JP4575227B2 - 自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具 - Google Patents

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Description

この発明は、自動車ボディーの塗装面、特に新車のボディーの塗装面に皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液の薄膜を均一に塗布して乾燥硬化してボディーの塗装面を保護するために使用する皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液の塗布具に関する。
一般に、自動車のボディーの外表面の塗装面や、樹脂部分や、ガラス部分や、あるいは車内の塗装面、特に乗用車などの新車のボディーの塗装面は、自動車の出荷に先立ち皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を塗布、乾燥して塗装面上に薄膜を形成させて塗装面を保護するとともに美しく仕上げることにより付加価値を一層向上させることがしばしば行われている。また、このような皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を塗布していても耐久期間が経過して保護機能が失われた場合に、再びこれらのコーティング液を塗布して仕上げ直すことも行われている。そこで皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液をクロスに含浸させ、この含浸させたクロスを手のひらなどで保持して塗装面を拭くことによりコーティング液の薄膜を形成する。この場合、コーティング液がクロスから枯渇してくると、再びコーティング液をクロスに浸潤させたり、あるいは塗装面に垂らして、再びクロスで拭いてコーティング液の塗膜を塗装面上に形成していく。
ところで、実際の自動車においては曲面や凹凸の部分が多く存在する。そのためにコーティング液をこれらの塗装面に均一に十分に拡げることが困難であり、仕上げの膜厚にムラが生じ易く、また、このために修正などの余分な作業を必要とした。したがって、このような事態が生じないようにするために、コーティング液を塗装面に均一に薄く十分に拡げる必要がある。このためには皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液が湿潤状態にある間に、可能な限り短時間で塗装面に拡げなければならなかった。さらにそのための適切な塗布具を必要とした。しかし、均一な薄い膜厚からなる仕上げ面を得ることは、実際には容易なことではでなかった。このために熟練した手作業を必要とした。
一方、コーティング液を均一な膜厚の薄膜に塗布することができる塗布具として、被塗布面に線接触してコーティング液を塗布する塗布具および塗布方法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。ところで、この塗布具および塗布方法は上記のように線接触が絶対条件であり、このためには格別の柄つきの用具を必要とし、このために細かい凹凸の部分にコーティング液を塗布しにくく、広い面積の平らな部分にしか塗膜を形成することはできない問題があった。さらに、この塗布具を使用する塗布方法は、平滑な透明ガラスに対する干渉膜を生成しない塗布方法に関するものであった。
一方、ローラー体に超極細繊維で編んだ繊維からなるブラシ面構成布を貼着した塗装用ブラシが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、超極細繊維の管状布体をローラー体の表面に被覆した塗装ブラシが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、これらのものは、ローラー回転のブラッシ形状をしており、比較的高い粘度のコーティング液を塗布するもので塗膜の厚さが1μm以上の厚いものしか適用できない問題があった。
特開2003−164793号公報 実開平5−74679号公報 特開平11−19573号公報
本発明が解決しようとする課題は、自動車のボディーの塗装面を保護するために、皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を均一に塗布して薄膜を形成するための塗布具、平面状の塗装面のみならず細かい曲面にも適用可能な塗布具を提供することである。
上記の課題を解決する本発明の手段は、請求項1の発明では、自動車ボディーの塗装面にコーティング液を薄くかつ均一に塗布するための塗布具であって、この塗布具は皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸し得るクロスからなり、手で把持しうる大きさの袋体に、少なくとも一方の先端を鋭角とした形状のスポンジからなる芯体を挿着して有する自動車ボディーの塗装面にコーティング液を薄くかつ均一に塗布するための塗布具である。
