硫酸塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩等が含まれる。
酸性基を含む式Iの化合物の好ましい塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩および薬学的に許容される有機アミンの塩が含まれる。
本発明のピロロピリダジンがプロテインキナーゼの阻害剤であることが発見された。より具体的には、ある種のピロロピリダジンは受容体チロシンキナーゼ、セリン/スレオニンキナーゼの効力を阻害し、ガンや炎症性疾患のような、過度の増殖、血管新生、血管透過性亢進、炎症と関連する疾患状態の治療上価値ある財産である。特に、式Iの化合物、その塩、溶媒和物および立体異性体は、その抗増殖性および/または抗血管新生メカニズムによって、初期の再発性固形ガンの成長阻止が期待される。固形ガンとしては、例えば、膀胱、扁平上皮細胞、頭、結腸直腸、食道、婦人科(例えば卵巣)、膵臓、胸、前立腺、肺、外陰部、皮膚、脳、尿生殖器、リンパ系(例えば甲状腺)、胃、喉頭、肺等のガンが含まれる。本発明のある態様においては、必要とする患者に、上記式Iの化合物の治療上有効量を投与することよりなる増殖性または炎症性疾患の治療方法が提供される。
上皮性悪性腫瘍で膀胱、胸、直腸、腎臓、肝臓、肺、小細胞肺ガンを含み、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、子宮頚部、甲状腺、前立腺および皮膚(扁平上皮細胞ガンを含む)のガンを含み;
リンパ系統の造血器腫瘍で、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫およびバーケットリンパ腫を含み;
骨髄系統の造血器腫瘍で、急性および慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、前骨髄球性白血病を含み;
間葉由来の腫瘍で、線維肉腫と横紋筋肉腫を含み;中枢および末梢神経系の腫瘍で、星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、神経鞘腫を含み;およびその他の腫瘍、黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、ケラト、甲状腺濾胞性ガン、カポシ肉腫を含む。
式Iの化合物はまた、成長因子受容体を経由するシグナル伝達経路に関連した、腫瘍以外の疾患の治療においても有用である。例えば、一般細胞増殖の規制においてキナーゼ類が主要な役割を果たしているために、キナーゼ阻害剤は可逆的な細胞増殖抑制剤として機能し、異常な細胞増殖で特徴づけられるいずれの疾患の治療においても有用かも知れない;例えば、良性前立腺肥大、家族性大腸ポリープ症、神経線維腫症、アテローム動脈硬化、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕の形成、炎症性大腸疾患、移植拒絶、エンドトキシンショック、真菌感染症等である。
予防または治療され得る炎症性疾患としては、急性膵炎、慢性膵炎、喘息、アレルギー、成人呼吸窮迫症候群が含まれるがこれらに限定はされない。
予防または治療され得る破壊性骨疾患としては、骨粗鬆症、変形性関節炎、多発性ミエローマ関連骨疾患が含まれるがこれらに限定はされない。
予防または治療され得る血管新生疾患としては、血管腫、乾癬、カポシ肉腫、眼性血管新生、未熟性網膜症、黄斑変性症、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化、ガン成長と転移、心筋虚血、末梢性虚血、脳虚血、障害性創傷治癒、女性の生殖疾患、器官低酸素症、障害性潰瘍治癒が含まれるがこれらに限定はされない。
予防または治療され得る感染性疾患としては、敗血症、敗血性ショック、細菌性赤痢が含まれるがこれらに限定はされない。
本発明化合物により予防または治療され得る神経変性疾患としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、外傷による神経変性が含まれるがこれらに限定はされない。
式Iの化合物はまた未分化胚芽細胞の着床を妨げ、よって哺乳類の避妊剤としても使用される。
加えて、本発明のプロテインキナーゼ阻害剤はプロスタグランディンエンドパーオキシダーゼ・シンターゼ−2(PGHS−2)またはシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)と呼ばれる、誘導前炎症性タンパクの発現阻害を示す。従って、本発明化合物の適切な投与によって予防または治療され得る状態としては、浮腫、無痛覚、発熱と痛み、例えば神経筋肉痛、頭痛、ガンによる痛み、歯痛、関節痛等を追加することができる。
このような結合治療は、独立した治療単位を同時に、連続してまたは分離して適用することができる。同時に投与しない場合は、その構成単位の治療はいずれの順で適用してもよい。固定用量で製剤化する場合は、そのような組み合わせの製品においては本発明化合物を以下に示す用量の範囲内で用い、他の薬学的な活性成分をその認められた用量の範囲内で使用する。薬学的な活性成分の用量範囲は、Physician's Desk Reference、第55版、、Medical Economics Company (2001)で見出すことができる。式Iの化合物はまた、結合剤が適当でない場合には、既知の抗ガン剤や細胞毒性薬および放射線照射を含む療法と連続して使用することができる。
(1)抗血管新生薬、例えば、リノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害剤、アンジオスタチン、ラゾキシン等;
