JP4584769B2 - プラズマプロセス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜形成・加工、および、表面処理用のプラズマプロセス装置に関し、更に詳しくは、高周波電源を用いてプラズマを発生させ、大型基板、または、幅の広いシート状の被処理物に対して、プラズマ処理を行う装置に関する。
半導体、フラットパネルディスプレイ、太陽電池などのさまざまな電子デバイスの製造には、エッチング、成膜、アッシング、表面処理などのさまざまなプラズマ処理を行うプラズマプロセス装置が用いられている。上記のデバイスのうち、特にフラットパネルディスプレイや薄膜アモルファスシリコンを用いた薄膜太陽電池などのデバイスは、デバイスの大型化と製造コスト削減のため、基板などの被処理物が2m以上のサイズに大型化しており、これに伴ってプラズマプロセス装置も大型化してきている。
プラズマプロセス装置の多くは、処理速度や処理品質などからプラズマ生成のための電源としてRF帯やVHF帯の周波数の高周波電源を用いている。例えば、一辺が2mの基板を処理するプラズマ処理装置は、少なくとも1辺が2mを超える相応の面積をもった電極が必要となる。このような電極に10MHz以上の周波数の高周波電源を用いてプラズマを生成すると、電磁波の伝播波長が電極の長さに比べて十分に長いと言えなくなり、定在波の影響を受け、プラズマが生成される面内で電界分布が生じる。そのためプラズマの均一性が低下し、プロセス分布の均一性も低下する。
上記のようなプラズマプロセス装置は、従来は減圧下でのプラズマを利用するものが通常であったが、近年は大気圧、または、大気圧近傍でプラズマ処理を行うプラズマプロセス装置も実用化されてきている。大気圧、または、大気圧近傍でプラズマプロセス装置は、(1)真空容器を必要とせず装置サイズを小さくできる、(2)プラズマの活性種の密度が高いため処理速度を高くすることができる、(3)装置構成によっては被処理基板一枚当りの処理時間をほぼプラズマ処理の時間に等しくできるなどの利点がある。その一方で、処理速度を高めるため、投入電力を高めると金属電極部が表面に露出している場合にアーク放電となってしまうため、金属電極表面は固体誘電体で被覆するのが通例である。このように金属電極を固体誘電体で被覆すると、プラズマを生成すべき空間に自由空間よりも誘電率の高い物質を挿入することになり、プラズマを生成するための電界を与える高周波の電磁波の伝播波長が自由空間の波長よりも短くなるため、プラズマの均一性は固定誘電体が無い場合に比べ低下する。
上記の問題は、例えば、
にも記載されているように100MHzの高周波を用いた場合の大面積処理を行うため、電極を分割して、隣り合う電極の位相を180度ずれるようにして複数の給電点から印加して1m角程度の放電範囲に均一な電界分布を得ることなどが知られている。しかし、この方法では、電源の台数を増やすことや、位相を制御する機器が新たに必要になり装置コストがかかる。
上記のような2次元的に大きい電極の場合の他に、例えば、シート状やRole to Role方式に用いるような1方向に長い電極の場合についても、電極の長軸方向に定在波の影響が生じ、プラズマの均一性が低下してしまう。この課題に対して、
では、棒状電極について記載されているが、棒状電極と垂直な方向の放電空間の長さについての範囲の規定についてのみの記載であり、棒状電極の長軸方向に対して均一性を高める手段については何ら開示されていない。 特開平2002−313743 特開平2001−40478
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、一方向に長い電極について電源数や位相制御等の装置コストを増やすことなく、均一性の高いプラズマプロセス装置を提供するものである。
この発明は、高周波電源を用いるプラズマプロセス装置において、細長い第1電極と、第1電極に対向する細長い第2電極とを備え、第1電極の第2電極に対向する面の長手方向対短手方向の寸法比が√2以上で、高周波電源から第1電極への給電点が長手方向の中心に関して対称にN箇所(Nは2以上の整数)設けられ、第1電極の長さがLであるとき、給電箇所の間隔がL/N×(1±0.1)であり、各給電箇所での電磁波の位相がほぼ同位相であるプラズマプロセス装置を提供するものである。
N=2のとき、Lは第1電極と第2電極間の空間を伝播する電磁波の実効波長の2分の1より小さいことが好ましい。
