JP4582141B2 - 符号量制御装置、符号量制御方法、符号量制御プログラム、動画記録装置 - Google Patents

符号量制御装置、符号量制御方法、符号量制御プログラム、動画記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、動画記録装置に用いて好適な符号量制御装置、符号量制御方法、符号量制御プログラム、及び動画記録装置に関するものである。
従来、例えば動画記録装置において、MPEG方式などの動画像圧縮技術により動画像を圧縮して記録する場合の符号量制御方法として、単位時間あたりの符号量を可変とするVBR(variable bit rate)方式が知られている。係る方式においては、動画像において変化が著しい部分のピクチャ、つまり情報量が多いピクチャにはより多くの符号量を使用し、かつ変化が乏しい部分のピクチャ、つまり情報量が少ないピクチャにはより少ない符号量を使用することによって、動画データの記憶量をいたずらに増やすことなく動画像の高画質化を図ることが可能である(例えば下記特許文献1参照)。
特開2004−297266号公報
しかしながら、上記のVBR方式によって符号量を制御する場合、各ピクチャの情報量に適した符号化を行うことができるメリットがある反面、単位時間当たりの符号量が変化するため、動画データを任意の記録媒体に記録しているときには、記録媒体の残量を知ることができても、例えば動画記録中に記録可能な動画像の残り時間を予測することが困難であるといった問題があった。
無論、係る問題は、符号量の制御を、VBR方式とは異なり単位時間あたりの符号量を一定に制御するCBR(constant bit rate)方式を採用する場合には生じない。しかし、その場合には、情報量が少ないピクチャの記録に不必要に多くの符号量が使用されたり、情報量が多いピクチャが少ない符号量で記録されたりする。そのため、動画像の高画質化を図ろうとすれば、動画データの記憶量がいたずらに増えてしまい、逆に動画データの記憶量を削減しようとすれば、動画像の画質が低下してしまうという別の問題があった。
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体への動画データの記録に際し、データ記録量をいたずらに増やすことなく動画像の高画質化を図ると同時に、記録可能な残り時間を得ることを可能とする符号量制御装置、符号量制御方法、符号量制御プログラム、及び動画記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、動画像の圧縮符号化に際し、圧縮符号化後の符号量を制御する符号量制御装置において、各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する設定手段と、この設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する補正手段と、この補正手段による所定の情報に基づく目標符号量の増加補正動作を、補正に伴う増加分に応じた符号量が仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合は行わせない制限手段と、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算するとともに、前記補正手段の補正による目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する蓄積量管理手段と前記補正手段の補正による目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する符号化手段と、を備え、前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った前記符号化手段による圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算することを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段は、前記所定の情報に基づき補正係数を決定し、決定した補正係数を前記設定手段により設定された目標符号量に乗じることにより当該目標符号量を増減することを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段は、前記所定の情報に基づき、圧縮符号化対象の画像が符号量を増加すべき画像であるか、又は符号量を削減すべき画像であるかを判断する判断手段と、この判断手段によって対象フレームの画像が符号量を増加すべき画像であると判断された場合には、予め決められている符号量増加用の補正係数を前記補正係数として設定するとともに、判断手段によって対象フレームの画像が符号量を削減すべき画像であると判断された場合には、予め決められている符号量削減用の補正係数を前記補正係数として設定する補正係数設定手段とを含むことを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記判断手段は、複数の前記所定の情報に基づき、圧縮符号化対象の画像が符号量を増加すべき画像であるか、又は符号量を削減すべき画像であるかを判断することを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像に関する画像情報が含まれることを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像の取得環境を示す環境情報が含まれることを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記符号化手段は、動き補償によるフレーム間予測技術を用いた符号化方式により各フレームの画像をフレーム内符号化画像及びフレーム間予測符号化画像として圧縮符号化し、前記補正手段は、前記フレーム間予測符号化画像に対して前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正することを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、前記符号化手段による直前フレームの画像の圧縮符号化時におけるフレーム間予測後の残差値が含まれることを特徴とする。
また、請求項記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段は、前記フレーム内符号化画像に対して前記設定手段により設定された目標符号量が所定の上限を超える場合に、前記設定手段により設定された目標符号量を前記上限の符号量に補正する規制手段を含むことを特徴とする。
また、請求項1記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記補正手段は、前記規制手段により規制される前記フレーム内符号化画像の目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する上限設定手段を含むことを特徴とする。
また、請求項1記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記上限設定手段が前記目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像に関する画像情報が含まれることを特徴とする。
また、請求項1記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記上限設定手段が前記目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像の取得環境を示す環境情報が含まれることを特徴とする。
また、請求項1記載の発明に係る符号量制御装置にあっては、前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正によるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の減少分に応じた符号量のみを、所定の蓄積量を上限として仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算するとともに、前記補正手段の補正によるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算し、前記制限手段は、前記補正手段におけるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加補正動作を制御し、前記補正手段による補正に伴うフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加分を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量以下に制限することを特徴とする。
