JP4585199B2 - ペリレン顔料組成物を作るプロセス - Google Patents

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Description

本発明の背景技術
本発明は、ペリレン顔料成分に加えて、顔料組成物の調製の間に結晶成長インヒビターとして作用することができる、ある非対称のペリレンジカルボキサミジンイミドを含むペリレン顔料組成物の調製方法に関する。
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸のジイミドを始めとするペリレンは、公知の方法により調製することができる。例えばW.HerbstおよびK.Hunger、Industrial Organic Pigments、第2版、(VCHパブリッシャーズ社、ニューヨーク:1997年)9ページと476−479ページ;H.Zollinger、Color Chemistry、(VCHVerlagsgessellschaft、1991年)227−228ページと297−298ページ;The Chemistry of Synthetic Dyes and Pigments,H.A.Lubs編中のM.A.Perkins,”Pyridines and Pyridones”(Malabar、Florida: Robert E.Krieger出版社、1955年)、481−482ページを参照。しかしながら、最初に分離されるペリレンは、しばしばクルードペリレンと呼ばれ、顔料としての使用に一般に適さず、粒径、粒子形状および/または結晶構造を、良好な顔料品質を提供するように改質する1以上の追加の仕上げ工程に供されなければならない。例えば、Pigment Handbook中の「Surface Treatment of Organic Pigments」、K.MerkleおよびH.Schafer、Vol.III(ニューヨーク:John Wiley&Sons社、1973年)(157ページ);Rev.Prog.Coloration 10中のR.B.McKay「The Development of Organic Pigments with Particular Reference to Physical Form and Consequent Behavior in Use」、10および25−32ページ(1979);R.B.McKay、「Control of the application performance of classical organic pigments」、JOCCA、89−93(1989)を参照。
少なくとも1つのイミド基が、ジカルボキサミジンイミドを形成するさらなる反応をしないジアミンから誘導されるペリレンジイミドが知られている。例えば米国特許5,958,129および5,248,774;ヨーロッパ特許出願EP283,436;Dyes and Pigments24中の、T.Deligeorgievらの、「Synthesis and Properties of Fluorescent Bis−Quaternized Perylene Dyes」、75−81ページ(1994)を参照。
イミド基が両方ともジカルボキサミジンの形をしている、対称なペリレンが報告されている。例えば米国特許4,556,622および2,473,015。これらの特許は、イミド基のうちの1つだけがジカルボキサミジンの形をしている非対称のペリレンジイミドについて記述していない。
イミド基のうちの1つがジカルボキサミジン基の形をしている非対称のペリレンジイミドは報告されたが、ペリレン顔料との混合剤の中で使用されることは記載されていない。例えば米国特許5,508,137および4,714,666;ドイツ特許DD299,733;H.Langhalsらの、Angew.Chem.111の中の「Imidazoleperylenimide−ein starck fluoreszierender、stabilizer Ersatz f r Terrylen」、143−144(1999);IS & T’s Tenth International Congress on Advances in Non−Impact Printing Technologies, 中の「Novel Dyes for Electrophotographic Processes with Perylene Structure Element」、192−195 (1994);Progress in Organic Chemistry31,中のY.Nagao「Synthesis and properties of perylene pigments」、43−49(1997);Cehm.Mater.中のH.Quanteら、「Synthesis of Soluble Perylenebisamidine Derivatives. Novel Long−Wavelength Absorbing and Fluorescent Dyes」、495−500(1997);Chimia48中の「Novel Perylene Derivatives as Highly Photostable Fluorescent Dyes」、503−505(1994);Cehm.Mater.中のG.Tamizhmaniら、「Photoelectrochemical Characterization of Thin Films of Perylenetetracarboxylic Acid Derivatives」、1046−1053(1991);Chemistry Letters中のY.Nagaoら、「Synthesis of Unsymmetrical Perylenebis(dicarboxamide) Derivatives」、151−154(1979);K.Venkataraman編Chemisry of Synthetic Dyes、K.Venkataramano、「Anthraquinoid Vat Dyes」ら、233ページ(ニューヨーク:Academic Press、1971年)を参照。化合物のうちのいくつかは無関係な合成法によって調製されている。例えば米国特許4,336,383参照。
ペリレンテトラカルボン酸化合物ではなく、ペリレンジカルボン化合物から誘導されたペリレンジカルボキサミジンも知られているが、ペリレン顔料との混合物中で使用されることは記載されていない。例えば米国特許5,650,513、L.Feilerら、LiebigsAnnの中の「Synthesis of Perylene−3,4−dicarboximides−Novel Highly Photostable Fluorescent Dyes」、1229−1244(1995)参照.