第1電極と第2電極を収容する金属製容器をさらに備え、第2電極はその両端が前記容器を介して電源の接地端子に接続されてもよい。
この発明のプラズマ処理装置によれば、高周波印加電極の対向電極面に対向する面の長軸方向の長さと短軸方向の長さのアスペクト比が√2以上の高周波印加電極において、電源数や位相制御等の装置コストを増やすことなく、均一性の高いプラズマプロセス装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の実施形態において同じ構成要素には同じ参照番号を付して説明を省略している。
《実施形態1》
図1から図3を参照しながら、本発明による実施形態1のプラズマプロセス装置を説明する。図1はインライン方式の基板処理や、シート状、あるいは、ロール状の被処理物の処理をするプラズマプロセス装置の簡略図を示している。図2は、図1のYZ断面、図3は、図1のZX断面を詳細に示している。
実施形態1のプラズマプロセス装置は、図2に示すように、Al(アルミニウム)やSUS(ステンレス鋼)などの金属製の容器101と、容器101にプロセスガスを導入するガス導入口102と、図示していない真空ポンプに接続された排気口103と、周波数が40.68MHzの高周波電源104と、電源104の出力端子から整合器105を介して高周波電力が供給される棒状の高周波印加電極106と、高周波印加電極106に対向してY方向に±10mm離れた位置に配置され電源104の接地側端子に接続された(以下、接地されたという)2本の棒状対向電極107と、基板のような被処理物109を加熱する為のヒーター108から成っている。高周波印加電極106および対向電極107は、Al(アルミニウム)などの金属製の棒状(円柱状)の電極でX方向(長軸方向)の長さLが2.2m、断面(短軸方向)は直径が0.01mの円形である。電極106、107のプラズマに曝される表面は、例えばアルマイト処理などの表面処理がなされている。
この装置をプラズマCVD装置として適用し、アモルファスシリコンを成膜する場合の一例について簡単に説明する。まず、容器101は容器101のY方向両側に隣接する装置とそれぞれ接続されており、容器101とそれらの隣接装置が1つの真空容器として気密性を保っており、これらの内部を図示しない真空ポンプで所望の真空度、例えば、1×10-3Paまで排気する。被処理物を加熱するためのヒーターで被処理物を所望の温度、例えば、200℃に加熱しておく。その後、ガス導入口102からSiH4とH2を混合したプロセスガスを導入して所望の圧力、例えば、100Paに保ち、周波数40.68MHzの高周波電源104から電力2000Wを投入して高周波印加電極106と対向電極107間にプラズマを発生させる。そして、高周波印加電極106,対向電極107とヒーター108の間に被処理物109としてX方向の長さが2[m]で下地膜が形成されパターニングなどの加工がされたガラス基板を搬送し、被処理物109上にアモルファスシリコン膜を成膜する。
次に、高周波印加電極106に高周波を印加するための導体経路等について、図3から図7を用いて説明する。
図4は、図3のような高周波電源104から高周波印加電極106までの電力供給経路の場合の高周波印加電極106のX軸方向についての給電点からの位相差を示したグラフ、図5は、図3中の高周波電源104から高周波印加電極106までの経路に対する比較例の電力供給経路の形状を示しており、図6は図5(A)、(B)の高周波電源104から高周波印加電極106までの電力供給経路の場合の高周波印加電極106のX軸方向についての給電点からの位相差を示したグラフ、図7は図5で示した経路を用いた場合の高周波印加電極106と対向電極107間の電界強度分布を示している。
実施形態1の高周波電力は、図3に示すように高周波電源104から整合器105を介して、導体111に従って中央(X=0[m])の(a)点から2分岐され、X=±L/4=±0.55[m]の位置(b)、(b´)点の2箇所から棒状の高周波印加電極106に電力が供給される。このような電力供給経路をとることによって、(a)点で電力は2分され、(a)点から(b)、(b´)点までの距離を等しくすることにより高周波印加電極106には(b)、(b´)点から同振幅、かつ、同位相の電磁波が伝送される。実施形態1の高周波印加電極106は長軸長さと短軸長さのアスペクト比が2.2[m]/0.01[m]=220と大きいため、ほぼ1次元(X方向のみ)の電磁波の伝播のみを考えればよく、高周波印加電極106の2つの対向電極107との対向面の電磁波の位相は両方とも電力供給面(高周波印加電極106の上面)での電磁波の位相とほぼ同位相となる。このとき、X軸方向に電力供給点(b)、(b‘)からの位相差をグラフに描くとほぼ図4のようになり、高周波印加電極106の全長Lにわたる最大位相差Δθmaxは電磁波の波長をλとするとΔθmax≒πL/2λとなる。
