JP4576370B2 - 蒸着装置及び蒸着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に蒸着を行う蒸着装置及び蒸着方法に関する。
蒸着窓を有する蒸着マスク上にガラス基板を載置し、蒸着マスクの蒸着窓を通して、蒸着材料の蒸気をガラス基板に付着して、ガラス基板上に成膜を行う方法が知られている(特許文献1)。
図7、図8に、従来の蒸着装置として、インライン式の真空蒸着装置を示して、その構成を説明する。
なお、図7(a)は、従来のインライン式の真空蒸着装置の一部を示す概略側面図であり、図7(b)は、従来のインライン式の真空蒸着装置で用いられる蒸着マスクの平面図であり、図7(c)は、蒸着マスクの断面図(図7(b)のC−C’線矢視断面図)である。又、図8(a)は、従来のインライン式の真空蒸着装置で用いられる蒸着源の斜視図であり、図8(b)は、蒸着源からの輻射熱により加熱されるガラス基板の温度プロファイルを説明する図である。
図7(a)に示すように、従来のインライン式の真空蒸着装置は、複数の成膜チャンバ51、52が一直線上に配置されて構成されるものである。成膜チャンバ51、52の内部には、各々搬送ベルト53が設けられており、ガラス基板54が蒸着マスクを支持するホルダ60上に載置されて、搬送ベルト53により矢印方向へ順次搬送される構成である。又、成膜チャンバ51、52には、各々真空ポンプ、ガス供給系(図示省略)が設けられ、内部を所望の雰囲気、圧力に制御可能な構成である。
又、成膜チャンバ51、52の下方側には、搬送ベルト53に搬送されるガラス基板54の蒸着面に対向して、ガラス基板54を下方から臨む蒸着源55、56が設けられている。蒸着源55、56の上方には、ガラス基板54の搬送方向に垂直な方向に長い開口部57が設けられており(後述の図8参照)、この開口部57から蒸着材料の蒸気をガラス基板54へ供給し、ホルダ60の蒸着マスクを通してガラス基板54に所望の成膜を行う構成である。従って、搬送ベルト53によりとホルダ60共にガラス基板54を矢印方向へ順次搬送しながら、各々の成膜チャンバ51、52において、所望の雰囲気、圧力下で、所望の成膜することが可能である。
又、図7(b)、(c)に示すように、ホルダ60は、互いに格子状に交差して配置された複数の横格子部材60a及び縦格子部材60bと、4辺に配置されて、内側に横格子部材60a及び縦格子部材60bを支持すると共にL字断面形状を有する横枠部材60c及び縦枠部材60dとから構成されている。ガラス基板54は、L字断面形状の横枠部材60c及び縦枠部材60dの内側に載置されており、横格子部材60a、縦格子部材60b、横枠部材60c、縦枠部材60dによって形成される窓部分の蒸着マスクを通して、ガラス基板54に蒸着材料の蒸気を付着させて、所望の成膜を行う構成である。
又、図8(a)に示すように、蒸着源55、56は、その内部の下方側がるつぼ部分となっており、そのるつぼ部分に蒸着材料が収容されて、蒸着材料の蒸気が生成される構成である。生成された蒸気は、蒸着源55、56の上方に形成された開口部57からガラス基板54側へ供給される。この開口部57は、ガラス基板54の搬送方向の長さが短い短辺部57aと、ガラス基板54の搬送方向に垂直な方向の長さが長い長辺部57bとからなる矩形状となっており、図8(b)にも示すように、ガラス基板54から所定距離h離れて、ガラス基板54に平行に配置されている。上記構成により、ガラス基板54を搬送させながら、ガラス基板54の搬送方向に垂直な方向に均一に蒸気を供給して、均一な成膜が行えるようにしている。
特公昭63−15714号公報
蒸着源55、56は、ガラス基板54の搬送方向に垂直な方向に均一に蒸気を供給して、均一な成膜が行えるように、図8(b)に示したように、蒸着源55、56の開口部57が、ガラス基板54から所定距離h離れた位置に配置されている。しかしながら、このような構成において、蒸着源55、56からガラス基板54への輻射熱による熱流束は、ガラス基板54の搬送方向に垂直な方向に均一ではないため、図8(b)に示すように、ガラス基板54の中央部で基板温度が高く、ガラス基板54の端部で基板温度が低くなり、ガラス基板54の面内で温度差ΔTbを生じさせていた。従来は、ガラス基板54の大きさが大きくなく、温度差ΔTbも大きなものではなかったが、ガラス基板54のサイズが大きくなってきている近年においては、その温度差ΔTbも益々大きくなり、その温度差による熱変形、熱応力が無視できない状況となっている。
更に、上記成膜においては、蒸着マスクを支持するホルダや蒸着マスク自身の陰になる部分のガラス基板の温度も低くなるため、ホルダや蒸着マスクによっても、ガラス基板の面内に温度差を生じさせることになり、その結果、ガラス基板の熱変形、熱応力を大きくさせていた。例えば、図9(a)に示すように、ガラス基板の面内温度分布は、ガラス基板の中央部が高く、周辺部が低いという傾向があるが、ホルダや蒸着マスクの陰になる部分(図9(a)中の格子形状の部分)は更に温度が低くなっていた。又、図9(b)に示すように、ガラス基板の面内温度分布に応じて、ガラス基板の中央部が鉛直下方へ下がり、周辺部が鉛直上方へ上がるという熱変形を生じていた。そして、ガラス基板の面内温度差が大きくなると、その熱変形、熱応力も大きくなり、熱応力が甚だしい場合には、ガラス基板の割れ(クラック等)や破損が生じるという問題が生じていた。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、ガラス基板面内の温度差を小さくして、ガラス基板の割れや破損を防止する蒸着装置及び蒸着方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る蒸着装置は、
ガラス基板の蒸着面をマスクするマスク部材を保持すると共に前記ガラス基板の周辺部を載置する枠部材を有する保持部材と、
前記ガラス基板が載置された前記保持部材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に搬送される前記ガラス基板の蒸着面に対向して設けられ、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に長い開口部から蒸着材料の蒸気を前記ガラス基板へ供給する蒸着源、又は、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に列状に並べた複数のるつぼの短い開口部から蒸着材料の蒸気を前記ガラス基板へ供給する蒸着源とを備え、
前記ガラス基板を搬送しながら、前記マスク部材を通して前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う蒸着装置において、
前記ガラス基板を挟んだ前記蒸着源の反対側であり、前記蒸着源の両側端部に対向する位置に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱する2組の第1加熱手段を設け、
前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記両側端部を、前記第1加熱手段により加熱するようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る蒸着装置は、
上記第1の発明に記載の蒸着装置において、
前記第1加熱手段は、複数に分割されて、分割部分が各々独立して前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に移動可能なものであり、
前記第1加熱手段と前記蒸着源との間に前記ガラス基板が存在しないときには、前記蒸着源の蒸着領域から前記第1加熱手段の各分割部分を逐次退避させるようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る蒸着装置は、
上記第1又は第2の発明に記載の蒸着装置において、
