JP2014025646A - 蒸発器およびその蒸発器を備えた車両用空調装置 - Google Patents

蒸発器およびその蒸発器を備えた車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液冷媒が溜まりにくく、冷却性能の向上を図ることが可能な蒸発器を提供すること。
【解決手段】冷媒が内部を流通可能であり、送風と熱交換を行う複数のチューブ43と、これらチューブ43の上端部に設けられて各チューブ43との間で冷媒が流通可能な上部タンク41と、チューブ43の下端部に設けられ、各チューブ43との間で冷媒を流通可能な下部タンク42と、冷媒を内部に導入する冷媒導入口40aおよび冷媒を外部に導出する冷媒導出口40bと、冷媒導入口40aから、チューブ43を上下に巡りながら上部タンク41および下部タンク42を経て冷媒導出口40bに至る内部冷媒流路45と、を備えた蒸発器であって、下部タンク42の断面積が、上部タンク41の断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする蒸発器とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクルに用いる蒸発器に関し、特に、圧縮機の停止時にも冷房を継続可能な車両用空調装置に適用するのに好適な蒸発器およびこの蒸発器を備えた車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置として、アイドリングストップ時などにエンジンが停止して圧縮機の作動が停止しても冷房を続行可能としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の車両用空調装置は、蒸発器と圧縮機との間の冷媒通路に、蓄冷材を備えた貯留器を配置し、走行中(圧縮機の作動中)に貯留器内に液冷媒を蓄えるとともに蓄冷する。そして、停車時(圧縮機の停止中)に、蓄冷材に蓄えた冷力で低圧側の冷媒圧力を低く保ちながら、貯留器の液冷媒をポンプにより蒸発器の入口側に移送して、蒸発器による空調空気の冷却を継続できるというものである。
また、蒸発器において、上部タンクと、下部タンクと、両タンクを連通させるとともに送風と熱交換可能なチューブと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。このような蒸発器では、上部タンクと下部タンクとが略同一断面積に形成されるのが一般的である。
特許第4186650号公報 特開2004−144395号公報
上述のように、上部タンクと下部タンクとを備えた蒸発器では、両タンク部は、送風と熱交換をすることができないため、特に、圧縮機の停止時などに液冷媒を供給した場合に、蒸発されるべき液冷媒が、蒸発しきれずに下部タンクに溜まる場合があった。
このように、下部タンクに液冷媒が溜まってしまった場合、液冷媒が蒸発されずに残ってしまい、蒸発器において充分な冷却性能が得られない場合があった。
本発明は、上述の従来の問題に着目して成されたもので、液冷媒が溜まりにくく、冷却性能の向上を図ることが可能な蒸発器およびその蒸発器を備えた車両用空調装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために請求項1に係る発明は、
冷媒が内部を流通可能であり、送風と熱交換を行う複数のチューブと、
これらチューブの上端部に設けられて各チューブとの間で前記冷媒を流通可能とした上部タンクと、
前記チューブの下端部に設けられ、各チューブとの間で前記冷媒を流通可能とした下部タンクと、
前記冷媒を内部に導入する冷媒導入口および前記冷媒を外部に導出する冷媒導出口と、
前記冷媒導入口から、前記チューブを上下に巡りながら前記上部タンクおよび前記下部タンクを経て前記冷媒導出口に至る内部冷媒流路と、
を備えた蒸発器であって、
前記下部タンクの断面積が、前記上部タンクの断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする蒸発器とした。
