JP6200269B2 - 刃先位置推定方法、加工方法、nc加工装置、センサ装置及びプログラム - Google Patents

刃先位置推定方法、加工方法、nc加工装置、センサ装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、刃先位置推定方法、加工方法、NC加工装置、センサ装置及びプログラムに関し、特に、被加工品を切削するNC加工装置における切削工具の刃先の位置を推定する刃先位置推定方法等に関する。
加工装置で焼き入れ材などの硬度が高い素材に、連続した精密な凸凹断面を加工する場合、切削量のわずかな変動によって切削工具(バイト)の摩耗量が大きく変化し、又は、先端が欠けたりすることが多い。このような加工にあたっては、粗加工、仕上げ加工等複数の工程に分け加工を行うことが対策として考えられる。バイトの摩耗をコントロールし、加工結果を要求精度内に収めるためには、バイトの刃先の位置をマイクロメートルオーダーで精確に把握する必要がある。
なお、バイトの刃先の第1軸又は第2軸のいずれか一方の軸上の座標を検出する方法としては、刃先をいずれかの軸方向に動かすことで計測する技術が知られている(特許文献1)。
特開平10−235539号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、刃先の先端の第1軸及び第2軸の座標を特定し、二次元平面上の刃先の先端の位置を計測することは行われていなかった。そのため、従来、加工後のバイトの摩耗の程度が10〜30μmとバラつきが大きかった。結果として、加工結果を要求精度内に収めることが困難であった。
ゆえに、本発明は、バイトの刃先の位置を二次元平面上で精確に推定することを可能とする刃先位置推定方法等を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点は、被加工品を切削するNC加工装置における切削工具の刃先の位置を推定する刃先位置推定方法であって、前記刃先は、前記被加工品を切削する先端部と、テーパー形状の側面を構成する側面部とを有するものであり、前記刃先の位置を特定するために、前記先端部の少なくとも1点と前記側面部の少なくとも2点の合計少なくとも3点の座標を測定するデータ取得ステップと、前記少なくとも3点の座標データに基づいて、前記刃先の現在の位置を決定する決定ステップとを含む、刃先位置推定方法である。
本発明の第2の観点は、第1の観点の刃先位置推定方法であって、前記データ取得ステップにおいて、面型センサで前記先端部の先端の第1軸上の座標を測定すると共に、前記側面部の2点の座標を線型センサで測定し、前記決定ステップにおいて、少なくとも前記側面部の2点の座標の測定データに基づいて、前記第1軸とは異なる第2軸上の前記先端の座標を算定する。
本発明の第3の観点は、第2の観点の刃先位置推定方法であって、前記第1軸は、前記側面部の対称軸と平行であり、前記データ取得ステップにおいて、前記側面部の異なる2点であって、前記第1軸上の座標が等しい2点を測定し、前記決定ステップにおいて、前記2点の座標の前記第2軸上の座標の平均値を前記先端の前記第2軸上の座標として決定する。
本発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の刃先位置推定方法であって、前記切削工具を第1の切削工具から第2の切削工具に交代させた後に、前記データ取得ステップ及び前記決定ステップにより前記第2の切削工具の刃先の位置を推定するものであり、前記データ取得ステップの前に、第1の切削工具の刃先の位置を取得する第1データ取得ステップと、前記第1の切削工具の刃先の位置に基づいて前記第2の切削工具の前記刃先の位置を予測する予測ステップとをさらに含む。
