JP2005007736A - 金型温調装置 - Google Patents
金型温調装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005007736A JP2005007736A JP2003174353A JP2003174353A JP2005007736A JP 2005007736 A JP2005007736 A JP 2005007736A JP 2003174353 A JP2003174353 A JP 2003174353A JP 2003174353 A JP2003174353 A JP 2003174353A JP 2005007736 A JP2005007736 A JP 2005007736A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- mold
- temperature control
- mold temperature
- working medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】射出成形機用の金型の温度調整を行う金型温調装置のエネルギー効率を向上させる。
【解決手段】二酸化炭素を作動媒体(冷媒)として循環させることにより、冷媒体から熱媒体に熱を移動させるヒートポンプ1と、温度計8により測定された金型5の温度と、射出成形機6を制御する射出成形制御部7からの射出工程に関する情報とに基づいて、冷媒体の流量を調整するバルブ3、及び熱媒体の流量を調整するバルブ4を制御し、金型5を所望の温度に制御する温度制御部2と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】二酸化炭素を作動媒体(冷媒)として循環させることにより、冷媒体から熱媒体に熱を移動させるヒートポンプ1と、温度計8により測定された金型5の温度と、射出成形機6を制御する射出成形制御部7からの射出工程に関する情報とに基づいて、冷媒体の流量を調整するバルブ3、及び熱媒体の流量を調整するバルブ4を制御し、金型5を所望の温度に制御する温度制御部2と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の金型に冷媒体と熱媒体を供給する金型温調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形による溶融材料の成形において、成形品の高品質化を図るために、金型温度を調整するための冷媒体及び熱媒体を供給する金型温調装置が用いられている。特に、溶融材料を金型に注入する際には、充填不足や、フローマーク(金型キャビティ内の成形材料の流れの跡が成形品に残った外観上の欠陥)などの外観不良を防止するために、金型に熱媒体を循環させることにより金型を加熱あるいは保温し、その後、金型のキャビティに充填された熱可塑性の溶融材料を冷却するために、金型に冷媒体を循環させることにより金型を冷却することが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
その熱媒体の加熱は、電熱ヒーターにより行われ、冷媒体の冷却は、R22などを作動媒体(冷媒)として用いた冷却機により行われていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−100216号公報(第2頁−第3頁、第1図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電熱ヒーターにより熱媒体を加熱し、冷却機により冷媒体を冷却することは、電力消費量が多くなるという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、電力消費量を削減可能な金型温調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による金型温調装置は、加熱用の熱媒体、及び冷却用の冷媒体を射出成形用の金型に供給する金型温調装置において、作動媒体を循環させることにより、前記冷媒体から前記熱媒体に熱を移動させるヒートポンプを備えたものである。
【0007】
このように構成された本発明によれば、冷媒体の冷却に所定の作動媒体を循環させる冷却機を用い、熱媒体の加熱に電熱ヒーターなどを用いる場合に比べ、消費電力を削減することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記作動媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記熱媒体との熱交換を行う第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で熱交換された前記作動媒体を膨張させる膨張弁と、前記膨張弁で膨張した前記作動媒体と、前記冷媒体との熱交換を行う第2の熱交換器と、を有してもよい。
このように構成された本発明によれば、単一の圧縮機を用いることにより、熱媒体と冷媒体を金型に供給することができる。
【0009】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記作動媒体と、成形材料を乾燥させる乾燥機内の空気との熱交換を行う第3の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプを用いて、成形材料の乾燥を行うことができる。
【0010】
また、本発明による金型温調装置では、前記第3の熱交換器が、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記乾燥機内の空気との熱交換を行ってもよい。
このように構成された本発明によれば、電熱ヒーターのみで成形材料を乾燥させる場合よりも、成形材料の乾燥で消費される電力量を削減することができる。
【0011】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、射出成形機のシリンダとの熱交換を行う第4の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプによりシリンダの加熱を行うことができ、シリンダを加熱するバンドヒーターの消費電力を削減することができる。
【0012】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記膨張弁で膨張した作動媒体と、外気との熱交換を行う第5の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプにより、金型温調装置や射出成形機の環境温度を下げることができる。
【0013】
また、本発明による金型温調装置では、前記冷媒体を、射出成形機を制御する射出成形制御部の冷却に用いてもよい。
このように構成された本発明によれば、射出成形制御部の冷却を行うことにより、射出成形制御部の熱暴走等の誤作動を防止することができる。また、その誤作動の防止のために別途冷却装置を設ける場合よりも、コストを削減することができる。
【0014】
また、本発明による金型温調装置では、前記金型を循環する前記熱媒体、及び前記冷媒体の流量を制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0015】
また、本発明による金型温調装置では、前記作動媒体が自然冷媒であってもよい。
このように構成された本発明によれば、作動媒体として自然冷媒を用いることで、例えば、R22などの作動媒体を用いた場合と比べて、環境への悪影響を抑えることができる。
【0016】
また、本発明による金型温調装置では、前記自然冷媒は二酸化炭素であってもよい。
このように構成された本発明によれば、環境破壊を防止することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、ヒートポンプにより、冷媒体から熱媒体への熱の移動を行うものである。