本発明の蒸発器では、蒸発しきれない冷媒が下部に溜まった場合、下部タンク以外のチューブ部分に溜まった液冷媒は、送風と熱交換して蒸発することができるため、液冷媒は熱交換できない下部タンクに溜まる。そこで、本発明では、下部タンクの断面積を上部タンクの断面積に比べて小さく設定しているため、下部タンクに溜まる液冷媒の容量は、下部タンク容量が上部タンクと等しい場合と比較して少量となる。
したがって、本発明の蒸発器では、従来と比較して、下部タンクに溜まる冷却に寄与しない液冷媒量を少なくすることが可能であり、その分、冷却性能の向上を図ることが可能となる。
そして、本発明の蒸発器を備え、圧縮機の停止時に貯留器に溜めた液冷媒を蒸発器に供給して蒸発器による冷却を継続する車両用空調装置では、圧縮機停止時における蒸発器の冷却性能が向上することにより、冷却継続時間の延長あるいは貯留器の小型化を図ることが可能である。
実施の形態1の蒸発器を備えた車両用空調装置における冷凍サイクルを示す回路図である。 前記車両用空調装置に用いた貯留器を示す断面図である。 実施の形態1の蒸発器を示す図であり、(a)は蒸発器の概略を示す斜視図であり、(b)はその内部構造の概略図である。 実施の形態1の蒸発器の側面図である。 実施の形態2の蒸発器を示す側面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態の蒸発器およびその蒸発器を備えた車両用空調装置について説明する。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の蒸発器40を備えた車両用空調装置の構成について説明する。
この車両用空調装置は、図1に示す、圧縮機10、凝縮器20、減圧器30、蒸発器40を冷媒通路50により順次環状に接続した冷凍サイクルAを備えている。
なお、冷媒通路50は、圧縮機10の出口と凝縮器20の入口とを接続する第1流路51と、凝縮器20の出口と減圧器30の入口とを接続する第2流路52と、減圧器30の出口と蒸発器40の入口とを接続する第3流路53と、蒸発器40の出口と圧縮機10の入口とを接続する第4流路54とを備えている。
圧縮機10は、エンジンルーム(図示省略)に配置されてエンジンEngにより駆動され、冷凍サイクルA内の冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。
凝縮器20は、エンジンルーム(図示省略)に配置されて、圧縮機10により高温高圧に圧縮された冷媒を、外気との熱交換により冷却して液化する。
減圧器30は、高圧の液状冷媒を、オリフィスや減圧弁にくぐらすことにより、減圧と流量制御を行い、低温・低圧の液状冷媒にする。
蒸発器40は、車室内に配置された空調ユニット(図示省略)内に配置され、空調ユニット内を流れる車室内の空気と熱交換を行うことで、低温・低圧の液状冷媒を蒸発させて、低温・低圧のガス冷媒とするものであり、これにより車室空気を冷却して車室の冷房を行う。
さらに、減圧器30と蒸発器40との間の第3流路53には、この第3流路53を開閉する冷媒流路開閉弁60が設けられている。この冷媒流路開閉弁60の開閉は、後述する空調制御回路(制御部)100により制御される。
また、蒸発器40と圧縮機10とを接続する第4流路54の途中には、冷媒を貯留可能な貯留器70が設けられている。
この貯留器70は、図2に示すように、冷媒を貯留可能な筒状のタンク本体71と、このタンク本体71の外周に設けられ、タンク本体71に貯留された冷媒と熱交換可能な蓄冷材72とを備えている。なお、蓄冷材72としては、水と高吸水性樹脂(ポリアクリ酸ナトリウム)を含むものや、パラフィンなど周知のものを用いる。
また、図示のように、第4流路54の上流側の管54aは、タンク本体71の上部に開口されており、一方、第4流路54の下流側の管54bは、タンク本体71の上部の開口端54cから下方に延在され、タンク本体71の下部の湾曲部54dで上方に湾曲されてタンク本体71の上部から外部に導出されている。さらに、湾曲部54dには、液状の冷媒を吸い込むための吸入孔54eが穿設されている。
