JP4585990B2 - 導波型光回路 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信システムの基本素子として重要な導波型光回路に関する。
インターネットや映像分配など様々なネットワークサービスの需要を背景に、大容量通信が可能な光ファイバ網が各家庭まで浸透しつつある。このような光通信システムを廉価に柔軟に運用するためには、光を電気に変換しないで光のまま切り替えたり、分配したりする光部品が重要である。導波型光回路では、複数の光分岐結合回路を容易に組み合わせることができるので、多様な機能を実現できる。特に石英系ガラスで形成される導波路構造を有する導波型光回路は、量産性や信頼性に優れ、光ファイバとの整合性が良いので、各種の光通信システムに使用されている。
図14に光アクセス網で光信号を分配する導波型光回路である4分岐光スプリッタの構造を示す。図14(A)はその平面図である。図14(B)中の左図は、図14(A)の切断線BB′で切断した断面図であり、図14(B)中の右のグラフは左図の切断線CC′での屈折率分布を示す特性図である。図14(C)は、縦列して配設される2つのY分岐回路間(図14(A)の切断線PQ)で切断した断面図である。
この例の4分岐光スプリッタは、1入力2出力の光分岐結合回路であるY分岐回路を縦列に接続して構成される。すなわち、点Pに配置されたY分岐回路21の2本の出力導波路である分岐導波路と後段の点Q,Q´にそれぞれ配置されたY分岐回路22,23の入力導波路が接続される。各Y分岐回路21〜23は、導波路のコア14の幅を2倍程度に広げたテーパ部に、2本の分岐導波路25となるコアを接続して、構成される。このY分岐回路をツリー状にN段(Nは1以上の整数)に縦列接続することにより、2分岐の光スプリッタが構成される。
一般的に、導波路型光回路は小さい方が、生産性が良いため望まれる。そこで、光分岐結合回路を縦列接続して構成された導波型光回路では、前後の光分岐結合回路間の距離は所望の機能が達成できる範囲で、できるだけ短い方が望ましい。また、光分岐結合回路の中心軸と前後の光分岐結合回路を結ぶ直線がなす角(鋭角)は小さい方が望ましい。図14(A)に示す4分岐光スプリッタの例で説明すると、Y分岐回路21の中心軸と線分PQがなす鋭角θ1、Y分岐回路22の中心軸と線分PQがなす鋭角θ2は、0(ゼロ)に近い方が望ましい。通常、|θ1|≦0.1radおよび|θ2|≦0.1radおよび|θ1+θ2|≦0.1radで、線分PQの長さが10mm以下とされる。
このような導波型光回路の製造方法を、図15(A)〜図15(D)に示す。
まず、図15(A)に示すように、下部クラッド11となる石英ガラス基板上に石英系ガラスでコア層12が形成される。この石英系ガラスは化学気相堆積法(CVD法:Chemical Vapor Deposition)、蒸着法、スパッタ法、火炎堆積法(FHD法:Flame Hydrolysis Deposition)で形成できることが知られている。例えば、FHD法では、SiClを主成分とする原料ガスを酸水素雰囲気中で燃焼することにより、石英系ガラスの微粒子が下部クラッド11上に堆積される。この微粒子を軟化温度以上の高温で焼結することにより、透明な石英系ガラスの層が形成される。原料ガスに、ゲルマニウム(Ge)やチタン(Ti)、硼素(B)、燐(P)などの塩化物ガスを混合し、GeOやTiO、B、Pの化合物を混ぜることで、石英系ガラスの軟化温度や屈折率が調整される。また、焼結時にSiFガスを流すことにより、弗素(F)を混ぜることができる。GeやTi、Pは屈折率を高くし、BとFは屈折率を低くする。また、これらの添加物のすべてが石英系ガラスの軟化温度を下げる作用をする。
コア層12の屈折率は導波路構造となるために下部クラッド11の屈折率よりも0.2〜5%高く設定される。この値(0.2〜5%)は比屈折率差Δと呼ばれ、
Δ(%)=(コア層の屈折率−下部クラッドの屈折率)÷コア層の屈折率×100
・・・式(1)
で計算される。
次に、図15(B)に示すように、フォトリソグラフィー工程を通して回路形状が転写されたエッチングマスク51がコア層12の上に形成される。
その後、図15(C)に示すように、エッチングマスク51を保護層にして、回路コア以外の不要なコア層12がエッチング加工により除去され、コアリッジ52が下部クラッド11上に形成される。
最後に、図15(D)に示すように、上記のコア層12の形成の場合と同様の方法を用いて、石英系ガラスでコアリッジ52を覆うように、上部クラッド13が下部クラッド11上に形成される。上部クラッド13の屈折率はコア層12よりも低く設定され、下部クラッド11の屈折率と等しくなるように設定される。
以上のような製造方法を用いることにより、互いに屈折率の等しい下部クラッド11と上部クラッド13の中にこれらより屈折率の高いコア14を配置することが可能となる。このような導波路構造は、対称性が良いので、損失や偏波依存性が小さいという特徴があり、導波型光回路を構成する導波路構造として広く用いられている(特許文献1参照)。
特開平8−211240号公報 特開2003−315576号公報 特開2000−241645号公報
