JP4583415B2 - 工具磨耗の予測方法、工具磨耗予測プログラム、および工具摩耗予測システム - Google Patents

工具磨耗の予測方法、工具磨耗予測プログラム、および工具摩耗予測システム Download PDF

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Description

本発明は、工具を用いて被加工材料を加工する場合における工具摩耗量の予測方法に関するものである。
従来の工具摩耗の予測技術としては下記特許文献1のものが知られている。特許文献1に記載の工具の磨耗補正方式においては、工具使用時間に対する工具摩耗量のデータを予め多数収集して、実際の工具使用時間を計測し、前記データを参照して工具摩耗量を推定するものである。
また、工作機械の進歩にともない、工具の寿命予測による工具使用サイクルの最適化や自動工具交換などの技術が開発されてきた。例えば、下記特許文献2に記載されている加工中のアコースティックエミッションと切削抵抗を利用する切削加工方法や、下記特許文献3に記載されている切削中に測定される工具温度分布を利用する切削工具の異常検出装置、また下記特許文献4に記載されている電気的信号を発するセンサが設けられた切削工具を用いる切削工具の寿命判定方法などがある。
特開平5−138497号公報 特開2005−125480号公報 特開平10−15782号公報 特開2001−157949号公報
特許文献1に記載されているように、一般的には新鋼種開発において被削性の評価を行う場合、実際に大量の切削試験を行う必要性がある。特に工具摩耗に関しては添加物の作用および切削条件により複雑な傾向を示すため、試作品を実際に使った工具寿命試験が不可欠であり、トライアンドエラーの繰り返しにより膨大な時間を費やしていた。
また、特許文献2〜4に記載されている方法では、実際に加工している際の物理的変化を各種センサによって測定し、データ解析を行うことにより工具磨耗やその寿命を検出している。つまり、特許文献2〜4に記載のいずれの方法においても加工前に事前に工具寿命を精度よく予測することは難しかった。さらに、これら方法は高度な測定装置を必要としているため、実用化が困難であるという問題点もある。
また、本発明に係る発明者は、特願2003−048667号において、予備実験により工具摩耗量を測定し、該測定結果を用いて工具摩耗の予測式の係数を算出し、算出された係数と工具摩耗の予測式とから工具摩耗を実際に加工することなく予測する予測方法について創作し、出願を行った。特願2003−048667号における当該予測式を用いた予測方法では、いわゆる高速切削領域、つまり工具摩耗が拡散現象に支配される高温領域において非常に工具摩耗の予測精度が高いという効果が得られる。
このように、工具摩耗および工具寿命管理は、生産ラインの自動化において非常に大きな課題となっているため、工具摩耗量が精度よく予測できれば、工具の寿命判定または工具交換を最適な状況で実施することができる。さらに、工具寿命延長による工具コスト削減のための切削条件の最適化を検討する指針として容易に利用することができる。
しかしながら、特許文献1記載の工具の磨耗補正方式および特願2003−048667号のいずれにおいても、引っかき摩耗、いわゆるアブレッシブ摩耗が工具摩耗の主要因となる低速切削領域および中速切削領域において、予測精度が低下する傾向があり、問題となっている。
本発明の目的は、低速切削領域から高速切削領域までにおいて工具摩耗量を加工前に精度よく予測できる工具磨耗の予測方法を提供することである。
(1)
本発明に係る工具磨耗の予測方法は、被加工材料を加工した場合の工具摩耗量を予測する予測方法において、被加工材料中の硬質介在物によるアブレッシブ磨耗に影響を示す項と、被加工材料中の硬質介在物による熱的拡散磨耗に影響を示す項と、を加算し、当該加算結果をエッジフォースおよび切削距離で積算する予測式から工具磨耗量を予測するものである。
被加工材料中の硬質介在物によるアブレッシブ磨耗に影響を示す項と、被加工材料中の硬質介在物による熱的拡散磨耗に影響を示す項と、を有する予測式から工具磨耗量を予測するので、低速切削領域または中速切削領域で主に発生するアブレッシブ磨耗と、高速切削領域で主に発生する熱的拡散磨耗とを考慮した工具の磨耗量を精度よく予測することができる。その結果、試作実験をなしに、工具の寿命判定または工具交換を最適な状況で実施することができるほか、工具寿命延長による工具コスト削減のための切削条件の最適化および工具形状の選択が容易に可能となる。なお、低速切削領域とは、加工速度が50m/min以下の範囲をいい、中速切削領域とは50m/min以上200m/min以下の範囲をいい、高速切削領域とは、加工速度が200m/min以上の範囲をいう。
