JP4580893B2 - 接合方法および接合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、対向する基板の接合面を接合するための接合方法および接合装置に係り、特に、密閉された内部空間に電子素子が設けられる電子素子パッケージを構成する基板の接合技術に関するものである。
従来、半導体素子,弾性表面波素子、その他の様々な電子素子を大気中に存在する水分や酸素などの影響から保護する一手法として、容器内部に電子素子を収納し、該容器内部を密閉して電子素子を封止する技術が知られている。
このように電子素子を容器内部の空間に配置して封止した電子デバイスでは、容器内部の気密性(密閉性)を向上させて、水分などの浸入をより確実に防止するための様々な技術が提案されている。例えば、底面に電子素子が実装されたキャビティ(凹部)を有するセラミック基板の開口部を金属製の蓋部材により覆い、これらのセラミック基板と蓋部材とを、はんだやガラスパウダーなどを用いて接合および封止することが行われている。
一方、フリップチップボンディングにより、搭載された電子素子と基板との空隙を密閉して電子素子を封止する技術も実施されている。例えば、特許文献1では、表面弾性波デバイスの製造において、表面弾性波チップがフリップチップ接続されたパッケージ基板上を低融点ガラスを用いて封止することにより、樹脂を用いて封止する場合に比べて高い気密性を得るようにした技術が開示されている。
ところで、特許文献1に開示されているように、低融点ガラスにより封止したり、あるいは、容器を構成する部材をはんだやガラスパウダーにて接合したりする場合、高い気密性を得ることができる反面、高温にて低融点ガラスやはんだを溶融するための加熱処理が必要となり、耐熱性の低い電子素子の封止には適していない。特に、化合物半導体などの電子素子は、耐熱性が低いため高温加熱によって損傷する可能性が高い。
また、シリコン基板に電子素子を直接形成し、ガラスの蓋部材を用いて400℃で加熱し、陽極接合でシリコン基板とガラスを接合して密閉する方法もある。この場合は、基板同士を直接密閉して接合した後、ダイシング法により個片に分離する。しかし、陽極接合では、温度が高いため、耐熱性の低い部品は熱損傷を受ける可能性がある。
温度を低下して接合するための処理方法として、特許文献2には、基板表面を改質して低温で接合する方法が開示されている。
特開2003−110402号公報 特開平10−92702号公報
しかしながら、特許文献2で開示されている接合方法では、接合基板の処理は時間で管理されているため、接合基板の汚染度合いによっては所定の処理時間では処理しきれず、汚染物が残り接合信頼性が低下する。
また、逆に処理時間が長ければ汚染はなくなる。しかし、処理時間が長くなり過ぎると、接合基板の表面が荒れ、接合強度が低下して接合の信頼性が低下するという現象が起こる。
本発明は、前記従来の課題に鑑みなされたものであり、電子素子パッケージなどにおいて、信頼性高く基板どうしを接合することを可能にする接合方法および接合装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1の基板と第2の基板との各接合面を、それぞれ第1のエネルギー供給源と第2のエネルギー供給源とによってプラズマ化されたエネルギー波を照射することにより洗浄する第1の工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との洗浄された面を接合する第2の工程とを有する接合方法であって、前記第1の工程において、前記第1の基板と前記第2の基板から放出された元素を、質量分析手段により原子あるいは分子の量を検出しながら、前記元素の量が所定量以下に達したときに前記照射を終了し、前記第2の工程において、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の接合方法であって、第1のエネルギー供給源と第2のエネルギー供給源から第1の基板と第2の基板にそれぞれエネルギー波を照射する方向に、質量分析手段をそれぞれ個別に設置する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の接合方法であって、第1のエネルギー供給源と第1の質量分析手段との位置関係は、第1の基板に照射する第1のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から第1の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあり、第2のエネルギー供給源と第2の質量分析手段との位置関係は、第2の基板に照射する第2のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から第2の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にある。