また、請求項1記載の発明に係る符号量制御方法にあっては、符号化手段による動画像の圧縮符号化に際し、各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する工程と、設定した目標符号量を所定の情報に基づき補正する工程と、補正に伴う目標符号量の増加分に応じた符号量が、仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合には、前記補正を行わせない工程と、前記補正が目標符号量の減少である場合に、目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算する工程と、前記補正が目標符号量の増加である場合に、目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する工程と、前記補正された目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項1記載の発明にあっては、コンピュータに、動画像の圧縮符号化に際し、各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する機能と、設定した目標符号量を所定の情報に基づき補正する機能と、補正に伴う目標符号量の増加分に応じた符号量が、仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合には、前記補正を行わせない機能と、前記補正が目標符号量の減少である場合に、目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算する機能と、前記補正が目標符号量の増加である場合に、目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する機能と、前記補正された目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する機能と、を実現させるための符号量制御プログラムとした。
また、請求項16記載の発明に係る動画記録装置にあっては、動画像を撮影する撮影手段と、この撮影手段により撮影された動画像を構成する各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する設定手段と、この設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する補正手段と、この補正手段による所定の情報に基づく目標符号量の増加補正動作を、補正に伴う増加分に応じた符号量が仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合は行わせない制限手段と、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算するとともに、前記補正手段の補正による目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する蓄積量管理手段と、前記補正手段の補正による目標符号量に従って、前記撮影手段により撮影された動画像を構成する前記各フレームの画像を圧縮符号化する符号化手段と、この符号化手段により圧縮符号化された動画像を記録する記録手段と、を備え、前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った前記符号化手段による圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算することを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体への動画データの記録に際し、データ記録量をいたずらに増やすことなく動画像の高画質化を図ると同時に、記録可能な残り時間を得ることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明の符号量制御装置を含むディジタルビデオカメラ1の概略構成を示す図である。このディジタルビデオカメラ1は、被写体を撮影して得られる動画データを符号化してメモリ14(記録手段)に保存する装置である。
図に示したレンズ・アイリスブロック2は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを構成するレンズ群と、レンズ群を駆動するズーム機構及びフォーカス機構と、アイリス(絞り)機構などから構成され、各機構がCPU9の指令に基づき動作するとともに、被写体の光学像をCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3に結像させる。
撮像素子3は、被写体の光学像を所定のフレームレートで光電変換し画像信号としてAGC4へ出力する。AGC4はアナログゲインコントローラであり、入力した画像信号のゲインをCPU9の指令に基づき調整し、ADC5へ出力する。ADC5はアナログデジタルコンバータであり、入力した画像信号をディジタルの画像データへ変換しDGC6へ出力する。DGC6はデジタルゲインコントローラであり、入力した各フレームの画像データのゲインをCPU9の指令に基づき調整し、画像処理部7へ出力する。
画像処理部7は、入力したゲイン調整後の画像データ(ベイヤーデータ等)に対するガンマ補正、画素毎のR,G,Bの色成分データの生成、生成したRGBデータからYUVデータを生成するYUV変換等の種々の画像処理を行い、処理後のYUVデータを符号化器8とCPU9へ出力する。なお、本実施形態においては、各フレームの画像データの生成に不可欠なレンズ・アイリスブロック2から画像処理部7の各部により本発明の撮影手段が構成されている。
符号化器8は、画像処理部7から出力されたYUVデータ(以下、単に画像データと言う)を動き補償によるフレーム間予測技術を用いたMPEG方式に準拠する符号化方式により順次圧縮符号化し、符号化画像データを生成する本発明の符号化手段である。なお、図示しないが符号化器8は、動画像を構成する一連の画像データをIピクチャ(Intra-coded picture:フレーム内符号化画像)、Pピクチャ(Predictive-coded picture:順方向予測符号化画像)及びBピクチャ(Bi-directionally predictive coded picture:双方向予測符号化画像)として符号化するための、直交変換回路、量子化回路、動き検出回路、順方向予測回路、符号化回路、復号化回路、逆直交変換回路、フレームメモリ等から構成されている。
符号化器8により生成された符号化画像データは、最終的にはCPU9の指令に基づき前記メモリ14に記録される。なお、符号化器8における画像データの圧縮符号化処理の詳細については後述する。
CPU9にはROM10、RAM11、表示部12、操作部13が接続されている。表示部12はLCD及びLCDコントローラから構成されており、CPU9に入力した画像データは表示部12に送られ、LCDコントローラによってビデオ信号の変換された後、LCDにおいて被写体画像として表示される。操作部13は、ユーザーによるディジタルビデオカメラ1の操作を受け付けるためのズームキー等の各種の操作ボタン等により構成される。なお、本実施形態においてはズームキーを一定時間以上、継続して操作することにより、ズーム速度を低速から高速に自動的に着替えることができよう構成されている。
CPU9は、RAM11を作業メモリとして、ROM10に記憶されている本発明に係る符号量制御プログラムを含む種々のプログラムを実行することによりディジタルビデオカメラ1の各部を制御する。また、動画撮影時には前記アイリスの開度や、AGC4及びDGC6のゲインの調整による自動露出補正(AE)、画像データに基づいて前記フォーカスレンズを位置調整するコントラスト検出方式による自動焦点調整(AF)、画像処理部7にいて生成されるYUVデータの色成分の比率調整による自動白バランス調整(AWB)を行う。
ここで、CPU9による動画撮影時のAE制御について説明する。前記ディジタルビデオカメラ1には、測光モードとして平均測光、中央重点測光、スポット測光、マルチパターン測光といった複数の測光モードが用意されており、動画撮影時には、それらの中からユーザーが所望の測光モードを選択できるように構成されている。そして、動画撮影時のAE制御に際して、CPU9は、まず、順次取得される撮影画像の各々に、選択されている測光モードに応じて予め定められている1又は複数の評価領域を設定し、その領域の平均輝度情報から所定の露出評価値を取得する。以後、現在の取得画像の露出評価値と最終目標露出値の相違に基づき、その差分が小さくなるように次回の露出目標値(次回露出目標値)を調整するといった処理を繰り返し行うことにより、前記露出評価値を最終目標露出値に収束させることにより、適正露出を確保する。
