JP4577544B2 - 成形用金型の加熱冷却切替装置及び成形用金型の加熱冷却切替方法 - Google Patents
成形用金型の加熱冷却切替装置及び成形用金型の加熱冷却切替方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は成形用金型
の加熱冷却切替装置及び成形用金型の加熱冷却切替方法に関する。本発明は、樹脂ブロー成形や樹脂射出成形等の樹脂成形用の成形用金型、ゴム成形用の成形用金型、ダイカスト鋳造や重力鋳造や低圧鋳造などの鋳造成形用の成形用金型等の加熱冷却に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
成形用金型の成形キャビティを成形品に高精度に転写することは、必ずしも容易ではない。これは成形材料が成形用金型のキャビティ型面に接触した際には、成形材料が瞬間的に急冷されるため等の理由により、正確な転写が妨げられる等のためである。成形品の更なる高品質化のためには、転写精度を向上させることが好ましい。転写精度を向上させるためには、成形用金型の成形キャビティを区画するキャビティ型面の温度が高い方が好ましい。しかしながら成形用金型のキャビティ型面の温度が高い場合には、成形材料の成形固化速度が遅れるため、数秒を争ってサイクル時間の短縮化を図ることが強く要請される成形現場には必ずしも好ましいことではない。
【0003】
そこで、近年、成形キャビティを有する成形用金型と成形用金型の温度調整を行う温調通路とを有する成形装置に接続された加熱冷却切替装置が開発されている。この加熱冷却切替装置は、成形用金型のキャビティ型面の近くに形成した温調通路を用い、この温調通路に高温流体を供給して成形用金型のキャビティ型面を加熱する金型加熱工程と、温調通路に低温流体を供給して成形用金型のキャビティ型面を冷却する金型冷却工程とを、成形型による成形作業の進行に合わせて交互に急速に切替えるものである。この加熱冷却切替装置は、温調通路に低温流体を供給可能な低温流体通路系と、温調通路に高温流体を供給可能な高温流体通路系とを備えている。
【0004】
この加熱冷却切替装置によれば、成形用金型のキャビティ型面の温度を高温域に設定したい場合には、高温流体通路系により温調通路に高温流体を供給して成形用金型を加熱する金型加熱工程を実行する。成形用金型のキャビティ型面の温度を低温域に設定したい場合には、その温調通路に低温流体通路系により低温流体を供給して成形用金型を冷却する金型冷却工程を実行する。従って、成形の際には、金型加熱工程と金型冷却工程とが交互に急速に切替えられる。このため、成形用金型のキャビティ型面の温度が高温側または低温側に、あるいは低温側または高温側に急速に切り替えられ、成形サイクル時間の短縮化を図りつつ、成形品の転写精度の向上及び成形欠陥の低減等を図り得る利点が得られる。しかしながらこの加熱冷却切替装置においては、金型加熱工程から金型冷却工程に切替えられたときに、温調通路に残留している熱をもつ高温流体を外部に排出してしまうと共に、排出により減少したぶんを常温の流体で補充するため、エネルギロスが大きかった。
【0005】
そこで、近年、エネルギロスを減少させて加熱効率を高めた成形用金型の加熱冷却切替装置が開発されている(特開平10−34657号公報、1998年公開)。この公報に係る加熱冷却切替装置によれば、高温流体専用の回収タンク、低温流体専用の回収タンクが設けられている。このものでは、金型加熱工程から金型冷却工程に切替えられたときには、温調通路に残留していた高温流体は、温調通路に新たに供給された低温流体によって温調通路の外方に押し出され、高温流体専用の回収タンクに回収される。また、金型冷却工程から金型加熱工程に切替えられたときには、温調通路に残留していた低温流体は、温調通路に新たに供給された高温流体によって温調通路の外方に押し出され、低温流体専用の回収タンクに回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記公報に係る加熱冷却切替装置によれば、流体を回収する回収タンクとしては、高温流体専用の回収タンクと、低温流体専用の回収タンクとの双方が必要であり、設備の小型化には限界があった。
【0007】
更に、高温流体専用の回収タンクに回収されて貯留されている高温流体は、高温であるものの、金型冷却工程において回収タンク内に放置されるため、放置の際の放熱により温度がかなり低下する。このため、高温流体専用の回収タンク内に回収されていた高温流体を高温流体通路系に戻したときには、放熱で温度がかなり低下した高温流体が高温流体通路系の高温流体に混入してしまう。このような混入は好ましくない。その理由は、高温流体通路系に保持されている高温流体全体の温度を低下させることになるためである。
【0008】
この場合、高温流体通路系に保持されている高温流体の温度を再加熱して適温域である高温域に復帰させるためには、再加熱時間を必要とする。従って、生産性の向上を図るべく金型加熱工程及び金型冷却工程のサイクル時間の一層の短縮化を図るためには、限界があった。この場合、サイクル時間を短くすると、十分に加熱されていない高温流体が成形用金型の温調通路に供給されることになり、成形用金型を適温域に保持するのに不利となる。
【0009】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、回収タンクの数の節減を図ることにより設備の大型化を抑制し、且つ、高温流体を得る際のエネルギロスを減らして高温流体を加熱する加熱効率を確保できる成形用金型の加熱冷却切替装置、及び、成形用金型の加熱冷却切替方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る成形用金型の加熱冷却切替装置は、成形キャビティを有する成形用金型と成形用金型の温度調整を行う温調通路とを有する成形装置に接続され、且つ、温調通路に高温流体を供給して成形用金型を加熱する金型加熱工程と、温調通路に低温流体を供給して成形用金型を冷却する金型冷却工程とを、成形型による成形作業の進行に合わせて切替える成形用金型の加熱冷却切替装置において、
