JP4578594B2 - フェルト状導電材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェルト状構造体で構成する二次電池の導電材に関し、一定方向の導電性を高めることによって内部抵抗を低減する導電材に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気の利用の仕方は、消費生活の変化に伴って著しく変化しており、電気需要は昼間と夜間、または季節によっても大きな差が生じている。また、昨今問題化した環境破壊への配慮から、二酸化炭素の排出量が少ないクリーンエネルギに対する要望が高く、このために多岐にわたる発電形態が研究されている。この発電形態として、効率の良い発電設備や、消費電力の少ない時間に発電した電力を二次電池に蓄え、その電力を必要なときに使用するという電力貯蔵システムが検討されている。また、民生用の電気機器においても、携帯電話やモバイルパソコンなどの移動用電源として、高密度の二次電池の開発が進められている。
【0003】
これらの二次電池は、いずれも電気を効率よく蓄えることが必要であり、例えば、電力貯蔵用にはナトリウム−硫黄電池(Na−S電池)が、また電子機器用にはリチウム電池などが開発されている。これらの二次電池は、いずれも活物質と呼ばれる材料の反応エネルギを電気エネルギとして利用し、固体電解質によって陽陰極の活物質を分離し、電子の授受や活物質イオンの移動を制御することで充放電の繰り返しを可能とする電池である。例えば、Na−S電池は、固体電解質としてβ−アルミナセラミックス管を用い、陰極活物質に溶融金属ナトリウム、陽極活物質に溶融硫黄を配置する筒形の電池である。Na−S電池は、β−アルミナ固体電解質によって陽陰極活物質を隔離し、このβ−アルミナ電解質がNaイオンのみを選択的に透過することを利用した二次電池である。
【0004】
これらの二次電池では、一般的に活物質材料やその反応物は導電性でなくてもよく、電池反応を円滑且つ均質にするためには補助材料として導電性材料を用いればよい。Na−S電池の場合にも、陽極には硫黄に電子を供給するための炭素材料を用いている。この炭素材料は、一般的に高い電子導電性を示し、且つ化学的に不活性であって且つ物質と反応しないため、電極の補助材料としてよく用いる材料である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの二次電池は、電力貯蔵を目的としているため、充放電時の内部抵抗が低く且つ充放電効率が高いものが望ましい。したがって、従来から電池の低抵抗化に関する研究が種々な形式で試みられている。例えば、Na−S電池における充放電効率の改善には、β−アルミナ固体電解質そのものの低抵抗化が行われている。また、陽極に関しても各部材間の接触抵抗を小さくし、且つ陽極内の活物質反応を促進するために内部抵抗を低減化することが必要である。
【0006】
また、陽極導電材としては、溶融硫黄を含有保持し且つ強度が大きくて電気抵抗が小さい素材が望ましく、この点から一般に炭素繊維フェルトを用いている。特開平8−130032号では、導電特性の改善および各部材間の接触抵抗が減少するために、PAN系の耐炎化繊維フェルトを用い、さらに炭素繊維フェルトの表面にα−アルミナの粉末を散布している。
【0007】
陽極導電材は、PAN系の炭素繊維フェルトを用いるだけでは電池性能の改善に限界があり、α−アルミナの粉末を散布しても性能改善は十分でない。実際には、2000℃の高温で焼成して炭素繊維フェルトにする前に、その前駆体である耐炎化繊維フェルトについて検討することが必要である。この耐炎化繊維は、繊維単独では200〜300℃程度の耐熱性と耐炎性を持ち、電気的には絶縁体であるため、炭素化処理によって始めてNa−S電池の陽極導電材として使用できる。
【0008】
本発明は、従来の導電材に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、炭素化処理で導電材として使用すると、通常の炭素繊維フェルトに比べて繊維配列度などが良好である耐炎化繊維を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る導電材は、電力貯蔵システムなどに用いる二次電池の導電材であり、主としてアクリル繊維を空気などの活性雰囲気中で200〜500℃で焼成した耐炎化繊維を用い、耐炎化繊維ラップの片面または両面から緻密にニードルパンチングして繊維を厚さ方向に配向させる。導電材としては、得た耐炎化繊維フェルトをさらに高温で炭素化処理を施すことを要する。
【0010】
陽極導電材用の耐炎化繊維フェルトは、その厚さが電極厚さの120〜145%、密度が0.14〜0.18g/cm、厚さ方向の繊維配列度が30%以上である。また、耐炎化繊維フェルトの引張強度は20〜100N/cmであると好ましい。この際に、フェルト厚さは端子荷重28g/cmで測定し、密度はJIS L 3201に準拠して重さ(絶乾単位重量)/厚さで算出し、引張強度はJIS L 3201に準拠し、繊維配列度はフェルト断面の顕微鏡写真において、縦方向の繊維が占める割合を画像処理によって算出する。
【0011】
前記の耐炎化繊維フェルトについて、用いる耐炎化繊維の物性が密度1.3〜1.5g/cm、引張強度1.5g/デニール以上、伸度15%以上、太さ1.5〜4.0デニール、繊維長35mm以上、クリンプ率8%以上であると望ましい。 このような物性の耐炎化繊維を用いると、ニードルパンチングおよび炭素化処理の後に、内部抵抗の小さい導電材を製造できる可能性が高くなる。
【0012】