これに対し、図5(A)のように中央(X=0[m])1箇所から棒状の高周波印加電極106に電力を供給した場合、電力供給点からのX軸方向の位相差は図6(A)のようになり、高周波印加電極106の全長Lにわたる最大位相差ΔθmaxはΔθmax≒πL/λとなる。このような位相分布の時の電界強度|E|の分布は電極端部(X=±L/2)が開放端になるため、図7(A)のように高周波印加電極106の両端部の電界強度が高くなり、中心(X=0)の電界強度が低くなる分布で均一性が±25%と実用に供せない程度に不均一となる。
また、図5(B)のように中央(X=0[m])で2分岐したものを高周波印加電極106の両端(X=±L/2=±1.1[m]の位置)で電力を供給した場合は、電力供給点からの位相差は図6(B)のようになり、高周波印加電極106の全長Lにわたる最大位相差ΔθmaxはΔθmax≒πL/λとなり、この時の電界強度分布は、図5(A)のように給電した場合とは逆の電界強度分布となる。即ち、図7(B)のように中心部の電界強度が高くなり、両端部の電界強度|E|が低くなる分布で均一性は±25%と不均一となる。
また、これらの両方の経路を含んだ図5(C)のような場合は、X=0の位置とX=±L/2の位置とで電力供給までの経路長が大きく異なるため、X=0での位置から給電される成分が大部分となり、図5(A)のように給電する場合と実質的に変わらず、図7(C)のような分布になる。ただし、図5(C)に示した給電位置の場合でもX=0とX=±L/2との給電までの経路長を全て等しくなるようにすれば、高周波印加電極106の電極全長にわたる位相差を小さくすることはできるが、実際上は構成が困難で各給電位置の位相を調整する装置を途中に入れることなどが必要となる、また、このようにしても高周波印加電極106の全長Lにわたる最大位相差がΔθmax=πL/2λで、図3のように2箇所から給電した場合と変わらないため給電点を3箇所に増やすメリットがない。
上記のように図5(A)から図5(C)の電力供給経路では電界強度分布は±25%程度であったが、高周波印加電極106までの電力供給経路を図3のようにすることにより全長L=2.2mの長さの高周波印加電極106を用いた場合でもX軸方向の電界分布を±6%程度にすることができた。
また、X方向の中心(X=0)に関して対称に中心からL/4×0.9からL/4×1.1の距離の位置の計2箇所で高周波印加電極106と接続した場合も同様の効果があり、電界強度分布を±10%以下にすることができた。
実施形態1は、高周波印加電極106の長軸方向の長さLが、電磁波の波長λの2分の1より短い場合に適用できる。これより長くなると、上記のような給電経路としても給電点からの位相差が必ずπ/4以上となり分布が実際上供せない程度となってしまうからである。
以上のことは、高周波電極106への給電位置を長軸方向の中心を対称にN箇所とするときN≧3で、かつ、長軸方向の長さをLとした時の電力供給箇所の長軸方向の間隔が(L/N)×(1±0.1)、かつ、各電力供給箇所での高周波の電磁波の位相は概略同位相である場合に効果があるが、同位相にするために各給電位置までの距離を等しくするか、位相制御を行なうことが必要となるため、N=2の場合が最も実用的な構成となる。
なお、N=3,N=4のときの図3対応図を図19,図20に、N=3,N=4のときの図4対応図を図21,図22に、それぞれ示しているが、図19,図20は模式的に示したもので、上記で述べたように(a)と(b)、(b')、(b'')、(b''')間の長さをそれぞれ等しくなるようにした場合に図21,図22のような位相となる。
また、本実施の形態では、CVD装置に適用した場合について記載したが、これ以外に、エッチング装置、アッシング装置、表面処理装置などの各種プラズマプロセス装置にも適用できる。
《実施形態2》
図8、図9を参照しながら、本発明による実施形態2のプラズマプロセス装置を説明する。図8はインライン方式の基板処理や、シート状、あるいは、ロール状の被処理物109の処理をするプラズマプロセス装置のYZ断面、図9は図8のZX断面、図10は図9の高周波印加電極の高さ位置でのXY断面図を示している。プラズマプロセス装置の外観は図1のような形状をしている。