本発明の第5の観点は、被加工品を切削するNC加工装置を用いた加工方法であって、前記NC加工装置の刃先は、前記被加工品を切削する先端部と、テーパー形状の側面を構成する側面部とを有するものであり、前記刃先の位置を特定するために、前記先端部の少なくとも1点と前記側面部の少なくとも2点の合計少なくとも3点の座標を測定するデータ取得ステップと、前記少なくとも3点の座標データに基づいて、前記刃先の現在の位置を決定する決定ステップと、前記刃先の現在の位置と機外で測定した前記先端部のノーズRの値に基づいて、前記被加工品の切削を行う切削ステップとを含む、加工方法である。
本発明の第6の観点は、第5の観点の加工方法であって、前記切削ステップの後に、前記被加工品を切削した部分を挟む複数の評価点を切削する追加切削ステップと、前記評価点の切削の深さに基づいて、前記被加工品への切削を評価する評価ステップとをさらに含む。
本発明の第7の観点は、第6の観点の加工方法であって、前記追加切削ステップにおいて、前記複数の評価点を前記切削ステップにおける深さよりも深く切削し、前記評価ステップにおいて、前記複数の評価点における切削の最深部を結ぶ線分から前記被加工品への切削を評価する。
本発明の第8の観点は、被加工品を切削するNC加工装置であって、切削工具の刃先の少なくとも3点の座標を測定するセンサと、前記刃先の形状データを記憶する記憶部と、
前記刃先の測定値に基づいて、前記刃先の現在の位置を算定する算定部とを備える、NC加工装置である。
本発明の第9の観点は、第8の観点のNC加工装置であって、前記刃先は、前記被加工品を切削する先端と、側面を構成する側面部とを有するものであり、前記センサは、検出部が平面又は曲面の形状をした面型センサ部と、検出部が2つの面が交差する線型センサ部とを有し、前記面型センサ部を用いて、前記先端の第1軸上の座標を測定し、前記線型センサ部を用いて、前記側面部の2点の座標を測定する。
本発明の第10の観点は、被加工品を切削するNC加工装置における刃先の位置を取得するセンサ装置であって、検出部が平面又は曲面の形状をしており、前記刃先の表面上の点の一軸上の座標を測定する面型センサ部と、検出部が2つの面が交差する線の形状をしており、前記刃先の表面上の点の複数の軸上の座標を測定する線型センサ部とを備える、センサ装置である。
本発明の第11の観点は、被加工品を切削するNC加工装置が備えるコンピュータに、第1から第4のいずれかの観点の刃先位置推定方法又は第5から第7のいずれかの観点の加工方法を実行させるためのプログラムである。
なお、本発明を、NC加工装置における切削工具の刃先で加工された被加工品の評価方法であって、被加工品を切削する切削ステップと、被加工品の切削した部分を挟む複数の評価点を切削する追加切削ステップと、前記評価点の切削の深さに基づいて、前記被加工品を評価する評価ステップとを含む、評価方法と捉えてもよい。
また、本発明を、被加工品を切削するNC加工装置における切削工具の刃先の情報を推定する刃先位置推定方法であって、被加工品を切削する切削ステップと、被加工品の切削した部分を挟む複数の評価点を切削する追加切削ステップと、前記評価点の切削の深さに基づいて、切削後の前記刃先の摩耗度合いを推定する切削後推定ステップとを含む刃先位置推定方法と捉えてもよい。
本発明を上記の評価方法と捉えた場合、評価点における切削の深さを結んだ線分を基準として切削ステップにおける切削の深さを評価できる。このため、切削ステップ中の刃先の摩耗の推移を把握し、加工後の刃先の状態を適切に評価することが可能となる。
本発明の各観点によれば、少なくとも先端部の1点と側面部の2点の計3点の座標を測定することにより、当該3点で特定される平面における刃先の先端の位置座標を精確に推定することが可能となる。
本発明の第2の観点によれば、刃先の先端の座標のうち、例えば、主軸回転軸に垂直な軸(X軸)座標を面型センサで測定し、主軸回転軸に平行な軸(Z軸)座標を線型センサで測定した側面部2点から推定する。これにより、許容できる精度で直接的に測定することが困難な先端のZ軸座標を精度よく推定でき、刃先の先端の位置を精確に推定可能となる。