(2)
アブレッシブ磨耗に影響を示す項は、エッジフォースおよび工具の塑性変形能によりモデル化された係数を使用してもよい。
この場合、モデル化された係数によりアブレッシブ磨耗による影響を考慮することができる。例えば、工具の材質毎に係数を変化させることにより、多種の工具の磨耗量を精度よく推定することができる。
(3)
工具の塑性変形能は、工具の圧痕幅の数値を用いてモデル化されてもよい。
この場合、工具に対する圧痕幅と圧痕の深さは1対1の関係にあり、圧痕幅を容易に測定することができるので、押し込まれ量、すなわちアブレッシブ摩耗の発生度合いを容易に判定することができる。
(4)
モデル化は、工具摩耗に対する力学的な影響および熱的な影響を係数とする工具摩耗予測モデルを形成し、係数に添加物または添加量の影響を含めてもよい。
この場合、工具摩耗に対する力学的な影響および熱的な影響を係数とする工具摩耗予測モデルを形成し、係数に添加物の影響または添加物の添加量の影響を含めるので、実際に切削を行う場合の工具磨耗量を正確に予測することができる。
また、本発明に係る工具磨耗の予測方法は、工具が寿命となる時期を予測する方法にも応用できる。すなわち、予測したい被削材および加工条件が決定されれば、工具摩耗量と切削距離との関係を予測できる。したがって、工具が適切な加工を行えなくなる摩耗量(すなわち、摩耗量限界)となる時間を予測することができるため、当該時間の経過時に新しい工具へ交換することができる。その結果、容易に工具の交換時期を予測することができる。当該予測の値を利用して、例えば工具の交換を自動で行うような自動加工機に適合させることが可能である。
また、特定の加工条件において、少なくとも一定の期間は予測される工具摩耗量が工具の摩耗量限界を超えないように、加工条件(切削速度および工具形状等)を求めることもできる。当該方法により、工具寿命を延長させる加工方法を容易に決定することができる。
(5)
本発明に係る工具磨耗予測プログラムは、工具摩耗量を予測するためのコンピュータに、 被加工材料の形状に基づき当該被加工材料の加工条件値を計算する手順と、当該加工条件値に基づき、前記(1)〜(4)のうちの少なくとも(1)に記載の特徴を有する工具摩耗の予測方法を用いて工具磨耗量を予測する手順と、を実行させるためのプログラムである。
この場合、例えば特許文献2〜4に記載されているような、高度な測定装置を用いず、解析の容易な前記予測式と、被加工材料の形状に基づく簡便な情報を利用して、被加工材料の加工前であっても、加工中であっても、簡易にかつ高精度に工具磨耗量を予測でき、また、その工具磨耗量を用いて工具寿命を高精度に予測することもできる。
(6)
本発明に係る工具摩耗予測システムは、上記(5)に記載の工具磨耗予測プログラムが組み込まれ、当該工具磨耗予測プログラムを実行して工具磨耗量を予測するコンピュータを備えるものである。
この場合、本システムを用いると上記と同様、高度な測定装置を用いず、解析の容易な前記予測式と、被加工材料の形状に基づく簡便な情報を利用して、被加工材料の加工前であっても、加工中であっても、簡易にかつ高精度に工具磨耗量を予測でき、また、その工具磨耗量を用いて工具寿命を高精度に予測することもできる。
以下、本発明に係る工具磨耗の予測方法について図を用いて説明する。まず、従来の工具磨耗の予測方法について説明し、その後、本発明に係る工具磨耗の予測方法の一例について説明を行う。
(一実施の形態)
従来、被加工材料を工具で加工した場合の工具摩耗量のモデル式としては、例えば下記式(1)に示す予測モデル式が学術的に知られている。
dW=C1・σ・L・exp(−C2/Temp)・・・(1)
式(1)においては、dWが工具摩耗量を示し、σが工具表面に作用する垂直応力を示し、Tempが工具表面の切削温度を示す。また、Lが切削距離を示し、C1,C2が係数を示す。
式(1)において第1の係数C1は、被加工材料中の硬質介在物または被加工材料自身によって、機械的に工具表面が削り取られる現象に対する影響係数であり、第2の係数C2は切削熱により工具表面および被加工材料の温度が上昇し、工具材の軟化や拡散現象により工具摩耗が進展する現象に対する影響係数である。
式(1)を用いて工具摩耗を予測(シミュレーション)するとともに、実際に工具磨耗量として工具逃げ面磨耗幅を光学顕微鏡により測定した。
図1は、式(1)を用いて切削速度を変化させた場合の工具磨耗予測結果と実際に切削を行い工具の磨耗を計測した結果とを示す図である。縦軸は逃げ面磨耗量(μm)を示し、横軸は切削距離(m)を示す。また、三角は実際に切削実験を行い工具磨耗を計測した値であり、実線は工具磨耗をシミュレーションした結果の値である。また、図2は、図1における切削条件を示す図である。