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載の接合方法であって、第1の質量分析手段の垂直方向の位置は、第1の基板に照射する第1のエネルギー供給源のエネルギー波が第1の基板に照射後、反射する方向にあり、第2の質量分析手段の垂直方向の位置は、第2の基板に照射する第2のエネルギー供給源のエネルギー波が第2の基板に照射後、反射する方向にある。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項記載の接合方法であって、第1の基板あるいは第2の基板から放出された元素の量に対して、第1の質量分析手段と第2の質量分析手段のいずれか一方の測定元素量が先に所定量以下に達したときに、該所定量以下になった対応するエネルギー供給源におけるエネルギーを減少させるか、またはエネルギー波の照射を停止し、他方のエネルギー供給源はエネルギー波を継続照射し、該継続照射しているエネルギー供給源側に対応する質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、エネルギー波の照射を終了して、第1の基板と第2の基板とを接合する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項記載の接合方法であって、第1の基板あるいは第2の基板から放出された元素の検出量に対して、第1の質量分析手段と第2の質量分析手段のいずれか一方の測定元素量が先に所定量以下に達したときに、該所定量以下になった対応するエネルギー供給源を停止し、他方のエネルギー供給源はエネルギー波を継続照射し、継続照射しているエネルギー供給源側に対応する質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、エネルギー波を継続照射しているエネルギー照射源を停止し、再度、最初に停止した方のエネルギー供給源のエネルギー波を照射し、照射しているエネルギー供給源側の質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、再度照射しているエネルギー供給源のエネルギー波の照射を停止して、第1の基板と第2の基板を接合する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6いずれか1項記載の接合方法であって、第1の基板と第2の基板を回転させる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6いずれか1項記載の接合方法であって、エネルギー波として、プラズマ、イオンビーム、原子ビーム、ラジカルビームのいずれかを用いる。
請求項9に記載の発明は、第1の基板と第2の基板とを接合するための接合装置であって、基板が搬入される反応室と、互いに対面する位置に設けられ前記第1の基板と前記第2の基板を設置する設置台と、前記第1の基板にエネルギー波を照射する第1のエネルギー供給源と、前記第2の基板にエネルギー波を照射する第2のエネルギー供給源と、前記反応室を真空に保つ真空排気口と、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合せるための貼り合せ手段と、前記第1のエネルギー供給源からエネルギー波を照射された前記第1の基板から放出された元素の質量を分析する第1の質量分析器と、前記第2のエネルギー供給源からエネルギー波を照射された前記第2の基板から放出された元素の質量を分析する第2の質量分析器とを備えた装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の接合装置であって、第1のエネルギー供給源と第1の質量分析器の位置関係が、第1の基板に照射する第1のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から第1の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあり、また、第2のエネルギー供給源と第2の質量分析器の位置関係が、第2の基板に照射する第2のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から第2の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあるように設定した。
請求項11に記載の発明は、請求項9記載の接合装置であって、第1の質量分析器の垂直方向の位置を、第1の基板に照射する第1のエネルギー供給源のエネルギー波が第1の基板に照射後、反射する方向に設定し、第2の質量分析手段の垂直方向の位置を、第2の基板に照射する第2のエネルギー供給源のエネルギー波が第2の基板に照射後、反射する方向に設定した。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11いずれか1項記載の接合装置であって、第1の基板と第2の基板を回転させる機構を備えた。