タンク本体71の底部には、冷媒ポンプ80が設けられている。この冷媒ポンプ80に接続された吐出路81は、図1に示すように、蒸発器40の上流の第3流路53の途中に接続されており、冷媒ポンプ80により吸引した貯留器70に貯留された液状の冷媒は、第3流路53に吐出される。
また、吐出路81の途中には、冷媒の流れる方向を冷媒ポンプ80から第3流路53の方向のみに制限する逆止弁82が設けられている。さらに、第4流路54の下流側の管54bの途中にも、冷媒の流れる方向を貯留器70から圧縮機10の方向のみに制限する逆止弁55が設けられている。
次に、蒸発器40の構成について、図3に基づいて説明を加える。
蒸発器40は、図3(a)に示すように、上部タンク41、下部タンク42、チューブ43を備えている。これら上部タンク41および下部タンク42は、図3(b)に概略を示すように、矢印AFで示す送風方向に対して、風下側41a,42aと風上側41b,42bとで区画されており、それぞれが、チューブ43を介して上下方向で冷媒を流通可能に連通されている。したがって、蒸発器40は、送風に対して、両タンク41,42の風下側41a,42aをチューブ43により連通させた風下側領域40cと、両タンク41,42の風上側41b,42bをチューブ43により連通させた風上側領域40dと、が直列に2層並設された構造となっている。なお、チューブ43は、周知のように図示を省略したフィンを、一体あるいは別体に備えており、内部を流れる冷媒と矢印AFの送風方向で流れる冷却風との間で熱交換可能に形成されている。
さらに、上部タンク41は、風下側41aと風上側41bとの一端側に、それぞれ冷媒導入口40aと冷媒導出口40bとが設けられている。一方、下部タンク42は、風下側42aと風上側42bとが、冷媒導入口40aおよび冷媒導出口40bとの対角の位置で連通部42dにより連通されている。
そして、上部タンク41および下部タンク42は、それぞれ矢印AFで示す送風方向に直交する方向である延在方向に、仕切板44a,44b,44c,44dにより仕切られている。
以上の構成に基づいて、蒸発器40の内部冷媒流路45は、いわゆる6パス構造に形成されている。すなわち、蒸発器40の内部には、冷媒導入口40aから冷媒導出口40bに至る内部冷媒流路45を備え、この内部冷媒流路45は、冷媒導入口40aから冷媒導出口40bに至る間に、複数のチューブ43を同方向に通過する一群のグループである第1パス451〜第6パス456を通過しながら上下に巡る流路となっている。
この内部冷媒流路45を、以下に順を追って詳細に説明する。
まず、冷媒導入口40aに連続する風下側領域40cの流路は、図3(b)において一点鎖線で示すように、冷媒導入口40a→風下第1上タンク部411→下向きの第1パス451→風下第1下タンク部421→上向きの第2パス452→風下第2上タンク部412→下向きの第3パス453→風下第2下タンク部422を経る流路となる。
そして、この内部冷媒流路45において、上記の風下側領域40cから、連通部42dを通って至った風上側領域40dにおける部分(これを二点差線で示す)は、風上第1下タンク部423→上向きの第4パス454→風上第1上タンク部413→下向きの第5パス455→風上第2下タンク部424→上向きの第6パス456→風上第2上タンク部414→冷媒導出口40bを経る流路となる。
なお、各仕切板44a〜44dは、上記の各パス451〜456の区画を行っているため、図3(b)では、チューブ43の位置にも配置されているよう図示しているが、実際には、チューブ43どうしはそれぞれ区画されているため、各タンク41,42内のみで仕切られている。
さらに、本実施の形態では、下部タンク42は、その断面積が上部タンク41に比較して小さく形成されている。すなわち、下部タンク42の風下側42a、風上側42bは、それぞれ、上部タンク41の風下側41a、風上側41bに対して、小断面積に形成されている。