ペリレンジカルボキサミジンヒドラザミドは公知であり、ペリレン顔料との混合物中で使用されることが記載されている。PCT出願WO 00/40657を参照。しかしながら、ヒドラザミド部分は、本発明のペリレンジカルボキサミジンイミドのイミド部分とは構造上異なる。また、PCT出願は、ペリレンジイミドおよびペリレンジカルボキサミジンヒドラザミドの共沈殿されたブレンドの調製を開示していない。
ペリレンジイミドおよびペリレンジカルボキサミジンイミドの混合物を含んでいる組成物が知られている。例えば米国特許6,022,656、5,019,473および4,968,571は、電子写真のエレメントに使用されるためのポリマーバインダー中の別々に調製された成分の混合物を開示し、米国特許4,762,569は、別々に調製された成分を分散させた、非水性のペイントあるいはインクを開示する。これらの特許のどれも、均一の粒度分布の小さな粒径を有する、ペリレンジイミドおよびペリレンジカルボキサミジンイミドの共沈殿されたブレンドの調製について記述していない。
同時係属出願SN 09/729,257において、ある非対称のペリレンジカルボキサミジンイミドとペリレン顔料との反応性共沈殿物は、結晶のサイズを改良するさらなる物理的な操作を行うことなく、最初に単離された、仕上げのされていない状態でさえも、改良された透明性と色特性を示す小さなサイズの結晶を有する顔料組成物を提供することを開示する。これらの共沈殿されたペリレン顔料を作るプロセスが開示された。これらの共沈殿されたペリレン顔料を調製する、改良されたプロセスが見いだされた。
発明の要約
本発明は、
(A)(1) 式(I)のペリレンテトラカルボン酸化合物;
Figure 0004585199
[式中、各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、AはC−Cアルキル、C−Cアルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数である]
(2)成分(A)(i)の合計量に基づいて、約0.1から約25mol%(好ましくは0.5から10mol%)の、式(II)のペリレンジカルボキサミジンイミド;
Figure 0004585199
[式中、Rは、独立に水素、C −C アルキル、C −C シクロアルキル、C −C 16 アルアルキルあるいはC −C 10 アリールであり、AはC −C アルキル、C −C アルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数であり、Wは任意に置換されるか変成されるC−Cアルキレンである]
(3) 式(V)あるいは(VI)のアルキル化剤;
−X (V)
−Y−R (VI)
[式中、Rは、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、Xはハロゲンであり、Yはスルフェート(つまりO−S(=O)−O)あるいはカルボネート(つまりOC(=O)−O)である]、および
(4)任意の溶剤;
を反応させ、
それにより反応性共沈殿ブレンドとしてペリレン顔料組成物を形成すること、および
(B)ペリレン顔料組成物を単離すること、
により、ペリレンジカルボキサミジンイミド構造を形成することを含む、ペリレン顔料組成物の調製方法に関する。
本発明は、さらに、式(II)のペリレンを調製する方法であって、
(C)(i) 式(III)のペリレンテトラカルボン酸化合物;
Figure 0004585199
[式中、Rは、独立に水素、C −C アルキル、C −C シクロアルキル、C −C 16 アルアルキルあるいはC −C 10 アリールであり、AはC −C アルキル、C −C アルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数であり、とEは独立してORであるか、または一緒になってひとつのOとなり、それぞれのRは独立してC−Cアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールである]
(ii)(C)(i)の合計量に基づいて約100から300mol%(好ましくは150から300mol%)の式(IV)のジアミン;
N−W−NH (IV)
[式中、Wは任意に置換されるか変成されたC−Cアルキレンである]、および
(iii)任意に、溶剤;を反応させること、および
(D)ペリレンジカルボキサミジンイミドを単離することを含む方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明において使用することのできるペリレンテトラカルボン酸化合物は、公知の任意の方法により調製することができ、それらのいくつかはクルードまたは調整されたペリレン顔料であり、またそれらのいくつかはペリレン顔料の先駆物質であることができる。たとえば、W.HerbstおよびK.Hunger、Industrial Organic Pigments、第2版、(VCHパブリッシャーズ社、ニューヨーク:1997年)9ページと476−479ページ;H.Zollinger、Color Chemistry、(VCHVerlagsgessellschaft、1991年)227−228ページ;The Chemistry of Synthetic Dyes and Pigments,H.A.Lubs編中のM.A.Perkins,「Pyridines and Pyridones」(Malabar、Florida: Robert E.Krieger出版社、1955年)、481−482ページ、Pigment Handbook中の「Perylenes」第2版、Vol.III(ニューヨーク:John Wiley&Sons社、1988年)を参照。
本明細書において、用語「C−Cアルキレン」は、任意に置換された、または変成された1,2−エチレンあるいは1,3−プロピレン基をいい、式(II)のペリレンジカルボキサミジンイミドに関して言及する場合には、2つの窒素原子に結合し示された複素環を形成し、式(IV)のジアミン反応体に関して言及する場合には、2つのNH基に結合する。
