JP4588843B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡装置、更に詳しくは光源の明るさ制御部分に特徴のある内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、同時式及び面順次式の撮像手段を備えた電子内視鏡または外付けカメラを接眼部に設けた光学式内視鏡を使用する医療用および工業用の内視鏡システムが広く用いられるようになってきた。このような内視鏡システムでは、被写体に照射する照明光を供給する光源装置が用いられる。
【0003】
例えば特開昭61−51119号公報では、照明光の範囲で偏りなく、全面的に均一な絞りで広範囲な明るさレベルが得られる光源装置が提案されている。また、例えば米国特許USP5006965及び米国特許USP5642456では、配光に影響なく明るさを調整することのできる光源装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭61−51119号公報の光源装置においては、絞り羽根の構造が複雑で大きな形状となってしまうために応答性が悪く、素早く視野を移動させた場合などに適正な明るさが得られない虞がある。
【0005】
また、米国特許USP5006965及び米国特許USP5642456の光源装置では、回転板を回す方式のため同様に応答スピードが遅いという問題があり、さらに、米国特許USP5642456では回転板の複数の開口部によって段階的にしか制御レベルを得ることができないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型化を可能とし、応答が早く、理想的な明るさ制御を行うことのできる内視鏡装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の内視鏡装置は、照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、を具備し、前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンおよび前記配光パターンの論理和に基づいて前記合成パターンを生成することを特徴とする。
本発明の第2の内視鏡装置は、照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、を具備し、前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンおよび前記配光パターンの排他的論理和に基づいて前記合成パターンを生成することを特徴とする。
本発明の第3の内視鏡装置は、照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、を具備し、前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンと前記配光パターンとを時系列で切換えて前記合成パターンを生成することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0010】
第1の実施の形態:
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示す構成図、図2は図1の液晶パネルの明るさ制御を示す図、図3は図1の液晶パネルの明るさ制御の第1の変形例を示す図、図4は図1の液晶パネルの明るさ制御の第2の変形例を示す図である。
【0011】
(構成)
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡装置1は、例えばトラカール等を介して生体内組織像を得る硬性鏡2と、ライトガイド3を介して硬性鏡2に照明光を供給する光源装置4と、硬性鏡2の手元側に設けられた接眼部に着脱自在に取り付けられ硬性鏡2により得られた像を撮像するTVカメラヘッド5と、TVカメラヘッド5により撮像された撮像信号を信号処理してモニタ7に観察画像を表示させるカメラコントロールユニット(以下、CCUと記す)6とを備えて構成される。
【0012】
光源装置4の光学系は、照明光を発光する光源ランプ11と、光源ランプ11からの照明光の赤外成分をカットする赤外カットフィルタ12と、赤外カットフィルタ12を介した照明光の偏向方向をそろえる位相差板13と、位相差板13を介した照明光の透過光量を制限する光変調デバイスである液晶パネル14と、液晶パネル14により透過光量が制限された照明光を集光させる集光レンズ15と、集光レンズ15により集光された照明光を均一化するインテグレータ16と、インテグレータ16の透過光をライトガイド2に集光するレンズ17とからなる。
【0013】
ここで、光源ランプ11は、放物面鏡を有し平行光が出射されるようになっており、輝度の高い高圧放電管、例えばキセノンランプ、メタルハライドランプで構成される。また、液晶パネル14は、データプロジェクタに用いられる白黒パネルが望ましく、本例では800×600の2次元配列エレメント(画素)のものを使用している。
【0014】
一方、TVカメラヘッド5内にはCCD18が設けられており、TVカメラヘッド5はCCU6にコネクタ19で接続されるようになっている。
【0015】
CCU6は、CCD18を駆動するCCD駆動回路21と、CCD18からの撮像信号を信号処理し映像信号(例えばNTSCテレビ信号)をモニタ7に出力する映像信号処理回路22と、CCD16の撮像タイミングと映像信号処理回路22での信号処理を同期させるためのタイミング信号を発生するタイミング発生回路23と、映像信号処理回路21からの映像信号より画像の明るさを検波して明るさ信号を発生する明るさ信号発生回路24とを備えている。
【0016】
また、光源装置4は、明るさ設定を操作する操作パネル31と、操作パネル31の操作により指示された設定値に光源装置4からの出射光(照明光)の明るさを設定する明るさ設定回路32と、基準となる明るさ設定回路32からの設定信号とCCU6の明るさ信号発生回路24からの明るさ信号を比較する明るさ比較回路33と、明るさ比較回路33での比較結果に基づき液晶パネル14のパターンを制御する液晶制御回路34と、CCU6のタイミング発生回路23からのタイミング信号に基づき液晶パネル14の駆動タイミングを調整する調整信号を出力するタイミング調整回路35と、タイミング調整回路35からの調整信号に基づき液晶制御回路34で制御されるパターンで液晶パネル14を駆動する液晶駆動回路36と、光源ランプ11を点灯させるランプ電源37とを備えて構成される。
