JP4577196B2 - 磁気マッピング装置ならびにその取付位置補正方法 - Google Patents

Description

本発明は、例えば救難飛行艇の航空機の搭乗員やバーチャルリアリティ空間の体験者等が、頭部の向きと位置とを測定するための交流磁気測定方式ヘッドモーショントラッカを使用する際に、周囲の金属による磁気影響を補正するため、ヘッドモーショントラッカの使用空間にて磁気マッピングを行う磁気マッピング装置および方法に関し、さらに詳細には磁気マッピングを行う際に磁気マッピング装置を正規の取付位置に設置することができる機能を備えた磁気マッピング装置並びにその位置補正方法に関するものである。

従来、例えば救難飛行艇による救難活動において、発見した救難目標を見失うことのないように、搭乗員の頭部に装着される頭部装着型表示装置により表示される照準画像と救難目標とが対応したとき、救難目標の位置をロックオンし、以後、演算により位置を追尾することが行われている。この演算を行うには、飛行艇の経度、緯度、高度、姿勢に加えて、飛行艇に対する搭乗員の頭部の向きと位置とを測定することが必要となる。また、頭部装着型表示装置の装着者に、その頭部の動きに応じて変化する画像を視認させることでバーチャルリアリティ空間を体験させる場合、その頭部の向きと位置とを測定することが必要となる。

このような頭部の向きと位置とを、３次元測定空間において測定するためのヘッドモーショントラッカとして、磁気ソースを用いて周囲の空間に基準磁界を発生させておき、頭部装着型表示装置に固定した磁気センサにより磁気を測定し、測定された磁気データから頭部の向きと位置とを算出する交流磁気方式のものがある（例えば特許文献１参照）。
特開２００２−８１９０４号公報

上記した磁気マッピングを誤差なく正確に行うためには、磁気マッピング装置を測定対象物に対して方向の基準となる基準方向に合わせて誤差なく正確に設置することが前提となる。しかし、磁気マッピング装置の現在の取付位置を把握して、適性位置に補正するための作業（アライメント作業）には、ゲージや測量機器の器具を別途必要とすると共に作業が大変面倒であって時間がかかるといった問題点があった。

そこで本発明は、上記従来課題を解消し、簡単に且つ短時間で磁気マッピング装置を正規の取付位置に補正することができる磁気マッピング装置並びにその位置補正方法を提供することを主たる目的とするものである。

上記目的を達成する為に本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発明にかかる磁気マッピング装置は、航空機の搭乗員またはヴァーチャルリアリティの体験者がヘッドモーショントラッカを使用する空間において磁気マッピングを行う際に取り付けられ、三次元方向に移動可能な移動ステージを備えた交流磁気マッピング装置であって、前記移動ステージに固定したカメラと、所定位置に取り付けられたヘッドアップディスプレイとを含み、前記カメラのカメラ画像に照準マークを、ヘッドアップディスプレイにはシンボルマークを夫々表示するように形成し、カメラ画像に表示させた照準マークを前記シンボルマークに合致するように移動ステージを移動させることにより交流磁気マッピング装置を適性取付位置に補正できるようにした構成としたものである。

また本発明では、航空機の搭乗員またはヴァーチャルリアリティの体験者がヘッドモーショントラッカを使用する空間において、磁気マッピングを行う際に磁気マッピング装置を取り付け、所定位置に取り付けられたヘッドアップディスプレイにシンボルマークを表示させ、磁気マッピング装置の移動ステージに固定したカメラのカメラ画像に照準マークを表示させ、この照準マークをヘッドアップディスプレイのシンボルマークに合致するように移動ステージを移動させることにより磁気マッピング装置の取付位置を適性取付位置に補正するようにした補正方法も特徴とする。

ここで、ヘッドアップディスプレイの所定位置とは、カメラ画像の照準マークとヘッドアップディスプレイのシンボルマークとが完全に合致した時に、マッピング装置が正しい取付姿勢となる位置をいう。

本発明によれば、カメラ画像を見ながらその照準マークをヘッドアップディスプレイのシンボルマークに完全に合致するように移動ステージを移動調整することにより一人で簡単に、且つ、短時間で磁気マッピング装置を正規の取付位置に修正することが可能となる。殊に、救難飛行艇等の航空機ではコクピットに常備されているヘッドアップディスプレイを利用することができるので、従来のような測量機器やゲージ等の器具を使用することなく容易に修正作業をおこなうことができるといった優れた効果がある。