【0018】
図1は、本実施の形態による金型温調装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態による金型温調装置10は、ヒートポンプ1と、温度制御部2と、バルブ3,4と、タンク15,16とを備える。
【0019】
ヒートポンプ1は、冷媒体から熱媒体へ熱を移動させる。すなわち、冷媒体から熱を奪い、その奪った熱を熱媒体に放熱する。ここで、冷媒体は、金型5を冷却するために金型5の冷却用管路を循環する媒体であり、例えば、冷水や油、エチレングリコールなどである。また熱媒体は、金型5を加熱するために金型5の加熱用管路を循環する媒体であり、例えば、温水や油、エチレングリコールなどである。なお、本実施の形態では、冷却用管路と、加熱用管路とが別々の場合について説明するが、冷媒体と熱媒体が循環する管路は同一のものでもよい。
【0020】
温度制御部2は、金型5を循環する熱媒体、及び冷媒体の流量を制御する。すなわち、射出成形機6の各工程を制御する射出成形制御部7から、射出成形機6の工程を示す情報である工程情報を受け取り、金型5の温度を測定する温度計8から、金型5の温度を示す情報である温度情報を受け取り、工程情報と温度情報とに基づいて、冷媒体の流量を調整するバルブ3、及び熱媒体の流量を調整するバルブ4の開閉量を制御し、射出成形の各工程ごとに、金型5を所望の温度に制御する。
【0021】
タンク15,16は、それぞれ冷媒体、熱媒体を貯蔵するバッファタンクである。例えば、ヒートポンプ1を作動させているが冷媒体を金型5に循環させていない場合には、ヒートポンプ1で冷却された冷媒体がタンク15に貯えられ、金型5を冷却する場合にはそのタンク15の冷媒体が使用される。このタンク15,16があることにより、金型5を循環する冷媒体、熱媒体の量が、ヒートポンプ1で冷却、加熱される冷媒体、熱媒体の量よりも多い場合にも、対応することができる。
【0022】
図2は、ヒートポンプ1の構成を示すブロック図である。ヒートポンプ1は、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14とを有する。圧縮機11は、作動媒体(冷媒)を圧縮し、高温高圧の作動媒体を出力する。熱交換器12は、その圧縮機11により圧縮された高温高圧の作動媒体と、熱媒体との熱交換を行う。膨張弁13は、熱交換器12で熱交換された作動媒体を膨張させる。熱交換器14は、膨張弁13で膨張した作動媒体と、冷媒体との熱交換を行う。ここで、作動媒体は、環境に優しい自然冷媒(例えば、アンモニアや炭化水素(プロパン,ブタン等)、水、空気、二酸化炭素など)であることが好ましい。なお、熱交換器12,14における熱交換は、蓄熱材や蓄冷材を介して行ってもよく、熱交換器12,14が熱媒体、冷媒体を溜めているタンクであり、そのタンクにおいて作動媒体が放熱、あるいは吸熱することにより行ってもよく(この場合には、タンク15,16はなくてもよい)、あるいはその他の方法により行ってもよい。
【0023】
次に、このようにして構成された金型温調装置の動作について説明する。射出成形においては、成形材料や成形品に求められる品質に応じて、溶融した成形材料を金型に射出(注入)するときの温度や、その成形材料を金型5のキャビティにおいて冷却するときの温度などが決められる。ここでは、射出成形機6が成形材料を金型5に射出する時には、金型5の温度を成形材料の熱変形温度よりも高い温度(H度とする)に保ち、射出工程が終了した後には、金型5の温度を成形材料の熱変形温度よりも低い温度(C度とする)にする場合について説明する。
【0024】
まず、射出成形制御部7は、射出成形機6が成形材料を加熱溶融し、成形材料が可塑化すると、温度制御部2に対して、成形材料が可塑化した旨の工程情報を渡す。すると、温度制御部2は、バルブ4を調整することにより、熱媒体を金型5に循環させる。そして、温度計8からの温度情報に基づいて、金型5が所望の温度であるH度となるように、熱媒体4の流量を制御する。
【0025】
金型5がH度となると、温度制御部2は、金型5がH度となった旨を射出成形制御部7に伝え、金型5をH度に保つようにバルブ4の調整を継続する。射出成形制御部7は、金型5がH度になった旨を受け取ると、金型5に溶融材料の射出を行うように射出成形機6を制御する。そして、金型5のキャビティに溶融材料が充填されていく。金型5のキャビティへの溶融材料の充填が終了した後に、射出成形制御部7は、射出が終了した旨の工程情報を温度制御部2に渡す。すると、温度制御部2は、バルブ4を閉じて、次にバルブ3を開いて冷媒体を金型5に循環させ、金型5の温度がC度になるようにバルブ3を調整する。そして、金型5に充填された成形材料は冷却され、最終的に成形品が金型5から取り出される。このように、金型温調装置10は、冷媒体を金型5に供給することで、金型5を冷却することができ、熱媒体を金型5に供給することで、金型5を加熱することができ、冷媒体と熱媒体を用いて金型5の温度を調整することができる。
【0026】
次に、作動媒体を圧縮、膨張させることにより、冷媒体を冷却し、熱媒体を加熱するヒートポンプ1の動作について、図2を用いて説明する。
圧縮機11で圧縮され、高温高圧になった作動媒体は、熱交換器12で熱媒体と熱交換することにより冷やされる。その後、作動媒体は、膨張弁13において膨張して低温低圧となる。その低温低圧となった作動媒体は、熱交換器14で冷媒体と熱交換することにより温められ、圧縮機11で再度、圧縮される。このサイクルを繰り返すことにより、ヒートポンプ1により冷媒体から熱媒体に熱が移動され、冷媒体の冷却と、熱媒体の加熱が行われる。
【0027】
なお、本実施の形態では、ヒートポンプ1の動作を制御するヒートポンプ制御部を図示していないが、冷媒体及び熱媒体の温度を調整するために、ヒートポンプ1の動作を制御するヒートポンプ制御部を設けてもよい。
【0028】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、冷媒体から熱媒体に熱を移動させるヒートポンプ1を備えたことで、電熱ヒーターにより熱媒体を温め、冷却機により冷媒体を冷やす場合よりもエネルギー効率を向上させることができる。また、ヒートポンプ1の作動媒体として、自然媒体を用いることにより、他の作動媒体(例えば、R22)を用いた場合よりも、オゾン層の破壊などの環境破壊を防止することができ、環境への悪影響を抑えることができる。特に、自然媒体として二酸化炭素を用いた場合には、環境に優しく、かつ高効率とすることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、射出のときに成形材料の熱変形温度よりも高温に保ち、充填後には熱変形温度よりも低温に保つ場合について説明したが、金型5の温度設定や、温度を調整するタイミング、温度を調整する方法は、成形材料や成形品の品質などに応じて、任意に設定できることはいうまでもない。例えば、冷媒体と熱媒体の双方を同時に金型5に循環させることにより、微妙な温度管理を行うようにしてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、成形材料の乾燥をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態1の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0031】
図3は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ20〜23と、熱交換器25とを有する。なお、バルブ20〜23、及び熱交換器25以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0032】