更に、
前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に、前記ガラス基板の搬送方向の後端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第2加熱手段と、
前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第3加熱手段と、
前記ガラス基板の搬送方向の後端部を追尾して、該後端部と共に前記第2加熱手段を移動させると共に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部を追尾して、該前端部と共に前記第3加熱手段を移動させる移動手段とを設け、
前記移動手段は、前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の搬送と共に前記第2加熱手段、第3加熱手段を移動させて、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面の前記後端部、前記前端部を、前記第2加熱手段、前記第3加熱手段により加熱することを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る蒸着装置は、
上記第3の発明に記載の蒸着装置において、
前記移動手段は、
前記第2加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍までの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させると共に、
前記第3加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍からの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させることを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る蒸着装置は、
上記第4の発明に記載の蒸着装置において、
前記第2加熱手段、前記第3加熱手段は、前記ガラス基板の搬送方向と逆の方向に移動する際には、加熱を停止することを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る蒸着装置は、
上記第1〜第5のいずれかの発明に記載の蒸着装置において、
前記保持部材の前記枠部材又は前記マスク部材に、前記ガラス基板の端部を前記蒸着源からの輻射熱に曝す開口部若しくは切欠部を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る蒸着装置は、
上記第1〜第6のいずれかの発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源の両側端部の温度を、前記蒸着源の他の部分より高くしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る蒸着装置は、
上記第1〜第6のいずれかの発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源の両側端部の近傍に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱する2つの第4加熱手段を設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る蒸着装置は、
上記第1〜第6のいずれかの発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源の両側端部における前記ガラス基板への輻射熱が発生する面積を、前記蒸着源の他の部分より大きくしたことを特徴とする。
上記課題を解決する第10の発明に係る蒸着装置は、
上記第9の発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第11の発明に係る蒸着装置は、
上記第9の発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部の開口面積を他の部分より大きくすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第12の発明に係る蒸着装置は、
上記第9の発明に記載の蒸着装置において、
前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第13の発明に係る蒸着方法は、
ガラス基板の蒸着面をマスクするマスク部材を保持すると共に前記ガラス基板の周辺部を載置する枠部材を有する保持部材に、前記ガラス基板を載置し、
前記ガラス基板が載置された前記保持部材を搬送手段により搬送し、
前記搬送手段に搬送される前記ガラス基板の蒸着面に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に長い開口部から、又は、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に列状に並べた複数の短い開口部から蒸着源の蒸着材料の蒸気を供給し、
前記ガラス基板を搬送しながら、前記マスク部材を通して前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う蒸着方法において、
前記ガラス基板を挟んだ前記蒸着源の反対側であり、前記蒸着源の両側端部に対向する位置に設けた2組の第1加熱手段を用いて、前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱することを特徴とする。
上記課題を解決する第14の発明に係る蒸着方法は、
上記第13の発明に記載の蒸着方法において、
前記第1加熱手段として、複数に分割されて、分割部分が各々独立して前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に移動可能なものを用いて、
前記第1加熱手段と前記蒸着源との間に前記ガラス基板が存在しないときには、前記蒸着源の蒸着領域から前記第1加熱手段の各分割部分を逐次退避させることを特徴とする。
上記課題を解決する第15の発明に係る蒸着方法は、
上記第13又は第14の発明に記載の蒸着方法において、
更に、
前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に設けた、前記ガラス基板の搬送方向の後端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第2加熱手段と、
前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に設けた、前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第3加熱手段と、
前記ガラス基板の搬送方向の後端部を追尾して、該後端部と共に前記第2加熱手段を移動させると共に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部を追尾して、該前端部と共に前記第3加熱手段を移動させる移動手段とを用いて、
前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て及び後端部の全てを、前記ガラス基板を搬送させながら加熱することを特徴とする。
上記課題を解決する第16の発明に係る蒸着方法は、
上記第15の発明に記載の蒸着方法において、
前記第2加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍までの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させると共に、