請求項2の発明では、上記の請求項1の自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具であって、皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸し得るクロスの基材がポリエステルからなる袋体に少なくとも一方の先端を鋭角とした形状のスポンジからなる芯体を挿着して有する自動車ボディーの塗装面にコーティング液を薄くかつ均一に塗布するための塗布具である。
請求項3の発明では、上記の請求項1または2の手段における自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具であって、皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸し得るクロスからなる袋体は、コーティング液を含浸したクロスに490Pa(=5gf/cm2)の荷重を加えた場合の自動車塗装と同等面に対する滑走角度が水平面から35°以下であり、かつ、厚さ1mmに重層したもので面積1cm2当たりに0.01〜0.4ccのコーティング液を含浸し得るクロスから形成されている袋体を有する塗布具である。
請求項4の発明では、上記の請求項1〜3のいずれか1項の手段におけるクロスからなる袋体は、2〜4枚を重ねて複数枚としたクロスからなり、袋体の収容部分の厚さが10〜30mmで、幅が40〜100mm、長さが50〜300mmである大きさの袋体からなり、この袋体の大きさは長さ方向の先端が20〜45°の鋭角に形成されている鋭角を持つ形状のスポンジの板体からなる芯体を挿着し得る大きさであり、これらの袋体と挿着したスポンジからなる自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具である。
請求項5の発明では、上記の請求項1〜4のいずれか1項の手段における自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具において、少なくとも一方を鋭角に持つ形状のスポンジからなる芯体はスポンジが連続気泡または独立気泡から形成されていることを特徴とする塗布具である。
クロスからなる袋体の上記の条件を満たすクロスは、コーティング液の含浸性や吐出性、滑り性、耐久性などの点から基材としてポリエステル(以下「PET」という。)を主たる基材とするものが好ましく、なかでもPET100%製のものが好ましい。市販のクロスとしては、繊維径11μのPET100%の長繊維からなるニット製の布(商品名:MEワイパー)、繊維径15μのPET100%の繊維からなるニット製の布(商品名:生機品番80370)、繊維径60μmのPET繊維からなるニット製の布(商品名:クリーンニット04026w)、ポリエステル100%の不織布(商品名:GC120)からなるクロス類が例示できる。
本発明は、請求項1の発明の塗布具は、少なくとも一方を鋭角に持つ形状のスポンジからなる芯体を挿着して有するので、先端側は曲がりやすく、したがって先端側を適度の角度に曲げて塗布することで塗装面にかける力の配分が容易であり、したがって、曲線部においてもスムーズに作業することができる。さらに、この塗布後に袋体から挿着している芯体を抜き取り、袋体と芯体をそれぞれ個別に洗浄して、再び利用をすることができる。さらに請求項2の発明の塗布具の素材であるクロスの基材がポリエステルからからなるので、コーティング液の含浸性や吐出性、滑り性、耐久性などの点で極めてすぐれており、請求項3の発明の塗布具は、その袋体がコーティング液を含浸させた場合に、滑走開始角度が35°以内の角度の素材からなるものとするので、非常に滑りやすく自動車ボディーの広範囲の面積を一度含浸させた塗布具で均一に薄膜で塗布することができる。さらに請求項4の発明の塗布具は、手で把持しうる大きさであり、平らな塗装面のみならずドアノブの内側などの狭い曲面などにも手で直接把持して塗布するので効率よく作業をすることができる。
さらに請求項5の発明の塗布具は、連続気泡又は独立気泡からなるスポンジの芯体を有し、連続気泡からなるスポンジの芯体を有する場合には、スポンジの芯体にコーティング液が含浸されることとなり、塗布の途中でコーティング液が含浸している芯体から滲みだしてくるので、コーティング液が枯渇するような事態は減少されることとなる。連続気泡からなるスポンジの芯体は手に馴染みやすい利点を有する。さらにスポンジの芯体が独立気泡からなっている場合には、塗布に必要な量以上のコーティング液がポリウレタンの芯体に吸い込まれることが実質的にないので、コーティング液はクロスに含浸させているのみであり、仮に塗布する手の力を掛けすぎたとしても余分のコーティング液が芯体から出てくることが少ないので、袋体から滲みだすコーティング液は比較的に均一であり、薄く延ばして均一に塗布しやすく、さらに使用後の袋体と芯体の洗浄も容易となる。以上のように本発明は従来にない優れた効果を奏するものである。