JP4574781B2 - 磁気共鳴装置及び温熱治療装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍等の温熱治療を行う際の加温領域の監視を行うために、磁気共鳴現象を利用して被検体内部の温度変化を取得し、これを表示する磁気共鳴装置及び温熱治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
患者のquality of life(QOL)を向上させるために、低侵襲な治療手技が求められている。近年、前立腺肥大症や癌等の治療に、レーザーや集束超音波を用いて、体内の腫瘍を熱変性壊死させる温熱療法が臨床的あるいは研究的に行われている。これらの方法による治療を効果的に行うためには、加熱温度及び時間の最適化が重要で、このため加温領域の温度変化を計測するために種々の温度計測法が試みられている。
【0003】
その一つに、磁気共鳴信号の緩和時間が温度依存性を有する性質を利用して、縦緩和時間強調画像として収集された画像強度の変化から温度変化を推定する方法が試みられている(H.E.Cline.et.al.Magn.Reson.Med.31,628−636(1994)参照)。しかし、縦緩和時間の温度依存性は、組織によって大きく異なるため、正確な温度変化を算出することができない問題点が指摘されている。
【0004】
一方、磁気共鳴信号の化学シフトの温度依存性を利用して高速且つ高精度に温度変化を画像化する方法が提案されている(Y.Ishihara.et.al.Magn.Reson.Med.34,814−823(1995)参照)。この方法では、化学シフトの温度依存性が組織によってほぼ一定である性質を利用しているため、組織の違いによる温度計測誤差を抑制できる可能性がある反面、被検体の動きによって計測誤差が生じやすい問題点があった。
【0005】
このように、組織加温による治療効果を向上させるには、加温期間中の温度変化を監視することが重要となるが、数分〜数十分の治療期間中に被検体内部の温度を非侵襲、かつ、高精度に計測する有効な方法が無かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、温熱治療法における加温期間中の被検体内部の温度を高精度に計測することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のある局面に係る磁気共鳴装置は、一様な静磁場中に配置された被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、前記緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段であって、前記温度依存性と前記化学シフト情報との相関係数を算出し、前記相関係数が所定の閾値を超過するか否かを判定する手段とを具備したことを特徴とする。
(2)本発明の他の局面に係る磁気共鳴装置は、一様な静磁場中に配置された被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、前記被検体内の複数の領域に対する緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から個別に校正する手段とを具備したことを特徴とする。
(3)本発明の他の局面に係る磁気共鳴装置は、一様な静磁場中に配置され被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、前記緩和時間の温度依存性を、前記被検体の加温中において、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段とを具備したことを特徴とする。
(4)本発明のある局面に係る温熱治療装置は、被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、前記緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段であって、前記温度依存性と前記化学シフト情報との相関係数を算出し、前記相関係数が所定の閾値を超過するか否かを判定する校正手段とを具備したことを特徴とする。
(5)本発明の他の局面に係る温熱治療装置は、被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、前記被検体内の複数の領域に対する緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から個別に校正する校正手段とを具備したことを特徴とする。
(6)本発明の他の局面に係る温熱治療装置は、被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、前記緩和時間の温度依存性を、前記加温中において、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する校正手段とを具備したことを特徴とする温熱治療装置。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による温熱療法装置及び磁気共鳴装置を好ましい実施形態により詳細に説明する。