皮膚関連疾患については一般に局所投与が、ガン若しくは前ガン状態の場合は全身投与が好ましいが、他の投与経路も考慮される。例えば、該化合物および該組成物は経口的には、例えば錠剤、カプセル、顆粒、粉剤、シロップを含む液剤で;局所的には、例えば液剤、懸濁剤、ゲル、軟膏で投与され;舌下的に;口腔的に;非経口的に、例えば、皮下注、静注、筋肉注、胸骨内注で、または輸液技術により(例えば、無菌注射用水溶液若しくは非水溶液または懸濁液);吸入スプレーのように経鼻的に;クリーム剤又は軟膏のように局所的に;坐剤のように経直腸的に;またはリポソームによって投与され得る。
Δ=加熱
Ac=アセチル
AcOH=酢酸
aq.=水性の
ATP=アデノシントリホスフェート
BOP=ベンゾトリアゾール-l-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウム
BSA=ウシ血清アルブミン
DBU=1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCE=ジクロロエタン
DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート
DIBAL−H=水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DME=1,2-ジメトキシエタン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DPPA=ジフェニルホスホリルアジド
DTT=ジチオトレイトール
EDC=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド・塩酸塩
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
Et=エチル
Et2O=ジエチルエーテル
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
GST=グルエチチオンS−トランスフェラーゼ
h=時間
ヘキサフルオロホスフェート
HOAc=1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
Hunigの塩基=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
KOtBu=カリウムtert-ブトキシド
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
MBP=ミエリン塩基性タンパク
mCPBA=m-クロロ過安息香酸
Me=メチル
MeI=ヨウ化メチル
MeOH=メタノール
MS(ES)=電子スプレー質量分析
n−BuLi=n−ブチルリチウムn-butyllithium
Pd/C=パラジウム炭素
Ph=フェニル
PhCH3=トルエン
RT=保持時間
rt=室温
sat.=飽和
t−Bu=tert-ブチル
TCA=トリクロロ酢酸
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
Tris−HCl=トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン・塩酸塩
Ts=トシル
TsCl=塩化トシル
TsOH=トシル酸
HPLC:3.536min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 226.0[M+H]+
HPLC:3.488min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 241.17[M+H]+.
HPLC:3.383min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 246.09[M+H]+.
HPLC:4.160min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
化合物1D(20mg、0.076mmol)をアセトニトリル(1mL)に溶解し、NEt3(32μL、0.228mmol)とシクロヘキシルアミン(10μL、0.084mmol)を加えて反応混合物を25℃で撹拌した。24時間後、シクロヘキシルアミン10μLを追加して反応混合物をさらに1.5時間撹拌し、その後、NaHCO3飽和水溶液(20mL)およびジクロロメタン上に注いだ。二層を分液し、水層をジクロロメタン(2x10mL)で抽出した。合一した有機層を水洗し(20mL)、MgSO4上で乾燥して濾過し減圧下で濃縮し、18mg(75%)の化合物1Eを黄色固体として得た。これは更に精製することなく続いて用いた。
HPLC:4.60min (保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 327.2[M+H]+.
HPLC:4.35 min (保持時間)で100% (YMC S5 ODS カラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 340.0[M+NH4]+.
HPLC: 4.62min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 413.12[M+H]+.
化合物3Aはまた以下の様にしても得られる:1D(1.00g、3.79mmol)をTHF(10mL)に溶解し、4-フェノキシアニリン(0.84g、4.53mmol)およびトリエチルアミン(1.06mL、7.58mmol)を加えた。反応混合物を60℃で3日間加熱し、その後室温にまで戻してMeOH(50mL)で希釈した。得られた固体を濾取しメタノールで洗浄して乾燥し1.50g(収率96%)の3Aを黄色粉末として得た。
HPLC:3.98min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 371.19[M+H]+.