図2に示すように、切削速度は、50m/min,100m/min,150m/min,200m/min,250m/minの5種類とし、送り速度は0.25mm/revであり、切り込み量は1.5mmであり、工具材種はP10(東芝タンガロイ製TX10D)であり、工具形状はSNMG120405であり、切削様式は外周旋削加工であり、切削雰囲気は乾式切削であり、被削材はS45Cとした。
図1に示すように、切削速度は、50m/min,100m/min,150m/min,200m/min,250m/minと上昇するにつれて、図1の傾斜が徐々に大きくなる。また、図1の結果から、切削速度が150m/min以上の中高速切削条件では実測値と予測値は精度良く一致している。しかし、切削速度150m/min以下の中低速切削領域では実測値よりも予測値は大幅に小さくなっていることがわかる。
また、切削温度については、以下の方法で測定した。図3は、工具表面の切削温度を測定するための模式的斜視図である。図3(a)は刃先(チップ)200を示し、図3(b)は工具100の全体を示し、図3(c)は切削温度を計測する熱電対500を示す。
図3(c)に示すように、工具100に対して、刃先(チップ)200(図3(a)参照)に3個の熱電対500を接触可能に設けた。図3(C)に示す熱電対500を備えた工具100(図3(b)参照)により、切削速度50m/min,100m/min,150m/min,200m/min,250m/minの5種類で温度測定を行った。
図4は、図3に示した工具100に取り付けた刃先(チップ)200の切削温度の測定結果を示す図である。図4の縦軸は切削温度、すなわち刃先(チップ)200の温度(℃)であり、横軸は切削速度(m/min)を示す。
図4に示すように、切削速度50m/minの場合、切削温度は約700度であり、切削速度100m/minの場合、切削温度は約800度であり、切削速度150m/minの場合、切削温度は約900度であり、切削速度200m/minの場合、切削温度は約950度であり、切削速度250m/minの場合、切削温度は約1050度であり、ほぼ切削速度に比例して切削温度が上昇することがわかった。
図5は、シミュレーションおよび実際の切削加工における測定値の結果を示す模式図である。図5の縦軸は磨耗直線の傾きを示し、横軸は切削速度(m/min)を示す。また、白抜き三角は実際に測定した磨耗量を示し、黒塗り四角はシミュレーションによる予測値である。ここで、磨耗直線の傾きは、工具摩耗と切削距離の直線関係から算出できる直線の傾きを意味するものである。
図5に示す磨耗直線の傾きと切削速度との関係から、シミュレーションの結果は、切削温度の影響による拡散摩耗を主要因に考えられた摩耗予測式であるため、低速切削条件で摩耗の主要因になるアブレッシブ摩耗の影響を考慮しきれていないことがわかる。すなわち、低速切削領域である50m/minにおいて予測精度の低下が生じている。
また、シミュレーションの結果から、式(1)では、工具表面に作用する垂直応力をモデルのパラメータとしているが、この値は、測定または解析が困難であり、実際に摩耗を予測することにおいては扱いづらい数値である。
続いて、本発明に係る工具磨耗の予測方法について説明する。本発明に係る工具磨耗の予測方法においては、上記の従来の予測方法よりも広範囲な切削速度条件において高精度に工具摩耗を予測できるようにするため、高速切削条件で支配的な拡散摩耗に、低速度条件で支配的なアブレッシブ摩耗の予測方法を加えることで低速から高速条件域まで予測できる方法を見出した。
ここで、拡散磨耗およびアブレッシブ磨耗について説明する。図6は拡散磨耗のメカニズムを示す模式的断面図であり、図7はアブレッシブ磨耗のメカニズムを示す模式的断面図である。
図6に示すように、刃先(チップ)200の工具すくい面210および工具逃げ面220が、矢印Xの方向に相対的に移動することにより、被削材900の切り取り厚さH900だけ切削加工が行われる。その際に、切り屑910が発生する。この刃先(チップ)200の先端部(図中A)を拡大した場合(下図)、工具構成元素250が被削材900内に流出する。この場合、温度と比例して工具構成元素250が流出するため、磨耗量も温度と比例して変化する。
一方、図7に示すように、刃先(チップ)200の工具すくい面210および工具逃げ面220が、矢印Xの方向に相対的に移動することにより、被削材900の切り取り厚さH900だけ切削加工が行われる。その際に、切り屑910が発生する。アブレッシブ磨耗において、この刃先(チップ)200の先端部(図中B)を拡大した場合(下図)硬質な物質260(添加物)がより軟質な刃先(チップ)200を引っかいて除去していく。