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明の塗布具17に使用する芯体1は、弾性を有する材料から形成した。すなわち、このような芯体1の弾性材料として、ポリウレタン・ポリエチレン・ゴム製のスポンジが使用可能であるが、耐久性や作業性の面で特に好ましいポリウレタンスポンジから形成した。この芯体1は60mm厚のポリウレタンスポンジを例えば190℃の温度で熱プレスして20mm厚に圧縮して形成した。例えば、この芯体1を図1により示すと、芯体1は台形からなり、その形状は長さ方向の後端が台形の下底2および上底3に垂直な面の後端4に形成されており、下底2の長さは120mm、上底3の長さは90mm、幅5は80mm、後端4の高さは厚さの20mmからなり、長さ方向の先端6は鋭角、例えば30°の鋭角に形成されている。この芯体の弾性材料は、請求項4の発明では、連続気泡からなるポリウレタンスポンジから形成し、一方では、上記の連続気泡に替えて吸液しにくい材料である独立気泡からなるポリウレタンスポンジから形成した。さらに、これらの芯体1は、皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸し得るクロスから形成した袋体16に挿着されている。皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液としては、特開2003−327908号公報、特許第3367953号、特許第3374368号、特許第3202930号の各特許公報に記載のコーティング液が例示されている。
さらに、これらのクロスとして表1に示す商品名の市販の各種の布地について、特許第3367953号の特許公報に記載の剥き塗料液からなるコーティング液を用いて作業性、塗布面の外観などにより総合評価した。その総合評価した総合評価レベルを1〜6の数字で示し、この総合評価レベル1は劣るもの、6は最も優れたものとして表1に示した。なお、表1の市販の商品名には、図2でグラフとして示す際の便宜のために、a〜wの符号を付した。また、表1の総合評価は、作業時にクロスからの抜け毛の有無、塗装面の凹凸への対応性、クロスと塗布液との相性などの作業性Aと、乾燥時の白斑の発生、塗布時の塗布液の着きすぎによる黒斑の発生などの外観B、親水性能の強弱による親水斑の有無Cと、塗布液の継ぎ足し性、上下方向・左右方向の滑走性能の有無などの作業性Dについて評価して総合評価レベルで示した。なお、表1のコメントにおける「親水斑に問題」は、親水斑の生じない場合と生じる場合があり、再現性が不安定であることを示している。しかし、この場合でも、クロスがナイロンのものは耐久性の点で優れているので、親水性に問題が多少あってもそれを補って、符号a、b、eのクロスはPETに準ずるクロスとして塗布具に十分に使用できる。
Figure 0004575227
表1において、総合評価レベル6となった市販のクロスを列挙すると、符号kの繊維径11μのPET100%の長繊維からなるニット製のクロス(商品名:MEワイパー)、符号nの繊維径15μのPET100%の繊維からなるニット製のクロス(商品名:生機品番80370)、符号qの繊維径60μmのPET繊維からなるニット製のクロス(商品名:クリーンニット04026w)、若しくは符号wのポリエステル繊維からなる不織布(商品名:GC120)などからなるクロスであった。
さらに、表1に示す商品名のクロスの、処理する塗装面に対するすべり性能を調査する滑走性能試験を実施した。この試験は、先ず、親水性ポリマーからなるコーティング液を含浸しない乾燥状態でのクロスを用意し、それぞれのクロスの上に490Paの荷重を加え、水平に配置した自動車塗装面と同等の塗装鋼板の塗装面上に載置した。次いで、この塗装鋼板の塗装面を徐々に傾斜し、荷重を加えたクロスが滑走し始める水平面からの傾斜角度を求めて滑走開始角度とした。この場合、クロスとして市販の表1に示す商品名の布地を使用した。上記試験に用いたクロスは袋体に模して合計厚みが0.5〜5.0mmになるように重ねた複数枚のクロスから形成した。次に、これらの乾燥状態時の滑走性能試験の結果を総合評価レベルとともに図2に符号で示した。
これらの総合評価レベル6のクロスからなる袋体16に、芯体1を挿着した塗布具17は、袋体16を形成する布地の厚さ1mmで面積1cm2当たり0.01〜0.4ccのコーティング液を含浸したクロスから形成した袋体16であり、この袋体16に芯体1を鋭角の先端15側から挿入したものである。図2に見られるように、表1で総合評価レベル6の上記したクロスはその滑走開始速度は水平面から35°以下であった。