ここで、硬度が高い素材を切削する場合、粗加工、仕上げ加工など複数の加工工程が必要になる。マイクロメートルオーダーの加工を行うためには交代前後のバイトの位置を精確に推定することが必要である。ところが、工程間での切削工具の交代に時間がかかると、被加工品(ワーク)の温度などの加工環境が変化してしまう。すると、精確な加工に支障がある。よって、刃先の位置を迅速に推定する必要がある。
そこで、本発明の第2の観点によれば、先端の座標については、X軸等の1軸上の座標のみを直接測定すれば十分である。先端の他の座標は、他の2点の第2軸上の座標を測定することにより、推定可能となる。そのため、最も摩耗しやすくデリケートな先端の測定を迅速に実施することが可能となる。
また、先端の座標を測定するセンサは、従来NC加工装置で用いられてきた面形状のセンサをそのまま用いることができる。したがって、本発明の第2の観点によれば、本発明の観点を従来の装置に導入することが容易となる。
本発明の第3の観点によれば、一般に刃先の側面部が主軸回転軸に平行な軸に対して回転対称に配置されていることを利用して、迅速かつ精確な刃先の位置の推定が容易となる。
さらに、本発明の第4の観点によれば、迅速な刃先の位置の推定が要求される切削工具の交代の際、迅速な推定が容易となる。
ここで、NC加工装置において、刃先の位置に加えて刃先の先端形状を示すノーズRの値も加工精度に影響を及ぼすパラメータである。従来、刃先の位置を高精度に特定できなかったため、ノーズRの値も高精度な値は必要とされず、カタログ記載の公称値がNC装置に入力されていた。しかし、本発明のように高精度に刃先の先端の位置を特定することが可能となることにより、併せて、公差の大きいカタログ上の公称値ではなく高精度なノーズRの値が要請されることとなった。
そこで、本発明の第5の観点によれば、刃先の位置に加えて刃先の先端形状を示すノーズRの値も機外で精密に測定した値を用いて加工を行う。これにより、さらに高精度な加工を行うことが可能となる。
さらに、本発明の第6の観点によれば、被加工品を切削した後の被加工品の高精度な切削を高精度に評価可能となる。
さらに、本発明の第7の観点によれば、評価のための切削の最深部を特定しやすいため、切削後の被加工品の評価が容易となる。
また、本発明の第9の観点によれば、面型センサ及び線型センサを1つのセンサで実現することができる。
本実施例に係るNC加工装置1の概要を示すブロック図である。 NC加工装置1を用いた加工と評価の概要を例示するフロー図である。 NC加工装置1が備えるセンサとセンサが測定する刃先の先端の測定点を例示する図である。 本実施例に係る刃先位置推定方法の一例を示すフロー図である。 被加工品の評価の一例を示す図であり、(a)外径を基準に評価した場合と、(b)加工後の切削の深さに基づいて評価した場合とを比較した図である。
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
図1は、本願発明の実施例に係るNC加工装置1(本願請求項における「NC加工装置」の一例)の概要を示すブロック図である。以下、図1のNC加工装置1の概要を説明する。
NC加工装置1は、主軸台3と、刃物台9と、センサ21(本願請求項における「センサ」「検出部」の一例)と、操作盤27と、制御部29と、計算部39と、記憶部49(本願請求項における「記憶部」の一例)とを備える。
主軸台3は、加工対象であるワーク7(本願請求項における「被加工品」の一例)を把持するワークホルダ5を有する。刃物台9は、ワーク7を加工する切削工具であるバイトを把持する工具ホルダ11を有する。工具ホルダ11は、少なくとも複数のバイトとして、第1バイト13(本願請求項における「第1の切削工具」の一例)及び第2バイト19(本願請求項における「第2の切削工具」の一例)を有する。第1バイト13は、ワーク7に直接当たって切削する先端部15(本願請求項における「先端部」の一例)と、テーパー形状の側面を構成する側面部17(本願請求項における「側面部」の一例)とを有する。先端部15と側面部17とを併せて刃先(本願請求項における「刃先」の一例)と呼ぶ。第2バイト19も同様に刃先に先端部と側面部とを有する。本実施例では、第1バイト13が粗加工用のバイト、第2バイト19が仕上げ加工用のバイトであるとする。
