JP4577921B2 - 回転装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリル尖端を設けたドリル工具又は固定素子を回転運動させる回転装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば薄い金属で構成した構造部分を、例えば木製の基礎に固定するため、構造部分に貫通孔を形成することが必要であり、この貫通孔に固定素子の一部を貫通させてから基礎に固定することができる。この貫通孔は例えば、ドリル工具又は固定素子のドリルヘッドにより形成することができ、ドリル工具又は固定素子の回転は装置によって与えられる。
【0003】
構造部分に貫通孔又は収容孔を極めて短時間で形成するため、また装置に僅かな押し付け力だけで形成することができるようにするため、従来は、ドリル工具又は固定素子を極めて高回転で駆動することが行なわれてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような高回転は、構造部分の作業個所の温度を急激に上昇させ、作業個所の領域の材料の性質を劣化させ、ドリル工具又は固定素子のドリルヘッドによる切削加工を行なうことができなくなることもある。更に、ドリル工具又は固定素子のドリルヘッドとの間に極めて大きな摩擦を生じ、この摩擦がドリルヘッドの焼きつきやドリル工具又は固定素子の損傷を引き起こす。
【0005】
従って、本発明の目的は、構造部分に貫通孔又は収容孔を形成する際にドリル工具又は固定素子の損傷、特に焼きつきを少なくすることができるドリル工具又は固定素子に回転を与える回転装置を得るにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明による回転装置は、冷却媒体を貯留する貯蔵装置によりドリル工具又は固定素子の穿孔側の端部領域に少なくとも一時的に供給装置によって冷却媒体を供給することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、冷却媒体を供給するため、構造部分に貫通孔又は収容孔を形成する際にドリル工具又は固定素子のドリルヘッドの急激な温度上昇を冷却し、ドリル工具又は固定素子と構造部分との間の大きな摩擦にも係わらず、ドリルヘッドの焼き付きを回避することができる。ドリル工具又は固定素子に供給される冷却媒体は作業個所の領域の構造部分の表面を冷却し、従って、本来の材料の性質を保ち、貫通孔又は収容孔を形成する作業を完了するまで切削加工を行なうことができるようになる。また、冷却媒体を使用することにより、ドリル工具又は固定素子を高回転で駆動することができる。更に、貫通孔又は収容孔の形成は、短時間かつ少ない押し付け力で済む。
【0008】
冷却媒体の供給を簡単かつ確実に作動又は停止できるようにするためには、貯蔵装置の出口開口の内法寸法の大きさを制御することができるバルブを設けると好適である。
【0009】
バルブを制御装置に連係動作させるには、構造部分に貫通孔又は収容孔を形成する間にバルブを手動で動作させることができるようにすると好適である。制御装置は例えば、電気的又は電磁的な調整装置によって操作可能にし、例えば、装置の操作スイッチによる電流供給によって操作する。冷却媒体の供給の開始、持続、及び終了は例えば、電気的制御素子によって行なう。
【0010】
装置の移動に基づいてバルブの制御を行なわせることができるようにするためには、装置のハウジングに対して穿孔方向とは逆方向にばね素子の力に抗して移動可能な構造体により前記制御装置を構成し、この構造体には穿孔方向に指向する止め面及びバルブと連係動作する制御輪郭を設けると好適である。
【0011】
バルブの調整素子によって出口開口の内法寸法の大きさを正確に制御するためには、バルブの調整素子により貯蔵装置の出口の内法寸法を制御し、穿孔方向に関連して制御輪郭を0°〜90°の角度範囲にわたり移動させるようにすると好適である。
【0012】
製造技術の観点から冷却媒体を貯留する貯蔵装置)及びバルブが一つのユニットを構成するものとすると好適である。
【0013】
貯蔵装置に貯留するレベルと媒体としては、大気圧でガス状となる媒体とすると好適である。冷却媒体を貯蔵装置に高圧の圧力の下で詰め込み、冷却媒体の凝集によってガス状から液状に変化する。安全上の理由から貯蔵装置は圧力容器とすると好適である。
【0014】
空の貯蔵装置を冷却媒体が充満した貯蔵装置に迅速に交換できるようにするため、貯蔵装置は装置のハウジングに対して着脱自在にすると好適である。
【0015】
取り扱い上の理由から供給装置は少なくとも一部を可曲性の導管により構成すると好適である。
【0016】