具体的には、図4は、蒸発器40の側面図であり、本実施の形態1では、下部タンク42の断面積は、上部タンク41の断面積の1/2程度の断面積に形成されている。すなわち、上部タンク41の断面積および冷媒導入口40a、冷媒導出口40bの口径は、圧縮機10の駆動時における冷媒流量を基準に設定されている。本実施の形態1では、この上部タンク41の断面積に対し、下部タンク42の断面積を小さく形成している。
次に、空調制御回路100について説明する。
前述した冷媒ポンプ80および冷媒流路開閉弁60の作動は、空調制御回路100により制御される。
この空調制御回路100は、図外の空調装置の制御を行うもので、車室温度、車外温度などを検出するセンサ群101に接続され、その検出に基づいて、空調装置(図示省略)の作動を制御する。
さらに、空調制御回路100は、上述の空調装置(図示省略)の制御において、いわゆるアイドリングストップ制御に伴って圧縮機10が停止した際に、蒸発器40による冷却作動を継続させるための冷却継続制御を行う。なお、アイドリングストップ制御は、走行中の一時的な停車を検出した際に、エンジンEngの駆動を停止させ、発進操作を検出した際にはエンジンEngを始動させる制御である。空調制御回路100では、アイドリングストップ制御時に、エンジンEngの駆動などを制御する総合コントローラ(図示省略)から空調制御回路100にアイドリングストップ信号sstが入力されている間、冷却継続制御を行う。
上述した冷却継続制御を簡単に説明すると、空調制御回路100は、アイドリングストップ信号sstの入力を受けると、冷媒流路開閉弁60を閉じるとともに、冷媒ポンプ80を駆動させる。そして、あらかじめ設定された制御終了条件が成立すると、冷媒ポンプ80を停止させるとともに、冷媒流路開閉弁60を開弁させる。なお、制御終了条件とは、あらかじめ設定された時間が経過した場合や、貯留器70の液冷媒が無くなった場合や、蒸発器40を通過した送風温度が、制御目標温度よりも高くなった場合などである。
(実施の形態の作用)
次に、実施の形態1の作用を説明する。
<走行時(圧縮機駆動時)>
エンジンEngを駆動させている走行時には、圧縮機10が駆動しており、圧縮機10は、冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。この高温高圧の冷媒は、凝縮器20において外気と熱交換(冷却)されて液化して、減圧器30に送られる。減圧器30では、冷媒が減圧されて低温・低圧の液状となり、さらに、冷媒は、蒸発器40において、車室内の空気と熱交換され、車室内空気を冷却するとともに、蒸発して低温・低圧のガス冷媒となり、貯留器70を通って圧縮機10に吸引される。
なお、貯留器70では、蒸発器40において蒸発して低温・低圧のガス状となった冷媒は、貯留器70を通過する際に、蓄冷材72から吸熱して蓄冷材72を冷却する。
そして、車室内の空調が安定して蒸発器40の負荷が下がり、さらに、蓄冷材72が冷却され、蓄冷材72での吸熱量が下がると、冷媒は貯留器70のタンク本体71に液化して蓄えられる。
すなわち、貯留器70にあっては、第4流路54の上流側の管54aからタンク本体71に流入した冷媒は、液化した冷媒がタンク本体71の下部に溜まり、気化した冷媒はタンク本体71の上部に溜まる。そして、上部の気化した冷媒は、下流側の管54bの開口端54cから吸入され、湾曲部54dの吸入孔54eにおいてタンク本体71の下部の液状冷媒を僅かに吸い込んで混合されながら圧縮機10に吸入される。なお、冷媒には潤滑油が含まれており、この潤滑油成分を圧縮機10に供給するために吸入孔54eから液状冷媒を吸い込むようにしている。
<アイドリングストップ時(圧縮機停止時)>
車両の停車時に、図示を省略した総合コントローラの制御に基づいて、アイドリングストップ制御が実行された際には、エンジンEngの駆動を停止するのに伴い圧縮機10の駆動が停止され、圧縮機10からの高圧冷媒の吐出が停止される。
このとき、空調制御回路100は、アイドリングストップ信号sstの入力を受けて、冷媒ポンプ80を駆動させるとともに、冷媒流路開閉弁60を閉弁させる。