センサ21は、バイトの位置座標を測定する。センサ21は、1辺5mmの立方体形状をしており、面型センサ部23(本願請求項における「面型センサ」の一例)と線型センサ部25(本願請求項における「線型センサ」の一例)とを有する。面型センサ部23は、立方体のいずれかの面でバイトの位置座標のデータを取得する。線型センサ部25は、立方体のいずれかの線でバイトの位置座標のデータを取得する。操作盤27は、得られたバイト位置座標のデータ及びノーズRのデータをユーザが入力するために用いられる。
制御部29は、主軸台制御部31と、刃物台制御部33と、センサ制御部35と、NC制御部37とを有する。主軸台制御部31は、主軸台3を制御して、ワーク7の把持、移動、回転等を実行させる。刃物台制御部33は、刃物台9を制御して、バイトの選択、バイトの移動、回転等を実行させる。センサ制御部35は、センサ21を制御して、センサ21の移動等を実行させる。NC制御部37は、操作盤27から入力されたデータに基づいて主軸台3及び刃物台9を制御して加工を実行させる。なお、センサ21とセンサ制御部35とは、併せて本願請求項における「センサ装置」の一例である。
計算部39は、予測部41と、算定部43(本願請求項における「算定部」の一例)と、刃先位置決定部45と評価部47を有する。予測部41は、第1バイト13の位置が決定された後に第2バイト19の位置を予測する。算定部43は、測定した座標から先端(本願請求項における「先端」の一例)の座標を算出する。刃先位置決定部45は、測定されたデータに基づいて、刃先の現在の位置を決定する。評価部47は、ワーク7の切削結果を評価する。特に、バイトの摩耗に基づく切削のバラつきを評価する。
記憶部49は、機外で測定されたバイトのノーズRのデータ、センサ21が測定したバイトの刃先のデータ等のデータを記憶する。
続いて、図2を参照して、NC加工装置1を用いた加工と評価のフローの概要を説明する。図2は、NC加工装置1を用いた加工と評価の概要を例示するフロー図である。
<<粗加工>>
ステップST001において、NC加工装置1は、第1バイト13を用いてワーク7の粗加工を行う(本願請求項における「切削ステップ」の一例)。
<<刃先位置の推定>>
続いて、ステップST002(本願請求項における「第1データ取得ステップ」の一例)において、センサ制御部35がセンサ21を制御して第1バイト13の座標データを取得させる。センサ21の座標データの取得については、後ほど詳しく述べる。ステップST003において、取得した位置データに基づき、算定部43及び刃先位置決定部45が第1バイト13の位置を決定する。第1バイト13の位置は、記憶部49に記憶される。ステップST004において、刃物台制御部33が刃物台9を制御して、加工に用いるバイトを第1バイト13から第2バイト19に交換させる。また、予測部41は、記憶部49に記憶された第1バイト13の位置に基づき、第2バイト19の位置を予測する(本願請求項における「予測ステップ」の一例)。ステップST005において、センサ制御部35がセンサ21を制御して第2バイト19の座標データを取得させる。ステップST006において、取得した位置データに基づき、算定部43及び刃先位置決定部45が第2バイト19の位置を決定する。以上、ステップST002からステップST006は、本願請求項における「刃先位置推定方法」の一例である。
<<仕上げ加工>>
ステップST007において、ユーザは、第2バイト19の精確な位置データと、機外で測定されたノーズRの精確な値を操作盤27から入力する。NC制御部37は、これらのデータに基づいて、主軸台制御部31及び刃物台制御部33と連動しつつ、ワーク7に対して精密にNC加工を行う(本願請求項における「切削ステップ」の一例)。