ドリル工具は耐熱性の切り刃材料として例えば、ダイヤモンドを使用すると好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面につき本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0018】
図示の回転装置は回転運動を生ずるねじ回し装置に関連し、自己ドリル形ねじの形式のドリルヘッド、すなわちドリル尖端付きの固定素子2に対して作用する。このねじ回し装置は、ハウジング1と、グリップ11と、操作スイッチ12と、電気接続ケーブル13と、ハウジング1に対して回転可能なスピンドル14と、ハウジング1に固定した案内装置15とを有する。
【0019】
スピンドル14の作業側端部に固定素子2を固定し、この固定素子2のドリルヘッドを薄い肉厚の金属により構成した構造部分3の表面に押し当てる。穿孔方向とは反対側でドリルヘッドに雄ねじ山を設けたねじ部を隣接させ、このねじ部を大きな表面のヘッドで終端させる。ドリルヘッド及びねじ部はともに固定素子2のシャフト部分を構成する。構造部分3は、例えば、木製の基礎8に当接し、この基礎8に対して固定素子2により固定することができるようにする。
【0020】
ねじ回し装置のハウジング1に連結した案内装置15は支持素子5の収容部として機能し、この支持素子5において冷却媒体を貯留する圧力容器の形式の貯蔵装置6を固定する。支持素子5の穿孔方向とは反対側にばね52の力に抗して移動可能にし、この移動距離は固定素子2のシャフト部分の長さに相当する。ばね52は案内装置15の第1ラッチ16及び支持素子5の第2ラッチ51に連係動作する。
【0021】
冷却媒体を貯留する貯蔵装置6には支持素子5の穿孔方向側の端部からバルブ61を突出させる。バルブ61の調整素子62を押圧体43によって押圧できるようにし、この押圧体43に対して第1調整ねじ44を回転可能に配置し、穿孔方向側とは反対側に制御輪郭42を設ける。第1調整ねじ44はヨークの形式の連結部45に形成した開口に貫通させ、穿孔方向側の端部にヘッドを設け、第1調整ねじ44のねじ込みによって押圧体を形状ロックで固定することができるようにする。
【0022】
連結部45には他の開口を設け、この他の開口には第2調整ねじ46を貫通させる。この第2調整ねじ46の穿孔方向側にヘッドを設け、このヘッドには穿孔方向側の止め面41及び傾斜貫通孔を設け、この傾斜貫通孔に供給装置7の一部を収容し、この供給装置はバルブ61に連係動作する。
【0023】
止めねじ48によって供給装置7を傾斜貫通孔に固定する。供給装置7は肉薄の部分的に曲がることができる導管として構成する。第1調整ねじ44及び第2調整ねじ46が貫通する連結部45の双方の開口には図示しない雌ねじ山を設けて調整ねじ44,46の各々の雄ねじ山に対して調整する。調整ねじ44,46に作用する保護ナット機能によって調整ねじ44,46は連結部45に対してねじ連結のねじ込みによって固定することができる。押圧体43、第1調整ねじ44、及び第2調整ねじ46、並びに連結部45は構造ユニットとして予め組み立てることができる構造体4を構成する。
【0024】
連結部45には、双方の調整ねじ44,46に並んで更に他の第2貫通孔47を設け、この更に他の第2貫通孔47を図示のように切除して示す。この第2貫通孔47は図示のように調整ねじ46のための貫通孔に密接させて配置する。この貫通孔47はボルト状の制御素子53の第1部分が貫通するよう形成し、この制御素子53の第1部分の直径は貫通孔47の直径にほぼ等しいものとする。穿孔方向側とは反対側で制御素子の第1部分に対して第2部分を隣接させ、この第2部分の直径は第1部分の直径よりも大きくする。第1部分の穿孔方向に平行な方向の長さは、連結部45の穿孔方向に平行な方向の厚さ及びバルブ61の調整素子62の移動距離よりも大きくする。制御素子53は支持素子5に連結し、また周囲にばね素子54を配置し、このばね素子54を連結部の穿孔方向とは反対側の端面及び支持体5に接触させる。
【0025】
次に、固定素子の打ち込み作業について説明する。
【0026】
ねじ回し装置の図示の初期状態では、ドリルヘッドのドリル尖端及び第2調整ねじ46の止め面41を構造部分3の表面に当接した状態を示す。
【0027】
この後構造部分3に貫通孔を形成する際に、固定素子2に回転運動を与え、ドリルヘッドが構造部分3に切削作業で食い込む。これにより構造部分3に固定素子2が穿孔する。同時に、構造体4がばね素子54の力に抗して穿孔方向とは反対方向に移動し、バルブ61の調整素子62を動作させる。これにより、冷却媒体の貯蔵装置6から冷却媒体を供給装置7を介して固定素子2の穿孔側の端部領域に供給する。この結果、固定素子2のドリルヘッド及び構造部分3の表面の作業位置の領域を冷却し、ドリルヘッドの焼きつき及び構造部分3の材料の剛性の変化を生ずることがなくなる。
【0028】