温調通路に低温流体を供給可能な低温流体供給通路と温調通路から吐出された低温流体が吐出される低温流体吐出通路とをもつ低温流体通路系と、
高温流体が循環可能となるように巡らされた循環通路と、循環通路の高温流体または高温流体となる流体に搬送力を与える流体搬送源と、循環通路の高温流体または高温流体となる流体を加熱するヒータとをもつ高温流体通路系と、
高温流体通路系と温調通路とを連通状態及び非連通状態に切替可能な接続開閉弁と、
高温流体通路系に組み込まれて設けられ、金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、温調通路に残留している低温流体を回収する低温流体回収状態に切替えられ、且つ、金型加熱工程から金型冷却工程へと移行する際に、温調通路に残留している高温流体を回収する高温流体回収状態に切替えられる共通回収タンクと、
共通回収タンクに回収されている低温流体を共通回収タンクの外部に排出する排出開閉弁とを具備する加熱冷却切替装置であって、
加熱冷却切替装置は、
(i)金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、高温流体通路系の高温流体を温調通路に供給することにより、温調通路に残留している低温流体を押し出して共通回収タンクに回収する低温流体回収操作を実行し、
排出開閉弁を開放することにより、共通回収タンク内の回収低温流体を共通回収タンクの外部に排出する低温流体排出操作を実行し、且つ、
(ii)金型加熱工程から金型冷却工程に移行する際に、低温流体通路系から温調通路に供給される低温流体により、温調通路に残留している高温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収し、その後、
(iii)金型冷却工程の実行中において、共通回収タンク内の回収高温流体を高温流体通路系の流体搬送源の駆動により高温流体通路系の循環通路に沿って循環させつつ、高温流体通路系のヒータで加熱して目標温度域に保持する昇温操作を行うことを特徴とするものである。
【0011】
(2)本発明に係る成形用金型の加熱冷却切替方法は、上記した請求項に係る成形用金型の加熱冷却切替装置を使用する方法の発明である。即ち、本発明に係る成形用金型の加熱冷却切替方法は、上記した請求項に係る成形用金型の加熱冷却切替装置を用い、高温流体通路系の高温流体を前記温調通路に供給して成形用金型を加熱する金型加熱工程と、
低温流体通路系の低温流体を前記温調通路に供給して成形用金型を冷却する金型冷却工程とを、成形用金型による成形作業の進行に合わせて切替える成形用金型の加熱冷却切替方法において、
(i)金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、高温流体通路系の高温流体を温調通路に供給することにより、前記温調通路に残留している低温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収する低温流体回収操作を実行し、
排出開閉弁を開放することにより、共通回収タンク内の回収低温流体を共通回収タンクの外部に排出する低温流体排出操作を実行し、且つ、
(ii)金型加熱工程から金型冷却工程に移行する際に、低温流体通路系から温調通路に供給される低温流体により、温調通路に残留している高温流体を温調通路から押し出して共通回収タンクに回収し、その後、
(iii)金型冷却工程の実行中において、共通回収タンク内の回収高温流体および主タンクに貯留されている高温流体を、高温流体通路系の流体搬送源の駆動により高温流体通路系の循環通路に沿って循環させつつ、高温流体通路系のヒータで加熱して目標温度域に保持する昇温操作を行うことを特徴とするものである。
【0012】
(3)本発明に係る加熱冷却切替装置、本発明に係る加熱冷却切替方法によれば、金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、温調通路に残留している低温流体を共通回収タンクに回収する。共通回収タンクに回収された低温流体は、排出開閉弁の開放により加熱冷却切替装置の外部に排出され、従って、高温流体通路系に混入することが抑えられ、ひいては高温流体通路系の高温流体の温度低下が抑制される。
【0013】
また本発明に係る加熱冷却切替装置、本発明に係る加熱冷却切替方法によれば、金型加熱工程から金型冷却工程へと移行する際に、温調通路に残留している高温流体を共通回収タンクに回収する。即ち共通回収タンクは高温流体及び低温流体を交互に回収する。従って回収タンクは高温流体の回収用と低温流体の回収用とで共通して使用され、回収タンクの数が減少し、設備の大型化が抑制される。
【0014】
更に、共通回収タンク内に回収された高温流体は、金型冷却工程の実行中において、流体搬送源の駆動により高温流体通路系の循環通路に沿って循環されつつ、ヒータを通過する際にヒータで加熱されて目標温度域に保持される。従って金型冷却工程の次に金型加熱工程を実行する際には、ヒータにより加熱されて目標温度域に保持されている高温流体を速やかに用いることができる。従って成形用金型は効率良く加熱される。上記したように共通回収タンク内に回収された高温流体を加熱保持できるのは、ヒータを有する高温流体通路系に共通回収タンクが組み込まれているためである。
【0015】