<<加工の評価>>
ステップST008において、NC加工装置1は、ワーク7の加工箇所を挟むようにして2点を評価点として切削する(本願請求項における「追加切削ステップ」の一例)。また、この2点の切削は、粗加工(ステップST001)及び仕上げ加工(ステップST007)におけるワーク7の加工箇所よりも深く切削する。続いて、ステップST009において、評価部47は、2点の評価点の深さを結ぶ線分を基準として、粗加工及び仕上げ加工の切削を評価して(本願請求項における「評価ステップ」の一例)、フローを終了する。以上、ステップST001からステップST009は、本願請求項における「加工方法」の一例である。
上記のステップST004において、予測部41が第2バイト19の位置を予測することにより、第2バイト19の位置を素早く測定可能となる。結果として、粗加工後のワーク7の温度等の加工環境があまり変わらないうちに、仕上げ加工を開始することが容易となる。
NC加工においては、NC加工装置1にノーズRの値とバイトの位置座標を入力する必要がある。ここで、ノーズRは、一般に0.04mmなどと小さく、センサで直接測定することが困難である。そこで、従来、ノーズRの値としてメーカーのカタログに記載の公称値が入力されていた。精度が高くない加工であれば、このような公差の大きい公称値でも加工できていたが、以下に示す本実施例に係るフローのように高精度なバイトの位置座標を用いる場合、同様に高精度なノーズRの値を入力することが求められる。
そこで、本実施例のフローでは、ノーズRの値としてNC加工装置1の機外で専用の測定機器を用いて測定した値を入力する。このように高精度なノーズRの値及びバイトの位置座標を入力することにより、後に述べるような高精度な加工が可能となった。
続いて、図3及び図4を参照して、バイトの刃先の先端の測定(図2におけるステップST002、ST003、ST005及びST006)について詳しく説明する。図3は、NC加工装置1が備えるセンサ21とセンサ21が測定する刃先の先端の測定点を例示する図である。図4は、本実施例に係る刃先位置推定方法の一例を示すフロー図である。
図3には、バイトの先端の拡大図と、立方体形状のセンサ21をY軸から見たところが示されている。なお、Z軸(本願請求項における「第2軸」の一例)は、主軸回転中心軸に平行な軸である。また、X軸(本願請求項における「第1軸」の一例)、Y軸及びZ軸は、それぞれ互いに垂直な軸である。センサ21は、面ABCD及び面A’B’C’D’がそれぞれZX平面に平行であり、かつ、辺AB及び辺CDがそれぞれX軸に平行であるように配置されている。なお、辺AA’、BB’、CC’及びDD’は、それぞれY軸に平行である。以下、センサ21がバイトの位置座標のデータを取得し、位置を決定する流れについて説明する。なお、バイトのデータ取得の前後において、センサ制御部35がセンサ21を制御して、加工に邪魔にならないように隠れる位置と、バイトを測定するために出てくる位置の2箇所を移動させる。センサ21がバイトを測定するために出てくる位置に移動後、刃物台制御部33が刃物台9を制御して、以下の要領でバイトを移動させ、センサ21の面型センサ部23又は線型センサ部25に接触させる。
(1)刃物台9がX軸方向にのみ動いて、バイトの先端部15の先端Tを面BB’C’Cで表される面型センサ部23に対して接近させる。先端Tが面型センサ部23に接したら、センサ制御部35が面型センサ部23を制御して、先端TのX座標のデータのみを取得させる(図4におけるステップST101)。
(2)刃物台9が、X軸方向に動いて、先端Tを面型センサ部23から離れさせる。
(3)刃物台9が、Z軸方向に動く。
(4)刃物台9が、先端TのX座標が面型センサ部23のX座標よりもX軸方向に1mmだけ面AA’D’D側に近づいた位置まで動く。
(5)刃物台9が、Z軸方向に動いて側面部17上の点Lを辺CC’で表される線型センサ部25に接近させる。点Lが線型センサ部25に接したら、LのX座標及びZ座標のデータを取得する。(図4におけるステップST102)