なお、次回露出目標値の調整に際しては、
次回露出目標値 = 現取得画像の露出評価値 × Ek
Ek: 露出補正係数
とし、例えば「最終目標露出値 < 取得画像の露出評価値」の場合、両者の差分が大きい時には、露出補正係数Ekを小さな値(例えば0.90)に設定することにより露出調整を大胆に行って、露出評価値を最終目標露出値へ迅速に近づける。逆に、両者の差分が小さい時には、発散しないように露出補正係数Ekを大きな値(0.99)に設定し、露出調整幅を少なくする。
そして、動画撮影時にCPU9は、前記符号量制御プログラムに従い動作することにより、本発明の設定手段、補正手段(判断手段、補正係数設定手段、規制手段、上限設定手段を含む)、蓄積量管理手段、制限手段として機能し、前記符号化器8による画像データの圧縮符号化時における符号量制御を行う。
まず、符号量制御の概略について説明する。すなわちCPU9はCBR方式による制御(以下、CBR制御)を基本として、フレーム毎に単位時間内のビットレートを一定とする目標符号量を決定するとともに、その目標符号量を、決められた条件の下で必要に応じて増減制御する。
本実施形態においてCPU9が基本とする基本となるCBR制御は、MPEG−2 Test Model 5(以後、TM5と略す)方式における下記step1,2,3に従った制御である。
step1:各ピクチャの目標符号量を決定する
各フレームの画像データの符号化に先立ち、次式で定義したI,P,Bピクチャの複雑度xi,xp,xbを更新する。
xi = Si×Qi
xp = Sp×Qp
xb = Sb×Qb
Si :Iピクチャ発生符号量
Sp :Pピクチャ発生符号量
Sb :Bピクチャ発生符号量
Qi :Iピクチャ符号時の平均量子化パラメータ
Qp :Pピクチャ符号時の平均量子化パラメータ
Qb :Bピクチャ符号時の平均量子化パラメータ
この複雑度xi,xp,xbは、
符号化情報量が多く発生するような画像に対して大きくなる。
符号化情報量が小さく発生するような画像に対して小さくなる。
したがって、この複雑度は、これから符号化しようとする画像タイプ毎に、どの程度の情報量かを示す指標となる。ただし、この複雑度は実際に画像の符号化を行って得られる物である。
符号化開始時の初期値(init)は次式によって算出される。
xi(init) = 160×Bit-rate /115
xp(init) = 60×Bit-rate /115
xb(init) = 42×Bit-rate /115
Bit-rate :ビットレート(bps)
GOPの中のこれから符号化を行う画像の目標ビット数Ti,Tp,Tbは次式で求める。
Ti = Rest/(1+NpXp/(XiKp)+Nbxb/(XiKb))
Tp = Rest/(Np+NbKpXb/(KbXp))
Tb = Rest/(Nb+NpKbXp/(KpXb))
Kp :調整用係数 Kp=1.0
Kb :調整用係数 Kb=1.4
Np : GOP内の未符号化枚数(Pピクチャ)
Nb : GOP内の未符号化枚数(Bピクチャ)
Rest :残りGOPに与えられた残りのビット数
この目標ビット数は、
GOPの残りのビット数(以下、rest)を、残りの枚数の自分のピクチャタイプに換算したもので割った値である。GOP中のまだ符号化していない画像のすべてが、これから符号化しようとする自分のピクチャタイプであると仮定したときの、1フレームあたりに与える事が可能なビット数(目標符号量)を示している。
step2:フレーム内の量子化ステップを求める
これから符号化しようとしている画像に対する目標符号量(Ti,Tp,Tb)と実際に発生したMB(マクロブロック)毎の符号量の差を基にMB単位でQP(量子化パラメータ)を制御する。
実際の発生符号量が、
・目標より大きい場合はQPを大きく(量子化値を大きくすることにより発生符号量を削減)
・目標より小さい場合はQPを小さく
する。
j番目のMBの符号化の前にI,P,Bフレームに対する仮想的なバッファ(以下、仮想バッファ)の充満度を次式で計算する。
di(j) = di(O)+B(j−1)−Ti×(j−1)/MB-cnt
dp(j) = dp(O)+B(j−1)−Tp×(j−1)/MB-cnt
db(j) = db(O)+B(j−1)−Tb×(j−1)/MB-cnt
B(j) :符号済みMBの符号量発生量合計
MB-cnt :ピクチャ内MB数
di(O) :前回符号化したIピクチャにおけるバッファ充満度
dp(O) :前回符号化したPピクチャにおけるバッファ充満度
db(O) :前回符号化したBピクチャにおけるバッファ充満度
マクロブロックjのQPは次式で算出される。
QP(j) = d(j)×51/r
r :リアクションパラメータ(=2×Bit-rate / Picture-rate)
符号化開始時のdi(0)、dp(0)、db(0)は次式によって算出される。
di(0) = 10×r/31
dp(0) = Kp×di(0)
db(0) = Kb×di(0)
step3:アクティビティ制御
QPの平均値を、MBごとのアクティビティによって変化させる。
マクロブロックjの空間的アクティビティ測定act(j)として、入力画像の輝度ブロック(MB中に4個含まれる)の画素値を使って分散を次式で計算する。
var_sblk = 1/64・Σ(Pk−P(ave))^2 (k=1〜64)
sblk :輝度ブロックの番号
Pk :8×8ブロックの画素値
P(ave) :8×8ブロックの画素値平均
アクティビティact(j)を、次式で計算する。
act(j) = 1+min(var_sblk)
マクロブロック内の一部分だけでも平坦性が高い部分が存在した場合に量子化を細かく行う目的で、最小値min()を選択している。平均的なアクティビティの値からの偏りによって0.5以上、2以下の範囲に正規化した係数Nact(j)を次式にて計算する。
Nact(j) = (2×act(j)+avg-act) / (act(j)+2×avg-act)
avg-act :直前の時刻の画像のact(j)の平均値(初期値=400)
この正規化した係数を用いて最終的な量子化ステップは次式で得られる。
Mq(j) = Q(j)×Nact(j)
・視覚特性上ノイズに敏感なアクティビティの低い部分(平坦画像)は小さな量子化値
・視覚特性上ノイズに鈍感なアクティビティの高い部分(平坦でない画像)は大きな量子化値がそれぞれ与えられる結果となり、視覚特性を考慮した符号化が行われる。逆に、ノイズの目立ちにくい、変化の激しい部分には粗い量子化ステップが割り当てられる。
そして、本実施形態においてCPU9は、上述したTM5方式による基本的な符号量制御と並行して、まず、下記のA−1、A−2、A−3を実施することにより、Iピクチャの符号量を極力減らす。
A−1:Iピクチャの目標符号量(目標ビット数)TIに上限を設ける。
前述したTM5方式では、被写体移動・カメラ移動等が無い状態が続くと、Iピクチャの割合がP・Bピクチャに対して非常に高くなる。そのためIピクチャに多くの符号量を割いた後、それに続くP・Bピクチャの符号化時にパン又はチルトやズーム等によって画像情報量が増加した場合には、符号量不足により画質が大きく劣化する。これを考慮して、ブリージングが問題ない程度のレベルまでIピクチャの目標符号量を制限することにより符号量に余力を残し、続くP・Bピクチャにおける画質劣化を未然に防止する。ここで、上記ブリージングとは、隣接フレーム間の画像情報の差が大きいほど顕著に発生する息継ぎ現象であり、ピクチャタイプの差及びピクチャ間の平均QPの差が大きいときに発生する。
A−2:パン又はチルト、ズーム時にIピクチャの目標符号量TIを下げる。
ある程度以上の速度のパン又はチルト時は、画像自体に高周波成分がなくなる。よって、Iピクチャへの割り当て比率を下げてもブリージングは発生しない。Iピクチャへの割り当て符号量を削減して符号量に余力を残し、その後の画質劣化を未然に防ぐ。
A−3:白飽和後のAE動作中にIピクチャの目標符号量TIを輝度に応じて変化させる。
白飽和状態の画像のIピクチャに多くの符号量を与えても無意味であるため、白飽和が生じた場合には輝度に応じて目標符号量を下げることにより符号量に余力を残し、その後の画質劣化を未然に防止する。ただし、白飽和状態からの復帰途中は、その復帰具合(輝度Yにて判断する)に応じてIピクチャに割り当てる符号量を順次上げる。
また、下記のB−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6を実施することにより、GOPのビットレートをほぼ一定に維持したままで、Pピクチャ又はBピクチャの符号量を必要に応じて増減する。
B−1:目標符号量増加
これから符号化する画像の劣化を、ディジタルビデオカメラ1のカメラパラメータ(撮影条件)や、カメラ自体の制御状態、前フレームの符号化状態等から予測し、画像の劣化が予測できたときには、あらかじめ当該フレームに対する目標符号量を高く設定して符号化を行う。
