JPH104546A - 画像データ圧縮装置およびその方法 - Google Patents

画像データ圧縮装置およびその方法

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JPH104546A
JPH104546A JP15457596A JP15457596A JPH104546A JP H104546 A JPH104546 A JP H104546A JP 15457596 A JP15457596 A JP 15457596A JP 15457596 A JP15457596 A JP 15457596A JP H104546 A JPH104546 A JP H104546A
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Kanji Mihara
寛司 三原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単位時間長ごとに、目標符号量Tj 以下で、目
標符号量Tj に極く近い符号量の圧縮画像データを得
る。 【解決手段】圧縮符号化部2が、前のピクチャーの圧縮
画像データの生成に用いた符号量の残りは20ビットと
なる。目標符号量制御部62は、符号量の残りから固定
符号量A(70ビット)を減算し、0.2を乗算してΔ
LIM(−10ビット)を算出し、元の上限値LIM
(40ビット)に加算して、新たな上限値LIM(30
バイト)を算出し、新たな上限値LIMおよび繰り越し
符号量Sjのいずれか少ないほうを配分符号量Dj に加
算し、マクロブロックそれぞれの目標符号量Tj を算出
する。圧縮符号化部2は、目標符号量Tj 以下で、目標
符号量Tj に極く近い符号量の圧縮画像データを生成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単位時間長あたり
の画像データの圧縮後の符号量が等しくなるように画像
データを圧縮し、編集処理に適した圧縮画像データを供
給する画像データ圧縮装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】MP
EG(motion picture coding experts group) 方式等の
画像圧縮技術を、通信および読み出し専用の記録媒体
(光ディスク等)に対する記録に応用する場合には、T
M5(Test Model 5)方式等に代表されるように、マク
ロブロックそれぞれから発生される圧縮画像データのデ
ータ量(符号量)は、仮想的バッファの残り容量等に基
づいて、平均して目標符号量Tj 以下になるようにすれ
ば足りる。
【0003】一方、画像圧縮技術を、高画質が要求され
る放送局用のデジタルビデオテープレコーダ(VTR装
置)に応用する場合には、通信等に応用する場合と異な
り、インサート編集および早送り再生等を実現する必要
性から、圧縮画像データの符号量に関する制限が存在す
る。つまり、例えば、単位時間長(等符号長時間TE)
の画像データから得られる圧縮画像データは、ビデオテ
ープの所定長の範囲に記録され得るように、一定の目標
符号量Tj 以下とされる必要がある。通常、圧縮画像デ
ータの符号量の制限に用いられる等符号長時間TEは、
例えば、フレーム(ピクチャー)単位に定められ、ある
いは、複数のピクチャーから構成され、圧縮符号化の単
位となるGOP(group of pictures) 単位に定められ
る。
【0004】このように、放送用VTR装置に圧縮画像
データを供給するためには、発生する圧縮画像データの
符号量を厳しく制限する必要があるため、量子化レベル
Qを高精度に制御しなければならない。量子化レベルQ
の制御のための方式としては、例えば、特開平6−31
9112号公報および特開平5−284458号公報に
開示されているように、発生した圧縮画像データの符号
量(発生符号量Gj )が、目標符号量Tj を越えないよ
うな量子化レベルQを算出する二分木探索方式(binary
search) 、あるいは、固定の量子化レベルQで画像デー
タを予備的に圧縮符号化し、この圧縮符号化の結果に基
づいて、最適な量子化レベルQを算出するバックサーチ
(back search) 方式が知られている。
【0005】これらの方式は、各マクロブロックごと
に、発生する圧縮画像データの符号量の最大値が、目標
符号量Tj を超えないように量子化レベルQを制御する
という点で一致し、発生する圧縮画像データの符号量
が、全てのマクロブロックについて目標符号量Tj 以下
となり、等符号長時間TEごとに発生する圧縮画像デー
タを等長化するという目的を達成することができる。し
かしながら、これらの方式においては、等符号長時間T
Eごとの目標符号量Tj と、実際に発生した圧縮画像デ
ータの符号量の差が無駄になり、無駄にした符号量の分
だけ、圧縮画像データを伸長復号して得られる画像の品
質が劣化してしまうことになる。
【0006】二分木探索方式およびバックサーチ方式の
問題点を解決する方法として、マクロブロックごとに、
実際に発生した圧縮画像データの符号量と目標符号量T
j との差(余り符号量)を、続くいくつかのマクロブロ
ックに対して分配し、これらのマクロブロックに割り当
てる目標符号量Tj を増やす方法がある。しかしなが
ら、余り符号量を、1つのマクロブロックに対してのみ
分配すると、配分したマクロブロックの画像の品質が際
立って良くなったり、あるいは逆に、他のブロックの画
像の品質が際立って劣化するといったように、1つの画
面内の画像の品質にムラが生じてしてしまうことがあ
る。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、単位時間長の画像データを圧縮
符号化し、所定の目標符号量Tj 以下の圧縮画像データ
を得ることができ、しかも、目標符号量Tj と、実際に
発生した圧縮画像データの符号量との差を非常に少なく
することができる画像データ圧縮装置およびその方法を
提供することを目的とする。また、本発明は、目標符号
量Tj と実際に発生した圧縮画像データの符号量との差
を非常に少なくすることができるにもかかわらず、全て
のマクロブロックに対して均一な符号量を割り当てるこ
とができ、伸長復号後の画面の部分ごとに生じる画像品
質のムラをなくすことができる画像データ圧縮装置およ
びその方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る画像データ圧縮装置は、画像データに
含まれるピクチャーを所定数に等分割したマクロブロッ
クそれぞれを、マクロブロックそれぞれに外部から設定
される目標符号量以下であって、この目標符号量にほぼ
等しい符号量になるように圧縮し、圧縮画像データを生
成するマクロブロック圧縮手段と、所定の単位時間長の
前記画像データを圧縮して生成する前記圧縮画像データ
の符号量が、所定の単位符号量以下であって、前記単位
符号量にほぼ等しい符号量になるように前記目標符号量
を算出し、前記マクロブロック圧縮手段に設定する目標
符号量算出手段とを有する。
【0009】好適には、前記目標符号量算出手段は、生
成したマクロブロックごとの圧縮画像データの符号量
と、前記目標符号量との差の累加算値を示す繰り越し符
号量を、前記所定の単位時間長ごとに算出する繰り越し
符号量算出手段と、算出した前記繰り越し符号量と、予
め前記単位符号量からマクロブロックそれぞれに配分さ
れる配分符号量とに基づいて、マクロブロックそれぞれ
の前記目標符号量の上限値を示す上限符号量を算出する
上限符号量算出手段と、算出した前記繰り越し符号量に
基づいて、算出した前記上限符号量を超えないようにマ
クロブロックそれぞれに前記目標符号量を割り当て、前
記マクロブロック圧縮手段に設定する目標データ設定手
段とを有する。
【0010】好適には、前記配分符号量は、前記単位符
号量を圧縮後のピクチャーの種類に応じてピクチャーご
とに分け、ピクチャーごとに分けた単位符号量を等分し
てマクロブロックそれぞれに分配され、前記上限符号量
算出手段は、分配された前記単位符号量に、前記繰り越
し符号量に所定の係数を乗算した値を加算して、前記上
限符号量を算出する。
【0011】好適には、前記上限符号量算出手段は、前
記所定の単位時間長それぞれの最初のマクロブロックの
前記上限符号量を、前記配分符号量に所定の予測符号量
を加算した値とし、前記繰り越し符号量算出手段は、前
記繰り越し符号量の初期値を、前記所定の予測符号量に
−1を乗じた値として、前記繰り越し符号量を算出す
る。
【0012】好適には、前記上限符号量算出手段は、前
記余剰符号量の値が、所定の範囲外である場合にのみ、
上限符号量の算出を行い、前記目標データ設定手段は、
上限符号量の算出が行われた場合に、前記目標符号量T
j を前記マクロブロック圧縮手段に設定する。
【0013】本発明に係る画像データ圧縮装置は、例え
ば、高画質が要求される放送局用VTR装置に圧縮画像
データを供給する装置であって、マクロブロック圧縮手
段は、まず、画像データに含まれるピクチャーをそれぞ
れ、例えば、16×16画素あるいは8×16画素を含
む所定数のマクロブロックに等分割する。次に、マクロ
ブロック圧縮手段は、クロブロックそれぞれに対して、
