以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態における多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1の外観構成を示した斜視図である。
このMFP1は、電話回線網100(図2参照)介して外部装置200(図2参照)に接続されて電話機能による通話や、ファクシミリ機能によるデータの送受信を行うことができるだけでなく、スキャナ機能、コピー機能、PC(Personal Computer)プリント機能、及びメディアプリント機能などの各種機能を有する多機能周辺装置である。
なお、以下で詳細に説明するが、本実施形態のMFP1は、ファクシミリ機能によって外部装置200から受信した画像データ(以下、かかる画像データを「受信FAXデータ」と称することがある)を受信した場合に、受信FAXデータの内容を示す画像(以下、かかる画像を「受信FAX画像」と称することがある)と、その受信FAXデータの送信元である外部装置200を示す相手の顔の画像(顔画像)とをLCD(Liquid Crystal Display)16に表示し、ユーザが、表示された顔画像を利用して、表示中の受信FAX画像に対する画像調整を直感的に行うことができるように構成されている。
また、ファクシミリ機能によって外部装置へファクシミリ機能によって画像データを送信する場合に、ユーザ本人の顔画像と、送信を所望する画像データ(以下、かかる画像データを「送信FAXデータ」と称することがある)の内容(以下、かかる画像を「送信FAX画像」と称することがある)を示す画像とをLCD16に表示し、表示された顔画像を利用して、表示中の送信FAX画像に対する画像調整を直感的に行うことができるように構成されている。
MFP1の上部には、図1に示すように、ファクシミリ機能、スキャナ機能、又は、コピー機能の実行時に原稿を読み取るためのスキャナ20が配置されている。原稿カバー体8の下側には、原稿を載置するための載置用ガラス板が設けられている。また、筐体内部には記録用紙に画像を印刷する装置として、所謂インクジェットプリンタで構成されたプリンタ21が内蔵されている。
原稿カバー体8の前方には、横長形状の操作パネル6が設けられており、操作キー15、LCD16、タッチパネル17を具備する。操作キー15には、電話機能やファクシミリ機能を利用する場合に電話番号を入力するための数字ボタン15aや、MFP1の電源のオン/オフを行うための電源ボタン15bなどの各種ボタンが設けられている。
LCD16は、LCDパネル(図示せず)を有し、そのLCDパネルによって、操作手順や実行中の処理の状態が表示されると共に、操作キー15やタッチパネル17の押下に対応する情報が表示される。
また、LCD16には、それ以外にも、受信FAX画像又は送信FAX画像に対する画像調整を行い得る画像調整画面(図3(a)参照)や、その画像調整画面に表示する顔画像を登録するための画面(図示せず)や、顔画像に対する画像調整の手順を登録するための登録画面(図5および図6参照)などが表示される。
また、MFP1の前面には、メモリカード14a(図2参照)を挿入するためのメモリカードスロット14が設けられている。メモリカードスロット14にメモリカード14aが挿入されている場合は、ユーザは、メモリカード14a内に記憶される画像データをLCD16に表示させ、その中から所望する顔画像データを画像調整画面に表示する顔画像として登録することができる。メモリカード14aとしては、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリスティック(登録商標)、SDカード(登録商標)、xD−ピクチャカード(登録商標)などが該当する。
MFP1の側部には、送受話器22が設けられている。この送受話器22は、ユーザが電話機能を使用して、電話回線網100(図2参照)を介して接続される外部装置200との間で通話を行う場合に使用される。
非通話時には、送受話器22はフック(図示しない)が設けられた載置台上に置かれ、通話時には載置台から取り上げられて使用される。なお、本実施形態では、前者をオンフック状態、後者をオフフック状態と称す。送受話器22は、オフフック状態となるとNCU(Network Control Unit)23(図2参照)と電気的に接続され、オンフック状態となると、NCU23との接続が解除される。
また、送受話器22には、送話口(図示せず)と受話口(図示せず)が設けられており、送話口のマイクに入力された音声は、送受話器22で音声データに変換され、この変換された音声データが送話音声として、外部装置200に出力される。また、外部装置200から送信されてきた音声データは、受話音声として受話口のスピーカから出力される。
次に、図2を参照して、MFP1の電気的構成について説明する。図2は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU(Central Processing Unit)11、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリカードスロット14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、計時回路18、スキャナ20、プリンタ21、送受話器22、NCU23、モデム24とを主に有している。
CPU11、EEPROM12、RAM13は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、メモリカードスロット14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、計時回路18、スキャナ20、プリンタ21、送受話器22、NCU23、モデム24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
CPU11は、EEPROM12やRAM13に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
EEPROM12は、CPU11によって実行される制御プログラム12aや固定値データ等を書き換え可能に記憶すると共に、電源遮断後も内容を保持可能な不揮発性のメモリである。
制御プログラム12aは、後述する図7〜図13に示すフローチャートのプログラムを含んでおり、CPU11がこのプログラムを実行することにより、MFP1は、ユーザが、受信FAX画像及び送信FAX画像に対する画像調整を直感的に調整できる画像調整装置又は通信装置として機能する。
また、EEPROM12には、画像メモリ12bと電話帳メモリ12cとが設けられている。画像メモリ12bは、受信FAX画像及び送信FAX画像を調整し得る画像調整画面(図3(a)参照)にて用いられる顔画像データを格納するメモリである。この画像メモリ12bには、MFP1出荷時に予め準備された複数の顔画像データが格納されているほか、ユーザの操作によって、メモリカード14aに記憶された顔画像データやスキャナ20によって取り込んだ画像を格納することができる。
MFP1出荷時に予め準備された顔画像データには、その顔画像が、ユーザ本人用として準備されたものであるか、それ以外(ユーザ以外)のために準備されたものであるかを示す情報や、その顔画像データにおける右目領域RB(図3(a)参照)および左目領域LB(図3(a)参照)の座標も併せて格納される。
よって、後述する登録処理(図7参照)において、画像調整画面(図3(a)参照)に表示すべき顔画像として、この予め準備された顔画像データを登録する場合には、その顔画像データと併せて格納される情報によって、その顔画像がユーザ本人用であるがユーザ以外用であるかが特定されると共に、右目領域RBおよび左目領域LBの座標によってそれぞれの領域が特定され、これらの領域が、画像調整領域として割り当てられる。
なお、顔画像データにおける或る領域の「座標」とは、LCD16に表示された顔画像の或る領域を触れた場合に、タッチパネル17によって検出される座標のことである。この座標は、LCD16のLCDパネルの左上端を座標(0,0)とし、右側に向かうほどX軸の座標が増加すると共に、下側に向かうほどY軸の座標が増加するように規定されている。本実施形態では、顔画像の各領域の座標をすべてタッチパネル17によって検出される座標を用いて表している。
これにより、タッチパネル17の検出結果によって、顔画像の所定の領域が指で触れられたか否かを容易に判断することができる。従って、顔画像内に割り当てられた画像調整を行うための領域(右目領域RB又は左目領域LB)がユーザの指によって触れられたか否かを容易に判断(検出)することができる。
電話帳メモリ12cは、複数の外部装置200毎に、その外部装置200に対応する相手の名前、電話番号、ファクシミリ番号のほか、受信FAX画像及び送信FAX画像を調整し得る画像調整画面(図3(a)参照)にて用いられる顔画像のファイル名や、その顔画像に割り当てられる画像調整領域に関する情報を格納するメモリである。なお、この電話帳メモリ12cの詳細については、図4を参照して後述する。
RAM13は、書き替え可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。計時回路18は、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路である。
NCU23は、電話回線網100と接続されており、電話回線網100へのダイヤル信号の送出や、電話回線網100からの呼出信号の応答などの制御を行うものである。モデム24は、ファクシミリ機能により送信が指示された画像データを、電話回線網100に伝送可能な信号に変調してNCU23を介して送信したり、電話回線網100からNCU23を介して入力された信号を受信し、LCD16に表示したり、プリンタ21で記録可能な画像データに復調するものである。
次いで、図3(a)を参照して、画像調整画面の詳細について説明する。図3(a)は、画像調整画面の一例を示すイメージ図である。なお、図3(a)は、受信FAX画像の表示状態を調整する場合に表示される画像調整画面である。
この画像調整画面は、図3(a)に示すように、LCD16の表示画面を左右に2分割した左側の画面16L(以下、「左画面16L」と称する)の上部に、電話帳メモリ12cに格納された外部装置200を示す相手の名前(ブラザー太郎)とファクシミリ番号(052−XXX−XXXX)とを表示すると共に、左画面16Lの残りの領域には当該相手(即ち、外部装置200を示す相手であり、受信FAXデータの送信元の相手)に対して登録された顔画像を指示対象の画像として表示する。この顔画像は、電話帳メモリ12cに格納された顔画像の「画像ファイル名」(図4参照)に基づき、画像メモリ12bからそのファイルに格納された顔画像データを読み出すことによって表示される。
なお、送信FAX画像の表示状態を調整する場合に表示される画像調整画面では、左画面16Lの上部には、電話帳メモリ12cに格納されたユーザ本人の名前とファクシミリ番号とを表示すると共に、左画面16Lの残りの領域にユーザ本人に対して登録された顔画像を表示する。
一方で、LCD16における右側の画面16R(以下、「右画面16R」と称する)には、調整対象の画像とされる受信FAX画像又は送信FAX画像がサムネイル表示されている。