B−2:目標符号量減少
これから符号化する画像の情報量が低いことを、ディジタルビデオカメラ1のカメラパラメータ(撮影条件)や、カメラ自体の制御状態、前フレームの符号化状態等から予測し、画像の情報量が低いことが予測できたときには、あらかじめ当該フレームに対する目標符号量を低く設定して符号化を行う。
B−3:貯蓄
あるフレームの符号化が終了した後、「目標符号量>発生符号量」であれば、余剰符号量を後述する蓄積管理バッファに加算する。
B−4:引き出し
あるフレームの符号化が終了した後、目標符号量を低く設定していたら、その分を蓄積
管理バッファから減算する。
B−5:余剰符号量の蓄積量に上限を設けておく
蓄積管理バッファの蓄積符号量に上限を設けておくことにより、上限を超える場合には、上記B−3における貯蓄を禁止する。
B−6:目標符号量増加を制限する
上記B−1における目標符号量増加を、蓄積管理バッファに増加分以上の符号量が蓄積されている場合に限定する。
次に、本実施形態における具体的な符号量制御の内容を図に従い説明する。図2は、動画撮影時における一連の画像データからなる動画像の圧縮符号化に際してCPU9が実行する処理の内容を示したフローチャートである。なお、以下の説明においては、GOPが30枚の画像により構成されるとともに、GOPの先頭のみがIピクチャであるものとする。
まず、画像データの圧縮符号化に際してCPU9は、TM5のstep1を実行して、画像タイプ(Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャ)の初期化処理を行い、符号量比率の初期値設定、目標符号量の決定を行い(ステップS1)、さらにMPEG−2 TM5のstep2を実行して、マクロブロック制御用の仮想バッファを初期化する(ステップS2)。
引き続き、ステップS1,S2で設定した初期値にしたがって、フレーム単位の目標符号量を算出するレート制御を行い(ステップS3)、算出したフレーム単位の目標符号量を目標とした1フレーム目の画像(Iピクチャ)の符号化処理を符号化器8に行わせる(ステップS4)。
その後、例えばユーザーにより録画終了が指示されるか、前記メモリ14の記憶容量に空きがなくなることによって符号化が終了するまでは(ステップS5でNO)、これから符号化する画像がIピクチャの場合には(ステップS6でYES)、前述したステップS3とは異なる図3に示したレート制御を行った後(ステップS8)、符号化器8に1フレームの符号化処理を行わせる(ステップS4)。また、これから符号化する画像がIピクチャ以外、すなわちPピクチャかBピクチャであれば(ステップS6でNO)、図5に示した貯蓄制御を先に行った後、前記レート制御を行い(ステップS7,S8)、符号化器8に1フレームの符号化処理を行わせる(ステップS4)。以後、ステップS4〜ステップS8の処理を繰り返し実行する。
以下、ステップS8のレート制御の詳細を図3のフローチャートに従い説明する。レート制御においては、まず、これから符号化する画像がIピクチャ(GOPの先頭ピクチャ)であるか否かを判定する(ステップS101)。この判断は入力フレーム数をカウントすることにより行う。これは前述したステップS6においても同様である。
そして、これから符号化する画像がIピクチャである場合には(ステップS101でYES)、まず、仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量(Bank)を初期化し、蓄積管理バッファを空(Bank=0)にした後(ステップS102)、TM5のstep1,2に従い、GOPの目標符号量(=bit rate / 1(sec))を一定として、Iピクチャの
目標符号量TIの算出、及びTM5で使用する仮想バッファ値の設定、複雑度xiの更新といったIピクチャ処理を行う(ステップS103)。
次に、Iピクチャの符号化に際して実際に使用する目標符号量TIを、以下の手順により必要に応じて再設定する。まず、ステップS103で算出した目標符号量TIが、予め決められている第1のリミット値Tlmax1を超えているときには(ステップS104でYES)、目標符号量をリミット値に制限する(ステップS105)。つまり先に概略説明で述べた(A−1)を実施する。本実施形態おいて、上記第1のリミット値Tlmax1は録画時に設定されている画質に応じた転送レートによって異なり、例えば画質に応じた転送レートが1.3Mbpsの時には380kbとし、画質に応じた転送レートが2.5Mbpsの時には500kbとする。なお、転送ビットレート(画質)が固定されない構成においては、例えば図9に示したように、第1のリミット値Tlmax1を転送ビットレートに比例して高くするようにしてもよい。
引き続き、直前のフレームを符号化した時の動きベクトルに基づきカメラの移動速度CAMmovを取得し(ステップS106)、その移動速度に基づいて、当該フレームの撮影時にパン又はチルトが行われていたか否かを判断する(ステップS107)。そして、パン又はチルトが行われており、かつ移動速度が所定の閾値THmovよりも速いときには(ステップS107,S108が共にYES)、画像の高周波成分が欠落していると判断できるため、実際に使用する目標符号量TIとして、第1のリミット値Tlmax1よりも小さな値である第2のリミット値Tlmax2(例えば150kb)を再設定する(ステップS109)。つまり先に概略説明で述べた(A−2)を実施する。
なお、直前のフレームを符号化した時にパン又はチルトが行われているとき、上記ステップS108においては、例えば下記式
Tlmax2 = Kmov / CAMmov
CAMmov :固定係数
によって、カメラの移動速度に応じて変化する線形特性を有する第2のリミット値Tlmax2を求め、それを実際に使用する目標符号量TIとして再設定するようにしてもよい。
引き続き、当該フレームの撮影時に白飽和後の露出制御が行われていたか否かを判定する(ステップS110)。係る判定は、直前のAE制御時に「最終目標露出値 < 取得画像の露出評価値」であって、露光量を低下させるための制御を行っており、かつ全画素の輝度平均値aveYが予め決められている規定値115以上であるか否かを確認することにより行う。
そして、白飽和後の露出制御が行われていたときには(ステップS110でYES)、当該フレームにおける全画素の輝度平均値に応じた第3のリミット値Tlmax3を下記式
Tlmax3 =(aveY×(-2.35)+650)×1000
により取得する(ステップS111)。図6は、上記式により得られる輝度平均値に対応する第3のリミット値Tlmax3の変化を示した図である。
しかる後、それまで設定されていた目標符号量TIが上記第3のリミット値Tlmax3よりも大きな値であれば(ステップS112でYES)、実際に使用する目標符号量TIとして第3のリミット値Tlmax3を再設定する(ステップS113)。つまり先に概略説明で述べた(A−3)を実施する。
以上述べたステップS104〜S113によって、Iピクチャの目標符号量をブリージングが問題ない範囲内で小さな値に制限し、これにより続くGOP内のP・Bピクチャへの符号量の割当比率を増加する。
一方、ステップS101の判別結果がNOであって、これから符号化する画像がPピクチャ又はBピクチャである場合には、TM5のstep1,2に従い、GOPの残りの目標符号量restに応じた該当ピクチャタイプの目標符号量の算出、及び仮想バッファ値の設定、複雑度xp,xbの更新といったIピクチャ以外の処理を行う(ステップS114)。
次に、Pピクチャ又はBピクチャの符号化に際して実際に使用する目標符号量Tp,Tbを再設定するTp&Tb再設定処理を行う(ステップS115)。図4は、Tp&Tb再設定処理の内容を示すフローチャートである。
Tp&Tb再設定処理においてCPU9は、まず当該フレームが第1のAE条件に該当するか否かを判別する(ステップS121)。本実施形態においては、直前のAE制御時において
abs(1−Ek)> 0.06
Ek: 露出補正係数
であって、露出評価値と目標露出値の差が大きく、6%以上の調整が行われていること、さらに
輝度平均値aveY > 250 or 輝度平均値aveY < 10
であって、当該フレームの画像全体がほぼ白とび状態、若しくは黒つぶれ状態であることを第1のAE条件とし、係る条件に該当するときには(ステップS121でYES)、現画像に多くの符号量を与えても価値がないと判断し、符号量調整係数Fkとして0.8を設定するとともに、下記式
T = 算出目標符号量(Tp or Tb)× Fk
Fk :符号量調整係数
算出目標符号量 :TM5によるフレーム単位に算出された目標符号量
T :修正後の目標符号量
によって修正後の目標符号量Tを求める(ステップS122)。
しかる後、上記目標符号量Tを実際に使用する目標符号量として再設定する(ステップS132)。すなわち当初算出した目標符号量を、それよりも少ない目標符号量に補正する。つまり先に概略説明で述べた(B−2)を実施する。