図1は、本実施形態による温熱療法装置の構成をブロック図により示している。静磁場磁石1は、撮影領域内に静磁場を発生する。静磁場磁石1の内側には、シムコイル2、傾斜磁場コイル3、高周波プローブ4が配置されている。シムコイル2は、シムコイル電源5により駆動され、静磁場の不均一性を補正するための磁場を発生する。なお、ここでは便宜上、静磁場の方向に一致する座標軸をz軸と定義する。
【0016】
傾斜磁場コイル3は、傾斜磁場電源6により駆動され、静磁場と直交する3軸(x,y,z)の線形傾斜磁場を発生する。この傾斜磁場コイル3の内側に設けられた高周波プローブ4は、高周波コイルと、この高周波コイルの共振周波数を同調するためのチューニング・マッチング部分とからなり、対象核種、ここではプロトンの共鳴周波数で同調を取ることができるようになっている。この高周波プローブ4は、デュプレクサによって送信時には送信部7に接続され、受信時には受信部8に接続される。
【0017】
送信部7は、高周波の電流パルスを高周波プローブ4に供給する。これにより高周波プローブ4の高周波コイルから対象核種の共鳴周波数に応じた周波数の高周波磁場(回転磁場)が発生する。受信部8は、被検体のプロトンスピンから生じる磁気共鳴信号を高周波プローブ4の高周波コイルを介して受信し、これを増幅し、検波する。なお、高周波プローブ4は、図1では送受信兼用であるが、送信専用プローブと、受信専用プローブに分離しても良い。
【0018】
データ収集部9は、受信部8で受信された磁気共鳴信号をディジタル信号に変換し、一時記憶し、収集単位毎、あるいは、一度にまとめて計算機システム10に転送する。
【0019】
計算機システム10は、システム全体の制御中枢機能の他に、磁気共鳴信号に基づいて被検体内のMR画像を生成する機能と、磁気共鳴信号に基づいて計測された緩和時間の温度依存性を、化学シフトの温度依存性から校正する機能と、温度変化を算出する機能と、算出結果から表示データを生成し、ディスプレイ14に出力する機能とを備えている。
【0020】
シーケンス制御部12は、データ収集を行うためのパルスシーケンスを実行するために、シムコイル電源5、傾斜磁場コイル電源6、送信部7、受信部8、および、データ収集部9を制御する。また、シーケンス制御部12は、計算機システム10によって制御される。また、計算機システム10はコンソール11から入力されたユーザ指令に従って制御動作を行う。
【0021】
加温装置13は、レーザ発生器や超音波発生器等の患者内部に外部からエネルギーを供給する手段を備えている。加温装置13による加温動作は、シーケンス制御部12によって磁気共鳴信号を発生させるための高周波磁場及び傾斜磁場の発生動作と関連付けて一元的に制御される。
【0022】
図2は、本実施形態による緩和時間の温度依存性を化学シフトの温度依存性から校正する動作の手順を示している。先ず手順(O)によって、校正を行うための温度変化を与える必要があるが、この与え方に関しては後述する。
【0023】
手順(a)で加温装置13による被検体内部の加温が開始され、これと同期して、手順(b)で、高周波磁場および傾斜磁場を所定のパルスシーケンスに従って印加すると共に、それにより被検体から発生する磁気共鳴信号が収集され、この磁気共鳴信号に基づいて、与えられた温度変化に対して緩和時間の温度依存性を計測するための緩和時間強調画像データが生成される。ここでは、縦緩和時間T1 の温度依存性を計測する例を示すが、横緩和時間による温度計測法も原理的には同様の手順によって行うことが可能である。
【0024】
1 は、次式で表される温度依存性を示す。
【0025】
【数1】
Figure 0004574781
【0026】
ここで、ω0 は磁化の回転角周波数、ηは粘性係数、τc は分子運動速度をプロトンの位置の相関係数で表した時定数である。
【0027】
このようなT1 温度依存性を計測するには、図3に示したように、フリップ角θの飽和パルス、又は180゜の反転パルスの印加からデータ収集の中心までの時間TIを異ならせたパルスシーケンスを複数回実行する方法(飽和回復法、反転回復法)が典型的に挙げられるが、これらの方法では、長時間の計測を要する。
【0028】
そこで、図4に示したフィールドエコー(Field echo)タイプのパルスシーケンスでT1 強調画像を取得する。すると、計測される信号強度は、1次近似式として次式で表される。
【0029】
【数2】
Figure 0004574781
【0030】
ここでαは、T1 の温度依存性を示す。
【0031】
したがって、このようなパルスシーケンスを用いて取得された画像は、温度変化に概ね比例した画像強度の変化を呈することから、温度変化が与えられていない場合の初期データ(手順(o)にて収集)を基準とした画像強度変化率Sを手順(c)にて次の(3)式に従って算出する。