ここで、切削加工における硬質物(添加物)とは、例えば鋼材では材料中に不可避的に含まれるアルミナ、シリカなどの酸化物があげられる。この場合、アブレッシブ摩耗の大きさは、軟質材にあたる工具材にある一定のカで硬質介在物が接触した際の押し込まれる量に相関があると考えられる。
そこで、本発明では上記アルミナ、シリカなどの酸化物からなる硬質介在物の押し込み量と硬さ試験時における圧子の圧痕幅に強い相関があると考え、アブレッシブ摩耗量を圧痕幅で予測することとした。硬さ試験は、決められた形状の圧子を一定の荷重で検査材に押し込み、そのときに生成する圧痕の幅の大きさから硬さを判定する測定法である。つまり、圧痕幅と圧痕の深さは1対1の関係にあり、圧痕幅がわかれば、その材料の押し込まれ量、すなわちアブレッシブ摩耗の発生度合いがわかることになる。
本発明者は、アブレッシブ磨耗は下記式(2)のように刃先に働くエッジフォースと圧痕幅との間に強い相関があることを見出した。
Wa=C・eF・Htool…(2)
ここで、Waがアブレッシブ摩耗量を示し、eFがエッジフォースを示し、Htoolが工具の圧痕幅を示し、Cが係数を示す。
ここで、エッジフォースeFについて説明する。図8はエッジフォースeFを説明するための模式的断面図である。
図8に示すように、刃先(チップ)200の工具すくい面210および工具逃げ面220が、矢印Xの方向に相対的に移動することにより、被削材900の切り取り厚さH900だけ切削加工が行われる。その際に、切り屑910が発生する。この刃先(チップ)200の先端部(図中C)を拡大して示すように(下図)、エッジフォースeFは、刃先(チップ)200の先端部に加わる。エッジフォースeFとは工具100の刃先(チップ)200に働くカであり、図8のように丸みを持った刃先(チップ)200が被削材900をせん断する際に生じる力ではなく、塑性変形または弾性変形させる際に生じるカである。このエッジフォースeFの値は工具100の刃先(チップ)200の形状、または被削材900により決定され、切り取り厚さH900等の影響は受けない。また、被削材900の流れ方向は、矢印Fmの方向となる。
切削加工において被削材900に含まれる硬質介在物は、エッジフォースeFに相関する力であり、工具100の刃先(チップ)200に押し込まれ、工具逃げ面220の後方に流されることによりアブレッシブ摩耗が生じると考えられる。
本実施の形態においては、被削材900を工具100で加工した場合のアブレッシブ摩耗と拡散摩耗とを予測するモデル式として下記式(3)を見出した。
dw=eF・L{C1・Htool+C2・exp(−C3/temp)}…(3)
ここで、dwが工具摩耗量を示し、eFがエッジフォースを示し、Lが切削距離を示し、Htoolが工具材の圧痕幅を示す。
ここで、第1の係数C1は、アブレッシブ磨耗の影響係数であり、第2の係数C2は拡散摩耗の影響係数であり、第3の係数C3は拡散現象の温度依存性を表すための係数である。
本発明に係る工具磨耗の予測方法においては、実際に切削速度を何水準か変化させて切削実験を行い、切削距離と工具摩耗量とを測定する。この測定された摩耗量を式(3)の工具摩耗量dWに代入し、また、エッジフォースeF、工具材の圧痕幅Htool、工具表面の温度tempには実測値もしくは工具形状や切削速度などの加工条件に基づきシミュレーションなどの解析や類推された値を代入した上で、式(3)の3係数を未知数として、最適値を導くことにより算出することができる。
そして、式(3)にエッジフォースeF、切削距離L、工具材の圧痕幅Htool、工具の表面温度tempを入力することにより、工具摩耗量dWを予測値として得ることができる。なお、エッジフォースeF、切削距離L、工具材の圧痕幅Htool、工具の表面温度tempについては、切削条件や工具形状から実測、解析もしくは類推などで求めればよい。
本発明では、工具材の圧痕幅はビッカース硬さ試験における圧痕幅を採用した。また、後述するように、エッジフォースeFについては切削実験により求めた。
また、式(3)を用いた工具摩耗の予測方法は、工具が寿命となる時期を予測する方法としても応用することができる。すなわち、予測したい被削材900と加工条件が決まっている場合、工具摩耗量と切削距離との関係を予測することができる。工具摩耗量が適切な加工を行えなくなる摩耗量(以下、摩耗量限界)となる時間を予め求めておくことができるため、当該時間が経過したときが工具の寿命であり、新しい工具への交換が必要であると判定できる。すなわち、この予測方法を用いれば容易に工具の交換時期を予測することができ、例えば工具の交換を自動で行うような自動加工機に適合的である。また逆に、特定の加工条件において、少なくとも一定の期間は前述の式(3)によって予測される工具摩耗量が工具限界摩耗量を超えないように、加工条件(切削速度または工具形状)を求めるような使い方も可能である。さらに、この方法を使えば、工具寿命が長くなるような加工方法を容易に決定することができる。