耐炎化繊維は、炭素繊維を製造する際の前駆体であり、黒化繊維またはカーボンプレオキサイドファイバとも称する。耐炎化繊維は、基本的にナフチリジン環の生成によるラダーポリマー化によって耐炎化つまり熱安定化する。この耐炎化繊維において、原子吸光分析によるカルシウム含有量が約100ppm以下であることが必要である。導電材料表面に最終的にカルシウムが残留した場合には電池の充放電反応に際してフリーなイオンとして溶出し、電池抵抗を増加させる原因となるので可能な限り少ない方が望ましく、カルシウムの増加防止のために耐炎化繊維の保存に注意する。
【0013】
【発明の実施の形態】
二次電池の一例として、主として電力貯蔵システムに用いるNa−S電池1は、図1に例示するように、円筒形状の陽極容器2と、該陽極容器の中心部に配置するβ−アルミナ固体電解質管3とを備え、該固体電解質管は有底円筒形状であり、Naイオンに対して選択透過性を有する。固体電解質管3の内部には、底部に開口を設けた溶融金属ナトリウムの収納容器5を配置する。円筒状の陽極導電材7は、溶融硫黄を含浸した炭素繊維フェルトからなり、固体電解質管3の外周面と陽極容器2の内周面との間に配置する。
【0014】
陽極導電材7について、炭素繊維フェルトの前駆体である耐炎化繊維は、その繊維物性が密度1.3〜1.5g/cm、伸度15%以上、太さ1.5〜4.0デニール、クリンプ率8%以上、カルシウム含有量約100ppm以下であると望ましい。さらに好ましくは、この耐炎化繊維の物性は、密度1.39〜1.43g/cm、伸度15〜25%、太さ1.9〜2.2デニール、クリンプ率8〜15%、カルシウム含有量約100ppm以下であり、この範囲の物性の耐炎化繊維を用い、カーディングなどでラップを形成すると、このラップから所望の耐炎化繊維フェルト8(図2)を製造できる。
【0015】
耐炎化繊維フェルト8は、得たラップの片面または両面から緻密にニードルパンチングすることによって製造し、図2に示すように、このニードルパンチングで繊維10を厚さ方向に配向させる。この際に、ニードルパンチングをラップ片面だけに行うならば、陽極導電材7として、そのニードルパンチ面を固体電解質管側に位置させる。また、ニードルパンチングをラップ両面に行うならば、ニードルパンチ数をフェルト面ごとに異ならせ、より緻密なニードルパンチ面を固体電解質管側に位置させる。
【0016】
耐炎化繊維フェルト8の物性は、その厚さが電極厚さの120〜145%、密度が0.14〜0.18g/cm、繊維配列度が30%以上であり、引張強度は20〜100N/cmであると好ましい。
【0017】
厚さが電極厚さの120〜145%である耐炎化繊維フェルト8は、約2000℃で炭素化処理してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材7として固体電解質管3の外周面と陽極容器2の内周面との間に配置する。耐炎化繊維フェルト8は電気的に絶縁体であるのに、緻密なニードルパンチング後に焼成すると、陽極導電材7として必要な電導性を有する。また、耐炎化繊維フェルト8は300℃前後の耐熱性しか有しないのに、緻密なニードルパンチング後に焼成すると、陽極導電材7として必要な高耐熱性を有する。
【0018】
Na−S電池1において、放電時に溶融金属ナトリウムが電子を放出してNaイオンとなり、Naイオンが固体電解質管3を透過して陽極側に移動し、陽極導電材7において、Naイオンは硫黄および外部回路を通ってきた電子と反応して多硫化ナトリウムを生成し、約2Vの電圧が発生する。一方、充電時には、多硫化ナトリウムがNaイオン、硫黄、電子に分かれ、Naイオンが固体電解質管3を透過して陰極側に移動し、電子を受け取ってナトリウムに戻る。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1
陽極導電材7を製造するために、アクリル繊維を空気などの活性雰囲気中で200〜300℃で焼成した耐炎化繊維(商品名:パイロメックス、東邦レーヨン製)を用いる。この耐炎化繊維の物性は、密度1.41g/cm、強度2.3g/デニール、伸度21%、太さ2.0デニール、繊維長38または51mm、クリンプ率12%、クリンプ数8個/25mm、カルシウム含有量約20ppmである。
【0021】
この耐炎化繊維から、公知のカード機におけるカーディングによってラップを形成する。得たラップの片面からニードルパンチングを約1000回/cm行い、耐炎化繊維フェルト8を製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で120である(実施例4における実用化可能な電池性能を有するフェルトのニードルパンチング条件を100とする)。フェルト8のニードルパンチ面は、高温で焼成後に陽極導電材7として固体電解質管3の外周面と接する。
【0022】
得た耐炎化繊維フェルト8は、厚さが電極厚さの125%、密度が0.155g/cm、繊維配列度が70%であり、その引張強度は35N/cmである。また、伸度が80%である。
【0023】
耐炎化繊維フェルト8は、約2000℃で焼成つまり炭素化処理してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材7として固体電解質管3の外周面と陽極容器2の内周面との間に配置する。耐炎化繊維フェルト8から得た炭素繊維フェルトは、繊維10が厚さ方向に配向しているから、円筒状に湾曲して多少圧縮しても、その繊維は固体電解質管3の外周面および陽極容器2の内周面に対してほぼ放射状に配向した状態を維持する。
【0024】