この袋体16は、例えば3枚のクロスを重ねたものを、幅40〜100mm、長さ50〜300mmの大きさからなる大きさに縫製により形成した。これらの大きさは、手で握ってする作業のし易さと、コーティング液の含浸量から求めたものである。この袋体16には、長さ方向の先端15を20〜45°の鋭角に形成した少なくとも一方に鋭角を持つ形状のスポンジ、例えば、上記した図1のポリウレタンスポンジからなる芯体1を挿着した。この先端15の角度が20°未満では台形の底部の長さを大きくする必要があり、この結果、塗布具17自体が大きくなり過ぎ扱いにくくなり、45°より大きいと、塗布具17の先端部を曲げて塗布する際の曲げ具合すなわち把持する手の力の入れ具合を困難とする。この袋体16の縫製方法を図2により説明すると、先ず、例えば、上記の商品名MEの繊維径11μのPET100%の長繊維からなるニット製のクロスを、図3の(a)に示すように、長さ19.5cmで幅11cmの最大幅布地8と、長さ19.5cmで幅9.5cmの中間幅布地9と、長さ19.5cmで幅8.5cmの最少幅布地10の3枚の布地に切断する。次いでこれらの3枚の布地を重ねて、(b)に示すように、中央の重ね部の端側の本縫い11と長手方向の両端部の本縫い12とを縫製した。
この場合、ニット編み目の細かい部分を布地の表面とし、この目の細かい表面が完成した時に最外層になるように注意して配置して上記の本縫い11、12を縫製した。さらに、完成品で外側となる最大幅布地8の部分を内側になるように中央で山折りして(c)とした。さらに(c)の山折りのうち最も側辺部である最大幅布地8の編地の側辺の部分を本縫い13に縫製して袋体とした。この袋体の口の部分の周囲に縁取りして(d)に示すようにバイアステープ縁取り14を縫製により形成して口の端部をほつれなくした後、得られた袋体の表裏を返して最大幅布地8の表地が外側になるようにして本発明に使用する袋体16に完成した。この袋体16に図1の少なくとも一方に鋭角を持つ形状のスポンジからなる芯体1を挿入し、図4に示す本縫い13の部分を側部に有し、バイアステープ縁取り14を後端に有し、かつ、先端15を鋭角とする袋体16と、袋体16に挿着した芯体1からなる塗布具17とした。
ところで、ポリウレタンスポンジからなる芯体1が、請求項4の手段における連続気泡のポリウレタンスポンジからなると、塗布に用いるコーティング液は、この芯体1の中に含浸されることとなる。したがって、含浸量を1回の含浸により長時間にわたる塗布作業を行うことができる。しかし、一方で、これらのポリマーが架橋しない、できるだけ短時間のうちに、広い面積を均一な薄さに延ばして塗布する必要がある。このため、連続気泡のポリウレタンスポンジからなる芯体1を使用するに当たっては含浸量が多い場合には熟練を要することとなる。さらに、芯体1が連続気泡のポリウレタンスポンジである場合には、芯体1に含浸させたコーティング液を使い切ってしまうか、あるいは使用後に素早く芯体1を洗浄して残ったコーティング液を除かなければ、残ったコーティング液が芯体1中で架橋して硬化してしまうこととなり、二度とこのスポンジの芯体1は使用できないこととなる。
そこで、このようなことが生じないようにするため、コーティング液を塗布具17に含浸させるときは、予め、クロスの厚さ1mmで面積1cm2当たりコーティング液0.01〜0.4ccが含浸される量のコーティング液を量り取り、これを平底容器に移してから、塗布具17の塗布面に含浸させるか、あるいは直接袋体16の布地の塗布面に振りかけることにより芯体1の部分への含浸が殆どない状態で塗布ができた。所定面積を塗布した後、さらに同様の方法でコーティング液を補充することで、次の部分の塗布を行った。この結果、約0.1μmの厚さの塗布層を均一に広範な部位に形成することができた。この時、クロスの厚さ1mmで面積1cm2当たりに含浸させるコーティング液の量が0.01ccよりも少ない場合、液量不十分により塗布面に対して十分な皮膜が形成されず性能に斑が生じ、またクロスの厚さ1mmで面積1cm2当たりに含浸させるコーティング液の量が0.4ccを超える場合には、液量のつき過ぎにより塗布斑などの問題を引き起こした。
本発明の塗布具17の使用状態を図5により説明する。コーティング液をクロスの袋体1に浸漬した塗布具17を先端15の鋭角の部分を、処理する自動車ボディーの塗装面18の側として載置し、この載置した塗布具17を図示しない手で把持して芯体1の後端4の側を持ち上げ、先端15の側を自動車ボディーの塗装面18に押しつけて適宜曲状にしながら速やかに移動して塗布する。この場合、上記のように塗布具17を適宜曲状にすることで、自動車ボディーの塗装面18への塗布圧力を調節するものとした。
このようにクロスの袋体16のみにコーティング液を含浸したことで、手で塗布具17を把持して塗布する際に、塗布具17に加える把持した手の圧力が多少変動したとしても、余分なコーティング液が芯体1から滲みだすようなことがなかった。このために自動車ボディーの塗装面18にコーティング液をムラなく均一に薄く塗布することが容易に実施できた。この場合、袋体16に含浸した1回分のコーティング液を塗布するのみであるので、コーティング液を短時間内で十分に伸展でき、塗布した部分に伸展しきれずにムラを生じて残ることがなかった。この場合、袋体16に含浸させたコーティング液を使用し尽くすと、使いきった袋体16に再びコーティング液を含浸させるか、あるいは自動車ボディーの塗装面18にコーティング液を垂らして引き続いて残余の自動車ボディーの塗装面18を塗布具17により塗布することができた。