【0032】
【数3】
Figure 0004574781
【0033】
しかし、(1)式からもわかるように、T1 の温度依存性には、大きな組織依存性があるため、(3)式によって算出された画像強度の温度依存性(以下、温度感受性と記す)にも大きな組織依存性を有する。また、図4に示されたパルスシーケンスで得られた画像強度には、T1 の影響の他、ρ(水の密度)、T2 (横緩和時間)、D(自己拡散係数)の影響が反映されるため、T1 強調画像の温度感受性はパルスシーケンスのパラメータ(繰り返し時間TR/エコー時間TE/フリップ角)によって大きく異なることが予想される。
【0034】
この影響を抑制するには、使用するパルスシーケンス毎に各組織のT1 温度依存性を予め予測し、T1 強調画像の温度感受性を算出しておく必要がある。しかし、被検体内部組織のT1 温度依存性を被検体毎、治療対象組織毎に計測するには、温度プローブを被検体内部に刺入して校正する必要があり、また、温度依存性を計測するのに要する時間が長くなるため、このような手順で温度感受性を校正することは困難である。
【0035】
このため、水プロトンの化学シフトの温度依存性を利用した温度計測法からT1 強調画像強度変化率の温度感受性を校正する。
水プロトン化学シフトは、組織によらずほぼ一定の温度依存性−0.01ppm/゜Cであることが実験的に報告されており、図4に示されたフィールドエコーパルスシーケンスを利用して、温度変化に伴う位相変化を計測することで高速、かつ、高精度に温度変化を計測できる。ただし、この方法は縦緩和T1 を用いた温度計測法に比べて被検体の動きに敏感である問題点がある。以下、フィールドエコーパルスシーケンスによって位相画像から温度変化を計測できる原理を説明する。
【0036】
ある時刻に計測された位相画像θbeforeと、それ以降に計測されたθafter との差から、次式に従って両時刻で生じた温度変化の分布ΔTを算出できる。
【0037】
【数4】
Figure 0004574781
【0038】
このように、化学シフトの温度依存性は組織に依らないことから、手順(d)(手順(o))によって収集された位相画像から、(4)式に従って手順(e)にて温度変化の分布(単位[゜C])を得ることができる。
【0039】
手順(f)で、この温度変化の分布と、手順(c)で得られたT1 強調画像の画像変化率分布(単位[%])とから、計測に用いたパルスシーケンスパラメータ(TR/TE/フリップ角)で得られるT1 強調画像の温度感受性β(単位[%/゜C])が算出できる。
【0040】
1 強調画像の温度感受性を算出する際に、図4に示したパルスシーケンスで同一パラメータ(TR/TE/フリップ角)を用いれば、T1 強調画像と化学シフトの温度依存性を反映した位相画像を同時刻に温度感受性データを取得できるため、温度感受性の校正精度が向上する。しかし、T1 強調を増強するためにTEを短くする場合には、温度変化に伴う位相変化が小さくなるため、両画像の収集パラメータを別個に設定することが望ましい。例えば、短いTE(<10ms)を用いてT1 強調画像を取得し、比較的長いTE(〜数10ms)を用いて位相画像(化学シフトによる温度依存性を反映)を取得する。しかし、この場合には、T1 強調画像の取得時刻と、位相画像の取得時刻が異なるため、両データの収集間隔に温度変化が生じる場合には、算出された温度感受性に誤差が含まれる可能性がある。このような場合には後述するように、校正を行うための温度変化の与え方に注意を要する。また、T1 強調画像を取得するためにフィールドエコータイプ以外のパルスシーケンスを用いた場合にも、T1 強調画像の収集時刻と、位相画像の収集時刻とが異なるため、校正を行うための温度変化の与え方に注意を要する。
【0041】
手順(f)で、T1 強調画像の温度感受性を算出するには、以下の場合が考えられる。
(1)(画像上の)組織性状が同一であると予想される場合
画像上の全データを利用することがデータの確度を向上させるために理想的であるが、校正用として与えられる温度変化は比較的小さく、かつ、限局した領域となることが予想されるため、図5(a)、図5(b)に示すように、加温中心(レーザの場合はレーザプローブ近傍)の温度変化が生じる領域のみを有効なデータ処理範囲として画像上から指定し、その領域内のデータを利用して温度感受性βを算出することが実用的である。このようにして算出された温度感受性βを、実際の温度変化算出の際に画像データの各点に適用することで、温熱治療中の温度変化を画像化できる。
【0042】
(2)(画像上の)組織性状が異なると予想される場合
温熱治療を行う場合には、同一臓器内でも正常組織、腫瘍組織で画像強度変化率の温度感受性が異なる可能性がある。したがって、画像上の各点の温度感受性を画素毎、あるいは、組織性状が同じと思われる領域毎に算出することが望ましい。領域の指定を行う場合には、画像上から設定できることが望ましく、温熱治療中に取得される温度変化率画像には、これら各領域に応じた温度感受性を適用することで温度変化画像を正確に算出可能となる。