高温流体の温度及び低温流体の温度はそれぞれ相対的なものである。よって、高温流体は低温流体よりも温度が相対的に高いものであり、低温流体は高温流体よりも温度が相対的に低いものである。高温流体及び低温流体を構成する流体としては、作業性及びランニングコスト等を考慮すると、水が好ましい。高温流体及び低温流体の圧力としては適宜選択することができ、例えば1〜8kgf/cm2にできるが、これに限定されるもてのばない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明を具体化した実施形態について、図1〜図6を参照しつつ具体的に説明する。本実施形態に係る成形用金型の加熱冷却切替装置は図1に模式的に示されている。図1に示すように、加熱冷却切替装置は、樹脂をブロー成形する成形キャビティを有する成形用金型10と成形用金型10の温度調整を行う温調通路15とを有する成形装置1に接続されるものである。温調通路15は、互いに直列に繋がる入口側の第1温調通路15aと第2温調通路15bと出口側の第3温調通路15cとを有する。第2温調通路15bは成形用金型10の内部に埋設されており、成形用金型10のキャビティ型面10mの温度調整を行うためのものである。第2温調通路15bは、成形用金型10のキャビティ型面10mに対する伝熱迅速性を高めるべく、キャビティ型面10mに接近して設けられている。従って、第2温調通路15bに高温流体が供給されると、成形用金型10のキャビティ型面10mは急熱される。また第2温調通路15bに低温流体が供給されると、成形用金型10のキャビティ型面10mは急冷される。即ち第2温調通路15bには高温流体及び低温流体が交互に供給される。
【0017】
本実施形態に係る加熱冷却切替装置は、温調通路15に高温流体を供給して成形用金型10のキャビティ型面10mを加熱する金型加熱工程と、温調通路15に低温流体を供給して成形用金型10のキャビティ型面10mを冷却する金型冷却工程とを、成形用金型10による成形作業の進行に合わせて交互に切替えるものである。金型加熱工程が実行されると、成形用金型10のキャビティ型面10mが高温域とされるため、成形品の転写精度が向上すると共に、成形品の成形欠陥が低減される。金型冷却工程が実行されると、成形用金型10のキャビティ型面10mが冷却されるため、成形固化速度が促進され、成形サイクル時間が短縮化され、生産性が向上する。
【0018】
図1に示すように、低温流体通路系2は、温調通路15の第1温調通路15aに分岐点81を介して接続され低温流体を温調通路15に供給可能な低温流体供給通路21と、温調通路15の第3温調通路15cに分岐点82を介して接続され第3温調通路15cから吐出された低温流体が排出される低温流体吐出通路22とをもつ。低温流体供給通路21の入口側にはイン用の開閉弁23が設けられている。イン用の開閉弁23は工場の給水源等の流体源に繋がる。低温流体供給通路21の中間には第1中間開閉弁24が設けられている。低温流体吐出通路22の出口側にはアウト用の開閉弁25が設けられている。
【0019】
図1に示すように、高温流体通路系3は、高温流体が循環可能となるように巡らされた循環通路31と、高温流体または高温流体となる流体を循環通路31に補給するために循環通路31に配置された流体補給源としての主タンク32と、循環通路31の高温流体または高温流体となる流体に搬送力を与えるために循環通路31に配置された流体搬送源として機能するポンプ33と、循環通路31の高温流体または高温流体となる流体を加熱するために循環通路31に配置されたヒータ34とをもつ。循環通路31においては、主タンク32、ポンプ33、ヒータ34は直列に配置されている。ヒータ34は循環通路31の流体を加熱できるものであれば、その加熱形態は特に限定されない。ポンプ33は金型加熱工程及び金型冷却工程において連続的に駆動する。循環通路31は、直列に繋がる第1通路31a、第2通路31b、第3通路31c、第4通路31d、第5通路31eと、第4通路31dに対して並列して配置された並列通路31kとを有する。循環通路31の第2通路31bには第2中間開閉弁35が設けられている。
【0020】
高温流体通路系3と温調通路15とを連通状態及び非連通状態に切替え可能に接続する接続通路系5が設けられている。接続通路系5は、高温流体通路系3の循環通路31の第1通路31aと温調通路15の第1温調通路15aとを分岐点81、83を介して接続する第1接続通路51と、高温流体通路系3の循環通路31の第3通路31cと温調通路15の第3温調通路15cとを分岐点82、84を介して接続する第2接続通路52と、第1接続通路51に設けられた第1接続開閉弁53と、第2接続通路52に設けられた第2接続開閉弁54とを有する。第1接続開閉弁53は、高温流体通路系3の循環通路31の第1通路31aと第1温調通路15aとの連通状態及び非連通状態に切替える機能を有する。第2接続開閉弁54は、高温流体通路系3の循環通路31の第3通路31cと第3温調通路15cとを連通状態及び非連通状態に切替える機能を有する。
【0021】
図1に示すように、共通回収タンク6は、高温流体通路系3の並列通路31kに組み込まれて設けられており、主タンク32に対して並列に配置されている。ポンプ33(またはヒータ34)と主タンク32との間には第1開閉弁41が設けられている。ポンプ33(またはヒータ34)と共通回収タンク6との間には第2開閉弁42が設けられている。共通回収タンク6の入口と主タンク32の入口との間には第3中間開閉弁43が設けられている。
【0022】
排出開閉弁7は共通回収タンク6に接続されており、共通回収タンク6のタンク室を開放させるものであり、共通回収タンク6に回収されている低温流体を開弁により共通回収タンク6の外部に排出する機能を有する。
【0023】