バルブ20〜23が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器25は、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体と、成形材料乾燥機24の内部の空気との熱交換を行うことで、成形材料乾燥機24の内部の空気を加熱し、成形材料を乾燥させる。
【0033】
ここで、成形材料乾燥機24は、成形材料が射出成形機6のホッパ(図示せず)に供給される前に成形材料を乾燥させるものである。成形材料乾燥機24の上部から投入された成形材料は、成形材料乾燥機24の内部で乾燥され、成形材料乾燥機24の下部からホッパに供給される。この成形材料乾燥機24により成形材料を乾燥させることで、成形時の不良の原因となりうる成形材料の水分を飛ばすことができる。
【0034】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作について説明する。形成材料乾燥機24を使用するときには、バルブ20,21を閉じ、バルブ22,23を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体を熱交換器25に供給するように循環させる。そして、熱交換器25が成形材料乾燥機24の内部を加熱し、成形材料を乾燥させる。その乾燥後の成形材料は、射出成形機6のホッパに供給され、射出成形機6により溶融される。
【0035】
一方、成形材料乾燥機24を使用しないとき(例えば、成形材料のホッパへの供給が終了した後など)には、バルブ22,23を閉じ、バルブ20,21を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体を熱交換器12に供給するように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の加熱を行うことができる。
【0036】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプにより成形材料の乾燥を行うことで、電熱ヒーターを用いることなく成形材料の乾燥を行うことができ、消費電力を削減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、熱媒体と熱交換する熱交換器12と、成形材料を乾燥させる熱交換器25とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ20〜23を調整することにより、両者を動作させてもよい。
【0038】
また、必要であれば、成形材料乾燥機24において、電熱ヒーターを併用してもよい。併用した場合であっても、熱交換器25により成形材料乾燥機24の内部の空気の温度を上昇させることができるため、熱交換器25がない場合に比べ、消費電力を抑えることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、ヒートポンプにより成形材料の加熱乾燥を行う場合について説明したが、ヒートポンプの膨張弁13で膨張された作用媒体と熱交換する熱交換器を用いて成形材料乾燥機内の除湿を行い、成形材料の除湿乾燥を行ってもよい。
【0040】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、射出成形機のシリンダの予熱をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態1の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0041】
図4は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ20,21,31,32と、熱交換器35とを有する。なお、バルブ20,21,31,32、及び熱交換器35以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0042】
バルブ20,21,31,32が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器35は、シリンダ33の外周を覆うように設けられ、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体と、シリンダ33との熱交換を行うことで、シリンダ33を加熱する。なお、熱交換器35における作動媒体とシリンダ33との熱交換は、直接的であってもよく、間接的であってもよい。直接的とは、シリンダ33と直接熱交換を行うことであり、間接的とは、シリンダ33の周りの空気や、シリンダ33の周囲に設けられた物体(例えば、バンドヒーター34)を介してシリンダ33と熱交換を行うことである。
【0043】
本実施の形態では、熱交換器35による熱交換によってシリンダ33の予熱を行い、シリンダ33の外周に設けられたバンドヒーター34によってシリンダ33を所望の温度に加熱する場合について説明するが、熱交換器35による熱交換によってシリンダ33を所望の温度に加熱することができる場合には、バンドヒーター34等を設けなくてもよい。
【0044】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作について説明する。シリンダ33の予熱を行う場合には、バルブ20,21を閉じ、バルブ31,32を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体が熱交換器35に供給されるように循環させる。そして、熱交換器35がシリンダ33を加熱する。また、バンドヒーター34を作動させることにより、シリンダ33を所望の温度に加熱する。
【0045】
一方、シリンダ33の加熱を行わない場合には、バルブ31,32を閉じ、バルブ20,21を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体が熱交換器12に供給されるように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の加熱を行うことができる。
【0046】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプによりシリンダ33の加熱を行うことができ、シリンダ33を加熱するバンドヒーター34の消費電力を抑えることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、熱媒体と熱交換する熱交換器12と、シリンダ33を加熱する熱交換器35とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ20,21,31,32を調整することにより、両者を動作させてもよい。
【0048】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、外気の冷却をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0049】
図5は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ40〜43と、熱交換器44とを有する。なお、バルブ40〜43、及び熱交換器44以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0050】
バルブ40〜43が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器44は、膨張弁13で膨張した作動媒体と、外気との熱交換を行い、外気の冷却を行う。ここで、外気とは、熱交換器44に対する外部の空気のことであり、金型温調装置に対する外気であってもよく、金型温調装置内部の空気であってもよい。なお、外気が金型温調装置の内部の空気である場合には、熱交換器44により冷却された空気を金型温調装置の外部に導くように送風することになる。
