JP4574737B1 - 代替エンドタブ工法の技能評価用試験片、および技能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
溶接の欠陥が生じやすい部分、強度が要求される部分を、安価かつ効率的に検査することができる、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片を提供する。
【解決手段】技能評価用試験片(1)を、第1、2の鋼板(2、3)から構成し、裏当て金(8)によってこれらを接続する。溶接用溝(9)と垂直な端面、すなわち第1の側部端面(11)に、2対の段差(14a〜14d)を設け、溶接用溝(9)の近傍(16、16)が周囲(15a、15b)よりも外方に突出するようにする。これによって、第1、2の基準面(15a、15b)を形成する。第2の側部端面(12)も同様に2対の段差(20a〜20d)を設け、第3、4の基準面(19a、19b)を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接の開始端と終了端のそれぞれにセラミックス製の代替エンドタブを当接させて溶接する、いわゆる代替エンドタブ工法に関して、その溶接の技能を評価するための試験片、および技能の評価方法に関するものである。
橋梁、ビル等の強度が要求される建設物には、鋼材からなる構造が用いられており、このような構造物を鋼構造物と呼ぶ。鋼構造物は複数の鋼材から構成され、鋼材は互いに溶接によって接続されている。溶接される鋼材は母材と呼ばれ、例えば2枚の鋼板からなる母材を溶接によって接合するとき、それぞれの母材の溶接面を所定の間隔を空けて突き合わせる。この突き合わされた一対の溶接面から溶接用溝が形成されるが、溶接面は必要に応じて予め斜めに削り取られており、溶接に適した所望の開先が形成されている。2枚の母材の背面に裏当て金を当て、母材に融着する。溶接時に溶接用溝から溶接金属が垂れないようにするためである。次いで、溶接用溝を延長するように母材の側部の端面に鋼材からなる補助板、すなわちエンドタブを融着する。いわゆるアーク溶接によって、溶接用溝に溶接用金属を流し込み、母材と溶接用金属が一体になるようにする。エンドタブは、溶接後そのまま放置することもできるが、この部分が母材から突出した部分になってしまって応力集中し易くなるので通常は切断する。溶接時にこのようなエンドタブを設ける目的には、溶接金属の垂れを防止することが挙げられる。そして、溶接欠陥の生じやすい溶接開始位置や終了位置を延長して母材の溶接部分に溶接欠陥が生じ難いようにする目的もある。このようにエンドタブを用いて溶接する工法はエンドタブ工法と呼ばれている。
エンドタブ工法は、板厚が厚い鋼板の溶接であっても適切に溶接できるので優れてはいる。しかしながら、溶接前にエンドタブを格別に融着したり、溶接後にエンドタブを切断しなければならないので労力を要してしまう。このような融着や切断をする必要がないセラミックス製等のエンドタブ、すなわち代替エンドタブも周知である。代替エンドタブを使用して溶接する工法は代替エンドタブ工法と呼ばれ、次のように実施する。エンドタブ工法と同様に、2枚の母材をその溶接面において所定の間隔を空けて突き合わせ、裏当て金を取り付ける。溶接用溝の両端部を代替エンドタブで塞ぐ。換言すると、2枚の母材の側方の両端部に一対の代替エンドタブを当接させ、2枚の母材の境目を塞ぐ。この状態で、クランプ用の針金等で代替エンドタブをしっかりと固定する。アーク溶接する。溶接後、代替エンドタブを軽く叩くと、代替エンドタブは取り外すことができる。代替エンドタブ工法は、必要な工程が少ないので効率が高く、広く普及している。
溶接には高い技能が要求される。鋼構造物の施工にあたっては、作業者には所定の技能を備えていることが要求されているので、適宜色々な検定が実施されている。具体的に検定名は挙げないが、非常に高度な技能の有無を検査する高度な検定もある。このような高度な検定は、例えば、鋼板の板厚が40mmを超えるような大型鋼材の溶接が必要になる大規模工事にも適用できるものであり、検定において板厚の厚い試験片が使用されている。受験者は、この試験片を溶接する。その後、試験片を短冊状に切断して色々な方向から曲げ試験を実施する。このようにして、溶接の欠陥の有無が厳密に試験される。非常に高度な技能が要求されている大規模工事に対しても、必要な技能を備えているかどうかを評価するためである。しかしながら、このような検定には検査に要する費用が嵩む。また、一般的な鋼構造物の場合には母材の板厚は6mm、9mm、10〜40mmのように薄い鋼材であり、ある程度の技能を有していれば比較的容易に溶接できる。従って、このように非常に高度な技能の有無を検定する難易度の高い検定は、一般的な鋼構造物を建造する作業者にとっては、必ずしも必須のものではない。しかしながら、このような作業者に対しても、必要な技能を備えているか否かを客観的に評価する必要性はある。検定をより簡易なものにすれば技能を評価する機会も増え、そうすると検定が広く普及して、一般的な鋼構造物の信頼性に寄与することになる。