置換されたC−Cアルキレン基とは、エチレンまたはプロピレンの炭素原子の1つ以上が各々、1つあるいは2つのC−Cアルキル(好ましくはメチル)、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキル、C−C10アリール(好ましくはフェニル)あるいはハロゲン基で、あるいは1つのスルホニル、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシあるいはニトロ基で置換されているものをいう。ここでエチレンまたはプロピレンの炭素原子の1つ以上がC−Cアルキレン基でgem−ジ置換され、4から8個の環炭素原子を有するゲミナル環系を形成する;あるいは、隣接した炭素原子が縮合環構造の一部となる。用語「縮合環系」は、2つの隣接した炭素原子が基で置換され、一緒に、シクロアルカン環あるいは好ましくはベンゼンまたは1,2−または2,3−ナフタレン環のような芳香族環系のような縮合炭化水素環を形成するエチレンまたはプロピレン、または3つのすべての炭素原子が、一緒になって縮合多環炭化水素環(最も好ましくは多芳香族環、たとえば1,8−ナフタレン)を形成する基で置換されているプロピレンをいう。ゲミナル環系または縮合環系の各々は環置換されることができ、たとえば、上記のようにC−Cアルキル、C−C16アルアルキル、C−C10アリール基、C−Cアルコキシ、スルホニル、アミノ、アンモニウムおよびハロゲン基で置換されることができる。
変成されたC−Cアルキレン基とは、炭素原子の1つ以上がO、SあるいはNR(式中Rは水素あるいはC−Cアルキルである)で置換されているC−Cアルキレン基をいう。このタイプの変成されたアルキレン基に基づいたジアミンの例は、ジアミノグアニジンである。
好ましいC−Cアルキレン基としては、非置換および非変成の1,3−プロピレンあるいは、1つ以上の炭素原子が各々1つあるいは2つのC−Cアルキル基で置換されている1,3−プロピレンがあげられる。
用語「C−Cアルキル」は、1から6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基をいう。C−Cアルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびそれらの異性体があげられる。用語「C−Cシクロアルキル」は、5から8個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基を指す。C−Cシクロアルキルの例はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。用語「C−C10アリール」はフェニルおよび、1−または2−ナフチルをいう。用語「C−C16アルアルキル」は、C−C10アリールで置換されたC−Cアルキルであり、炭素原子の総数が7から16であるものをいう。C−C16アルアルキルの例はベンジル、フェネチルおよびナフチルメチルである。これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、およびアルアルキル基は、1以上の炭素原子においてC−Cアルキル(それは、主要な基がアルキル基の場合、分岐または長鎖アルキル基を作ることができる)、C−Cアルコキシ、C−C16アルアルキル、C−C16アルアルコキシ、C−C10アリール、C−C10アリールオキシ、アミノ(たとえば1つ以上のC−Cアルキル、C−C16アルアルキル、および/またはC−C10アリール基で置換されたアミノ基)、ハロゲン、ヒドロキシ(互変異性オキソ形態を含む)、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シアノ、およびニトロ基で置換されることができる。アリールとアルアルキルの基の芳香環も、たとえば、アリール−N=N−基のような、脂肪族の炭素原子に結合したときには典型的には安定ではない基で、置換されることができる。用語「C−Cアルコキシ」は、1から6つの炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルオキシ基をいう。C−Cアルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびそれらの異性体形態である。用語「C−C16アルアルコキシ」は、C−C10アリールで置換されたC−Cアルコキシであり、炭素原子の総数が7から16であるものをいう。C−C16アルアルコキシの例はベンジルオキシである。用語「C−C10アリールオキシ」はフェノキシおよび1−あるいは2−ナフトキシをいい、アリール基について先に記載されたように、芳香族部分は任意に置換されることができる。用語「スルホニル基」は、−SO基、たとえば、アルキルスルホニル基(式中Rはアルキル基である;例えばメタンスルホニルあるいはエタンスルホニル)、アリールスルホニル(式中Rはアリール基である;例えばベンゼンスルホニル、1−または2−ナフタレンスルホニル、および置換された形態、たとえば、トルエンスルホニル)、スルホキシルおよび対応するエステル(式中RはOH、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルアルコキシ、アリールオキシ)、およびスルホンアミド(式中Rは−NRiiiiiであり、RiiおよびRiiiは独立に水素、アルキル、シクロアルキル、アルアルキルあるいはアリールである)をいう。用語「アミノ」、および「アンモニウム」は、それぞれ、−NRivRvおよび−NRivvi+をいい、RiV、RおよびRviは独立して水素、C−CアルキルあるいはC−C16アルアルキルであり、アンモニウム基は化学量論量の陰イオンと電気的にバランスされる。用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含んでいる。