請求項13に記載の発明は、請求項9〜12いずれか1項記載の接合装置であって、第1のエネルギー供給源と第2のエネルギー供給源を、プラズマ、イオンビーム、原子ビーム、ラジカルビームをエネルギー波として供給する構成にした。
本発明によれば、接合対象である第1の基板と第2の基板から放出された元素(基板表面から放出される汚染物)を検出しながら、元素の量が所定量以下に達したときに、第1の基板と第2の基板とを接合することにより、第1の基板と第2の基板との接合の品質を確保することができ、高品質な接合を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る接合方法および装置における接合対象である電子素子パッケージの構成を示す断面図である。
図1において、電子素子パッケージ1は、内部に電子素子である半導体素子11が複数個形成された基板(第1の基板)12と、半導体素子11を収納するための複数個のキャビティー(凹)構造を有する蓋部材(第2の基板)13とからなる。蓋部材13には、キャビティー部14、および最終的に基板12と蓋部材13とを接合した後、チップにダイシング加工するための溝加工15が設けられている。基板12と蓋部材13はSi(シリコン)からなる。
基板12には、半導体素子11からの電気信号を出入力するための電気回路(図示せず)が形成されており、導電部材としての銅16が埋め込まれたスルーホールを通して外部と電気的に接続されている。17はダイシング加工した後の個片のチップを外部基板に実装するための電極である。
図2は本発明に係る接合方法および装置の実施形態1を説明するための改質処理が行われる接合装置の概略構成を示す断面図である。
図2において、20は後述する各部から各種の情報データを受け各部をコントロールする中央演算処理ユニットなどからなる制御部、21は反応室であって、反応室21の内部に一方の処理対象である基板12と、他方の処理対象である蓋部材13が設置されている。基板12は、基板台24上に載置され、蓋部材13は、上部基板台25に保持される。上部基板台25には、静電チャック26が埋設され、静電チャック26に電圧を印加することにより、蓋部材13が静電チャック26に吸着される。上部基板台25の外部延出部にはベローズ27が取り付けられており、このベローズ27を上下することにより上部基板台25を上下動することが可能になっている。
28は真空排気口、29は基板12を改質するための第1のエネルギー供給源である基板用中性ビーム源、30は蓋部材13を改質するための第2のエネルギー供給源である蓋部材用中性ビーム源であって、両中性ビーム源29,30には、それぞれガス供給配管31,32と電力供給配線33,34が接続されている。ガス供給配管31,32と電力供給配線33,34は、供給コネクター35,36により真空度が保たれている。
37は、基板12に基板用中性ビーム源29から照射された中性ビームが基板12の表面を洗浄する際に、基板12の表面から放出された元素を取り込むための第1の質量分析口、38は第1の質量分析手段である質量分析器、39は、蓋部材13に蓋部材用中性ビーム源30から照射された中性ビームが蓋部材13の表面を洗浄する際に、蓋部材13の表面から放出された元素を取り込むための第2の質量分析口、40は第2の質量分析手段である質量分析器である。
以上のように構成された実施形態1の接合装置における基板改質/接合動作について説明する。
反応室21を真空度10−5Paまで真空引きした後、両中性ビーム源29,30のそれぞれにガス供給配管31,32からAr(アルゴン)ガスを20sccm供給し、電力供給配線33,34から電圧1.2KVを印加する。反応室21は、Arガスが供給されているため、真空度は10−2Paに保たれている。両中性ビーム源29,30中にプラズマを発生させることにより、両中性ビーム源29,30から中性のArが引き出される。そして基板12は中性ビーム源29により、また蓋部材13は中性ビーム源30により、それぞれAr原子が照射され、基板12および蓋部材13の表面がスパッタリング作用によって洗浄される。
基板12および蓋部材13の表面から放出された元素は、それぞれ質量分析器38,40により分析される。Ar原子を照射する時間は、基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで終了する。その後、蓋部材13を保持している貼り合せ手段としての上部基板台25を下降し、蓋部材13を基板12に接触させ、5×10N/mの圧力で加圧して接合する。上述した動作は制御部41によりコントロールされる。