次に、本実施形態に係る加熱冷却切替方法について説明を加える。加熱冷却切替方法は、高温流体通路系3の高温流体を接続通路系5を介して温調通路15に供給して成形用金型10を加熱する金型加熱工程と、低温流体通路系2の低温流体を温調通路15に供給して成形用金型10を冷却する金型冷却工程とを、成形用金型10による成形作業の進行に合わせて交互に切替え、これにより成形用金型10の成形キャビティのキャビティ型面10mを高温側に急速に切替えたり、キャビティ型面10mを低温側に急速に切替えたりする。金型加熱工程においては、成形用金型10のキャビティ型面10mが高温流体により急速に加熱されるため、成形用金型10で成形される成形品の転写精度が向上すると共に、成形品における成形欠陥も低減される。また金型冷却工程においては、成形用金型10のキャビティ型面10mが低温流体により急速に冷却されるため、成形用金型10の成形キャビティに装填された成形材料の成形固化速度が促進され、成形サイクルを短縮化でき、生産性の向上を図り得、数秒の短縮化であっても強く要請される成形現場に適する。
【0024】
まず、金型冷却工程を実行している場合を例にとって説明する。この場合、図2に示すように、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第1中間開閉弁24が開放する。このため、工場から送られた低温流体は、イン用の開閉弁23→低温流体供給通路21→分岐点81→第1温調通路15a→第2温調通路15b→第3温調通路15c→分岐点82→低温流体吐出通路22→アウト用の開閉弁25の順に流れる。このように金型冷却工程においては高温流体よりも温度が低い低温流体が成形用金型10の第2温調通路15bに供給されるため、成形用金型10のキャビティ型面10mが冷却される。この場合、第1接続開閉弁53、第2接続開閉弁54は閉鎖されているため、イン用の開閉弁23から供給された低温流体は高温流体通路系3には供給されず、高温流体通路系3の高温流体の温度は高温域に良好に維持される。
【0025】
なお、この金型冷却工程を実行している間には、図2に示すように、第1開閉弁41、第2中間開閉弁35、第3中間開閉弁43が開放され、且つ、排出開閉弁7が閉鎖された状態で、ポンプ33が駆動しているため、高温流体通路系3の高温流体が循環通路31を矢印A方向に沿って循環しつつ、つまり、循環通路31のヒータ34→第1通路31a→第2通路31b→第3通路31c→主タンク32に沿って循環しつつ、ヒータ34を通過するときにヒータ34により加熱される。従って金型冷却工程において、高温流体通路系3の高温流体は循環しつつヒータ34により高温域に常時保温されている。この金型冷却工程において、共通回収タンク6に高温流体が貯留されている場合には、排出開閉弁7が閉鎖されている状態で第2開閉弁42が開放し、共通回収タンク6の高温流体はヒータ34側に向かい、結局、循環通路31を矢印A方向に沿って循環しつつヒータ34により加熱される。
【0026】
上記した金型冷却工程を終えたら、金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する。金型加熱工程においては、図4に示すように、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第1中間開閉弁24が閉鎖されるため、工場からの低温流体は低温流体通路系2には供給されず、ひいては温調通路15にも供給されない。この金型加熱工程においては、図4に示すように、排出開閉弁7、第2中間開閉弁35が閉鎖されると共に、第1接続開閉弁53、第2接続開閉弁54、第1開閉弁41、第2開閉弁42、第3中間開閉弁43が開放されるため、高温流体通路系3の高温流体は、分岐点83→第1接続通路51及び開放状態の第1接続開閉弁53→分岐点81→第1温調通路15a→第2温調通路15b→第3温調通路15c→分岐点82→第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54→分岐点84→循環通路31の第3通路31c→主タンク32→循環通路31の第4通路31d→循環通路31の第5通路31eの順に流れて循環する。このように金型加熱工程においては、温度が高い高温流体が成形用金型10の第2温調通路15bに供給されるため、成形用金型10のキャビティ型面10mが高温域に急速加熱され、成形品の転写精度が高められると共に成形欠陥が低減される。
【0027】
なお、排出開閉弁7が閉鎖されると共に第2開閉弁42が開放する場合には、共通回収タンク6の流体は循環通路31に沿って循環するが、第2開閉弁42が閉鎖されている場合には、共通回収タンク6の流体は循環しない。従って、共通回収タンク6に高温流体が貯留されている場合には、第2開閉弁42が開放し、共通回収タンク6の高温流体は循環通路31を矢印A方向に沿って循環しつつ、ヒータ34により加熱され、高温域に保持される。共通回収タンク6に高温流体が貯留されていない場合には、第2開閉弁42を閉鎖することができる。
【0028】
ところで、金型冷却工程から金型加熱工程に移行した直後について説明を加える。金型冷却工程から金型加熱工程に移行した直後においては、前述したように金型冷却工程で温調通路15に供給されて成形用金型10を冷却した低温流体が、まだ温調通路15に残留している。このように金型冷却工程から金型加熱工程に移行した直後においては、図3に示すように、アウト用の開閉弁25が閉鎖され、且つ、第2開閉弁42、第1接続開閉弁53及び第2接続開閉弁54が開放されるため、前記したように高温流体通路系3の高温流体は、分岐点83→第1接続通路51及び開放状態の第1接続開閉弁53→分岐点81の順に流れ、温調通路15に新たに供給される。この結果、温調通路15に残留していた低温流体が、新たに供給された高温流体により先方に押し出されて、分岐点82→第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54→分岐点84→第3通路31cを順に流れ、共通回収タンク6に回収される。このときアウト用の開閉弁25が閉鎖されているため、温調通路15に残留していた低温流体が分岐点82から低温流体吐出通路22に流れることは抑えられる。このようにして温調通路15に残留していた低温流体を共通回収タンク6に回収する低温流体回収操作が実行される。このような低温流体回収操作においては、図3に示すように、第2中間開閉弁35及び第3中間開閉弁43が閉鎖していると共に第2開閉弁42が開放しているため、温調通路15に残留していた低温流体は、主タンク32側及び第2中間開閉弁35側には流れず、前述したように、分岐点82→第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54→分岐点84→第3通路31c→共通回収タンク6の順に流れ、共通回収タンク6に回収されて貯留される。