なお、ステップS122では、修正後の目標符号量Tの計算に使用する符号量調整係数Fkとして0.8を設定したが、係る符号量調整係数Fkは固定値でなくともよく、例えば図10に示したように、輝度平均値aveYに応じ、予め決めておいた特性に従い変化させるようにしてもよい。
また、ステップS121の判別結果がNOであって、当該フレームが第1のAE条件に該当しないときには、さらに当該フレームの撮影時に高速ズーム中であったか否かを判別する(ステップS123)。係る判別はズームキーが一定時間以上、継続操作されていた場合には高速ズームと判別する。ここで高速ズーム中であったときには(ステップS123でYES)、フレーム間予測が当たりにくく、より多くの符号を与えないと画像劣化が激しくなると判断し、符号量調整係数Fkとして1.5を設定するとともに、ステップS122と同様に
T = 算出目標符号量(Tp or Tb)× Fk
によって修正後の目標符号量Tを求める(ステップS124)。
次に、前述した蓄積管理バッファにおける蓄積符号量Bankが、修正後の目標符号量Tにおける当初の算出目標符号数からの符号量増加分(T−Tp又はT−Tb)以上であるか否かを確認し、蓄積符号量Bankが上記符号量増加分以上であれば(ステップS126でYES)、修正後の目標符号数Tを実際に使用する目標符号量として再設定する(ステップS132)。すなわち当初算出した目標符号量を、それよりも多い目標符号量に補正する。つまり先に概略説明で述べた(B−1)を実施する。また、蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankが符号量増加分以上でないときには(ステップS126でNO)、ここで符号量調整係数Fkに1を設定し(ステップS127)、そのままTp&Tb再設定処理を終了する。つまり先に概略説明で述べた(B−6)を実施する。
また、前述したステップS123の判別結果がNOであって、第1のAE条件に該当せず、かつ高速ズーム中でもなかったときには、当該フレームが第2のAE条件に該当するか否かを判別する(ステップS125)。本実施形態においては、直前のAE制御時に、
abs(1−Ek)> 0.06
Ek: 露出補正係数
であって、露出評価値と目標露出値の差が大きく、6%以上の調整が行われていること、さらに
70 < 輝度平均値aveY < 180
であって、当該フレームの輝度レベルが中間領域(8bit)であり、画面内の画像情報も十分に含まれていることを第2のAE条件とし、係る条件に該当するときには(ステップS125でYES)、激しい輝度変動により、フレーム間予測があたりにくく、より多くの符号を与えないと画像劣化が激しくなると判断し、高速ズーム中であった場合と同様の処理を行う。すなわち符号量調整係数Fkに1.5を設定して修正後の目標符号量Tを求め、蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankが符号量増加分以上であった場合に限り、修正後の目標符号数Tを実際に使用する目標符号量として再設定する。
なお、本実施形態では、上述した第1のAE条件、第2のAE条件において、直前のAE制御時の露出目標値の調整幅(輝度変動)の閾値を6%としたが、係る閾値は一例であり変更しても構わない。
一方、ステップS125の判別結果もNOであって、上述したいずれの条件にも該当しないときには、符号量調整係数Fkを、前フレーム符号化時のフレーム予測後の残差値SADR(インターマクロブロックの1マクロブロック当たりのSAD(Sum of Absolute Difference:差分絶対和)の平均値)に応じて設定する(ステップS128)。
図7は、ステップS128において設定するSADRに対応する具体的なFkの値を示した図であって、横軸がSADR、縦軸がFkである。本実施形態では、図示したようにSADRが2500以下の時にはFkを1以下とする。すなわちSADRが十分小さい時はフレーム間予測が十分に当たっており、前フレームの画像品質が十分良好な符号化が行われている状況である。そのため、当該フレームの目標符号量Tp,Tbを減じて、それ以降の画像のため符号量余力を残すようにする。
また、SADRが2500以上、8000以下の時はFkを1以上とする。すなわちSADRが大きいときはフレーム間予測が十分に当たらず、前フレームの画像品質が劣化している状況である。そのため、当該フレームの目標符号量を増加させることにより、劣化画像継続を打ち切るようにする。ただし、SADRが5000までの間についてはSADRに比例してFkを徐々に高くするが、5000以上では、目標符号量を増加させても画質の改善効果が低いため、FkをSADRに比例して徐々に低い値とする。
さらに、SADRが8000以上の時にはFkを1とする。すなわちSADRが非常に大きくフレーム間予測が全く当たっていないときには、例えば高速に移動する物体を撮影している場合であって、元画像自体が非常に流れた画像となっている状況であり、符号量を与えて劣化を未然に防いだとしても、動画として重要な部分は撮影されておらず、また視覚的にも画質向上のメリットは少ない。そのため、当初計算した目標符号量を維持するようにする。
なお、SADRが5000〜8000の間では、FkをSADRに比例して徐々に下げるようにしたが、SADRが5000以上であるときには、常にFkに1を設定して、当初計算した目標符号量を維持するようにしてもよい。
しかる後、上記のように設定した符号量調整係数Fkを用い、ステップS122,S124と同様の下記式
T = 算出目標符号量(Tp or Tb)× Fk
によって修正後の目標符号量Tを求める(ステップS129)。
引き続き、設定した符号量調整係数Fkが1よりも大きな値であったときには(ステップS130でYES)、蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankが、修正後の目標符号量Tにおける符号量増加分以上であった場合に限り(ステップS126でYES)、修正後の目標符号数Tを実際に使用する目標符号量として再設定する(ステップS132)。つまり、ここでも先に概略説明で述べた(B−1)を実施する。
また、ステップS128で設定した符号量調整係数Fkが1よりも小さな値であったときには(ステップS130,S131が共にNO)、無条件に修正後の目標符号数Tを実際に使用する目標符号量として再設定する(ステップS132)。つまり、ここでも先に概略説明で述べた(B−2)を実施する。さらに、ステップS128で設定した符号量調整係数Fkが1であったときには(ステップS131でYES)、目標符号量の再設定を行わずに、そのままTp&Tb再設定処理を終了する。
なお、前述したステップS128では、符号量調整係数FkとしてSADRに応じた値を設定したが、ステップS128においては、前フレームの符号化時のイントラマクロブロックの割合や、Q(マクロブロック毎の量子化符号係数)の平均値に応じて符号量調整係数Fkに異なる値を設定してもよい。つまり、当該フレームの目標符号量をSADR以外の情報により変化させてもよい。
そして、以上述べたTp&Tb再設定を含むレート制御が終了したら、CPU9は前述した図2の処理に戻り、レート制御で再設定した目標符号量(TI,T)を目標として新たなフレームの符号化処理を符号化器8に行わせる(ステップS4)。
次に、ステップS6の判別結果がNOであって、これから符号化する画像がIピクチャ以外(P・Bピクチャ)のときには、レート制御に先立ち貯蓄引出制御を実行する(ステップS7)。図5は、その詳細を示したフローチャートである。
貯蓄引出制御においてCPU9は、まず、ステップS4の符号化処理により生成したPピクチャ又はBピクチャの実際の発生符号量を取得し(ステップS201)、それをGOPの残りの目標符号量restから差し引いて目標符号量restを更新した後(ステップS202)、前述したTp&Tb再設定処理(図4)において設定されていた符号量調整係数Fkの値に応じて、以下の処理を行う。
まず、符号量調整係数Fkとして1よりも小さな値を設定していた場合には(ステップS203でYES)、フレーム符号化後の発生符号量が、再設定していた目標符号量Tよりも少なく、かつ蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankが所定の上限値Bamkmaxに達していないことを条件として(ステップS204,S205が共にYES)、以下の貯蓄処理を行う(ステップS206)。
貯蓄処理においては、前記符号量調整係数Fkを貯蓄係数として用い、次式
Bank = Bank+rest×(1-Fk)
によって、目標符号量の削減分に相当する符号量を余剰符号量として蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankに加算するとともに、次式
Rest = Rest×Fk