【0017】
(作用)
TVカメラヘッド5を硬性鏡2に接続し、気腹された腹部に刺入されたトラカールに硬性鏡2を挿入して内視鏡観察を行う。内視鏡像はCCD16によって撮像され、CCU6にて信号処理されてモニタ7で観察が可能となる。
【0018】
このとき、内視鏡像が暗い場合には明るさ信号発生回路23からの信号に基づき、明るさ比較回路33で明るさ設定回路32からの設定信号に対して暗くなったことが比較され、比較結果が液晶制御回路34に入力される。
【0019】
液晶制御回路34では、図2に示すような明るさに応じた段階的モザイク状のパターンが発生され、照明光を明るくするため、液晶パネル14の遮光している二次元配列エレメントの数を少なくするように作用をする。これにより、光源装置4からの出射光(照明光)が明るくなり、内視鏡像が適正な明るさで観察できるようになる。
【0020】
逆に、明るい場合には明るさ信号発生回路23からの信号に基づき、明るさ比較回路33で明るさ設定回路32からの設定信号に対して暗くなったことが比較され、比較結果が液晶制御回路34に入力される。
【0021】
液晶制御回路34では、液晶パネル14の遮光している二次元配列エレメントの数を多くなるようなパターンにして、光源装置4からの照明光が暗くなるように作用させる。液晶パネル14の応答時間は、数msから数十msとなるため、明るさの制御十分に早い応答時間となる。
【0022】
インテグレータ16は、液晶パネル14によって発生したパターンを透過した照明光を光路中で均一化するようにしている。もし、このときインテグレータ16の効果が大きい場合は、液晶パネル14の二次元配列エレメントのパターンを図3のようにすることも可能であるり、この場合の液晶制御回路34によるパターン発生制御を簡単にすることができる。
【0023】
また、液晶制御回路34によ明るさに制御範囲は、二次元配列エレメントの最小数1から最大数480000(800×600)までの非常に広い範囲(ダイナミックレンジ)で明るさ調整をすることができる。
【0024】
本実施の形態では、パターン発生によって明るさの制御を行う例を示したが、液晶の制御は、図4に示すように、液晶パネル14における印加電圧を変えることで、透過光量を制御するようにしてもよく、この場合にはパターンを発生させるような複雑なことを行わずとも、液晶の透過光量の可変が可能となる簡便な方式となることは言うまでもない。
【0025】
(効果)
このように本実施の形態では、光源装置4において、応答時間が数msから数十msの液晶パネル14により照明光の供給制御しているので、小型化が可能で、応答の早い明るさ制御を行うことができる。
【0026】
また、明るさ調整を液晶パネル14の二次元配列エレメントの数を制御するので、広い調整範囲(ダイナミックレンジ)で、しかもリニアな制御特性を得ることができる。さらに、インテグレータ16により、配光の影響がない状態で明るさを制御できる。
【0027】
第2の実施の形態:
図5及び図6は本発明の第2の実施の形態に係わり、図5は内視鏡装置の構成を示す構成図、図6は図5の内視鏡装置の作用を説明する図である。
【0028】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0029】
(構成)
図5に示すように、本実施の形態では電子内視鏡41を用いて、電子内視鏡41の挿入部先端内に設けられたCCD16からの信号線は光源装置4に接続されるコネクタ42より延出したケーブルの先端に設けられたコネクタ19によりCCU6に接続されるようになっている。
【0030】
光源装置4の光源ランプ11からの出射光(照明光)は、赤外カットフィルタ12、位相差板13を通過して、PBS(偏光ビームスプリッタ)とよばれるプリズム43に入射し、プリズム43では出射光(照明光)のp波成分のみを反射し、反射光は液晶パネル14aに入射する。液晶パネル14aでは液晶での反射光は入射光より約90度偏向されて出射されてs波となり、プリズム43の反射面はs波のみを透過するので、液晶パネル14aからのs波光がプリズム43を透過し、集光レンズ44によってライトガイド3に入射するように構成される。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0031】
(作用)
電子内視鏡41を体腔内の例えば上部消化管に挿入して観察を行う。図6(a)に示すように、CCD16の電子シャッタタイミングに合わせて、明るさ制御はPWMによって行われる。PWM制御信号は液晶制御回路34によって発生し、液晶パネル14aの液晶による遮光時間の制御が行われ、観察に適正な明るさの制御がされる。図6(b)は明るい場合のPWM制御を、図6(c)は暗い場合のPWM制御を示す。本実施例では、PWM制御としたがPFM制御でも同様の効果を得ることができる。その他の作用は第1の実施の形態と同じである。
【0032】
(効果)
このように本実施の形態においても、第1の実施の形態の効果と同様な効果を得ることができる。また、本実施の形態では、液晶パネル14aは反射型の液晶を用いて構成され、反射型の液晶は、透過型に比べていわゆる開口率を高くすることができるので、光源ランプ11からの光の利用率、すなわち高い効率を得ることができる。
【0033】
第3の実施の形態:
図7ないし図12は本発明の第3の実施の形態に係わり、図7は内視鏡装置の構成を示す構成図、図8は図7の内視鏡装置の作用を示す第1の図、図9は図7の内視鏡装置の作用を示す第2の図、図10は図7の内視鏡装置の作用を示す第3の図、図11は図7の内視鏡装置の作用を示す第4の図、図12は図7の内視鏡装置の作用を示す第5の図である。
【0034】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0035】
(構成)
本実施の形態では、図7に示すように、光源ランプ11からの照明光は赤外カットフィルタ12を介して平板ミラー59に入射され、このミラー59での反射光は光変調デバイス60に入射し、光変調デバイス60の反射光は集光レンズ58で集光されてライトガイド2に入射するようになっている。
