JP4584883B2 - 駐機航空機用冷却空気供給装置 - Google Patents
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Description
このような航空機の内部の冷却には従来より冷却空気が用いられており、トレーラ等の移動可能な車両に空気を冷却するための空気冷却設備を搭載し、該空気冷却設備を搭載した車両を駐機航空機近傍に駐車し、該空気冷却装置で冷却して得た冷却空気を駐機航空機へ送風することが一般的である。
また、特許文献2には、送風系統と、冷凍装置と、加熱装置とを移動可能な基台上に一体的に搭載し、冷凍装置の冷却部とドライボイラーの加熱部を送風通路内に直列状に介在させた移動式冷暖房装置が開示されている。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、従来よりも空気(外気)を取り込む際の騒音を抑えることができ、さらに装置搭載用の車両が大型することのない駐機航空機用冷却空気供給装置を提供することを目的とする。
熱交換器と、該熱交換器に外気を導入する送風機と、該熱交換器に供給する冷媒を圧縮する圧縮機と、発電機とを内設した荷室及び該荷室を牽引する牽引車から成る駐機航空機用冷却空気供給装置において、荷室前側に前記熱交換器と、前記送風機への空気導入口である吸入ダクトを配置し、前記牽引車後面と対面する前記荷室前壁に外気取込口を設けるとともに、前記熱交換器を荷室側壁側に傾斜させて、前記熱交換器と前記側壁との間に末広状の空間を形成したことを特徴とする。
従って、前記末広状の空間を設けることによって、該空間で吸収される音が増え、その結果外部へ漏れる音は小さくなる。
また、壁等の物体に向かった音(以下入射音という)と、反射して返ってくる音(以下反射音という)から求まる吸音率((入射音−反射音)/入射音)は物体により異なるため、前記末広状の空間を構成する部材は出来る限り吸音率の高いものを用いることがより好ましい。
そして、このような末広状の空間は、前記熱交換器の配置によって形成されるため、従来と装置の部品点数は変わらず、したがって従来と同じ製造コストで製造することができるとともに、送風通路を一直線上に配置する必要がないため、無駄なスペースを設ける必要がなく、荷室を大型化する必要がない。
このことで、さらに音の反射回数が増えるため、吸音効果が高くなる。
さらに、前記楔状空間に設けた冷却空気排出ダクトの荷室前側に、前記駐機航空機と接続するホースと連結可能な冷却空気供給孔と、外部と開放可能な逃がし孔を設けたことを特徴とする。
このことで、前記熱交換器を傾斜させることでできる楔状の空間を有効に活用することができるため、荷室を大型化する必要がない。
このような構成によれば、冷却装置稼働時は冷却空気供給孔に取り付けたダンパを開とし、空気逃がし孔に取り付けたダンパを閉となるようにダンパ開度を調整し、駐機航空機への冷却空気の供給が終了して冷却装置の稼動を停止した後直ちに冷却空気供給孔に取り付けたダンパを閉とし、空気逃がし孔に取り付けたダンパを開となるようにダンパ開度を調整することによって、装置稼働停止後、空気逃がし孔から送風機の惰性運転による送風を排出しながら、冷却空気供給孔から冷却空気供給先へと繋いだホース等を片付けて、片付け作業を迅速化することができる。また、熱交換器内の凝縮水も同時に排出される。
また、前記冷却空気供給孔と空気逃がし孔を交互に開閉可能なダンパとしていることにより、例えば空気逃がし孔を閉め忘れたまま冷却空気供給孔を開け、送風通路内圧が高くなり機器に破損等の影響を与える、といった人的ミスを無くすことができる。
このことにより、送風通路の入口端側ダクト内での吸音効果が高まり、さらに外部へ漏れる音が小さくなる。吸音材には、例えばグラスウール等の多孔質タイプの吸音材や、孔開き板等の共鳴タイプの吸音材を用いることができる。
また、該楔状の空間12の牽引車2側の壁には外気取込口11が設けられており、該外気取込口11から外気が前記楔状の空間12内に取り込まれ、さらに該楔状の空間12内の空気が吸入ダクト13、送風ファン14を通じて熱交換器16へ送風される構成となっている。
さらに、熱交換器16を傾斜させて配置することで、出口部17の形状は熱交換器16の出口面と荷室1の壁との間の楔状空間に配置され、該出口部17には2つの供給空気ダクト18と逃がしダクト19が配置されている。
この空気(外気)が熱交換器16へ送られる際に発生する音は、楔状の空間12内で反射して一部は吸音される。楔状の空間12を設けたことで、空間12を例えば長方形にした場合と比較すると、音が反射する箇所が多く、その分吸音効果が高くなる。また、外気取込口11を荷室1と牽引車2の間に設けているため、音が外部へ漏れにくい。
従って、外気取込口11を荷室1と牽引車2の間に設けるとともに、楔状の空間12を設けることで、外部へ漏れる音を少なくして、空気を熱交換器16へ送ることができる。