例えば、DCT処理を行う。
【0014】さらに、マクロブロック圧縮手段は、例え
ば、DCT処理したマクロブロックそれぞれを、目標符
号量算出手段によりマクロブロックそれぞれに対して設
定される目標符号量Tj に基づいて、符号量が、目標符
号量算出手段によりマクロブロックそれぞれに設定され
る目標符号量Tj 以下となり、しかも、目標符号量T j
との差が極力少なくなるように量子化し、さらに、可変
長符号化して圧縮画像データを生成する。
【0015】目標符号量算出手段において、繰り越し符
号量算出手段は、マクロブロックそれぞに設定した目標
符号量Tj と、マクロブロックそれぞれから実際に生成
された圧縮画像データのデータ量との差を順次、累加算
して繰り越し符号量Sj を算出する。なお、繰り越し符
号量算出手段は、例えば、所定数のピクチャーあるいは
GOPといった、圧縮画像データを等長化する際の所定
の単位時間長(等符号長時間TE)ごとに、繰り越し符
号量Sj を初期化する。
【0016】上限符号量算出手段は、例えば、等符号長
時間TEごとに割り当てられる符号量を、等符号長時間
TE内のマクロブロックそれぞれに予め配分した配分符
号量Dj に、繰り越し符号量Sj に所定の係数を乗算し
た値を加算して、マクロブロックそれぞれから生成され
る圧縮画像データの符号量の上限値を示す上限符号量T
を算出する。目標データ設定手段は、マクロブロックそ
れぞれに対して、上限符号量算出手段が算出した繰り越
し符号量Sj を超えない値の目標符号量Tj を割り当
て、マクロブロック圧縮手段に設定する。
【0017】このように、上限符号量算出手段が、繰り
越し符号量Sj に応じて上限符号量Tを変更し、目標デ
ータ設定手段が、繰り越し符号量Sj を超えない値の目
標符号量Tj をマクロブロックそれぞれに割り当て、マ
クロブロック圧縮手段が、圧縮画像データの符号量を目
標符号量Tj 以下であって、目標符号量Tj にほぼ等し
くすることにより、実際に等符号長時間TEごとに生成
される圧縮画像データは、等符号長時間TEごとに割り
当てられる符号量以下で、しかも、極く近い符号量にな
る。
【0018】また、本発明に係る画像データ圧縮方法
は、画像データに含まれるピクチャーを所定数に等分割
したマクロブロックそれぞれから生成された圧縮画像デ
ータの符号量と、マクロブロックそれぞれに対して設定
された目標符号量との差の累加算値を示す繰り越し符号
量を、所定の単位時間長ごとに算出し、算出した前記繰
り越し符号量と、予め前記単位符号量からマクロブロッ
クそれぞれに配分される配分符号量とに基づいて、マク
ロブロックそれぞれの前記目標符号量の上限値を示す上
限符号量を算出し、算出した前記繰り越し符号量に基づ
いて、算出した前記上限符号量を超えないようにマクロ
ブロックそれぞれに前記目標符号量を割り当て、所定の
単位時間長の前記画像データを圧縮して生成する前記圧
縮画像データの符号量が、所定の単位符号量以下であっ
て、前記単位符号量にほぼ等しい符号量になるように前
記目標符号量を算出し、マクロブロックそれぞれを、目
標符号量以下であって、この目標符号量にほぼ等しい符
号量になるように圧縮して圧縮画像データを生成する。
【0019】好適には、前記配分符号量は、前記単位符
号量を圧縮後のピクチャーの種類に応じてピクチャーご
とに分け、ピクチャーごとに分けた単位符号量を等分し
てマクロブロックそれぞれに分配され、分配された前記
単位符号量に、前記繰り越し符号量に所定の係数を乗算
した値を加算して、前記上限符号量を算出する。
【0020】好適には、前記所定の単位時間長それぞれ
の最初のマクロブロックの前記上限符号量を、前記配分
符号量に所定の予測符号量を加算した値とし、前記繰り
越し符号量の初期値を、前記所定の予測符号量に−1を
乗じた値として、前記繰り越し符号量を算出する。
【0021】好適には、前記余剰符号量の値が、所定の
範囲外である場合にのみ、上限符号量の算出を行い、上
限符号量の算出が行われた場合に、前記目標符号量を設
定する。
【0022】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本
発明に係る画像データ圧縮装置1の構成を示す図であ
る。図1に示すように、画像データ圧縮装置1は、圧縮
符号化部2および予備符号化部4および目標符号量制御
部5から構成される。
【0023】圧縮符号化部2は、画像並べ替え部10、
ピクチャタイプ制御部12、走査変換ブロック化部1
4、動き検出部16、FIFO18,38、減算部1
9、DCT(discrete cosine transform) 部20、量子
化部22、可変長符号化部24、逆量子化部30、ID
CT(inverse discrete cosine transform) 部32、加
算部34および動き補償部36から構成され、外部から
入力される画像データを、予備符号化部4により設定さ
れる量子化インデックスQIに基づいて圧縮符号化し、
圧縮画像データを生成する。
【0024】予備符号化部4は、動き補償部26、減算
部28,48、DCT部42、予測部44、バックサー
チ(back search) 部46、減算部48、加算部50,5
6、上限値制限部(limitter)52および配分符号量生成
部54から構成され、目標符号量Tに圧縮画像データの
符号量(発生符号量G)を近付けるための量子化レベル
Qの制御に用いられる量子化インデックスQIを高い精
度で求める。画像データ圧縮装置1は、これらの構成部
分により、非圧縮画像データを、所定の画像圧縮符号化
方式、例えば、MPEG方式により圧縮符号化し、所定
の単位時間長(等符号長時間TE)、例えば、GOPご
とにほぼ等しい発生符号量Gの圧縮画像データを生成す
る。
【0025】以下、画像データ圧縮装置1の各構成部分
を説明する。圧縮符号化部2において、画像並べ替え部
10は、ピクチャタイプ制御部12からのピクチャータ
イプ信号に基づいて、画像データ圧縮装置1に接続され
た編集装置あるいはディジタルビデオテープレコーダ
(VTR装置)等の画像機器(図示せず)から入力され
る非圧縮画像データに含まれるピクチャーを、MPEG
方式による圧縮符号化に適した順序に並び替えて、走査
変換ブロック化部14に対して出力する。
【0026】ピクチャタイプ制御部12は、非圧縮画像
データのピクチャーそれぞれに対して圧縮後のフレーム
(ピクチャー)の種類、つまり、各ピクチャーが圧縮符
号化後にIピクチャー(intra picture) 、Pピクチャー
(predictive picture)およびBピクチャー(bidirection
ally predictive picture)のいずれになるかを示すピク
チャータイプ信号を生成し、画像並べ替え部10に対し
て出力する。
【0027】図2は、図1に示した走査変換ブロック化
部14におけるマクロブロック化処理を示す図である。
走査変換ブロック化部14は、画像並べ替え部10から
入力された画像データのピクチャーそれぞれに対して、
フィールド/フレーム変換処理およびマクロブロック化
処理を行ない、動き検出部16および動き補償部26に
対して出力する。
【0028】なお、走査変換ブロック化部14における
マクロブロック化処理は、画像データの輝度信号(輝度
データ;Y)および色差信号(色差データ;Cr,C
b)を、それぞれ所定数の画素を含むブロックに分割す
る処理であって、図2に示すように、1ピクチャー分の
輝度データ(Y)を、1つ当たり16×16画素を含む
マクロブロックに分割し、1ピクチャー分の色差データ
(Cr,Cb)を、それぞれ1つ当たり8×16画素を
含むマクロブロックに等分割する。
【0029】つまり、輝度データ(Y)のマクロブロッ
クは、1つあたり8×8画素を含む4個のブロックから
構成され、色差データ(Cr,Cb)それぞれのマクロ
ブロックは、輝度データ(Y)に比べて水平方向を1/
2にサブサンプリングし、1つあたり8×8画素を含む
2個のブロックから構成される。
【0030】動き検出部16(図1)は、走査変換ブロ
ック化部14から入力された画像データに対して、マク
ロブロック単位で動き検出を行い、動き検出の結果とし
て得られる動きベクトルを、動き補償部26、および、
図1中に点線で示すように、FIFO38に対して出力
し、走査変換ブロック化部14から入力された画像デー
タを減算部28の正入力端子およびFIFO18に対し
て出力する。FIFO18は、動き検出部16から入力
された画像データを、予備符号化部4のDCT部42、
予測部44およびバックサーチ部46の処理に要する時
間だけ遅延し、減算部19の正入力端子に対して出力す
る。FIFO38は、動き検出部16から入力された動
きベクトルを、FIFO18と同様に、予備符号化部4
のDCT部42、予測部44およびバックサーチ部46
の処理に要する時間だけ遅延し、動き補償部36に対し
て出力する。
【0031】減算部19は、圧縮後にBピクチャーおよ
びPピクチャーになるピクチャーの画像データから、動
き補償部36の動き補償の結果として得られた画像デー
タを減算して予測誤差データを算出し、圧縮後にIピク
チャーになる画像データそのもの、および、算出した予
測誤差データをDCT部20に対して出力する。DCT
部20は、減算部19から圧縮後にIピクチャーになる