ここで、左画面16Lに表示された顔画像の右目領域RB(左上の座標(Xa,Ya)および右下の座標(Xb,Yb)で特定される矩形状の領域)と、左目領域LB(左上の座標(Xc,Yc)および右下の座標(Xd,Yd)で特定される矩形状の領域)とに対して、上述したように、その顔画像の種類(外部装置200を示すユーザ以外の顔画像、若しくは、ユーザ本人の顔画像)に応じて、それぞれ、受信FAX画像に対する画像調整領域、又は送信FAX画像に対する画像調整領域が割り当てられている。
例えば、顔画像が外部装置200を示すユーザ以外の顔画像である場合には、右目領域RB及び左目領域LBに対し、受信FAX画像に対する画像調整領域が割り当てられている。なお、本実施形態では、右目領域RBに対し、受信FAX画像の拡大又は縮小を行うための領域が割り当てられており、左目領域LBに対し、受信FAX画像をスクロールするための領域が割り当てられている。
一方、ユーザ本人の顔画像である場合には、右目領域RB及び左目領域LBに対して送信FAX画像に対する画像調整領域が割り当てられている。なお、本実施形態では、右目領域RBに対し、送信FAX画像の拡大又は縮小を行うための領域が割り当てられており、左目領域LBに対し、送信FAX画像のコントラストを補正するための領域が割り当てられている。
ユーザが、LCD16の左画面16Lに表示された顔画像の右目領域RBを指で触れると、MFP1は、タッチパネル17の検出結果から、触れられた領域が右目領域RBであることを判断する。
ここで、表示されている顔画像がユーザ以外のものであった場合、右目領域RBには、画像調整領域として、受信FAX画像の拡大又は縮小を行うための領域が割り当てられているので、MFP1は、LCD16の右画面16Rにその時点において表示されている受信FAX画像に対し、その後の操作内容(タッチパネル17によって検出される指の位置の変位)に応じた画像調整(拡大又は縮小)を行う。
あるいは、表示されている顔画像がユーザ本人のものであった場合、右目領域RBには、画像調整領域として、送信FAX画像の拡大又は縮小を行うための領域が割り当てられているので、その時点において右画面16Rに表示されている送信FAX画像に対し、その後の操作内容に応じた画像調整(拡大又は縮小)を行う。
一方で、ユーザが、LCD16の左画面16Lに表示された顔画像の左目領域LBを指で触れると、MFP1は、タッチパネル17の検出結果から、触れられた領域が左目領域LBであることを判断する。
ここで、表示されている顔画像がユーザ以外のものであった場合、左目領域LBには、画像調整領域として、受信FAX画像のスクロールを行うための領域が割り当てられているので、その時点において右画面16Rに表示されている受信FAX画像に対し、その後の操作内容に応じた画像調整(上方向、下方向、左方向、又は右方向へのスクロール)を行う。
あるいは、表示されている顔画像がユーザ本人のものであった場合、左目領域LBには、画像調整領域として、送信FAX画像のコントラストを補正するための領域が割り当てられているので、その時点において右画面16Rに表示されている送信FAX画像に対し、その後の操作内容に応じた画像調整(コントラスト補正)を行う。
このように、本実施形態によれば、画像調整画面の右側(即ち、LCD16の右画面16R)に画像調整対象とされる受信FAX画像が表示され、画像調整画面の左側(即ち、LCD16の左画面16L)に指示対象とされる顔画像が表示される。このとき、指示対象とされる顔画像として、受信FAXデータの送信元の外部装置200を示すユーザ以外の顔画像が表示されるので、受信FAXデータの送信元をユーザに把握させ易い上に、かかる顔画像を用いて受信FAX画像の表示状態を調整(画像調整)することができるので、ユーザは、画像調整画面の左側に表示された顔画像を用いて直感的に受信FAX画像の表示状態を調整することができる。
一方で、画像調整画面の右側に送信FAX画像が表示される場合には、画像調整画面の左側に指示対象とされる顔画像として、送信FAXデータの送信元となるMFP1のユーザ本人の顔画像が表示される。よって、画像調整画面に表示されるFAX画像が受信FAX画像ではなく送信FAX画像であることをユーザに把握させ易い上に、その隣に表示される顔画像を用いて送信FAX画像の表示状態を調整(画像調整)することができるので、ユーザは、画像調整画面の左側に表示された顔画像を用いて直感的に送信FAX画像の表示状態を調整することができる。
次いで、図3(b)及び(c)を参照して、画像調整を行うための指の操作方法について説明する。まず、図3(b)は、画像調整画面に表示される顔画像がユーザ以外の顔画像である場合に、画像調整(画像の拡大又は縮小)を行うための右目領域RBに対する指の操作方法を説明する説明図である。
図3(b)に示すように、ユーザ以外の顔画像における右目領域RBに割り当てられた画像調整(画像の拡大又は縮小)を行う場合においてタッチパネル17に触れられる指の操作方法として、指を左右方向に操作する「方法1」と、指を上下方向に操作する「方法2」とが準備されている。どちらの方法によって画像調整を行うかは、後述する登録処理(図7および図8参照)の中で、ユーザによって設定される。
ここで、操作方法として、「方法1」が設定されている場合、MFP1は、まず、右目領域RBに対して最初に指が触れられた位置の座標(X1,Y1)と、最後に指が触れられた位置の座標(X2,Y2)とから、「方法1」の前提条件(|Y2−Y1|≦|X2−X1|)を満足しているか否かを判断する。これは、触れられた指のX軸側の変位のほうが、Y軸側の変位よりも大きいか否かを判断するもので、この前提条件を満足している場合、指が左右方向に操作されていると判断される。
そして、この前提条件を満足した上で、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、右目領域RBの左側(Xa≦X1≦(Xa+Xb)/2,Ya≦Y1≦Yb)から、右側((Xa+Xb)/2<X2≦Xb,Ya≦Y2≦Yb)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(受信FAX画像)が拡大されるように調整される。
一方、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、右目領域RBの右側((Xa+Xb)/2<X1≦Xb,Ya≦Y1≦Yb)から、左側(Xa≦X2≦(Xa+Xb)/2,Ya≦Y2≦Yb)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(受信FAX画像)が縮小されるように調整される。
これに対し、受信FAXデータの画像調整(画像の拡大又は縮小)を行う操作方法として、「方法2」が設定されている場合、MFP1は、まず、右目領域RBに対して最初に指が触れられた位置の座標(X1,Y1)と、最後に指が触れられた位置の座標(X2,Y2)とから、「方法2」の前提条件(|Y2−Y1|>|X2−X1|)を満足しているか否かを判断する。これは、触れられた指のY軸側の変位のほうが、X軸側の変位よりも大きいか否かを判断するもので、この前提条件を満足している場合、指が上下方向に操作されていると判断できる。
そして、この前提条件を満足した上で、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、右目領域RBの下側(Xa≦X1≦Xb,(Ya+Yb)/2<Y1≦Yb)から、上側(Xa≦X2≦Xb,Ya≦Y2≦(Ya+Yb)/2)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(受信FAX画像)が拡大されるように調整される。
一方、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、右目領域RBの上側(Xa≦X1≦Xb,Ya≦Y1≦(Ya+Yb)/2)から、下側(Xa≦X2≦Xb,(Ya+Yb)/2<Y2≦Yb)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(受信FAX画像)が縮小されるように調整される。
一方、図3(c)は、画像調整画面に表示される顔画像がユーザ以外の顔画像である場合に、画像調整(画像のスクロール)を行うための左目領域LBに対する指の操作方法を説明する説明図である。図3(c)に示すように、ユーザ以外の顔画像における左領域LBに割り当てられた画像調整(画像のスクロール)を行う場合においてタッチパネル17に触れられる指の操作方法としては、方法1のみである。なぜなら、画像のスクロールは、4方向(上方向、下方向、左方向、右方向)の調整が必要だからである。
MFP1は、まず、左目領域LBに対して最初に指が触れられた位置の座標(X1,Y1)と、最後に指が触れられた位置の座標(X2,Y2)とから、指が、左右方向に操作されたか、上下方向に操作されたかを判断する。指が、左右方向又は上下方向のどちらに操作されたかは、上述した右目領域RBに対する「方法1」の前提条件(|Y2−Y1|≦|X2−X1|)と、「方法2」の前提条件(|Y2−Y1|>|X2−X1|)に基づいて行う。
ここで、|Y2−Y1|≦|X2−X1|という前提条件を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの左側(Xc≦X1≦(Xc+Xd)/2,Yc≦Y1≦Yd)から、右側((Xc+Xd)/2<X2≦Xd,Yc≦Y2≦Yc)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(受信FAX画像)が右方向にスクロールされるように調整される。
また、同前提条件(|Y2−Y1|≦|X2−X1|)を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの右側((Xc+Xd)/2<X1≦Xd,Yc≦Y1≦Yd)から、左側(Xc≦X2≦(Xc+Xd)/2,Yc≦Y2≦Yd)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(受信FAX画像)が左方向にスクロールされるように調整される。
一方で、|Y2−Y1|>|X2−X1|という前提条件を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの下側(Xc≦X1≦Xd,(Yc+Yd)/2<Y1≦Yd)から、上側(Xc≦X2≦Xd,Yc≦Y2≦(Yc+Yd)/2)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(受信FAX画像)が上方向にスクロールされるように調整される。
また、同前提条件(|Y2−Y1|>|X2−X1|)を満足した上で、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの上側(Xc≦X1≦Xd,Yc≦Y1≦(Yc+Yd)/2)から、下側(Xc≦X2≦Xd,(Yc+Yd)/2<Y2≦Yd)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(受信FAX画像)が下方向にスクロールされるように調整される。
なお、画像調整画面に表示される顔画像がユーザ本人である場合の、画像調整を行うための指の操作方法についての図示は省略するが、ユーザ本人の顔画像における右目領域RBに割り当てられた画像調整(画像の拡大又は縮小)に対する操作方法としては、画像が受信FAX画像から送信FAX画像に替わる以外は、上述した図3(b)の説明と同一である。
一方、ユーザ本人の顔画像における左目領域LBに割り当てられた画像調整(コントラスト補正)に対する操作方法としては、図3(c)において説明した画像のスクロールの場合と異なり、指を左右方向に操作する「方法1」と、指を上下方向に操作する「方法2」とが準備されている。どちらの方法によって画像調整(コントラスト補正)を行うかは、後述する登録処理(図7および図8参照)の中で、ユーザによって設定される。