【0043】
このようなT1 強調画像の温度感受性を、化学シフトによる温度依存性から校正するために、温熱治療に先だって温度変化を与える必要がある。温度変化を与えるには、治療に用いる加熱装置13を、治療部位に設定して行うことが最も望ましい。この際、校正時間を短くするために、短時間に大きな温度変化を与えることが有効であるが、温度組織に加温ダメージを与えないように、治療に用いるパワーに比べて小さなパワーとし、温度変化を概ね5゜C以内に抑える必要がある。
【0044】
加温装置13を用いて温度変化を与えるタイミングを図6、図7、図8に示す。原理的には、図6(a)に示すように、加温装置13を駆動する前にT1 強調画像と、位相画像を収集し、手順(o)〜手順(f)で温度感受性を算出することができる。ここで、図6(a)は、T1 強調画像を収集するパルスシーケンスと、化学シフトの温度依存性を反映した位相画像データを収集するパルスシーケンスとが同一のパルスシーケンスパラメータを使用する場合のタイミングを示しているが、パラメータが異なる図6(c)のような場合には、温度変化の時間変化をT1 強調画像のデータ収集時刻と、位相画像データの収集時刻との間隔に比べて小さくする必要がある。
【0045】
このようにして得られたT1 強調画像の画像強度変化率と、位相画像から算出された温度分布との相関係数を算出し、相関係数が予め設定された値Rt よりも小さい場合には、図6(b)に示すように、計測点数を増加させる。あるいは、温度変化の大きさを大きくする(加温パワーを増加させる、計測時間を伸張する)ことによって相関係数がRt より大きくなることを手順(g)、手順(h)、手順(i)にて確認する。
【0046】
また、温度感受性を算出するタイミングとして、図7(a)のように加温した後の冷却過程時にデータ収集を行うことも考えられる。また、初期データも加温中に計測する(図7(b)、図7(c))ことも考えられるが、温度変化が急激な場合で、かつ、計測時間がこの変化に比べて長い場合には、正確な温度感受性を得ることができないことも考えられるので、加温パワー、計測時間を調整する必要がある。
【0047】
さらに、与える温度変化によって、組織に加温ダメージを与えないことを確認する目的から、図8に示すように、位相画像を連続的に収集し、その期間に適宜T1 強調画像を取得するタイミングも考えられる。
【0048】
一方、温度感受性の校正を正確に行うためにはT1 強調画像で取得する画像サイズ(面内分解能、スライス厚)を位相画像と同一にすることが望まれる。このようにすることで、温度感受性を校正する際に、ボクセル内の加温分布が生じた場合でも、両パルスシーケンスの画像サイズが同一であれば温度感受性の推定誤差を抑制できるためである。
【0049】
以上の手順によって得られたT1 強調画像の温度感受性によって、温熱治療中に得られるT1 強調画像から温度変化を正確に算出でき、手順(j)にて実際の温熱治療が行われる。
【0050】
この際、組織の変性等によってT1 強調画像の温度感受性が変化してしまう可能性があるが、この場合には、図2の手順(k)を経て位相画像を適宜取得し、温度感受性を算出し直し、温度感受性を時間的に更新することが有効となる。
【0051】
以上のように本実施形態によれば、水プロトン化学シフトの温度依存性を用いて温度変化に伴うT1 強調画像の画像強度変化率を校正することで、温熱治療中における温度変化を正確に検出することができ、腫瘍等の治療を効果的に行うことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、種々変形して実施可能である。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、緩和時間の温度依存性を組織毎に校正できるため、温度変化を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る温熱治療装置の構成を示す図。
【図2】本実施形態において、温熱治療の手順を示す図。
【図3】本実施形態において、T1 の温度依存性を計測するためのパルスシーケンスの一例を示す図。
【図4】本実施形態において、T1 強調画像の画像強度変化率の温度感受性を校正するために用いられるパルスシーケンスの一例を示す図。
【図5】本実施形態において、温度校正を行うために使用するデータ領域を示す図。
【図6】本実施形態において、温度校正を行うための温度変化の与え方を示す図。
【図7】本実施形態において、温度校正を行うための温度変化の他の与え方を示す図。
【図8】本実施形態において、温度校正を行うための温度変化のさらに他の与え方を示す図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石、