ピクチャーの画像データが入力される場合は、画像デー
タそのものに対してマクロブロック単位に離散的余弦変
換(DCT)処理を行い、圧縮後にBピクチャーおよび
Pピクチャーになるピクチャーの画像データが入力され
る場合には、予測誤差データに対してマクロブロック単
位にDCT処理を行い、これらのDCT処理の結果(D
CT係数)を量子化部22に対して出力する。
【0032】量子化部22は、バックサーチ部46から
入力される量子化インデックスQIが示す量子化レベル
Qを用いて、MBあたりの発生符号量Gj が目標符号量
j以下であって、目標符号量Tj に近い値になるよう
に、DCT部20から入力されるDCT係数を量子化
し、量子化の結果として得られたデータを可変長符号化
部24および逆量子化部30に対して出力する。
【0033】ここで、量子化レベルQと量子化インデッ
クスQIとの関係を説明する。量子化レベルQとは、量
子化部22においてDCT係数に対して除算を行う際
に、あるいは、逆量子化部30において量子化されたデ
ータに対して乗算を行う際に用いられるデータであっ
て、量子化部22においては、発生符号量Gj を目標符
号量Tj に近づけるために、量子化レベルQとして、非
線形に変化する複数の値の組み合わせが、画像の複雑さ
等に応じて複数、使い分けられる。
【0034】一方、量子化インデックスQIは、複数の
量子化レベルQの組み合わせに付された番号であり、量
子化インデックスQIを参照することにより、量子化レ
ベルQとして用いられた複数の値の組み合わせを識別す
ることができる。なお、量子化インデックスQIは、通
常、量子化レベルQそのものよりも符号量が少ないの
で、VTR装置等においては、量子化レベルQの代わり
に、画像データとともに記録媒体に記録されることが多
い。
【0035】可変長符号化部24は、量子化部22から
入力されるデータを可変長符号化して圧縮画像データを
生成し、画像データ圧縮装置1に接続された画像機器に
対して出力するとともに、圧縮画像データのMBあたり
の発生符号量Gj を算出して減算部48に対して出力す
る。逆量子化部30は、量子化部22と逆の処理を行
い、量子化部22が出力するデータに、量子化インデッ
クスQIが示す量子化レベルQを乗算してDCT係数を
再生し、IDCT部32に対して出力する。
【0036】IDCT部32は、逆量子化部30から入
力されるDCT係数に対して逆離散的余弦変換(IDC
T)処理を行い、画像データを再生して加算部34に対
して出力する。加算部34は、動き補償部36から入力
される画像データと、IDCT部32から入力される画
像データを加算して、動き補償部36に対して出力す
る。
【0037】動き補償部36は、FIFO38から入力
される動きベクトルに基づいて、加算部34から入力さ
れる画像データに対して動き補償処理を行い、減算部1
9の負入力端子および加算部34に対して出力する。予
備符号化部4において、動き補償部26は、動き検出部
16における動き検出の結果に基づいて、動き検出部1
6から入力される画像データに対して動き補償を行い、
動き補償の結果として得られた画像データを減算部28
の負入力端子に対して出力する。
【0038】減算部28は、圧縮後にBピクチャーおよ
びPピクチャーになるピクチャーの画像データから、動
き補償部26の動き補償の結果として得られたデータを
減算して予測誤差データを算出し、圧縮後にIピクチャ
ーになる画像データそのもの、および、算出した予測誤
差データをDCT部42に対して出力する。DCT部4
2は、減算部28から圧縮後にIピクチャーになるピク
チャーの画像データが入力される場合は、画像データそ
のものに対してマクロブロック単位にDCT処理を行
い、圧縮後にBピクチャーおよびPピクチャーになるピ
クチャーの画像データが入力される場合には、予測誤差
データに対してマクロブロック単位にDCT処理を行
い、DCT係数を予測部44に対して出力する。
【0039】予測部44は、DCT部42から入力され
たDCT処理の結果を、例えば、固定値の量子化レベル
Q(Fix-Q) により量子化し、量子化処理の結果として得
られたデータの符号量、および、加算部56から入力さ
れる目標符号量Tj に基づいて、量子化インデックスQ
Iを算出し、DCT部42から入力されたDCT係数と
ともにバックサーチ部46に対して出力する。
【0040】なお、予測部44において、二分木探索方
式により量子化インデックスQIを算出することも可能
である。以下、図3を参照して、予測部44において、
二分木探索方式により、量子化インデックスQIを求め
る場合の処理を説明する。図3は、図1に示した予測部
44において、二分木探索方式により量子化インデック
スQIを求める処理を、量子化インデックスQIの数が
16である場合について例示する図である。等符号長時
間TEにおいて、目標符号量以下であって、目標符号量
に近い値の圧縮映像データを得るためには、通常、等符
号長時間TE単位で、刻々と生成される圧縮画像データ
の符号量に基づいて、量子化レートQを動的に(ダイナ
ミックに)制御するフィードバック制御が用いられる。
【0041】しかしながら、動的なフィードバック制御
により発生符号量を制御する方法を採った場合、長い時
間において、発生符号量を一定以下に収めることができ
るものの、等符号長時間TEごとに発生符号量を一定に
保つことは難しい。二分木探索方式は、量子化インデッ
クスQIの値が量子化レートの刻みを粗くする方向に大
きくなる、発生符号量は量子化インデックスQIの値に
応じて単調に減少することに着目し、フィードフォワー
ド制御により、等符号長時間TEごとの発生符号量を目
標符号量以下であって、目標符号量に近い値とするため
に考案された方式である。
【0042】予測部44は、図3に示すように、第1段
階(1st stage)で、量子化インデックスQIの中央値
〔図3の例においては、QI=7(0〜15の中央
値)〕とし、この量子化インデックス7に対応する量子
化レートQで、DCT部42から入力されたDCT係数
を量子化し、発生符号量を求める。
【0043】予測部44は、第1段階において、発生符
号量が目標符号量を超えた場合には、第2段階(2nd sta
ge) において、量子化インデックスQIを11として、
量子化インデックス11(7〜15の中央値)に対応す
る量子化レートQで、DCT部42から入力されたDC
T係数を量子化し、発生符号量を求める。反対に、発生
符号量が目標符号量より少ない場合には、予測部44
は、第二段階において、量子化インデックスQIを3
(0〜7の中央値)として、量子化インデックス3に対
応する量子化レートQで、DCT部42から入力された
DCT係数を量子化し、発生符号量を求める。
【0044】以下、予測部44は、第3段階および第4
段階において、同様な処理を行い、最適な量子化インデ
ックスの値を求める。二分木探索方式によれば、n個の
量子化インデックスQIから最適な量子化インデックス
QIを求めるための演算はlog2 n回で済み、全ての
量子化インデックスQIを用いてDCT係数に対する量
子化を行い、最適な値を求める場合に比べて、演算量お
よび演算を実行するハードウェア量を大幅に少なくする
ことができる。
【0045】バックサーチ部46は、ダビングにより量
子化インデックスQI(量子化レートQ)が不明になっ
た画像データから、正しい量子化インデックスQIを求
める手段であって、予測部44から入力されたマクロブ
ロックごとのDCT係数および量子化インデックスQI
に基づいて、バックサーチにより、目標符号量Tj と発
生符号量Gj との差を、予測部44が算出した符号化イ
ンデックスQIよりもさらに少なくすることができる量
子化インデックスQI’を算出して、図1中に点線で示
すように量子化部22に対して出力する。
【0046】以下、図4を参照して、バックサーチ部4
6の構成および動作をさらに説明する。図4は、図1に
示したバックサーチ部46の構成を示す図である。図4
に示すように、バックサーチ部46は、絶対値回路46
0、n+1個の16ビット×16ビットの乗算を行う乗
算器462、n+1個のシフト回路464、n+1個の
絶対値回路466、n+1個の総和回路468、最大値
検出・最小値検出セレクタ470および除算回路472
から構成される。
【0047】絶対値回路460は、予測部44(DCT
部42)から入力されるDCT係数の絶対値を算出し、
乗算器462に対して出力する。絶対値回路460によ
りDCT係数の絶対値を算出するのは、乗算器462〜
最大値検出・最小値検出セレクタ470の各構成部分の
処理においては数値の倍数関係のみが問題となり、数値
の正負が問題とならず、また、絶対値とすることによ
り、これらの構成部分における演算が容易になるからで
ある。
【0048】n+1個の乗算器462およびn+1個の
絶対値回路466はそれぞれ、実質的に除算回路を構成
し、絶対値回路460から入力されるDCT係数の絶対
値を、予測部44から入力された量子化インデックスQ
Iに0,1,2,…,nを加えた値で除算し、量子化す
る。具体的には、例えば、乗算器462およびシフト回
路464が、DCT係数を量子化レベル=3で量子化す
る場合には、乗算器462がDCT係数に0AAABh