【0036】
この光変調デバイス60は、微少な640×480のミラーをシリコンチップ上に配置し、ミラーを対角線を中心に安定した2つの状態間で回転するヨーク上に保持部材により保持され、水平方向に±10°の角度変化出来るようにした素子で、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)と呼ばれる。
【0037】
明るさ比較回路33及び基準となる明るさ設定回路32はCCU6に設けられており、CCU6には明るさスイッチを備えた操作パネル63があり、明るさスイッチの操作により明るさ設定回路32で明るさレベルが設定される。明るさ設定回路32の出力は明るさ比較回路33に入力され、明るさ比較回路33は映像信号処理回路22の出力より明るさ信号発生回路24で生成した明るさレベルと比較して明るさ制御信号(比較結果)を発生する。
【0038】
明るさ比較回路33で生成された明るさ制御信号(比較結果)は、光源装置4の明るさパターン発生回路64に入力される。明るさパターン発生回路64の出力は光変調デバイス60における後述する明るさパターンを合成回路(以下、合成回路と記す)65に出力する。
【0039】
光源装置4の操作パネル31に凸状または凹状の観察対象を均一に照明できるように指示する操作スイッチが設けられており、その操作スイッチにより配光パターン発生回路66に選択信号が入力される。配光パターン発生回路69は第7図に示すようなパターンを発生し、合成回路65に入力する。
【0040】
合成回路65は、図8に示すような明るさパターンと図9に示すような配光パターンを合成し図10に示すようなパターンとし、図10のパターンを制御信号としてDMD制御回路67に入力し、DMD制御回路67はDMD駆動回路68を制御しDMD駆動回路68により光変調デバイス60の二次元配列エレメントが駆動される。
【0041】
ここで、図8(a)は明るさ比較回路33で暗いとされた場合の明るさパターンを示し、図8(b)は明るさ比較回路33で明るいとされた場合の明るさパターンを示す。また、図9(a)、(b)、(c)、(d)は凹状観察対象に対する配光パターン例を示す。そして、図10(a)、(b)、(c)、(d)は凹状観察対象に対する配光パターンに明るさパターンを合成した合成パターン例を示す。図10(c)(d)は、全体を若干暗くする明るさ制御が行われたパターンであり、合成回路65では均一性を持たせるため、集中した暗い部分には、単純加算でなく、排他論理和のような処理を行っている。また、図11(a)、(b)、(c)、(d)は凸状観察対象または管腔臓器対する配光パターン例を示し、これに図8に示すような明るさパターンが合成されたパターンで光変調デバイス60が駆動される。
【0042】
光変調デバイス60の二次元配列エレメントとなるマイクロミラーは、+10°の位置の場合にライトガイド3に入射し、−10°の場合はライトガイド3に入射しないようになっており、パターン信号は明るくする部分が+10°の制御がされる。
【0043】
なお、光変調デバイス60に加えるパターンの変化例を図12に示す。図12では明るさ制御によるライトガイド3への入射光量を、光変調デバイス60の二次元配列エレメントとなるマイクロミラーを例えばパルス駆動して中間通過光量とし、より中心部が明るくなるようにした場合のパターンを示す。図12では、中間レベルのパターンを加えているが、このようにすることで段階的なパターンを、より微少な変化を含めた制御として行えるようになる。
【0044】
そして、合成回路65は、明るさパターン発生回路64からの明るさパターンと配光パターン発生回路66からの合成パターンを、明るさ比較回路33から入力される明るさ信号に基き、時系列でパターン切替えを行うようにしている。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0045】
(作用)
第1の実施の形態と同様であるが、光変調デバイス60が反射方式のために透過式の液晶パネルより高い効率で光を制御することができる。その他の作用は第1の実施の形態と同じである。具体的に説明すると以下のようになる。
【0046】
TVカメラヘッド55を硬性鏡52に接続し、気腹された腹部に刺入されたトラカールに硬性鏡52を挿入して内視鏡観察を行う。内視鏡像はCCD116によって撮像され、CCU56にて信号処理されてモニタ57で観察が可能となる。
【0047】
この時、明るさ信号発生回路123は内視鏡画像の明るさに対応した信号を出力し、明るさ比較回路133で明るさ設定回路132からの基準の設定信号に対して暗くなったこと或いは明るくなったことが比較により検出され、比較結果が明るさパターン発生回路64に入力される。
【0048】
明るさパターン発生回路64では、図8に示すような明るさに応じて段階的に変化するモザイク状のパターンを発生する。また、観察対象に応じて操作パネル31の操作スイッチを選択することにより、図9或いは図11の配光パターンが配光パターン発生回路66から出力され、合成回路65により両パターンが合成されて図10等に示すパターンが生成され、DMD制御回路67及びDMD駆動回路68を介して光変調デバイス60の二次元配列エレメントが全レベル反射或いは遮光反射状態(さらには中間レベル反射状態)に駆動される。
【0049】
例えば、基準の設定信号に対して、比較結果で内視鏡画像が暗いと判断された場合には、その前の状態よりも照明光を明るくするパターンが生成され、光変調デバイス60の二次元配列エレメントの全レベル反射数等を大きくするように作用をする。これにより、光源装置4からの出射光(照明光)が明るくなり、内視鏡像が適正な明るさで観察できるようになる。
【0050】
逆に、明るすぎると判断されると、光変調デバイス60における遮光反射状態の二次元配列エレメントの数を多くなるようなパターンにして、光源装置4からの照明光を弱く(暗く)するように作用させる。
本実施の形態によれば、光変調デバイス60は反射方式のために光の利用率を高い状態で照明光量の制御することができる。
【0051】
(効果)