このような検定として、例えばAW検定が周知である。AW検定には色々な種類があり、代替エンドタブ工法の検定には、板厚が19mmの試験片が用いられている。図4には、上面から見た試験片50が示されている。試験片は2枚の鋼板51、52から構成され、鋼板51、52は、それぞれ互いの溶接面53、54が所定の間隔を空けて対向している。この対向している部分の裏側には、図4には示されていないが、裏当て金が設けられている。これらの溶接面53、54と裏当て金とから溶接用溝55が形成されている。このような試験片50に代替エンドタブ57、58を固定する。次いでアーク溶接を実施して、溶接用溝に溶接金属を流し込む。
溶接の良否は次のようにして検査される。まず、代替エンドタブ57、58が取り外され、その部分が目視で確認される。次いで、全範囲60に渡って溶接部分が目視で検査されると共に、X線にて溶接部分の内部の欠陥の有無が調べられる。その後試験片50は、側方の端面から40mm内側の部分において切断される。さらに、端部から0.3mm内側の部分において切断される。図4にはこのようにして切断される切断面61、62、および切断面66、67が示されている。これらの切断面61、62、66、67は鏡面仕上げされ、必要に応じて溶接金属部分が薬品で処理される。これらの切断面61、62、66、67の溶接部分が母材と一体化されているか否か、溶接欠陥があるか否が目視で検査される。すなわちマクロ検査される。なお、裏当て金も削除され、その切削徐面もマクロ検査される。
特開平6−265529号公報
検定とは直接関係はないが、特許文献1に記載されているように、超音波を使って溶接の欠陥の有無を調べる検査方法が周知である。この検査方法においては、超音波ビームを所定の角度で鋼板から入射させ、超音波ビームを溶接部分に当てる。そして、反射波を検出して溶接の欠陥の有無を調査する。例えば、溶接部分に空隙等があれば超音波はその部分で反射されて空隙が検出されることになる。超音波による溶接の検査方法は、試験片を切断したり破壊する必要がないので、検査を容易に実施することができ優れている。
AW検定で使用されるような試験片50を使用すれば、溶接の技能を詳しく評価することはできる。そして、他の非常に高度な検定に比べると溶接の技能を比較的容易に評価することはできる。しかしながら問題点も見受けられる。具体的には、溶接の欠陥が生じ易い部分を検査するには、必ずしも適した形状をしていないという問題がある。溶接の欠陥は、溶接の開始位置と終了位置で発生し易い。つまり、代替エンドタブ57、58の近傍で発生し易い。図4において、符号64で示されている部分である。AW検定においては、この部分64を検査するために、切断面66、67において試験片50を切断するようにしているが、試験片50によっては、正確な寸法で切断するのが難しい。つまり、切断面66、67で切断するには、端面から0.3mmを正確に測って切削するか、先に端面から40mm内側の切断面61、62を切断してこれらを基準面として39.97mmのところで切断するしかない。そうすると、試験片50自体に、基準面が格別に設けられていないので端部から正確に0.3mmの厚さでスライスすることが難しい。また、端面に平行に切断することができるかどうかも保障できない。さらには、切断面66、67は、試験片50の長手方向の全長に渡っているので、溶接部分だけを鏡面仕上げしようとすると、その部分が凹面になってしまい、研磨するのが難しいという問題もある。以上の観点から、試験片50は、端面近傍の符号64の部分を検査するのに、必ずしも適した形状であるとは言えない。
検定に要する費用の問題もある。費用に関しては検査自体の費用と、検定に付随する手続、運営関連等の費用がある。前者の費用としては、例えばAW検定においては試験片50を所定の断面で切断しなければならないので、費用がかかってしまう点が挙げられる。また、X線による検査よりも超音波による検査の方が安価であるので、超音波による調査を組み合わせるような工夫も欲しいし、超音波による検査の方が、端部の溶け込み不良等の面状欠陥をより詳細に検査できる利点もある。後者の費用を説明すると、従来の検定においては、試験の公明性を確保するために試験会場が指定され、受験生は一斉に試験されている。そうすると試験会場を格別に提供しなければならないので運営費が嵩んでしまうし、受験者は交通費が嵩んでしまう。仮に、試験会場を用意しない方法を採ることを考えると、検定に付随する運営関連の費用は節約できる。