まず、送信FAXデータの画像調整(コントラスト補正)を行う操作方法として、「方法1」が設定されている場合には、「方法1」の前提条件(|Y2−Y1|≦|X2−X1)を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの左側(Xc≦X1≦(Xc+Xd)/2,Yc≦Y1≦Yd)から、右側((Xc+Xd)/2<X2≦Xd,Yc≦Y2≦Yc)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(送信FAX画像)のコントラストが高くなるように調整される。
これに対し、同前提条件(|Y2−Y1|≦|X2−X1|)を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの右側((Xc+Xd)/2<X1≦Xd,Yc≦Y1≦Yd)から、左側(Xc≦X2≦(Xc+Xd)/2,Yc≦Y2≦Yd)に移動する操作が行われた場合、そのX軸方向の移動距離(|X2−X1|)に応じて画像(送信FAX画像)のコントラストが低くなるように調整される。
一方で、送信FAXデータの画像調整(コントラスト補正)を行う操作方法として、「方法2」が設定されている場合には、「方法2」の前提条件(|Y2−Y1|>|X2−X1|)を満足した上で、左目領域LBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの下側(Xc≦X1≦Xd,(Yc+Yd)/2<Y1≦Yd)から、上側(Xc≦X2≦Xd,Yc≦Y2≦(Yc+Yd)/2)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(送信FAX画像)のコントラストが高くなるように調整される。
これに対し、同前提条件(|Y2−Y1|>|X2−X1|)を満足した上で、右目領域RBに対して指が触れられた位置が、左目領域LBの上側(Xc≦X1≦Xd,Yc≦Y1≦(Yc+Yd)/2)から、下側(Xc≦X2≦Xd,(Yc+Yd)/2<Y2≦Yd)に移動する操作が行われた場合、そのY軸方向の移動距離(|Y2−Y1|)に応じて画像(送信FAX画像)のコントラストが低くなるように調整される。
次いで、図4を参照して、電話帳メモリ12cの詳細について説明する。図4は、電話帳メモリ12cの内容の一例を模式的に示した模式図である。
図4に示すように、この電話帳メモリ12cには、登録対象(ユーザ本人、ユーザ以外の相手)毎に、基本情報として、まず、登録対象とする相手の「名前」、「電話番号」、及び「ファクシミリ番号」が格納されている。この「名前」、「電話番号」、及び「ファクシミリ番号」は登録対象に応じて、任意の文字列または数値列が格納される。なお、電話帳メモリ12cに格納されている登録対象毎の情報は、この登録対象の名前もしくは電話番号によって検索される。
また、電話帳メモリ12cには、登録対象毎に、画像調整画面に表示する顔画像の「画像ファイル名」と「画像種類」とが格納されている。MFP1のファクシミリ機能による画像データの送受信を行う場合、MFP1は、この「画像ファイル名」を読み出すと共に、その画像ファイル名で示される画像ファイルを画像メモリ12bから読み出して、その画像ファイルの顔画像データに従って顔画像を表示する。
また、「画像種類」には、「顔:ユーザ以外」および「顔:ユーザ本人」のいずれかが格納され、「顔:ユーザ以外」の場合には、画像調整画面に表示する顔画像が受信FAXデータの送信元の相手であることを示し、「顔:ユーザ本人」の場合には、その顔画像がユーザ本人であることを示す。
さらに、電話帳メモリ12cには、登録対象毎に設定された「画像ファイル名」で示される顔画像の右目領域RBに関して、その領域に割り当てられる「調整対象」、その「領域の座標」として、左上の座標(Xa,Ya)および右下の座標(Xb,Yb)の値、右目領域RBによって画像調整(画像の拡大又は縮小)を行うための「操作方法」、および、「拡大縮小率」が、登録対象毎に「右目」の詳細項目として格納される。
「右目」の「調整対象」には、「拡大縮小」が格納され、右目領域RBには、画像の拡大又は縮小を調整する領域が対応付けられる。
「右目」の「領域の座標」(Xa,Xb,Ya,Yb)には、LCD16のLCDパネルに顔画像が表示された場合に、その画像において右目領域RBとして認識したい領域を触れたときに検出されるタッチパネル17上の座標の範囲が格納される。
「右目」の「操作方法」には、右目領域RBによる画像調整に対して設定された指の操作方法「方法1」もしくは「方法2」が格納される。ここで、「方法1」が格納される場合には、左右方向の指の操作に応じて、対応する画像調整が行われる。また、「方法2」が格納される場合には、上下方向の指の操作に応じて、対応する画像調整が行われる。
「右目」の「拡大縮小率」には、右目領域RBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりの拡大縮小率が格納される。
また、電話帳メモリ12cには、登録対象毎に設定された「画像ファイル名」で示される顔画像の左目領域LBに関しても、その領域に割り当てられる「調整対象」、その「領域の座標」として、左上の座標(Xc,Yd)および右下の座標(Xc,Yd)の値、左目領域LBによって画像調整を行うための「操作方法」、および、「スクロール量」又は「コントラスト補正量」が、登録対象毎に「左目」の詳細項目として格納される。
ここで、「左目」の「調整対象」には、「画像種類」が「顔:ユーザ以外」の場合に「スクロール」が格納され、左目領域LBには、画像のスクロールを行うための領域が対応付けられる。また、「画像種類」が「顔:ユーザ本人」の場合に「コントラスト」が格納され、左目領域LBには、画像のコントラストを補正するための領域が対応付けられる。
また、「スクロール量」は、「画像種類」が「顔:ユーザ以外」である場合に電話帳メモリ12cに格納される項目であり、左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのスクロール量が格納される。
一方、「コントラスト補正量」は、「画像種類」が「顔:ユーザ本人」である場合に電話帳メモリ12cに格納される項目であり、左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのコントラスト補正量が格納される。
なお、「左目」に対するその他の各項目の詳細については、右目領域RBに関するものと同じであるため、その説明を省略する。
次いで、図5及び図6を参照して、顔画像に対する画像調整の手順を登録するための登録画面の詳細について説明する。図5は、顔画像として、予め画像メモリ12bに準備されたユーザ以外用の顔画像データが選択された場合に、その顔画像の右目領域RBによって画像調整(画像の拡大又は縮小)を行うための操作方法と、右目領域RBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりの拡大縮小率を設定するための登録画面の一例を示したイメージ図である。また、図6は、顔画像として、予め画像メモリ12bに準備されたユーザ以外用の顔画像データが選択された場合に、その顔画像の左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのスクロール量を設定するための登録画面の一例を示したイメージ図である。
顔画像として、予め画像メモリ12bに準備されたユーザ以外用の顔画像データが選択されると、図5(a)に示すように、選択されたユーザ以外用の顔画像IaがLCD16に表示されると共に、画像調整(拡大縮小)に対する設定を行うために「右目」をタッチするように促すメッセージを表示する。また、予め画像メモリ12bに準備された顔画像と併せて格納された右目領域RBの座標を基に、その右目領域RBの位置に、右目ボタンBT1を設ける。
MFP1は、右目ボタンBT1が指で触れられたと判断すると、右目ボタンBT1の座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納して、図5(b)の画面に移行する。
なお、顔画像として、メモリカード14aやスキャナ20から読み込んだユーザ以外の顔画像を選択した場合には、図5(a)の画面に代えて、右目領域RBを設定するように促す画面を表示する。そして、MFP1は、右目領域RBが指によって触れられて入力されたと判断すると、その入力された右目領域RBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納して、図5(b)の画面に移行する。
図5(b)の画面は、画像調整(この場合は、画像の拡大又は縮小)を行うための操作方法を設定する画面であり、ユーザ以外の顔画像Ia、縦スライドボタンBT2、横スライドボタンBT3、及び、画像調整を行う操作方法の選択を促すメッセージを表示する。MFP1は、横スライドボタンBT3が指で触れられたと判断すると、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」(図4参照)に「方法1」を格納して、図5(c)の画面に移行する。これにより、画像調整画面において、ユーザが指を右目領域RBに対して左右方向に操作することによって、画像調整(画像の拡大又は縮小)が行われる。
また、MFP1は、縦スライドボタンBT2が指で触れられたと判断すると、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」(図4参照)に「方法2」を格納して、図5(c)の画面に移行する。これにより、画像調整画面において、ユーザが指を右目領域RBに対して上下方向に操作することによって、画像調整(
図5(c)の画面は、右目領域RBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりの拡大縮小率を設定する画面であり、ユーザ以外の顔画像Ia、縦スライド状の単位量設定ボタンBT4、上限の拡大縮小率、下限の拡大縮小率、及び、決定ボタンBT6を表示する。なお、設定される拡大縮小率は、デフォルトで「10%」に設定される。
MFP1は、この画面において、単位量設定ボタンBT4が指で下から上に操作されたと判断すると、その操作にあわせて、拡大縮小率を大きくすると共に、その値をRAM13に保存する。一方、単位量設定ボタンBT4が指で上から下に操作されたと判断すると、その操作にあわせて、拡大縮小率を小さくし、その値をRAM13に保存する。そして、決定ボタンBT6に指が触れられたと判断すると、図5(d)の画面に移行する。
図5(d)の画面は、拡大縮小率の設定確認を行う画面であり、単位量設定ボタンBT4、拡大縮小率、「はい」ボタンBT7、「いいえ」ボタンBT8、及び、拡大縮小率の設定確認を促すメッセージを表示する。なお、この画面では、単位量設定ボタンBT4は無効化されている。
MFP1は、この画面において、「いいえ」ボタンBT7が指で触れられたと判断すると、図5(c)の画面に戻り、拡大縮小率を設定する画面が再び表示される。また、「はい」ボタンBT7が指で触れられたと判断すると、RAM13に格納された拡大縮小率を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「拡大縮小率」(図4参照)に格納する。そして、左目領域LBに対して割り当てる画像調整領域に関する登録画面として、図6(a)の画面を表示する。