実施形態2のプラズマプロセス装置には、図8に示すように、金属製の容器101と、プロセスガスを容器101へ導入するガス導入口102と、ガスを容器101から排気するための排気口103と、周波数13.56MHzの高周波電源104と、電源104の出力端子から整合器105と導体111を介して高周波の電力が印加される棒状の高周波印加電極106と、高周波印加電極106に対してY方向に±4mm離れた位置に配置され電源104の接地側端子に接続された(以下、接地されたという)2本の棒状の対向電極107と、基板等の被処理物109を加熱する為のヒーター108などが設けられている。対向電極107は、図10に示すようにそれらの両端が接地された接地電位を有する容器101の内壁に接続されている。また、高周波印加電極106と対向電極107の少なくとも両者が対向する部分は誘電体110で覆われている。高周波印加電極106、および、対向電極107は棒状(円柱状)の電極でX方向の長さが2.2m、断面は直径が0.01mの円形である。
この装置を大気圧、または、その近傍の圧力で用いるアッシング装置として適用し、レジストなどの有機物を除去する場合について簡単に説明する。ガス導入口102からHeなどの希ガスを導入し、容器の内部の雰囲気を空気からHeに置換する。次に、O2とHeの混合ガスなどのプロセスガスを導入して周波数13.56MHzの高周波電源から電力5000Wを投入して高周波印加電極106と対向電極107間にある誘電体110の下面側でプラズマを発生させる。誘電体110は、大気圧下では金属電極が表面にあるとアーク放電が生じることを防止するために設けている。そして、ガラス基板などの基板上電極などのパターン上にレジストなどの有機物が残っている被処理物109を搬送し、被処理物109上のレジストなどを除去する。
上記のように大気圧、または、その近傍の圧力でプラズマを発生させる場合、アーク放電を防止するために誘電体が内部に挿入されている。この誘電体の比誘電率をεとするとこの内部での電磁波の伝播波長(実効波長)はその1/√(ε)になる。例えばε=9のアルミナを用いた場合、電磁波の伝播波長(実効波長)は真空中の伝播波長の1/3となる。このため、真空装置ではあまり電界分布が問題にならなかった周波数13.56MHzのRF帯域の周波数でも電極の長さが2mを超えると分布が25%程度と大きくなる。このため、実施形態1と同様に高周波印加電極106までの電力供給経路を図9のような構成とすることにより、高周波印加電極106の長軸方向の長さLにわたって位相差を小さくすることができ、電界分布を10%以下とすることができた。
上記のことを、実効波長λeffを用いて記述すると、実効波長λeff(=λ/√(ε))の半波長であるλeff/2がLより大きい場合に適用できる。これは、実施形態1で記述した理由と同様の理由による。
《実施形態3》
図11から図13を参照しながら、本発明による実施形態3のプラズマプロセス装置の一例を説明する。図11は大面積の基板を処理する平行平板型のプラズマプロセス装置の簡略図、図12は図11のYZ断面、図13は図11のZX断面を示している。
実施形態3のプラズマプロセス装置は、実施形態1と同様であるが、異なる点は電極の形状とプラズマ処理中に被処理物を搬送せず、静止して処理する場合を示している点である。ここでは、装置としての動作の説明は省略し、以下電極部分について詳細に説明する。
電極の形状は平行平板型で高周波印加電極106と対向電極107が図11に示すように2次元平面で対向しており、その対向面の長軸方向長さと短軸方向長さのアスペクト比が2である場合を示している。例えば、長軸方向の長さが2.2m、短軸方向の長さが1.1mの場合の高周波印加電極106に高周波を印加するための導体111の経路について図13を用いて説明する。実施形態1と同様に高周波電力は、高周波電源104から整合器105を介して、導体に従って高周波印加電極106の中央(X=0[m]、Y=0[m])の(a)点から導入され、2分岐され、(X=±L/4=±0.55[m]、Y=0[m])の位置(b)、(b´)点の2箇所から面状の高周波印加電極106に電力が供給される。このような電力供給経路をとることによって、(a)点で電力は2分岐され、(a)点から(b)、(b´)点までの距離が等しいので高周波印加電極106には(b)、(b´)点から同振幅、かつ、同位相の電磁波が伝送される。本実施形態3の高周波印加電極106は長軸長さと短軸長さのアスペクト比が2.2[m]/1.1[m]=2と小さいため、2次元平面(XY平面)での電磁波の伝播を考える必要がある。高周波の電磁波の伝播なので電磁波は金属でできた高周波印加電極106の表皮しか伝播することができず、対向面の裏面側の2箇所から供給された電磁波は高周波印加電極106の表皮(外周)を通って対向面側に伝播する。