(実施例)
次に実施例について説明する。まず、被加工材料としてS45Cを用意し、共通の工具を用いて5種類の切削速度において切削寿命試験を実施した。
図9は、5種類の切削条件を示す図である。図9に示すように、実施例1における切削条件は、切削速度が50(m/min)であり、送り量が0.25(mm/rev)であり、切り込み量1.5(mm)であり、エッジフォース24.6(N/mm)であり、逃げ面切削温度695(℃)であり、工具材の圧痕幅0.050(mm)である。実施例2における切削条件は、切削速度が100(m/min)であり、送り量が0.25(mm/rev)であり、切り込み量1.5(mm)であり、エッジフォース24.6(N/mm)であり、逃げ面切削温度805(℃)であり、工具材の圧痕幅0.060(mm)である。実施例3における切削条件は、切削速度が150(m/min)であり、送り量が0.25(mm/rev)であり、切り込み量1.5(mm)であり、エッジフォース24.6(N/mm)であり、逃げ面切削温度879(℃)であり、工具材の圧痕幅0.067(mm)である。
実施例4における切削条件は、切削速度が200(m/min)であり、送り量が0.25(mm/rev)であり、切り込み量1.5(mm)であり、エッジフォース24.6(N/mm)であり、逃げ面切削温度970(℃)であり、工具材の圧痕幅0.078(mm)である。実施例5における切削条件は、切削速度が250(m/min)であり、送り量が0.25(mm/rev)であり、切り込み量1.5(mm)であり、エッジフォース24.6(N/mm)であり、逃げ面切削温度1055(℃)であり、工具材の圧痕幅0.090(mm)である。
また、実施例1〜実施例5の工具表面温度については、前述の図3の方法により計測した。また、エッジフォースeFについては、近似的な2次元切削試験として突切り加工を行い、送り速度(図8中の切取り厚さH900に相当)を変化させて加工を行い、その際の切削抵抗を動力計(キスラー社製圧電式動力計)により測定した。
図10は、切削抵抗を動力計により測定した結果を示す図である。図10は、縦軸が切削抵抗(N/mm)を示し、横軸が切り取り厚さ(mm)を示す。
上述したように、エッジフォースeFとは、丸みを持つ刃先(チップ)200と被削材900との接触により発生するカであるため、被削材900のせん断が起こっていない状態、すなわち切取り厚さH900が零(H900=0)の時の切削抵抗として計測される。
したがって、エッジフォースeFは、図10に示す直線の切片に該当する。図10における切削抵抗(y)は、(y=1670.2x+24.584)であらわされる。その結果、実施例1〜実施例5における被削材900においては、エッジフォースeFは、24.6(24.584)N/mmとなる。
また、工具100の圧痕幅については工具材の高温ビッカース硬さ試験を実施し、各温度における圧痕幅の測定を行った。図11は、工具材の圧痕幅の測定結果を示す模式図である。図11の縦軸は圧痕幅(mm)を示し、横軸は温度(℃)を示す。
図11に示すように、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃、1100℃において圧痕幅を計測した。
続いて、工具摩耗量として工具逃げ面220の摩耗において実験により得られた摩耗データと工具摩耗予測モデル式(3)による摩耗量が一致するように、3つの係数(C1,C2,C3)を算出した。なお、これらの係数の算出には最急降下法を使用した。図12は、係数C1,C2,C3の算出結果の一例を示す図である。
図12に示すように、係数C1は、5.53×10^(−3)となり、係数C2は7.52となり、係数C3は8850となった。
最後に、予測したい切削条件により求められるエッジフォースeF、切削温度temp、切削距離Lの値とともに各係数の値を式(3)に代入すれば、工具の逃げ面220の摩耗量を実際の試作実験なしに予測することが可能となる。
続いて、実施例1〜実施例5における工具逃げ面220の磨耗量の実測値と、予測値との精度を検証する。また、磨耗直線の傾きについても実測値と、予測値との精度を検証する。
図13は、実施例1〜実施例5における工具逃げ面220の磨耗量の実測値と、予測値との精度を検証した結果を示す図である。図14は、実施例1〜実施例5における磨耗直線の傾きについて磨耗量の実測値と、予測値との精度を検証した結果を示す図である。図13の縦軸は逃げ面磨耗量(μm)を示し、横軸は切削距離(m)を示す。図14の縦軸は磨耗直線の傾きを示し、横軸は切削速度(m/min)を示す。