用語「アルキル化剤」は、ペリレンイミド窒素に、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリール基を移すことができる任意の親電子物質を指す。適切なアルキル化剤は、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルまたはC−C10アリールのハロゲン化物、スルフェートおよびカルボネートから成る。
本発明による顔料のペリレン組成物の調製のための、出発物質(A)(1)として使用することができるペリレンテトラカルボン酸化合物としては、Rが水素である式(I)の様々なテトラカルボキサミドがあげられる。適切であるが一般的には好ましくはないものは、RがC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであるテトラカルボキサミドである。最も好ましいものは両方の置換基Rが水素である式(I)のジカルボキサミドである。
成分(A)(1)として使用されるペリレンテトラカルボン酸化合物のうちのいくつかは、それ自身顔料であることができる。しかし、最終のペリレン顔料組成物が顔料である限り、それらの化合物が顔料である必要はない。
出発物質(C)(i)として本発明の中で使用されるペリレンジカルボキサミジンイミド組成物の調製に使用することができるペリレンテトラカルボン酸化合物としては、様々なカルボン酸エステルあるいは式(III)の環状酸無水物があげられる。
好ましいペリレンテトラカルボン酸化合物は、EとE一緒になつてひとつの酸素原子となり、Rが水素である式(III)の無水物である。これは式(IIIa)を有する化合物に相当する。
Figure 0004585199
[式中、Aとmは式(III)において上記で定義された通りである。]
特に好ましいペリレンイミド酸無水物は芳香環置換基Aを有さない(つまり、mはゼロである)。しかしペリレン部分の8つの置換可能な芳香環炭素原子の少なくとも1つが少なくとも1つの基Aを有する置換されたペリレンイミド酸無水物(つまりmがゼロでない場合)も適当である。適当ではあるが一般的にはあまり好ましくはないペリレンイミドジカルボン酸化合物は、RがC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルまたはC−C10アリールであるものである。また、一般にあまり好ましくはないペリレンイミドジカルボン酸化合物としては、EとEが独立にヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−C16アルアルコキシ、またはC−C10アリールオキシ(好ましくはEとEが同じくアルコキシであるジカルボン酸エステルである)であるエステルがあげられ、特には芳香環置換基Aを有しないもの(すなちmは0)である。
成分(C)(i)として使用されるペリレンテトラカルボン酸化合物のうちのいくつかは、それ自身顔料であることができる。しかし、最終のペリレン顔料組成物が顔料である限り、それらの化合物が顔料である必要はない。
工程(C)において、式(III)のペリレンテトラジカルボン酸化合物は、式(IV)のジアミンと、(III)のすべてが、式(II)の非対称のペリレンジカルボキサミジンイミドに変換されるような量で反応させられる。式中、R、A、mおよびWは先に定義された通りである。
Figure 0004585199
これは、ペリレンテトラカルボン酸化合物の合計量に対してモル過剰の、約100から300モル%のジアミンを使用することにより達成される。
適当なジアミンは、式(IV)の化合物である。
N−W−NH (IV)
式中、Wは任意に置換されたまたは変成された1,2−エチレンまたは1,3−プロピレン基である。最終的に形成される式(II)の非対称ペリレンジカルボキサミジンイミドは、工程(C)において1,2−ジアミノエタンまたはそれらの誘導体が使用された場合には5員複素環が形成され、1,3−ジアミノプロパンまたはそれらの誘導体が使用された場合には6員複素環が形成される。特に好ましいジアミンは、非置換および非変成の1,3−ジアミノプロパンまたは2位置において1または2のC1−アルキル(好ましくはメチル)基またはヒドロキシ基で置換された1,3−ジアミノプロパンである。適切なジアミノプロパンの例としては、1,3−ジアミノプロパン、2−メチル−1,3−ジアミノプロパン、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンなどがあげられる。適切なジアミノエタンの例としては、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタンなどがあげられる。一般には好ましくないが、工程(B)あるいは(D)の間もしくはその後に、あるいは引き続き行われる任意の工程の間もしくはその後に、基Wの置換基が他の置換基に変換されることができるものを選択することが可能である。
工程(C)(i)における式(III)の成分の酸無水物基またはエステル基に対して少なくとも若干過剰のジアミンを使用することが必要である。所望の反応を完了するのに必要なジアミンの理論量は、利用可能な無水物あるいはエステル基の量から計算することができる。一般に、工程(C)(i)における式(III)の1mol当たり、約1から約3モルのジアミンを使用することが必要である;しかしながら、より多量のジアミンを使用することが一般に好ましく、それは反応条件下において液体である場合には溶剤または共溶剤として作用することができる。大過剰のジアミンは、ペリレンジカルボキサミジンイミド構造(II)の形成を確実にし、少量のジアミンのみが式(VII)として示された二量体を形成する。
さらに、少量の鉱酸あるいは他の触媒を加え、(C)(i)1モルあたり、少なくとも1モルの非プロトン化アミン部分が(IV)内の残るようにすることも可能である。この鉱酸はジカルボキサミジンの形成を促進し、二量体の形成の見込みを減少させる。
