JP4582759B2 - 自動蓄尿検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、病院などの医療施設で使用される自動蓄尿検査装置の改良に関する。
蓄尿検査は、患者の体内における水分の代謝を観察するため、あるいは、尿中成分を定量分析するために用いられる。病院においては、入院患者の蓄尿検査を行うために、病院内の共同トイレや、汚物処理室に例えば、特開2000−314736号(特許文献1)に開示された多人数用の自動蓄尿検査装置を設置していた。ところが、近年に至っては、複数の病室のそれぞれ簡易便器および測定端末としての自動蓄尿検査装置を設置するとともに、ナースセンターなどの看護士詰所に患者毎の尿量あるいは比重等に関するデータを管理する管理機を設け、このデータ管理機と各病室に設けられた自動蓄尿検査装置とをLANを用いるなどしてデータネットワークを構成した蓄尿管理システムが導入されるようになってきている。
上記自動蓄尿検査装置においては、上記特許文献1の公報に開示されているように、患者自らが排出した尿を採尿容器に採取し、この採尿容器内の尿を自動蓄尿検査装置の尿受け槽に投入することにより、自動蓄尿検査装置が投入された尿の量(体積)やその比重が測定される。その測定結果は、自動蓄尿検査装置内のメモリに患者別に記録されるとともに、中央データ管理装置に送られ、記憶または記録されるようになっている。また、上記のように尿量や比重が測定された後の尿は、その全部または一部を自動蓄尿検査装置内に設置された患者毎の保存容器に保存される。なお、自動蓄尿検査装置内の保存容器には必要な量が保存され、残余の尿は廃棄される。
上記自動蓄尿検査装置において蓄尿される尿は、上部に形成した投入口が開放状態のプラスチック製の保存容器に保存されている。この保存容器としては、例えば、上記特許文献1の公報に開示されているようなサンプリングカセットが用いられている。
しかしながら、上述のように、尿を蓄尿するための保存容器は、上部の投入口が開放されていることから、投入口から蓄尿している尿中から、感染症を誘発するような有害な細菌が拡散して、他の患者や看護士等の医療関係者に感染させてしまう危険を有している。また、蓄尿された尿から発生する臭いが保存容器の投入口から漏れ出すことから、病院内の環境を悪化させる虞がある。また、保存容器に蓄尿された尿は、通常の場合、生体検査を行うために保存容器から必要量をスピッツ管等に分注されるが、そのために保存容器を上記自動蓄尿検査装置から取り出すときに、尿をこぼしてしまう虞がある。
特開2000−314736号公報
本発明が解決しようとする課題は、上述した従来の問題点を克服するために、尿を蓄尿保存するときには密閉状態とし、尿を注入または排出させるときには開口することが可能な保存容器を備えた自動蓄尿検査装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1の発明は、患者の尿の尿量および比重を測定し、注排口を開閉可能な蓋を備えた尿保存容器に測定に供された尿の一部を保存し、残りの尿を廃棄する自動蓄尿検査装置であって、患者の尿の一部を尿保存容器に注入するために尿保存容器に挿入される尿注入用ピペットを具備する尿注入機構と、尿保存容器の上部の一部に設けられた注排口を開口および閉塞するために蓋を開閉する開閉機構とを備え、上記尿保存容器の蓋は、上記注排口を閉塞するように形成されており、上記注排口に連結したヒンジと、外方に突出形成した腕部とを有し、上記開閉機構は、上記腕部に上記開閉機構の蓋開閉具を係合させることにより、上記蓋を回動させて開閉させるように構成されており、上記開閉機構により上記蓋を開けて注排口を開口した後、開口した注排口へ上記尿注入ピペットを挿入し、尿注入機構により尿を、開口した注排口を介して尿保存容器に注入し、注入後に上記注排口から上記尿注入ピペットを抜き出し、上記開閉機構により上記蓋を閉めて注排口を閉塞するように構成したことを要旨とする。
本発明によれば、蓋を有する保存容器によって、尿を密閉された状態で保存することがされるので、従来のように尿中の細菌による感染の危険が防止され、しかも保存中の尿の臭いが漏れることが未然に防止される。また、尿の取り出し時にこぼしたりする虞もなく、取り扱いが簡単になる。
自動蓄尿検査装置において、該自動蓄尿検査装置に設置される尿保存容器に蓋を設け、尿注入時には該蓋を開放して尿保存容器の注排口から尿を注入し、注入後には上記蓋によって密閉状態で尿を保存可能とする。
図1は、自動蓄尿検査装置の概略構成を示す。同図において、1は採尿カップ、2は投入口、3は投入部、4はバルブ、5は比重測定部、6はポンプ、7は尿保存機構、8は排水路、9,10は流路である。