図13に示すように、実施例1〜実施例5の磨耗量の実測値および予測値(シミュレーション結果)において切削速度が低速条件から高速条件にいたる全範囲において実測値と予測値は精度良く一致していることがわかる。また、図14に示すように、磨耗直線の傾きについても、切削速度が低速条件から高速条件にいたる全範囲において実測値と予測値は精度良く一致していることがわかる。
なお、この工具100の工具逃げ面220の摩耗の限界(限界摩耗量)を100μmと仮定した場合、予測値が100μmに到達するのは、切削速度が150m/minの条件では切削距離が5000mをやや超えた時点であると図13の結果から予測できる。これにより、上記切削条件で被削材900を加工した場合、切削距離が約5000mで工具100の交換時期が到来することを容易に予測することができる。
以上に説明したように、被加工材料の開発の際に本発明の予測方法を用いることにより、試作実験を大幅に削減し、容易に工具摩耗量を予測することができるほか、工具交換時期の設定や、所望とする工具摩耗量を満足する適正加工条件や工具形状の選定が容易である。
なお、本実施の形態においては、被削材900が被加工材料に相当し、工具100が工具に相当し、係数C1、C2、C3がモデル化された係数に相当し、Htoolが圧痕幅の数値に相当する(以下の説明においても同様)。
(他の実施形態)
ここでは、前記(3)式に示したアグレッシブ磨耗と拡散磨耗の影響を考慮した工具磨耗予測モデルを実際の部品加工工程に適用し、工具磨耗量を測定することなく、NC工作機械の制御プログラムであるNCプログラムに入力されたNCデータを利用して、加工前に工具磨耗量を予測することにより工具交換のタイミングを決定したり、加工中に容易に取得可能な情報(NC工作機械の制御器の検出データ)を用いて工具磨耗量を逐次予測計算することにより、的確に工具交換のタイミングを図る方法について説明する。
(3)式に示した工具磨耗予測モデルを利用し、工具の磨耗を予測するためには、加工中の切削温度temp、切削距離L、エッジホースeFが必要となる。エッジホースeFについては工具と被削材の材料との組み合わせにより決まる。そこで、加工前に予め工具磨耗を予測する場合と、加工中に逐次工具磨耗を予測する場合において、切削温度tempおよび切削距離Lを求め、(3)式に示した工具磨耗予測モデルにより工具磨耗を予測する方法について以下に詳述する。
図15は、工具磨耗予測システムおよびNC工作機械のブロック図である。図16は、演算フローチャートを示す図であり、図16(a)は、被削材の加工前に予め工具磨耗を予測する場合の演算フローチャート、図16(b)は、被削材の加工中に逐次工具磨耗を予測する場合の演算フローチャートである。また、図17は、被削材の送り速度と切削温度比の関係を示す図である。
図15に示すように、被削材を加工するための機器システムは、工作機械2とこの工作機械2を制御する制御器3とからなるNC工作機械7と、制御器3に接続された工具磨耗予測システム1とで構成される。制御器3にはNCデータが入力されたNCプログラム4が組み込まれ、工具磨耗予測システム1は、工具磨耗予測プログラム5が組み込まれたコンピュータ6からなる。尚、工具磨耗予測プログラム5を制御器3内に組み込み、制御器3を、工作機械2を制御すると共に工具磨耗量を予測するコンピュータとしてもよい。
(加工前の工具磨耗量の予測)
加工前に予め工具磨耗量を予測する場合、NCデータから切削温度tempおよび切削距離Lを求める必要がある。切削温度tempについては加工部位の切削速度から、切削実験により求めた図4に示した関係により求めることができる。切削温度に対する切取り厚さ(工具が被削材を削り取る厚み)の影響は、図17に示すように、送り速度0.25mmを基準温度として温度比率を求めた。
そのため、図16(a)に示すように、工具磨耗予測プログラム5が組み込まれたコンピュータ6に工具磨耗予測プログラム5を実行させ、まず、NCデータから、被削材の加工条件値である、切削速度、切削距離L、および送り速度(又は切取り厚さ)を算出する(ステップ1、以下S1と記載する他のステップも同様)。以下、旋削加工の場合、エンドミル工具の場合のS1について説明する。
ここで、図18は、旋削加工時の切削速度の算出方法を示す図である。例えば旋削加工の場合、切削速度Vt(m/min)は、図18に示すように、工具の刃先(チップ)201が接触する加工部位と回転の中心軸との距離Z(m)と被削材901の回転数N(rpm)により、下記式(4)から算出する。
Vt=Z・π・N…(4)
距離Z、回転数Nの値は、被削材901の形状に基づきNCプログラム4に入力されたNCデータである。また、切取り厚さは、旋削加工の場合は被削材901の送り速度と同じであるため、NCプログラム4の送り指令値(NCデータ)より取得する。そして、切削速度Vt、送り指令値(送り速度)から切削温度tempを求める。切削距離Lは、NCプログラムの刃先(チップ)201先端(加工部位)の座標情報(NCデータ)から算出する。