【0051】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作ついて説明する。熱交換器44を使用するときには、バルブ40,41を閉じ、バルブ42,43を開けることにより、膨張弁13からの作動媒体を熱交換器44に供給するように循環させる。そして、熱交換器44が外気を冷却する。その冷却された外気は、例えば、射出成形機6からの熱により作業環境が高温となりうる作業員のためのスポットクーラーなどに用いられる。
【0052】
一方、熱交換器44を使用しないときには、バルブ42,43を閉じ、バルブ40,41を開けることにより、膨張弁13からの作動媒体を熱交換器14に供給するように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の冷却を行うことができる。
【0053】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプにより外気との熱交換を行うことで、外気を冷却する冷却機を別途設けることなく、外気を冷却することができ、コストを削減することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、冷媒体と熱交換する熱交換器14と、外気と熱交換する熱交換器44とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ40〜43を調整することにより、両者を動作させてもよい。
また、熱交換器44により冷却された外気は、作業員のスポットクーラーなどに用いてもよく、射出成形機6を冷却するために用いてもよく、その他の冷却のために用いてもよい。
【0055】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、冷媒体により射出成形機の制御部を冷却するものである。
【0056】
図6は、本実施の形態による金型温調装置の構成を示すブロック図である。図6において、図1と同一の符号は、同一または相当する構成を示し、それらについての説明は省略する。ヒートポンプ1により冷却された冷媒体は、金型5を循環すると共に、射出成形制御部7をも循環し、射出成形制御部7を冷却する。射出成形制御部7は一般に、CPUなどから構成され、温度が上昇しすぎると、熱暴走などにより射出成形機7の適切な制御ができなくなる。したがって、冷媒体を射出成形制御部7に循環させ、射出成形制御部7を冷却することにより、熱暴走等の誤動作を防止することができる。
【0057】
なお、上記各実施の形態において、金型温調装置が温度制御部2を有する場合について説明したが、金型5に循環させる熱媒体及び冷媒体の流量の調整を金型温調装置の外部で行う場合には、金型温調装置は温度制御部2を有していなくてもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態において、ヒートポンプの作動媒体を成形材料の乾燥、シリンダの加熱、外気の冷却に用いる場合、またヒートポンプによって冷却された冷媒体を射出成形機の制御部の冷却に用いる場合について個別的に説明したが、それらを組み合わせて用いてもよい。
【0059】
また、上記各実施の形態において、各動作モード(例えば、熱媒体との熱交換を行う動作モードや、成形材料の乾燥を行う動作モード、射出成形機のシリンダを予熱する動作モードなど)に応じて作動媒体の循環経路を切り替えるために、バルブの開閉を制御する制御部を設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による金型温調装置によれば、ヒートポンプを用いて冷媒体から熱媒体に熱を移動させることにより、エネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による金型温調装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態によるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5による金型温調装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 ヒートポンプ
2 温度制御部
3,4,20〜23,31,32,40〜43 バルブ
5 金型
6 射出成形機
7 射出成形制御部
8 温度計
10 金型温調装置
11 圧縮機
12,14,35,44 熱交換器
13 膨張弁
15,16 タンク
24 成形材料乾燥機
33 シリンダ
34 バンドヒーター
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の金型に冷媒体と熱媒体を供給する金型温調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形による溶融材料の成形において、成形品の高品質化を図るために、金型温度を調整するための冷媒体及び熱媒体を供給する金型温調装置が用いられている。特に、溶融材料を金型に注入する際には、充填不足や、フローマーク(金型キャビティ内の成形材料の流れの跡が成形品に残った外観上の欠陥)などの外観不良を防止するために、金型に熱媒体を循環させることにより金型を加熱あるいは保温し、その後、金型のキャビティに充填された熱可塑性の溶融材料を冷却するために、金型に冷媒体を循環させることにより金型を冷却することが行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
その熱媒体の加熱は、電熱ヒーターにより行われ、冷媒体の冷却は、R22などを作動媒体(冷媒)として用いた冷却機により行われていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−100216号公報(第2頁−第3頁、第1図等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電熱ヒーターにより熱媒体を加熱し、冷却機により冷媒体を冷却することは、電力消費量が多くなるという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、電力消費量を削減可能な金型温調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による金型温調装置は、加熱用の熱媒体、及び冷却用の冷媒体を射出成形用の金型に供給する金型温調装置において、作動媒体を循環させることにより、前記冷媒体から前記熱媒体に熱を移動させるヒートポンプを備えたものである。
【0007】
このように構成された本発明によれば、冷媒体の冷却に所定の作動媒体を循環させる冷却機を用い、熱媒体の加熱に電熱ヒーターなどを用いる場合に比べ、消費電力を削減することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0008】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記作動媒体を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記熱媒体との熱交換を行う第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器で熱交換された前記作動媒体を膨張させる膨張弁と、前記膨張弁で膨張した前記作動媒体と、前記冷媒体との熱交換を行う第2の熱交換器と、を有してもよい。
このように構成された本発明によれば、単一の圧縮機を用いることにより、熱媒体と冷媒体を金型に供給することができる。
【0009】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記作動媒体と、成形材料を乾燥させる乾燥機内の空気との熱交換を行う第3の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプを用いて、成形材料の乾燥を行うことができる。