したがって、貯留器70に貯留された低圧の液状冷媒が冷媒ポンプ80に吸入されて吐出路81から第3流路53を介して蒸発器40に供給される。これにより、蒸発器40では、液状冷媒の蒸発が継続され、蒸発器40による冷却を維持することができる。
このとき、蒸発器40では、冷媒導入口40aから液状冷媒が供給され、チューブ43にて熱交換されて蒸発されるが、第1パス451で蒸発しなかった液状冷媒は、風下第1下タンク部421に溜まり、また、この風下第1下タンク部421に溜まりきれなかったものは、チューブ43に溜まる可能性がある。
このチューブ43に溜まった液冷媒は、送風と熱交換することにより蒸発する。一方、下部タンク42では熱交換できないため、風下第1下タンク部421を含み下部タンク42に液状のまま溜まる。
この場合、下部タンク42は、上部タンク41に比べて少容量に設定しているため、下部タンク42を、上部タンク41と同容量に設定したものと比較して、下部タンク42に液状のまま溜って冷却に使用されない冷媒容量が少なくなる。したがって、貯留器70に溜められた液冷媒の内、冷却に使用されない冷媒容量が少なくなり、その分、蒸発器40における冷却性能を向上できる。
なお、上述の冷却継続制御時には、冷媒流路開閉弁60が閉弁されており、かつ、圧縮機10の上流の第4流路54に逆止弁55が設けられているため、圧縮機10および凝縮器20側の高圧の冷媒と、蒸発器40および貯留器70側の低圧の冷媒とは、圧力差による冷媒の移動が規制され、蒸発器40側では低圧に維持される。
加えて、貯留器70では、蒸発器40で気化した冷媒が流入するが、蓄冷材72により吸熱を行うため、低圧冷媒の圧力上昇を抑えることができ、これによっても、蒸発器40における冷却力を、より長く維持することができる。
(実施の形態1の効果)
以上説明した実施の形態1の車両用空調装置は、以下に列挙する効果を奏する。
a)実施の形態1の蒸発器は、
冷媒が内部を流通可能であり、送風と熱交換を行う複数のチューブ43と、
これらチューブ43の上端部に設けられて各チューブ43との間で冷媒を流通可能とした上部タンク41と、
チューブ43の下端部に設けられ、各チューブ43との間で冷媒を流通可能とした下部タンク42と、
冷媒を内部に導入する冷媒導入口40aおよび冷媒を外部に導出する冷媒導出口40bと、
冷媒導入口40aから、チューブ43を上下に巡りながら上部タンク41および下部タンク42を経て冷媒導出口40bに至る内部冷媒流路45と、
を備えた蒸発器であって、
下部タンク42の断面積が、上部タンク41の断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする。
したがって、蒸発器40において、下部タンク42に溜まる蒸発しきれない冷媒の量は、下部タンク42の断面積が上部タンク41の断面積と等しい場合と比較して少量となり、冷却性能の向上を図ることができる。
b)実施の形態1の蒸発器40は、下部タンク42のみの構造の変更で済むため、他の上部タンク41やチューブ43としては既存部品を用いることができる。
このように、本実施の形態1は、既存品を利用することができ、製造コストを抑えつつ、冷却性能の向上を図ることができる。
c)実施の形態1の蒸発器40を備えた車両用空調装置は、
冷媒通路50に圧縮機10、凝縮器20、減圧器30および前記蒸発器40を備えた冷凍サイクルAと、
冷媒通路50において蒸発器40の下流に設けられて液冷媒を貯留可能な貯留器70と、
貯留器70の冷媒を蒸発器40に送る冷媒ポンプ80と、
圧縮機10の停止時に、冷媒ポンプ80を作動させて貯留器70に貯留した液冷媒を用いて蒸発器40による冷却継続処理を行う空調制御回路100と、を備えていることを特徴とする。
よって、この蒸発器40を備えた車両用空調装置では、下部タンク42に溜まる冷却に寄与しない液冷媒量を少なくして貯留器70に溜めた冷媒の有効活用量が増え、冷却性能の向上を図ることが可能となる。これにより、車両用空調装置では、冷却継続時間の延長あるいは貯留器70の小型化を図ることが可能となる。