陽極導電材7を用いるNa−S電池1において、その電池性能は相対値で抵抗が90および充放電効率が102である(実施例4における実用化可能な陽極導電材の電池性能つまり抵抗と充放電効率を100とする)。電池性能に関して、抵抗値は小さいほど好ましく、充放電効率は大きいほど好ましい。この結果、陽極導電材7は、Na−S電池1において必要な電導性を有し、十分に実施可能である。
【0025】
実施例2
導電材を製造するために、実施例1とほぼ同一の物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で110である。
【0026】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.150g/cm、繊維配列度が60%であり、その引張強度は40N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0027】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が95および充放電効率が102である。この結果、この導電材は、Na−S電池において必要な電導性を有し、十分に実施可能である。
【0028】
実施例3
導電材を製造するために、実施例1とほぼ同一の物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で110である。
【0029】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.160g/cm、繊維配列度が50%であり、その引張強度は50N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0030】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が100および充放電効率が100である。この結果、この導電材は、Na−S電池において必要な電導性を有し、十分に実施可能である。
【0031】
実施例4
導電材を製造するために、実施例1とほぼ同一の物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で100(基準値)である。
【0032】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの125%、密度が0.170g/cm、繊維配列度が50%であり、その引張強度は60N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0033】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が100(基準値)および充放電効率が100(基準値)である。この結果、この導電材は、Na−S電池において必要な電導性を有し、好適な陽極導電材である。
【0034】
実施例5
導電材を製造するために、実施例1とほぼ同一の物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で95である。
【0035】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.160g/cm、繊維配列度が35%であり、その引張強度は65N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0036】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が100および充放電効率が100である。この結果、この陽極導電材は、Na−S電池において必要な電導性を有し、十分に実施可能である。
【0037】
比較例1
導電材を製造するために、適当な物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で100である。
【0038】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの118%、密度が0.165g/cm、繊維配列度が50%であり、その引張強度は40N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0039】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が105および充放電効率が98であり、抵抗および充放電効率のいずれも好適でなく、陽極導電材として適用不可能である。この導電材は、厚さが電極厚さの118%であるため、厚みが小さすぎて電池性能が低下したものと推定できる。
【0040】
比較例2
導電材を製造するために、適当な物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で100である。
【0041】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの148%、密度が0.155g/cm、繊維配列度が50%であり、その引張強度は50N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0042】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が105および充放電効率が98であり、抵抗および充放電効率のいずれも好適でなく、陽極導電材として適用不可能である。この陽極導電材は、厚さが電極厚さの148%であるため、厚みが大きすぎて電池性能が低下したものと推定できる。