【0029】
上記したように温調通路15に残留していた低温流体を共通回収タンク6に回収する低温流体回収操作を終えたら、第2開閉弁42を開放状態から閉鎖状態に切替え、共通回収タンク6に回収された低温流体が循環通路31の第5通路31eの高温流体側に混入することを抑制する。これにより低温流体を回収したにもかかわらず、循環通路31の第5通路31eの高温流体の温度が低下することが抑えられる。
【0030】
上記したように温調通路15に残留している低温流体を共通回収タンク6に回収する低温流体回収操作を終えたら、低温流体排出操作が実行される。即ち、前記した低温流体回収操作により共通回収タンク6に回収された低温流体(温調通路15に残留していた低温流体)は、排出開閉弁7の開放により、共通回収タンク6の外部に排出される。この結果、共通回収タンク6は流体を再貯留可能な状態、つまり再回収可能な状態となる。なお、共通回収タンク6から低温流体を排出するにあたっては、例えば、重力、外部ポンプ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
上記した温調通路15に高温流体を供給して成形用金型10を加熱する金型加熱工程の実行中においては、図4に示すように、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第1中間開閉弁24、第2中間開閉弁35が閉鎖されているため、イン用の開閉弁23からの低温流体が低温流体通路系2に供給されることは阻止される。
【0032】
上記したように金型加熱工程を終えたら、成形作業の進行に伴い、再び金型冷却工程に移行する。金型加熱工程から金型冷却工程に移行すれば、図6に示すように、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第1中間開閉弁24が開放する。このため、工場の流体源から送られた温度が低い低温流体は、イン用の開閉弁23→低温流体供給通路21→分岐点81→第1温調通路15a→第2温調通路15b→第3温調通路15c→分岐点82→低温流体吐出通路22の順に流れる。このように低温流体が第2温調通路15bに供給されるため、成形用金型10のキャビティ型面10mが急速冷却され、成形材料の成形固化速度が促進される。この場合、第1接続開閉弁53、第2接続開閉弁54は閉鎖されているため、低温流体は高温流体通路系3には供給されず、高温流体通路系3の高温流体の温度は高温域に良好に維持される。
【0033】
上記したように金型加熱工程から金型冷却工程に移行した直後においては、金型加熱工程で供給した温度が高い高温流体が温調通路15にまだ残留しているが、図5に示すように、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第1中間開閉弁24が開放するため、金型冷却工程で新たに温調通路15に供給される低温流体が、温調通路15に残留している高温流体を先方に押し出す。この結果、温調通路15に残留していた高温流体は、分岐点82→第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54→分岐点84→第3通路31cを経て、共通回収タンク6に回収される。このときアウト用の開閉弁25、第2中間開閉弁35、第3中間開閉弁43は閉鎖されているため、回収されるべき高温流体は、主タンク32,アウト用の開閉弁25、第2中間開閉弁35の側には流れない。
【0034】
上記のようにして高温流体回収操作が実行される。上記したように温調通路15に残留していた温度が高い高温流体は装置の外部に廃棄されず、共通回収タンク6に回収されるため、エネルギロスが抑えられる。
【0035】
なお、金型加熱工程から金型冷却工程に移行した直後において、上記したように温調通路15に残留していた高温流体が共通回収タンク6に回収される高温流体回収操作が実行されたら、その後には、排出開閉弁7が閉鎖された状態で、第1開閉弁41及び第2開閉弁42が開放状態に維持されている。そのため、高温流体通路系3の高温流体がポンプ33の駆動により循環通路31に沿って矢印A方向に沿って循環するため、共通回収タンク6に回収されていた高温流体も共通回収タンク6からヒータ34側に押し出され、循環通路31に沿って矢印A方向(図6参照)に沿って循環し、そして、ヒータ34を通過する際にヒータ34で加熱されて目標温度域に昇温される。このようにして昇温操作を行う。このような昇温操作の場合には、主タンク32に貯留されている高温流体についても、循環通路31に沿って矢印A方向に沿って循環させつつヒータ34を通過する際にヒータ34で加熱して目標温度域に昇温させて保持する。従って本実施形態においては、成形用金型10を低温流体で冷却している金型冷却工程を実行している間において、高温流体通路系3の高温流体はポンプ33により循環通路31を循環し続けるため、ヒータ34により高温域に良好に維持される。この結果、再び金型加熱工程から金型冷却工程に移行したとき、高温流体通路系3の温度が高い高温流体を成形用金型10の温調通路15bに速やかに供給して成形用金型10のキャビティ型面10mを急速に加熱することができる利点が得られる。