(6)刃物台9が、センサ21から離れるようにX軸方向に動いて、Lから離れる。
(7)刃物台9が、(3)とは反対側のZ軸方向に動く。
(8)刃物台9が、先端TのX座標が面型センサ部23のX座標よりもX軸方向に1mmだけ面AA’D’D側に近づいた位置まで動く。
(9)刃物台9が、Z軸方向に動いて側面部17上の点Rを辺BB’で表される線型センサ部25に接近させる。点Rが線型センサ部25に接したら、RのX座標及びZ座標のデータを取得する(図4におけるステップST102)。刃物台9は、バイトをセンサ21から離れさせる。また、センサ制御部35は、センサ21を制御して、加工に邪魔にならないように隠れる位置に移動させる。以上、図4におけるステップST101からステップST103は、本願請求項における「データ取得ステップ」の一例である。
続いて、算定部43が、L及びRのZ座標の中間点を算出する。刃先位置決定部45は、算出されたZ座標を先端TのZ座標と決定する(図4におけるステップST104)。これは、先端Tを通るバイトの中心軸がX軸に平行であることと、L及びRがそれぞれバイトの中心軸に関して対称な位置にあることを利用している。なお、図4におけるステップST104は、本願請求項における「決定ステップ」の一例である。
先端TのZ座標を直接測定することも考えられる。しかし、センサとして、一般に用いられているタッチプローブを想定した場合、先端TのX座標は許容精度内で測定できるものの、先端TのZ座標は許容できる精度で測定できない。そのため、上記のようにL及びRのZ座標から先端TのZ座標を算出して推定することが有効となる。
このようにして、先端Tの座標を含めてバイトの刃先の位置を精確かつ素早く決定することが可能となり、ワーク7の温度等の加工環境が大きく変わる前に仕上げ加工を実施することが容易となる。結果として、精密な加工が可能となる。
続いて、図5を参照して、本実施例に係る加工方法による加工の評価の一例を示す。図5は、被加工品の評価の一例を示す図であり、(a)外径を基準に評価した場合と、(b)加工後の切削の深さに基づいて評価した場合とを比較した図である。横軸は、ワークの切削箇所を示す。図5の右から左に向かって加工を行っている。縦軸は、切削の深さを示す。
図5(a)では、バイトの摩耗を前提としておらず、一見、ほぼ均一の深さに切削できているように見える。しかし、図5(b)に示すように、加工後に連続して切削した(A)及び(B)の2本の切削深さが同一であることを前提に表示することにより、正確な切削深さを評価することが可能となる。
正確に切削深さを評価できる図5(b)を参照して、本実施例に係る加工方法によれば、バイトの摩耗が8μm程度と従来の方法よりも抑制された。また、毎回の加工におけるバイトの摩耗のバラつきはなく、毎回8μm程度の摩耗であった。これは、従来よりも精確なノーズR及びバイトの位置座標を用いて精確なNC加工を行うことが可能になったためと考えられる。
なお、先端T、側面の測定点L及びRは、上記の実施例では同一のセンサ21で位置座標を測定したが、それぞれ別のセンサで測定することとしてもよい。また、センサのサイズや形状は異なるものであってもよい。
また、図3の(6)において、LからX軸方向以外(例えば、Z軸方向)に動いてバイトから離れることとしてもよい。
さらに、図3において、刃物台制御部33が刃物台9を制御して移動させたが、センサ制御部35がセンサ21を制御して、センサ21を平行移動させることとしてもよい。その際、測定点の間を移動する際にセンサ21を回転させてもよい。
1・・・NC加工装置、7・・・ワーク、13・・・第1バイト、15・・・先端部、17・・・側面部、19・・・第2バイト、21・・・センサ、23・・・面型センサ部、25・・・線型センサ部、35・・・センサ制御部、41・・・予測部、43・・・算定部、45・・・刃先位置決定部、47・・・評価部、49・・・記憶部

