JP4584695B2 - エレベータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、エレベータ制御装置に係り、エレベータ塔内への侵入者を保護する手段に関する。
従来のエレベータ制御装置においては、乗りかご走行中に、乗りかごドアまたは乗り場ドアが何らかの理由によりこじ開けられた場合、ドア開きセンサが動作し、乗りかごを非常停止させている。一般に、こじ開けられたドアが閉じれば、通常モードに復帰する。
いたずらによるこじ開けを防止するために、ドア開きセンサを用いて、乗りかご停止階およびその1階上の階の乗り場ドアを除いた乗り場ドアの開放を検出し、乗り場ドアが異常に開いている階に警報を発する警報装置を各階に設け、注意を促す方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、乗りかご走行中にドアが開いたことを検出するドア開きセンサを使用して、乗り場ドアや乗りかごドアのこじ開けを検出し、音声や表示などで注意を促す方式もある(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−0198553号公報 (第2〜3頁 図1,図2) 特開平11−139733号公報 (第2頁 図1)
上記従来技術では、注意を促すのみで通常モードに復帰してしまうので、塔内侵入者が依然としてそのまま居る場合、乗りかごが走行を再開すると、塔内侵入者と塔内機器とが衝突するなどの危険がある。
また、近年は、昇降路の省スペース化が進み、平常運転時の昇降路上部やピット底部の隙間がごく少ない仕様がある。このような昇降路仕様の場合、退避場所が実質的に無いので、塔内侵入者が挟まれる事故のおそれがある。
一方、正規の保守作業者が保守などの時に、乗りかご停止階およびその1階上の階の乗り場ドアを開くことはよくあるので、保守作業と塔内侵入とを区別する必要がある。
本発明の課題は、塔内侵入者を保護するとともに、塔内侵入と保守作業者の保守作業とを区別し、エレベータの安全性をより一層高めることである。
本発明は、上記課題を解決するために、乗りかごの無い乗り場ドアが5秒以内であればエレベータの塔内への侵入がないとし、5秒以上継続して乗り場ドアが開いていた場合、塔内に侵入があったと推定しエレベータの運転制御の禁止又は運転高さ範囲を制限する運転制限を行い、運転制御の禁止後又は運転制限後に、エレベータの乗りかごに設置された保守切り替えスイッチが操作された場合、保守モードとして運転制御の禁止又は運転制限を解除する手段とを備える。
一方、塔内に設置した停止スイッチが押された時、または、エレベータの集中管理センタ側で安全確認した後に保守ツールによりエレベータ運転の制限または禁止を解除した場合は、通常モードに復帰できるようにしてある。
本発明によれば、塔内侵入者を保護するとともに、塔内侵入と保守作業者の保守作業とを区別して、エレベータの安全性をより一層高めることができる。
次に、図面を参照して、本発明によるエレベータ制御装置の実施例を説明する。
本発明のエレベータ制御装置は、既存の乗り場ドア開閉センサや塔内に設置された停止スイッチからの信号を用いるので、ハードウエア的には、追加する装置やセンサはわずかであり、既設のエレベータにも適用できる。
図1は、本発明によりエレベータ塔内への侵入者を保護するエレベータ制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS10において、乗り場ドアが5秒以上継続して開いたか否かを判定する。この5秒は、ドアをこじ開けて塔内に侵入できる最短時間を表している。乗りかごが無い階で乗り場ドアが開いていた時間が5秒以内であれば、昇降路に侵入していないとして処理を終了する。
乗り場ドアが5秒以上継続して開いていた場合、従来例の注意を促す方式に代えて、または、注意を促すとともに、基本的には、ステップS60において、運転制御を禁止する。
本発明においては、ステップS10の乗り場ドア開放検出とステップS60の運転制御の禁止との間に、塔内侵入と保守作業者の保守作業とを区別するステップS20〜ステップS50を追加してある。
ステップS20において、塔内に設置した停止スイッチが操作されたら、ステップS50において運転制御の禁止を解除する。塔内に設置した停止スイッチを操作したら、エレベータの起動を禁止できるとともに、エレベータを停止できるので、塔内に立ち入った者が、エレベータ制御の当業者すなわち保守作業者であると判断できる。したがって、塔内に立ち入った者が、通常モードに切り替えても、エレベータを起動/停止できる知識を持ち合わせていると推定し、運転制御の禁止を解除する。