得られたペリレンジカルボキサミジンイミド化合物は、工程(A)において、式(I)のペリレンテトラカルボン酸化合物と、アルキル化剤の存在下、ペリレンテトラカルボン酸化合物の合計量に対して、約0.1から約25モル%(好ましくは0.5から10mol%)の間の量で混合される。
工程(A)および(C)は、約50℃から約150℃の温度で、好ましくは約2から約15時間、より好ましくは約4から約7時間の間、行なわれる。
工程(A)および(C)は、必要ではないが、典型的には、溶剤中で行なわれる。工程(A)(1)および(C)(iii)の中で使用される適切な溶剤は、反応中に有意に分解せず、または反応せずに、反応混合物の成分を溶解または縣濁することができる液体である。適切な溶剤の例としては、水;一官能性アルコール、特にたとえばメタノール、エタノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどの低級アルカノールおよびそれらの異性体;ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドのようなアミド;テトラヒドロフランおよびジオキサンのようなエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールおよびチオジグリコールのような、アルキレングリコールおよびチオグリコール;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのようなポリアルキレングリコール;グリセリンおよび1,2,6−ヘキサントリオールのような他のポリオール;2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール、および2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エタノールのような多価アルコールの低級アルキルエーテル;ベンゼン、ピリジンおよびキノリンのような芳香族および複素芳香族液体;および他の公知の有機液体があげられる。水は特に好ましい溶剤である。もちろん他の溶剤もしばしば使用することができるが、反応性成分と反応することができる溶剤を避けることが一般に望ましい。溶剤の量は一般に重要ではない。しかし、反応混合物の成分を溶解または縣濁するのに十分な量であるべきであるが、反応終了後に過剰の量の除去を必要とするほど多くはない量であるべきである。溶剤の典型的な量は、工程(A)の(1)、(2)および(3)、または工程(C)の(i)および(ii)の成分の合計量に対して、約0.5から約100重量部(好ましくは1から10重量部)の範囲である。
溶剤(A)(1)および(C)(iii)は、(A)(1)、(A)(2)もしくは(A)(3)、または(C)(i)もしくは(C)(ii)の1以上の成分が液体であるか、または成分の混合物が望ましくない副生成物への有意な分解をせずに溶融することができる場合には、必要でない場合がある。工程(A)の中で使用される溶剤は、工程(C)で使用される溶剤と同じまたは異なるものであることができ、好ましくは同じものである。
ペリレン顔料と共に使用される公知の添加剤も、反応工程(A)および(C)の前に、あるいはその間に加えることができる。適切な添加剤としては、例えば、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、粉砕助剤、ラテックス、有機顔料誘導体、有機酸、鉱酸、無機化合物(たとえば金属塩)あるいはそれらの混合物があげられる。そのような任意の成分の例としては、有機顔料(特にはペリレン、フタロシアニン、またはキナクリドン)のスルホン酸、スルホンアミド、カルボキサミド、アミノアルキル、またはフタルイミドアルキル誘導体;アクリルコポリマー;少なくとも12の炭素原子を有する脂肪酸(たとえばステアリン酸またはベヘン酸)および対応するアミド、エステルまたは塩(たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムあるいはマグネシウムベヘネート);トリ[(C−Cアルキル)ベンジル]アンモニウム塩のような第四アンモニウム化合物;エポキシ化大豆油のような可塑剤;ワックス(たとえばポリエチレンワックス);樹脂酸(たとえばアビエチン酸、ロジンセッケンあるいは水素化または二量化ロジン);C12−C18−パラフィンジスルホン酸;スルホン化ジカルボン酸およびそれらの対応するエステルまたはアミド(たとえばスルホスクシネート、スルホスクシナメート、およびそれらの誘導体);アルキルホスフェートおよびホスホネート;長連鎖脂肪族アミン(たとえばラウリルアミンまたはステアリルアミン);ポリアミン(たとえばポリエチレンイミン);四級アンモニウム化合物(たとえばトリ[(C−Cアルキル)ベンジル]アンモニウム塩);アルキルフェノール;アルコールおよびジオール(たとえばステアリルアルコールおよびドデカン−1,2−ジオール);アルコキシル化脂肪酸およびアミド、アルコキシル化アルコール、アルコキシル化アルキルフェノールおよびグリコールエステル;ポリウレタン;またはそれらの組み合わせがあげられる。そのような任意の成分は、式(III)のペリレンテトラカルボン酸出発物質の量に基づいて、約20重量%まで、好ましくは0.05から20重量%、より好ましくは1から10重量%までの量で、組み込まれることができる。工程(A)で使用される添加剤は工程(C)で使用される溶剤と同じまたは異なることができ、好ましくは同じである。
一般には好ましいわけではないが、(C)(i)、(C)(ii)および(A)(i)を一緒にして、(A)(iii)の添加に先立ち、(A)(i)の存在下で(C)(i)および(C)(ii)を反応させることも可能である。