基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで、前記Ar原子を照射を終了するタイミングは、先に元素が規定値以下になったことを検知した質量分析器38,40のいずれかに対応する中性ビーム源29,30の一方を停止し、まだ規定値以下になっていない質量分析器38,40に対応する他方の中性ビーム源29,30については、そのまま改質処理を継続し、両質量分析器38,40において元素が規定値以下になったことを検知した時点で照射を終了する。
図3に処理時間が長くなった場合の接合強度を測定したグラフを示す。
処理時間が長くなれば、逆に基板12および蓋部材13の表面粗さが粗くなり、接合強度が低下するという現象が生ずる。これは、基板12や蓋部材13の表面に付着した汚染物が改質除去され、さらには下地をスパッタリングするため、表面粗さが粗くなるためである。実際に質量分析した結果、約1分30秒で表面の汚染物が除去されていることが判明した。そのため、基板12および蓋部材13の表面から放出される元素の管理は重要である。
以上のように本実施形態によれば、基板12および蓋部材13に対して、中性ビーム源29,30から放出されるAr原子の照射時間は、質量分析器38,40により、特定の元素,分子を検知し、当該特定の元素,分子が規定値以下になるまでとすることにより、処理不足をなくし、基板12および蓋部材13の品質を確保することができ、高品質な接合を実現することができる。特に、基板12および蓋部材13を片方ずつ、それぞれの表面を管理することにより、より接合信頼性が向上する。本実施形態では、CO(二酸化炭素)とCHを質量分析器により観測し、COで10−4Pa、CHで10−5Paを基準値とした。
次に、本発明の実施形態2における接合方法について、図4を参照しながら説明する。実施形態2に使用した接合装置は、図2に示す実施形態1に使用した接合装置と基本構成は同じで、実施形態1と異なる点は質量分析器の配置構成にある。
図4は実施形態2における質量分析器の位置関係を説明するため上方から見た場合の説明図であり、ここでは一方の中性ビーム源29に関連して説明する。質量分析器38は、中性ビーム源29の中性ビーム放出口41の中心から基板12の外周に沿って直線を引いた対向する2本の直線L,Lに囲まれる領域内に配設する。
また、図4には図示しないが、実施形態2において、図1に示す蓋部材13に対応する質量分析器40の位置関係も同様に設定し、中性ビーム源30の中性ビーム放出口の中心から蓋部材13の外周に沿って直線を引いた対向する2本の直線で囲まれる領域内に質量分析器40を配設する。
前記2本の直線に囲まれる領域外では、COやCHなどの絶対量が低下するため観測が困難となる。
実施形態2のように、質量分析器38,40の設置位置の範囲を設定することにより、精度よく基板12,蓋部材13の表面からの放出元素を観測,検知することができ、よって、高品質な接合を実現することができる。
次に、本発明の実施形態3における接合方法について、図5を参照しながら説明する。実施形態3に使用した接合装置は、図2に示す実施形態1に使用した接合装置と基本構成は同じで、実施形態1との違いは質量分析器の垂直方向の位置関係にある。
図5は実施形態3における質量分析器の位置関係を説明するため側面から見た場合の説明図であり、質量分析器38は、中性ビーム源29から放出された中性ビームBが基板12表面を照射して反射した方向に配設し、また、蓋部材13に対応する質量分析器40の位置関係も同様で、中性ビーム源30から放出された中性ビームBが蓋部材13の表面を照射して反射した方向に配設している。
実施形態3のように、質量分析器38,40を設置することにより、COやCHなどの絶対量は増加し、より正確な観測,検知が可能となる。よって、より精度よく基板12,蓋部材13の表面からの放出元素を観測することができるため、高品質な接合を実現することができる。
次に、本発明の実施形態4における接合方法について、図6を参照しながら説明する。図6は実施形態4である改質処理に使用する接合装置の概略構成を示す断面図である。なお、以下の実施形態4の説明において、図2を参照して説明した部材に対応する部材には同一符号を付した。
実施形態4に使用した接合装置は、図2に示す実施形態1に使用した接合装置と基本構成は同じであって、実施形態1と異なる点は基板12と蓋部材13をそれぞれ回転するための回転機構を具備する点である。
図6において、42は、基板12を回転させ、かつ真空を保つための磁性流体を用いた第1の真空保持回転機構、43は第1の真空保持回転機構42の回転駆動部である。同様に、44は、蓋部材13を回転させ、かつ真空を保つための磁性流体を用いた第2の真空保持回転機構、45は第2の真空保持回転機構44の回転駆動部である。
実施形態4において、基板12および蓋部材13は、それぞれ回転手段としての真空保持回転機構42,44を有し回転することができる。静電チャック26用の電気配線はブラシ状の電極(図示せず)により導電と回転が可能なように構成されている。
以上のように構成された実施形態4の接合装置における基板改質/接合動作について説明する。