さらには、吸入ダクト13の内部表面に例えばグラスウール等の多孔質タイプの吸音材や、孔開き板等の共鳴タイプの吸音材を取り付けるとさらに外部へ漏れる音を少なくすることができるため好ましい。
また、このよう楔状の空間12を吸入ダクト13の入口部と熱交換器16の配置のみで形成することができるため、従来の装置と比べて製造コストは変わらず、高い吸音効果を得ることができる。
さらに、第1冷却ブロック161で0℃より高く、例えば5℃まで冷却された空気は、第2冷却ブロック162で出口部が0℃以下、例えば−2℃まで前記膨張弁27によって第2冷却ブロック162を通過する冷媒量を調整して冷却される。
このとき、前記送風ファン14によって取り込まれた空気の流れ方向に対して、前記冷凍サイクル中の冷媒の流れがカウンターフローとなるように流通している。このことで、冷媒と冷却用空気との温度差が空気通路入口側では大きくなり、出口側では小さくなって全体として高い熱交換効率が得られなくなることを防ぎ、空気通路全体にわたって冷却用空気と冷媒との温度差を充分に確保し、高い熱交換率を得ることが出来る。
また、第1冷却ブロック出口での空気冷却温度を0℃より高くすることで、第1冷却ブロックでは霜が発生しないようにし、さらに第1冷却ブロック161と第2冷却ブロック162の間には隙間163を設けることで、第1冷却ブロック161で発生する凝縮水が第2冷却ブロック162へ流入することを防ぎ、空気温度を0℃以下まで下げる第2冷却ブロックへの水分の流入を出来る限り少なくし、第2冷却ブロックでの霜の発生を少なくしている。
さらに前記供給空気ダクト18と逃がしダクト19にはそれぞれ同軸のダンパ20が設けられており、これらのダクトを交互に開閉可能となっている。図4は供給空気ダクト18及び逃がしダクト19のダンパ20近傍の断面図である。例えば、図4(A)に示したように、供給空気ダクト18側が開となっているときには、逃がしダクト側が閉となり、逆に図4(B)に示したように、逃がしダクト側が開となっているときには、供給空気ダクト側が閉となる。
また、熱交換記16で発生し、熱交換器16下部及び出口部17下部に溜まっていた熱交換器16で発生した凝縮水も、逃がしダクト19から排出される。即ち、逃がしダクト19は、送風ファン14の惰性運転による空気流と熱交換器16で発生した凝縮水と、を排出している。
前記楔状の空間12を設けるために前記熱交換器16を車体2と角度をもって配置したことによって、出口部17は楔状の形状となり、1つの逃がしダクト19と2つの空気供給ダクト18を無駄なスペースがなく設けることのでき、冷却空気供給装置全体を大型化する必要はない。
1a 側壁
2 牽引車
11 外気取込口
12 楔状の空間
13 吸入ダクト
14 送風ファン
16 熱交換器
17 出口部
18 供給空気ダクト
19 逃がしダクト
Claims (6)
- 熱交換器と、該熱交換器に外気を導入する送風機と、該熱交換器に供給する冷媒を圧縮する圧縮機と、発電機とを内設した荷室及び該荷室を牽引する牽引車から成る駐機航空機用冷却空気供給装置において、
荷室前側に前記熱交換器と、前記送風機への空気導入口である吸入ダクトを配置し、
前記牽引車後面と対面する前記荷室前壁に外気取込口を設けるとともに、前記熱交換器を荷室側壁側に傾斜させて、前記熱交換器と前記側壁との間に末広状の空間を形成したことを特徴とする駐機航空機用冷却空気供給装置。 - 前記末広状の空間に配置した前記吸入ダクトの吸気面を前記荷室側壁から前記熱交換器に向かって車両後方側に傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の駐機航空機用冷却空気供給装置。
- 前記熱交換器を傾斜させることによってできる熱交換器の出口面と荷室壁面の間の楔状空間に、冷却空気排出ダクトを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の駐機航空機用冷却空気供給装置。
- 前記楔状空間に設けた冷却空気排出ダクトの荷室前側に、前記駐機航空機と接続するホースと連結可能な冷却空気供給孔と、外部と開放可能な逃がし孔を設けたことを特徴とする請求項3記載の駐機航空機用冷却空気供給装置。
- 前記冷却空気排出ダクトに水平な床面と該床面より下流側に上昇する傾斜面を設け、前記傾斜面に前記冷却空気供給孔を下向きに設けるとともに、前記水平な床面に前記空気逃がし孔を設け、これらの孔を交互に開閉可能なダンパを設けて冷却空気供給孔を閉じた時に空気逃がし孔を開けて冷却空気を逃がすように構成したことを特徴とする請求項4記載の駐機航空機用冷却空気供給装置。
- 前記吸入ダクト内壁面に吸音材を取り付けたことを特徴とする請求項1〜5何れかに記載の駐機航空機用冷却空気供給装置。
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