によって、次のフレーム符号化に向けて上記余剰符号量をGOPの残りの目標符号量Restから減じる調整を行う。つまり先に概略説明で述べた(B−3)、(B−5)を実施する。
図8(a)は、係る貯蓄処理の内容を示した模式図であり、例えば、符号量調整係数Fkが0.9のときには、GOPの残りの目標符号量Restの10%を蓄積管理バッファに貯蓄(蓄積)し、かつGOPの残りの目標符号量Restを90%とする。
また、符号量調整係数Fkとして1よりも小さな値を設定していた場合であっても(ステップS203でYES)、続くステップS204,S205のいずれか一方の判別結果がNOであって、フレーム符号化後の発生符号量が、再設定していた目標符号量T以上か、もしくは蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankが上限値Bamkmaxに達しているときには、その時点で貯蓄引出制御を終了する。なお、図では省略したが、蓄積符号量Bankが上限値Bamkmaxに達していなくとも、蓄積管理バッファに、前述した余剰符号量分以上の空きがないときにも、その時点で貯蓄引出制御を終了する。
一方、符号量調整係数Fkとして1よりも大きな値を設定していた場合には(ステップS203でNO、ステップS207でYES)、以下の引出処理を行う(ステップS208)。
引出処理においては、次式
Bank = Bank−(T−Tp)、
又は
Bank = Bank−(T−Tb)
によって、直前のフレーム符号化処理で使用した修正後の目標符号量Tにおける当初の算出目標符号数からの符号量増加分(T−Tp又はT−Tb)を蓄積管理バッファの蓄積符号量Bankから減算する。つまり先に概略説明で述べた(B−4)を実施する。
また、ここで次式
Rest = Rest−(T−Tp)
又は
Rest = Rest−(T−Tb)
によって、次のフレーム符号化に向けて上記符号量増加分をGOPの残りの目標符号量Restから減じる調整を行う。図8(b)は、係る引出処理の内容を示した模式図である。
そして、以上の貯蓄引出制御が終了したら、再び前述したレート制御により目標符号量を設定する(ステップS8)。その際、Pピクチャ又はBピクチャについてTM5により決定した目標符号量(Tp,Tb)を増加する必要がある場合には、それを貯蓄引出制御による更新後の蓄積管理バッファにおける蓄積符号量の範囲内で行う。以後はステップS4〜ステップS8の処理を繰り返し実行する。
以上説明したように本実施形態においては、フレーム毎に基本となる目標符号量をCBR方式により決定し、Pピクチャ又はBピクチャについては、その画像が多くの符号量を割り当てても画質に寄与しない画像であると判断できる場合には、目標符号量(Tp,Tb)を削減することにより、それ以降におけるGOP内のPピクチャ又はBピクチャにより多くの符号量を割り当てることができようにした。これにより、それ以降の画像の高画質化を図ることができる。また、より多くの符号量を割り当てることが好ましい画像であると判断できる場合には、目標符号量(Tp,Tb)を増加するようにした。これにより、画像の劣化を防止することができる。
また、Iピクチャについては、Iピクチャの目標符号量に上限を設けることにより、Iピクチャに続くGOP内のP・Bピクチャへの符号量の割当比率を増加するようにした。これによっても、画像の高画質化を図ることができる。
そして、Pピクチャ又はBピクチャにおける目標符号量(Tp,Tb)の削減分を余剰符号量として蓄積管理バッファに貯蓄し、目標符号量(Tp,Tb)を増加したときの増加分を蓄積管理バッファから引き出すものとする一方、蓄積管理バッファに上限を設け、上記目標符号量(Tp,Tb)の増加を、その増加分が蓄積管理バッファに蓄積されていることを条件として行うようにした。これにより、GOPのビットレートをほぼ一定に維持することができる。
したがって、動画撮影時には、動画データのメモリ14への記録量をいたずらに増やすことなく動画像の高画質化を図ると同時に、記録可能な残り時間を得ることができる。
また、本実施形態においては、符号化対象のPピクチャ又はBピクチャが、白飽和等による情報量の少ない画像である(第1のAE条件に該当する)場合に、多くの符号量を割り当てても画質に寄与しない画像、つまり目標符号量(Tp,Tb)を削減すべき画像であると判断し、また、ズーム動作により情報量の大きくなった画像である場合、AE制御により情報量の大きくなった画像である(第2のAE条件に該当する)場合には、より多くの符号量を割り当てることが好ましい画像、つまり目標符号量(Tp,Tb)を増加すべき画像であると判断するようにした。つまり、複数種類の情報に基づいて、符号化対象のPピクチャ又はBピクチャが目標符号量(Tp,Tb)を削減すべき画像であるか、目標符号量(Tp,Tb)を増加すべき画像であるかを判断するようにした。
これにより、Pピクチャ又はBピクチャが目標符号量(Tp,Tb)を増加すべき画像であるか、又は削減すべき画像であるかを適切に判断することができ、より確実に動画像の高画質化を実現することができる。
また、符号化対象のPピクチャ又はBピクチャの直前フレームのSADRの値に基づき、前のフレームの画像の品質等に応じて符号量調整係数Fkを決定し、それを用いて目標符号量(Tp,Tb)を増減補正するようにした。
したがって、Pピクチャ又はBピクチャが目標符号量(Tp,Tb)を増加すべき画像であるか、又は削減すべき画像であるかを詳細に判断するとともに、その判断結果に応じた目標符号量(Tp,Tb)の詳細な増減補正を行うことができ、これによっても、より確実に動画像の高画質化を実現することができる。
さらに、Iピクチャの目標符号量を制限するとき、目標符号量の上限として、Iピクチャがパンチルトによる積分効果で高周波成分の欠落した情報量の少ない画像である場合には、無条件に設定する第1のリミット値Tlmax1よりも小さな第2のリミット値Tlmax2を設定し、さらにIピクチャが白飽和後の露出制御が行われていたときの画像である場合には、当該フレームにおける全画素の輝度平均値に応じた第3のリミット値Tlmax3を設定するようにした。
したがって、Iピクチャの符号量(発生符号量)をブリージングが問題ない範囲内において可能な限り削減することができ、これによっても、より確実に動画像の高画質化を実現することができる。
ここで、本実施形態において、標符号量(Tp,Tb)を減少補正していたPピクチャ又はBピクチャのフレーム符号化後には、貯蓄引出制御の貯蓄処理(図5のステップS206)では、
Bank = Bank+rest×(1-Fk)
Rest = Rest×Fk
を行い、目標符号量(Tp,Tb)の削減分に相当する余剰符号量を、GOPの残りの目標符号量Restに標符号量(Tp,Tb)の減少率を乗じた符号量、つまり目標符号量(Tp,Tb)の実際の削減分よりも多い符号量であって、符号量調整係数Fkが同一であってもGOPの残りピクチャ数が多いときほど(GOPの先頭側のピクチャほど)多くなる符号量として蓄積管理バッファに貯蓄し、かつそれに応じて次のフレーム符号化に向けたGOPの残りの目標符号量Restを調整するようにしたが、前記貯蓄処理では、以下の処理を行うようにしてもよい。
例えば一枚あたりの残りの目標符号量を「rest1pic」として、
rest1pic = rest / GOPの残りピクチャ数
bank = bank +(rest1pic ×(1−Fk))
rest = rest −(rest1pic ×(1−Fk))
としてもよい。つまり目標符号量(Tp,Tb)の削減分に相当する余剰符号量を、一枚あたりの残りの目標符号量に標符号量(Tp,Tb)の減少率を乗じた符号量であって、GOP内の残りピクチャ数に関係なく、目標符号量(Tp,Tb)の削減分(節約した符号量)に応じた符号量とし、それをGOPの残りの目標符号量Restから差し引く調整を行ってもよい。なお、詳細については省略するが、本実施形態における貯蓄処理を行った場合の方が長いシーケンスで見たときの画像の劣化防止効果が高いことが本発明者らにおいて実験により確認されている。
また、標符号量(Tp,Tb)を増加補正していたPピクチャ又はBピクチャのフレーム符号化後には、貯蓄引出制御の引出処理(図5のステップS208)では、
Bank = Bank−(T−Tp)
Rest = Rest−(T−Tp)
又は、
Bank = Bank−(T−Tb)
Rest = Rest−(T−Tb)
を行い、目標符号量(Tp,Tb)の増加分に応じた符号量をそのまま蓄積管理バッファから減算し、かつそれに応じて次のフレーム符号化に向けたGOPの残りの目標符号量Restを調整するようにしたが、例えば、蓄積管理バッファから、目標符号量(Tp,Tb)とフレーム符号化後の発生符号(P,B)との差分を減算する以下の処理を行うようにしてもよい。
Bank = Bank−(P−Tp)
Rest = Rest−(P−Tp)
又は、
Bank = Bank−(B−Tb)