2…シムコイル、
3…傾斜磁場コイル、
4…高周波プローブ(RFコイル)、
5…傾斜磁場コイル電源、
6…シムコイル電源、
7…送信部、
8…受信部、
9…データ収集部、
10…計算機システム、
11…コンソール、
12…シーケンス制御部、
13…加温装置、
14…ディスプレイ。

Claims (10)

  1. 一様な静磁場中に配置された被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、
    前記緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段であって、前記温度依存性と前記化学シフト情報との相関係数を算出し、前記相関係数が所定の閾値を超過するか否かを判定する手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴装置。
  2. 一様な静磁場中に配置された被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、
    前記被検体内の複数の領域に対する緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から個別に校正する手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴装置。
  3. 一様な静磁場中に配置された被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴装置において、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて前記被検体内の温度変化を計測する手段と、
    前記緩和時間の温度依存性を、前記被検体の加温中において、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴装置。
  4. 被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、
    一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、
    前記緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する手段であって、前記温度依存性と前記化学シフト情報との相関係数を算出し、前記相関係数が所定の閾値を超過するか否かを判定する校正手段とを具備したことを特徴とする温熱治療装置。
  5. 被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、
    一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、
    前記被検体内の複数の領域に対する緩和時間の温度依存性を、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から個別に校正する校正手段とを具備したことを特徴とする温熱治療装置。
  6. 被検体の内部に外部からエネルギーを供給することにより前記被検体の内部を加温する加温手段と、
    一様な静磁場中に配置された前記被検体に、高周波磁場および傾斜磁場を所定の手順に従って印加すると共に、それにより前記被検体から発生する磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴手段と、
    前記磁気共鳴信号に含まれる緩和時間に関する情報に基づいて、前記加温された被検体の内部の温度変化を計測する手段と、
    前記緩和時間の温度依存性を、前記加温中において、前記磁気共鳴信号に含まれる化学シフト情報から校正する校正手段とを具備したことを特徴とする温熱治療装置。
  7. 前記緩和時間の温度依存性の校正は、前記温度変化の計測開始前に行われることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴装置あるいは請求項4又は5記載の温熱治療装置。
  8. 前記加温手段による加温動作と関連をもって前記磁気共鳴手段による高周波磁場および傾斜磁場の印加が行われるように、前記加温手段と前記磁気共鳴手段とを統括的に制御する制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4、5、又は6記載の温熱治療装置。
  9. 前記相関係数が閾値を超過していないとき、前記加手段を制御して前記温度変化を加速させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の温熱治療装置。
  10. 前記加温手段は超音波発生器であることを特徴とする請求項4、5、又は6記載の温熱治療装置。
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