前述した導波型光回路において、導波路自体には偏波依存性も無く、光回路特性を劣化させる要因も無い。しかしながら、図14(A)に示した4分岐光スプリッタのY分岐回路21〜23は、単純な導波路構造ではなく、光信号を2分配するためにY型のコア形状となっている。このようなY分岐回路21〜23では、分岐部に製造上避けられない隙間があり、そのために2%程度の光パワーが、導波路から散逸して0.1dB程度の過剰損失が発生する。散逸した光パワーの大部分は、元の導波光の進行方向(Y分岐回路の中心軸)と同方向に広がりながら放射光として、上部クラッド13と下部クラッド11内を伝搬してゆく。
このような光スプリッタにおいて、図14(C)に示すように、前段のY分岐回路21からの放射光26が後段のY分岐回路22に再結合し、光スプリッタの分岐特性を劣化させることがある。また、この放射光26が上部クラッド13と下部クラッド11内を伝搬する仕方に偏波依存性があるため、光スプリッタの分岐特性に偏波依存性が発生する。さらに、他の導波型光回路でも、光分岐結合回路での放射光と導波光の結合が問題となる。例えば、後述の詳細な説明の欄で例示する導波型光スイッチでは、前段の方向性結合器からの放射光が後段の方向性結合器に再結合し、スイッチのクロストークを誘発させる。
そして、このような放射光の問題は、特に小型化された導波型光回路で顕著となることが分かった。すなわち、前後の光分岐結合回路が10mm以下の距離で配置され、前後の光分岐回路を結ぶ直線と各々の光分岐結合回路の中心軸とがなす角度が0.1rad以下のとき、放射光の問題が顕在化する。
さらに、放射光は、その他の光分岐結合回路、例えば、X分岐回路や多モード干渉回路などでも発生することが知られている。そのため、Y分岐回路やX分岐回路、方向性結合器、多モード干渉回路などの光分岐結合回路を複数配置して構成する導波型光回路においては、後段の光分岐結合回路で放射光が再結合しないことが重要となる。
このようなクラッド内を伝搬する放射光(漏れ光、クラッドモード)は、導波型光回路の入力ポートと光ファイバとの接続不整合で特に発生することが知られている。また、縦列接続する導波型光回路の接続不整合で発生することや導波型光回路内でも発生することが知られている。特許文献2では、Y分岐回路のテーパ部とその直前の導波路の形状を適正に設計することで、Y分岐回路における漏れ光の影響を除去できることが開示されている。しかしながら、この方法は、導波光と漏れ光との干渉を利用するもので、屈折率やコアの形状などの設計値がずれると効果が不十分となり、製造誤差の影響を受けやすいことがわかった。また、特許文献3では、信号が伝搬するコアの横に漏れ光を導波させるコアを配置させることが開示されている。いかしながら、この方法では、漏れ光を導波させるコアから再びいくらかの漏れ光が発生し、効果が不十分であることがわかった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の光分岐結合回路を有していても、後段の光分岐結合回路で放射光の再結合を抑制するように構成することで、再現性良く良好な特性を示す導波型光回路を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の導波型光回路は、下部クラッドと、該下部クラッドの上面に配設されたコアと、該コアを覆う上部クラッドとで構成された導波路構造を有し、第1と第2の少なくとも2つの光分岐結合回路で構成されている導波型光回路において、前記第1と第2の光分岐結合回路が導波光と放射光が結合する構造を有し、該第1の光分岐結合回路の出力導波路に該第2の光分岐結合回路の入力導波路が接続されており、前記第1の光分岐結合回路の位置を特定する点をPとし、前記第2の光分岐結合回路の位置を特定する点をQとし、前記第1の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ1とし、前記第2の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ2とすると、
| θ 1 | ≦ 0 . 1 r a d および
| θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d および
| θ 1 + θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d
が成立し、前記線分PQの長さが10mm以下であるように、前記第1の光分岐結合回路と前記第2の光分岐結合回路が配置されており、前記第1の光分岐結合回路の放射光が前記下部クラッドを伝搬することにより前記第2の光分岐結合回路で導波光と再結合しないように、前記上部クラッドの屈折率が前記下部クラッドの屈折率よりも低くされていることを特徴とする。