を乗算し、シフト回路464が乗算結果を18ビットシ
フトする。このような構成するのは、除算器の構成は複
雑であり、乗算器462およびシフト回路464を用い
て実質的に除算器を構成した方が、ハードウェア量が少
なくて済むからである。
【0049】n+1個の絶対値回路466は、それぞれ
n+1個の乗算器462およびn+1個のシフト回路4
64による量子化結果の小数部に対して、下の式1に示
す演算を行い、実質的に絶対値を算出する。
【0050】
【数1】 f(x) = x (x<0.5) f(x) = 1−x (x≧0.5) …(1)
【0051】式1に示した演算により、n+1個の絶対
値回路466はそれぞれ、例えば、乗算器462および
シフト回路464の量子化結果の絶対値化された小数部
が0.9である場合には、実際には−0.1であったと
みなして、小数部の絶対値の値を0.1とするためであ
る。n+1個の総和回路468はそれぞれ、n+1個の
絶対値回路466により絶対値化された量子化結果の小
数部の絶対値の総和値を算出し、最大値検出・最小値検
出セレクタ470に対して出力する。
【0052】最大値検出・最小値検出セレクタ470
は、n+1個の総和回路468が算出した総和値の内、
最大の値を求めて、除算回路472に対して出力する。
除算回路472は、シフト回路から構成され、最大値検
出・最小値検出セレクタ470が求めた総和値を1ビッ
トシフトすることにより、2で除算し、最大値検出・最
小値検出セレクタ470に対して出力する。n+1個の
総和回路468それぞれから入力される総和値の最小値
が、最大値の1/2以下である場合には、明らかに小さ
いと見なして倍数関係があると判断することができ、1
/2より大きい場合には特定の倍数関係がないと判断す
ることができる。
【0053】したがって、最大値検出・最小値検出セレ
クタ470は、n+1個の総和回路468それぞれから
入力される総和値の最小値が、最大値の1/2以下であ
る場合には、この最小値を与える量子化インデックスQ
Iを最終的な量子化インデックスQI’として量子化部
22に対して出力し、最大値の1/2より大きい場合に
は、最大値の1/2の値を与える量子化インデックスQ
Iを最終的な量子化インデックスQI’として量子化部
22に対して出力する。以上説明したバックサーチ部4
6の処理により、ダビングされ、元の量子化レートQが
不明になった画像データに対しても、最適な量子化イン
デックスQI’が求められる。このようにして、最適な
量子化インデックスQI’を求めることができる理由
は、一度、記録・再生された画像データをDCT処理し
て得られるDCT係数は、元の量子化レベルの倍数にな
っているためである。
【0054】目標符号量制御部5において、減算部48
は、配分符号量生成部54からマクロブロックごとに入
力される目標符号量Tj から、可変長符号化部24から
マクロブロックごとに入力される発生符号量Gj を減算
して剰余符号量Rj を算出し、加算部50に対して出力
する。加算部50は、上限値制限部52からマクロブロ
ックごとに入力される繰り越し符号量Sj (a)と、減
算部48からマクロブロックごとに入力される剰余符号
量Rj とを加算し、新たな繰り越し符号量Sj+1 を算出
して上限値制限部52に対して出力する。
【0055】上限値制限部52は、予め設定される上限
値LIMおよび加算部50から入力される繰り越し符号
量Sj の内、いずれか小さい方の値を上限値として加算
部56に対して出力する。配分符号量生成部54は、マ
クロブロックそれぞれに予め配分されている配分符号量
j を加算部56に対して出力する。
【0056】ここで、配分符号量Dj は、等符号長時間
TEごとに圧縮画像データに割り当てられる符号量を、
等符号長時間TEに含まれる画像データのピクチャーの
マクロブロックそれぞれに、ピクチャーの種類(ピクチ
ャータイプ)等に応じて配分した符号量である。また、
上限値LIMは、マクロブロックそれぞれの配分符号量
j に、繰り越し符号量Sj の値に応じて加算する符号
量の上限値である。加算部56は、配分符号量生成部5
4から入力された配分符号量と、上限値制限部52から
入力された上限値とを加算し、目標符号量Tj として予
測部44に対して出力する。
【0057】以下、画像データ圧縮装置1の動作を説明
する。まず、図5を参照して、減算部48、加算部5
0、上限値制限部52および加算部56による目標符号
量Tj の制御を行わない場合の画像データ圧縮装置1
(図1)における発生符号量の制御を説明する。図5
は、第1の実施形態における画像データ圧縮装置1の目
標符号量Tj の制御を行わない場合の発生符号量制御を
示す図である。なお、実際には、例えば、525/60
形式の画像データの1ピクチャーは1440個のマクロ
ブロックから構成されるが、図5においては、図示の簡
略化のために、1ピクチャーが3×4個(1〜12)の
マクロブロックから構成されている場合を示してある
(以下、図6,図8等において同様)。
【0058】図5において、配分符号量生成部54が、
等符号長時間TEに割り当てられた目標符号量Sj を、
各マクロブロックに均等に配分した配分符号量Dj が、
例えば、1,000ビットである場合、予測部44およ
びバックサーチ部46が生成した量子化インデックスに
基づいて、圧縮符号化部2に入力された各マクロブロッ
クの画像データから、1,000ビット以下であって、
1,000ビットに近い値の発生符号量の圧縮画像デー
タが、最終的に可変長符号化部24から出力される。
【0059】しかしながら、例えば、第1のマクロブロ
ック〜第12のマクロブロックから、実際に生成された
圧縮画像データの発生符号量G1 〜G12がそれぞれ、例
えば、図5に示すように、950ビット、980ビッ
ト、1,000ビット…である場合、目標符号量と発生
符号量の差〔剰余符号量Rj (=Sj −Gj )〕は、5
0ビット、20ビット、0ビット…となり、このピクチ
ャー全体で、350ビットの繰り越し符号量S(=ΣR
j )が生じ、無駄になる。
【0060】次に、図6を参照して、減算部48、加算
部50、上限値制限部52、配分符号量生成部54およ
び加算部56による目標符号量Tj の制御を行い、繰り
越し符号量Sj を減少させた画像データ圧縮装置1(図
1)における発生符号量の制御を説明する。図6は、第
1の実施形態における画像データ圧縮装置1の目標符号
量Tj の制御を行なう場合の発生符号量制御を示す図で
ある。
【0061】図6に示すように、目標符号量Tj の制御
は、減算部48〜加算部56により、第j番目のマクロ
ブロックで生じた剰余符号量Rj を、それ以降のマクロ
ブロックに再配分することにより行われる。図6におい
て、配分符号量生成部54が、等符号長時間TEに割り
当てられた目標符号量Sj を、各マクロブロックに均等
に配分した配分符号量Dj が、図5と同様に、例えば、
1,000ビットである場合、予測部44およびバック
サーチ部46が生成した量子化インデックスに基づい
て、圧縮符号化部2に入力された各マクロブロックの画
像データから、1,000ビット以下であって、1,0
00ビットに近い値の発生符号量の圧縮画像データが、
最終的に可変長符号化部24から出力される。
【0062】例えば、第1のマクロブロックから、実際
に生成された圧縮画像データの発生符号量G1 が950
ビットである場合、減算部48が、配分符号量生成部5
4から入力される配分符号量D1 から発生符号量G1
減算して得る剰余符号量R1は50ビット、加算部50
が算出した繰り越し符号量S1 〔Sj =Sj-1 −min
(LIM,Sj-1 )+Rj 、但し、S0 ,R0 =0〕は
50ビットになる。なお、繰り越し符号量S1 は、ピク
チャー(等符号長時間TE)ごとに初期化され、初期値
0 は0ビットとなる。
【0063】上限値制限部52は、繰り越し符号量S1
および上限値LIM(図6においては40ビット)のい
ずれか値が小さいほうを選択することにより、第2のマ
クロブロックに再配分する目標符号量の値〔再配分値
{=min(Sj-1 ,LIM)}〕を制限し、加算部5
6に対して出力する。加算部56は、配分符号量生成部
54が生成する配分符号量Dj と、上限値制限部52か
ら入力される再配分値を加算し、第2のマクロブロック
に対する目標符号量T2 (1,040ビット)を生成
し、予測部44に対して出力する。
【0064】予測部44は、DCT部42から入力され
るDCT係数、および、加算部56から入力される目標
符号量T2 に基づいて量子化インデックスQIを生成
し、バックサーチ部46が、最適化して、最終的な量子
化インデックスQI’を生成し、量子化部22に対して
出力する。予備符号化部4は、入力される第2のマクロ
ブロックを、量子化インデックスQI’に基づいて量子
化し、可変長符号化部24は、最終的に発生符号量R2
が1,020ビットの圧縮画像データを生成し、出力す
る。
【0065】画像データ圧縮装置1は、以下同様に、第
3のマクロブロック〜第12のマクロブロックの目標符
号量T3 〜T12をそれぞれ、1,030ビット、101
0ビット、…、1,040ビットとして圧縮符号化を行
い、それぞれ発生符号量Gjが1,020ビット、97
0ビット、…、1030ビットの圧縮画像データを生成