図6(a)に示すように、左目領域LBに対して割り当てる画像調整領域に関する登録画面には、まず、ユーザ以外の顔画像Ia、画像調整(スクロール)に対する設定を行うために「左目」をタッチするように促すメッセージを表示する。また、予め画像メモリ12bに準備された顔画像と併せて格納された左目領域LBの座標を基に、その左目領域LBの位置に、左目ボタンBT11を設ける。
MFP1は、左目ボタンBT11が指で触れられたと判断すると、左目ボタンBT11の座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」(図4参照)に「スクロール」を格納する。さらに、上述したように、画像をスクロールさせる場合の操作方法は方法1のみであるので、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「操作方法」(図4参照)に「方法1」を格納して、図6(b)の画面に移行する。
なお、顔画像として、メモリカード14aやスキャナ20から読み込んだユーザ以外の顔画像を選択した場合には、図6(a)の画面に代えて、左目領域LBを設定するように促す画面を表示する。そして、MFP1は、左目領域LBが指によって触れられて入力されたと判断すると、その入力された左目領域LBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」及び「操作方法」(図4参照)に、それぞれ、「スクロール」及び「方法1」を格納して、図6(b)の画面に移行する。
図6(b)の画面は、左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのスクロール量を設定する画面であり、ユーザ以外の顔画像Ia、縦スライド状の単位量設定ボタンBT14、上限のスクロール量、下限のスクロール量、及び、決定ボタンBT16を表示する。なお、設定されるスクロール量は、デフォルトで「5」に設定される。
MFP1は、この画面において、単位量設定ボタンBT14が指で下から上に操作されたと判断すると、その操作にあわせて、スクロール量を大きくすると共に、その値をRAM13に保存する。一方、単位量設定ボタンBT14が指で上から下に操作されたと判断すると、その操作にあわせて、スクロール量を小さくし、その値をRAM13に保存する。そして、決定ボタンBT16に指が触れられたと判断すると、図6(c)の画面に移行する。
図6(c)の画面は、スクロール量の設定確認を行う画面であり、単位量設定ボタンBT14、スクロール量、「はい」ボタンBT17、「いいえ」ボタンBT18、及び、スクロール量の設定確認を促すメッセージを表示する。なお、この画面では、単位量設定ボタンBT14は無効化されている。
MFP1は、この画面において、「いいえ」ボタンBT17が指で触れられたと判断すると、図6(b)の画面に戻り、スクロール量を設定する画面が再び表示される。また、「はい」ボタンBT17が指で触れられたと判断すると、RAM13に格納されたスクロール量を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「スクロール量」(図4参照)に格納する。
このように、本実施形態によれば、タッチパネル方式によって画像調整を行うための領域(右目領域RB又は左目領域LB)を指定することができる。よって、登録画面に表示された顔画像を見ながら、画像調整を行うための領域を容易に指定することができる。
また、登録画面に表示された顔画像に対し、画像調整を行うための領域と、該領域に対する操作内容(操作方法、及び、触れた指の移動距離の単位長さあたりの変更量)とを必要に応じて設定できるので、ユーザは、画像調整を行う際に、直感的に画像調整を行うことができる。そして、そのように画像調整を行うための領域を必要に応じて設定した顔画像を利用することにより、ユーザは、画像調整を行う際に、設定した領域及びその領域に対する操作方法(即ち、その領域に対して設定すべき位置の変位(方向及び量))と、画像調整との対応が付け易く、操作に対する困難性が抑制される。
なお、図5及び図6では、顔画像として、予め画像メモリ12bに準備されたユーザ以外用の顔画像データが選択された場合について説明したが、ユーザ本人の顔画像データが顔画像として選択される場合も同様に、顔画像に対する画像調整の手順を登録することができる。
具体的には、ユーザ本人の顔画像データが顔画像として選択される場合には、顔画像の右目領域RBに割り当てられている画像調整(画像の拡大又は縮小)の手順については、LCD16に表示される顔画像が、ユーザ本人のものになること以外は、図5のイメージ図と同一である。
一方、ユーザ本人の顔画像の右目領域LBに割り当てられている画像調整(コントラスト補正)の手順を登録する場合には、図5に示すイメージ図において、顔画像をユーザ本人の顔画像にすると共に、「拡大縮小」及び「拡大縮小率」を、それぞれ、「コントラスト補正」および「コントラスト補正量」に変更する。
よって、ユーザ本人の顔画像データが顔画像として選択された場合には、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手(即ち、ユーザ本人)に対応する「左目」の「調整対象」(図4参照)には「コントラスト補正」が格納され、「コントラスト補正量」には、設定及び確定されたコントラスト補正量が格納される。
次いで、図7および図8を参照して、MFP1のCPU11で実行される登録処理について説明する。図7および図8は、MFP1において実行される登録処理を示すフローチャートである。この登録処理は、画像調整画面に表示する顔画像を登録すると共に、その画像に対して画像調整を行うための領域の対応付けを行う処理である。この処理は、操作キー15の操作によって、ユーザから画像調整画面に表示する顔画像の登録の指示が行われた場合に、開始される。
この登録処理では、まず、登録対象の人物(登録対象とする人物の顔画像)が、電話帳メモリ12cから選択されたか否か、若しくは、操作キー15によってその人物の名前が入力されたか否かを判断する(S1)。ここで、電話帳メモリ12cからの選択も、操作キー15からの入力もされていないと判断される場合には(S1:No)、S1の処理を再び実行する。これにより、電話帳メモリ12cからの選択、若しくは、操作キー15からの入力が行われるまで、処理がウェイトされる。
そして、S1の処理の結果、登録対象の人物が、電話帳メモリ12cから選択された、若しくは、操作キー15からの入力が行われたと判断されると(S1:Yes)、続いて、登録すべき顔画像の画像データが選択されたか否かを判断する(S2)。ここで、登録すべき顔画像の画像データが選択されていないと判断される場合には(S2:No)、S2の処理を再び実行する。これにより、登録すべき顔画像の画像データが選択されるまで、処理がウェイトされる。
そして、S2の処理の結果、登録すべき顔画像の画像データが選択されると(S2:Yes)、その選択された画像のファイル名を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「画像ファイル名」(図4参照)に格納した上で、次いで、その選択された画像が、予めMFP1の出荷時に画像メモリ12bに準備されていた顔画像であるか否かを判断する(S3)。
その結果、予め準備されていた顔画像であると判断される場合には(S3:Yes)、次に、その顔画像の画像データと併せて画像メモリ12bに格納された情報から、選択された顔画像が、ユーザ以外用のものであるか否かを判断する(S4)。
そして、選択された顔画像がユーザ以外用のものであると判断される場合(S4:Yes)、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「画像種類」(図4参照)に「顔:ユーザ以外」を格納した上で、「右目」をタッチするように促す画面(図5(a)参照)を表示する(S5)。
そして、「右目」(右目ボタンBT1)がタッチされたか否かを判断し(S6)、「右目」(右目ボタンBT1)がタッチされていないと判断される場合には(S6:No)、再びS6の処理を実行する。これにより、「右目」(右目ボタンBT1)がタッチされるまで、処理がウェイトされる。
そして、S6の処理の結果、「右目」(右目ボタンBT1)がタッチされたと判断される場合には(S6:Yes)、選択された顔画像の右目領域RBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納する。
そして、画像調整(画像の拡大又は縮小)に関する各種設定の登録画面(図5(b)〜(d)参照)を表示し、操作方法や拡大縮小率を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」、「拡大縮小率」に格納する(S7)。これにより、ユーザ以外の顔画像における右目領域RBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、受信FAX画像の拡大縮小)に関する各種設定とが完了する。
次いで、選択された顔画像を表示すると共に、「左目」をタッチするように促す画面(図6(a)参照)を表示する(S8)。そして、左目領域LBに割り当てられたボタン(左目ボタンBT11)がタッチされたか否かを判断し(S9)、そのボタンがタッチされていないと判断される場合には(S9:No)、再びS9の処理を実行する。これにより、左目領域LBに割り当てられたボタンがタッチされるまで、処理がウェイトされる。
そして、S9の処理の結果、左目領域LBに割り当てられたボタンがタッチされたと判断される場合には(S9:Yes)、選択された顔画像の左目領域LBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」(図4参照)に「スクロール」を格納する。
そして、画像調整(画像のスクロール)に関する各種設定の登録画面(図6(b),図6(c)参照)を表示し、スクロール量を受け付け、その値を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「スクロール量」に格納する(S10)。これにより、ユーザ以外の顔画像における左目領域LBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、受信FAX画像のスクロール)に関する各種設定とが完了する。S10の処理の後、S11の処理へ移行する。
一方、S4の処理の結果、選択された顔画像がユーザ以外用のものでない、即ちユーザ本人用のものであると判断される場合(S4:No)、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「画像種類」(図4参照)に「顔:ユーザ本人」を格納した上で、S5の処理と同様に、「右目」をタッチするように促す画面を表示する(S12)。
そして、右目領域RBに割り当てられたボタンがタッチされたか否かを判断し(S13)、そのボタンがタッチされていないと判断される場合には(S13:No)、再びS11の処理を実行する。これにより、右目領域RBに割り当てられたボタンがタッチされるまで、処理がウェイトされる。
そして、S13の処理の結果、右目領域RBに割り当てられたボタンがタッチされたと判断される場合には(S13:Yes)、選択された顔画像の右目領域RBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納する。