従来技術では、上部クラッドと下部クラッドは等しい屈折率を有し、導波型光回路が複数のY分岐回路や方向性結合器などの光分岐結合回路で構成される場合、前段の光分岐結合回路からの放射光が後段の光分岐結合回路に再結合し、導波型光回路の特性を劣化させていた。これに対し、本発明によれば、上部クラッドの屈折率を下部クラッドの屈折率よりも低くすることにより、上部クラッド中の放射光が下部クラッドへ移行する。これは光が屈折率の高い媒体に引き寄せられて伝搬する性質に基づく。さらに、上記特徴の導波路構造では、上部クラッドはコアの上面と両側面を覆い、下部クラッドはコアの下面のみと接する。そのため、下部クラッド中の放射光の影響はコアの下面からのみとなり、放射光が後段の光分岐結合回路に実質的に再結合しなくなる。このため、従来技術では前段の光分岐結合回路からの放射光が届く位置に後段の光分岐結合回路が配置されるような平面図的構成の導波型光回路でも、前段の光分岐結合回路からの放射光が後段の光分岐結合回路に再結合しないので、導波型光回路の特性を劣化させない。
また、前記第1の光分岐結合回路の位置を特定する点をPとし、前記第2の光分岐結合回路の位置を特定する点をQとし、前記第1の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ1とし、前記第2の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ2とすると、| θ 1 | ≦ 0 . 1 r a d および| θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d および| θ 1 + θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d が成立し、前記線分PQの長さが10mm 以下であるように、前記第1の光分岐結合回路と前記第2の光分岐結合回路が配置されていることは、一般的に小型化を考慮して設計された導波型分岐光回路の配置関係を基に、本発明の効果が有効に得られる範囲を規定したもので、通常この規定を超える範囲は放射光の影響が実質上ないことを考慮したものである。
また、前記コアと前記下部クラッドとの屈折率の差(ΔNU)に対する、前記コアと前記上部クラッドとの屈折率の差(ΔNO)の比(ΔNO/ΔNU)が1よりも大きく、かつ1.5以下であることが望ましい。上部クラッドの屈折率が下部クラッドの屈折率よりも低ければ、上部クラッド中の放射光が下部クラッドへ移行する。しかし、上部クラッドの屈折率が下部クラッドより低すぎる場合には、導波路は不要な高次モードが励振されやすくなり、Y分岐回路や方向性結合器など光分岐結合回路でモード変換が起きて、損失が増大する。本発明者は、前記コアと前記下部クラッドとの屈折率の差に対する、前記コアと前記上部クラッドとの屈折率の差の比が1よりも大きく1.5以下である場合、本発明の効果を得ることができることを見出した。さらに、前記コアと前記下部クラッドとの屈折率の差に対する、前記コアと前記上部クラッドとの屈折率の差の比が1.1以上で1.4以下であれば、より望ましい効果を得る。
前記下部クラッドの厚さが200μm以上で、かつ5000μm以下であることが望ましい。この特徴は、放射光を逃がした下部クラッドの厚さに関するものである。下部クラッドが厚いほど、下部クラッド中の放射光は広がるので後段の光分岐結合回路に結合する割合が減少する。下部クラッドに逃げた放射光は下部クラッドの下面で反射され再びコアの方に戻るが、下部クラッドの厚さは200μmあれば、放射光は十分広がり後段の光分岐結合回路への再結合は無視できる。下部クラッドを石英ガラス基板のような透明な平板基板で構成すれば、十分に厚い下部クラッドが容易に得られるが、厚すぎる基板は不経済で扱い難く、そのため厚さは5000μm以下が望ましい。
さらに、前記下部クラッドが石英ガラス基板であり、前記上部クラッドに硼素または弗素が添加された石英系ガラスであると、光ファイバとの整合性も良く、信頼性の高い導波型光回路が製造できる。
上記特徴に加え、本発明の導波型光回路の前記第1と第2の光分岐結合回路のうち少なくとも1つは、Y分岐回路、またはX分岐回路、または方向性結合器、または多モード干渉回路のいずれかを任意の組合せで少なくとも2段以上で縦列接続して構成された光スプリッタを含む場合、あるいはY分岐回路、またはX分岐回路、または方向性結合器、または多モード干渉回路を任意の組合せで2ヶ対向させた導波型マッハ・ツェンダー干渉計を含む場合、あるいは前記導波型マッハ・ツェンダー干渉計を用いて構成された導波型光スイッチ、導波型可変減衰器、導波型変調器、導波型波長分別フィルタのいずれかを含む場合には、より実用的な導波型光回路を、従来技術の場合よりも優れた特性で実現することが可能となる。
上記構成により、本発明の導波型光回路は、前段の光分岐結合回路で発生する放射光が平面図的に見て届く位置に後段の光分岐結合回路がある場合でも、上部クラッドの屈折率を下部クラッドの屈折率より低くすることにより、前段の光分岐結合回路で発生する放射光を下部クラッド側に逃がして、後段の光分岐結合回路で放射光が再結合しないようにし、良好な特性の導波型光回路を実現することができる。
以下に、図面を参照して、本発明の導波型光回路について具体的な実施形態を用いて詳述する。
(第1の実施の形態)
図1に本発明の導波型光回路の第1の実施形態である4分岐光スプリッタを示す。図1(A)はその平面図である。図1(B)中の左図は、図1(A)の切断線BB′で切断した断面図であり、図1(B)中の右のグラフは左図の切断線CC′での屈折率分布を示す特性図である。図1(C)は、縦列して配設される2つのY分岐回路間(図1(A)の切断線PQ)で切断した断面図である。