患者の尿は、採尿カップ1によって採尿される。採尿カップ1に入れられた尿は、投入部3の投入口2に投入される。投入部3では、投入された尿の容量または重量が測定される。投入部3に投入された尿は、ポンプ6によって比重測定部5に流路9を経由して送られる。この時、投入部3に残った保存を必要としない尿は、流路9に接続されたバルブ4を介して排水路8から外部に排出される。
流路9を経由して比重測定部5に導入された尿は、超音波方式等によって比重が測定される。その後、尿はポンプ6によって尿保存機構7に送られ、所要量の尿が保存容器20に注入されて保存される。このとき、保存に必要のない尿は、流路10を通って排水路8から排出される。上記保存容器20は、患者毎に尿を保存するように2個から50個程度の複数個が設置されている。そして、採尿された尿を投入口2から投入するときに、図示しないコントローラのパネルによって患者コードを入力することによって、尿保存機構7が患者コードに基づいて保存容器20を選択し、後述する尿注入機構30によって患者に応じた保存容器20に注入されて保存される。
図2は、本発明による尿保存機構の一実施形態を示す。同図において、20は尿保存容器、30は尿注入機構、40は蓋の自動開閉機構である。図2においては、患者コードに基づいた1個の尿保存容器20を示し、他の保存容器は省略している。
尿保存容器20には尿の注排口21が形成されていて、注排口21には蓋22が脱着可能に嵌着されている。蓋22は、図3に示すように、蓋部22a、ヒンジ22b、腕22cおよび嵌着リング22dから構成されている。蓋22は、可撓性を有するプラスチックから形成され、略円盤状に形成された蓋部22aの下面には、注排口21に嵌合する凸部が形成されている。ヒンジ22bは、屈曲可能に形成され、蓋部22aと嵌着リング22dとを連結している。このヒンジ22bをスナップ式に構成することにより、自動開閉機構40によって開閉操作を行うときに、腕22cを僅かに移動させることによって開放状態または閉塞状態に移行するように構成しても良い。また、腕22cは蓋部22aのヒンジ22b側に突出形成され、自動開閉機構40の蓋開閉具41に係合させて蓋部22aを回動させるようにしている。このような蓋22は、尿保存容器20の注排口21の外周に嵌着するように嵌着リング22dが形成され、ヒンジ22bの一端を結合している。嵌着リング22dは、図4に示すように、内周面に凸条22eが形成されていて、尿保存容器20の注排口21の壁21bの外周側に形成された凹溝21aに嵌合させることにより蓋22を注排口21に嵌着される。このように、注排口21に形成した凹溝21aと嵌着リング22dに形成した凸条22eとを嵌合することによって、漏洩を防止するようにしている。なお、凹溝と凸条との関係を逆にしても良い。
尿注入機構30は、図2に示すように、注入用ピペット31、アーム32、回転機構33及び昇降機構34から構成され、注入用ピペット31はアーム32の先端部に取り付けられ、注排口21に対し、昇降かつ回転可能になっている。すなわち、前述したように、尿保存容器20は尿保存機構7内に複数個が設置されているので、注入用ピペット31を患者コードに基づいて指定された尿保存容器20まで移動させる必要がある。このため、回転機構33を設けて注入用ピペット31を指定された保存容器20まで移動させている。なお、上述した構成は、複数の尿保存容器20を整列固定し、注入用ピペット31を移動させる形式であるが、逆に複数の尿保存容器20を移動させる形式の場合には、回転機構33は不要となる。
蓋22の自動開閉機構40は、蓋開閉具41を有し、蓋開閉具41は駆動機構42によって図示の左右方向、および、若干下降するように駆動される。
尿保存容器20の注排口21には、図2に示すように、通常は蓋22によって密閉されている。そして、尿保存容器20に尿を注入するときは、まず、蓋開閉具41を蓋22の腕22cに係合させる。その後、図5に示すように、駆動機構42を作動させて蓋開閉具41を右方向に引きながら下降(略円運動)させるように駆動する。この操作によって、蓋22がヒンジ22bの屈曲によって回動され、図6に示すような開放状態となって注排口21が開口する。
このように注排口21が開口されると、尿注入機構30が下降して、注入用ピペット31が注排口21に挿入すると共に、注入用ピペット31から尿が尿保存容器20に注入される。その後、尿の注入が終了すると、注入用ピペット31を上昇させて注排口21の上方に引き上げてから、図7に示すように蓋開閉具41を左方向に若干上昇するように移動させ、蓋22の腕22cを押動することにより蓋22を閉めて注排口21を密閉状態に閉塞する。蓋22によって注排口21を密閉状態にすることにより、図8のように、尿保存容器20を傾けても尿がこぼれることはない。なお、手動で蓋22を閉めるには、腕22cを倒せばよい。