前記第3加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍からの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させることを特徴とする。
上記課題を解決する第17の発明に係る蒸着方法は、
上記第16の発明に記載の蒸着方法において、
前記第2加熱手段、前記第3加熱手段が前記ガラス基板の搬送方向と逆の方向に移動する際には、前記第2加熱手段、前記第3加熱手段による加熱を停止することを特徴とする。
上記課題を解決する第18の発明に係る蒸着方法は、
上記第13〜第17のいずれかの発明に記載の蒸着方法において、
前記保持部材の前記枠部材又は前記マスク部材に設けた開口部若しくは切欠部を用いて、前記ガラス基板の端部を前記蒸着源からの輻射熱に曝すことを特徴とする。
上記課題を解決する第19の発明に係る蒸着方法は、
上記第13〜第18のいずれかの発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部の温度を、前記蒸着源の他の部分より高くすることを特徴とする。
上記課題を解決する第20の発明に係る蒸着方法は、
上記第13〜第18のいずれかの発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部の近傍に設けた2つの第4加熱手段を用いて、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱することを特徴とする。
上記課題を解決する第21の発明に係る蒸着方法は、
上記第13〜第18のいずれかの発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部における前記ガラス基板への輻射熱が発生する面積を、前記蒸着源の他の部分より大きくすることを特徴とする。
上記課題を解決する第22の発明に係る蒸着方法は、
上記第21の発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする。
上記課題を解決する第23の発明に係る蒸着方法は、
上記第21の発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部の開口面積を他の部分より大きくすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする。
上記課題を解決する第24の発明に係る蒸着方法は、
上記第21の発明に記載の蒸着方法において、
前記蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする。
第1、第13の発明によれば、蒸着源からの輻射熱が保持部材により遮断されるガラス基板の両側端部を、2つの第1加熱手段によりガラス基板の蒸着面の反対側から加熱するので、蒸着の際に蒸着源に曝されるガラス基板の温度を均一にして、その温度差を小さくすることができ、その結果、熱応力を低減させて、ガラス基板の割れや破損を防止することができる。又、割れや破損により使用できなくなるガラス基板の面積も低減されて、ガラス基板の面積を有効に使用することができる。
第2、第14の発明によれば、第1加熱手段と蒸着源との間にガラス基板が存在しないときには、つまり、搬送されるガラス基板同士の隙間部分が蒸着源の上方にきたときには、蒸着源の蒸着領域から第1加熱手段を分割して退避させるので、第1加熱手段に蒸着材料が付着することはなく、加熱性やメンテナンス性に悪影響を与えることはない。
第3、第4、第15、第16の発明によれば、搬送されるガラス基板を追尾して、その前端部及び後端部を、第2加熱手段、第3加熱手段によりガラス基板の蒸着面の反対側から加熱するので、蒸着の際にガラス基板面内の温度を均一にして、ガラス基板面内の温度差を小さくすることができ、その結果、熱応力を低減させて、ガラス基板の割れや破損を防止することができる。
第5、第17の発明によれば、第2加熱手段、第3加熱手段を基板の搬送方向と逆の方向に移動する際には、つまり、第2加熱手段、第3加熱手段がガラス基板の後端部、前端部の上方にないときには、加熱を停止するので、ガラス基板の後端部、前端部以外を加熱することはなく、ガラス基板面内の温度の均一性に悪影響を与えることはない。
第6、第18の発明によれば、保持部材側の端部に開口部若しくは切欠部を設け、ガラス基板の端部を蒸着源からの熱輻射に曝すので、蒸着の際にガラス基板面内の温度を均一にして、ガラス基板面内の温度差を小さくすることができ、その結果、熱応力を低減させて、ガラス基板の割れや破損を防止することができる。
第7〜第12、第19〜第24の発明によれば、蒸着源の両側端部からの熱輻射を大きくして、温度の落ち込みやすいガラス基板の両側端部をより多く加熱するので、蒸着の際にガラス基板の温度を均一にして、ガラス基板の温度差を小さくすることができ、その結果、熱応力を低減させて、ガラス基板の割れや破損を防止することができる。
以下、図1〜図5を用いて本発明に係る蒸着装置の実施形態のいくつかを説明する。
図1は、本発明に係る蒸着装置の実施形態の一例を示す図であり、図1(a)は、その概略側面図であり、図1(b)は、その概略平面図である。
図1(a)、(b)に示すように、本実施例の蒸着装置は、インライン式の真空蒸着装置を構成するものであり、複数の成膜チャンバ1、2が一直線上に配置されて構成されるものである。成膜チャンバ1、2の内部には、各々搬送ベルト3(搬送手段)が設けられており、矩形状の平板のガラス基板4が、ガラス基板4の蒸着面をマスクする蒸着マスク(マスク部材)を保持するホルダ60(保持部材)上に載置されて、搬送ベルト3により矢印方向へ順次搬送される構成である。又、成膜チャンバ1、2には、各々真空ポンプ、ガス供給系(図示省略)が設けられており、内部を所望の雰囲気、圧力に制御可能な構成である。なお、ここでは、一部の成膜チャンバのみを例示しているが、ガラス基板4を搬入、搬出するロードロックチャンバ等も有するものである。又、製造する目的に合わせて、成膜チャンバを更に増やした構成としてもよい。
又、成膜チャンバ1、2の下方側には、搬送ベルト3に搬送されるガラス基板4の蒸着面に対向して、ガラス基板4を下方から臨む蒸着源55、56が設けられている。蒸着源55、56の上方には、ガラス基板4の搬送方向に垂直な方向に長い開口部57が設けられており、この開口部57から蒸着材料の蒸気をガラス基板4へ供給し、ホルダ60の蒸着マスクを通してガラス基板4に所望の成膜を行う構成である。つまり、本実施例の蒸着装置は、搬送ベルト3によりホルダ60と共にガラス基板4を矢印方向へ順次搬送しながら、各々の成膜チャンバ1、2において、所望の雰囲気、圧力下で、所望の成膜を行う構成である。なお、本実施例においては、図7(b)、(c)に示した従来の蒸着源55、56及びホルダ60を使用しており、蒸着源55、56及びホルダ60の構成については、その詳細な説明を省略する。又、本発明においては、長い1つの開口部57を有する蒸着源55、56を使用しているが、蒸着源55、56に替えて、短い開口部を有する小型のるつぼを列状に複数個並べた蒸着源も適用可能である。
本実施例の蒸着装置において、成膜チャンバ1、2の上方側には、成膜チャンバ1、2毎に複数の加熱ヒータ7、8、9が設けられており、加熱ヒータ7、8、9により、特に基板温度の落ち込みが大きいガラス基板4の4辺の端部を加熱できるように構成されている。
具体的には、加熱ヒータ7(第1加熱手段)は、ガラス基板4の搬送方向に垂直な方向の両側の端部(以降、ガラス基板の両側端部と呼ぶ。)をガラス基板4の上方側から加熱できるように、ガラス基板4を挟んだ蒸着源55、56の反対側であり、蒸着源55、56の開口部57の両側端部に対向した位置に1組ずつ、計2組配置されて、固定されている。つまり、加熱ヒータ7は、ガラス基板4の蒸着面に蒸着を行う際、ホルダ60の裏面側から、蒸着源55、56の開口部57上に位置するガラス基板4の両側端部の一部分のみを加熱できるように配置されたものである。このように、加熱ヒータ7を用いることにより、ガラス基板4の両側端部の温度の落ち込みを防止することができる。なお、加熱ヒータ7としては、必要な部分のみ加熱可能なように、集光性のあるスポットヒータ等を用いている。