そして、画像調整(画像の拡大又は縮小)に関する各種設定の登録画面を表示し、操作方法や拡大縮小率を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」、「拡大縮小率」に格納する(S14)。これにより、ユーザ本人の顔画像における右目領域RBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、送信FAX画像の拡大縮小)に関する各種設定とが完了する。
次いで、S8の処理と同様に、「左目」をタッチするように促す画面を表示する(S15)。そして、左目領域LBに割り当てられたボタンがタッチされたか否かを判断し(S16)、そのボタンがタッチされていないと判断される場合には(S16:No)、再びS16の処理を実行する。これにより、左目領域LBに割り当てられたボタンがタッチされるまで、処理がウェイトされる。
そして、S16の処理の結果、左目領域LBに割り当てられたボタンがタッチされたと判断される場合には(S16:Yes)、選択された顔画像の左目領域LBの座標を、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」(図4参照)に「コントラスト補正」を格納する。
そして、画像調整(画像のコントラスト補正)に関する各種設定の登録画面を表示し、操作方法やコントラスト補正量を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「操作方法」、「コントラスト補正量」に格納する(S17)。これにより、ユーザ本人の顔画像における左目領域LBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、送信FAX画像のコントラスト補正)に関する各種設定とが完了する。S17の処理の後、S11の処理へ移行する。
これに対し、S3の処理の結果、選択された顔画像が、予めMFP1の出荷時に画像メモリ12bに準備されていた顔画像ではなく、他から(例えば、メモリカード14aやスキャナ20)から取り込んだ画像であると判断される場合には(S3:No)、図8のS18の処理へ移行する。
図8のS18の処理では、選択された顔画像が、ユーザ以外であるか、ユーザ本人であるかを選択させる画面を表示する。そしてS18の処理の選択結果に基づき、選択された顔画像が、ユーザ以外であるか否かを判断する(S19)。その結果、選択された顔画像がユーザ以外であると判断される場合には(S19:Yes)、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「画像種類」(図4参照)に「顔:ユーザ以外」を格納した上で、その顔画像に対して、右目領域RBを設定させる画像を表示する(S20)。
そして、右目領域RBが入力されたか否かを判断し(S21)、入力されていないと判断される場合には(S21:No)、S21の処理を再度実行する。これにより、右目領域RBが入力されるまで、処理がウェイトされる。
一方、S21の処理の結果、右目領域RBが入力されたと判断されると(S21:Yes)、次いで、入力された領域の座標を抽出し、その領域を画像調整領域として受け付けて、その座標を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納する(S22)。
そして、画像調整(画像の拡大又は縮小)に関する各種設定の登録画面(図5(b)〜(d)参照)を表示し、操作方法や拡大縮小率を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」、「拡大縮小率」に格納する(S23)。これにより、ユーザ以外の顔画像における右目領域RBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、受信FAX画像の拡大縮小)に関する各種設定とが完了する。
次に、選択された顔画像に対して、左目領域LBを設定させる画像を表示する(S24)。そして、左目領域LBが入力されたか否かを判断し(S25)、入力されていないと判断される場合には(S25:No)、S25の処理を再度実行する。これにより、左目領域LBが入力されるまで、処理がウェイトされる。
一方、S25の処理の結果、左目領域LBが入力されたと判断されると(S25:Yes)、次いで、入力された領域の座標を抽出し、その領域を画像調整領域として受け付けて、その座標を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」(図4参照)に「スクロール」を格納する(S26)。
そして、画像調整(画像のスクロール)に関する各種設定の登録画面(図6(b),図6(c)参照)を表示し、スクロール量を受け付け、その値を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「スクロール量」に格納する(S27)。これにより、ユーザ以外の顔画像における左目領域LBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、受信FAX画像のスクロール)に関する各種設定とが完了する。S27の処理の後、図7のS11の処理へ移行する。
一方、図8のS19の処理で、選択された顔画像がユーザ以外でない、即ち、ユーザ本人であると判断される場合には(S19:No)、電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「画像種類」(図4参照)に「顔:ユーザ本人」を格納した上で、その顔画像に対して、右目領域RBを設定させる画像を表示する(S28)。
そして、右目領域RBが入力されたか否かを判断し(S29)、入力されていないと判断される場合には(S29:No)、S29の処理を再度実行する。これにより、右目領域RBが入力されるまで、処理がウェイトされる。
一方、S29の処理の結果、右目領域RBが入力されたと判断されると(S29:Yes)、次いで、入力された領域の座標を抽出し、その領域を画像調整領域として受け付けて、その座標を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「右目」の「調整対象」(図4参照)に「拡大縮小」を格納する(S30)。
画像調整(画像の拡大又は縮小)に関する各種設定の登録画面を表示し、操作方法や拡大縮小率を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「右目」の「操作方法」、「拡大縮小率」に格納する(S31)。これにより、ユーザ本人の顔画像における右目領域RBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、送信FAX画像の拡大縮小)に関する各種設定とが完了する。
次に、選択された顔画像に対して、左目領域LBを設定させる画像を表示する(S32)。そして、左目領域LBが入力されたか否かを判断し(S33)、入力されていないと判断される場合には(S33:No)、S33の処理を再度実行する。これにより、左目領域LBが入力されるまで、処理がウェイトされる。
一方、S33の処理の結果、左目領域LBが入力されたと判断されると(S33:Yes)、次いで、入力された領域の座標を抽出し、その領域を画像調整領域として受け付けて、その座標を電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「領域の座標」(図4参照)に格納すると共に、「左目」の「調整対象」(図4参照)に「コントラスト補正」を格納する(S33)。
そして、画像調整(画像のコントラスト補正)に関する各種設定の登録画面を表示し、操作方法やコントラスト補正量を受け付け、これらをそれぞれ電話帳メモリ12cに設けられた登録対象の相手に対応する「左目」の「操作方法」、「コントラスト補正量」に格納する(S35)。これにより、ユーザ本人の顔画像における左目領域LBに対する画像調整領域の対応付けと、その画像調整(即ち、送信FAX画像のコントラスト補正)に関する各種設定とが完了する。S35の処理の後、図7のS11の処理へ移行する。
図7のS11の処理では、別の登録対象の人物(登録対象とする別の人物の顔画像)が、電話帳メモリ12cから選択されたか否か、若しくは、操作キー15によってその人物の名前が入力されたか否かを判断する(S11)。そして、別の登録対象の人物が、電話帳メモリ12cから選択された、若しくは、操作キー15からの入力が行われたと判断される場合には(S11:Yes)、S2の処理に回帰し、再びS2〜S35の処理を実行する。
一方、S11の処理の結果、電話帳メモリ12cからの選択も、操作キー15からの入力もされていないと判断される場合には(S11:No)、この登録処理を終了する。
以上、この登録処理によって、受信FAX画像又は送信FAX画像の調整を行うための画像調整領域に対する操作方法を、ユーザ自身で設定できるため、ユーザは、画像調整画面が表示されたときに、ユーザの直観的な操作で、受信FAX画像又は送信FAX画像に対する画像調整を行うことができる。
また、メモリカード14aやスキャナ20などによって取り込んだ画像に対しても、画像調整領域を割り当てる右目領域RBや左目領域LBをユーザ自身で設定できるため、ユーザは、画像調整画面が表示されたときに、ユーザの直観的な操作で、受信FAX画像又は送信FAX画像に対する画像調整を行うことができる。
次いで、図9から図11を参照して、MFP1のCPU11で実行される受信FAX画像調整処理について説明する。図9は、MFP1において実行される受信FAX画像調整処理を示すフローチャートである。
この受信FAX画像調整処理は、LCD16に画像調整画面を表示し、その画面に対する指の操作内容に応じて、受信FAX画像に対する画像調整を行う処理である。この受信FAX画像調整処理は、操作キー15の操作によって、ユーザが外部装置200から受信FAX画像をLCD16に表示する場合に、開始される
受信FAX画像調整処理では、まず、画像調整画面に受信FAXデータ画像をLCD16の右画面16Rにサムネイル表示すると共に、受信FAXデータの送信元に対応する顔画像(即ち、ユーザ以外の顔画像)をLCD16の左画面16L表示する(S41)。なお、受信FAXデータの送信元に対応する顔画像は、受信FAXデータの送信元に対し、電話帳メモリ12cに格納された「画像ファイル名」(図4参照)を読み出し、そして、その画像ファイル名で示される画像ファイルを画像メモリ12bから読み出すことによって表示される。
次いで、受信FAXデータの送信元に対応する相手に対して、電話帳メモリ12cに格納された「右目」の「調整対象」、「領域の座標」、「操作方法」、「拡大縮小率」を読み出し、それぞれRAM13に記憶する(S42)。これにより、画像調整画面の顔画像に対して、「領域の座標」で定まる右目領域RBに、「調整対象」の内容(即ち、画像の拡大又は縮小)に従う画像調整領域が割り当てられる。また、「操作方法」によって、その右目領域RBによって画像調整を行う場合に指によって操作されるべき操作内容が決まり、「拡大縮小率」によって、右目領域RBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりの拡大縮小率が定まる。
また、受信FAXデータの送信元に対応する相手に対して、電話帳メモリ12cに格納された「左目」の「調整対象」、「領域の座標」、「操作方法」、「スクロール量」を読み出し、それぞれRAM13に記憶する(S43)。これにより、画像調整画面の顔画像に対して、「領域の座標」で定まる左目領域LBに、「調整対象」の内容(即ち、画像のスクロール)に従う画像調整領域が割り当てられる。また、「操作方法」によって、その左目領域LBによって画像調整を行う場合に指によって操作されるべき操作内容が決まり、「スクロール量」によって、左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのスクロール量が定まる。