化合物3B(9.0mg、0.025mmol)をDMF:THF(1:1)の混合溶媒(1mL)に溶解し、0℃でt-BuOK(1.5MTHF溶液、0.025mL、0.038mmol)を加えた。0℃で45分間撹拌の後、ヨウ化メチル(2μL、0.025mmol)を加えて反応混合物を1時間撹拌し、25℃に加温してさらに3時間撹拌した。この時点で反応は認められなかった。そこで、反応混合物をもう一度0℃に冷却しt-BuOK(1.5MTHF溶液、0.25mL、0.38mmol)を追加し、混合物を30分間撹拌してからヨウ化メチル(20μL、0.25mmol)を追加した。0℃でさらに2時間撹拌後、NH4Cl飽和水溶液(10mL)とジクロロメタン(10mL)を加えて反応を停止させた。二層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出し合一した有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過して濃縮した。調製用HPLC(YMC S5 ODS 20x100mm、0.1%TFA含有30-100%水性メタノールで15min溶出、流速20mL/min)で精製して目的物を黄色の半固体として得た。
HPLC:4.27min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm, 0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 385.21[M+H]+.
1H-NMR(DMSO-d6)δ:8.99(s,1H), 8.18(s,1H), 8.03(s,1H), 7.97(s,1H), 7.75(d,1H), 7.29(d,1H), 2.78(s,3H).
HPLC:4.04min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
HPLC:3.68min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm, 0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 524.02[M+H]+.
HPLC:3.33min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm, 0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 380.24[M+H]+.
3-シアノ-4-[[5-[(メトキシアミノ)カルボニル]-2-メチルフェニル]アミノ]-5-メチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]ピロロ[1,2-b]ピリダジン-6-カルボキサミドの調製
HPLC: 3.79min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 483.36[M+H]+.
HPLC: 3.37min(保持時間)で100%( YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES): m/z 369.08[M+H]+.
HPLC: 1.84min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES): m/z 489.0[M+H]+.
HPLC: 2.05min(保持時間)で100%(YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 460.0 [M+H]+.
上記工程を用いて、アニリン反応体をその他のアミンに置き換えることにより68個のアミド化合物のライブラリーを作製した。化合物は上記方法の他、調製用HPLC(島津 VP-ODS 20.0x50.0mmカラム、溶出0.1%TFA含有25-90%MeOH/H20で7min、流速10mL/min、検出220nm)を用いて精製した。
HPLC:4.01min(保持時間)で100%( YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 490.0 [M+H]+.
化合物11A(40mg、0.082mmol)をMeOH(4mL)に溶解し、Pd/C(12mg)を加えて反応混合物を水素下(1気圧)で30分間撹拌した後、HCl(4Mジオキサン溶液、0.1mL)を加えた。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して32mg(塩酸塩として定量的収率)の化合物11Bをオレンジ色固体として得た。
HPLC:2.90min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES): m/z 356.0[M+H]+.
HPLC:3.46min(保持時間)で100%(YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 398.0 [M+H]+.
HPLC:2.96min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 389.0[M+H]+.
HPLC:3.46min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES): m/z431.0[M+H]+.
HPLC:3.44min(保持時間)で100% (YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 413.0[M+H]+.
C.3-シアノ-5-ヒドロキシメチル-4-(4-フェノキシ-フェニルアミノ)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-6-カルボン酸エチルエステル(16C)
化合物16B(84mg、0.30mmol)、4-フェノキシアニリン(72mg、0.39mmol)およびトリエチルアミン(0.083mL、0.60mmol)をTHF(2.5mL)に溶解し、70℃で30分間加熱した。室温にまで冷却してから反応混合物を約0.5mLに濃縮し、MeOH(2mL)を加え希釈して濾過した。固体をMeOHで洗浄し乾燥して化合物16Cを黄色固体(118mg、収率92%)として得た。
HPLC;2.12min(保持時間)で92% (PrimeSphere 5uC18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES);m/z 429.0[M+H]+.
B.3-シアノ-5-メトキシメチル-4-(4-フェノキシ-フェニルアミノ)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-6-カルボン酸エチルエステル(17B)
化合物17Bは16Cの実施例と同様にして調製した。
HPLC:2.24min(保持時間)で96%(PrimeSphere 5u C18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 443.0[M+H]+.