図1(A)に示す4分岐光スプリッタの平面構造は、図14(A)に示す従来技術の平面構造と同様である。すなわち、この4分岐光スプリッタは、点Pに配置されたY分岐回路21の2本の出力導波路である分岐導波路と後段の点Q,Q´に配置されたY分岐回路22,23の入力導波路がそれぞれ接続されて、構成される。各Y分岐回路21〜23は、コア14の幅を2倍程度に広げたテーパ部に、2本の分岐導波路となるコアを接続して、構成される。
本実施形態の4分岐光スプリッタの4つの出力導波路は、通信用単一モードファイバとの接続のため、250μm間隔で配置されている。各Y分岐回路21〜23の長さは2.1mmである。前後のY分岐回路は、曲率半径15mmの円弧を2個、点対称に接続して構成したS字カーブ導波路で接続されている。
Y分岐回路21の中心軸と線分PQがなす鋭角をθ1、Y分岐回路22の中心と線分PQがなす鋭角をθ2とすると(ただし、反時計回りが正)、θ1=0.04rad,θ2=−0.04radおよびθ1+θ2=0radであり、線分PQの長さは6mmである。
図1に示す本実施形態の4分岐光スプリッタの断面構造は、上部クラッド13の屈折率が下部クラッド11の屈折率よりも低いことを除いて、図14(B)に示す従来技術の断面構造と同様である。すなわち、コア14は下部クラッド11上に配置され、上部クラッド13に覆われる。下部クラッド11には石英ガラス基板が用いられる。光が伝搬できるように、コア14は下部クラッド11の屈折率よりも高い石英系ガラスで形成される。
本発明は、図1(B)の右のグラフに示すように、上部クラッド13の屈折率を下部クラッド11の屈折率よりも低くすることが特徴である。一般に光は屈折率がより高い所を導波するため、図1(C)に示すように、前段のY分岐回路21から散逸した放射光26が後段のY分岐回路22に到達しないことになる。その結果、良好な分岐特性の4分岐光スプリッタが実現可能となる。
図2は、図1の4分岐光スプリッタの製造方法を示す。その工程の概略は、図15に示した従来技術と同様である。ただし、本実施形態では、上部クラッド13の屈折率を下部クラッド11の屈折率よりも低くするため、図2(D)で示す上部クラッド13の形成過程でBの割合を多くしている点が、図15に示した従来技術と異なる。
まず、下部クラッド11となる厚さ1000μmの石英ガラス基板上に、GeOが4mol%、Bが1mol%含有する石英系ガラスで、厚さ7μmのコア層12が形成される(図2(A))。
前述の式(1)で表される比屈折率差Δは0.4%である。次に、フォトリソグラフィー工程で、4分岐光スプリッタの形状がエッチングマスク51に転写される(図2(B))。
このエッチングマスク51を保護層にして、エッチング加工によりコアリッジ52が形成される(図2(C))。
最後に、コアリッジ52を覆うようにして、Pが2mol%、Bが14mol%を含有する厚さ30μmの石英系ガラスで、上部クラッド13が形成される(図2(D))。
コア14と下部クラッド11の屈折率の差をΔNU、コア14と上部クラッド13の屈折率の差をΔNOとすると、本例の4分岐光スプリッタでは、ΔNO/ΔNU=1.3となる。
また、図2(D)の後工程が石英ガラス基板や形成済みの石英系ガラスに与える影響を抑えるために、
下部クラッド11の軟化温度>コア層12の軟化温度>上部クラッド13の軟化温度
の関係が与えられるように設定される。この軟化温度の関係は従来技術で前述したように添加物の分量を調整することにより達成できる。
図3(A),(B)に、上記のようにして作製された本実施形態の4分岐光スプリッタの、各出力のポートを透過する光信号の挿入損失と、偏波依存損失(PDL)のスペクトルを示す。挿入損失を全出力ポート間で測定波長にわたって平均した値(以下、平均損失と呼ぶ)は、6.3dBであった。全出力ポート間で測定波長にわたる挿入損失の最大値と最小値の差(以下、損失偏差と呼ぶ)は、0.2dBであった。また、全出力ポートの測定波長にわたるPDLの最大値(以下、最大PDLと呼ぶ)は、0.09dBあった。
この4分岐光スプリッタに対する第1の比較対照例として、上部クラッド13の屈折率が下部クラッド11の屈折率と等しい場合(図14(B)参照)の、4分岐光スプリッタの挿入損失およびPDLのスペクトルを図4(A),(B)に示す。上部クラッド13はPが3mol%、Bが13mol%の石英系ガラスで形成されている。この場合、平均損失は6.3dBであって、第1の実施形態と同等であるが、損失偏差は0.5dBと第1の実施形態よりも大きいことが分かった。また、最大PDLも0.25dBと、第1の実施形態よりも大きいことが分かった。
この比較対照例の光スプリッタでは、図4(A)に示すように、挿入損失スペクトルが短周期で激しくうねっている。これは、図14(C)に示すように、前段のY分岐回路21からの放射光26が主にコア付近の上部クラッド13内を伝搬し、後段のY分岐回路22,23に再結合して干渉するためである。さらにその放射光26が偏波依存性を有しているため、PDLスペクトルも同様に、図4(B)に示すように、短周期で激しくうねることとなる。