【0010】
また、本発明による金型温調装置では、前記第3の熱交換器が、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記乾燥機内の空気との熱交換を行ってもよい。
このように構成された本発明によれば、電熱ヒーターのみで成形材料を乾燥させる場合よりも、成形材料の乾燥で消費される電力量を削減することができる。
【0011】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、射出成形機のシリンダとの熱交換を行う第4の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプによりシリンダの加熱を行うことができ、シリンダを加熱するバンドヒーターの消費電力を削減することができる。
【0012】
また、本発明による金型温調装置では、前記ヒートポンプが、前記膨張弁で膨張した作動媒体と、外気との熱交換を行う第5の熱交換器をさらに有してもよい。
このように構成された本発明によれば、ヒートポンプにより、金型温調装置や射出成形機の環境温度を下げることができる。
【0013】
また、本発明による金型温調装置では、前記冷媒体を、射出成形機を制御する射出成形制御部の冷却に用いてもよい。
このように構成された本発明によれば、射出成形制御部の冷却を行うことにより、射出成形制御部の熱暴走等の誤作動を防止することができる。また、その誤作動の防止のために別途冷却装置を設ける場合よりも、コストを削減することができる。
【0014】
また、本発明による金型温調装置では、前記金型を循環する前記熱媒体、及び前記冷媒体の流量を制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0015】
また、本発明による金型温調装置では、前記作動媒体が自然冷媒であってもよい。
このように構成された本発明によれば、作動媒体として自然冷媒を用いることで、例えば、R22などの作動媒体を用いた場合と比べて、環境への悪影響を抑えることができる。
【0016】
また、本発明による金型温調装置では、前記自然冷媒は二酸化炭素であってもよい。
このように構成された本発明によれば、環境破壊を防止することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、ヒートポンプにより、冷媒体から熱媒体への熱の移動を行うものである。
【0018】
図1は、本実施の形態による金型温調装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態による金型温調装置10は、ヒートポンプ1と、温度制御部2と、バルブ3,4と、タンク15,16とを備える。
【0019】
ヒートポンプ1は、冷媒体から熱媒体へ熱を移動させる。すなわち、冷媒体から熱を奪い、その奪った熱を熱媒体に放熱する。ここで、冷媒体は、金型5を冷却するために金型5の冷却用管路を循環する媒体であり、例えば、冷水や油、エチレングリコールなどである。また熱媒体は、金型5を加熱するために金型5の加熱用管路を循環する媒体であり、例えば、温水や油、エチレングリコールなどである。なお、本実施の形態では、冷却用管路と、加熱用管路とが別々の場合について説明するが、冷媒体と熱媒体が循環する管路は同一のものでもよい。
【0020】
温度制御部2は、金型5を循環する熱媒体、及び冷媒体の流量を制御する。すなわち、射出成形機6の各工程を制御する射出成形制御部7から、射出成形機6の工程を示す情報である工程情報を受け取り、金型5の温度を測定する温度計8から、金型5の温度を示す情報である温度情報を受け取り、工程情報と温度情報とに基づいて、冷媒体の流量を調整するバルブ3、及び熱媒体の流量を調整するバルブ4の開閉量を制御し、射出成形の各工程ごとに、金型5を所望の温度に制御する。
【0021】
タンク15,16は、それぞれ冷媒体、熱媒体を貯蔵するバッファタンクである。例えば、ヒートポンプ1を作動させているが冷媒体を金型5に循環させていない場合には、ヒートポンプ1で冷却された冷媒体がタンク15に貯えられ、金型5を冷却する場合にはそのタンク15の冷媒体が使用される。このタンク15,16があることにより、金型5を循環する冷媒体、熱媒体の量が、ヒートポンプ1で冷却、加熱される冷媒体、熱媒体の量よりも多い場合にも、対応することができる。
【0022】
図2は、ヒートポンプ1の構成を示すブロック図である。ヒートポンプ1は、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14とを有する。圧縮機11は、作動媒体(冷媒)を圧縮し、高温高圧の作動媒体を出力する。熱交換器12は、その圧縮機11により圧縮された高温高圧の作動媒体と、熱媒体との熱交換を行う。膨張弁13は、熱交換器12で熱交換された作動媒体を膨張させる。熱交換器14は、膨張弁13で膨張した作動媒体と、冷媒体との熱交換を行う。ここで、作動媒体は、環境に優しい自然冷媒(例えば、アンモニアや炭化水素(プロパン,ブタン等)、水、空気、二酸化炭素など)であることが好ましい。なお、熱交換器12,14における熱交換は、蓄熱材や蓄冷材を介して行ってもよく、熱交換器12,14が熱媒体、冷媒体を溜めているタンクであり、そのタンクにおいて作動媒体が放熱、あるいは吸熱することにより行ってもよく(この場合には、タンク15,16はなくてもよい)、あるいはその他の方法により行ってもよい。
【0023】
次に、このようにして構成された金型温調装置の動作について説明する。射出成形においては、成形材料や成形品に求められる品質に応じて、溶融した成形材料を金型に射出(注入)するときの温度や、その成形材料を金型5のキャビティにおいて冷却するときの温度などが決められる。ここでは、射出成形機6が成形材料を金型5に射出する時には、金型5の温度を成形材料の熱変形温度よりも高い温度(H度とする)に保ち、射出工程が終了した後には、金型5の温度を成形材料の熱変形温度よりも低い温度(C度とする)にする場合について説明する。
【0024】
まず、射出成形制御部7は、射出成形機6が成形材料を加熱溶融し、成形材料が可塑化すると、温度制御部2に対して、成形材料が可塑化した旨の工程情報を渡す。すると、温度制御部2は、バルブ4を調整することにより、熱媒体を金型5に循環させる。そして、温度計8からの温度情報に基づいて、金型5が所望の温度であるH度となるように、熱媒体4の流量を制御する。
【0025】
金型5がH度となると、温度制御部2は、金型5がH度となった旨を射出成形制御部7に伝え、金型5をH度に保つようにバルブ4の調整を継続する。射出成形制御部7は、金型5がH度になった旨を受け取ると、金型5に溶融材料の射出を行うように射出成形機6を制御する。そして、金型5のキャビティに溶融材料が充填されていく。金型5のキャビティへの溶融材料の充填が終了した後に、射出成形制御部7は、射出が終了した旨の工程情報を温度制御部2に渡す。すると、温度制御部2は、バルブ4を閉じて、次にバルブ3を開いて冷媒体を金型5に循環させ、金型5の温度がC度になるようにバルブ3を調整する。そして、金型5に充填された成形材料は冷却され、最終的に成形品が金型5から取り出される。このように、金型温調装置10は、冷媒体を金型5に供給することで、金型5を冷却することができ、熱媒体を金型5に供給することで、金型5を加熱することができ、冷媒体と熱媒体を用いて金型5の温度を調整することができる。
【0026】
次に、作動媒体を圧縮、膨張させることにより、冷媒体を冷却し、熱媒体を加熱するヒートポンプ1の動作について、図2を用いて説明する。
圧縮機11で圧縮され、高温高圧になった作動媒体は、熱交換器12で熱媒体と熱交換することにより冷やされる。その後、作動媒体は、膨張弁13において膨張して低温低圧となる。その低温低圧となった作動媒体は、熱交換器14で冷媒体と熱交換することにより温められ、圧縮機11で再度、圧縮される。このサイクルを繰り返すことにより、ヒートポンプ1により冷媒体から熱媒体に熱が移動され、冷媒体の冷却と、熱媒体の加熱が行われる。