(他の実施の形態)
以下に、他の実施の形態について説明するが、これら他の実施の形態は、実施の形態1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施の形態1と共通する構成については同じ符号を付けることで説明を省略するとともに、作用効果についても実施の形態1と共通する説明は省略する。
(実施の形態2)
図5は実施の形態2の蒸発器240を示す側面図であって、実施の形態2は、下部タンク242の形状が実施の形態1と異なる。
すなわち、下部タンク242は、矢印AFで示す送風方向に対して、冷媒導入口40aに近い風下側242aの断面積が、冷媒導出口40bに近い風上側242bの容積に比べて小さく、本実施の形態2では、1/2程度の断面積に形成されている。
すなわち、蒸発器240において下部タンク242は、内部冷媒流路45を形成する第1〜第6パス451〜456のうちの、上流側の第1〜第3パス451〜453の部分である風下側242aの断面積が、下流側の第4〜第6パス454〜456の部分である風上側242bの断面積よりも小さく形成されているといえる。なお、下部タンク242において、風上側242bは、上部タンク41の風下側41aおよび風上側41bと同様の断面積に形成されている。
したがって、実施の形態2の蒸発器240にあっても、冷媒導入口40aから液冷媒を導入した場合に、蒸発しきれない液冷媒は、冷媒導入口40aに近い側である風下側242aに多く溜まることになる。
この場合、風下側242aは、上部タンク41の風下側41aおよび風上側41bと、下部タンク242の風上側242bよりも小さな断面積に形成していることにより、風下側242aに溜まって冷却に使用されない液冷媒量を抑えることができる。
よって、実施の形態2にあっても、実施の形態1と同様に、上記a)b)の効果を得ることができる。
なお、通常、蒸発器240において冷媒導出口40bでは冷媒乾き度が1になるように設定しているため、第3パス453の位置の乾き度は、0.5程度である。このため、第1〜第3パス451〜453では、乾き度が1の冷媒に対しては、密度が倍、すなわち体積が1/2であり、この部分(風下側242a)の断面積を最終パス(第6パス456)の部分(風上側242b)の半分程度の断面積にすることができる。
さらに、下部タンク242のうちの冷媒導入口40aに近い側である風下側242aのみの断面積を、風上側242bよりも小さくすることにより、両者242a,242bの断面積を小さく抑えたものと比較して、流路抵抗および冷媒流動音を抑えることができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施の形態では、圧縮機の動力源としてエンジンを示したが、この動力源としては、エンジンに限らず、電動機などの他の動力源を用いてもよい。例えば、電動車両などにおいても、モータを停止させて圧縮機を停止させた状態で冷房を行なうことができる。
また、実施の形態では、蒸発器の上部タンク、下部タンクとして、チューブと別体であり、直方体形状のものを示したが、各タンクの形状および構造は、この図示のものに限定されない。例えば、両タンクは、形状としては円筒状のものなど直方体以外の形状のものを用いてもよいし、かつ、特開2010−151381号公報に示されるように、チューブを形成する部材を連続して接続することによりタンクを形成するようにしてもよい。また、蒸発器構造は実施の形態で示したように、送風方向に対して風上側領域と風下側領域との2層に形成したものを示したが、これに限定されず、単層のものを用いてもよい。
さらに、実施の形態では、蒸発器として、いわゆる6パス構造のものを示したが、これに限定されず、4パス構造などの他の構造のものを用いてもよい。また、4パス構造とした場合、下部タンクの冷媒導入口に近い側の断面積を冷媒導出口に近い側の断面積よりも小さくする場合、1パス目、2パス目の下部タンクの断面積を小さくする。