このように本実施の形態では、第1の実施の形態の効果に加え、パターンによりDMDからなる光変調デバイス60の二次元配列エレメント数を最大限使用するまたは中間レベルを用いることにより、非常に広範囲なダイナミックレンジでの明るさ制御ができるようになる。また、光変調デバイス60のマイクロミラーの応答性は2μSと非常に早い応答となるので、早い明るさ制御が可能となる。
【0052】
また、DMDは反射方式のため、液晶の透過率に比べて光の利用率を高くすることができる。
【0053】
なお、ライトガイド3への入射光量の中間レベルは、パターンによるパルス駆動制御により得るとしたが(図12参照)、ライトガイド3への入射光量のレベルをPWM(パルス幅制御)またはPFW(パルス周波数変調)によって連続的に可変する中間レベルを得ることも可能である。
【0054】
第4の実施の形態:
図13は本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図である。
【0055】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0056】
(構成)
本実施の形態では、図13に示すように、パターン発生回路66には補正パターン発生回路71が接続され、補正パターン発生回路71にはシリアル通信I/F72が外部装置73(パソコン等)とのインターフェイスとして設けられ、外部装置73からの補正パターンが記憶される記憶回路74が補正パターン発生回路71に接続されている。
【0057】
外部装置73では、CPU81がBUS82に接続され、BUS82を介してKEY −I/F83、DISSP−I/F84の入力および出力インターフェイスを持ち映像信号処理回路22からの映像信号をA/D変換するA/D変換回路85と、光源装置4のシリアル通信I/F72との通信を行うシリアル通信I/F86が設けられている。なお、キーボード87がKEY−I/F83に、ディスプレイ88がDISSP−I/F84に接続されて、外部装置73の操作ができるようになっている。
【0058】
また、光源装置4では、光源ランプ11の照明光は赤外カットフィルタ12を介して凹面ミラー61に入射され、このミラー61は集光する反射面を有し、このミラー61での反射光は光変調デバイス60に入射し、この光変調デバイス60の反射光はライトガイド3に入射されるようにしている。その他の構成は第3の実施の形態と同じである。
【0059】
(作用)
外部装置73では、映像信号を基に適正な明るさおよび配光制御ができる制御パターンを作成して、そのパターンを光源装置4に読み込ませることにより、より最適な制御を可能とすることができる。
【0060】
補正パターンは記憶回路74に記憶されて、光源装置4の操作パネル31の操作により補正パターンが選択されると、記憶回路74に外部より記憶された補正パターンが、補正パターン発生回路71より合成回路65に出力される。合成回路65では補正パターンと図10のような明るさパターンが時系列で交互に選択される。選択時間は明るさレベルによって、配光と明るさの割合が決めら、観察に適当な明るさおよび配光(補正)となるように制御される。その他の作用は第3の実施の形態と同じである。
【0061】
(効果)
このように本実施の形態では、第3の実施の形態の効果に加え、外部より明るさパターンを設定できるようにしたので、特に、工業用内視鏡においては、適用範囲が広く非破壊検査などに用いられ、あらかじめ設定した制御パターンだけでは、制御しきれないことが考えられるが、そのような場合の適用拡大が可能となる。
【0062】
第5の実施の形態:
図14ないし図16は本発明の第5の実施の形態に係わり、図14は内視鏡装置の構成を示す構成図、図15は図14のRGB回転フィルタの構成を示す構成図、図16は図14の内視鏡装置の作用を説明する図である。
【0063】
第5の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0064】
(構成・作用)
本実施の形態では、図14に示すように、硬性鏡2に代わりに第2の実施の形態と同様に電子内視鏡41を用いている。そして、光源ランプ11からの照明光は赤外カットフィルタ12を介して、RGB回転フィルタ91のフィルタを透過する光束経を絞るための光学系レンズ92から、RGB回転フィルタ91を透過して光束経を元に戻す光学系レンズ93よりミラー61に入射している。ここで、RGB回転フィルタ91は図15に示すようなRGBフィルタが回転して面順次光を出射するようになっている。
【0065】
ミラー61で反射した光は光変調デバイス60に入射し、光変調デバイス60のマイクロミラーの二次元配列パターンで反射された光を集光レンズ44によってライトガイド2の入射端面に入射させるようにしている。
【0066】
RGB回転フィルタ91は、モータ94によって回転し、回転センサ95により回転が検出されCCU6からの撮像タイミングに同期するように回転が制御される。回転センサ95の出力は回転検出回路96に入力し、回転検出信号が回転制御回路97に入力され、回転制御回路97でタイミング調整回路35より出力されるタイミングに同期が取れるよう駆動信号を発生し、モータ駆動回路98に入力するようになっている。
【0067】
CCD18は白黒の転送領域をもたないもので、RGBの面順次により撮像するタイプで、面順次方式の遮光期間(CCD信号の読み取り期間)は、光変調デバイスをタイミング調整回路からの信号に基いて、撮像タイミングに合わせて設けられる。その関係を図16に示す。配光及び明るさ制御は、第3の実施の形態と同様に行われ、面順次光の出力時に配光制御と明るさの制御が行われる。その他の構成は第3の実施の形態と同じである。
【0068】
(作用)
面順次であっても、面順次の出射時に配光と明るさを制御するパターンで光変調デバイスが駆動され、観察に適した状態に制御される。その他の作用は第3の実施の形態と同じである。
【0069】
(効果)
このように本実施の形態では、第3の実施の形態の効果に加え、面順次方式でも配光の制御と明るさの制御を行うことができ、早い応答性と広いダイナミックレンジを得ることができる。
【0070】
明るさの制御は、観察状態に合わせたパターン出力による方式を適用したが、PWMまたはPFMなどのパルス幅変調による明るさ制御でも実現可能であり、パターン制御とパルス幅制御の方式を組み合わせても目的の効果が得られる。
【0071】