又、加熱ヒータ8(第2加熱手段)は、ガラス基板4の搬送方向の後方側の端部(以降、ガラス基板の後端部と呼ぶ。)をガラス基板4の蒸着面の反対側の方から加熱できるように、ガラス基板4を挟んで、蒸着源55、56と反対側の方に配置されると共に、ガラス基板4の搬送と同期して同じ速度で移動可能に設けられている。又、この加熱ヒータ8は、ガラス基板4の搬送方向に垂直な方向(以降、ガラス基板の幅方向と呼ぶ。)に長く、ガラス基板4の後端部の幅方向全てを均一に加熱するものである。
又、加熱ヒータ9(第3加熱手段)は、ガラス基板4の搬送方向の前方側の端部(以降、ガラス基板の前端部と呼ぶ。)をガラス基板4の蒸着面の反対側の方から加熱できるように、ガラス基板4を挟んで、蒸着源55、56と反対側の方に配置されると共に、ガラス基板4の搬送と同期して同じ速度で移動可能に設けられている。又、この加熱ヒータ9は、ガラス基板4の幅方向に長く、ガラス基板4の前端部の幅方向全てを均一に加熱するものである。
なお、加熱ヒータ8、9は、ガラス基板4の幅方向に長い線状の形状のものであるが、例えば、スポットヒータを複数一列に配置したもので代替してもよい。
上記加熱ヒータ8には、ガラス基板4の後端部を検知して追尾可能とする追尾センサ(図示せず)が設けられており、この追尾センサ及び移動装置(移動手段;図示せず)により、ガラス基板4の搬送に同期して加熱ヒータ8を移動させて、ガラス基板4を搬送しながら、その後端部を加熱可能としている。具体的な移動動作を説明すると、1つ前の成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ1)の加熱ヒータ7をガラス基板4の後端部が通過した後、加熱ヒータ8は、ガラス基板4の後端部の追尾を開始し、ガラス基板4の搬送に同期して移動する。そして、次の成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ2)の加熱ヒータ7の手前まで、ガラス基板4の搬送に同期して、ガラス基板4と共に移動していく。その後、次に搬送されてくるガラス基板4に対応するために、1つ前の成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ1)の加熱ヒータ7の近傍まで速やかに戻り、同様の移動動作で、次に搬送されてくるガラス基板4の追尾を開始する。つまり、加熱ヒータ8は、任意の蒸着装置の加熱ヒータ7の近傍から次の蒸着装置の加熱ヒータ7の近傍までの所定範囲内を往復運動する構成である。
上記加熱ヒータ9にも、同様に、ガラス基板4の前端部を検知して追尾可能とする追尾センサ(図示せず)が設けられており、この追尾センサ及び移動装置(移動手段;図示せず)により、ガラス基板4の搬送に同期して加熱ヒータ9を移動させて、ガラス基板4を搬送しながら、その前端部を加熱可能としている。具体的な移動動作を説明すると、成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ1)の加熱ヒータ7をガラス基板4の前端部が通過した後、加熱ヒータ9は、ガラス基板4の前端部の追尾を開始し、ガラス基板4の搬送に同期して移動する。そして、次の成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ2)の加熱ヒータ7の手前まで、ガラス基板4の搬送に同期して、ガラス基板4と共に移動していく。その後、次に搬送されてくるガラス基板4に対応するために、1つ前の成膜チャンバ(例えば、図1中の成膜チャンバ1)の加熱ヒータ7の近傍まで速やかに戻り、同様の移動動作で、次に搬送されてくるガラス基板4の追尾を開始する。つまり、加熱ヒータ9も、任意の蒸着装置の加熱ヒータ7の近傍から次の蒸着装置の加熱ヒータ7の近傍までの所定範囲内を往復運動する構成である。
なお、上記追尾センサに替えて、加熱ヒータ7をガラス基板4の前端部及び後端部が通過したことを検知する位置センサ(例えば、リミットセンサ、リミットスイッチ等)を設け、位置センサでの検知により、ガラス基板4の搬送と加熱ヒータ8、9の移動を機械的に連動させて、ガラス基板4を搬送しながら、その前端部及び後端部を加熱するようにしてもよい。
このように、搬送方向に移動可能な加熱ヒータ8、9を用いることにより、ガラス基板4を搬送しながら、ガラス基板4の前端部及び後端部の温度の落ち込みも防止することができる。
従って、ガラス基板4の温度が落ち込む端部を、上記構成の加熱ヒータ7、8、9を用いて、ガラス基板4の蒸着面の反対側の方から局所的に加熱することにより、ガラス基板4の面内温度差を従来と比較して小さくすることができる。その結果、ガラス基板4の熱応力を低減して、ガラス基板4の割れを防止することができる。特に、本実施例のように、ホルダ60の陰になることにより、蒸発源5、6からの輻射熱が遮断されて、温度が落ち込みやすく、又、割れの起点にもなりうるガラス基板4の端部を局部的に加熱することにより、割れの発生を効率的に防止することが可能となる。
なお、本実施例においては、加熱ヒータ7、8、9を全て備える構成例を示したが、成膜チャンバにおけるプロセス条件によっては、少なくとも加熱ヒータ7を有する構成であればよく、プロセス条件に応じて、加熱ヒータ8、9を追加すればよい。又、搬送ベルト3を備えず、ガラス基板4の位置を固定して蒸着を行う蒸着装置の場合には、位置が固定されたガラス基板4の4辺の端部に対応する位置に、ガラス基板4を挟んで、蒸着源と反対側の方に加熱ヒータを配置すればよい。
又、本実施例では、ホルダとして従来のホルダ60を用い、蒸着源としては従来の蒸着源55、56を用いているが、後述する実施例2の蒸着マスク、後述する実施例3の蒸着源を用いることにより、より効果的にガラス基板4の端部での温度の落ち込みを低減することが可能である。
(実施例1の変形例)
図6は、実施例1の蒸着装置の変形例を示す図であり、図6(a)は、その概略側面図であり、図6(b)は、その概略平面図である。
図6(a)、(b)に示すように、本変形例の蒸着装置は、その基本的構成が図1に示す蒸着装置と同等のものである。従って、同等の構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。本変形例の蒸着装置は、図1に示す蒸着装置に設けた加熱ヒータ7、8、9に替わり、加熱ヒータ41、42、43を設けることにより、特に基板温度の落ち込みが大きいガラス基板4の4辺の端部を加熱できるように構成されている。
具体的には、加熱ヒータ41(第1加熱手段)は、ガラス基板4の両側端部をガラス基板4の上方側から加熱できるように、ガラス基板4を挟んだ蒸着源55、56の反対側であり、蒸着源55、56の開口部57の両側端部に対向した位置に1組ずつ、計2組配置されている。つまり、加熱ヒータ41は、ガラス基板4の蒸着面に蒸着を行う際、ホルダ60の裏面側から、蒸着源55、56の開口部57上に位置するガラス基板4の両側端部の一部分のみを加熱できるように配置されたものである。このように、加熱ヒータ41を用いることにより、ガラス基板4の両側端部の温度の落ち込みを防止することができる。なお、加熱ヒータ41としては、必要な部分のみ加熱可能なように、集光性のあるスポットヒータ等を用いている。