Claims (6)

  1. 被加工品を切削するNC加工装置における切削工具の刃先の位置を推定する刃先位置推定方法であって、
    前記刃先は、前記被加工品を切削する先端部と、テーパー形状の側面を構成する側面部とを有するものであり、
    前記刃先の位置を特定するために、前記先端部の少なくとも1点と前記側面部の少なくとも2点の合計少なくとも3点の座標を測定するデータ取得ステップと、
    前記少なくとも3点の座標データに基づいて、前記刃先の現在の位置を決定する決定ステップとを含み、
    前記データ取得ステップにおいて、面型センサで前記先端部の先端の第1軸上の座標を測定すると共に、前記側面部の2点の座標を線型センサで測定し、
    前記決定ステップにおいて、少なくとも前記側面部の2点の座標の測定データに基づいて、前記第1軸とは異なる第2軸上の前記先端の座標を算定し、
    前記第1軸は、前記側面部の対称軸と平行であり、
    前記データ取得ステップにおいて、前記側面部の異なる2点であって、前記第1軸上の座標が等しい2点を測定し、
    前記決定ステップにおいて、前記2点の座標の前記第2軸上の座標の平均値を前記先端の前記第2軸上の座標として決定する、刃先位置推定方法。
  2. 前記切削工具を第1の切削工具から第2の切削工具に交代させた後に、前記データ取得ステップ及び前記決定ステップにより前記第2の切削工具の刃先の位置を推定するものであり、
    前記データ取得ステップの前に、
    第1の切削工具の刃先の位置を取得する第1データ取得ステップと、
    前記第1の切削工具の刃先の位置に基づいて前記第2の切削工具の前記刃先の位置を予測する予測ステップとをさらに含む、請求項1記載の刃先位置推定方法。
  3. 被加工品を切削するNC加工装置を用いた加工方法であって、
    前記NC加工装置の刃先は、前記被加工品を切削する先端部と、テーパー形状の側面を構成する側面部とを有するものであり、
    前記刃先の位置を特定するために、前記先端部の少なくとも1点と前記側面部の少なくとも2点の合計少なくとも3点の座標を測定するデータ取得ステップと、
    前記少なくとも3点の座標データに基づいて、前記刃先の現在の位置を決定する決定ステップと、
    前記刃先の現在の位置と機外で測定した前記先端部のノーズRの値に基づいて、前記被加工品の切削を行う切削ステップとを含
    前記データ取得ステップにおいて、面型センサで前記先端部の先端の第1軸上の座標を測定すると共に、前記側面部の2点の座標を線型センサで測定し、
    前記決定ステップにおいて、少なくとも前記側面部の2点の座標の測定データに基づいて、前記第1軸とは異なる第2軸上の前記先端の座標を算定し、
    前記第1軸は、前記側面部の対称軸と平行であり、
    前記データ取得ステップにおいて、前記側面部の異なる2点であって、前記第1軸上の座標が等しい2点を測定し、
    前記決定ステップにおいて、前記2点の座標の前記第2軸上の座標の平均値を前記先端の前記第2軸上の座標として決定する、加工方法。
  4. 前記切削ステップの後に、
    前記被加工品を切削した部分を挟む複数の評価点を切削する追加切削ステップと、
    前記評価点の切削の深さに基づいて、前記被加工品への切削深さを評価する評価ステップとをさらに含む、請求項記載の加工方法。
  5. 前記追加切削ステップにおいて、前記複数の評価点を前記切削ステップにおける深さよりも深く切削し、
    前記評価ステップにおいて、前記複数の評価点における切削の最深部を結ぶ線分から前記被加工品への切削深さを評価する、請求項記載の加工方法。
  6. 被加工品を切削するNC加工装置が備えるコンピュータに、請求項1又は2記載の刃先位置推定方法又は請求項3から5のいずれかに記載の加工方法を実行させるためのプログラム。
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