以下において、本発明の詳細を図に示した実施例に基づき説明する。図１は本発明にかかるマッピング装置を航空機のコクピットに取り付けた状態を示す概略図であり、図２は、その要部の拡大平面図であり、図３はカメラ画像を示す説明図である。

図１並びに図２において、符号Ａで救難飛行艇等の航空機のコクピット部分を示すものであって、機体の前後方向に延びるセンターラインＬに沿って搭乗者座席１が設置されており、搭乗者座席１の前方にはヘッドアップディスプレイ２が設置されている。このヘッドアップディスプレイ２は、その表示画面２２の左右方向の中心が前記センターラインＬ線上となるように配置されている。また、搭乗者座席１とヘッドアップディスプレイ２との間に磁気マッピング装置３が取り付けられている。この磁気マッピング装置３は、上述したように、交流磁気測定方式ヘッドモーショントラッカを使用する際、周囲の導電性物質の影響による測定誤差を取り除くために、実際に使用するに先だって、磁気センサを磁気マッピング装置に取り付けて、Ｘ、Ｙ，Ｚの各軸方向において一定間隔毎に位置決めし、各位置での誤差データを収集するものであって、三次元方向に移動可能な移動ステージ３１を備えている。

この磁気マッピング装置３の移動ステージ３１上にヘッドアップディスプレイ２の表示画面２１を見ることのできるカメラ３２が設けられており、該カメラ３２のカメラ画像に照準マーク３３が、ヘッドアップディスプレイ２の表示画面２２にはシンボルマーク２１が夫々表示されるように形成されている。本実施例にあっては、ヘッドアップディスプレイ２のシンボルマーク２１は表示画面２２の中心にプラス印で表示されるように形成され、カメラ画像の照準マーク３３はカメラ画像の中心を交差する縦横の線で形成されている。この照準マーク３３とシンボルマーク２１がその交点で完全に合致した位置がマッピング装置３の正規の取付姿勢となるように設定されている。

今、磁気マッピング装置３の移動ステージ３１が図２に示すように正規の取付位置から少しずれた位置に取り付けられていたとする。これをカメラ画像でみると、例えば図３に示すようにカメラ画像の照準マーク３３がヘッドアップディスプレイのシンボルマーク２１に対しその交点が少し外れた位置で表示される。従って、照準マーク３３をシンボルマーク２１に完全に合致するまで移動ステージ３１を移動調整することにより磁気マッピング装置３を正規の取付位置に簡単に修正することができる。

カメラ画像の照準マーク３３やヘッドアップディスプレイ２のシンボルマーク２１は、上記したような交点を有するプラス印に限るものでなく、両者を同一点で合致させることができる図形であればどのようなものであってもよい。

本発明は、交流磁気測定方式のヘッドモーショントラッカを使用する際に、磁気補正データ取得領域にて磁気マッピングを行う磁気マッピング装置に利用することができる。

本発明にかかる磁気マッピング装置を航空機のコクピットに取り付けた状態を示す側面図。 上記磁気マッピング装置の概略的な平面図。 上記磁気マッピング装置におけるカメラ画像を示す説明図。

符号の説明

Ａ コクピット
１ 搭乗者席
２ ヘッドアップディスプレイ
２１ シンボルマーク
３ 磁気マッピング装置
３１ 移動ステージ
３２ カメラ
３３ 照準マーク

Claims (2)

1. 航空機の搭乗員またはヴァーチャルリアリティの体験者がヘッドモーショントラッカを使用する空間において磁気マッピングを行う際に取り付けられ、三次元方向に移動可能な移動ステージを備えた磁気マッピング装置であって、前記移動ステージに固定したカメラと、所定位置に取り付けられたヘッドアップディスプレイとを含み、前記カメラに写し出されるカメラ画像に照準マークを、ヘッドアップディスプレイにはシンボルマークを夫々表示するように形成し、カメラ画像に表示させた照準マークを前記シンボルマークに合致するように移動ステージを移動させることにより磁気マッピング装置を適性取付位置に補正できるようにした交流磁気マッピング装置。
2. 航空機の搭乗員またはヴァーチャルリアリティの体験者がヘッドモーショントラッカを使用する空間において、磁気マッピングを行う際に磁気マッピング装置を取り付け、所定位置に取り付けられたヘッドアップディスプレイにシンボルマークを表示させ、磁気マッピング装置の移動ステージに固定したカメラのカメラ画像に照準マークを表示させ、この照準マークをヘッドアップディスプレイのシンボルマークに合致するように移動ステージを移動させることにより磁気マッピング装置の取付位置を補正するようにしたことを特徴とする磁気マッピング装置の位置補正方法。
   

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