【0027】
なお、本実施の形態では、ヒートポンプ1の動作を制御するヒートポンプ制御部を図示していないが、冷媒体及び熱媒体の温度を調整するために、ヒートポンプ1の動作を制御するヒートポンプ制御部を設けてもよい。
【0028】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、冷媒体から熱媒体に熱を移動させるヒートポンプ1を備えたことで、電熱ヒーターにより熱媒体を温め、冷却機により冷媒体を冷やす場合よりもエネルギー効率を向上させることができる。また、ヒートポンプ1の作動媒体として、自然媒体を用いることにより、他の作動媒体(例えば、R22)を用いた場合よりも、オゾン層の破壊などの環境破壊を防止することができ、環境への悪影響を抑えることができる。特に、自然媒体として二酸化炭素を用いた場合には、環境に優しく、かつ高効率とすることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、射出のときに成形材料の熱変形温度よりも高温に保ち、充填後には熱変形温度よりも低温に保つ場合について説明したが、金型5の温度設定や、温度を調整するタイミング、温度を調整する方法は、成形材料や成形品の品質などに応じて、任意に設定できることはいうまでもない。例えば、冷媒体と熱媒体の双方を同時に金型5に循環させることにより、微妙な温度管理を行うようにしてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、成形材料の乾燥をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態1の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0031】
図3は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ20〜23と、熱交換器25とを有する。なお、バルブ20〜23、及び熱交換器25以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0032】
バルブ20〜23が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器25は、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体と、成形材料乾燥機24の内部の空気との熱交換を行うことで、成形材料乾燥機24の内部の空気を加熱し、成形材料を乾燥させる。
【0033】
ここで、成形材料乾燥機24は、成形材料が射出成形機6のホッパ(図示せず)に供給される前に成形材料を乾燥させるものである。成形材料乾燥機24の上部から投入された成形材料は、成形材料乾燥機24の内部で乾燥され、成形材料乾燥機24の下部からホッパに供給される。この成形材料乾燥機24により成形材料を乾燥させることで、成形時の不良の原因となりうる成形材料の水分を飛ばすことができる。
【0034】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作について説明する。形成材料乾燥機24を使用するときには、バルブ20,21を閉じ、バルブ22,23を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体を熱交換器25に供給するように循環させる。そして、熱交換器25が成形材料乾燥機24の内部を加熱し、成形材料を乾燥させる。その乾燥後の成形材料は、射出成形機6のホッパに供給され、射出成形機6により溶融される。
【0035】
一方、成形材料乾燥機24を使用しないとき(例えば、成形材料のホッパへの供給が終了した後など)には、バルブ22,23を閉じ、バルブ20,21を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体を熱交換器12に供給するように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の加熱を行うことができる。
【0036】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプにより成形材料の乾燥を行うことで、電熱ヒーターを用いることなく成形材料の乾燥を行うことができ、消費電力を削減することができる。
【0037】
なお、本実施の形態では、熱媒体と熱交換する熱交換器12と、成形材料を乾燥させる熱交換器25とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ20〜23を調整することにより、両者を動作させてもよい。
【0038】
また、必要であれば、成形材料乾燥機24において、電熱ヒーターを併用してもよい。併用した場合であっても、熱交換器25により成形材料乾燥機24の内部の空気の温度を上昇させることができるため、熱交換器25がない場合に比べ、消費電力を抑えることができる。
【0039】
また、本実施の形態では、ヒートポンプにより成形材料の加熱乾燥を行う場合について説明したが、ヒートポンプの膨張弁13で膨張された作用媒体と熱交換する熱交換器を用いて成形材料乾燥機内の除湿を行い、成形材料の除湿乾燥を行ってもよい。
【0040】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、射出成形機のシリンダの予熱をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態1の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0041】
図4は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ20,21,31,32と、熱交換器35とを有する。なお、バルブ20,21,31,32、及び熱交換器35以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0042】
バルブ20,21,31,32が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器35は、シリンダ33の外周を覆うように設けられ、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体と、シリンダ33との熱交換を行うことで、シリンダ33を加熱する。なお、熱交換器35における作動媒体とシリンダ33との熱交換は、直接的であってもよく、間接的であってもよい。直接的とは、シリンダ33と直接熱交換を行うことであり、間接的とは、シリンダ33の周りの空気や、シリンダ33の周囲に設けられた物体(例えば、バンドヒーター34)を介してシリンダ33と熱交換を行うことである。
【0043】
本実施の形態では、熱交換器35による熱交換によってシリンダ33の予熱を行い、シリンダ33の外周に設けられたバンドヒーター34によってシリンダ33を所望の温度に加熱する場合について説明するが、熱交換器35による熱交換によってシリンダ33を所望の温度に加熱することができる場合には、バンドヒーター34等を設けなくてもよい。
【0044】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作について説明する。シリンダ33の予熱を行う場合には、バルブ20,21を閉じ、バルブ31,32を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体が熱交換器35に供給されるように循環させる。そして、熱交換器35がシリンダ33を加熱する。また、バンドヒーター34を作動させることにより、シリンダ33を所望の温度に加熱する。