成分(A)(iii)としては、有機基がC−Cアルキル(好ましくはメチル)、C−C16アルアルキル、あるいはC−C10アリール基である有機のハロゲン化物、スルフェート、カルボネートがあげられる。適切なハロゲン化アルキルの例としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルのフッ化物、臭化物、塩化物、およびヨウ化物およびそれらの異性体があげられる。アルアルキルハロゲン化物の例としてはベンジルおよびフェネチルのフッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物があげられる。ハロゲン化アリールの例としてはフルオロ−、ブロモ−、クロロ−、またヨードベンゼン;メトキシおよびエトキシベンジルのフッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物;フッ化−、臭化−、塩化−およびヨウ化−キシレンの様々な異性体;ジメチルベンジルのフッ化物、臭化物、塩化物およびヨウ化物および様々な異性体があげられる。アルキルスルフェートの例としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルスルフェートおよびそれらの異性体があげられる。アルアルキルスルフェートの例としてはベンジルおよびフェネチルスルフェートがあげられる。アリールスルフェートの例としてはベンジルスルフェートおよびメトキシ−およびエトキシ−ベンジルスルフェート;キシリルスルフェートの様々な異性体;およびジメチルベンジルスルフェートの様々な異性体があげられる。アルキルカルボネートの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルカルボネートおよびそれらの異性体があげられる。アルアルキルカルボネートの例はベンジルおよびフェネチルカルボネートがあげられる。ハロゲン化アリールの例としてはベンジルカルボネート;メトキシ−およびエトキシベンジルカルボネート;キシリルカルボネートの様々な異性体;およびジメチルベンジルカルボネートの様々な異性体があげられる。例えば、Rが水素である式(I)のペリレンテトラカルボン酸化合物とともにメチルハロゲン化物、スルフェートまたはカルボネートを使用すると、主成分としてN,N’−ジメチルペリレンテトラカルボキシリックジイミド(ピグメントレッド179、R=メチル)を含むペリレン顔料組成物が得られる。
生じるプロセスの正確な性質にかかわらず、工程(A)の間における式(I)と式(II)の化合物の反応による共沈殿ブレンドの形成は、本明細書において「反応性共沈殿」と呼ばれる。得られた反応性共沈殿ペリレン顔料組成物は、比較的狭い粒子サイズ分布を有する小さなサイズの結晶であり、改良された色特性を有するペイントを調製するために使用される。式(I)のすでに完全にアルキル化されたペリレンジイミドと、式(II)のペリレンジカルボキサミジンイミドのブレンドにより形成された組成物は、反応性共沈殿顔料組成物を与えず、そのため本発明により調製された組成物の物理的および色彩的な利点を示さない。
一般に必要ではないが、顔料の最終粒径は、後処理の方法を変えることによりさらにコントロールすることができる。例えば、顔料は、粒径を減じることにより、より透明に、また粒径を増加させることにより、より不透明にすることができる。所望の場合、例えば、ペリレン顔料組成物はたとえばミリングのような公知の方法によりコンディショニングすることができ、またはあまり好ましくはないが溶剤処理、またはミリングと溶剤処理の組み合わせによりコンディショニングすることができる。適切なミリング方法としては、添加剤とともにもしくは添加剤なしでの、ジェットミリング、ボールミリングなどの乾式ミリング方法、または添加剤とともにもしくは添加剤なしでの、ソルトニーディング、サンドミリング、ビーズミリングなどの、水又は有機溶剤中での湿式ミリング方法があげられる。
任意のコンディショニング工程の間、あるいはその工程の後の様々な他の任意の成分の使用は、一般に必要ではないが、本発明のペリレン顔料組成物の特性をさらに改善することができる。適切な任意の成分としては、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、粉砕助剤、ラテックス、有機顔料誘導体、無機化合物(たとえば金属塩)、あるいはそれらの混合物、たとえば工程(A)および(C)における使用に関して前述されたものがあげられる。そのような任意の成分は有機顔料組成物の量に基づいて、約20重量%まで、好ましくは0.05から20重量%、より好ましくは1から10重量%の量で組み込まれることができる。
それらの有利な特性のために、本発明のペリレン顔料組成物は様々な異なる顔料用途に好適である。例えば、本発明の顔料組成物は、着色剤として(あるいは2つ以上の着色剤のうちの1つとして)非常に耐光性のある着色されたシステムに使用することができる。例としては、他の物質との着色混合物、顔料配合物、ペイント、印刷インキ、カラー紙あるいは着色された高分子材料があげられる。用語「他の物質との混合物」は、例えば二酸化チタン(ルチル)あるいはセメントのような無機の白色顔料あるいは他の無機顔料との混合物を含むものとして理解される。顔料配合物の例としては、有機液体でフラッシュされたペースト、および水、分散剤、および適当な場合には防腐剤を含む分散液があげられる。本発明の顔料を使用することができるペイントの例としては、物理的又は酸化的に乾燥されるラッカー、焼き付けエナメル、反応性ペイント、2成分ペイント、溶剤型または水性ペイント、耐候性コーティング用エマルション塗料および水性塗料があげられる。印刷インキとしては、紙、織物およびブリキ板印刷用の公知のものがあげられる。適切な高分子の物質としては、ゴムのような天然由来のもの;アセチルセルロース、セルロースブチレートあるいはビスコースのような化学的変成によって得られたもの;または、ポリマー、重付加生成物および重縮合生成物のような合成物が含まれる。