更に、加熱ヒータ41は、ガラス基板4の搬送方向において2つ以上に分割されて(図6では、一例として3分割)、分割された部分が各々独立してガラス基板4の幅方向に移動可能に構成されている。図1に示す加熱ヒータ7のように、その位置が固定されたものは、順次搬送されるガラス基板4同士の間に形成される隙間を通って、蒸着源55、56からの蒸着材料が付着して、加熱ヒータ7の加熱性、メンテナンス性に影響を与える可能性がある。そこで、本変形例では、加熱ヒータ41を複数に分割すると共に、各々独立してガラス基板4の幅方向に移動可能とすることにより、ガラス基板4間の隙間部分が蒸着源55、56の開口部57を通過するときには、つまり、加熱ヒータ41と蒸着源55、56の間にガラス基板4が存在しないときには、蒸着領域となる開口部57の領域から退避するように、分割された加熱ヒータ41をガラス基板4の幅方向に逐次移動させて、蒸着源55、56からの蒸着材料の加熱ヒータ41への付着を防止している。なお、加熱ヒータ41は、複数に分割されるので、ガラス基板4の搬送方向に所定の長さを有することが望ましい。
又、加熱ヒータ42(第2加熱手段)は、ガラス基板4の後端部をガラス基板4の蒸着面の反対側の方から加熱できるように、ガラス基板4を挟んで、蒸着源55、56と反対側の方に配置されると共に、ガラス基板4の搬送と同期して同じ速度で移動可能に設けられている。又、この加熱ヒータ42は、ガラス基板4の幅方向に長いものであるが、ガラス基板4の両側端部に配置された加熱ヒータ41の間を通過できるように、ガラス基板4の後端部の幅方向の大部分又は一部を均一に加熱する長さに設定されている。
又、加熱ヒータ43(第3加熱手段)は、ガラス基板4の前端部をガラス基板4の蒸着面の反対側の方から加熱できるように、ガラス基板4を挟んで、蒸着源55、56と反対側の方に配置されると共に、ガラス基板4の搬送と同期して同じ速度で移動可能に設けられている。又、この加熱ヒータ43は、ガラス基板4の幅方向に長いものであるが、ガラス基板4の両側端部に配置された加熱ヒータ41の間を通過できるように、ガラス基板4の前端部の幅方向の大部分又は一部を均一に加熱する長さに設定されている。
なお、加熱ヒータ42、43は、ガラス基板4の幅方向に長い線状の形状のものであるが、例えば、スポットヒータを複数一列に配置したもので代替してもよい。
上記加熱ヒータ42には、ガラス基板4の後端部を検知して追尾可能とする追尾センサ(図示せず)が設けられており、この追尾センサ及び移動装置(移動手段;図示せず)により、ガラス基板4の搬送に同期して加熱ヒータ42を移動させて、ガラス基板4を搬送しながら、その後端部を加熱可能としている。具体的な移動動作を説明すると、ガラス基板4の後端部が、加熱ヒータ41や蒸着源55、56の開口部57から手前に所定の距離離れた追尾開始位置に接近してくると、加熱ヒータ42は、ガラス基板4の後端部の追尾を開始し、ガラス基板4の搬送に同期して移動する。そして、ガラス基板4の後端部と共に加熱ヒータ42が、蒸着源55、56の開口部57の上方を通過し、即ち、加熱ヒータ42が両側端部に配置された加熱ヒータ41の間を通過し、加熱ヒータ41や蒸着源55、56の開口部57から搬送方向に所定の距離離れた追尾終了位置まで、ガラス基板4の搬送に同期して、ガラス基板4と共に移動していく。その後、次に近接してくるガラス基板4の後端部に対応するために、追尾開始位置まで速やかに戻り、同様の移動動作で、次に近接してくるガラス基板4の後端部の追尾を開始する。つまり、加熱ヒータ42は、加熱ヒータ41、蒸着源55、56の開口部57の位置を中心に、その前後を直線的に(図6(a)の符号S参照)、又は、その周囲を楕円的に(図6(a)の符号O参照)、所定範囲内を往復運動する構成である。
上記加熱ヒータ43にも、同様に、ガラス基板4の前端部を検知して追尾可能とする追尾センサ(図示せず)が設けられており、この追尾センサ及び移動装置(移動手段;図示せず)により、ガラス基板4の搬送に同期して加熱ヒータ43を移動させて、ガラス基板4を搬送しながら、その前端部を加熱可能としている。具体的な移動動作を説明すると、ガラス基板4の前端部が、加熱ヒータ41や蒸着源55、56の開口部57から手前に所定の距離離れた追尾開始位置に接近してくると、加熱ヒータ43は、ガラス基板4の前端部の追尾を開始し、ガラス基板4の搬送に同期して移動する。そして、ガラス基板4の前端部と共に加熱ヒータ43が、蒸着源55、56の開口部57の上方を通過し、即ち、加熱ヒータ43が両側端部に配置された加熱ヒータ41の間を通過し、加熱ヒータ41や蒸着源55、56の開口部57から搬送方向に所定の距離離れた追尾終了位置まで、ガラス基板4の搬送に同期して、ガラス基板4と共に移動していく。その後、次に近接してくるガラス基板4の前端部に対応するために、追尾開始位置まで速やかに戻り、同様の移動動作で、次に近接してくるガラス基板4の前端部の追尾を開始する。つまり、加熱ヒータ43は、加熱ヒータ41、蒸着源55、56の開口部57の位置を中心に、その前後を直線的に(図6(a)の符号S参照)、又は、その周囲を楕円的に(図6(a)の符号O参照)、所定範囲内を往復運動する構成である。
なお、加熱ヒータ42、43が追尾開始位置まで戻る際には、つまり、加熱ヒータ42、43がガラス基板4の後端部、前端部の真上でないときには、ヒータオフ状態とし、追尾開始時に、再び、ヒータオン状態としている。又、ガラス基板4間の隙間部分が蒸着源55、56の開口部57を通過するときには、追尾開始位置まで戻る時の加熱ヒータ42、43の移動速度を高くして、蒸着源55、56からの蒸着材料の加熱ヒータ42、43への付着を防止している。
このように、搬送方向に移動可能な加熱ヒータ42、43を用いることにより、ガラス基板4を搬送しながら、ガラス基板4の前端部及び後端部の温度の落ち込みも防止することができる。又、加熱ヒータ42、43が追尾開始位置まで戻る際には、ヒータオフ状態とするので、ガラス基板の後端部、前端部以外を加熱することはなく、ガラス基板面内の温度の均一性に悪影響を与えることはない。
従って、ガラス基板4の温度が落ち込む端部を、上記構成の加熱ヒータ41、42、43を用いて、ガラス基板4の蒸着面の反対側の方から局所的に加熱することにより、ガラス基板4の面内温度差を従来と比較して小さくすることができる。その結果、ガラス基板4の熱応力を低減して、ガラス基板4の割れを防止することができる。本変形例のように、ホルダ60の陰になることにより、蒸発源5、6からの輻射熱が遮断されて、温度が落ち込みやすく、又、割れの起点にもなりうるガラス基板4の端部を局部的に加熱することにより、割れの発生を効率的に防止することが可能となる。
なお、本変形例においても、加熱ヒータ41、42、43を全て備える構成例を示したが、成膜チャンバにおけるプロセス条件によっては、少なくとも加熱ヒータ41を有する構成であればよく、プロセス条件に応じて、加熱ヒータ42、43を追加すればよい。又、搬送ベルト3を備えず、ガラス基板4の位置を固定して蒸着を行う蒸着装置の場合には、位置が固定されたガラス基板4の4辺の端部に対応する位置に、ガラス基板4を挟んで、蒸着源と反対側の方に加熱ヒータを配置すればよい。
又、本変形例でも、ホルダとして従来のホルダ60を用い、蒸着源としては従来の蒸着源55、56を用いているが、後述する実施例2の蒸着マスク、後述する実施例3の蒸着源を用いることにより、より効果的にガラス基板4の端部での温度の落ち込みを低減することが可能である。
図2は、本発明に係る蒸着装置の実施形態の他の一例を示す図であり、図1に示す蒸着装置において、従来のホルダ60に換えて、図2にしめすホルダ11、12を用いるようにしたものである。なお、図2(a)は、本実施例のホルダの平面図であり、図2(b)は、その断面図(図2(a)のA−A’線矢視断面図)である。又、図2(c)は、本実施例の変形例のホルダの平面図であり、図2(d)は、その断面図(図2(c)のB−B’線矢視断面図)である。