Rest = Rest−(B−Tb)
また、本実施形態では、Pピクチャ及びBピクチャの目標符号量(Tp,Tb)を減少補正した場合にのみ、その減少分に応じた符号量を蓄積管理バッファに蓄積するようにしたが、前述したレート制御(図3参照)においてIピクチャの目標符号量(TI)を所定のリミット値に制限したときの、目標符号量(TI)の減少分についても蓄積管理バッファに蓄積するようにしても構わない。
また、レート制御においては、Pピクチャ及びBピクチャの目標符号量(Tp,Tb)の増減補正のみを行うものとし、Iピクチャの目標符号量(TI)を常にTM5で算出したものをそのまま使用するようにしてもよい。さらには、動画像をMPEG方式により圧縮符号化する場合、通常GOP内のピクチャ数はPピクチャが最も多いため、Pピクチャのみを対象として目標符号量を増減補正するとともに、それに応じた貯蓄引出制御を行うようにしてもよい。いずれの場合であっても、動画撮影時には、動画データのメモリ14への記録量をいたずらに増やすことなく動画像の高画質化を図ると同時に、記録可能な残り時間を得ることができる。但し、動画像の高画質化を考えれば本実施形態のようにすることが好ましい。
また、前述したTp&Tb再設定処理(図4参照)において、目標符号量(Tp,Tb)を補正する場合における補正係数Fkの具体的な決定方法については、本実施形態に示した方法に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。また、本実施形態においては、上記補正係数Fkを全画素の輝度平均値aveY、直前フレームのSADRといった画像情報や、AE制御時の露出補正係数Ek、高速ズームの実施の有無といった環境情報に基づき決定したが、上記補正係数Fkを他の画像情報や環境情報に基づき決定するようにしてもよい。
また、前述したレート制御(図3参照)においてIピクチャの目標符号量(TI)を制限する際の上限(リミット値)の具体的な決定方法についても、本実施形態に示した方法に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更することができる。また、上記リミット値を、全画素の輝度平均値aveY、AE制御時の露出補正係数Ek、及び環境情報であるカメラの移動速度CAMmovに基づき決定したが、上記リミット値を他の画像情報や環境情報に基づき決定するようにしてもよい。さらに、例えばカメラの移動速度CAMmovについては、直前のフレームを符号化した時の動きベクトルではなく、直前のフレームを符号化した時のアクティビティ(act(j))や、手プレ検出用の加速度センサを有する構成であれば手ブレ量から求めるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、Iピクチャ(GOPの先頭ピクチャ)に対するレート制御で蓄積管理バッファを初期化する際には蓄積管理バッファを空としたが、蓄積符号量(Bank)として予め所定の符号量を割り当てておくようにしてもよい。その場合、任意のフレームに対するTp&Tb再設定処理においては、上記所定の符号量を限度として、それまでの蓄積管理バッファへの符号量の蓄積分を超えて目標符号量(Tp,Tb)を増加したり、それまでに目標符号量(Tp,Tb)の減少補正(符号量の蓄積)を全く行っていないときであっても目標符号量(Tp,Tb)を増加したりすることができる。つまり上記所定の符号量を限度とした符号量の借入を伴う目標符号量(Tp,Tb)の増加補正を許容するようにしてもよい。
その場合においては、GOPの先頭側のPピクチャ又はBピクチャに対しても必要に応じてより多くの符号量を割り当てることができる。つまりそれらのピクチャが情報量の多い画像である場合であったとしても画質の劣化を防止することができる。無論、GOPの最大ビットレートが上記の所定の符号量、つまり蓄積符号量(Bank)の初期値分だけ増えることにより動画像の記録時間は短くなるが、本実施形態と同様にGOPのビットレートをほぼ一定に維持することができ、記録可能な残り時間を得ることが可能となる。
さらに、上述したように所定の符号量を限度とした符号量の借入を伴う目標符号量(Tp,Tb)の増加補正を可能とするには、例えば蓄積管理バッファの蓄積符号量(Bank)を超え、所定量を限度として、目標符号量(Tp,Tb)の増加分に応じた符号量を蓄積符号量(Bank)から引き出すようにしてもよい。つまり蓄積符号量(Bank)が所定の符号量を限度してマイナスとなることを許容するようにしてもよい。
より具体的には、CPU9を本発明の超過引き出し手段として機能させ、Tp&Tb再設定処理に際して処理対象のフレームのPピクチャ又はBピクチャが目標符号量(Tp,Tb)の増加すべき画像であると判断したとき(Fk>1のとき)、目標符号量(Tp,Tb)の増加分が蓄積管理バッファの蓄積符号量(Bank)を超える場合には、その超過分(マイナス分)が予め決めてある所定の符号量以下であるか否かを確認し、所定の符号量以下であれば目標符号量(Tp,Tb)を増加補正し、所定の符号量を超える場合には、増加補正を中止する。あるいは前記超過分を蓄積符号量(Bank)にマイナス分として逐次加算するようにし、マイナス分が予め決めてある所定の符号量に達しないことを条件として目標符号量(Tp,Tb)を増加補正するようにする。
これによっても、GOPの先頭側のPピクチャ又はBピクチャが情報量の多い画像である場合であったとしても画質の劣化を防止することができるとともに、GOPのビットレートをほぼ一定に維持することにより、記録可能な残り時間を得ることが可能となる。
また、ここでは本発明をディジタルビデオカメラに適用した場合について説明したが、これに限らず本発明は、例えば動画撮影機能を有するものであれば、デジタルカメラや、携帯電話端末等の他の情報機器に内蔵されたカメラ装置等の他の動画記録装置にも適用可能である。
さらに、本発明は、動画撮影機能を有するものに限らず、例えば動画記録機能を有するものであれば、ディジタルテレビ、DVD(ハードディスク)レコーダー、パソコン等の他の動画記録装置にも適用可能である。
本発明に係るディジタルビデオカメラを示すブロック図である。 CPUによる符号量制御の処理内容を示すフローチャートである。 レート制御処理を示すフローチャートである。 Tp&Tb再設定処理を示すフローチャートである。 蓄積制御処理を示すフローチャートである。 輝度平均値に対応する第3のリミット値を示す図である。 SADRに対応する符号量調整係数の値を示す図である。 転送レートが変化する場合に設定すべき、Iピクチャの目標符号量の上限である第1のリミット値の例を示す図である。 レート制御で第1のリミット値を転送ビットレートに応じて変化させる場合の例を示す第1のリミット値の変化特性図である。 Tp&Tb再設定処理で第1のAE条件に該当するフレームの画像に設定する符号量調整係数を輝度平均値に応じて変化させる場合の例を示す符号量調整係数の変化特性図である。
符号の説明
1 ディジタルビデオカメラ
2 レンズ・アイリスブロック
3 撮像素子
4 AGC
5 ADC
6 DGC
7 画像処理部
8 符号化器
9 CPU
10 ROM
11 RAM
12 表示部
13 操作部
14 メモリ

Claims (16)

  1. 動画像の圧縮符号化に際し、圧縮符号化後の符号量を制御する符号量制御装置において、
    各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する設定手段と、
    この設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する補正手段と、
    この補正手段による所定の情報に基づく目標符号量の増加補正動作を、補正に伴う増加分に応じた符号量が仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合は行わせない制限手段と、
    前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算するとともに、前記補正手段の補正による目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する蓄積量管理手段と、
    前記補正手段の補正による目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する符号化手段と、を備え、
    前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った前記符号化手段による圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算する