【0036】
(実施形態の効果)
以上説明したように本実施形態に係る加熱冷却切替装置、本実施形態に係る加熱冷却切替方法によれば、金型冷却工程で供給されて温調通路15に残留している温度が低い低温流体を、接続通路系5の第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54を介して共通回収タンク6に回収することができる。また金型加熱工程で供給されて温調通路15に残留している高温流体を、接続通路系5の第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54を介して共通回収タンク6に回収することができる。このように本実施形態によれば、共通回収タンク6は、温調通路15に残留している高温流体の回収用と、温調通路15に残留している残留低温流体の回収用として共通して使用される。このため本実施形態によれば、温調通路15に残留している流体を回収する回収タンクとしては、1個の共通回収タンク6で足りる。よって回収タンクを2個必須としていた上記した従来技術の特開平10−15944号公報に係る加熱冷却切替装置に比較して、設備の大型化が抑制され、小型化を図ることができる。
【0037】
更に本実施形態においては、金型加熱工程から金型冷却工程に移行した直後においては、金型加熱工程で供給した高温流体が温調通路15にまだ残留している。しかし金型加熱工程から金型冷却工程に移行した直後においては、温調通路15に残留していた高温流体が低温流体により先方へ押し出され、第2接続通路52及び開放状態の第2接続開閉弁54を介して共通回収タンク6に回収される高温流体回収操作が実行される。このため高温流体を加熱冷却切替装置の外部に廃棄していたためエネルギロスが大きかった従来技術とは異なり、温調通路15に残留していた熱をもつ高温流体が加熱冷却切替装置の外部に廃棄されないため、エネルギロスが抑えられ省エネルギ化に貢献できる。
【0038】
本実施形態においては、温調通路15に残留していた高温流体が共通回収タンク6に回収されたら、金型冷却工程の間において、図6に示すように、共通回収タンク6内の回収高温流体を高温流体通路系3のポンプ33の駆動により高温流体通路系3の循環通路31に沿って矢印A方向に循環させつつヒータ34を通過する際にヒータ34で加熱して目標温度域に昇温させて保持する昇温操作を行う。換言すれば、金型冷却工程の間において、共通回収タンク6内に回収された高温流体をポンプ33の駆動により循環通路31に沿って矢印A方向に循環させつつヒータ34で加熱して目標温度域に昇温させて保持することができる。このように共通回収タンク6内に回収された高温流体をヒータ34で加熱保持できるのは、共通回収タンク6が高温流体通路系3に組み込まれているためである。
【0039】
本実施形態においては、上記したように共通回収タンク6内に回収された高温流体をヒータ34で加熱して目標温度域に昇温させ得るため、金型冷却工程から金型加熱工程に移行した直後においては、高温域に維持されていた温度が高い高温流体を温調通路15に速やかに供給して成形用金型10のキャビティ型面10mを急速に加熱することができる。このため本実施形態においては、ヒータ34の容量(単位時間当たりの加熱能力)を減少させてヒータ34の小型化を図ることもでき、設備の小型化を一層図り得る。
【0040】
更に高温流体通路系3の高温流体を循環させつつヒータ34で加熱するため、高温流体通路系3の高温流体の温度を高温域に良好に維持でき、高温流体通路系3の高温流体を温調通路15に速やかに供給できるため、金型冷却工程から金型加熱工程に移行する移行時間の短縮化、金型加熱工程のサイクル時間の短縮化を図るのに貢献でき、生産性の向上に寄与できる。換言すれば、生産性の向上のため金型冷却工程から金型加熱工程に移行する時間の一層の短縮化、金型加熱工程のサイクル時間の一層の短縮化が図られた場合であっても、高温流体通路系3に保持されている高温流体の昇温を追従させることができる。
【0041】
本実施形態においては、共通回収タンク6に回収された低温流体は、排出開閉弁7の開放により加熱冷却切替装置の外部に排出されるが、排出された量に相当する流体量は、高温流体通路系3の循環通路31に接続された流体補充部90により速やかに補充される。
【0042】
なお、イン用の開閉弁23、アウト用の開閉弁25、第2中間開閉弁35、第1開閉弁41、第2開閉弁42、第3中間開閉弁43、第1接続開閉弁53、第2接続開閉弁54等といった各種開閉弁の開放作動及び閉鎖作動は、図略の制御装置により制御される。この場合、同サイズの加熱冷却切替装置における高温流体及び低温流体の流速、目標場所への到達時間等を予め実験により求めておき、各種開閉弁の開放作動及び閉鎖作動をタイマー制御することにしても良い。
【0043】
本実施形態においては、高温流体の温度及び低温流体の温度はそれぞれ相対的なものである。よって、高温流体は低温流体よりも温度が相対的に高いものであり、低温流体は高温流体よりも温度が相対的に低いものである。例えば、高温流体は110〜150℃程度、低温流体は10〜30℃程度とすることができる。但し高温流体及び低温流体の温度域はこれに限定されるものではない。本実施形態で用いる流体は水であるため、高温流体は上記温度域を獲得するべく高圧であることが好ましい。
【0044】