【0045】
一方、シリンダ33の加熱を行わない場合には、バルブ31,32を閉じ、バルブ20,21を開けることにより、圧縮機11からの高温高圧の作動媒体が熱交換器12に供給されるように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の加熱を行うことができる。
【0046】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプによりシリンダ33の加熱を行うことができ、シリンダ33を加熱するバンドヒーター34の消費電力を抑えることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、熱媒体と熱交換する熱交換器12と、シリンダ33を加熱する熱交換器35とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ20,21,31,32を調整することにより、両者を動作させてもよい。
【0048】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、外気の冷却をヒートポンプにより行うものである。なお、金型温調装置の構成は、実施の形態の図1と同様であり、その説明を省略する。
【0049】
図5は、本実施の形態による金型温調装置におけるヒートポンプの構成を示すブロック図である。本実施の形態によるヒートポンプは、圧縮機11と、熱交換器12と、膨張弁13と、熱交換器14と、バルブ40〜43と、熱交換器44とを有する。なお、バルブ40〜43、及び熱交換器44以外の構成及び動作は、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0050】
バルブ40〜43が開閉されることにより、作動媒体の流れが調整される。熱交換器44は、膨張弁13で膨張した作動媒体と、外気との熱交換を行い、外気の冷却を行う。ここで、外気とは、熱交換器44に対する外部の空気のことであり、金型温調装置に対する外気であってもよく、金型温調装置内部の空気であってもよい。なお、外気が金型温調装置の内部の空気である場合には、熱交換器44により冷却された空気を金型温調装置の外部に導くように送風することになる。
【0051】
次に、本実施の形態による金型温調装置の動作ついて説明する。熱交換器44を使用するときには、バルブ40,41を閉じ、バルブ42,43を開けることにより、膨張弁13からの作動媒体を熱交換器44に供給するように循環させる。そして、熱交換器44が外気を冷却する。その冷却された外気は、例えば、射出成形機6からの熱により作業環境が高温となりうる作業員のためのスポットクーラーなどに用いられる。
【0052】
一方、熱交換器44を使用しないときには、バルブ42,43を閉じ、バルブ40,41を開けることにより、膨張弁13からの作動媒体を熱交換器14に供給するように循環させる。この場合には実施の形態1と同様に動作し、金型5の冷却を行うことができる。
【0053】
このように、本実施の形態による金型温調装置によれば、ヒートポンプにより外気との熱交換を行うことで、外気を冷却する冷却機を別途設けることなく、外気を冷却することができ、コストを削減することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、冷媒体と熱交換する熱交換器14と、外気と熱交換する熱交換器44とのいずれか一方を動作させる場合について説明したが、バルブ40〜43を調整することにより、両者を動作させてもよい。
また、熱交換器44により冷却された外気は、作業員のスポットクーラーなどに用いてもよく、射出成形機6を冷却するために用いてもよく、その他の冷却のために用いてもよい。
【0055】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5による金型温調装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による金型温調装置は、冷媒体により射出成形機の制御部を冷却するものである。
【0056】
図6は、本実施の形態による金型温調装置の構成を示すブロック図である。図6において、図1と同一の符号は、同一または相当する構成を示し、それらについての説明は省略する。ヒートポンプ1により冷却された冷媒体は、金型5を循環すると共に、射出成形制御部7をも循環し、射出成形制御部7を冷却する。射出成形制御部7は一般に、CPUなどから構成され、温度が上昇しすぎると、熱暴走などにより射出成形機7の適切な制御ができなくなる。したがって、冷媒体を射出成形制御部7に循環させ、射出成形制御部7を冷却することにより、熱暴走等の誤動作を防止することができる。
【0057】
なお、上記各実施の形態において、金型温調装置が温度制御部2を有する場合について説明したが、金型5に循環させる熱媒体及び冷媒体の流量の調整を金型温調装置の外部で行う場合には、金型温調装置は温度制御部2を有していなくてもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態において、ヒートポンプの作動媒体を成形材料の乾燥、シリンダの加熱、外気の冷却に用いる場合、またヒートポンプによって冷却された冷媒体を射出成形機の制御部の冷却に用いる場合について個別的に説明したが、それらを組み合わせて用いてもよい。
【0059】
また、上記各実施の形態において、各動作モード(例えば、熱媒体との熱交換を行う動作モードや、成形材料の乾燥を行う動作モード、射出成形機のシリンダを予熱する動作モードなど)に応じて作動媒体の循環経路を切り替えるために、バルブの開閉を制御する制御部を設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による金型温調装置によれば、ヒートポンプを用いて冷媒体から熱媒体に熱を移動させることにより、エネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による金型温調装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態によるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4におけるヒートポンプの構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5による金型温調装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 ヒートポンプ
2 温度制御部
3,4,20〜23,31,32,40〜43 バルブ
5 金型
6 射出成形機
7 射出成形制御部
8 温度計
10 金型温調装置
11 圧縮機
12,14,35,44 熱交換器
13 膨張弁
15,16 タンク
24 成形材料乾燥機
33 シリンダ
34 バンドヒーター
Claims (10)
- 加熱用の熱媒体、及び冷却用の冷媒体を射出成形用の金型に供給する金型温調装置において、
作動媒体を循環させることにより、前記冷媒体から前記熱媒体に熱を移動させるヒートポンプを備えた金型温調装置。 - 前記ヒートポンプは、
前記作動媒体を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記熱媒体との熱交換を行う第1の熱交換器と、
前記第1の熱交換器で熱交換された前記作動媒体を膨張させる膨張弁と、
前記膨張弁で膨張した前記作動媒体と、前記冷媒体との熱交換を行う第2の熱交換器と、を有する、請求項1記載の金型温調装置。 - 前記ヒートポンプは、前記作動媒体と、成形材料を乾燥させる乾燥機内の空気との熱交換を行う第3の熱交換器をさらに有する、請求項2記載の金型温調装置。