    ことを特徴とする符号量制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記所定の情報に基づき補正係数を決定し、決定した補正係数を前記設定手段により設定された目標符号量に乗じることにより当該目標符号量を増減することを特徴とする請求項記載の符号量制御装置。
  3. 前記補正手段は、
    前記所定の情報に基づき、圧縮符号化対象の画像が符号量を増加すべき画像であるか、又は符号量を削減すべき画像であるかを判断する判断手段と、
    この判断手段によって対象フレームの画像が符号量を増加すべき画像であると判断された場合には、予め決められている符号量増加用の補正係数を前記補正係数として設定するとともに、判断手段によって対象フレームの画像が符号量を削減すべき画像であると判断された場合には、予め決められている符号量削減用の補正係数を前記補正係数として設定する補正係数設定手段と
    を含むことを特徴とする請求項記載の符号量制御装置。
  4. 前記判断手段は、複数の前記所定の情報に基づき、圧縮符号化対象の画像が符号量を増加すべき画像であるか、又は符号量を削減すべき画像であるかを判断することを特徴とする請求項記載の符号量制御装置。
  5. 前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像に関する画像情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至いずれか記載の符号量制御装置。
  6. 前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像の取得環境を示す環境情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至いずれか記載の符号量制御装置。
  7. 前記符号化手段は、動き補償によるフレーム間予測技術を用いた符号化方式により各フレームの画像をフレーム内符号化画像及びフレーム間予測符号化画像として圧縮符号化し、
    前記補正手段は、前記フレーム間予測符号化画像に対して前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正することを特徴とする請求項1乃至いずれか記載の符号量制御装置。
  8. 前記補正手段が前記設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する際の当該所定の情報には、前記符号化手段による直前フレームの画像の圧縮符号化時におけるフレーム間予測後の残差値が含まれることを特徴とする請求項記載の符号量制御装置。
  9. 前記補正手段は、前記フレーム内符号化画像に対して前記設定手段により設定された目標符号量が所定の上限を超える場合に、前記設定手段により設定された目標符号量を前記上限の符号量に補正する規制手段を含むことを特徴とする請求項又は記載の符号量制御装置。
  10. 前記補正手段は、前記規制手段により規制される前記フレーム内符号化画像の目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する上限設定手段を含むことを特徴とする請求項記載の符号量制御装置。
  11. 前記上限設定手段が前記目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像に関する画像情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の符号量制御装置。
  12. 前記上限設定手段が前記目標符号量の上限を所定の情報に基づき設定する際の当該所定の情報には、対象フレームの画像の取得環境を示す環境情報が含まれることを特徴とする請求項1又は1記載の符号量制御装置。
  13. 前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正によるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の減少分に応じた符号量のみを、所定の蓄積量を上限として仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算するとともに、前記補正手段の補正によるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算し、
    前記制限手段は、前記補正手段におけるフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加補正動作を制御し、前記補正手段による補正に伴うフレーム間予測符号化画像の目標符号量の増加分を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量以下に制限する
    ことを特徴とする請求項乃至1いずれか記載の符号量制御装置。
  14. 符号化手段による動画像の圧縮符号化に際し、各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する工程と、
    設定した目標符号量を所定の情報に基づき補正する工程と、
    補正に伴う目標符号量の増加分に応じた符号量が、仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合には、前記補正を行わせない工程と、
    前記補正が目標符号量の減少である場合に、目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算する工程と、
    前記補正が目標符号量の増加である場合に、目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する工程と、
    前記補正された目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する工程と、
    を含むことを特徴とする符号量制御方法。
  15. コンピュータに、
    動画像の圧縮符号化に際し、各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する機能と、
    設定した目標符号量を所定の情報に基づき補正する機能と、
    補正に伴う目標符号量の増加分に応じた符号量が、仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合には、前記補正を行わせない機能と、
    前記補正が目標符号量の減少である場合に、目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を、前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算する機能と、
    前記補正が目標符号量の増加である場合に、目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する機能と、
    前記補正された目標符号量に従って前記各フレームの画像を圧縮符号化する機能と、
    実現させるための符号量制御プログラム。
  16. 動画像を撮影する撮影手段と、
    この撮影手段により撮影された動画像を構成する各フレームの画像を圧縮符号化する時の目標符号量として、単位時間当たりの複数フレームからなる画像グループの発生符号量を維持するための目標符号量をフレーム毎に設定する設定手段と、
    この設定手段により設定された目標符号量を所定の情報に基づき補正する補正手段と、
    この補正手段による所定の情報に基づく目標符号量の増加補正動作を、補正に伴う増加分に応じた符号量が仮想的な蓄積管理バッファの蓄積符号量を超える場合は行わせない制限手段と、
    前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して所定の蓄積量を限度として加算するとともに、前記補正手段の補正による目標符号量の増加分に応じた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して減算する蓄積量管理手段と
    前記補正手段の補正による目標符号量に従って、前記撮影手段により撮影された動画像を構成する前記各フレームの画像を圧縮符号化する符号化手段と、
    この符号化手段により圧縮符号化された動画像を記録する記録手段と、を備え、
    前記蓄積量管理手段は、前記補正手段の補正による目標符号量の減少分に応じた符号量として、補正後の目標符号量に従った前記符号化手段による圧縮符号化後における前記画像グループの残りの全画像に対する割当符号量から、補正前の目標符号量に対する補正後の目標符号量の減少率を当該割当符号量に乗じた符号量を差し引いた符号量を前記蓄積管理バッファの蓄積符号量に対して加算する
    ことを特徴とする動画記録装置。
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