(他の例)上記した実施形態では、温調通路15に残留している低温流体を、温調通路15に新たに供給される高温流体で先方に押し出すことにしている。また温調通路15に残留している高温流体を、温調通路15に新たに供給される低温流体で先方に押し出すことにしている。しかしこれに限らず、温調通路15に残留している低温流体と温調通路15に新たに供給される高温流体との間に空気層を介在させて先方に押し出すことにしても良い。同様に、温調通路15に残留している高温流体と温調通路15に新たに供給される低温流体との間に空気層を介在させて先方に押し出すことにしても良い。空気層を介在させた場合には必要に応じて、空気抜き具により空気層の空気を適宜抜くことができる。
【0045】
上記した実施形態は樹脂成形用の成形用金型の加熱冷却に適用しているが、これに限らず、ゴム成形用の成形用金型、ダイカスト鋳造や重力鋳造などの鋳造成形用の成形用金型の加熱冷却に適用することもできる。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施形態に記載の語句は、一部であっても各請求項に記載できるものである。
【0046】
(付記)上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
・温調通路には高温流体及び低温流体がそれぞれ経時的に交互に供給されることを特徴とする請求項1に係る成形用金型の加熱冷却切替装置、請求項2に係る成形用金型の加熱冷却切替方法。高温流体と低温流体とが温調通路に経時的に交互に供給されるため、成形用金型の急速加熱及び急速冷却を交互に行うことができる。
・金型加熱工程においては、温調通路に高温流体を供給して成形用金型のキャビティ型面を急速加熱し、金型冷却工程においては、温調通路に低温流体を供給して成形用金型のキャビティ型面を急速冷却することを特徴とする請求項1に係る成形用金型の加熱冷却切替装置、請求項2に係る成形用金型の加熱冷却切替方法。
・共通回収タンクは、高温流体通路系に組み込まれており、主タンクに対して並列に配置されていることを特徴とする請求項1に係る成形用金型の加熱冷却切替装置、請求項2に係る成形用金型の加熱冷却切替方法。共通回収タンクに高温流体及び低温流体を交互に回収するのに有利となる。
・高温流体通路系の高温流体は、金型冷却工程においては高温流体通路系内でヒータを経て循環しており、金型加熱工程においては接続開閉弁により連通された状態の高温流体通路系及び温調通路でヒータを経て循環していることを特徴とする請求項1に係る成形用金型の加熱冷却切替装置、請求項2に係る成形用金型の加熱冷却切替方法。
【0047】
【発明の効果】
本願発明によれば、(i)金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、高温流体通路系の高温流体を温調通路に供給することにより、温調通路に残留している低温流体を押し出して共通回収タンクに回収する低温流体回収操作を実行し、排出開閉弁を開放することにより、共通回収タンク内の回収低温流体を共通回収タンクの外部に排出する低温流体排出操作を実行し、且つ、(ii)金型加熱工程から金型冷却工程に移行する際に、低温流体通路系から温調通路に供給される低温流体により、温調通路に残留している高温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収し、その後、(iii)金型冷却工程の実行中において、共通回収タンク内の回収高温流体を高温流体通路系の流体搬送源の駆動により高温流体通路系の循環通路に沿って循環させつつ、高温流体通路系のヒータで加熱して目標温度域に保持する昇温操作を行うことを特徴とするものである。
【0048】
以上の説明から理解できるように、本発明に係る加熱冷却切替装置、本発明に係る加熱冷却切替方法によれば、金型冷却工程から金型加熱工程へと移行する際に、温調通路に残留している低温流体を共通回収タンクに回収する。共通回収タンクに回収された低温流体は、排出開閉弁の開放により装置の外部に排出され、高温流体通路系に直接混入することが抑えられ、ひいては高温流体通路系の高温流体の温度低下が抑制され、高温流体通路系の高温流体を加熱する加熱効率が確保される。
【0049】
また、金型加熱工程から金型冷却工程へと移行する際に、温調通路に残留している高温流体を廃棄することなく、共通回収タンクに回収するため、エネルギロスの発生が抑えられ、この意味においても加熱効率が確保される。
【0050】
上記したように本発明に係る加熱冷却切替装置、本発明に係る加熱冷却切替方法によれば、共通回収タンクは高温流体の回収用として、低温流体の回収用として双方に共通して使用される。このため回収タンクの数が減少し、それに要する配管も減少し、設備の小型化を図り得る。
【0051】
更に本発明に係る加熱冷却切替装置、本発明に係る加熱冷却切替方法によれば、共通回収タンク内に回収されている高温流体は、金型冷却工程の実行中において、流体搬送源の駆動により高温流体通路系の循環通路に沿って循環されつつ、ヒータを通過するときにヒータで加熱されて目標温度域に保持される。従って金型冷却工程の次に金型加熱工程に移行する際には、ヒータにより加熱されて目標温度域に保持されている高温流体通路系の高温流体を速やかに用いることができる。従って成形用金型は急速に加熱され、金型冷却工程から金型加熱工程に移行する時間の一層の短縮化、金型加熱工程のサイクル時間の一層の短縮化に有利である。換言すれば、生産性の向上のため金型冷却工程から金型加熱工程に移行する時間の一層の短縮化、金型加熱工程のサイクル時間の一層の短縮化が図られたとしても、高温流体通路系の高温流体の昇温を追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱冷却切替装置の模式図である。
【図2】金型冷却工程を実行している状態の加熱冷却切替装置の模式図である。
【図3】金型冷却工程から金型加熱工程に移行した直後の状態の加熱冷却切替装置の模式図である。
【図4】金型加熱工程を実行している状態の加熱冷却切替装置の模式図である。