電磁波は、給電点から電極の対向面側へ一番短い経路を伝わって伝播する。ここで、図14と図15に、中央給電の場合と本実施形態のような2箇所から給電した場合について、高周波印加電極106の給電面を中心に描き、対向面を各方向に開いた展開図を示す。高周波印加電極106の短軸方向の長さを2a、長軸方向の長さを2ka(ただし、k>1)とする。ここで電極の厚さは長軸の長さ、および、短軸の長さに比べて十分小さいとしており無視している。
図14で給電面の中心位置Oを中心にした同心円は、中心位置Oから伝播する電磁波の等位相線を表している。高周波印加電極106の給電面の1/4の領域である斜線部201の部分に対応する対向面側の位相は202と203の2つの領域に示した位相となる。202と203の領域のなかで、中心位置Oから最も近い位置はAの位置で、距離OAはaである。一方、中心位置Oから最も遠い位置はA‘の位置で距離OA’は、√{(2a)^2+(ka―a/k)^2}である。従って、位相差に相当する距離は、√{(2a)^2+(ka―a/k)^2}―aである。高周波印加電極106の給電面の斜線部201以外の領域も斜線部の領域とX軸対称、Y軸対称、および、中心に対して180度回転した領域であるため、上記と同じで位相差に相当する距離は、√{(2a)^2+(ka―a/k)^2}―aある。
上記と同様に、給電面の2箇所P、P‘から給電した場合について、図15に示している。このとき、高周波印加電極106の給電面の1/4の領域である斜線部201の部分に対応する対向面側の位相は202と203の2つの領域に示した位相となる。これらの領域の中で給電点Pから最も近い位置はBの位置で、距離PBはaである。一方、給電点Pから最も遠い位置はB‘の位置で距離PB’は、√(2a)^2+(ka/2k)^2である。従って位相差に相当する距離は、√{(2a)^2+(ka/2)^2}―aである。
両者の距離差=√{(2a)^2+(ka―a/k)^2}―√{(2a)^2+(ka/2)^2}が負の場合、中央給電の方が2点給電より位相差が小さいので均一性が高くなり、正の場合はその逆となる。これを解くと、1<k≦√2の時、中央給電の均一性が高く、k>√2の時、2点給電の均一性が高くなる。
実際、k=2の場合の高周波印加電極106の対向面側の位相差の等高線図は、図16(A)のようになり、面内での位相差は(ここでは、高周波印加電極106の厚さは、0.02[m]と電極長軸に対して十分短いとした。)約0.62πL/λとなる。これに対して、X=0[m]、Y=0[m]の中央1箇所から給電した場合、上記と同様に考えると面内での位相差の等高線図は図16(B)のようになり、面内での位相差は約0.74πL/λと19%程度大きくなる。従って、上記のように2箇所から給電した方が、電極対向面での面内の位相差を小さくでき、面内の電界強度分布を±10%以下とすることができた。
上記のことは、電極の長軸長さと短軸長さのアスペクト比が√2以上で給電点を2箇所以上設ける効果を示している。
《実施形態4》
図17、図18を参照しながら、本発明による実施形態4のプラズマプロセス装置の一例を説明する。図17は、本実施形態4のプラズマプロセス装置のYZ断面、図18は図17の対向電極107の接続を示したXY断面を示している。なお、図18では、分かりやすくするための誘導体を図示ししていない。
実施形態4のプラズマプロセス装置は、実施形態2のプラズマプロセス装置とほぼ同じ構成で実施形態2の図8の対向電極107の接続方法が実施形態2と異なり、対向電極107は図18(A)に示すように容器101の短軸(Y軸)方向の側壁にできるだけ短い経路で長軸方向全体にわたって電気的に接続する構成としている。
これは、以下の理由による。