次に、上述の第1の実施形態に対する第2の比較対照例として、上部クラッド13の屈折率が下部クラッド11の屈折率よりも低すぎるΔNO/ΔNU=1.7の場合の結果を示す。この場合の4分岐光スプリッタの各出力のポートを透過する光信号の挿入損失とPDLのスペクトルを図5(A),(B)に示している。上部クラッド13はPが1mol%、Bが20mol%の石英系ガラスで形成されている。最大PDLは0.15dBで良好であったが、平均損失は6.8dB、損失偏差は0.5dBであって、第1の実施形態よりもかなり悪い結果であった。
この光スプリッタでは、図5(A)に示すように、挿入損失スペクトルが緩やかに大きくうねっている。これは、上記のように、上部クラッド13の屈折率が低すぎるため、Y分岐回路22,23において高次モードが発生したためである。さらに断面構造の上下方向の非対称性(図1(B)参照)が増加し、その結果、Y分岐回路22,23に過剰損失が生じ、平均損失が増加している。
次に、屈折率差の比ΔNO/ΔNUと平均損失、損失偏差、最大PDLの関係を調べた結果を図6に示す。図6の白丸は、ΔNO/ΔNU=0.7, 1.0, 1.1, 1.3, 1.5, 1.7の6通りの結果を示している。図6(A)〜図6(C)に示すように、ΔNO/ΔNUが1以下では、損失偏差と最大PDLが非常に大きくなる。また、ΔNO/ΔNUが1.5よりも大きい場合には、平均損失と損失偏差が増大する。一方、コア14と下部クラッド11との屈折率の差ΔNUに対する、コア14と上部クラッド13との屈折率の差ΔNOの比(ΔNO/ΔNU)が、1よりも大きく、かつ1.5以下である場合には、良好な光スプリッタを得ることができる。その理由は以下の通りである。
ΔNO/ΔNUが1以下では、上部クラッド13の屈折率(ΔNU)が下部クラッド11の屈折率(ΔNO)と等しいか、またはそれよりも大きいので、コア14から散逸した放射光26は下部クラッド11側に逃げることができない。上部クラッド13はコア14の上面と両側面とを覆うので、上部クラッド13中の放射光は、後段のY分岐回路22,23と再結合しやすい。そのため、光スプリッタの特性は劣化する。一方、ΔNO/ΔNUが1.5よりも大きくなると、断面構造の上下方向の非対称性が非常に大きくなり、導波路は単一モード条件からはずれる。このため、Y分岐回路22,23で過剰な損失が発生する。
さらに、下部クラッド11の厚みの影響を調べるため、本発明者は、厚さが500μm、1000μm、2000μm、5000μmの石英基板を下部クラッド11として、それぞれ、4分岐光スプリッタを製造した。図2におけるコア層12の厚さは、7μm、比屈折率差Δが0.4%、ΔNO/ΔNU=1.3である。これらの光スプリッタはすべて同様の良特性を示した。5000μmよりも厚い石英基板でも同様の特性を示すと予想される。しかし、厚い基板は不経済であり、5000μm以下が望ましい。さらに、本発明者は厚さが300μm、400μmの石英基板を下部クラッド11として、それぞれ、4分岐光スプリッタの製造を試みた。厚さが400μmの基板は反りが大きく、損失偏差や平均損失が、厚さ500μm以上の基板の場合よりも、大きかった。厚さが300μmの基板は製造過程中に石英基板が破損した。上部クラッド13と石英基板11とのガラス組成の差が熱膨張係数の差となり、導波路製造中に熱応力が発生し、薄い基板では反りや破損が生じる。そのため、石英基板(下部クラッド)11の厚さは500μm以上であって、5000μm以下であることが望ましい。
(第2の実施の形態)
図7は本発明の導波型光回路の第2の実施形態である導波型光スイッチを示す。図7(A)はその平面図である。図7(B)は図7(A)の切断線BB′で切断した断面図である。
本実施形態の導波型光スイッチは、前段の光分岐結合回路の2本の出力導波路と後段の光分岐結合回路の2本の入力導波路とをつないだ導波型マッハ・ツェンダー干渉計43を基本構成とする。本実施形態では、光分岐結合回路として、2本のコア44,45を互いに接近させた2つの方向性結合器41,42が使用される。この導波型マッハ・ツェンダー干渉計43の2本の導波路アーム46,47の真上の上部クラッド13の表面に、薄膜ヒーター56,57がそれぞれ形成される。スイッチング動作は、この薄膜ヒーター56,57に電力を与えて熱を発生させ、温度上昇による導波路屈折率の変化で行う。入力ポート1Aから入力した光信号は、2本の導波路アーム46,47間での光路が同相の場合に、出力ポート2Bから出力し、2本の導波路アーム46,47間での光路が逆相の場合に、出力ポート1Bから出力する。光スイッチの特性として、光が遮断されるべき状態で光が漏れてくるクロストークが小さいのが望ましい。
本実施形態の導波型光スイッチの詳細な配置構成は以下の通りである。導波路アーム46,47は曲率半径5mmの円弧を2個、点対称に接続して構成したS字カーブ導波路と長さ2mmの直線導波路で構成されている。薄膜ヒーター56,57は直線導波路の上部に形成されている。一方の薄膜ヒーターからの熱がもう一方の導波路アームに影響を及ぼさないように、導波路アーム46,47は250μm離されている。導波型マッハ・ツェンダー干渉計43の対称性を保って良好なスイッチング動作を得るために、2つの方向性結合器41,42は互いの中心軸が一直線に並ぶように配置されている。2つの方向性結合器41,42が配置されている点P,Qの距離は5.1mmである。