ステップS30において、塔内の保守切り替えスイッチが操作され、保守モードになったら、保守運転操作ができる保守作業者が、操作しているとして推定して、ステップS50において運転制御の禁止を解除する。なお、保守切り替えスイッチは、保守作業者の便宜のために、乗りかごの上面などに設置されている。
ステップS40において、各号機制御装置の保守ツール(号機制御装置の保守プログラム)による解除も可能としている。保守ツールにより保守モードに入ったら、保守運転操作ができる保守作業者が、保守作業をしていると推定し、ステップS50において運転制御の禁止を解除する。
上記実施例1のステップS10において、乗り場ドアが5秒以上継続して開いたか否かによる塔内侵入者検出方式に代えて、塔内侵入者が乗りかごの上面に乗ったか否かを検出する乗りかご上面侵入センサを用いてもよい。
乗りかご上面侵入センサは、乗りかご上面で侵入者の重さを検出する荷重センサ、非接触式に侵入者の通過/存在を検出する光電センサまたはビームセンサなどにより構成される。
荷重センサなどの接触式センサと非接触式センサとを併設してもよい。
上記実施例1のステップS10において、乗り場ドアが5秒以上継続して開いたか否かによる塔内侵入者検出方式に代えて、塔内侵入者が昇降路下端のピットに侵入したか否かを検出するピット侵入センサを用いてもよい。
ピット侵入センサは、昇降路下端のピットで侵入者の重さを検出する荷重センサ、非接触式に侵入者の通過/存在を検出する光電センサまたはビームセンサなどにより構成される。
荷重センサなどの接触式センサと非接触式センサとを併設してもよい。
上記実施例1のステップS60において、運転制御を禁止する代わりに、昇降路上端から乗りかごの上面までおよび昇降路下端のピット床面から乗りかごの下面まで所定の安全距離(塔内侵入者がつぶれない高さ)を確保できる範囲に運転を制限する方式を採用することも可能である。
本発明によりエレベータ塔内への侵入者を保護するエレベータ制御装置の処理手順を示すフローチャートである。

Claims (5)

  1. 各階乗り場ドアの開閉を検出する乗り場ドア開閉センサと、乗りかごドアの開閉を検出する乗りかごドア開閉センサとを備えたエレベータにおいて、
    乗りかごが無い階で乗り場ドアが開いていた時間が5秒以内であれば前記エレベータの塔内への侵入がないとし、5秒以上継続して前記乗り場ドアが開いていた場合、前記塔内侵入があったと推定しエレベータの運転制御の禁止又は運転高さ範囲を制限する運転制限を行う手段と、
    前記運転制御の禁止後又は前記運転制限後に、前記エレベータの乗りかごに設置された保守切り替えスイッチが操作された場合、保守モードとして前記運転制御の禁止又は前記運転制限を解除する手段とを備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のエレベータ制御装置において、
    前記運転制御の禁止又は前記運転制限を行う手段に替えて、
    塔内侵入者が乗りかごの上面に乗ったか否かを検出する乗りかご上面侵入センサと、
    乗りかご上面に侵入したときにエレベータの運転制御の禁止又は運転高さ範囲を制限する運転制限を行う手段とを備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のエレベータ制御装置において、
    前記乗りかご上面侵入センサが、乗りかご上面で侵入者の重さを検出する荷重センサと、非接触式に侵入者の通過/存在を検出する光電センサまたはビームセンサとの少なくとも1つであることを特徴とするエレベータ制御装置。
  4. 請求項1に記載のエレベータ制御装置において、
    前記運転制御の禁止又は前記運転制限を行う手段に替えて、
    塔内侵入者が昇降路下端のピットに侵入したか否かを検出するピット侵入センサと、
    昇降路下端のピットに侵入したときにエレベータの運転制御の禁止又は運転高さ範囲を制限する運転制限を行う手段とを備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のエレベータ制御装置において、
    前記ピット侵入センサが、昇降路下端のピットで侵入者の重さを検出する荷重センサと、非接触式に侵入者の通過/存在を検出する光電センサまたはビームセンサとの少なくとも1つであることを特徴とするエレベータ制御装置。
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