実施形態1にて説明した条件と同様の条件にて、基板12および蓋部材13の表面を、スパッタリング作用で洗浄する。照射中は、基板12および蓋部材13は真空保持回転機構42,44により10rpmの速さで回転させる。基板12および蓋部材13の表面から放出された元素は、質量分析器38,40により分析される。Ar原子を照射する時間は、基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで、終了する。その後、蓋部材13を保持している上部基板台25を下降し、蓋部材13を基板12に接触させ、5×10N/mの圧力で加圧して接合する。
基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで処理を終了するタイミングは、各質量分析器38,40において、先に元素が規定値以下になった一方の中性ビーム源29,30を停止する方法とした。質量分析器38,40の両方が、規定値になって段階で、基板12と蓋部材13を接合する。
以上のように、実施形態4によれば、基板12および蓋部材13を回転させることにより、それぞれ基板12および蓋部材13の表面をむらなく処理することができる。すなわち、基板12および蓋部材13に対して、中性ビーム源29,30から放出するAr原子の照射時間を、質量分析器38,40により特定の元素、分子を観測,検知して、特定の元素,分子が規定値以下になるまでとしているため、より正確に処理を管理することができ、過剰な処理をなくすことができる。このため、基板12および蓋部材13の品質を確保することができ、高品質な接合を実現することができる。また、過剰な処理をなくし、効率的に処理することができるため、スループットも向上する。
次に、本発明の実施形態5における接合方法について図2を参照しながら説明する。実施形態5に使用した接合装置は、図2の実施形態1に使用した接合装置と基本構成は同じである。
図2において、実施形態1にて説明した条件と同様の条件にて、基板12および蓋部材13の表面は、スパッタリング作用で洗浄される。基板12および蓋部材13の表面から放出された元素は、質量分析器38,40により分析される。
Ar原子を照射する時間は、基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで終了する。その後、蓋部材13を保持している上部基板台25を下降し、蓋部材13を基板12に接触させ、5×10N/mの圧力で加圧して接合する。
基板12および蓋部材13の表面から放出される元素が規定値以下になったところで、終了するタイミングは、先に元素が規定値以下になったことを検知した質量分析器38,40のいずれかに対応する中性ビーム源29,30の一方を停止し、まだ規定値以下になっていない他方の中性ビーム源29,30については、そのまま改質処理を継続する。継続して改質処理した他方の質量分析器38,40の元素が規定値以下になったとき、継続処理している他方の中性ビーム源29,30を停止し、再度、先に停止した一方の中性ビーム源29,30を駆動し、基板12または蓋部材13を改質処理する。再度、照射されている一方の質量分析器38,40で元素が規定値以下になったことを検知したときに、中性ビーム源29,30を停止し、蓋部材13を基板12に接合する。
実施形態5によれば、基板12および蓋部材13に対して、中性ビーム源29,30を照射し、先に特定の元素,分子が規定値以下になったことを検知した質量分析器38,40側に対応する一方の中性ビーム源29,30の照射を停止し、他方の中性ビーム源29,30は継続照射する。該継続照射している中性ビーム源29,30に対応する質量分析器38,40にて特定の元素、分子が規定値以下になったことを検知したとき、継続照射している中性ビーム源29,30を停止し、再度、最初に停止した中性ビーム源29,30を駆動する。再度、最初に停止した中性ビーム源29,30側に対応する質量分析器38,40にて特定の元素、分子が規定値以下になったことを検知したとき、駆動している中性ビーム源29,30を停止し、基板12と蓋部材13を接合することにより、より精度良く過剰処理をなくし、基板12および蓋部材13の品質を確保することができ、高品質な接合を実現することができる。
より精度良く処理できる理由について以下説明する。
すなわち、両中性ビーム源29,30で処理している場合は、それぞれ対応する質量分析器38,40は、基板12および蓋部材13の両方からの影響を受ける。しかし、単独の中性ビーム源29,30で処理した場合は、基板12または蓋部材13から放出された元素や分子を観測することができ、より正確な処理が可能となる。一方が完全に処理できた段階で、再度、他方を一方の中性ビーム源29,30で処理することにより、同じ理由で、基板12または蓋部材13から放出された元素,分子を観測,検知することができ、より正確な処理が可能となり、過剰処理をなくし、より接合信頼性が向上する接合のスループットも向上する。