次に、図19は、エンドミル加工時の最大切取り厚さの算出方法を示す図である。図19(a)は、エンドミル工具102で被削材902を切削している状態を示す図であり、図19(b)は、加工部位を拡大した図である。エンドミル加工の場合、切削速度Ve(m/min)は、エンドミル工具102の周速になるため、エンドミル工具102の半径r(m)、回転数N(rpm)から、下記式(5)により算出する。
Ve=r・π・N…(5)
また、エンドミル加工の場合、切取り厚さは、図19(b)に示すように、工具の回転角度により変化する。切削温度tempは最大の切取り厚さに依存するため、エンドミル工具102の1刃あたりの送り量f(mm)と、被削材902への工具の径方向の切り込み量t(mm)とから、下記式(6)により最大切取り厚さCe(mm)を算出する。
Ce=f・sinθ…(6)
ここで、θは、切取り厚さが最大となるときの工具回転角度であり、θ=cos−1{(r−t)/r}で表される。そして、最大切取り厚さCeを送り速度と等しいとして、切削速度Ve、最大切取り厚さCeから切削温度tempを求める。
切削距離Lは、工具の移動量となり、旋削加工の場合と同様に、NCプログラムの刃先202先端の座標情報(NCデータ)から算出する。尚、エンドミル工具102の半径r、回転数N、送り量f、切り込み量t、の各値は、NCプログラム4に入力されたNCデータである。また、旋削加工の場合も含め、これらNCデータは、被削材の初期形状に基づくデータである。以上説明したように、工具磨耗予測に必要な情報(切削速度、切削距離L、および送り速度などの加工条件値)は、被削材の形状に基づくNCデータより算出することができる。
そして、エッジフォースeF、NCデータから求めた切削温度tempおよび切削距離Lを、前記(3)式にあてはめ、工具摩耗量を算出する(S2)。実際の部品加工では、切削速度、切取り厚さは細分化された加工パスごとに変化する。よって、全加工パスの計算が終わるまでS1、S2を繰り返す(S3)。加工パスごとに上記情報を計算し、工具磨耗予測モデル((3)式)により工具磨耗を積算できるようにアプリケーション化しておけば、部品の加工部位や部品加工数による工具磨耗量を予め予測することが可能となる。よって、工具磨耗予測モデル((3)式)を実際の部品加工工程に適用し、工具磨耗量を測定することなく、NCプログラムに入力されたNCデータを利用して、加工前に工具磨耗量を予測することにより工具交換のタイミングも決定できる。
(加工中の工具磨耗量の予測)
実際の加工中に逐次磨耗量を予測する場合は、図16(b)のS1に示すように、NCデータではなく、NC工作機械7の制御器3の検出データを利用する。具体的には、制御器3は、加工中の位置情報および主軸の回転数情報を持っているため、その情報を逐次アウトプットし、アウトプットした情報(検出データ)から、切削速度、切削距離、送り速度などを算出する(S1)。そして、(3)式に示した工具磨耗予測モデルにあてはめて、加工中にリアルタイムに工具磨耗量を予測する(S2)。旋削加工の場合は、制御器3より加工部位(工具刃先)の座標情報と、被削材の回転数を出力させることにより、(4)式により切削速度を、座標情報の移動速度と移動量から切取り厚さと切削距離Lを算出する。一方、エンドミル加工では、工具の回転数の出力値から(5)式により切削速度を算出する。また、エンドミル工具102の先端、中心座標を逐次出力させることにより、工具半径rと被削材902の形状から(6)式により最大切取り厚さCeを算出する。また、切削距離Lについては工具の先端、中心座標の移動量と被削材902の形状から容易に求めることができる。
そして、算出された工具磨耗量の予測値が、工具寿命に達すれば(S3)、工具を交換し(S4)、工具磨耗量をリセットしゼロに戻す(S5)。また、工具寿命に達していない場合、またはS5の後再度加工を開始し、加工が終了していなければ(S6)、S1に戻る。以上のように、制御器3からの出力データを処理し、工具磨耗量を計算する工具磨耗予測プログラム5が組み込まれたコンピュータ6を制御器3に付加すれば、加工中にリアルタイムに工具磨耗を予測することが可能となり、工具交換のタイミングの最適化が図れる。
(NCデータを利用した旋削加工における工具磨耗量予測の実施例)
次に、NCデータを利用した旋削加工における工具磨耗量予測の実施例について説明する。図20は、旋削加工を行って製作する部品903を示す図である。図20(a)は、部品903の斜視図であり、図20(b)は、部品903の寸法図である。