第6の実施の形態:
図17ないし図24は本発明の第6の実施の形態に係り、図17は内視鏡装置の構成を示す構成図、図18は図17の光源装置における光学系の拡大図、図19は光変調デバイスによる作用の説明図、図20は光変調デバイスで反射された光が被写体側に照射される光学系を示す図、図21はインテグレータ付近の光学系を示す図、図22は配光パターン例を示し、図23は配光パターンによる配光制御した場合の作用の説明図、図24は他の配光パターン例を示す。
【0072】
第6の実施の形態は、第1及び第3の実施の形態と類似しているので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0073】
図17に示す本実施の形態の内視鏡装置101は電子内視鏡102と光源装置4とCCU6とモニタ7とから構成される。
【0074】
光源装置4では図18にも示すように光源ランプ11の光はその光路上に配置した集光レンズ15により、インテグレータ(ロッドレンズ)16に入射され、このインテグレータ16で均一化された光はコリメータレンズ103により平行な光束の光にされて、その照明光路上に配置された光変調デバイス60に入射され、この光変調デバイス60で反射された光は集光レンズ104により、光源装置4のライトガイドコネクタ受け4aに装着される電子内視鏡102のライトガイドコネクタ105の端面から光伝達手段(導光手段)としてのライトガイド106に入射される。
(図20で後述するように)この場合、ミラーデバイスを物点とすれば、ライトガイド106の端面に瞳を投影するように配置され、同心円の配光制御を可能にしている。
【0075】
図17に示す電子内視鏡102は体腔内等に挿入される挿入部107を有し、その後端には操作部108が設けてある。ライトガイド106に入射された光は挿入部107の先端部まで伝送され、その先端面から出射され、体腔内の患部などの被写体を照明する。
【0076】
照明された被写体は対物レンズ109によりその結像位置に像を結ぶ。その結像位置にはCCD110が配置され、光電変換される。
【0077】
このCCD110は信号線に接続され、この信号線は電子内視鏡102の後端から延出されたケーブル112内を挿通され、信号コネクタ113を介してCCU6と接続される。
【0078】
光変調デバイス60は図19に示すようにシリコン基板115上には例えば各格子点にマイクロミラー116が例えば±10度で回動自在に配置されて多数のマイクロミラー116を設けて受光面117が形成されている。そして、(光源ランプ11)コリメータレンズ103側からの入射光に対し、マイクロミラー116が実線で示すように例えば−10度に設定された状態では反射された反射光は集光レンズ104を経てライトガイド106に入射されるように設定されているが、点線で示すように+10度に設定された状態では反射された反射光はさらに大きく異なる方向に反射され、ライトガイド106には入射されないようになる。
【0079】
図20は光変調デバイス60で反射された光が被写体側に投射される様子を示す。
光変調デバイス60を物点と見なすと、集光レンズ104によりその略瞳位置または瞳位置近傍に配置されたライトガイド106の入射側の端面106aに集光して入射される。この端面106aに入射された光はライトガイド106により先端面(出射側の端面)106bに伝送され、この端面106bから出射される光は、被写体側に投影される。なお、この端面106bに対向して点線で示すように照明レンズ118を設けるようにしても良い。
【0080】
また、図21はインテグレータ16付近の光学系を示す。
ランプ11は図18に示すように2つの電極の端部の間から光を発生するので、その光軸方向の電極により、光軸付近の部分では光の出射が遮られる。従って、その光を直接光変調デバイス60に導くと、光変調デバイス60には照明むらのある状態となってしまう。
【0081】
本実施の形態ではこの照明むらを無くするために、図21に示すようにランプ11の光を集光レンズ15によりその略瞳位置に入射端面を配置したインテグレータ16に入射させる。
略瞳位置に配置することにより、インテグレータ16の入射端面の照度分布は中心ほど高く、周辺に行くほど低いが、インテグレータ16により伝送される際に全反射を繰り返すことで、出射端面上での照度分布は均一化される。
【0082】
また、インテグレータ16の出射配光分布を位置分布に変換するため、コリメータレンズ103をインテグレータ16の出射端面とその前側焦点位置を略一致させるように配置させ、かつ光変調デバイス60をコリメータレンズ103の後ろ側焦点位置より離れた位置に配置することで、図中斜線で示した遮光部分(図21で斜線で示す部分が電極による遮光部分)の分布を均一化させ、光変調デバイス60を均一に照明することができる。
【0083】
また、本実施の形態では被写体(観察対象)の明暗特性に応じて、操作パネル31には管状被写体の場合、中心部突起状被写体等を選択する複数の選択スイッチ31aが設けてあり、その選択スイッチ31aの選択操作により、配光パターン発生回路66は対応する配光パターンを発生するようにしている。その他の構成は図7の場合と同様である。
【0084】
(作用)
本実施の形態では、集光レンズ104により略瞳位置に配置した電子内視鏡102のライトガイド106の入射側の端面106aに光変調デバイス60で反射された光を導光し、ライトガイド106の先端面106bから伝送した光を出射し、患部等の被写体側を照明する。
【0085】
被写体の形状が中央側が暗く、その周辺側が明るい管状の被写体の場合には管状被写体用の選択スイッチ31aを選択操作すると、例えば図22(a),(b),(c)に示すような配光パターンを発生する。この場合、中心部が周辺部に比べて暗い程度が小レベルの場合には図22(a),中レベルでは図22(b)、大レベルの場合は図22(c)のようになる。
【0086】
配光パターン発生回路66で発生された配光パターンと明るさパターン発生回路64からの明るさパターンは合成回路65により合成され、DMD制御回路67を介してDMD駆動回路68に出力され、DMD駆動回路68の出力信号で光変調デバイス60が駆動される。
【0087】