以上、本発明に係る実施形態について説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、実施形態1〜5において、アルゴンガスを用いたが、アルゴンの変わりに酸素ガスでもスパッタリング効果や有機物を除去する効果があるため、使用することができる。
また、プラズマの発生も、実施形態1〜5のように中性ビームによる改質に限定されず、他の方法、例えばイオンビームにより改質するようにしてもよく、プラズマ,イオンビーム,原子ビーム,ラジカルビームのいずれから適宜選択使用して、エネルギー波として供給することも考えられる。
また、実施形態1〜5では、基板12と蓋部材13は、材質としてシリコンとしたが、セラミック,ガラス(SiO)などの他の絶縁材料も適用される。
また、実施形態1〜5では、質量分析する元素や分子をCOやCHとしたが、Cなど他の元素や分子でも観測,検知可能であり、また観測する基板によっては他の元素や分子を測定することも可能である。
このように、本実施形態では、複数個の電子素子が形成された基板12と、蓋部材13との接合面を、Arの中性ビームで照射しているときに、基板12と蓋部材13との表面から放出される汚染物を質量分析器38,40により観測,検知し、特定の元素,分子の観測値が規定値以下になったときに、基板12と蓋部材13に対する改質処理を終了することにより、接合面の良好なる改質が行われる。そして、この状態で接合面を接合することにより、信頼性の高い接合基板を確保することができる。
本発明は、電子素子パッケージなどにおいて、信頼性高く基板どうしを接合するための接合方法および接合装置として適用され、特に、密閉された内部空間に電子素子を備えた加速度センサー,圧力センサー,SAWフィルターなどの電子素子パッケージの製造に用いて有効である。
本発明に係る接合方法および装置における接合対象である電子素子パッケージの構成を示す断面図 本発明に係る接合方法および装置の実施形態1を説明するための改質処理が行われる接合装置の概略構成を示す断面図 本実施形態に係る改質処理時間と接合強度の関係を示す図 本発明の実施形態2における質量分析器の位置関係を説明するため上方から見た場合の説明図 本発明の実施形態3における質量分析器の位置関係を説明するため側面から見た場合の説明図 本発明の実施形態4である改質処理に使用する接合装置の概略構成を示す断面図
符号の説明
1 電子素子パッケージ
12 基板(第1の基板)
13 蓋部材(第2の基板)
20 制御部
21 反応室
24 基板台
25 上部基板台
28 真空排気口
29,30 中性ビーム源
31,32 ガス供給配管
33,34 電力供給配線
37,39 質量分析口
38,40 質量分析器
41 中性ビーム放出口
42,44 真空保持回転機構
43,45 回転駆動部

Claims (13)

  1. 第1の基板と第2の基板との各接合面を、それぞれ第1のエネルギー供給源と第2のエネルギー供給源とによってプラズマ化されたエネルギー波を照射することにより洗浄する第1の工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との洗浄された面を接合する第2の工程とを有する接合方法であって、
    前記第1の工程において、前記第1の基板と前記第2の基板から放出された元素を、質量分析手段により原子あるいは分子の量を検出しながら、前記元素の量が所定量以下に達したときに前記照射を終了し、前記第2の工程において、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合することを特徴とする接合方法。
  2. 前記第1のエネルギー供給源と前記第2のエネルギー供給源から前記第1の基板と前記第2の基板にそれぞれ前記エネルギー波を照射する方向に、前記質量分析手段をそれぞれ個別に設置することを特徴とする請求項1記載の接合方法。
  3. 前記第1のエネルギー供給源と前記第1の質量分析手段との位置関係は、前記第1の基板に照射する前記第1のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から前記第1の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあり、前記第2のエネルギー供給源と第2の質量分析手段との位置関係は、前記第2の基板に照射する前記第2のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から前記第2の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあることを特徴とする請求項1または2記載の接合方法。