し、出力する。図6に示した画像データ圧縮装置1の動
作によれば、図5に示した画像データ圧縮装置1の動作
によって生じていた350ビットの繰り越し符号量S12
を、20ビットに減らすことができ、しかも、各マクロ
ブロックから生成される圧縮画像データの符号量を増や
すことができるので、伸長復号後の画像の品質が向上す
る。
【0066】なお、上限値制限部52において、各マク
ロブロックに対する再配分値を制限する理由は、再配分
する符号量に制限を設けないと、特定のマクロブロック
だけに多くの符号量を再配分したり、逆に、他の特定の
マクロブロックには全く符号量を再配分できなくなった
りして、伸長復号後の画像にむらが生じ、品質が劣化す
るからである。
【0067】なお、図6においては、説明の簡略化のた
めに、可変長符号化部24が出力した第j番目のマクロ
ブロックの圧縮画像データの発生符号量Gj が、次の第
j+1番目のマクロブロックの目標符号量Tj+1 に反映
される場合を示したが、実際には、目標符号量の算出を
行うためのハードウェア的な遅延、あるいは、ソフトウ
ェア的な遅延が存在し、あるマクロブロックから生成さ
れる発生符号量は、数個後のマクロブロックの目標符号
量に反映されることになる。
【0068】第2実施形態 以下、本発明の第2の実施形態を説明する。第1の実施
形態に示した目標符号量Tj の制御(図6)によれば、
無駄な最終的な繰り越し符号量Sj の値を少なくするこ
とができ、圧縮画像データの発生符号量Tj を増加させ
ることができるので、伸長復号後の画像の品質を向上さ
せることができる。しかしながら、図6に示した目標符
号量Tj の制御によると、各マクロブロックに対する目
標符号量Tj の値にばらつきが生じてしまい、伸長復号
後の画像にむらが残ってしまうことになる。
【0069】また、バックサーチにより量子化インデッ
クスQIを最適化するシステムにおいて、第1の実施形
態に示した目標符号量Tj の制御(図6)を行うと、1
回目の圧縮符号化において多くの目標符号量Tj を割り
当てたマクロブロックに、2回目の圧縮符号化に少ない
目標符号量Tj が割り当てられた場合、バックサーチに
より求めるる量子化インデックスQI’が、本来の1回
目の量子化インデックスQI’ではなく、それよりも大
きい値となることが生じ、さらに画質が劣化してしま
う。
【0070】目標符号量Tj と発生符号量Gj との誤差
が一定であれば、画像を劣化させることがない最適な上
限値LIMを求めることができる。しかしながら、実際
には、画像データ圧縮装置に入力される動画像の絵柄よ
り、目標符号量Tj と発生符号量Gj の関係は動的に変
化するので、このような最適な上限値LIMを求めるこ
とはできない。
【0071】第2の実施形態に示す目標符号量Tj の制
御方法は、等符号長時間TEにおける最終的な繰り越し
符号量Sj 一定の目標範囲に収めるように、各マクロブ
ロックに対する目標符号量Tj を制御すれば、各マクロ
ブロックに対する目標符号量の再配分をほぼ一定にでき
るという性質と、画像データの時間方向の相関性に着目
してなされたものであって、各マクロブロックに対して
均等な目標符号量Tjを割り当て、複数の画像データ圧
縮・伸長装置を直列に接続して画像の圧縮・伸長を繰り
返しても、常に正しい量子化レートで画像データを圧縮
することができ、画像にむらを生させることがないよう
に目標符号量Tj を制御する。
【0072】図7は、第2の実施形態における本発明に
係る画像データ圧縮装置6の構成を示す図である。な
お、図7においては、画像データ圧縮装置6の各構成部
分のうち、第1の実施形態に示した画像データ圧縮装置
1(図1等)と同じものには、同一の符号を付してあ
る。図7に示すように、画像データ圧縮装置6は、圧縮
符号化部2および目標符号量制御部62から構成され
る。つまり、画像データ圧縮装置6は、画像データ圧縮
装置1(図1)の予備符号化部4を、目標符号量制御部
62で置換した構成をとる。目標符号量制御部62は、
減算部620,626、目標符号量生成部624、目標
剰余符号量生成部628および上限値算出部630から
構成される。
【0073】まず、画像データ圧縮装置6における目標
符号量の制御の原理を説明する。図7に示すように、予
備符号化部4および目標符号量制御部5を、目標符号量
Tと、再配分値の上限値LIM、あるいは、固定の再配
分値そのものに基づいて、圧縮符号化を行い、ある発生
符号量の圧縮画像データを出力するブラックボックスと
して考えると、画像データ圧縮装置6全体を、繰り越し
符号量Sを制御する制御系としてとらえることができ
る。画像データ圧縮装置6は、等符号長時間TE(例え
ば、1以上のピクチャーあるいはGOP)の画像データ
に対する圧縮符号化が終了したときに、その目標符号量
Tと発生符号量Gとの差の総和〔最終的な繰り越し符号
量S{=Σ(Tj −Gj )}〕と、所定の固定目標値A
との差分(S−A)に対して所定の伝達関数Fによる演
算あるいは変換を行って、上限値LIMを決定し、次の
等符号長時間TEにおける圧縮符号化に用いるというフ
ィードバックループ制御を行うように構成されている。
【0074】さらに詳しく説明する。画像データ圧縮装
置6において、圧縮符号化部2(図実際の構成は図1に
示した通り)には、各マクロブロックに対する配分符号
量D j と再配分値の上限値LIMが与えられ、画像デー
タを等符号長時間TEごとに符号量が等しくなるように
圧縮符号化する。画像データ圧縮装置6は、等符号長時
間TEごとに、最終的な繰り越し符号量Sを算出するこ
とできる。
【0075】画像データ圧縮装置において、等符号長時
間TEそれぞれにおける最終的な繰り越し符号量Sの値
が大きいということは、等符号長時間TEそれぞれにお
いて多くの符号量を無駄にして捨てており、結果として
伸長復号後の画質を劣化させていることを意味する。
【0076】逆に、等符号長時間TEそれぞれにおける
最終的な繰り越し符号量Sの値が小さく、0に近いとい
うことは、等符号長時間TEそれぞれにおいて無駄にし
ている符号量が少なく、伸長復号後の画質の劣化が少な
いことを意味するが、一方、例えば、第1の実施形態に
おいて図6に示した目標符号量の制御を行う場合には、
各マクロブロックに対する目標符号量Tj の値にばらつ
きが生じており、伸長復号後の画像にむらが生じている
ことをも意味する。
【0077】そこで、画像データ圧縮装置6は、最終的
な繰り越し符号量Sに対して適切な値を固定符号量Aを
設定し、等符号長時間TEそれぞれにおいて、最終的な
繰り越し符号量Sが固定符号量Aより多い場合には、上
限値LIMを大きく変更して符号量を無駄にしないよう
にし、逆に、最終的な繰り越し符号量Sが固定符号量A
より少ない場合には、上限値LIMを小さく変更して、
各マクロブロックに対する再配分値を確保できるように
制御を行する。
【0078】なお、画像データ圧縮装置6において、上
限値LIMは、等符号長時間TEごとに変更され、ある
等符号長時間TEにおいて設定さえた上限値LIMは、
他の等符号長時間TEにおいては有効でないことに留意
する必要がある。しかしながら、画像データは時間方向
に強い相関性を有し、特に、通常、数ピクチャーの等符
号長時間TEにおいては相関性が強いので、ある等符号
長時間TEにおける最終的な繰り越し符号量Sに基づい
て算出した目標符号量Tj を、次の等符号長時間TEに
おいて用いても、実際上、不都合は生じない。
【0079】以下、画像データ圧縮装置6(図7)の各
構成部分を説明する。減算部620は、目標符号量生成
部624から入力される目標符号量Tj から予備符号化
部4の可変長符号化部24(図1、図7において図示せ
ず)から入力される発生符号量Gj を減算して、剰余符
号量Rj (=Tj −Gj )を算出し、減算部626に対
して出力する。またTEあたりの目標Tj から発生した
j を引きTEあたりの剰余符号量Rj =Tj −Gj
求める。目標符号量生成部624は、画像データ圧縮装
置1の予備符号化部4(図1)における動き補償部2
6、減算部28、DCT部42、バックサーチ部46、
減算部48、加算部50、上限値制限部52、配分符号
量生成部54および加算部56を含み(いずれも図7に
おいて図示せず)、上限値制限部52に上限値算出部6
30から各マクロブロックに設定される上限値LIMに
基づいて、圧縮符号化部2の走査変換ブロック化部14
(図1、図7において図示せず)から入力される画像デ
ータを処理し、マクロブロックそれぞれに対する目標符
号量Tj を生成し、圧縮符号化部2および減算部62
0,626に対して出力する。
【0080】目標剰余符号量生成部628は、固定符号
量Aを生成して減算部626に対して出力する。減算部
626は、減算部620から入力されるTEあたりの剰
余符号量Rから、目標剰余符号量生成部628から入力
固定符号量Aを減算し、(R−A)を出力する。上限値
算出部630は、減算部626から入力される減算結果
(R−A)に所定の関数Fによる演算を行ってΔLIM
〔F(R−A)〕を算出し、元の上限値LIMからΔL
IMを加算して、新たな上限値LIMを算出し、目標符
号量生成部624の上限値制限部52(図1、図7にお
いて図示せず)に対して出力する。
【0081】以下、図8を参照し、再配分値の上限値L