図2(a)、(b)に示すように、ホルダ11は、互いに格子状に交差して配置された複数の横格子部材11a及び縦格子部材11bと、4辺に配置されて、内側に横格子部材11a及び縦格子部材11bを支持する横枠部材11c及び縦枠部材11dとから構成されている。更に、横枠部材11c及び縦枠部材11dは、厚さ方向に段差がある2本の横枠副部材11e、11f及び縦枠副部材11g、11hからなり、2本の枠副部材の間に開口部11i、11j、11kが形成された構成である。つまり、図7(b)、(c)に示した従来のホルダ60の横枠部材60c及び縦枠部材60dに開口部を設けた構成である。ガラス基板4は、横枠副部材11e及び縦枠副部材11gの内側に載置されると共に、ガラス基板4の端部から少し内側を、横枠副部材11f及び縦枠副部材11hにより支持されている。そして、横格子部材11a、縦格子部材11b、横枠副部材11f、縦枠副部材11hによって形成される窓部分の蒸着マスクを通して、ガラス基板4に蒸着材料の蒸気を付着させて、所望の成膜を行う構成である。
上記構成のホルダ11においては、従来のホルダ60と異なり、矩形状のガラス基板4の4辺の端部部分に対応する位置に、開口部11i、11j、11kを形成しているため、ガラス基板4の端部において、ホルダ11の陰になる部分を著しく減少させる一方、開口部11i、11j、11kを通して、ガラス基板4の端部を蒸着源55、56からの輻射熱に曝すことにより、ガラス基板4の端部を積極的に加熱して、ガラス基板4の端部における温度の落ち込みを防止することができる。その結果、ガラス基板4の面内温度差を従来と比較して小さくして、熱応力を低減することができ、ガラス基板4の割れを防止することができる。
又、ホルダ11の変形例として、図2(c)、(d)に示すようなホルダ12を用いても同様な効果を得ることができる。
具体的には、ホルダ12は、図2(c)、(d)に示すように、互いに格子状に交差して配置された複数の横格子部材12a及び縦格子部材12bと、ガラス基板4の端部から少し内側の4辺に配置されて、横格子部材12a及び縦格子部材12bを支持する横枠部材12c及び縦枠部材12dとから構成されている。つまり、図2(a)、(b)に示したホルダ11の横枠副部材11e及び縦枠副部材11gを取り除いた構成であり、横枠部材12c及び縦枠部材12dの外側となる突起部12e、12f同士の間に、上記ホルダ11の開口部11i、11j、11kと同等の機能を有する切欠部12g、12hが形成されている。ガラス基板4は、突起部12e、12fの内側に載置されると共に、ガラス基板4の端部から少し内側を、横枠部材12c及び縦枠部材12dにより支持されている。そして、格子部材12a、縦格子部材12b、横枠部材12c、縦枠部材12dによって形成される窓部分の蒸着マスクを通して、ガラス基板4に蒸着材料の蒸気を付着させて、所望の成膜を行う構成である。
上記構成のホルダ12においても、ホルダ11と同様に、ガラス基板4の4辺の端部部分に対応する位置に、切欠部12g、12hを形成しているため、ガラス基板4の端部において、ホルダ11の陰になる部分を著しく減少させる一方、切欠部12g、12hを通して、ガラス基板4の端部を蒸着源55、56からの輻射熱に曝すことにより、ガラス基板4の端部を積極的に加熱して、ガラス基板4の端部における温度の落ち込みを防止することができる。その結果、ガラス基板4の面内温度差を従来と比較して小さくして、熱応力を低減することができ、ガラス基板4の割れを防止することができる。
本実施例においては、ホルダの枠部分の形状を工夫して、ガラス基板4の端部の温度の落ち込みを防止しているが、例えば、従来のホルダ60において(図7(b)等参照)、ガラス基板4の端部に対応する蒸着マスクの位置に、図2に示すような開口部や切欠部を設けて、ガラス基板4の端部の温度の落ち込みを防止するようにしてもよい。
図3〜図5は、本発明に係る蒸着装置の実施形態の他の一例を示す図であり、図3は、本実施例を概念的に説明する図であり、図4(a)、(b)、(c)、図5(a)、(b)は、本実施例を実現する蒸着源の具体的な構成例のいくつかを示す斜視図である。
図8(b)に示したように、従来の蒸着源55、56では、開口部57がガラス基板54と平行であり、又、制御温度も蒸着源55、56全体が均一に制御されているため、蒸着源55、56からガラス基板54への熱流束が均一ではなく、ガラス基板54の中央部で基板温度が高く、ガラス基板54の端部で基板温度が低くなり、ガラス基板54の面内で温度差ΔTbが生じるという問題があった。
そこで、本実施例においては、実施例1(図1)に示す蒸着源55、56に替えて、熱流束を制御して、ガラス基板4端部での温度の落ち込みを低減可能な構成の蒸着源を使用するようにしている。
図3を参照して、その概念的な構成を説明すると、本実施例の蒸着源は、その温度分布20を、ガラス基板4の中央部で相対的に小さく、ガラス基板4の端部側で相対的に大きくすることにより、ガラス基板4が配置された位置における熱流束を、その幅方向に均一に制御して、ガラス基板4の面内の温度差ΔTaをできるだけ小さくするようにしたものである。又、ホルダ60による輻射熱の遮断が大きい場合には、蒸着源の温度分布20を、ガラス基板4の端部側で更に大きくすることにより、ガラス基板4が配置された位置における熱流束を、その幅方向に均一にするのではなく、ガラス基板4の端部側で強くして、ガラス基板4の面内の温度差ΔTaをできるだけ小さくするようにしてもよい。なお、ここでは、ホルダとして、従来のホルダ60を用いるが、前述した実施例2のホルダ11、12を用いると、より効果的にガラス基板4の端部での温度の落ち込みを低減することが可能である。
次に、図3に示すような温度分布20を実現可能な蒸着源として、その具体的な構成例のいくつかを図4(a)、(b)、(c)、図5(a)、(b)に示して、その詳細を説明する。なお、図4(a)、(b)、(c)、図5(a)、(b)における蒸着源は、いずれも、その内部の下方側にるつぼ部分を有すると共に、その上方側に開口部を有し、その周囲に配置された複数のヒータ(図示せず)により、所望の温度に制御可能な構成である。従って、るつぼ部分に収容された蒸着材料は、複数のヒータによる蒸着源の加熱により、その蒸気が生成されて、生成された蒸気が、蒸着源の開口部から、ガラス基板4側へ供給されるようになっている。
このような構成の蒸着源において、本実施例では、その開口部の構成を工夫することにより、図3に示すような温度分布20を実現している。
具体的には、図4(a)に示す本実施例の蒸着源21は、形状としては、図8(a)に示した蒸着源55、56と同等のものであり、蒸着源21の上方側に配置された開口部22は、ガラス基板4の搬送方向となる長さが短い短辺部22aと、ガラス基板4の幅方向となる長さが長い長辺部22bとからなる矩形状であり、又、開口部22の上面が、ガラス基板4から所定距離離れて、ガラス基板4に平行に配置されるものである。しかしながら、本実施例の蒸着源21においては、図8(a)に示した蒸着源55、56と相違して、短辺部22aの温度を他の部分より比較的高い温度に設定しており、このことにより、図3に示すような温度分布20を実現している。
又、図4(b)に示す本実施例の蒸着源23は、その上方側に配置された開口部24が、ガラス基板4の搬送方向となる長さが短い短辺部24aと、ガラス基板4の幅方向となる長さが長い長辺部24bとからなる矩形状であり、又、開口部24の上面が、ガラス基板4から所定距離離れて、ガラス基板4に平行に配置されるものである。本実施例の蒸着源23においては、更に、長辺部24bの両端部を、蒸着源23の長手方向に垂直な方向に肉厚に形成することにより、その上面の面積を大きくした大面積部24cを設けており、この大面積部24cからの輻射熱により、図3に示すような温度分布20を実現している。
又、図4(c)に示す本実施例の蒸着源25は、その上方側に配置された開口部26が、ガラス基板4の両側端部に対応して設けられ、2つの円形部26aにより形成された2つの円形状開口部と、2つの円形状開口部の間を連通するように設けられ、ガラス基板4の幅方向となる長さが長い長辺部24bにより形成された矩形状開口部とからなり、開口部26の上面が、ガラス基板4から所定距離離れて、ガラス基板4に平行に配置されるものである。円形状開口部は、矩形状開口部より大きい開口面積に形成されており、この大きい円形状開口部からの輻射熱により、図3に示すような温度分布20を実現している。