具体的には、各受験者に試験片を発送し、受験者が溶接を実施した後、試験片を返送してもらい検定する方法である。この方法を採る場合、返送された試験片を試験したときに、試験の結果が証拠として確実に残ることが要求される。具体的には、例えば試験片を切断して検査する場合、規定された正確な寸法で切断されたことが切断後の試験片に証拠として残ることが要求される。検定の公明性、あるいは客観性を担保するためである。しかしながら、前記した試験片50においては、切断された後の断片には、そのような証拠は残らない。試験片50には、刻印K’、K’が施されているが、切断面61、62、66、67で切断されると、刻印K’、K’が施された試験片には、端面から正確に0.3mmにおいて切削されたのか否かが判断出来ないからである。そうすると、試験会場を格別に用意しないで検定を実施したり、第三者機関のメンバーによる監視無しには検定を実施することはできず、検定の費用が嵩んでしまう。
本発明は、上記したような従来の問題を解決した、代替エンドタブ工法の技能を評価する試験片、および技能を評価する方法を提供することを目的としている。具体的には、溶接の欠陥が生じやすい部分を効率的に検査することができ、試験された結果が試験片に証拠として残り、従って、安価かつ客観的に技能を評価することができる、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片、および技能評価方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、試験片を、裏当て金によって接続されている一対の鋼板から構成する。そして、一対の鋼板は、それぞれの溶接面が対向するように隙間を空けて配置され、それによって溶接により埋められる溶接用溝を形成する。試験片の端面であって、この溶接用溝に対して垂直な端面には、少なくとも一対の段差を形成する。これによって溶接用溝の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出することになる。このような段差は、0.3〜1.5mmに形成する。
かくして、請求項1に記載の発明は、裏当て金によって接続されている一対の鋼板から構成され、前記一対の鋼板は、それぞれの溶接面が対向するように隙間を空けて配置され、それによって溶接により埋められる溶接用溝が形成されていると共に、前記溶接用溝に対して垂直な端面には、少なくとも一対の段差が形成され、それによって前記溶接用溝の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出するように構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の試験片において、前記溶接用溝に対して垂直な両端面に、それぞれ少なくとも一対の段差が設けられ、それによって前記溶接用溝の両端面の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出するように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の試験片において、前記一対の鋼板の一方の鋼板は、他方の鋼板より板厚が厚く、他方の鋼板は前記溶接面が斜めにカットされ、これらによって、前記溶接用溝には断面形状がレ字形の開先が形成されるように構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の試験片において、前記段差は0.3〜1.5mmに形成されるように構成される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の試験片によって、代替エンドタブ工法の技能を評価する方法であって、前記試験片の溶接用溝の両端面に一対のセラミックス製の代替エンドタブを当接して前記溶接用溝に溶接し、そして前記代替エンドタブを取り外した後、前記試験片の端面を、前記段差の部分において端面と並行にスライスし、溶接部分のスライスされた断面の状態によって技能を評価するように構成される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の技能評価方法であって、前記スライスを実施する前に、超音波探傷法によって溶接部分を評価するように構成される。