IMが40ビットであり、図8に示すピクチャー(等符
号長時間TE)全体に対する目標符号量が12,000
ビット(各マクロブロックに配分される配分符号量Dj
=1,000ビット)であり、目標剰余符号量生成部6
28が生成する固定符号量Aが70ビットであり、上限
値算出部630が用いる関数F〔=0.2(R−A)〕
である場合を例に、画像データ圧縮装置6の動作を説明
する。
【0082】例えば、この条件下、圧縮符号化部2が、
図5に示した通りの発生符号量Gjの圧縮画像データを
生成すると、図5に示した例における最終的な繰り越し
符号量Sは20ビットとなる。目標符号量制御部62
は、減算部626から入力される減算結果(R−A)に
基づいて、繰り越し符号量S(20ビット)から固定符
号量A(70ビット)を減算し、減算結果に0.2を乗
算してΔLIM〔−10ビット{=0.2(20−7
0)}〕を算出し、元の上限値LIM(40ビット)に
ΔLIMを加算して、新たな上限値LIM(30ビッ
ト)を算出し、圧縮符号化部2に対して出力する。圧縮
符号化部2は、目標符号量制御部62から入力される上
限値LIMを用いて、第1の実施形態においてと同様
に、図8に示した次のピクチャー(等符号長時間TE)
の画像データを圧縮符号化する。
【0083】以上説明したように、図5に示したピクチ
ャー(等符号長時間TE)の次のピクチャー(図8)に
おける上限値LIMは、目標符号量制御部62により、
30ビットに変更される。この上限値LIMの変更によ
り、図8に示したピクチャーの各マクロブロックに対す
る目標符号量Tj は、1,030ビット一定になる。し
かも、最終的な繰り越し符号量Sは50ビットになり、
図5に示した前のピクチャーの最終的な繰り越し符号量
(40ビット)よりも、固定符号量A(70ビット)に
近づいていることが分かる。
【0084】さらに、目標符号量制御部62は、図8に
示したピクチャーに対する圧縮符号化の結果に基づい
て、次のピクチャーの圧縮符号化に用いる新たな上限値
LIMを算出する。つまり、目標符号量制御部62は、
元の上限値LIM(30ビット)にΔLIM〔=0.2
(50−70)=14〕を加えて、図8に示したピクチ
ャーの次のピクチャーの圧縮符号化に用いる新たな上限
値LIM(26ビット)を算出する。
【0085】以下同様に、目標符号量制御部62は、圧
縮符号化結果に基づいて、各ピクチャーに対する上限値
LIMを算出し、圧縮符号化部2は、目標符号量制御部
62が算出した上限値を用いて各ピクチャーを圧縮符号
化する。
【0086】このように、目標符号量制御部62が、マ
クロブロックを圧縮符号化するたびに、上限値LIM
を、最終的な繰り越し符号量Sに応じて変更することに
より、圧縮符号化部2は、常に、最終的な繰り越し符号
量Sの値を一定の範囲内に収めて画像データを圧縮符号
化することができ、伸長復号化後の画像の品質を一定以
上に保つことができる。
【0087】以上説明したように、第2の実施形態に示
した画像データ圧縮装置6によれば、等符号長時間TE
単位で圧縮符号化を行う画像データ圧縮装置において、
無駄になる符号量を減らし、伸長復号後の画像の品質を
向上させることができる。また、等符号長時間TE内の
ほとんど全てのマクロブロックに対して等しい目標符号
量Tj を割り当てることができ、同一ピクチャー内のマ
クロブロックに対して割り当てられる目標符号量Tj
不均一性に起因して生じる画面のむらを防ぐことができ
る。また、第2の実施系形態に示した目標符号量の制御
とバックサーチ方式とを組み合わせることにより、量子
化インデックスQIを正しく求めることが可能になり、
ダビングを重ねた場合に生じる伸長復号後の画像の品質
低下を防ぐことができる。また、画像データ圧縮装置6
における目標符号量Tj の制御方法は、圧縮符号化部2
から動き補償を行う部分を除いた圧縮符号化部にも適用
可能である。
【0088】以下、画像データ圧縮装置6の変形例を説
明する。第1の変形例 図9は、画像データ圧縮装置6(図7)の第1の変形例
(画像データ圧縮装置64)の構成を示す図である。図
9に示すように、画像データ圧縮装置64は、圧縮符号
化部2、および、マイクロプロセッサ、メモリおよびこ
れらの周辺回路を有する目標符号量制御部640から構
成される。つまり、画像データ圧縮装置64は、画像デ
ータ圧縮装置6の目標符号量制御部62を、目標符号量
制御部640で置換した構成になっている。
【0089】画像データ圧縮装置6(図7)において、
減算部620,626、目標符号量生成部624、目標
剰余符号量生成部628および上限値算出部630が行
った目標符号量Tj の算出処理を、画像データ圧縮装置
64においては、画像データ圧縮装置640がソフトウ
ェア的な処理により行う。このように、目標符号量制御
部62を目標符号量制御部640に置換することによ
り、目標符号量Tj を生成するための演算方法の変更が
容易になる。
【0090】第2の変形例 画像データ圧縮装置6において、固定符号量Aの値は、
必ずしも一定である必要はなく、一定の幅が許される。
従って、各等符号長時間TEにおける最終的な繰り越し
符号量Sの値がA1 〜A2 (A1 >A2 )の範囲内であ
る場合には、上限値算出部630が上限値LIMの変更
を行わず、A1 〜A2 の範囲外である場合にのみ、上限
値算出部630が上限値LIMの変更を行うように画像
データ圧縮装置6の動作を変形してもよい。
【0091】第3の変形例 第2の実施形態に示した画像データ圧縮装置6における
目標データ量Tj の制御(図8)においては、再配分値
の上限値LIMを変更して、各マクロブロックに対して
目標符号量Tj を再配分する場合を示したが、均一に目
標符号量Tj の再配分が可能である限り、ピクチャー全
体に共通な目標符号量Tj の再配分を行うことが可能で
ある。
【0092】従って、第2の実施形態において説明した
ように、繰り越し符号量Sj および上限値LIMのいず
れか小さい方を再配分値として各マクロブロックに与え
るのではなく、予め、予測再配分値Lを、ピクチャーに
含まれるマクロブロックの目標符号量に加えた上で目標
符号量制御部62が上限値LIMを生成し、圧縮符号化
部2がこの上限値LIMを用いて圧縮符号化を行うこと
も可能である。
【0093】図10は、画像データ圧縮装置6(図8)
の第3の変形例による動作を例示する図である。この変
形例においては、目標符号量制御部62は、ピクチャー
に含まれるマクロブロック全てについて、予め、予測再
配分値L(30ビット)を設定し、第1のマクロブロッ
クに対する配分符号量D1 に加え、第1のマクロブロッ
クに対する目標符号量T1 の値を1,030ビットにす
る。このように、予測再配分値Lを設定することによ
り、図8に示した例においては、他のマクロブロックと
異なる目標符号量Tj (1,000ビット)が割り当て
られる第1のマクロブロックに対しても、図8に示した
例においては、他と同じ目標符号量T1 (1,030ビ
ット)が割り当てることが可能になる。
【0094】しかしながら、予測再配分値Lを大きく設
定しすぎると、ピクチャー(等符号長時間TE)におい
て符号量が不足する可能性があり、図8に示した例にお
いては、第1のマクロブロック〜第3のマクロブロック
までは、繰り越し符号量が不足し、さらに、最終的な繰
り越し符号量S12の値が0になっている。従って、第3
の変形例に示した予測再配分値Lの値は、実際には、も
う少し小さい値とする方が望ましい。
【0095】第3実施形態 以下、第3の実施形態を説明する。第1の実施形態およ
び第2実施形態(図5,図6,図8,図10)において
説明したように、繰り越し符号量Sj を続くマクロブロ
ックに再配分し、各等符号長時間TEにおける最終的な
繰り越し符号量Sを少なくするように、マクロブロック
それぞれに対する目標符号量Tj を制御することによ
り、無駄になる符号量を少なくすることができる。この
目標符号量Tj の制御方法を、例えば、画像データ圧縮
装置1(図1)において、2枚のピクチャー(Iピクチ
ャーおよびBピクチャー)から構成されるGOPを等符
号長時間TEとし、このGOP単位で画像データを圧縮
符号化する場合の目標符号量Tj と発生符号量Gj との
関係を図11に例示する。なお、説明の簡略化のため
に、図11においては、図5等と同様に、1つのピクチ
ャーが3×4個のマクロブロックから構成されている場
合を示す。
【0096】図11に示すように、画像データ圧縮装置
1の予備符号化部4(図1)において、配分符号量生成
部54は、発生符号量に応じて、IピクチャーおよびB
ピクチャーそれぞれに、1,000ビットおよび500
ビットの配分符号量Dj を与える。予備符号化部4は、
まず、Iピクチャーの第jのマクロブロックまでの目標
符号量Tj と発生符号量Gj との差〔余剰符号量R
j (=Tj −Gj )〕の総和〔繰り越し符号量Sj {=
Σ(Tj −Gj )}〕を、続く第j+1のマクロブロッ
クに再配分し、圧縮符号化部2の量子化部22(図1)
に設定する。
【0097】なお、予備符号化部4は、第1の実施形態
(図5)においてと同様に、第jのマクロブロックまで
の繰り越し符号号量Sj の全てを、第j+1のマクロブ
ロック1つだけに再配分すると、目標符号量Sj+1 の値