図23は例えば図22(a)の配光パターンにしたマイクロミラーを有する光変調デバイス60で反射された光により被写体を照明した場合の様子を示す。なお、図23では遮光反射部の状態のマイクロミラー部分を斜線で示している。
【0088】
この場合には、光軸Oから距離dより大きい遮光反射部(斜線部分)からはライトガイド106の入射側の端面106aに光が入射されない状態となり、その情報がライトガイド106の各ファイバによる伝送の際の反射の繰り返しにより同心円状の角度情報となり、ライトガイド106の先端面106bから被写体に照射された場合には同心円状部分が中央側より暗くなる。
【0089】
具体的に説明すると、図23において、距離dからd1までの遮光反射部により梨地で示すような角度θ部分が遮光された状態でライトガイド106の各ファイバの入射側の端面106aに光が入射され、各ファイバで伝送され、先端面106bから出射される場合、同心円状で、その角度θ部分が中央部分より暗い状態で被写体側に光が出射される。
【0090】
従って、光変調デバイス60側で、例えば距離dからd1までのリング部分を全て遮光反射部の状態にすると、被写体側におけるその角度θ部分は真っ暗になる。一般的には光変調デバイス60側での光軸Oからの距離におけるリング状部分の面積に対し、その面積における遮光部分の面積が大きい程、その距離に対応する同心円状の角度部分がより暗くなる。
なお、図23では1つのファイバで入射及び出射する様子を示しているが、他のファイバでも同様の作用を行う。
【0091】
このため、この配光パターンを採用して管状被写体を照明すると、中央側の暗い部分をより大きい強度で照明でき、均一に照明した場合よりも、得られる画像の明るさ分布はより平坦化された診断し易いものとなる。従って、簡単な明るさ補正により、診断し易い明るさの画像が得られる。
本実施の形態によれば、このように簡単な配光パターンにより、管状被写体の場合にも診断し易い照明状態に設定できる。
【0092】
また、中心部が突起状に突出する被写体の場合には均一に照明すると、突起状部分が明るすぎるようになってしまうので、操作パネル31に設けた中心部突起状被写体用の選択スイッチ31aを選択操作すると、例えば図24(a),(b),(c)に示すような配光パターンを発生する。この場合、中心部の突起物が周辺部に比べて明るい程度が小レベルの場合には図24(a),中レベルでは図24(b)、大レベルの場合は図24(c)のようになる。
この場合にも簡単な配光パターンにより、中心部が突起状に突出する被写体の場合にも診断し易い照明状態に設定できる。
【0093】
本実施の形態では略瞳位置にラントガイド106の入射側の端面106aを配置することにより、同心円状の配光制御を行う。その他の作用は第3の実施の形態と同様である。
【0094】
(効果)
このように本実施の形態によれば被写体の明暗分布に応じた配光パターンにより診断し易い画像が得られるような照明を行うことができる。
なお、図20に示すようにライトガイド106の入射側の端面106aの位置が略瞳位置となるように集光レンズ104を設けた光学系を図17に示す光学系とは異なる構成の光源装置に適用することもできる。
【0095】
図25は照明むらの発生を防止した変形例における光学系を示す。この変形例では光軸に垂直な縦置きの光源ランプ11を採用している。
上述のように例えば図18に示す光源ランプ11では光軸方向に両電極が配置された横置きタイプであったが、図25では両電極は光軸に垂直となっている。
両電極の間から前方に出射される光、及び後方に出射され球面鏡121で反射された光は平行光束にする集光レンズ122に入射されて平行な光束にされた後、赤外光と紫外光をカットするIR/UVカットフィルタ123を経て白色光成分のみが通過し、その光は光変調デバイス60に入射する。
【0096】
この光変調デバイス60で反射された反射光は集光レンズ104により集光されて略瞳位置にその入射側の端面106aが配置されたライトガイド106に入射されるようになっている。この場合には両電極により遮られることは光変調デバイス60側に入射される光に影響しないので、照明むらは軽減される。
【0097】
図26は例えば図7のミラー61により反射された光を光変調デバイス60に入射させる場合に適用できる変形例を示す。
ランプ11からの光は集光する機能を持つ凹面鏡131で反射されて一点で集光した後拡開して球面ミラー132の凹面で反射されて平行な光束にされた後、光変調デバイス60に入射され、反射光は集光レンズ104によりその略瞳位置に配置されたライトガイド106の端面106aに入射する。
【0098】
なお、上記各実施の形態においては、ライトガイドは、非整列の光学ファイバーバンドルであっても入射光の入射角による強度分布が保存され、出射光の強度分布となるので、配光制御は有効に作用する。ライトガイドは、光学ファイバーバンドルのタイプだけでなく、液体ライトガイドのようなものでも同様に使用することができる。
【0099】
ところで、上述の各実施の形態とは異なり、図27に示す内視鏡装置141のように被写体の各位置での照明輝度を制御できるような構成にしても良い。
図27に示す内視鏡装置141は例えば図17の内視鏡装置101において、電子内視鏡102のライトガイド106の代わりに像伝送機能を持つイメージガイド142を用いた電子内視鏡102′が採用されている。このイメージガイドの入射側の端面142aは集光レンズ104の代わりに配置した結像レンズ143の結像位置に配置されている。
また、イメージガイド142の出射側の端面142bに対向して投影レンズ144が配置され、端面142bから出射される光を被写体側に投影する。
【0100】
また、光源装置4の操作パネル31にはモニタ7に表示される内視鏡画像の任意の位置を指定する位置指定パネル31bと、指定された部分の輝度を上げ/下げするアップ/ダウンスイッチ31cとが設けてある。
【0101】
また、図17等では明るさパターン発生回路64は図8に示すようなパターンを発生していたが、本実施の形態では1フィールドの時間内で全レベル反射と遮光反射との割合を時間的に制御するような明るさパターンの信号を出力する。
【0102】
例えば明るさ比較回路33により、平均的な明るさが検出された部分に対する照明制御の場合には明るさパターン発生回路64は図28(a)に示すように全レベル反射にする例えば“H”レベルと遮光反射させる“L”レベルとが1フィールド期間中に検出された明るさの程度に応じてそれらの割合が変化するような明るさパターン信号を出力する。