特に大気圧、または、その近傍の圧力下で用いるプラズマ装置においては、実施形態2で示したような理由で高周波印加電極106と対向電極107の間に誘電体110を用いることが多い。このように電極間に誘電体を用いると、プラズマが生成される空間と誘電体との境界で誘電率の差があるため伝播特性が変わる。また、誘電体とプラズマ生成空間の境界部の形状等が違っても誘電率の差があるために伝播特性が変わる。そのため、対向電極107の電位が、電極長と高周波の波長の関係から位相差が無視できない程度に変わると、高周波印加電極106との電位差とから、特にZ方向の伝播特性が大きく変わる場合がある。従って、高周波印加電極106と対向電極107間の同じY位置上でもZ位置の違いによりX方向の電界分布が大きく異なる場合が生じる。例えば、実施形態2のように対向電極107の長軸方向の端部2箇所のみ(図10)で接地電位である容器と接続すると、対向電極107の中心部と端部で位相差が大きくなり、Z位置の違いによりX方向の電界分布が大きく異なった。このような分布であると、特に大気圧、またはその近傍の圧力では、高周波の投入電力やガスの種類によってプラズマの放電範囲が大きく変わるので、投入電力によってX方向のプロセス分布が変化する。このため、あるプロセス分布にするために電界分布を制限すると、投入電力範囲やプロセスガスの種類を制限してしまうことになる。このため、図17、および、図18(A)のような接続方法を行った。
図17、および、図18(A)のように対向電極107を接続すると、Z方向の高周波の伝播特性の変化がX方向に小さいため、Z位置の違いによるX方向の電界分布の差が小さくなる。このため、大気圧、または、その近傍の圧力で高周波の投入電力やガスの種類によりX方向のプロセス分布がほとんど変化せず、投入電力範囲やプロセスガスの種類を制限することが無くなった。
図18(A)以外の接続方法として対向電極107を容器内壁に全体的に接続せずに図18(B)のように部分的に複数箇所で接続する方法もZ位置の違いによるX方向の電界分布の差が小さくなるため有効に適用できる。
本発明は、電極の長軸長さと短軸長さのアスペクト比が√2以上の電極を有するプラズマプロセス装置において、プラズマ空間における長軸方向の均一性を簡易な方法で高めることができるので、インライン方式などのアスペクト比の大きい電極を用いるようなプラズマプロセス装置の大型化に有効である。
この発明による実施形態1のプラズマプロセス装置の構成説明図である。 図1のYZ断面図である。 図1のZX断面図である。 実施形態1の電極を用いた場合の電極長軸方向の位相差を示したグラフである。 実施形態1の比較例の導体から高周波印加電極までの経路図である。 図5(A)、(B)の電極を用いた場合の電極長軸方向の位相差を示したグラフである。 図5の電極を用いた場合の電極長軸方向の電界強度を示すグラフである。 この発明による実施形態2のプラズマプロセス装置のYZ断面図である。 実施形態2のプラズマプロセス装置のZX断面図である。 実施形態2のプラズマプロセス装置のXY断面図である。 この発明による実施形態3のプラズマプロセス装置の構成説明図である。 図11のYZ断面図である。 図11のZX断面図である。 実施形態3の比較例の中央給電の場合の高周波印加電極表面の等位相線図である。 実施形態3の2点給電の場合の高周波印加電極表面の等位相線図である。 実施形態3の電極と比較例の電極を用いた場合の高周波電極の対向面の等位相線図である。 この発明による実施形態4のプラズマプロセス装置のYZ断面図である。 実施形態4のプラズマプロセス装置のXY断面図である。 N=3のときの図3対応図である。 N=4のときの図3対応図である。 N=3のときの図4対応図である。 N=4のときの図4対応図である。
符号の説明
101 容器
102 ガス導入口
103 排気口
104 高周波電源
105 整合器
106 高周波印加電極
107 対向電極
108 ヒーター
109 被処理物
110 誘電体
111 導体

Claims (2)

  1. 高周波電源を用いるプラズマプロセス装置において、細長い第1電極と、第1電極と同一平面上で対向し、かつ、第1電極に関して線対称に互いに平行に設けられた一対の細長い第2電極と、第1および第2電極を収容し、かつ、被処理面が第1および第2電極に対向するように被処理物を内部に設置する金属製処理容器を備え、高周波電源の出力端子から第1電極への給電点が長手方向の中心に関して対称にN箇所(Nは2以上の整数)設けられ、第1電極の長さがLであるとき、給電箇所の間隔がL/N×(1±0.1)であり、一対の第2電極は金属製処理容器に電気的に接続され、金属製処理容器は高周波電源の接地側端子に接続されてなるプラズマプロセス装置。
  2. N=2のとき、Lは第1電極と第2電極間の空間を伝播する電磁波の実効波長の2分の1より小さいことを特徴とする請求項1記載のプラズマプロセス装置。
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