が非常に大きくなったり、反対に、他のマクロブロック
に対する再配分値が非常に小さくなったりして、マクロ
ブロックごとの再配分値の差が顕著になりやすい。した
がって、予備符号化部4は、再配分値に上限値LIM
(40ビット)を設け、繰り越し符号量Sj および上限
値LIMのいずれか少ない方〔min(Sj ,LI
M)〕を、続く第j+1のマクロブロックに分配する。
以上説明したように、予備符号化部4は、Iピクチャー
のマクロブロックそれぞれに対する目標符号量Tj を生
成し、圧縮符号化部2に設定する。
【0098】Iピクチャーのマクロブロックそれぞれに
対する目標符号量Tj の生成が終了すると、次に、予備
符号化部4は、Bピクチャーのマクロブロックそれぞれ
に対する目標符号量Tj の生成を行う。図11に示すよ
うに、Iピクチャーの第12のマクロブロックの圧縮符
号化が終了するまでに、20ビットの繰り越し符号量S
j が生じている。
【0099】予備符号化部4は、Iピクチャーからの繰
り越し符号量Sj を、Bピクチャーの第1のマクロブロ
ックに対する配分符号量Dj (500ビット)に配分
し、Bピクチャーの第1のマクロブロックの目標符号量
1 を520ビットとして圧縮符号化部2の量子化部2
2(図2)に設定する。
【0100】図11に示すように、例えば、Bピクチャ
ーの第1のマクロブロックの圧縮画像データの発生符号
量G1 が450ビットであり、70ビットの余剰符号量
1が生じた場合、予備符号化部4は、余剰符号量R1
(=繰り越し符号量S1 )が上限値LIM(40ビッ
ト)より多いため、上限値LIM(40ビット)を第2
のマクロブロックに再配分し、第2のマクロブロックの
目標符号量T2 を1,040ビットとして圧縮符号化部
2に設定する。以下、同様に、予備符号化部4は、Bピ
クチャーのマクロブロックそれぞれに対する目標符号量
j を生成し、圧縮符号化部2に設定する。
【0101】第3の実施形態に示したように、第1の実
施形態(図5)に示した目標符号量Tj の制御方法は、
複数の種類のピクチャーを含むGOPを等符号長時間T
Eとして画像データを圧縮符号化する場合にも適用可能
である。なお、第3の実施形態に示した目標符号量Tj
の制御方法は、他のピクチャータイプシーケンスのGO
P(等符号長時間TE)の画像データの圧縮符号化にも
適用可能である。また、同様に、第1の実施形態および
第2の実施形態(図6,図8,図10)に示した他の目
標符号量Tj の制御方法を、複数の種類のピクチャーを
含むGOPを等符号長時間TEとして画像データを圧縮
符号化する場合にも適用可能であことはいうまでもな
い。
【0102】第4実施形態 以下、本発明の第4の実施形態を説明する。第3の実施
形態に示した目標符号量Tj の制御方法(図11)によ
れば、第1の実施形態および第2の実施形態(図6,図
8,図10)に示した目標符号量T j の制御方法を、複
数の種類のピクチャーを含む画像データの圧縮符号化に
応用することができる。しかしながら、第3の実施形態
に示した目標符号量Tj の制御方法(図11)によれ
ば、図11においてIピクチャーの部分に示すように、
Iピクチャーのマクロブロックそれぞれの目標符号量T
j が一定にならず、伸長復号後の画像がマクロブロック
単位でばらつき、画像にむらが生じる。
【0103】また、図11において、Bピクチャーの部
分に示すように、目標符号量Tj に対して発生符号量G
j が比較的小さくなる場合、等符号長時間TEにおける
最終的な繰り越し符号量Sが大きくなり、多くの符号量
が無駄になる(図11においては210ビット)。つま
り、第3の実施形態に示した目標符号量Tj の制御方法
においては、等符号長時間TEごとに多くの符号量を無
駄にし、Iピクチャーの伸長復号後の画像が、マクロブ
ロックごとにばらつき、無駄が生じてしまう。
【0104】さらに、第2の実施形態(図6)おいて、
等符号長時間TEごとに、最終的な繰り越し符号量Sの
値が目標符号値Aに近づくようにする目標符号量Tj
制御方法(第1の変形例)を、等符号長時間TE(GO
P)が複数の種類のピクチャーを含む画像データに対す
る圧縮符号化処理に適応しようとすると、図11に示す
ように、等符号長時間TE(GOP)ごとに、繰り越し
符号量Sの値が目標値符号量Aに近づいていても、Iピ
クチャーの各マクロブロックに再配分する繰り越し符号
量Sj が不足してしまう。
【0105】第4の実施形態において説明する目標符号
量Tj の制御方法は、かかる問題点を解決するためにな
されたものであり、等符号長時間TE(GOP)の最初
の方のピクチャーでは、マクロブロックに再配分する符
号量を少なめにして繰り越し符号量を貯蓄し、後ろの方
のピクチャーでは、マクロブロックに再配分する符号量
を多めにすることにより、GOP内の各ピクチャーのマ
クロブロックそれぞれに再分配する符号量を一定にする
とともに、等符号長時間TEそれぞれにおける最終的な
繰り越し符号量Sも少なくすることができる。
【0106】図12は、第4の実施形態における目標符
号量Tj の制御方法により、2枚のピクチャー(Iピク
チャーおよびBピクチャー)から構成されるGOP単位
で画像データを圧縮符号化する場合の目標符号量Tj
発生符号量Gj との関係を例示する図である。なお、説
明の簡略化のために、図12においては、図11等と同
様に、1つのピクチャーが3×4個のマクロブロックか
ら構成されている場合を示す。第4の実施形態における
目標符号量Tj の制御方法は、画像データ圧縮装置1の
予備符号化部4(図1)が、最初のIピクチャーの各マ
クロブロックに再配分する符号量の上限値LIMI を、
次のBピクチャーの各マクロブロックに再配分する符号
量の上限値LIMB よりも小さく設定することを特徴と
している。
【0107】例えば、図12に示すように、最初のIピ
クチャーの各マクロブロックに再配分する符号量の上限
値LIMI を30ビット、次のBピクチャーの各マクロ
ブロックに再配分する符号量の上限値LIMB を50ビ
ットとすると、Iピクチャーの各マクロブロックに再配
分される符号量が減少するとともに、均等になる。
【0108】また、Iピクチャーの最後のマクロブロッ
ク(第12のマクロブロック)までの繰り越し符号量S
j が160ビットと、比較的大きい量になり、上限値L
IM B の値が50ビットと大きいBピクチャーの各マク
ロブロックに対して、充分な符号量を供給することがで
きる。さらに、Bピクチャーの第12のマクロブロック
までの繰り越し符号量S12(最終的な繰り越し符号量
S)の値は、100ビットになり、第3の実施形態(図
11)に示した目標符号量Tj の制御方法を用いた場合
(210ビット)よりも、無駄になる符号量が少なくな
る。
【0109】以下、図13を参照して、第4の実施形態
に示した目標符号量Tj (図12)の制御方法を実行す
る画像データ圧縮装置7を説明する。図13は、第4の
実施形態に示した目標符号量Tj の制御方法(図12)
を実現する画像データ圧縮装置7の構成を示す図であ
る。なお、図12に示した画像データ圧縮装置7の各構
成部分の内、画像データ圧縮装置1,6(図1,7)等
と同じものには、同一の符号を付してある。
【0110】図13に示すように、画像データ圧縮装置
7は、第2の実施形態に示した画像データ圧縮装置6
(図7)に、上限値変更部70,72および切り換え部
74を加え、目標符号量生成部624を目標符号量生成
部76で置換した構成になっている。画像データ圧縮装
置7において、上限値変更部70,72は、それぞれ補
正値C,−Cを発生し、切り換え部74に対して出力す
る。
【0111】切り換え部74は、圧縮符号化部2から入
力されるピクチャータイプを示す信号が、例えば、図1
2に示した場合において、圧縮符号化部2がIピクチャ
ーを圧縮符号化していることを示す場合は、上限値変更
部72から入力される補正値−C(図12においてはC
=10ビット)を目標符号量生成部76に対して出力
し、Iピクチャーを圧縮符号化していることを示す場合
は、上限値変更部70から入力される補正値Cを目標符
号量生成部76に対して出力する。目標符号量生成部7
6は、画像データ圧縮装置6の目標符号量生成部624
と同様に、上限値算出部630から入力された上限値L
IMに、切り換え部74から入力された補正値C,−C
を加算し、この加算結果に基づいて目標符号量Tjを算
出し、圧縮符号化部2の量子化部22(図1)に設定す
る。
【0112】なお、第4の実施形態に示した目標符号量
j の制御方法(図11)は、図13に示した画像デー
タ圧縮装置7の他に、例えば、画像データ圧縮装置1,
6(図1,図7)に対して適切に変形を加えることによ
り、あるいは、図14に示すように、画像データ圧縮装
置64(図9)のソフトウェアを変更することにより実
現可能である。また、第4の実施形態に示した目標符号
量Tj の制御方法は、3個以上のピクチャーから構成さ
れるGOPを等符号長時間TEとして画像データを圧縮
符号化する場合にも、適用可能であることはいうまでも
ない。また、第1〜第4の実施形態に示した各目標符号
量Tj の制御方法は、相互に矛盾を生じない限り、組み
合わせて用いることが可能である。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る画像