従来の導波型光スイッチでは、方向性結合器41において原理上避けられない導波モード不整合があり、そのために光の約1%の光パワーが散逸し、そのまま放射光として、上部クラッド13と下部クラッド11の中を伝搬する。この放射光の一部が後段の方向性結合器42で再結合し、遮断状態にすべき出力ポートから漏れる。これがクロストークとなる。
これに対し、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、上部クラッド13の屈折率を下部クラッド11の屈折率よりも低くしているので、方向性結合器41の放射光の大部分が下部クラッド11側に逃げる。このため、遮断状態の出力ポートのクロストークを抑圧することが可能となる。
第2の実施形態の導波型光スイッチの詳細な構造は以下の通りである。下部クラッド11は、厚さ3mmのシリコン基板10の上にFHD法(火炎堆積法)で堆積された厚さ200μmの石英系ガラスであり、添加物としてGeOを4mol%、Bを1mol%含有する。下部クラッド11は純粋な石英ガラスよりも屈折率が0.4%高い。
コア14は、厚さ6μmで、GeOが11mol%、Bが1mol%含有する石英系ガラスで形成されている。このコア14の下部クラッド11に対する比屈折率差Δは0.7%である。
上部クラッド13は、厚さ20μmで、Pが6mol%、Bが17mol%の石英系ガラスで形成されている。ΔNO/ΔNU=1.3である。
薄膜ヒーター56,57は、厚さ1000Åで、クロムを用いている。
以上のように構成した第2の実施形態の導波型光スイッチにおける、入力ポート1A(または2A)と出力ポート2B(または1B)の間の光信号の透過率のスイッチング特性を図8に示す。横軸は導波路アーム46,47間の位相差であり、縦軸は透過率である。一方の薄膜ヒーター56に加える電力量を調整することにより、上記位相差が設定される。
透過率は位相差が0において−1dBであるが、位相差がπradで−58dBまで減少した。従って、クロストークは−57dBである。
本実施形態に対する比較対照例として、ΔNO/ΔNU=1の光スイッチのスイッチング特性を図9に示す。この場合の透過率は位相差0では−1dBであるが、位相差πradでは−40dBである。従って、比較対照例のクロストークは−39dBで、第2実施形態の導波型光スイッチと比較して、−18dB劣化している。
図10は、導波型光スイッチにおける、入力ポート1A(または2A)と出力ポート2B(または1B)間のスイッチングクロストークとΔNO/ΔNUの値の関係を示す。図10の白丸は、ΔNO/ΔNU=0.7, 1.0, 1.1, 1.3, 1.5, 1.7の場合の結果を示している。下部クラッド11の厚さはすべて200μmである。図10から、ΔNO/ΔNUが1以下ではクロストークが大きいが、ΔNO/ΔNUが1よりも大きくなるとクロストークは−55dB以下と十分抑圧されるのが分かる。しかし、ΔNO/ΔNUが1.5よりも大きいと挿入損失が増大した。
図11は導波型光スイッチにおける、入力ポート1A(または2A)と出力ポート2B(または1B)間のスイッチングクロストークと下部クラッド11の厚さの関係を示す。図11の白丸は、下部クラッド11の厚さが30μm, 50μm,100μm,150μm,200μm,250μmの結果を示している。すべてΔNO/ΔNU=1.3である。図11から分かるように、図10でΔNO/ΔNU≦1.0の場合よりも、クロストークが抑圧されており、下部クラッド11に放射光を逃がした効果が現れている。特に、下部クラッド11の厚さが200μm以上において、クロストークは−55dB以下と十分抑圧されているので、下部クラッド11の厚さは200μm以上が好ましい。
(第3の実施の形態)
本発明が適用される光スプリッタの構成要素は、上述したようなY分岐回路に限定されるものではなく、他の光分岐結合回路、例えばX分岐回路や方向性結合器、多モード干渉回路を用いても構成できる。
図12(A)は、本発明の導波型光回路の第3の実施形態である、多モード干渉回路を用いた光スプリッタの構成例を示す平面図である。周知のように、多モード干渉(multimode interference : MMI)回路は一つの回路で複数の出力に光パワーを等分配することができる。Y分岐回路よりも動作波長域が狭いといる欠点があるが、2(Nは1以上の整数)以外の分岐構成が容易に得られる点が特長である。本実施形態の光スプリッタは、1入力3出力の多モード干渉回路61に3個のY分岐回路22,23,および24を接続して構成された6分岐光スプリッタである。1×3多モード干渉回路61は、周知のように、入力ポート1Aに入力された光を同じパワーを有する3つの光に等分配する。分配された3つの光はそれぞれのY分岐回路22,23,および24によりさらに2分岐されて、6つの出力ポート1B〜6Bから出力される。
本実施形態の6分岐光スプリッタの断面構造は、基本的に、図1(B)に示した第1の実施形態の場合と同様であって、上部クラッド13の屈折率を下部クラッド11の屈折率よりも低くしている。また、その他の構成上の特徴も第1の実施形態と同様である。
図12(B)は、本実施形態の6分岐光スプリッタの、各出力のポートを透過する光信号の挿入損失のスペクトルを示す。挿入損失を全出力ポート間で測定波長にわたって平均した値(平均損失)は、8.1dBであった。全出力ポート間で測定波長にわたる挿入損失の最大値と最小値の差(損失偏差)は、0.2dBであった。