まず、(3)式に示した工具磨耗予測モデルの係数C1、C2、C3については、図12に示す値を用いた。次に直径100mmの丸棒(被削材)から図20に示すような部品903を粗加工、仕上げ加工の2工程で加工する場合のNCプログラム4を2条件作成した。被削材としては、S45C(焼きならし材)を使用した。工具は、前述の工具と同様、P10(SNMG120405、東芝タンガロイ製TX10D)を使用した。このため、エッジホースeFは、41.82N/mm、工具材の圧痕幅は、図11に示す値となる。
本実施例では、NCデータから各加工パスごとに工具磨耗予測に必要なデータを計算し、(3)式に示した工具磨耗予測モデルに代入することにより、各加工パスごとの工具磨耗量の計算を可能にする工具磨耗予測プログラム5を作成した。この工具磨耗予測プログラム5をコンピュータ6に実行させ、各実施条件における各加工パスの切削速度、送り速度、切削距離、および工具磨耗量(逃げ面磨耗量)の予測値を計算した。
図21は、工具磨耗量の実験値と、予測値との精度を検証した結果を示す図である。白抜きのポイント(△、□)は実験値を示し、塗りつぶしのポイント(◆、■)は予測値を示す。本2条件にて実際に加工を行った結果、図21に示すように、条件1では工具の逃げ面磨耗量が200μm(実験値)となり、条件2では160μm(実験値)となった。この結果から、本工具磨耗予測方法および工具磨耗予測プログラムを用いると実際の工具磨耗を精度良く予測できることが確認できた。
尚、上記は好ましい実施の形態について記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
式(1)を用いて切削速度を変化させた場合の工具磨耗予測結果と実際に切削を行い工具の磨耗を計測した結果を示す図 図1における切削条件を示す図 工具表面の切削温度を測定するための模式的斜視図 図3に示した工具に取り付けた刃先(チップ)の切削温度の測定結果を示す図 シミュレーションおよび実際の切削加工における測定値の結果を示す模式図 拡散磨耗のメカニズムを示す模式的断面図 アブレッシブ磨耗のメカニズムを示す模式的断面図 エッジフォースを説明するための模式的断面図 5種類の切削条件を示す図 切削抵抗を動力計により測定した結果を示す図 工具材の圧痕幅の測定結果を示す模式図 係数の算出結果の一例を示す図 実施例における工具逃げ面の磨耗量の実測値と、予測値との精度を検証した結果を示す図 実施例における磨耗直線の傾きについて磨耗量の実測値と、予測値との精度を検証した結果を示す図 工具磨耗予測システムおよびNC工作機械のブロック図 演算フローチャートを示す図 被削材の送り速度と切削温度比の関係を示す図 旋削加工時の切削速度の算出方法を示す図 エンドミル加工時の最大切取り厚さの算出方法を示す図 旋削加工を行って製作する部品を示す図 工具磨耗量の実験値と、予測値との精度を検証した結果を示す図
符号の説明
1 工具磨耗予測システム
5 工具磨耗予測プログラム
6 コンピュータ
100 工具
200 刃先(チップ)
210 工具すくい面
220 工具逃げ面
250 工具構成元素
500 熱電対
900 被削材
910 切り屑
C1、C2、C3 係数
H900 切取り厚さ
Htool 圧痕幅の数値

Claims (6)

  1. 被加工材料を加工した場合の工具摩耗量を予測する予測方法において、
    前記被加工材料中の硬質介在物によるアブレッシブ磨耗に影響を示す項と、
    前記被加工材料中の硬質介在物による熱的拡散磨耗に影響を示す項と、を加算し、当該加算結果をエッジフォースおよび切削距離で積算する予測式から前記工具磨耗量を予測することを特徴とする工具磨耗の予測方法。
  2. 前記アブレッシブ磨耗に影響を示す項は、
    エッジフォースおよび前記工具の塑性変形能によりモデル化された係数を使用することを特徴とする請求項1記載の工具磨耗の予測方法。
  3. 前記工具の塑性変形能は、
    前記工具の圧痕幅の数値を用いてモデル化されたことを特徴とする請求項2記載の工具磨耗の予測方法。
  4. 前記モデル化は、
    工具摩耗に対する力学的な影響および熱的な影響を係数とする工具摩耗予測モデルを形成し、前記係数に添加物または添加量の影響を含めることを特徴とする請求項3記載の工具摩耗の予測方法。
  5. 前記工具摩耗量を予測するためのコンピュータに、
    前記被加工材料の形状に基づき当該被加工材料の加工条件値を計算する手順と、
    前記加工条件値に基づき、請求項1〜4の1つに記載の工具摩耗の予測方法を用いて前記工具磨耗量を予測する手順と、を実行させるための工具磨耗予測プログラム。
  6. 請求項5に記載の工具磨耗予測プログラムが組み込まれ、当該工具磨耗予測プログラムを実行して前記工具磨耗量を予測するコンピュータを備えていることを特徴とする工具摩耗予測システム。
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