HPLC:2.20min(保持時間)で94% (PrimeSphere 5uC18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 427.0[M+H]+.
1-[3-シアノ-5-メチル-4-(4-フェノキシ-フェニルアミノ)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-6-イル]-3-(2-モルホリン-4-イルエチル)-ウレア(19-1)および5-メチル-6-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-テトラゾール-1-イル)-4-(4-フェノキシ-フェニルアミノ)-ピロロ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボニトリル(19-2)の調製
HPLC:97% at 3.11 min (retention time) (YMC S5 ODS カラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで4min溶出、流速4mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 512.0[M+H]+.
上記再結晶の母液をSCXカートリッジ(500mg)に通してMeOH(5mL)で溶出し、溶出液を濃縮して化合物19-2を黄色固体(9mg、収率7%)として得た。
化合物19-2
HPLC:94% at 1.93 min (retention time) (PrimeSphere 5u C18-HCカラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 424.0 [M+H] +.
上記に記載した工程に準じて、本発明化合物をさらに調製した。表1から表22に、代表的化合物の名前と構造、保持時間、および該化合物の調製にあたって基本とした工程の実施例番号を示した。これら表において保持時間の決定に用いたクロマトグラフィー関係の条件は次の通りである:
LCMS=YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%MeOH/H2Oで4min.、流速4mL/min、検出220nm.
LCMS*=YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%MeOH/H2Oで2min.、流速4mL/min、検出220nm.
LCMS-1=PrimeSphere 5u C18-HCカラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%MeOH/H2Oで2min.、 流速5mL/min、検出220nm.
LC=YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%MeOH/H2Oで4min.、流速4mL/min、検出220nm.
LC*=YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%MeOH/H2Oで4min.、流速4mL/min、検出220nm.
HPLC:1.97min(保持時間)で97% (Phenom-Prime S5 C18カラム、4.6x30mm、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 399[M+H]+.
HPLC:1.89min(保持時間)で90%(Phenom-Prime S5 C18 カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES): m/z 357[M+H]+.
HPLC:1.69min(保持時間)で96% (Phenom-Prime S5 C18 カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 470[M+H] +.
HPLC:2.09min(保持時間)で91% (Phenom-Prime S5 C18 カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 455[M+H]+.
HPLC:2.16min(保持時間)で99% (PrimeSphere 5u C18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 454[M+H]+.
HPLC:1.71min(保持時間)で92% (PrimeSphere 5uC18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 428[M+H]+.
HPLC:1.97min(保持時間)で98% (PrimeSphere 5uC18-HC カラム、4.6x30mm、0.1%TFA含有10-90%水性メタノールで2min溶出、流速5mL/min、検出220nm).
MS(ES):m/z 454[M+H]+.
上記に記載した工程に準じて、本発明化合物をさらに調製した。表23から表64に、代表的化合物の名前と構造、保持時間、および該化合物の調製にあたって基本とした工程の実施例番号を示した。これら表において保持時間の決定に用いたクロマトグラフィー関係の条件は次の通りである:
LC=YMC S5 ODSカラム、3.6x50mm、0.1%TFA含有10-90%MeOH/H2Oで2min.、流速5mL/min、検出220nm.
LC*=YMC S5 ODSカラム、4.6x50mm、0.2%リン酸含有10-90%MeOH/H2Oで4min.、流速4mL/min、検出220nm.