S43の処理の後、タッチパネル17が指で触れられたか否かを判断する(S44)。そして、タッチパネル17が指で触れられたと判断される場合には(S44:Yes)、その指で触れられた領域がS42の処理で割り当てられた右目領域RBであるか否かを判断する(S45)。その結果、右目領域RBであると判断される場合には(S45:Yes)、後述する受信画像右目押下処理(図10参照)が実行され(S46)、S47の処理へ移行する。これにより、右目領域RBに対して割り当てられた画像調整領域および操作方法に応じた、受信FAX画像に対する画像調整(画像の拡大又は縮小)が行われる。
一方、S45の処理の結果、S44の処理において指で触れられた領域が右目領域RBでないと判断される場合(S45:No)には、S46の処理をスキップし、S47の処理へ移行する。
S47の処理では、S44の処理において指で触れられた領域が、S43の処理で割り当てられた左目領域LBであるか否かを判断する(S47)。その結果、左目領域LBであると判断される場合には(S47:Yes)、後述する受信画像左目押下処理(図11参照)が実行され(S48)、S49の処理へ移行する。これにより、左目領域LBに対して割り当てられた画像調整領域および操作方法に応じた、受信FAX画像に対する画像調整(画像のスクロール)が行われる。
一方、S47の処理の結果、S44の処理において指で触れられた領域が左目領域LBでないと判断される場合(S47:No)には、指で触れられた領域が画像調整領域ではないので、S48の処理をスキップし、S49の処理へ移行する。
また、S44の処理の結果、タッチパネル17が指で触れられていないと判断される場合もまた(S44:No)、S49の処理へ移行する。
S49の処理では、終了キー(操作キー15の一部)が押されたか否かを判断する(S49)。そして、終了キーが押されていない場合には(S49:No)、S44の処理へ回帰し、S44〜S49の処理が再び実行される。一方、S49の処理の結果、終了キーが押されたと判断される場合には(S49:Yes)、この受信FAX画像調整処理を終了する。
次いで、図10を参照して、上述した受信画像右目押下処理(S46)について説明する。図10は、図9の受信FAX画像調整処理の中で実行される受信画像右目押下処理(S46)を示すフローチャートである。
この受信画像右目押下処理(S46)では、まず、図9のS42の処理によってRAM13に記憶された情報から、右目領域RBに対する操作方法が、方法1であるか否かを判断する(S101)。この方法1は、図3(b)に示したように、画像調整領域(右目領域RB)に対して触れられた指が左右方向に操作された場合に、画像調整(画像の拡大又は縮小)を行うものである。
S101の処理の結果、操作方法が方法1であると判断される場合には(S101:Yes)、画像調整領域である右目領域RBに対して触れられた指が、左から右に操作されたか否かを、図3(b)に示した判定条件に従って判断する(S102)。そして、右目領域RBに対して触れられた指が、左から右に操作されたと判断される場合には(S102:Yes)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて拡大し(S103)、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
一方、S102の処理の結果、右目領域RBに対して触れられた指が、左から右に操作されていないと判断される場合には(S102:No)、右目領域RBに対して触れられた指が、右から左に操作されたか否かを、図3(b)に示した判定条件に従って判断する(S104)。そして、右目領域RBに対して触れられた指が、右から左に操作されたと判断される場合には(S104:Yes)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて縮小し(S105)、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
一方、S104の処理の結果、右目領域RBに対して触れられた指が、右から左に操作されていないと判断される場合(S104:No)、右目領域RB(画像調整領域)に対して触れられた指が左右方向に操作されていないと判断できるので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
これに対し、S101の処理の結果、操作方法が方法1でないと判断される場合には(S101:No)、操作方法が方法2であると判断できる。この方法2は、図3(b)に示したように、画像調整領域である右目領域RBに対して触れられた指が上下方向に操作された場合に、画像調整(画像の拡大又は縮小)を行うものである。
そこで、右目領域RBに対して触れられた指が、下から上に操作されたか否かを、図3(b)に示した判定条件に従って判断する(S106)。そして、右目領域RBに対して触れられた指が、下から上に操作されたと判断される場合には(S106:Yes)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて拡大し(S107)、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
一方、S106の処理の結果、右目領域RBに対して触れられた指が、下から上に操作されていないと判断される場合には(S106:No)、右目領域RBに対して触れられた指が、上から下に操作されたか否かを、図3(b)に示した判定条件に従って判断する(S108)。そして、右目領域RBに対して触れられた指が、上から下に操作されたと判断される場合(S108:Yes)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて縮小し(S109)、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
一方、S108の処理の結果、右目領域RBに対して触れられた指が、上から下に操作されていないと判断される場合(S108:No)、右目領域RB(画像調整領域)に対して触れられた指が上下方向に操作されていないと判断できるので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
次いで、図11を参照して、上述した受信画像左目押下処理(S48)について説明する。図11は、図9の受信FAX画像調整処理の中で実行される受信画像左押下処理(S48)を示すフローチャートである。
この受信画像左目押下処理(S48)では、まず、画像調整領域である左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件に従って判断する(S111)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されたと判断される場合には(S111:Yes)、スクロール可能範囲の下端に達しているか否かを確認する(S115)。
ここで、スクロール可能範囲の下端に達していない場合には(S115:No)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて下方向にスクロールする(S116)。なお、S116の処理によるスクロール中にスクロール可能範囲の下端に達した場合には、指の移動距離にかかわらず、スクロール可能範囲の下端にてスクロールを終了する。S116の処理後、この受信画像右目押下処理(S46)を終了する。
一方で、S115の処理の結果、スクロール可能範囲の下端に達している場合には(S115:Yes)、下方向へはそれ以上スクロールすることができないので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
また、S111の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されていないと判断される場合には(S111:No)、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件に従って判断する(S112)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されたと判断される場合には(S112:Yes)、スクロール可能範囲の上端に達しているか否かを確認する(S117)。
S117の処理の結果、スクロール可能範囲の上端に達していない場合には(S117:No)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて上方向にスクロールする(S118)。なお、S118の処理によるスクロール中にスクロール可能範囲の上端に達した場合には、指の移動距離にかかわらず、スクロール可能範囲の上端にてスクロールを終了する。S118の処理後、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
一方で、S117の処理の結果、スクロール可能範囲の上端に達している場合には(S117:Yes)、上方向へはそれ以上スクロールすることができないので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
また、S112の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されていないと判断される場合には(S112:No)、左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件に従って判断する(S113)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されたと判断される場合には(S113:Yes)、スクロール可能範囲の右端に達しているか否かを確認する(S119)。
S119の処理の結果、スクロール可能範囲の右端に達していない場合には(S119:No)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて右方向にスクロールする(S120)。なお、S120の処理によるスクロール中にスクロール可能範囲の右端に達した場合には、指の移動距離にかかわらず、スクロール可能範囲の右端にてスクロールを終了する。S120の処理後、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
一方で、S119の処理の結果、スクロール可能範囲の右端に達している場合には(S119:Yes)、右方向へはそれ以上スクロールすることができないので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
また、S113の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されていないと判断される場合には(S113:No)、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件に従って判断する(S114)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されたと判断される場合には(S114:Yes)、スクロール可能範囲の左端に達しているか否かを確認する(S121)。