又、図5(a)に示す本実施例の蒸着源27は、その上方側に配置された開口部28が、ガラス基板4の搬送方向となる長さが短い短辺部28aと、ガラス基板4の幅方向となる長さが長い長辺部28bとからなる矩形状であり、又、開口部28の上面が、ガラス基板4から所定距離離れて、ガラス基板4に平行に配置されるものである。本実施例の蒸着源27においては、更に、短辺部28bを、蒸着源23の長手方向に肉厚に形成することにより、その上面の面積を大きくしており、この肉厚の短辺部28bからの輻射熱により、図3に示すような温度分布20を実現している。
又、図5(b)に示す本実施例の蒸着源29は、図8(a)に示した蒸着源55、56と全く同等のものであり、蒸着源29の上方側に配置された開口部30が、ガラス基板4の搬送方向となる長さが短い短辺部30aと、ガラス基板4の幅方向となる長さが長い長辺部30bとからなる矩形状であり、その上面が、ガラス基板4から所定距離離れて、ガラス基板4に平行に配置されるものである。しかしながら、本実施例の蒸着源29においては、図8(a)に示した蒸着源55、56と相違して、蒸着源29の開口部30の両側端部の近傍に、換言すると、短辺部30a上方であり、ガラス基板4との間の空間に、2つの加熱ヒータ31(第4加熱手段)を設け、加熱ヒータ31の温度を蒸着源29より比較的高い温度としており、加熱ヒータ31からの輻射熱により、図3に示すような温度分布20を実現している。
上述したような蒸着源21、23、25、27、29を、実施例1(図1)に示した蒸着装置で用いることにより、ガラス基板4の面内の温度差ΔTaをできるだけ小さくして、ガラス基板4の熱応力を低減することができ、ガラス基板4の割れを防止することができる。なお、長い1つの開口部を有する蒸着源21、23、25、27、29だけでなく、短い開口部を有する小型のるつぼを列状に複数個並べた蒸着源に対しても、図4(a)〜図5(b)と同じことが適用可能であり、蒸着源21、23、25、27、29と同様な効果を得ることができる。
更に、本実施例と実施例1、2とを組み合わせ、実施例1(図1)に示した蒸着装置において、実施例2に示した蒸着マスク11、12、本実施例の蒸着源21、23、25、27、29を用いることにより、より効果的にガラス基板4の端部での温度の落ち込みを低減することが可能である。
本発明は、ガラス基板を搬送しながら、ガラス基板に蒸着を行う蒸着装置、蒸着方法に好適なものである。
本発明に係る蒸着装置の実施形態の一例を示す図であり、(a)は、その概略側面図であり、(b)は、その平概略面図である。 本発明に係る蒸着装置の実施形態の他の一例を示す図であり、(a)は、ホルダの平面図であり、(b)は、(a)のA−A’線矢視断面図である。又、(c)は、変形例のホルダの平面図であり、(d)は、図2(c)のB−B’線矢視断面図である。 本発明に係る蒸着装置の実施形態の更なる他の一例を概念的に説明する図である。 本発明に係る蒸着装置の実施形態の更なる他の一例を実現する蒸着源の具体的な構成例を示す斜視図である。 本発明に係る蒸着装置の実施形態の更なる他の一例を実現する蒸着源の具体的な構成例を示す斜視図である。 図1に示す蒸着装置の変形例を示す図であり、(a)は、その概略側面図であり、(b)は、その平概略面図である。 (a)は、従来の蒸着装置を示す概略側面図であり、(b)は、従来の蒸着装置で用いられる蒸着マスクの平面図であり、(c)は、(b)のC−C’線矢視断面図である。 (a)は、従来の蒸着装置で用いられる蒸着源の斜視図であり、(b)は、蒸着源からの輻射熱により加熱されるガラス基板の温度プロファイルを説明する図である。 (a)は、ガラス基板の面内温度分布を示す図であり、(b)は、ガラス基板の熱変形を示す図である。
符号の説明
1、2 成膜チャンバ
3 搬送ベルト
4 ガラス基板
21、23、25、27、29、55、56 蒸着源
7、8、9、31 加熱ヒータ
11、12、60 ホルダ

Claims (24)

  1. ガラス基板の蒸着面をマスクするマスク部材を保持すると共に前記ガラス基板の周辺部を載置する枠部材を有する保持部材と、
    前記ガラス基板が載置された前記保持部材を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段に搬送される前記ガラス基板の蒸着面に対向して設けられ、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に長い開口部から蒸着材料の蒸気を前記ガラス基板へ供給する蒸着源、又は、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に列状に並べた複数のるつぼの短い開口部から蒸着材料の蒸気を前記ガラス基板へ供給する蒸着源とを備え、
    前記ガラス基板を搬送しながら、前記マスク部材を通して前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う蒸着装置において、
    前記ガラス基板を挟んだ前記蒸着源の反対側であり、前記蒸着源の両側端部に対向する位置に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱する2組の第1加熱手段を設け、
    前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記両側端部を、前記第1加熱手段により加熱するようにしたことを特徴とする蒸着装置。
  2. 請求項1に記載の蒸着装置において、
    前記第1加熱手段は、複数に分割されて、分割部分が各々独立して前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に移動可能なものであり、
    前記第1加熱手段と前記蒸着源との間に前記ガラス基板が存在しないときには、前記蒸着源の蒸着領域から前記第1加熱手段の各分割部分を逐次退避させるようにしたことを特徴とする蒸着装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の蒸着装置において、
    更に、
    前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に、前記ガラス基板の搬送方向の後端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第2加熱手段と、
    前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第3加熱手段と、
    前記ガラス基板の搬送方向の後端部を追尾して、該後端部と共に前記第2加熱手段を移動させると共に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部を追尾して、該前端部と共に前記第3加熱手段を移動させる移動手段とを設け、
    前記移動手段は、前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の搬送と共に前記第2加熱手段、第3加熱手段を移動させて、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面の前記後端部、前記前端部を、前記第2加熱手段、前記第3加熱手段により加熱することを特徴とする蒸着装置。
  4. 請求項3に記載の蒸着装置において、
    前記移動手段は、
    前記第2加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍までの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させると共に、
    前記第3加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍からの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させることを特徴とする蒸着装置。