クロストーク抑制等のその他の特性は、第1の実施形態とほぼ同様であるので、その詳細説明は省略する。
(第4の実施の形態)
図13(A)は、本発明の導波型光回路の第4の実施形態である、X分岐回路を用いた導波型波長分別フィルタの構成例を示す平面図である。図13(B)はその導波型波長分別フィルタにおける入力光信号の波長に対する透過特性を示す。
本実施形態の導波型波長分別フィルタは、前段のX分岐回路の2本の出力導波路と後段のX分岐回路の2本の入力導波路とをつないだ導波型マッハ・ツェンダー干渉計43を基本構成とする。本実施形態では、X分岐回路として、2本のコア45,46を互いに交差させた2つのX分岐回路62,63が使用される。周知のように、X分岐回路は交差部近傍で一方のコアを他方のコアよりも細くして非対称な構造をとることにより、波長依存性が小さい光分岐結合回路となる。そのため、本実施形態のように、動作波長範囲の広い導波型波長分別フィルタに適している。また、波長1.31μmと波長1.55μmを分別するために、導波路アーム46の長さが導波路アーム47の長さより、3.2μm長く設定されている。
本実施形態の場合も、上部クラッド13の屈折率を下部クラッド11の屈折率よりも低くしている。また、その他の構成上の特徴も第1、第2の実施形態と同様である。
入力ポートから入力された入力光の波長によって出力ポートが切り替わる。すなわち、図13(B)に示すように、入力ポート1Aから入力した光信号は、2本の導波路アーム46,47間での光信号の波長が1.31μmの場合に、出力ポート2Bから出力し、2本の導波路アーム46,47間での光信号の波長が1.55μmの場合に、出力ポート1Bから出力する。
挿入損失やクロストーク抑制等のその他の特性については、第2の実施形態とほぼ同様であるので、その詳細説明は省略する。
(他の実施の形態)
以上、本発明の導波型光回路を詳細な実施形態に基き具体的に説明したが、本発明は、上記の各実施形態で開示された特定の構成に限定されるものではない。すなわち、光分岐結合回路として、導波型マッハ・ツェンダー干渉計も含まれる。同様に、導波型光スイッチの基本構造である導波型マッハ・ツェンダー干渉計の構成要素は、方向性結合器に限定されるものではなく、他の光分岐結合回路、例えばY分岐回路やX分岐回路、多モード干渉回路を用いても構成できる。また、導波型マッハ・ツェンダー干渉計は、導波型光スイッチ、導波型可変減衰器、導波型変調器、導波型波長分別フィルタなどの導波型光回路を構成できる。また、本発明の第1の実施形態は、下部クラッドに石英基板を用いて説明したが、他のガラス基板で同様の効果が得られることは明らかである。さらに、本発明の第1および第2の実施形態は、石英系ガラス導波路を用いて説明したが、導波路材料はガラスに限定されるものではなく、シリコンなどの半導体やポリマーでも同様の効果を得ることができる。
また、特許請求の範囲に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の設計変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。
本発明の第1の実施形態である4分岐光スプリッタを説明する図で、(A)はその平面図、(B)中の左図は(A)の切断線BB′で切断した断面図、(B)中の右のグラフは左図の切断線CC′での屈折率分布を示す特性図、(C)は縦列して配設される2つのY分岐回路間((A)の切断線PQ)で切断した断面図である。 本発明の第1の実施形態である4分岐光スプリッタの製造方法を工程順に説明する断面図である。 本発明の第1の実施形態である4分岐光スプリッタの特性を説明する図で、(A)はその各出力のポートを透過する光信号の挿入損失のスペクトルを示す特性図、(B)はその光信号の偏波依存損失(PDL)のスペクトルを示す特性図である。 本発明の第1の実施形態の第1の比較対照例である4分岐光スプリッタの特性を説明する図で、(A)はその各出力のポートを透過する光信号の挿入損失のスペクトルを示す特性図、(B)はその光信号のPDLのスペクトルを示す特性図である。 本発明の第1の実施形態の第2の比較対照例である4分岐光スプリッタの特性を説明する図で、(A)はその各出力のポートを透過する光信号の挿入損失のスペクトルを示す特性図、(B)はその光信号のPDLのスペクトルを示す特性図である。 本発明の第1の実施形態である4分岐光スプリッタにかかわる、(A)は屈折率差の比ΔNO/ΔNUと平均損失の関係、(B)は屈折率差の比ΔNO/ΔNUと損失偏差の関係、(C)は屈折率差の比ΔNO/ΔNUと最大PDLの関係をそれぞれ示す特性図である。 本発明の第2の実施形態である導波型光スイッチの構造を説明する図で、(A)はその平面図、(B)は(A)の切断線BB′で切断した断面図である。 