【0043】
比較例3
導電材を製造するために、適当な物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で100である。
【0044】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.185g/cm、繊維配列度が50%であり、その引張強度は70N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0045】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が110および充放電効率が96であり、抵抗および充放電効率のいずれも好適でなく、陽極導電材として適用不可能である。この導電材は、密度が0.185g/cmであるため、密度が高すぎて電池性能が低下したものと推定できる。
【0046】
比較例4
導電材を製造するために、適当な物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で120である。
【0047】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.135g/cm、繊維配列度が60%であり、その引張強度は20N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0048】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が110および充放電効率が96であり、抵抗および充放電効率のいずれも好適でなく、陽極導電材として適用不可能である。この導電材は、密度が0.135g/cmであるため、密度が低すぎて電池性能が低下したものと推定できる。
【0049】
比較例5
導電材を製造するために、適当な物性を有する耐炎化繊維を用いる。この耐炎化繊維をカーディングし、さらにニードルパンチングで耐炎化繊維フェルトを製造する。この際のニードルパンチング条件は相対値で70である。
【0050】
得た耐炎化繊維フェルトは、厚さが電極厚さの130%、密度が0.160g/cm、繊維配列度が25%であり、その引張強度は120N/cmである。この耐炎化繊維フェルトは、約2000℃で焼成してから適宜に裁断して円筒状に湾曲させ、陽極導電材として固体電解質管の外周面と陽極容器の内周面との間に配置する。
【0051】
この導電材を陽極に用いるNa−S電池において、その電池性能は相対値で抵抗が120および充放電効率が93であり、抵抗および充放電効率のいずれも好適でなく、陽極導電材として適用不可能である。この導電材は、引張強度が120N/cmと高く、繊維配列度が25%と低い為、電池性能が低下したものと推定できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る導電材は、素材となる耐炎化繊維フェルトが所望の物性を有することにより、二次電池に用いると通常の炭素繊維フェルトに比べて目詰まりの問題が発生することが少ない。このため、例えばNa−S電池の充電時において、多硫化ナトリウムから生成したNaイオンは、内外方への移動が常にスムースになり、該電池の内部抵抗を低減化する。
【0053】
本発明の導電材は、耐炎化繊維フェルトに緻密なニードルパンチ処理を施すことによって繊維配列度が優れ、その繊維は二次電池において固体電解質の外周面および陽極容器の内周面に対してほぼ放射状に配向し、充電時に活物質イオンの内外方への移動を促進する。Na−S電池などでは、陽極容器近傍の多硫化ナトリウムから生じたNaイオンは、固体電解質管までの距離が大きくても、該固体電解質管まで容易に移動でき、未反応の多硫化ナトリウムが残存することが少なくなる。
【0054】
本発明の導電材は、緻密なニードルパンチ処理後に高温で焼成した炭素繊維フェルトを用いることにより、製造が比較的容易で安価である。この炭素繊維フェルトに活物質を含浸させると、導電材として必要な電導性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陽極導電材を用いる二次電池の一例として電力貯蔵システム用電池を示す概略断面図である。
【図2】炭素化処理で陽極導電材となる耐炎化繊維フェルトを拡大して示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 Na−S電池
2 陽極容器
3 β−アルミナ固体電解質管
5 溶融金属ナトリウムの収納容器
7 陽極導電材
8 耐炎化繊維フェルト

Claims (3)

  1. 電力貯蔵システムなどに用いる二次電池の導電材であって、主としてアクリル繊維を空気などの活性雰囲気中で200〜500℃で焼成した耐炎化繊維を用い、耐炎化繊維ラップの片面から緻密にニードルパンチングして繊維を厚さ方向に配向させ、フェルト厚さが電極厚さの120〜145%、密度が0.14〜0.18g/cm、フェルト断面において厚さ方向の繊維が占める割合を示す繊維配列度が30〜70%であり、このフェルト状構造体をさらに高温で炭素化処理を施して導電性を持たせ、一方のニードルパンチ面を固体電解質管側に位置させる導電材。
  2. フェルト状構造体の引張強度が20〜100N/cmである請求項1記載の導電材。
  3. 繊維物性が密度1.39〜1.43g/cm、伸度15〜25%、太さ1.9〜2.2デニール、クリンプ率8〜15%である耐炎化繊維を使用した請求項1記載の導電材。
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