合成高分子物質の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルプロピオネート;ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン;高分子量ポリアミド;アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエンあるいはスチレンのポリマーおよびコポリマー;ポリウレタン;およびポリカーボネートのようなプラスチック材料があげられる。本発明のペリレン顔料組成物で着色された材料は、任意の希望の形あるいは形態を有することができる。本発明の顔料組成物は、高度に耐水性、耐油性、耐酸性、耐石灰性、耐アルカリ性、耐溶剤性、ラッカー上塗り耐性、スプレー上塗り耐性、耐昇華性、耐熱性、耐加硫性であり、非常に優れた着色性を与え、容易に分散する(たとえばプラスチック中に)。
以下の実施例は、さらに本発明の組成物の調製および使用のための詳細を例示する。先の開示で述べられた本発明の範囲は、これらの例によって何ら制限されるものではない。当業者は、これらの組成物を調製するための以下の方法の条件およびプロセスの公知である変法を使用することができることを容易に理解する。特記のない限り、温度はすべて摂氏度である。また、パーセンテージはすべて重量パーセントである。
実施例
実施例 1−5
実施例1および2は、ペリレンジカルボキサミジンイミド組成物の調製について記述する。
比較例3は、本発明によるペリレンジカルボキサミジンイミドの非存在下でのN,N’−ジメチルペリレンテトラカルボキシリックジイミド(ピグメントレッド179)の調製について記述する。
例4および5は、ペリレンジカルボキサミジンイミドの存在下でのN,N’−ジメチルペリレンテトラカルボキシリックジイミドの調製について記述する。
粒径試験方法
以下の例において調製された組成物の粒径は、QLSレーザー散乱、DCPディスク遠心分離機および粉末X線回折測定法を使用して決定された。
レーザー散乱およびディスク遠心分離機測定については、各顔料組成物のサンプルは水で薄められ、超音波ホーン(600Wで2分)で分散し、さらに希釈された。X線での測定については、粉末試料が使用された。
レーザー散乱の結果は、1.75KVの電圧の光電子増倍管を使用したBI−9000 Correlator検出器を取り付けたBrookhaven Instruments Laser Scattering Particle Analyzerを使用し、632.8nmのレーザー波長、1mm(非偏光)のビーム幅、検出角度90度、および12mmのセル長さで行った。結果は平均値またはメディアン値に類似する有効直径(Deff)で報告される。
ディスク遠心分離機結果はBrookhaven Instruments BI−DCP 1000 Particle Sizerを使用し、毎分10,000回転で作動させて測定した。表面積平均直径(D)、重量平均直径(Dw)、重量分布での95%の積算値(Dw、95)および多分散性(分配の広がりはDW/Dnと定義した、ここでDnは数平均直径である)が報告される。
X線の粉末回折結果はSiemensD5000 X線回折計を使用して得られ、8.2度の2 の回折角で得られた単一ピークについて、半値高での全幅(FWHM)が報告された。
実施例1
オートクレーブの中の脱イオン水500mlに、7gのペリレンモノイミド/モノ無水物、および2.6gの2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミンが加えられた。オートクレーブは密閉され、14時間140℃で撹拌しながら加熱された。オートクレーブを冷却し、真空濾過によって内容物を集め、脱イオン水でブリードがなくなるまで洗浄した。フィルターケーキを300mlの脱イオン水中で再度スラリーとし、12%の水酸化カリウム水溶液でサスペンションのpHを12に調節した。サスペンションを80℃で2時間加熱し、60℃に冷却し、濾過した。フィルターケーキを、脱イオン水でブリードがなくなるまで洗浄した。合計で20.5gのフィルターケーキが得られ、これは4.79gの式(VIII)の化合物に相当する。
Figure 0004585199
実施例2
オートクレーブの中の脱イオン水500mlに、10gのペリレンモノイミド/モノ無水物、および6.91gの1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンが加えられた。撹拌下に、50mlの脱イオン水中の96%硫酸4.91gの溶液が加えられた。オートクレーブは密閉され、14時間140℃で撹拌しながら加熱された。オートクレーブを冷却し、真空濾過によって沈殿を集め、脱イオン水でブリードがなくなるまで洗浄した。約81gのフィルターケーキが得られ、これは10.1gの式(IX)の化合物に相当する。
Figure 0004585199
実施例3 対照
2リットルのオートクレーブ中の、100gのクルードペリレンジイミド顔料の876.8gの水中のサスペンションに、75%のリン酸の50.1gを加えた。これの酸性化されたスラリーに、撹拌下に、追加の50%の水酸化ナトリウム溶液173.1gが加えられた。オートクレーブは密閉され65℃に加熱された。塩化メチルガスを65psiの圧力で導入し、混合物をスラリーのpHが7.0になるまで反応させた。塩化メチルの圧力が開放され、オートクレーブの内容物が458gの水の中に放出された。サスペンションは、96%の硫酸でpH2.5に調節され、2時間90℃で加熱された。サスペンションは冷却され、ペリレン顔料が真空濾過によって集められ、酸がなくなるまで水で洗浄された。乾燥した顔料のおよそ72gに対応する、ほぼ313gのP.R.179フィルターケーキが得られた。試験結果は表1に示される。
実施例4