本発明の第2の実施形態である導波型光スイッチにおける、入力ポートと出力ポートの間の光信号の位相差に対する透過率のスイッチング特性を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態の比較対照例である導波型光スイッチにおける、入力ポートと出力ポートの間の光信号の位相差に対する透過率のスイッチング特性を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態である導波型光スイッチにかかわる、屈折率差の比ΔNO/ΔNUとクロストークの関係を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施形態である導波型光スイッチにかかわる、下部クラッドの厚さとクロストークの関係を示すグラフ図である。 本発明の第3の実施形態である多モード干渉回路を用いた6分岐光スプリッタを説明する図で、(A)はその平面図、(B)はその挿入損失の特性を示すグラフ図である。 本発明の第4の実施形態であるX分岐を用いた導波型波長分別フィルタを説明する図で、(A)はその平面図、(B)はその透過特性を示すグラフ図である。 従来の導波型光回路である4分岐光スプリッタの構造を説明する図で、(A)はその平面図、(B)中の左図は(A)の切断線BB′で切断した断面図、(B)中の右のグラフは左図の切断線CC′での屈折率分布を示す特性図、(C)は縦列して配設される2つのY分岐回路間((A)の切断線PQ)で切断した断面図である。 従来の導波型光回路の製造方法を工程順に説明する断面図である。
符号の説明
1A,2A 入力ポート
1B,2B,3B,4B,5B,6B 出力ポート
10 平面基板
11 下部クラッド
12 コア層
13 上部クラッド
14 コア
21,22,23,24 Y分岐回路
25 分岐導波路
26 分岐回路21からの放射光
41,42 方向性結合器
43 導波型マッハ・ツェンダー干渉計
44,45 コア
46,47 導波路アーム
51 エッチングマスク
52 コアリッジ
56,57 薄膜ヒーター
61 多モード干渉回路
62,63 X分岐回路

Claims (8)

  1. 下部クラッドと、該下部クラッドの上面に配設されたコアと、該コアを覆う上部クラッドとで構成された導波路構造を有し、第1と第2の少なくとも2つの光分岐結合回路で構成されている導波型光回路において、
    前記第1と第2の光分岐結合回路が導波光と放射光が結合する構造を有し、該第1の光分岐結合回路の出力導波路に該第2の光分岐結合回路の入力導波路が接続されており、
    前記第1の光分岐結合回路の位置を特定する点をPとし、前記第2の光分岐結合回路の位置を特定する点をQとし、前記第1の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ1とし、前記第2の光分岐結合回路の中心軸と線分PQが交差する鋭角をθ2とすると、
    | θ 1 | ≦ 0 . 1 r a d および
    | θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d および
    | θ 1 + θ 2 | ≦ 0 . 1 r a d
    が成立し、前記線分PQの長さが10mm以下であるように、前記第1の光分岐結合回路と前記第2の光分岐結合回路が配置されており、
    前記第1の光分岐結合回路の放射光が前記下部クラッドを伝搬することにより前記第2の光分岐結合回路で導波光と再結合しないように、前記上部クラッドの屈折率が前記下部クラッドの屈折率よりも低くされていることを特徴とする導波型光回路。
  2. 前記コアと前記下部クラッドとの屈折率の差(ΔNU)に対する、前記コアと前記上部クラッドとの屈折率の差(ΔNO)の比(ΔNO/ΔNU)が1よりも大きく、かつ1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の導波型光回路。
  3. 前記下部クラッドの厚さが200μm以上で、かつ5000μm以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の導波型光回路。
  4. 前記下部クラッドが石英ガラス基板であり、前記上部クラッドに硼素または弗素が添加された石英系ガラスであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の導波型光回路。
  5. 前記第1と第2の光分岐結合回路のうち少なくとも1つは、Y分岐回路、またはX分岐回路、または方向性結合器、または多モード干渉回路のいずれかであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の導波型光回路。
  6. Y分岐回路、またはX分岐回路、または方向性結合器、または多モード干渉回路のいずれかを任意の組合せで少なくとも2段以上で縦列接続して構成された光スプリッタを含むことを特徴とする請求項に記載の導波型光回路。
  7. Y分岐回路、またはX分岐回路、または方向性結合器、または多モード干渉回路を任意の組合せで2ヶ対向させた導波型マッハ・ツェンダー干渉計を含むことを特徴とする請求項に記載の導波型光回路。
  8. 前記導波型マッハ・ツェンダー干渉計を用いて構成された導波型光スイッチ、導波型可変減衰器、導波型変調器、導波型波長分別フィルタのいずれかを含むことを特徴とする請求項に記載の導波型光回路。
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