  5. 請求項4に記載の蒸着装置において、
    前記第2加熱手段、前記第3加熱手段は、前記ガラス基板の搬送方向と逆の方向に移動する際には、加熱を停止することを特徴とする蒸着装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蒸着装置において、
    前記保持部材の前記枠部材又は前記マスク部材に、前記ガラス基板の端部を前記蒸着源からの輻射熱に曝す開口部若しくは切欠部を設けたことを特徴とする蒸着装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源の両側端部の温度を、前記蒸着源の他の部分より高くしたことを特徴とする蒸着装置。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源の両側端部の近傍に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱する2つの第4加熱手段を設けたことを特徴とする蒸着装置。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源の両側端部における前記ガラス基板への輻射熱が発生する面積を、前記蒸着源の他の部分より大きくしたことを特徴とする蒸着装置。
  10. 請求項9に記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする蒸着装置。
  11. 請求項9に記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部の開口面積を他の部分より大きくすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする蒸着装置。
  12. 請求項9に記載の蒸着装置において、
    前記蒸着源は、該蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくしたものであることを特徴とする蒸着装置。
  13. ガラス基板の蒸着面をマスクするマスク部材を保持すると共に前記ガラス基板の周辺部を載置する枠部材を有する保持部材に、前記ガラス基板を載置し、
    前記ガラス基板が載置された前記保持部材を搬送手段により搬送し、
    前記搬送手段に搬送される前記ガラス基板の蒸着面に、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に長い開口部から、又は、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に列状に並べた複数の短い開口部から蒸着源の蒸着材料の蒸気を供給し、
    前記ガラス基板を搬送しながら、前記マスク部材を通して前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う蒸着方法において、
    前記ガラス基板を挟んだ前記蒸着源の反対側であり、前記蒸着源の両側端部に対向する位置に設けた2組の第1加熱手段を用いて、前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱することを特徴とする蒸着方法。
  14. 請求項13に記載の蒸着方法において、
    前記第1加熱手段として、複数に分割されて、分割部分が各々独立して前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に移動可能なものを用いて、
    前記第1加熱手段と前記蒸着源との間に前記ガラス基板が存在しないときには、前記蒸着源の蒸着領域から前記第1加熱手段の各分割部分を逐次退避させることを特徴とする蒸着方法。
  15. 請求項13又は請求項14に記載の蒸着方法において、
    更に、
    前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に設けた、前記ガラス基板の搬送方向の後端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第2加熱手段と、
    前記ガラス基板を挟んで前記蒸着源の反対側に設けた、前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て又は大部分又は一部分を加熱可能な長さの第3加熱手段と、
    前記ガラス基板の搬送方向の後端部を追尾して、該後端部と共に前記第2加熱手段を移動させると共に、前記ガラス基板の搬送方向の前端部を追尾して、該前端部と共に前記第3加熱手段を移動させる移動手段とを用いて、
    前記ガラス基板の蒸着面に蒸着を行う際、前記ガラス基板の蒸着面の反対側の面における前記ガラス基板の搬送方向の前端部の全て及び後端部の全てを、前記ガラス基板を搬送させながら加熱することを特徴とする蒸着方法。
  16. 請求項15に記載の蒸着方法において、
    前記第2加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍までの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させると共に、
    前記第3加熱手段を、前記第1加熱手段の近傍からの所定範囲内を往復移動させるか、又は、前記第1加熱手段の位置を中心にその前後の所定範囲内を往復移動させることを特徴とする蒸着方法。
  17. 請求項16に記載の蒸着方法において、
    前記第2加熱手段、前記第3加熱手段が前記ガラス基板の搬送方向と逆の方向に移動する際には、前記第2加熱手段、前記第3加熱手段による加熱を停止することを特徴とする蒸着方法。
  18. 請求項13乃至請求項17のいずれかに記載の蒸着方法において、
    前記保持部材の前記枠部材又は前記マスク部材に設けた開口部若しくは切欠部を用いて、前記ガラス基板の端部を前記蒸着源からの輻射熱に曝すことを特徴とする蒸着方法。
  19. 請求項13乃至請求項18のいずれかに記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部の温度を、前記蒸着源の他の部分より高くすることを特徴とする蒸着方法。
  20. 請求項13乃至請求項18のいずれかに記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部の近傍に設けた2つの第4加熱手段を用いて、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向の両側端部を加熱することを特徴とする蒸着方法。
  21. 請求項13乃至請求項18のいずれかに記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部における前記ガラス基板への輻射熱が発生する面積を、前記蒸着源の他の部分より大きくすることを特徴とする蒸着方法。
  22. 請求項21に記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする蒸着方法。
  23. 請求項21に記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部の開口面積を他の部分より大きくすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする蒸着方法。
  24. 請求項21に記載の蒸着方法において、
    前記蒸着源の両側端部における肉厚を、前記ガラス基板の搬送方向に垂直な方向に厚くすることにより輻射熱が発生する面積を大きくすることを特徴とする蒸着方法。
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