以上のように本発明によると、試験片は、溶接用溝に対して垂直な端面には、少なくとも一対の段差が形成され、それによって溶接用溝の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出しているので、第1〜3の効果が得られる。まず第1の効果は、最も検査が必要になる部分、すなわち端部近傍の溶接の状態を容易に検査できる効果である。つまり、溶接用溝の近傍だけが外方に突出しているので、この部分は削り取りやすい。そうすると、溶接用溝の近傍だけをグラインダー等によって削って端部近傍の溶接の状態を検査することができる。また、試験片をカッター等によってスライスする場合でも、切断長さが短くて済む。また、外方に突出しているので、研磨しやすく鏡面加工し易い。これらによって安価に検査することができる。第2、3の効果は、試験片の端面に基準面が形成されていることによるものである。本発明によると、溶接用溝に対して垂直な端面には一対の段差が形成されていて、溶接用溝から離れた周囲の部分と、溶接用溝の近傍に、それぞれ異なる面が形成されることになる。この周囲の部分の面を基準面とすることができる。基準面によって第2の効果、溶接用溝の近傍の削り取り量を正確に測定できる効果が得られる。つまり、溶接用溝の近傍を削り取るとき、基準面からの位置を測定すれば、正確に削り取り量を測定することができる。また、正確に基準面と平行に削り取ることもできる。これらによって、常に一定の削り取り量の部分において、端部近傍の溶接の状態を評価することができ、公正かつ客観的に技能を評価することができる。第3の効果は、試験片に削り取り量の証拠が残る効果である。つまり、溶接用溝の近傍が削り取られても、基準面が残っているので、削り取られた量が証拠として残る。そうすると、格別に試験会場を提供して検定試験を実施しなくても、検定を実施することが可能になる。
他の発明によると、試験片を構成している一対の鋼板のうち、一方の鋼板は、他方の鋼板より板厚が厚く、他方の鋼板は溶接面が斜めにカットされている。これらによって、溶接用溝には断面形状がレ字形の開先が形成されている。従って、通常母材に形成されている開先と同様の開先が形成されており、必要になる溶接の技能を実際に近い形態で検定することが可能になる。また、他の発明によると、検定において、試験片の端面をスライスする前に、超音波探傷法によって溶接部分を評価する。そうすると、端面に鋼材が残った状態で探傷するので、スライスされる部分を正確かつ容易に探傷することができる。そして、この後で端面近傍をスライスして端面近傍の溶接部分が検査され、その部分において超音波探傷による検査結果が評価されることになる。そうすると、切断されない部分における超音波探傷の検査結果についても信頼性が担保されることになる。これによって、試験片を色々な部分で切断しないでも、溶接部分全体について安価かつ容易に溶接の欠陥の有無を検査することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る試験片を模式的に示す図であり、その(ア)は斜視図、その(イ)は上面図である。 本発明の実施の形態に係る試験片の作用を説明する、試験片の上面図である。 本発明の実施の形態に係る試験片の作用を説明する、試験片の一部を示す上面図である。 従来の試験片を示す上面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る技能評価用試験片1を説明する。技能評価用試験片1は、図1に示されているように、第1の鋼板2と第2の鋼板3から構成されている。第1、2の鋼板2、3は、それぞれ16mm、22mmの厚さの鋼板からなる。第1の鋼板2には、第1の溶接用端面5が形成されており、第1の溶接用端面5は斜めに、例えば35°に傾斜するように切り落とされている。第2の鋼板3にも第2の溶接用端面6が形成されているが、第2の溶接用端面6は垂直な面になっている。これらの第1、2の溶接用端面5、6が所定の隙間を空けて対向するように、第1、2の鋼板2、3が配置されている。そして、第1、2の鋼板2、3の裏側には裏当て金8が仮止され、第1、2の鋼板2、3が接続されている。第1、2の溶接用端面5、6と裏当て金8によって、レ字形の開先を備えた溶接用溝9が形成されている。
本実施の形態に係る技能評価用試験片1においては、側方の両端面、すなわち第1、2の側部端面11、12に特徴がある。第1、2の側部端面11、12は、溶接用溝9に垂直な端面である。これらの第1、2の側部端面11、12には、それぞれ2対の段差が形成されている。すなわち、第1の側部端面11においては、第1〜4の段差14a〜14dが形成されている。第1の段差14aと第4の段差14dは0.7mmの段差であり、一対の段差になっている。第2の段差14bと第3の段差14cは0.3mmの段差であり、一対の段差になっている。これらの段差14a〜14dによって、第1の側部端面11には、第1の基準面15a、15aと、第2の基準面15b、15bが形成されている。溶接用溝9の近傍の面は、代替エンドタブが当接されることになる第1の当接面16、16になっている。本実施の形態においては第2の基準面15b、15bには、所定の刻印K、Kが施されている。