【0103】
また、操作パネル31の位置指定パネル31bを操作し、例えばアップ/ダウンスイッチ31cのアップスイッチを操作した場合には指定された位置でアップさせる指示信号が合成回路65に入力される。
【0104】
例えば図28(a)の明るさが検出された部分に対してその部分をアップさせる指示を行った場合には、合成回路65では指定された位置に対応する明るさパターン信号における“H”レベルの割合を一定量、次のフィールド以降ではアップさせるように合成した図28(b)に示すような合成パターン信号を生成してDMD制御回路67側に出力して照明輝度の制御を行うようにする。
【0105】
ダウンスイッチを操作した場合には指定された位置に対応する明るさパターン信号における“H”レベルの割合を一定量、次のフィールド以降ではダウンさせるようにして照明輝度の制御を行うようにする。
【0106】
図29は光変調デバイス60以降の光学系の基本的な構成を示す。
光変調デバイス60の各位置(各マイクロミラー位置)は結像レンズ143によりその結像位置に配置されたイメージガイド142の入射側の端面142aに結像され、このイメージガイド142の各ファイバにより先端側の端面142bにその像の情報が伝送される。
【0107】
そして、先端側の端面142bから出射される光は投影レンズ144により被写体側に投影される。この場合、被写体側にはイメージガイド142の入射側の端面142aにおける輝度分布をその先端面142bに伝送してその輝度分布を被写体面に投影する。
【0108】
従って、被写体面の位置が結像位置になるように投影レンズ144を配置することが望ましいが、イメージガイド142による網目模様が投影されないように結像位置からデフォーカスされた位置でも良い。また、投射レンズ144の構成要素中に、ローパスフィルタ等を入れても良い。
【0109】
その他は図7の構成と同様である。本実施の形態の内視鏡装置141においても操作パネル63の明るさスイッチにより設定された明るさになるように、光変調デバイス60の明るさパターンが設定されるが、さらにユーザがさらに所望とする部分をより明るく照明したり、暗くする等して観察することが位置指定パネル31bの操作で行うことができる。
【0110】
従ってこの内視鏡装置141によれば、被写体の任意の位置部分の照明強度を大きくしてS/Nの良い観察画像を得る等することができる。
【0111】
また、図27の構成では操作パネル63の操作により設定された明るさと映像信号の明るさとを比較した比較結果の信号で光変調デバイス60の駆動パターンを時間的に制御する構成にしているが、この制御を行わない構成の場合にも適用できる。
【0112】
この構成の場合には明るすぎる部分や暗すぎる部分が存在したら、光源装置4の操作パネル31の操作によりその部分の照明強度を小さくしたり、大きくしたりして診断し易い内視鏡画像が得られるようにすることもできる。
【0113】
なお、光源ランプは、タングステンランプでもよいが、高輝度のキセノン、メタルハライド、水銀ランプなどの放電管タイプであることが望ましい。
さらに、各実施の形態では内視鏡として硬性鏡2あるいは電子内視鏡41等を用いて説明しているが、照明光が光源装置より供給され先端より観察部位に照射する内視鏡ならばいかなる構成の内視鏡(硬性鏡、光学式軟性鏡、電子内視鏡、側視型内視鏡、ステレオ式内視鏡等)でも本発明の各実施の形態が適用可能であることは言うまでもない。
【0114】
[付記]
(付記項1) 前記光変調デバイスは、デジタルミラーデバイスあるいは液晶パネルである
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【0115】
(付記項2) 前記光変調デバイスと前記光伝達手段の端部との間の光路上に設けられ、前記光変調デバイスを介した前記照明光を平滑する光平滑手段
を備えたことを特徴とする請求項1または4に記載の内視鏡装置。
【0116】
(付記項3) 前記制御手段は、前記撮像素子の撮像タイミングに同期して前記光学素子を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【0117】
(付記項4) 前記検波手段は、前記映像信号の平均輝度レベルを検波信号として検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【0118】
(付記項5)前記検波手段は、前記映像信号のピークレベルを検波信号として検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【0119】
(付記項6) 前記制御手段は、前記第1のパターン信号と前記第2のパターン信号との論理和にて前記光学素子を制御する
ことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡装置。
【0120】
(付記項7) 前記光学素子を選択する選択情報を入力する指示手段と、
前記指示手段で得られた前記選択情報を格納する記憶手段と、
前記記憶手段を制御するメモリ制御手段と
を備え、
前記メモリ制御手段にて前記記憶手段で読み出された前記選択情報を前記第2のパターン信号とする
ことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡装置。
【0121】
(付記項8) 照明光を発生する光源ランプと、前記照明光を被写体に導光するための光伝送手段を有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、
前記照明光の光路上に配置され、前記照明光の受光面側に所定軸に対して所定の角度範囲で回動可能な複数のミラーを格子状に配したミラーデバイスと、
前記複数のミラーを独立に駆動するマルチミラー駆動手段と、
前記マルチミラー駆動手段により前記複数のミラーを所定の角度位置に固定した時に、前記複数のミラーが反射した複数の光束を前記光伝送手段の入射端面に導光し、前記ミラーデバイスと前記光伝送手段の入射端面とを光学的な位置関係を形成する光学系と、
を備えたことを特徴とする内視鏡装置。
【0122】