  4. 第1の質量分析手段の垂直方向の位置は、前記第1の基板に照射する前記第1のエネルギー供給源のエネルギー波が前記第1の基板に照射後、反射する方向にあり、前記第2の質量分析手段の垂直方向の位置は、前記第2の基板に照射する前記第2のエネルギー供給源のエネルギー波が前記第2の基板に照射後、反射する方向にあることを特徴とする請求項1または2記載の接合方法。
  5. 前記第1の基板あるいは前記第2の基板から放出された前記元素の量に対して、前記第1の質量分析手段と前記第2の質量分析手段のいずれか一方の前記測定元素量が先に前記所定量以下に達したときに、該所定量以下になった対応する前記エネルギー供給源におけるエネルギーを減少させるか、またはエネルギー波の照射を停止し、他方のエネルギー供給源はエネルギー波を継続照射し、該継続照射しているエネルギー供給源側に対応する前記質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、前記エネルギー波の照射を終了して、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の接合方法。
  6. 前記第1の基板あるいは前記第2の基板から放出された前記元素の検出量に対して、前記第1の質量分析手段と前記第2の質量分析手段のいずれか一方の前記測定元素量が先に所定量以下に達したときに、該所定量以下になった対応する前記エネルギー供給源を停止し、他方のエネルギー供給源はエネルギー波を継続照射し、継続照射しているエネルギー供給源側に対応する前記質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、前記エネルギー波を継続照射している前記エネルギー照射源を停止し、再度、最初に停止した方の前記エネルギー供給源のエネルギー波を照射し、照射しているエネルギー供給源側の前記質量分析手段の測定元素量が所定量以下に達したときに、再度照射している前記エネルギー供給源のエネルギー波の照射を停止して、前記第1の基板と前記第2の基板を接合することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の接合方法。
  7. 第1の基板と前記第2の基板を回転させることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の接合方法。
  8. 前記エネルギー波として、プラズマ、イオンビーム、原子ビーム、ラジカルビームのいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の接合方法。
  9. 第1の基板と第2の基板とを接合するための接合装置であって、基板が搬入される反応室と、互いに対面する位置に設けられ前記第1の基板と前記第2の基板を設置する設置台と、前記第1の基板にエネルギー波を照射する第1のエネルギー供給源と、前記第2の基板にエネルギー波を照射する第2のエネルギー供給源と、前記反応室を真空に保つ真空排気口と、前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合せるための貼り合せ手段と、前記第1のエネルギー供給源からエネルギー波を照射された前記第1の基板から放出された元素の質量を分析する第1の質量分析器と、前記第2のエネルギー供給源からエネルギー波を照射された前記第2の基板から放出された元素の質量を分析する第2の質量分析器とを備えたことを特徴とする接合装置。
  10. 前記第1のエネルギー供給源と前記第1の質量分析器の位置関係が、前記第1の基板に照射する前記第1のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から前記第1の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあり、また、前記第2のエネルギー供給源と前記第2の質量分析器の位置関係が、前記第2の基板に照射する前記第2のエネルギー供給源のエネルギー供給口の中心から前記第2の基板の外周部を結んだ直線の延長線にて囲まれる領域内にあるように設定したことを特徴とする請求項9記載の接合装置。
  11. 前記第1の質量分析器の垂直方向の位置を、前記第1の基板に照射する前記第1のエネルギー供給源のエネルギー波が前記第1の基板に照射後、反射する方向に設定し、前記第2の質量分析手段の垂直方向の位置を、前記第2の基板に照射する前記第2のエネルギー供給源のエネルギー波が前記第2の基板に照射後、反射する方向に設定したことを特徴とする請求項9記載の接合装置。
  12. 前記第1の基板と前記第2の基板を回転させる機構を備えたことを特徴とする請求項9〜11いずれか1項記載の接合装置。
  13. 前記第1のエネルギー供給源と前記第2のエネルギー供給源を、プラズマ、イオンビーム、原子ビーム、ラジカルビームをエネルギー波として供給する構成にしたことを特徴とする請求項9〜12いずれか1項記載の接合装置。
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