表中、化合物の分子量はMS(ES)により決定し、式m/zで表した。
VEGFR-2およびFGFR-1キナーゼ試験
試験した式Iの化合物はIC50が80μM以下でVEGFR-2およびFGFR-1キナーゼを阻害した。
HER1、HER2またはHER4キナーゼ試験
20mMトリスHCl緩衝液pH7.5、10mMMnCl2、0.5mMジチオトレイトール、ウシ血清アルブミン0.1mg/ml、ポリGlu/Tyr(4:1)0.1mg/ml、1μMATPおよび4μMCi/ml[γ−33P]ATPを含むキナーゼ緩衝液中で興味ある化合物を試験した。ポリGlu/Tyr(4:1)はホスホリル基の受容体として作用する合成ポリマーであり、Sigma Chemicalsより購入した。キナーゼ反応は酵素の添加により開始され、反応混合物を26℃で1時間インキュベートした。該反応はEDTAを50mMにまで添加することによって停止され、タンパクはトリクロロ酢酸を5%にまで添加することにより沈殿させることができる。沈殿したタンパクは濾過によりPackard Unifilterプレート上に回収され、TopCountシンチレーションカウンターにより取り込まれた放射能量が測定される。
本化合物はHER1、HER2およびHER4キナーゼをIC500.001−25μMの範囲で阻害する。好ましい化合物は0.001−5.0μMのIC50を有する。より好ましい化合物は0.001−1.0μMのIC50を有する。最も好ましい化合物は0.001−0.1μMのIC50を有する。
HERG活性で化合物をスクリーニングするためにはHERGカリウムチャネル試験を用いることができる〔Caballero R, et al.、「カンデサルタンおよびイプロサルタンが心再分極に含まれるヒトクローン化カリウムチャネルに及ぼす直接の影響」、Molecular Pharmacology, 59(4),825-36,(2001)参照〕。従って、好ましい化合物はHERG試験活性が弱い。
式Iの試験化合物は、HER1およびHER2キナーゼを阻害し、IC50は100μM以下であった。
MEK-ERKキナーゼカスケードアッセイ
上記実施例388のin vitroウェルプレート試験を修正して適用した。各ウェルには、30μL試験緩衝液〔トリス塩酸、pH7.5、MgCl2、DTT、BSA、ミエリン塩基性タンパク(MBP)、ATPおよび[γ-33P]ATP〕、10μL阻害剤希釈液若しくはDMSO溶媒のみ、および10μL酵素混合物(5-10ngMEK-EEおよび100-200ngERK)を含ませた。試験における最終濃度は、20mMトリス塩酸、pH7.5、10mMMgCl2、0.3mMDTT、BSA 50μg、ミエリン塩基性タンパク(MBP) 50μg、10μMATPおよび [γ-33P]ATP200nCiであった。プレートを室温で60分間インキュベートしてから、300mMEDTAおよび25μgを含む停止溶液を添加して反応を停止させた。試料はATPを含むTCA(最終濃度TCA3.2%、ATP2.3mM)で沈殿化させた。Packard Filter Mate 196ハーベスターを用いて試料をPackard GF/C 96-well Unifilterプレートへ移した。光下で乾燥させた後、ウェル中の残渣の放射能をPackard Top Countマイクロプレートカウンターで測定した
p38キナーゼの発生
ヒトp38α、βおよびγアイソザイムのcDNAをPCRによりクローン化した。これらcDNAをpGEX発現ベクター(Pharmacia)にサブクローン化した。GST-p38融合タンパクをE.Coli中で発現させ、グルタチオンアガロースを用いたアフィニティークロマトグラフにより菌ペレットから精製した。p38融合タンパクは構成上活性なMKK6とインキュベートすることにより活性化される。活性p38はアフィニティークロマトグラフによりMKK6から分離される。構成上活性なMKK6は、Raingeaud et al.、Mol.Cell.Biol., 1247-1255(1996)に従って入手できた。
LPS刺激PBMCによるTNF−αの産生
ヘパリン化したヒト全身血を健康な提供者より入手した。Ficoll-Hypaque密度勾配遠心法によりヒト全身血から末梢血単核細胞(PBMC)を精製し、試験メディウム(10%ウシ胎児血清含有RPMIメディウム)中5×106/mlの濃度で再懸濁させた。細胞懸濁液50μlを試験化合物50μL(0.2%DMSO含有試験メディウム中4×濃度)とともに96ウェル組織培養プレート中RTで5分間培養した。細胞懸濁液にLPS(200ng/mlストック)100μlを添加しプレートを6時間37℃で培養した。培養の後、培養液を集めて-20℃で保存した。メディウム中のTNF−α濃度を標準ELIZAキット(Pharmingen San Diego,CA)を用いて定量した。TNF−α濃度と試験化合物のIC50値(LPS刺激によるTNF−α産生を50%阻害する化合物の濃度)を線形回帰分析により計算した。
p38試験