また、実施の形態では、下部タンクの冷媒導入口に近い側の断面積を冷媒導出口に近い側の断面積よりも小さくした例として、下部タンクの半分の断面積を小さく形成した例を示したが、これに限定されず、例えば、冷媒導入口から冷媒導出口に向けて徐々に断面積を小さく形成してもよい。この場合、例えば、下部タンクの底部を傾けて形成してもよいし、その底部を階段状に形成してもよい。
また、実施の形態では、冷媒導入口および冷媒導出口は、上部タンクに設けた例を示したが、これに限定されず、下部タンクに設けてもよい。
A 冷凍サイクル
10 圧縮機
20 凝縮器
30 減圧器
40 蒸発器
40a 冷媒導入口
40b 冷媒導出口
41 上部タンク
41a 風下側
41b 風上側
42 下部タンク
42a 風下側(冷媒導入口に近い側の部分)
42b 風上側(冷媒導出口に近い側の部分)
43 チューブ
45 内部冷媒流路
50 冷媒通路
70 貯留器
80 冷媒ポンプ
100 空調制御回路(制御部)
240 蒸発器
242 下部タンク
242a 風下側(冷媒導入口に近い側の部分)
242b 風上側(冷媒導出口に近い側の部分)
411 風下第1上タンク部
412 風下第2上タンク部
413 風上第1上タンク部
414 風上第2上タンク部
421 風下第1下タンク部
422 風下第2下タンク部
423 風上第1下タンク部
424 風上第2下タンク部
451 第1パス
452 第2パス
453 第3パス
454 第4パス
455 第5パス
456 第6パス

Claims (5)

  1. 冷媒が内部を流通可能であり、送風と熱交換を行う複数のチューブと、
    これらチューブの上端部に設けられて各チューブとの間で前記冷媒を流通可能とした上部タンクと、
    前記チューブの下端部に設けられ、各チューブとの間で前記冷媒を流通可能とした下部タンクと、
    前記冷媒を内部に導入する冷媒導入口および前記冷媒を外部に導出する冷媒導出口と、
    前記冷媒導入口から、前記チューブを上下に巡りながら前記上部タンクおよび前記下部タンクを経て前記冷媒導出口に至る内部冷媒流路と、
    を備えた蒸発器であって、
    前記下部タンクの断面積が、前記上部タンクの断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする蒸発器。
  2. 請求項1に記載の蒸発器において、
    前記下部タンクは、少なくとも前記冷媒導入口に近い側の部分が、前記上部タンクの断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする蒸発器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蒸発器において、
    前記下部タンクは、前記冷媒導入口に近い側の部分が、前記冷媒導出口に近い側の部分よりも断面積が小さく形成されていることを特徴とする蒸発器。
  4. 請求項3に記載の蒸発器において、
    前記内部冷媒流路は、前記上部タンクと前記下部タンクとの間で、複数の前記チューブ内部を同方向に通過する一群であるパスを複数備え、
    前記下部タンクは、前記複数のパスの、前記冷媒導入口に近い半数のパス部分が、前記冷媒導出口に近い下流側の半数のパス部分よりも、断面積が小さく形成されていることを特徴とする蒸発器。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の蒸発器を備えた車両用空調装置であって、
    冷媒通路に圧縮機、凝縮器、減圧器および前記蒸発器を備えた冷凍サイクルと、
    前記冷媒通路において前記蒸発器の下流に設けられて液冷媒を貯留可能な貯留器と、
    前記貯留器の冷媒を前記蒸発器に送る冷媒ポンプと、
    前記圧縮機の停止時に、前記冷媒ポンプを作動させて前記貯留器に貯留した前記液冷媒を用いて前記蒸発器による冷却継続処理を行う制御部と、
    を備えていることを特徴とする車両用空調装置。
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