S121の処理の結果、スクロール可能範囲の左端に達していない場合には(S121:No)、受信FAX画像を指の移動距離(変位量)に応じて左方向にスクロールする(S122)。なお、S122の処理によるスクロール中にスクロール可能範囲の左端に達した場合には、指の移動距離にかかわらず、スクロール可能範囲の左端にてスクロールを終了する。S122の処理後、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
一方で、S121の処理の結果、スクロール可能範囲の左端に達している場合には(S121:Yes)、左方向へはそれ以上スクロールすることができないので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
また、S114の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されていないと判断される場合には(S114:No)、左目領域LB(画像調整領域)に対して触れられた指が規定方向に操作されていないと判断できるので、受信FAX画像の状態を維持したまま、この受信画像左目押下処理(S48)を終了する。
以上、図9から図11の受信FAX画像調整処理によって、受信FAX画像の表示状態を、ユーザ以外の顔画像を用いて適宜調整することができる。よって、ユーザは、ユーザ以外の顔画像を用いた直感的な操作により、受信FAX画像の表示状態を自身が見易いとする状態に調整することができる。
次いで、図12及び図13を参照して、MFP1のCPU11で実行される送信FAX画像調整処理について説明する。図12は、MFP1において実行される送信FAX画像調整処理を示すフローチャートである。
この送信FAX画像調整処理は、LCD16に画像調整画面を表示し、その画面に対する指の操作内容に応じて、送信FAX画像に対する画像調整を行う処理である。この送信FAX画像調整処理は、操作キー15の操作によって、ユーザが送信FAX画像をLCD16に表示する場合に、開始される。
送信FAX画像調整処理では、まず、画像調整画面に送信FAXデータ画像をLCD16の右画面16Rにサムネイル表示すると共に、ユーザ本人の顔画像をLCD16の左画面16L表示する(S51)。
次いで、ユーザ本人に対して、電話帳メモリ12cに格納された「右目」の「調整対象」、「領域の座標」、「操作方法」、「拡大縮小率」を読み出し、それぞれRAM13に記憶する(S52)。これにより、画像調整画面の顔画像に対して、「領域の座標」で定まる右目領域RBに、「調整対象」の内容(即ち、画像の拡大又は縮小)に従う画像調整領域が割り当てられる。また、「操作方法」によって、その右目領域RBによって画像調整を行う場合に指によって操作されるべき操作内容が決まり、「拡大縮小率」によって、右目領域RBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりの拡大縮小率が定まる。
また、ユーザ本人に対して、電話帳メモリ12cに格納された「左目」の「調整対象」、「領域の座標」、「操作方法」、「コントラスト補正量」を読み出し、それぞれRAM13に記憶する(S53)。これにより、画像調整画面の顔画像に対して、「領域の座標」で定まる左目領域LBに、「調整対象」の内容(即ち、画像のコントラスト補正)に従う画像調整領域が割り当てられる。また、「操作方法」によって、その左目領域LBによって画像調整を行う場合に指によって操作されるべき操作内容が決まり、「コントラスト補正量」によって、左目領域LBに対して触れた指の移動距離の単位長さあたりのコントラスト補正量が定まる。
S53の処理の後、タッチパネル17が指で触れられたか否かを判断する(S54)。そして、タッチパネル17が指で触れられたと判断される場合には(S54:Yes)、その指で触れられた領域がS52の処理で割り当てられた右目領域RBであるか否かを判断する(S55)。
その結果、右目領域RBであると判断される場合には(S55:Yes)、送信画像右目押下処理が実行され(S56)、S57の処理へ移行する。これにより、右目領域RBに対して割り当てられた画像調整領域および操作方法に応じた、送信FAX画像に対する画像調整(画像の拡大又は縮小)が行われる。なお、この送信画像右目押下処理(S56)は、図10の受信画像右目押下処理(S46)における「受信FAX画像」を「送信FAX画像」に置き換えるだけの処理であるので、その図示及び説明は省略する。
一方、S55の処理の結果、S54の処理において指で触れられた領域が右目領域RBでないと判断される場合(S55:No)には、S56の処理をスキップし、S57の処理へ移行する。
S57の処理では、S54の処理において指で触れられた領域が、S53の処理で割り当てられた左目領域LBであるか否かを判断する(S57)。その結果、左目領域LBであると判断される場合には(S57:Yes)、後述する送信画像左目押下処理(図13参照)が実行され(S58)、S59の処理へ移行する。これにより、左目領域LBに対して割り当てられた画像調整領域および操作方法に応じた、送信FAX画像に対する画像調整(画像のコントラスト補正)が行われる。
一方、S57の処理の結果、S54の処理において指で触れられた領域が左目領域LBでないと判断される場合(S57:No)には、指で触れられた領域が左目領域LBではないので、S58の処理をスキップし、S59の処理へ移行する。
また、S54の処理の結果、タッチパネル17が指で触れられていないと判断される場合もまた(S54:No)、S59の処理へ移行する。
S59の処理では、操作キー15の一部である終了キーが押されたか否かを判断する(S59)。そして、終了キーが押されていない場合には(S59:No)、S54の処理へ回帰し、S54〜S59の処理が再び実行される。
一方、S59の処理の結果、終了キーが押されたと判断される場合には(S59:Yes)、画像サイズ及びコントラストを、ユーザ本人の顔画像における右目領域RB及び左目領域LBを用いて調整された値に書き換えた送信FAXデータをRAM13に記憶し(S60)、この送信FAX画像調整処理を終了する。
なお、この送信FAX画像調整処理を終了後、ユーザ操作によって、送信FAXデータの送信先の指定、及び、送信キー(操作キー15の一部)の操作が行われると、S60の処理によりRAM13に記憶された送信FAXデータ、即ち、送信FAX画像調整処理の結果として画像調整された送信FAXデータが、指定された送信先へ送信される。
次いで、図13を参照して、上述した送信画像左目押下処理(S58)について説明する。図13は、図12の送信FAX画像調整処理の中で実行される受信画像左目押下処理(S58)を示すフローチャートである。
この送信画像左目押下処理(S48)では、まず、図12のS53の処理によってRAM13に記憶された情報から、左目領域LBに対する操作方法が、方法1であるか否かを判断する(S131)。この方法1は、画像調整領域(左目領域LB)に対して触れられた指が左右方向に操作された場合に、画像調整(画像のコントラスト補正)を行うものである。
S131の処理の結果、操作方法が方法1であると判断される場合には(S131:Yes)、画像調整領域である左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されたか否かを、図3(c)に示した方法1の判定条件と同一の判定条件に従って判断する(S132)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されたと判断される場合には(S132:Yes)、送信FAX画像のコントラストを指の移動距離(変位量)に応じて高くし(S133)、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
一方、S132の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、左から右に操作されていないと判断される場合には(S132:No)、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されたか否かを、図3(c)に示した方法1の判定条件と同一の判定条件に従って判断する(S134)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されたと判断される場合には(S134:Yes)、送信FAX画像のコントラストを指の移動距離(変位量)に応じて低くし(S135)、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
一方、S134の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、右から左に操作されていないと判断される場合(S134:No)、左目領域LB(画像調整領域)に対して触れられた指が左右方向に操作されていないと判断できるので、送信FAX画像の状態を維持したまま、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
これに対し、S131の処理の結果、操作方法が方法1でないと判断される場合には(S131:No)、操作方法が方法2であると判断できる。この方法2は、画像調整領域である左目領域LBに対して触れられた指が上下方向に操作された場合に、画像調整(画像のコントラスト補正)を行うものである。
そこで、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件と同一の判定条件に従って判断する(S136)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されたと判断される場合には(S136:Yes)、送信FAX画像のコントラストを指の移動距離(変位量)に応じて高くし(S137)、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
一方、S136の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、下から上に操作されていないと判断される場合には(S136:No)、左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されたか否かを、図3(c)に示した判定条件と同一の判定条件に従って判断する(S138)。そして、左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されたと判断される場合(S138:Yes)、送信FAX画像のコントラストを指の移動距離(変位量)に応じて低くし(S139)、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
一方、S138の処理の結果、左目領域LBに対して触れられた指が、上から下に操作されていないと判断される場合(S138:No)、左目領域LB(画像調整領域)に対して触れられた指が上下方向に操作されていないと判断できるので、送信FAX画像の状態を維持したまま、この送信画像左目押下処理(S58)を終了する。
以上、図12及び図13の送信FAX画像調整処理によって、送信FAX画像の表示状態を、ユーザ本人の顔画像を用いて適宜調整することができる。よって、ユーザは、ユーザ本人の顔画像を用いた直感的な操作により、送信FAX画像の表示状態を自身が見易いとする状態に調整することができる。