V底96ウェルプレートを用いて試験を行った。試験用緩衝液(50mMトリスpH 7.5、10mMMgCl2、50mMNaClおよび1mMDTT)に酵素、基質(MBPとATP)および試験化合物をそれぞれ添加した各20μlからなる最終体積60μlで試験した。菌で発現させた活性化p38を基質との反応開始前に、試験化合物とともに10分間、前培養した。反応は25℃で45分間培養し、0.5MEDTAの5μlを各試料に添加することにより反応を停止させた。Skatron Micro 96 Cell ハーベスター(Skatron, Inc.)を用いて、反応混合物をあらかじめ湿らせたフィルターマット上に吸着しPBSで洗浄した。フィルターマットを1分間電子レンジで乾燥し、MeltilLex A シンチレーションワックス(Wallac)で処理してMicrobetaシンチレーションカウンターModel 1450 (Wallac)でカウントした。阻害データはPrism(GraphPad Software)を用いて非線形最小二乗回帰法により分析した。試験における試薬の最終濃度は、ATP、1μM;[γ-33P]ATP、3nM;MBP(Sigma、#M1891)、2μg/ウェル;p38、10nM;およびDMSO、0.3%であった。
LPS刺激マウスによるTNF−αの産生
マウス(Balb/c雌性、6-8週齢、Harlan Labs;n=8/処理群)腹腔内にリポポリサッカライド(LPS;E Coli株0111:B4、Sigma)を50μg/kgを滅菌生理食塩水に懸濁して投与した。90分後にCO2:O2を吸入させてマウスを鎮静化させ血液サンプルを採取した。血清を分離して、市販のELISAアッセイを用い製造者(R & D Systems, Minneapolis, MN)の指示に従ってTNF−α濃度を分析した。
これまでに引用した出版物の開示は参考のために記載したものである。上記の本発明の好ましい態様や特別な例示は、決して本発明をそのような態様に限定する意図はない。以下のクレームの精神および範囲から逸脱することなく、本発明において種々の修飾をすることができる。
Claims (6)
- 式I:
R2はH、非置換アルキル若しくは置換アルキル、R1'C(O)−、R1'R1''NC(O)−およびR1'OC(O)−よりなる群から選択され、ここでR1'およびR1''はそれぞれ独立して1)H、2)非置換アルキルまたは置換アルキル、3)シクロアルキル、4)アリールまたは置換アリール、および5)ヘテロシクロまたは置換ヘテロシクロよりなる群から選択され;
Xは、原子価結合、O、およびNR2'よりなる群から選択され;R2'は、Hであり;
R3は、非置換アルキルまたは置換アルキル;
R4は、非置換アルキル、シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロシクロおよび置換ヘテロシクロよりなる群から選択され;
Yは、原子価結合、OおよびNR4'よりなる群から選択され;R4'は、Hまたは非置換アルキルであり;
R5は、シアノまたは置換アルキルであり;
Zは、原子価結合;そして、
R6は、Hである。〕
の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に許容される塩または溶媒和物。 - R2がH、ヒドロキシ若しくはヘテロシクロで任意に置換されたアルキル、R1'C(O)−、R1'R1''NC(O)−およびR1'OC(O)−よりなる群から選択され、ここでR1'およびR1''がそれぞれ独立して、1)H、2)アルコキシ、カルボアルコキシ、アリール、アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニル、シアノ、シクロアルキル、ハロ、ヘテロシクロおよびヒドロキシよりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいアルキル、3)シクロアルキル、4)アルコキシ、ジアルキルアミノ、ハロゲンおよびアリールオキシよりなる群から選択される置換基で任意に置換されたアリール、および5)カルボアルコキシ、非置換アルキル、アシル、アミノカルボニル、ヒドロキシ、アリールおよび非置換アラルキルより選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいヘテロシクロ、よりなる群から選択され、
R3が、アルコキシ、アミノおよびヒドロキシよりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいアルキル;
R4が、1)非置換アルキル、2)シクロアルキル、3)非置換アルキル、ハロゲン、アリールオキシ、アリール、非置換アラルキルおよびアリールカルボニルより選択される1〜2個の置換基で置換されていてもよいアリール、4)アミノ、非置換アルキルおよび非置換アラルキルより選択される置換基で置換されていてもよいヘテロシクロから選択される、請求項1に記載の化合物、そのエナンチオマー、ジアステレオマー、薬学的に許容される塩または溶媒和物。 - Zが原子価結合、R5がシアノである、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物。
- R3がメチルである、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物。
- YがNHである、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物。
- R4がフェノキシフェニルである、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物。
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