データ圧縮装置およびその方法によれば、単位時間長の
画像データを圧縮符号化し、所定の目標符号量Tj 以下
の圧縮画像データを得ることができ、しかも、目標符号
量Tj と、実際に発生した圧縮画像データの符号量との
差を非常に少なくすることができる。また、本発明に係
る画像データ圧縮装置およびその方法によれば、目標符
号量Tj と実際に発生した圧縮画像データの符号量との
差を非常に少なくすることができるにもかかわらず、全
てのマクロブロックに対して均一な符号量を割り当てる
ことができ、伸長復号後の画面の部分ごとに生じる画像
品質のムラをなくすことができる。しかも、本発明に係
る画像データ圧縮装置およびその方法によれば、ダビン
グ後の、元の量子化値が不明になった画像データを正し
い量子化インデックスを用いて圧縮符号化することがで
き、伸長復号後の画像の品質を大きく劣化させることが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像データ圧縮装置の構成を示す
図である。
【図2】図1に示した走査変換ブロック化部におけるマ
クロブロック化処理を示す図である。
【図3】図1に示した予測部において、二分木探索方式
により量子化インデックスQIを求める処理を、量子化
インデックスQIの数が16である場合について例示す
る図である。
【図4】図1に示したバックサーチ部の構成を示す図で
ある。
【図5】第1の実施形態における画像データ圧縮装置の
目標符号量Tj の制御を行わない場合の発生符号量制御
を示す図である。
【図6】第1の実施形態における画像データ圧縮装置1
の目標符号量Tj の制御を行なう場合の発生符号量制御
を示す図である。
【図7】第2の実施形態における本発明に係る画像デー
タ圧縮装置の構成を示す図である。
【図8】図7に示した画像データ圧縮装置における目標
符号量Tj の制御動作を示す図である。
【図9】画像データ圧縮装置(図7)の第1の変形例
(画像データ圧縮装置)の構成を示す図である。
【図10】画像データ圧縮装置(図8)の第3の変形例
による動作を例示する図である。
【図11】画像データ圧縮装置(図1)において、2枚
のピクチャー(IピクチャーおよびBピクチャー)から
構成されるGOPを等符号長時間TEとし、このGOP
単位で画像データを圧縮符号化する場合の目標符号量T
j と発生符号量Gj との関係を例示する図である。
【図12】第4の実施形態における目標符号量Tj の制
御方法により、2枚のピクチャー(Iピクチャーおよび
Bピクチャー)から構成されるGOP単位で画像データ
を圧縮符号化する場合の目標符号量Tj と発生符号量G
j との関係を例示する図である。
【図13】図13を参照して、第4の実施形態に示した
目標符号量Tj (図12)の制御方法を実行する画像デ
ータ圧縮装置を説明する。
【図14】第4の実施形態に示した目標符号量Tj の制
御方法(図11)を、画像データ圧縮装置(図9)によ
り実現する場合を示す図である。
【符号の説明】
1…画像データ圧縮装置、2…圧縮符号化部、10…画
像並べ替え部、12…ピクチャタイプ制御部、14…走
査変換ブロック化部、16…動き検出部、18…FIF
O、20…制御信号I/F、22…量子化部、24…可
変長符号化部、26…動き補償部、28…減算部、30
…逆量子化部、32…IDCT部、34…加算部、36
…動き補償部、38…FIFO、4…予備符号化部、4
2…DCT部、44…予測部、46…バックサーチ部、
48…減算部、50…加算部、52…上限値制限部、5
4…配分符号量生成部54、56…加算部、6…画像デ
ータ圧縮装置、620…目標符号量制御部、624…目
標符号量生成部、626…減算部、628…目標剰余符
号量生成部、630…上限値算出部、64…画像データ
圧縮装置、640…目標符号量制御部、7…画像データ
圧縮装置、70,72…上限値変更部、74…切り換え
部74、76…目標符号量生成部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データに含まれるピクチャーを所定数
    に等分割したマクロブロックそれぞれを、マクロブロッ
    クそれぞれに外部から設定される目標符号量以下であっ
    て、この目標符号量にほぼ等しい符号量になるように圧
    縮し、圧縮画像データを生成するマクロブロック圧縮手
    段と、 所定の単位時間長の前記画像データを圧縮して生成する
    前記圧縮画像データの符号量が、所定の単位符号量以下
    であって、前記単位符号量にほぼ等しい符号量になるよ
    うに前記目標符号量を算出し、前記マクロブロック圧縮
    手段に設定する目標符号量算出手段とを有する画像デー
    タ圧縮装置。
  2. 【請求項2】前記目標符号量算出手段は、 生成したマクロブロックごとの圧縮画像データの符号量
    と、前記目標符号量との差の累加算値を示す繰り越し符
    号量を、前記所定の単位時間長ごとに算出する繰り越し
    符号量算出手段と、 算出した前記繰り越し符号量と、予め前記単位符号量か
    らマクロブロックそれぞれに配分される配分符号量とに
    基づいて、マクロブロックそれぞれの前記目標符号量の
    上限値を示す上限符号量を算出する上限符号量算出手段
    と、 算出した前記繰り越し符号量に基づいて、算出した前記
    上限符号量を超えないようにマクロブロックそれぞれに
    前記目標符号量を割り当て、前記マクロブロック圧縮手
    段に設定する目標データ設定手段とを有する請求項1に
    記載の画像データ圧縮装置。
  3. 【請求項3】前記配分符号量は、前記単位符号量を圧縮
    後のピクチャーの種類に応じてピクチャーごとに分け、
    ピクチャーごとに分けた単位符号量を等分してマクロブ
    ロックそれぞれに分配され、 前記上限符号量算出手段は、分配された前記単位符号量
    に、前記繰り越し符号量に所定の係数を乗算した値を加
    算して、前記上限符号量を算出する請求項2に記載の画
    像データ圧縮装置。
  4. 【請求項4】前記上限符号量算出手段は、前記所定の単
    位時間長それぞれの最初のマクロブロックの前記上限符
    号量を、前記配分符号量に所定の予測符号量を加算した
    値とし、 前記繰り越し符号量算出手段は、前記繰り越し符号量の
    初期値を、前記所定の予測符号量に−1を乗じた値とし
    て、前記繰り越し符号量を算出する請求項2に記載の画
    像データ圧縮装置。
  5. 【請求項5】前記上限符号量算出手段は、前記余剰符号
    量の値が、所定の範囲外である場合にのみ、上限符号量
    の算出を行い、 前記目標データ設定手段は、上限符号量の算出が行われ
    た場合に、前記目標符号量を前記マクロブロック圧縮手
    段に設定する請求項2に記載の画像データ圧縮装置。
  6. 【請求項6】画像データに含まれるピクチャーを所定数
    に等分割したマクロブロックそれぞれから生成された圧
    縮画像データの符号量と、マクロブロックそれぞれに対
    して設定された目標符号量との差の累加算値を示す繰り
    越し符号量を、所定の単位時間長ごとに算出し、 算出した前記繰り越し符号量と、予め前記単位符号量か
    らマクロブロックそれぞれに配分される配分符号量とに
    基づいて、マクロブロックそれぞれの前記目標符号量の
    上限値を示す上限符号量を算出し、 算出した前記繰り越し符号量に基づいて、算出した前記
    上限符号量を超えないようにマクロブロックそれぞれに
    前記目標符号量を割り当て、 所定の単位時間長の前記画像データを圧縮して生成する
    前記圧縮画像データの符号量が、所定の単位符号量以下
    であって、前記単位符号量にほぼ等しい符号量になるよ
    うに前記目標符号量を算出し、 マクロブロックそれぞれを、目標符号量以下であって、
    この目標符号量にほぼ等しい符号量になるように圧縮し
    て圧縮画像データを生成する画像データ圧縮方法。
  7. 【請求項7】前記配分符号量は、前記単位符号量を圧縮
    後のピクチャーの種類に応じてピクチャーごとに分け、
    ピクチャーごとに分けた単位符号量を等分してマクロブ
    ロックそれぞれに分配され、 分配された前記単位符号量に、前記繰り越し符号量に所
    定の係数を乗算した値を加算して、前記上限符号量を算
    出する請求項6に記載の画像データ圧縮方法。
  8. 【請求項8】前記所定の単位時間長それぞれの最初のマ
    クロブロックの前記上限符号量を、前記配分符号量に所
    定の予測符号量を加算した値とし、 前記繰り越し符号量の初期値を、前記所定の予測符号量
    に−1を乗じた値として、前記繰り越し符号量を算出す
    る請求項6に記載の画像データ圧縮方法。
  9. 【請求項9】前記余剰符号量の値が、所定の範囲外であ
    る場合にのみ、上限符号量の算出を行い、 上限符号量の算出が行われた場合に、前記目標符号量を
    設定する請求項6に記載の画像データ圧縮方法。
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