50%の水酸化ナトリウム溶液を加えた後に、4.79gの(VIII)に相当する、20.5gのペリレンジメチルジカルボキサミジンイミド(VIII)フィルターケーキを加えたことを除き、実施例3の手順が行われた。完了後の反応混合物のpHは7.2であった。約76gの乾燥顔料に相当するほぼ338gの顔料フィルターケーキが得られた。試験結果は表1に示される。
実施例5
50%の水酸化ナトリウム溶液を加えた後に、5.0gの(IX)に相当する、40.3gのペリレンヒドロキシジカルボキサミジンイミド(IX)フィルターケーキを加えたことを除き、実施例3の手順が行われた。完了後の反応混合物のpHは7.5であった。約76gの乾燥顔料に相当するほぼ345gの顔料フィルターケーキが得られた。試験結果は表1に示される。
Figure 0004585199
表1に示された試験結果は、本発明によって調製された顔料組成物が、ペリレンジカルボキサミジンイミドの非存在下で調製した比較の顔料よりも、より小さな粒径であることを示す。例3−5において生産された顔料組成物は、各々のフィルターケーキを、ポリウレタンオリゴマー分散剤と一緒にされ、得られたスラリーをビーズミルによりミリングし、得られたミリングされたスラリーをスプレードライすることにより仕上げを行った。得られた仕上げをされた顔料は、自動車用の水性ベースコート/クリアコートシステムで特性評価された。実施例4および5で製造された顔料組成物に基づく仕上げ顔料を使用したペイントは、比較例の実施例3で調製された顔料組成物に基づく仕上げ顔料を使用して調製されたペイントと比較して、より深く透明な上色、より黄色で清浄な底色(ティント)を示し、より強く、清浄で、より黄色のメタリックであって、より深みのある色を提供する。

Claims (11)

  1. (A)(1) 式(I)のペリレンテトラカルボン酸化合物;
    Figure 0004585199
    [式中、各Rは、独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、少なくとも1つのRは水素である、AはC−Cアルキル、C−Cアルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数である]
    (2)顔料組成物に対して、0.1から25mol%の、式(II)のペリレン化合物;
    Figure 0004585199
    [式中、Rは、独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、AはC−Cアルキル、C−Cアルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数であり、Wは任意に置換されるか変成されるC−Cアルキレンである]
    (3) 式(V)あるいは(VI)のアルキル化剤;
    −X (V)
    −Y−R (VI)
    [式中、Rは、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、Xはハロゲンであり、Yはスルフェート(つまりO−S(=O)−O)あるいはカルボネート(つまりOC(=O)−O)である]、および
    (4)任意の溶剤;
    を反応させ、
    それにより反応性の共沈殿されたペリレン顔料組成物を形成すること、および
    (B)ペリレン顔料組成物を単離すること、
    を含む、ペリレン顔料組成物の調製方法。
  2. mが0である、請求項1記載の方法。
  3. Wが1,3−ジアミノプロパン、または2位置で1または2のC−Cアルキル基またはヒドロキシ基で置換されている1,3−ジアミノプロパンである、請求項1記載の方法。
  4. 両方のRが水素である、請求項1記載の方法。
  5. 工程(A)が溶剤として水を使用して行われる、請求項1記載の方法。
  6. 式(II)の化合物;
    Figure 0004585199
    [式中、Rは、独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、AはC−Cアルキル、C−Cアルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数であり、Wは任意に置換されるか変成されるC−Cアルキレンである]
    (C)(i)式(III)のペリレンテトラカルボン酸化合物;
    Figure 0004585199
    [式中、Rは、独立に水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールであり、AはC−Cアルキル、C−Cアルコキシル、スルホニル基、アミノ、アンモニウム、ヒドロキシ、ニトロまたはハロゲンであり、mは0または1から8の数であり、EとEは独立してORであるか、または一緒になってひとつのOとなり、それぞれのRは独立してC−Cアルキル、C−C16アルアルキルあるいはC−C10アリールである]
    (ii)(C)(i)の合計量に基づいて100から300mol%の式(IV)のジアミン;
    N−W−NH(IV)
    [式中、Wは任意に置換されるか変成されるC−Cアルキレンである]、および
    (iii)任意の溶剤;を反応させること、および
    (D)ペリレンジカルボキサミジンイミド中間体を単離すること、
    を含む方法により調製される、請求項1記載のペリレン顔料組成物の調製方法。
  7. およびEが一緒になってひとつの酸素原子となる、請求項記載の方法。
  8. Wが1,3−ジアミノプロパン、または2位置で1または2のC−Cアルキル基またはヒドロキシ基で置換されている1,3−ジアミノプロパンである、請求項記載の方法。
  9. RがC−Cアルキルである、請求項記載の方法。
  10. mが0である、請求項記載の方法。
  11. 工程(C)が溶剤として水を使用して行われる、請求項記載の方法。
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