図9および図10は、本発明による尿保存機構の他の実施形態を示す。本実施形態において、蓋22の自動開閉機構40は、レバー43、コイルばね44および押圧部45から構成されている。レバー43の一端部は尿注入機構30のアーム32に取り付けられ、レバー43の他端部には押圧部45が設けられている。レバー43には、押圧部45とアーム32にコイルばね44が巻回状態で配設されている。そして、常時は、図9に示すようにコイルばね44によって、レバー43を所定の長さに伸長させている。
上述した状態から、尿保存容器20に尿を注入するときには、尿注入機構30のアーム32を回動すると共に下降させる。このとき、注入用ピペット31に先行して、押圧部45が蓋22の腕22cを押圧する。これにより、図10に示すように、蓋22を開放すると共に、レバー43がコイルばね44の弾力に抗して上昇し、蓋22を開放状態に維持する。蓋22を開放されると、下降してきたアーム32と共に注入用ピペット31が下降して、尿保存容器20の注排口21から尿保存容器20の内部に挿入され、尿の注入が行われる。
図11は本発明による尿保存機構の更に他の実施形態を示す。本実施形態において、尿保存容器20の注排口21は、蓋50によって密閉されている。蓋50は、例えば弾性を有するゴム、あるいはプラスチックによって形成され、中央部分には肉薄部51が形成されている。また、尿保存容器20に尿を注入するときには、中空の注入針35が使用される。この注入針35は、先端が傾斜されていて、周知の注射針と同様に形成されている。
蓋50は尿保存容器20の注排口21に嵌着されていて、常時は閉塞されたままの状態となっている。そして、尿を尿保存容器20に注入するには、注入針35を下降させて蓋50の肉薄部51を貫通させて、先端を尿保存容器20の内部まで挿入する。その後、注入針35の中空内に尿を流通させることによって注入する。尿保存容器20に所定量の尿が注入された後には、注入針35を上昇させて蓋50から抜く。このとき、蓋50の肉薄部51は、前述のように弾性を有するので、注入針35によって形成された穴が弾力によって復元されて穴が閉塞する。この結果、尿保存容器20の注排口21は密閉状態に維持される。
図12は本発明の他の実施形態として、尿保存容器の変形例を示す。即ち、容器として袋状の容器60が使用されており、蓋22の構成は前記実施例と同じである。
本発明は、例えば、特開2000−314736号に開示された自動蓄尿検査装置に適用可能である。
上記装置のサンプリングカセットは尿保存容器であるが、その上部は開放されているので、これに代えて本発明の開閉可能な蓋を備えた尿保存容器を用いる。
自動蓄尿検査装置の概略構成図である。 本発明の実施例1の概略構成図である。 図2の実施例において尿保存容器の蓋の構造を示す斜視図である。 蓋の部分的構造図である。 蓋を開く方法の説明図である。 尿保存容器の蓋の開放状態を示す図である。 蓋を閉じる方法の説明図である。 蓋を閉めた状態の尿保存容器を示す図である。 本発明の実施例2の概略構成図である。 図9の実施例で蓋を開く方法の説明図である。 本発明の実施例3の概略構成図である。 本発明の実施例4の概略構成図である。
符号の説明
20 尿保存容器
21 注排口
22 蓋
22a 蓋部
22b ヒンジ
22c 腕
30 尿注入機構
31 注入用ピペット
35 注入針
40 自動開閉機構
41 蓋開閉具

Claims (1)

  1. 患者の尿の尿量および比重を測定し、注排口を開閉可能な蓋を備えた尿保存容器に測定に供された尿の一部を保存し、残りの尿を廃棄する自動蓄尿検査装置であって、
    患者の尿の一部を尿保存容器に注入するために尿保存容器に挿入される尿注入用ピペットを具備する尿注入機構と、
    尿保存容器の上部の一部に設けられた注排口を開口および閉塞するために蓋を開閉する開閉機構とを備え、
    上記尿保存容器の蓋は、上記注排口を閉塞するように形成されており、上記注排口に連結したヒンジと、外方に突出形成した腕部とを有し、上記開閉機構は、上記腕部に上記開閉機構の蓋開閉具を係合させることにより、上記蓋を回動させて開閉させるように構成されており、
    上記開閉機構により上記蓋を開けて注排口を開口した後、開口した注排口へ上記尿注入ピペットを挿入し、尿注入機構により尿を、開口した注排口を介して尿保存容器に注入し、注入後に上記注排口から上記尿注入ピペットを抜き出し、上記開閉機構により上記蓋を閉めて注排口を閉塞するように構成したことを特徴とする自動蓄尿検査装置。
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