構造部分3における貫通孔の形成後には、固定素子2が例えば、木製の基礎8に達し、この基礎8内にねじ込まれて固定される。この基礎は例えば、スチールで構成することもできる。バルブ61の調整素子62の動作を引き起こす調整ねじ44,46のその後の打ち込み作業を妨げることがないようにするため、冷却媒体貯蔵装置6を穿孔方向とは逆方向に案内装置15をばね52の力に抗して移動する。止め面41を有する第2調整ねじ46は打ち込み作業全体にわたり構造部分3に当接するため、供給装置7の出口開口の位置も変化しない。供給装置7により供給される冷却媒体は、固定素子2の雄ねじ山を設けたねじ部を冷却してから構造部分3に達する。
【0029】
調整ねじ44,46によりバルブ61が動作するそれぞれの作用点を調整することができる。例えば、第2調整ねじ46の止め面41を固定素子2のドリルヘッドの作業側端部よりも突出させ、ねじ回し装置を構造部分3に当接する際には既にバルブ61が動作し、ドリルヘッドを冷却してから固定素子2の回転運動を生ずるようにする。第2調整ねじ46の止め面41は、ドリルヘッドの作業側端部に対して穿孔方向とは反対方向に移動するよう配置してあり、従って、固定素子に作用する回転運動の開始まで冷却媒体の供給を遅らせることもできる。
【0030】
バルブ61の構造上の適切な対策によって、固定素子2のドリルヘッドによる貫通孔形成中バルブを動作させ続けることができる。
【0031】
貯蔵装置6に貯留するFCKWのない冷却媒体を、例えば、加圧条件の下で液状化した有機炭化水素、部分的にハロゲン化した炭化水素、又は無機炭化水素例えば、CO2 又はN2 Oとすることができる。この場合には、ドリルヘッド、固定素子、及び構造部分3 の表面の冷却は、相転移潜熱例えば、気化熱によって生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転装置の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 固定素子
3 構造部分
4 構造体
5 支持素子
6 貯蔵装置
7 供給装置
8 基礎
11 グリップ
12 操作スイッチ
13 電気接続ケーブル
14 スピンドル
15 案内装置
16 第1ラッチ
41 止め面
42 制御輪郭
43 押圧体
44 第1調整ねじ
45 連結部
46 第2調整ねじ
47 第2貫通孔
48 止めねじ
51 第2ラッチ
52 ばね
53 制御素子
54 ばね素子
61 バルブ
62 調整素子

Claims (5)

  1. ドリル尖端を設けたドリル工具又は自己ドリル形ねじの形式の固定素子(2)を回転運動させる回転装置において、
    冷却媒体を貯留する貯蔵装置(6)と、
    この貯蔵装置(6)からドリル工具又は固定素子(2)の穿孔側の端部領域に少なくとも一時的に前記冷却媒体を供給する供給装置(7)と、
    前記貯蔵装置(6)の出口開口における内法寸法の大きさを制御するバルブ(61)と、
    このバルブ(61)に連係動作する制御装置と、
    ハウジング(1)と
    前記ハウジング(1)に連結した案内装置(15)と、
    この案内装置(15)に移動可能に案内する支持素子(5)であって、前記貯蔵装置(6)を固定して支持する、該支持素子(5)と、
    一方の端部を前記案内装置(15)に連結し、他方の端部を前記支持素子(5)に連結するばね(52)と
    を備え、前記制御装置は、
    前記ハウジング(1)に対して穿孔方向とは逆方向にばね素子(54)の力に抗して移動可能な構造体(4)として構成し、この構造体(4)には穿孔方向に指向し、穿孔すべき構造部分(3)に当接する止め面(41)、バルブ(61)の調整素子(62)に係合して連係動作する制御輪郭(42)、前記支持素子(5)に連結しかつ周囲にばね素子(54)を配置した制御素子(53)、および前記止め面(41)、制御輪郭(42)、制御持ち(53)を支持する連結部(45)を設け、前記ばね素子(54)の一方の端部を前記連結部(45)に接触させ、また他方の端部を前記支持素子(5)に接触させ
    ことを特徴とする回転装置。
  2. バルブ(61)の調整素子(62)は、貯蔵装置(6)の出口の内法寸法を制御し、穿孔方向に対して制御輪郭(42)によって0°〜90°の角度範囲にわたり移動する構成とした請求項1記載の回転装置。
  3. 冷却媒体を貯留する貯蔵装置(6)及びバルブ(61)が一つのユニットを構成するものとした請求項1または2に記載の回転装置。
  4. 前記貯蔵装置(6)は圧力容器として構成した請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の回転装置。
  5. 前記供給装置(7)は少なくとも部分的に可曲性の導管により構成した請求項1乃至のうちのいずれか一項に記載の回転装置。
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