一方、これらの芯体1として、上記の連続気泡のポリウレタンスポンジに替えて、吸液性を有しにくい独立気泡のポリウレタンスポンジから形成し、塗布するコーティング液をポリウレタンスポンジに吸収し難いものとした。このようにコーティング液を吸収し難い独立気泡のポリウレタンスポンジから芯体1を形成したことにより、自動車ボディーの塗装面18にコーティング液を塗布する際に、コーティング液が芯体1に含浸されることが無いので、芯体1の外周を被覆する袋体16のクロスにのみにコーティング液を含浸させることができ、手で把持して塗布する際にコーティング液が出すぎて塗りムラを生じるようなことがなかった。
なお、上記のように3枚のクロス地を重ねて合計厚み0.5〜5.0mmの袋体16とすることなく、袋体16を同一基材で厚みが0.2mmのウエス1枚のみを袋体16に形成したものでは、袋体16へのコーティング液の含浸量は十分でなく、塗布面積が狭くなり、何度もコーティング液の継ぎ足しが必要であった。このため均一に塗布できなく、塗りムラが生じた。また、合計厚みが5mm以上になるようにクロス地を単独または重ねて袋体16にすると含浸されるコーティング液の量が多くなり過ぎ、使用量のロスを多くすることや、凹凸の部分に対応しきれなくなるなどの問題が生じた。これらの実験により、本発明では合計厚みが0.5〜5mmとなるように単独または複数枚の市販のクロス地の繊維径11μのPET100%の長繊維からなるニット製のクロス(商品名:MEワイパー)、繊維径15μのPET100%の繊維からなるニット製のクロス(商品名:生機品番80370)、繊維径60μmのPET繊維からなるニット製のクロス(商品名:クリーンニット04026w)、若しくはポリエステル繊維からなる不織布(商品名:GC120)などからなるクロスを重ねて形成した袋体16が、それぞれ請求項2に記載の条件を満足し得るものであった。
本発明の塗布具に挿着する芯体の外観例を示す斜視図である。 クロスの乾燥状態時の滑走性能を示すグラフである。 本発明の塗布具の袋体の製造工程を示す図である。 本発明の塗布具の1実施の形態の斜視図である。 本発明の塗布具の使用状態を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1 芯体
2 下底
3 上底
4 後端
5 幅
6 先端
7 鋭角
8 最大幅布地
9 中間幅布地
10 最少幅布地
11 本縫い
12 本縫い
13 本縫い
14 バイアステープ縁取り
15 先端
16 袋体
17 塗布具
18 自動車ボディーの塗装面

Claims (5)

  1. 皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸し得るクロスからなり手で把持しうる大きさの袋体に少なくとも一方の先端を鋭角とした形状のスポンジからなる芯体を挿着して有することを特徴とする自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具。
  2. 皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸しうるクロスの基材がポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具。
  3. 皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸しうるクロスからなる袋体は、皮膜形成性物質とそれを溶解または分散しうる揮発性溶媒を主成分とするコーティング液を含浸したクロスに490Paの荷重を加えた場合の滑走角度が水平面から35°以下で、かつ、厚さ1mmで面積1cm2当たり0.01〜0.4ccのコーティング液を含浸し得るクロスから形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具。
  4. クロスからなる袋体は、単独又は複数枚のクロスを重ね合わせた合計厚みが0.5〜5.0mmのクロスから形成の、厚さ10〜30mmで、幅40〜100mm、長さ50〜300mmの大きさの袋体からなり、長さ方向の少なくとも一方の先端が20〜45°の鋭角に形成されているスポンジからなる芯体を挿着し得る大きさであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具。
  5. 少なくとも一方の先端を鋭角とした形状のスポンジからなる芯体は、スポンジが連続気泡または独立気泡から形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車ボディーの塗装面にコーティング液を均一に塗布するための塗布具。
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