また、送信FAXデータを実際に送信する前に、ユーザ本人の顔画像を用いて画像調整された送信FAXデータを送信することができるので、良好な状態の画像データ(送信FAXデータ)を送信先の相手へ送信することができる。
以上、本実施形態によれば、受信FAXデータの送信元となり得るユーザ以外の顔画像に対し、受信FAX画像の表示状態を調整する領域を割り当てることができ、送信FAXデータの送信元となるユーザ本人の顔画像に対し、送信FAX画像の表示状態を調整する領域を割り当てることができる。即ち、調整対象とする画像(受信FAX画像又は送信FAX画像)の表示状態を調整するための領域を、指示対象とする顔画像がユーザ本人のものであるか、ユーザ以外のものであるかに応じて割り当てることができる。よって、その内容に応じて領域を割り当てた顔画像を利用して、調整対象とする画像に対する画像調整を行うことができるので、ユーザは、直感的な画像調整行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、画像調整画面に表示された顔画像内における画像調整を行うために割り当てられた領域(本実施形態では、右目領域RB及び左目領域LB)に対して、タッチパネル17に触れられた指の移動(変位)に合わせて、調整対象とする画像(受信FAX画像又は送信FAX画像)に対する画像調整を行うことができる。このように、画像調整を行うために割り当てられた領域に対し、外部から指定された位置の変位に合わせて、調整対象とする画像に対する画像調整を行うことができるので、ユーザは、画像調整を行う際に、所望の調整量(パラメータの増加量又は減少量)を直感的に指示することができる。
また、本実施形態によれば、受信FAX画像又は送信FAX画像に対する画像調整を行うための領域として、顔画像における「目(より具体的には、右目及び左目)」を割り当てている。ここで、「目」は視覚的なものを連想させる部位であるので、顔画像における「目」から、「調整対象とする画像(受信FAX画像又は送信FAX画像)に対する画像調整」を、ユーザに連想させることは容易である。従って、ユーザは、表示された顔画像を用いて、直感的に、外部装置200とやり取りする画像データの内容を示す画像(即ち、受信FAX画像又は送信FAX画像)に対する画像調整(即ち、画像の表示状態の調整)を行うことができる。
さらに、本実施形態によれば、顔画像における「右目」及び「左目」に対し、それぞれ、異なる種類の画像調整(例えば、画像の拡大又は縮小、及び、画像のスクロール)を行うための領域を割り当てている。このように、互いに関連する部位を含む領域を、画像調整を行うための領域とし、それぞれに対して異なる画像調整を行うことができるので、ユーザは、2種類の画像調整を行うことのできる領域を直感的に把握できる。
次いで、図14を参照して、第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、MFP1のLCD16に表示された画像調整画面を用いて、MFP1が電話回線網100を介して外部装置200から受信した受信FAXデータに対する受信FAX画像、又は、外部装置200へ送信する送信FAXデータに対する送信FAX画像に対する調整を行う場合について説明した。
これに対し、第2実施形態では、MFP300に接続されたPC400のLCD416に画像調整画面を表示し、かかる画像調整画面を用いて、MFP300が電話回線網100を介して外部装置200から受信した受信FAXデータに対する受信FAX画像、又は、外部装置200へ送信する送信FAXデータに対する送信FAX画像に対する画像調整を行うことができるように構成されている。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図14は、第2実施形態における画像調整システムTの電気的構成を示したブロック図である。この画像調整システムTは、MFP300とPC400とによって構成されている。なお、この第2実施形態におけるMFP300において、第1実施形態におけるMFP1と相違する点は、MFP300にPC400を通信可能に接続するためのインターフェイス331が設けられている点である。
一方、PC400は、CPU411、ROM(Read Only Memory)412、RAM413、ハードディスク414、計時回路415、インターフェイス420を主に有しており、CPU411、ROM412、RAM413は、バスライン421を介して互いに接続されている。また、ハードディスク414、計時回路415、インテーフェイス420、バスライン421は、入出力ポート422を介して互いに接続されている。更に、入出力ポート422には、LCD416、タッチペン417が接続され、これらとPC400の各部との間でデータの送受信が行われる。
CPU411は、ROM412やハードディスク414に記憶されているプログラム、あるいは入出力ポートに接続された各部からの制御信号に従って、PC400の動作を制御する演算装置である。
ROM412は、書換え不可能な不揮発性のメモリであり、CPU411により実行される各種の制御プログラムや、その他、固定値データが記憶されている。RAM413は、書換え可能な揮発性のメモリであり、PC400の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。
ハードディスク414は、書換え可能な不揮発性のメモリであり、CPU411によって実行される制御プログラム414a、画像メモリ414b、電話帳メモリ414cを有する。制御プログラム414aは、第1実施形態においてMFP1により実行された図9から図13に相当する処理を実行するプログラムである。更に、画像メモリ414bおよび電話帳メモリ414cは、それぞれ上記各実施形態のMFP1のEEPROM12に格納された画像メモリ12bおよび電話帳メモリ12cと同一のものである。
よって、CPU411が図9及び図10に図示されたフローチャートのプログラムを実行することにより、画像調整画面に表示される画像や、その画面における画像調整領域の登録を行うことができる。また、CPU411が、図11〜図13に図示されたフローチャートのプログラムを実行することにより、MFP300が電話回線網100を介して外部装置200から受信した受信FAXデータに対する受信FAX画像、又は、外部装置200へ送信する送信FAXデータに対する送信FAX画像に対する画像調整を、ユーザの直感的に行うことができる。
計時回路415は、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路である。また、インターフェイス420は、PC400にMFP300を接続し、MFP300との間で各種データの送受信を行うものである。
LCD416は、LCDパネル(図示せず)を備え、そのLCDパネルに、タッチペン417の操作に応じてメニューや動作状態などを表示するための表示デバイスである。第1実施形態においてLCD16に表示された画像調整画面は、このLCD416によって表示される。
タッチペン417は、LCD416のLCDパネルに触れると、そのLCDパネル上の座標を検出してPC400に伝達する入力装置である。CPU411は、タッチパネル417によって検出された座標によって、例えば、LCD416に表示された画像調整画面の画像調整領域(右目領域RB、左目領域LB)に対して行われた操作内容を判断する。そして、画像調整領域に対し、その領域の操作方法に対応する操作が行われた場合に、受信FAX画像又は送信FAX画像の画像調整を行う。
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、所定の画像の内容に従って、所定の領域に画像調整を行う領域を割り当て、その領域を指定することによって画像調整を行うことができるので、ユーザはその画面を用いて直観的に受信FAX画像又は送信FAX画像に対する画像調整を行うことができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、画像調整を行うための領域を設定するための画像(指示対象とする画像)として、顔画像を用いたが、顔画像以外の写真画像や、絵画やキャラクタのグラフィックスなど種々の画像を利用する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、「目(より具体的には、右目及び左目)」を、画像調整を行うための領域として割り当てる構成としたが、他の部位を、画像調整を行うための領域として割り当てる構成としてもよい。種々の部分に対して画像調整を行うための領域を割り当て可能とすることにより、ユーザは、自分の好みに応じて画像調整を行うための領域を設定することが可能となる。
なお、この場合、指示対象とする画像内に含まれている一対又は一群をなす各部分(例えば、右目と左目、右手と左手、又は、両手の各指など)を、画像調整を行うための領域として割り当てることが好ましい。このように、一対又は一群をなす各部分を、画像調整を行うための領域として割り当てることにより、それらの互いに関連する各部分に対し、それぞれ異なる種類の画像調整を割り当てることができるので、複数種類の画像調整に対し、画像中のどの領域を指示すればいいかを直感的に把握させることが可能となり、操作の複雑化を抑制できる。
また、上記各実施形態では、登録画面に表示された顔画像に対し、画像調整を行うための領域と、該領域に対する操作内容(操作方法、及び、触れた指の移動距離の単位長さあたりの変更量)とを設定する構成としたが、画像調整を行うための領域のみを設定し、設定された領域に対する操作内容は予め決められた内容とされる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、右目領域RBと左目領域LBとに対し、それぞれ、予め決められた調整対象が設定される構成とした。例えば、ユーザ以外の顔画像の場合には、右目領域RBに対して設定される調整対象は「画像の拡大縮小」であり、左目領域LBに対して設定される調整対象は「画像のスクロール」であった。これに対し、右目領域RB又は左目領域LBに対し、必要に応じた調整対象が設定できる構成としてもよい。
例えば、調整対象の変更可能な画面を用意し、調整対象の変更を所望する領域(上記実施形態であれば、右目領域RB又は左目領域LB)をユーザに選択させると共に、その流域に対して設定することを所望する調整対象を指示することによって、画像調整を行うための領域に対して設定される調整対象を変更する。このように、調整対象を必要に応じて変更できる構成とすることにより、画像調整を行うための領域を用いて、ユーザの必要性に応じた画像調整を行うことができるので、画像調整に対するユーザにとっての有用性が向上する。
なお、受信FAX画像に対する画像調整の調整対象としては、上記各実施形態において例示した「画像の拡大縮小」及び「画像のスクロール」以外に、「画像のコントラスト補正」や、「画像のページ指定」や、「画像の明るさ補正」などが例示される。同様に、送信FAX画像に対する画像調整の調整対象としては、上記各実施形態において例示した「画像の拡大縮小」及び「画像のコントラスト補正」以外に、「画像の彩度補正」や、「画像の明るさ補正」などが例示される。
また、上記第1実施形態では、タッチパネル17を指で触れることによって、画像調整領域を操作する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、指示物を用いてタッチパネル17を触れることによって、各領域を操作してもよいし、タッチパネルに指示物などを近づけることで操作を行うようにしてもよい。