【図5】金型加熱工程から金型冷却工程に移行した直後の状態の加熱冷却切替装置の模式図である。
【図6】金型冷却工程を実行している状態の加熱冷却切替装置の模式図である。
【符号の説明】
図中、1は成形装置、10は成形用金型、15は温調通路、2は低温流体通路系、21は低温流体供給通路、22は低温流体吐出通路、3は高温流体通路系、31は循環通路、32は主タンク、33はポンプ(流体搬送源)、34はヒータ、5は接続通路系、51は第1接続通路、52は第2接続通路、53は第1接続開閉弁、54は第2接続開閉弁、6は共通回収タンク、7は排出開閉弁を示す。
Claims (5)
- 成形キャビティを有する成形用金型と前記成形用金型の温度調整を行う温調通路とを有する成形装置に接続され、且つ、前記温調通路に高温流体を供給して前記成形用金型を加熱する金型加熱工程と、前記温調通路に低温流体を供給して前記成形用金型を冷却する金型冷却工程とを、前記成形用金型による成形作業の進行に合わせて切替える成形用金型の加熱冷却切替装置において、
前記温調通路に低温流体を供給可能な低温流体供給通路と前記温調通路から吐出された低温流体が吐出される低温流体吐出通路とをもつ低温流体通路系と、
高温流体が循環可能となるように巡らされた循環通路と、前記循環通路の高温流体または高温流体となる流体に搬送力を与える流体搬送源と、前記循環通路の高温流体または高温流体となる流体を加熱するヒータとをもつ高温流体通路系と、
前記高温流体通路系と前記温調通路とを連通状態及び非連通状態に切替可能な接続開閉弁と、
前記高温流体通路系に組み込まれて設けられ、前記金型冷却工程から前記金型加熱工程へと移行する際に、前記温調通路に残留している低温流体を回収する低温流体回収状態に切替えられ、且つ、前記金型加熱工程から前記金型冷却工程へと移行する際に、前記温調通路に残留している高温流体を回収する高温流体回収状態に切替えられる共通回収タンクと、
前記共通回収タンクに回収されている低温流体を前記共通回収タンクの外部に排出する排出開閉弁とを具備する加熱冷却切替装置であって、
前記加熱冷却切替装置は、
(i)前記金型冷却工程から前記金型加熱工程へと移行する際に、前記高温流体通路系の高温流体を前記温調通路に供給することにより、前記温調通路に残留している低温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収する低温流体回収操作を実行し、
前記排出開閉弁を開放することにより、前記共通回収タンク内の回収低温流体を前記共通回収タンクの外部に排出する低温流体排出操作を実行し、且つ、
(ii)前記金型加熱工程から前記金型冷却工程に移行する際に、前記低温流体通路系から前記温調通路に供給される低温流体により、前記温調通路に残留している高温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収し、
(iii)その後、前記金型冷却工程の実行中において、前記共通回収タンク内の回収高温流体を前記高温流体通路系の前記流体搬送源の駆動により前記高温流体通路系の前記循環通路に沿って循環させつつ、前記高温流体通路系の前記ヒータで加熱して目標温度域に保持する昇温操作を行うことを特徴とする成形用金型の加熱冷却切替装置。 - 請求項1において、前記共通回収タンクと前記流体搬送源とは互いに直列に配置されており、前記温調通路から回収される低温流体および高温流体は、前記共通回収タンクに設けられた1つの入口を通じて、前記共通回収タンクに回収されることを特徴とする成形用金型の加熱冷却切替装置。
- 請求項1または2において、前記接続開閉弁は、前記流体搬送源と前記金型とを繋ぐ通路に設けられた1つの第1接続開閉弁と、前記金型と前記共通回収タンクとを繋ぐ通路に設けられた1つの第2接続開閉弁であることを特徴とする成形用金型の加熱冷却切替装置。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項において、高温流体または高温流体となる流体を前記循環通路に補給するための主タンクが前記高温流体通路系に設けられており、前記共通回収タンクおよび前記主タンクは、前記高温流体通路系において互いに並列に配置されていることを特徴とする成形用金型の加熱冷却切替装置。
- 請求項1〜4のうちのいずれかに係る成形用金型の加熱冷却切替装置を用い、
高温流体通路系の高温流体を前記温調通路に供給して成形用金型を加熱する金型加熱工程と、
前記低温流体通路系の低温流体を前記温調通路に供給して前記成形用金型を冷却する金型冷却工程とを、前記成形用金型による成形作業の進行に合わせて切替える成形用金型の加熱冷却切替方法において、
(i)前記金型冷却工程から前記金型加熱工程へと移行する際に、前記高温流体通路系の高温流体を前記温調通路に供給することにより、前記温調通路に残留している低温流体を押し出して前記共通回収タンクに回収する低温流体回収操作を実行し、
前記排出開閉弁を開放することにより、前記共通回収タンク内の回収低温流体を前記共通回収タンクの外部に排出する低温流体排出操作を実行し、且つ、
(ii)前記金型加熱工程から前記金型冷却工程に移行する際に、前記低温流体通路系から前記温調通路に供給される低温流体により、前記温調通路に残留している高温流体を前記温調通路から押し出して前記共通回収タンクに回収し、その後、
(iii)前記金型冷却工程の実行中において、前記共通回収タンク内の回収高温流体および前記主タンクに貯留されている高温流体を、前記高温流体通路系の前記流体搬送源の駆動により前記高温流体通路系の前記循環通路に沿って循環させつつ、前記高温流体通路系の前記ヒータで加熱して目標温度域に保持する昇温操作を行うことを特徴とする成形用金型の加熱冷却切替方法。
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