(付記項9) 前記光学系が前記ミラーデバイスを物点と見なした時に、前記ミラーデバイスと前記光伝送手段の入射端面とを概略結像位置関係にすることを特徴とする付記項8記載の内視鏡装置。
(付記項10) 前記光学系が前記ミラーデバイスを物点と見なした時に、前記ミラーデバイスと前記光伝送手段の入射端面とを略瞳位置関係にすることを特徴とする付記項8記載の内視鏡装置。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、小型化を可能とし、応答が早く、理想的な明るさ制御を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係う内視鏡装置の構成を示す構成図
【図2】図1の液晶パネルの明るさ制御を示す図
【図3】図1の液晶パネルの明るさ制御の第1の変形例を示す図
【図4】図1の液晶パネルの明るさ制御の第2の変形例を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図6】図5の内視鏡装置の作用を説明する図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図8】図7の内視鏡装置の作用を示す第1の図
【図9】図7の内視鏡装置の作用を示す第2の図
【図10】図7の内視鏡装置の作用を示す第3の図
【図11】図7の内視鏡装置の作用を示す第4の図
【図12】図7の内視鏡装置の作用を示す第5の図
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図15】図14のRGB回転フィルタの構成を示す構成図
【図16】図14の内視鏡装置の作用を説明する図
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る内視鏡装置の構成を示す構成図
【図18】図17の光源装置における光学系の拡大図
【図19】光変調デバイスによる作用の説明図
【図20】光変調デバイスで反射された光が被写体側に照射される光学系を示す図
【図21】インテグレータ付近の光学系を示す図
【図22】配光パターン例を示す図。
【図23】配光パターンによる配光制御した照明の作用の説明図
【図24】他の配光パターン例を示す図。
【図25】図18の変形例の光学系を示す図
【図26】さらに他の変形例の光学系を示す図
【図27】内視鏡装置の構成図
【図28】明るさパターン信号等の信号波形を示す図。
【図29】図27の光源装置の光学系の主要部を示す図。
【符号の説明】
1…内視鏡装置
2…硬性鏡
3…ライトガイド
4…光源装置
5…TVカメラヘッド
6…CCU
7…モニタ
11…光源ランプ
12…赤外カットフィルタ
13…位相差板
14…液晶パネル
15…集光レンズ
16…インテグレータ
17…レンズ
18…CCD
19…コネクタ
21…CCD駆動回路
22…映像信号処理回路
23…タイミング発生回路
24…明るさ信号発生回路
31…操作パネル
32…明るさ設定回路
33…明るさ比較回路
34…液晶制御回路
35…タイミング調整回路
36…液晶駆動回路
37…ランプ電源
Claims (3)
- 照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、
前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、
前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、
前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、
前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、
を具備し、
前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンおよび前記配光パターンの論理和に基づいて前記合成パターンを生成する
ことを特徴とする内視鏡装置。 - 照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、
前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、
前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、
前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、
前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、
を具備し、
前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンおよび前記配光パターンの排他的論理和に基づいて前記合成パターンを生成する
ことを特徴とする内視鏡装置。 - 照明光を供給する光源ランプと、前記照明光を伝達する光伝達手段及び被写体を撮像する撮像素子とを有する内視鏡とを具備した内視鏡装置において、
前記光源ランプの光路上に設けられ、前記照明光を制限する複数の光学素子を2次元配列させた光変調デバイスと、
前記撮像素子によって得られた映像信号を検波する検波手段と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、前記検波手段の検波結果に基づいて決定された明るさを制御するための明るさパターンを生成する明るさパターン発生回路と、
前記複数の光学素子のうちの一部又は全部の光学素子を選択するためのパターンであって、観察対象を均一に照明するための所定の配光パターンを生成する配光パターン発生回路と、
前記明るさパターン発生回路により生成された前記明るさパターンと、前記配光パターン発生回路により生成された前記配光パターンとを合成して合成パターンを生成する合成パターン発生回路と、
前記合成パターン発生回路により合成される前記合成パターンに基づいて、前記複数の光学素子を制御する制御手段と、
を具備し、
前記合成パターン発生回路は、前記明るさパターンと前記配光パターンとを時系列で切換えて前記合成パターンを生成する
ことを特徴とする内視鏡装置。
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