- 前記第3の熱交換器は、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、前記乾燥機内の空気との熱交換を行う、請求項3記載の金型温調装置。
- 前記ヒートポンプは、前記圧縮機により圧縮された作動媒体と、射出成形機のシリンダとの熱交換を行う第4の熱交換器をさらに有する、請求項2から4のいずれか記載の金型温調装置。
- 前記ヒートポンプは、前記膨張弁で膨張した作動媒体と、外気との熱交換を行う第5の熱交換器をさらに有する、請求項2から5のいずれか記載の金型温調装置。
- 前記冷媒体を、射出成形機を制御する射出成形制御部の冷却に用いる、請求項1から6のいずれか記載の金型温調装置。
- 前記金型を循環する前記熱媒体、及び前記冷媒体の流量を制御する制御部をさらに備えた、請求項1から7のいずれか記載の金型温調装置。
- 前記作動媒体は自然冷媒である、請求項1から8のいずれか記載の金型温調装置。
- 前記自然冷媒は二酸化炭素である、請求項9記載の金型温調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174353A JP2005007736A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 金型温調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174353A JP2005007736A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 金型温調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005007736A true JP2005007736A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34097861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003174353A Pending JP2005007736A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 金型温調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005007736A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126089A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Kannetsu:Kk | プラスチック成形機の温調システム |
JP2011116057A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Chubu Electric Power Co Inc | 成型機の温度調節システム |
CN102294806A (zh) * | 2011-09-09 | 2011-12-28 | 中国计量学院 | 注塑模具的冷却与加热装置 |
KR101384310B1 (ko) | 2013-05-20 | 2014-04-11 | 대진아이엠 주식회사 | 사출성형용 금형 복합 냉각장치 |
CN103991200A (zh) * | 2014-04-29 | 2014-08-20 | 成都龙泉鑫锐模具塑料厂 | 一种快速温度调节的热能回收式注塑模具 |
JP2019520232A (ja) * | 2016-05-30 | 2019-07-18 | サチミ、コオペラティバ、メッカニーチ、イモラ、ソチエタ、コオペラティバSacmi Cooperativa Meccanici Imola Societa’ Cooperativa | ポリマー材料で作られる物品を製造する方法及び装置 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174353A patent/JP2005007736A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009126089A (ja) * | 2007-11-26 | 2009-06-11 | Kannetsu:Kk | プラスチック成形機の温調システム |
JP2011116057A (ja) * | 2009-12-04 | 2011-06-16 | Chubu Electric Power Co Inc | 成型機の温度調節システム |
CN102294806A (zh) * | 2011-09-09 | 2011-12-28 | 中国计量学院 | 注塑模具的冷却与加热装置 |
KR101384310B1 (ko) | 2013-05-20 | 2014-04-11 | 대진아이엠 주식회사 | 사출성형용 금형 복합 냉각장치 |
CN103991200A (zh) * | 2014-04-29 | 2014-08-20 | 成都龙泉鑫锐模具塑料厂 | 一种快速温度调节的热能回收式注塑模具 |
JP2019520232A (ja) * | 2016-05-30 | 2019-07-18 | サチミ、コオペラティバ、メッカニーチ、イモラ、ソチエタ、コオペラティバSacmi Cooperativa Meccanici Imola Societa’ Cooperativa | ポリマー材料で作られる物品を製造する方法及び装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2455112C2 (ru) | Устройство для горячего изостатического прессования | |
JP2003145542A (ja) | 金型の熱交換装置 | |
CA1251612A (en) | Passive mold cooling and heating method and system | |
CN104837658B (zh) | 用于车辆的热泵系统 | |
JP3975218B2 (ja) | プラスチック成形機の冷却システム | |
JP2007010531A (ja) | 冷熱衝撃試験装置 | |
JP2004074803A (ja) | 射出機用ノズル及び射出成形方法 | |
JP2005007736A (ja) | 金型温調装置 | |
KR100794763B1 (ko) | 급속가열 및 급속냉각용 고분자수지 성형장치 및 이를이용한 성형방법 | |
JP5248692B1 (ja) | 車両用空調装置 | |
KR102184152B1 (ko) | 공조냉매계통에 의한 플라스틱 사출성형의 온도 정밀제어방법 | |
JP4194131B2 (ja) | 潜熱蓄熱式の熱源システム | |
CN110385963A (zh) | 一种电动汽车空调系统及其控制方法 | |
CN102886882B (zh) | 低温型模温机 | |
CN106765916B (zh) | 温度控制系统和温度控制方法 | |
JP2000304432A (ja) | 温水器付き冷蔵庫 | |
KR20210035650A (ko) | 급속 가열 및 냉각 금형 장치 | |
KR20080042224A (ko) | 도금용액 항온장치 | |
CN208232745U (zh) | 电动车辆的蓄热系统 | |
CN105799100A (zh) | 冷热一体模温机 | |
JP2001009839A (ja) | プラスチック成形金型温調装置および金型温調方法 | |
CN110307073A (zh) | 发动机的冷却设备 | |
KR102281821B1 (ko) | 압력 조절 및 온도 제어가 가능한 일체형 사출 성형 장치 | |
JPS60249666A (ja) | エンジンの暖機促進装置 | |
JP3702936B2 (ja) | ゴム生地押出機 |