第2の側部端面12も第1の側部端面11と同様に形成されている。すなわち、第2の側部端面12にも第5〜8の段差20a〜20dが形成され、それらによって、第3の基準面19a、19aと、第4の基準面19b、19bと、第2の当接面21、21が形成されている。第5、8の段差20a、20dは0.7mm、第6、7の段差20b、20cは0.3mmである。また、第4の基準面19b、19bにも刻印K、Kが施されているが、図1には示されていない。
本実施の形態に係る技能評価用試験片1によって、代替エンドタブ工法を実施して溶接の技能を評価する方法を説明する。図2に示されているように、第1、2の当接面16、21に代替エンドタブ30、31を当接し、溶接用溝9の端部を塞ぐ。クランプ用針金33によって代替エンドタブ30、31を固定する。アーク溶接を実施して、溶接用溝9に溶接金属を流し込み、第1、2の鋼板2、3を溶接する。図2において溶接部分35はハッチングで示されている。クランプ用針金33を取り外し、代替エンドタブ30、31を取り除く。溶接は完了する。
溶接の技能の評価、すなわち溶接の良否の判定は、以下の順序で実施する。
最初に超音波探傷試験を実施する。図2には、超音波発信機38によって、溶接部分35の端部近傍39に超音波ビームを照射している様子が示されている。超音波探傷法は、従来周知のように反射される超音波を解析して内部に生じている空隙や傷を探傷する方法である。超音波ビームの入射角は、例えば65°のようにすることができるので、超音波ビームの路程を長くとることができ、端部近傍39の溶接の欠陥の有無を詳しく調べることができる。引き続き、溶接部分35の他方の端部近傍40と中央部分41も超音波探傷する。ところで、端部近傍39、40の溶接の欠陥については、次のマクロ検査においても検査されることになり、結果的に、この超音波探傷試験の精度が検証されることになる。そうすると、中央部分41において実施した超音波探傷試験の信頼性を担保することができる。
次に、マクロ検査を実施する。第1の側部端面11を薄く切断する。より詳しく説明すると、第1の当接面16、16と溶接部分35を、第2の基準面15b、15bと平行に切断する。あるいは切削する。図3に示されているように、切断面43において切断すると、第2、第3の段差14b、14cがわずかに残る。残った高さ44を測定すれば切断した厚さが分かる。技能評価用試験片1には、第2の基準面15b、15bが残されているので、切断された厚さ、もしくは切削された厚さが明確である。つまり証拠として残る。切断面をグラインダーで研磨して鏡面に仕上げる。溶接部分を目視して、欠陥の有無を検査する。具体的には、溶融部分の溶け込み不良の有無、非金属介在物の巻き込みの有無、ブローホールの有無等を検査し、これらの欠陥の大きさと個数を記録する。同様にして、第2の側部端面12も薄く切断し、マクロ検査を実施する。
超音波探傷試験とマクロ検査の結果に基づいて、溶接の技能を評価する。ところで、マクロ検査においては、第1の側部端面11を切断するとき、切断面43において切断するように説明したが、他の切断面45、46において切断するようにしてもよい。第2の切断面45は、第2の基準面15b、15bと連続している同一面になっている。また、第3の切断面46は、第1、4の段差14a、14dにおいて切断する面である。第3の切断面46において切断するときも、第1の基準面15a、15aが残されているので、切断された厚さは明確になり、証拠として残ることが保障される。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、第1、2の鋼板の厚さは本実施の形態に限定される必要はないし、第1〜4の段差も色々な大きさにすることができる。例えば、第1〜4の段差を全て1mmにすることも可能である。また、開先の形状についても変形することができるし、溶接用溝の近傍にじゃま板を設けるようにしてもよい。刻印に関しても変形が可能であり、第2の基準面だけでなく、第1の基準面に刻印するようにしてもよい。さらには、第1、2の側部端面には、いずれも段差を設けるようにしているが、一方の側部端面は段差を設けないようにしてもよい。本実施の形態に係る技能評価用試験片は、検定を目的として使用されるだけでなく、溶接の技能を向上を目的とした練習用の教材としても使用することができる。
1 技能評価用試験片
2 第1の鋼板 3 第2の鋼板
5 第1の溶接用端面 6 第2の溶接用端面
8 裏当て金 9 溶接用溝
11 第1の側部端面 12 第2の側部端面
14a〜14d 第1〜4の段差
15a 第1の基準面 15b 第2の基準面
16 第1の当接面
30、31 代替エンドタブ
35 溶接部分
38 超音波発信機

Claims (6)

  1. 裏当て金によって接続されている一対の鋼板から構成され、前記一対の鋼板は、それぞれの溶接面が対向するように隙間を空けて配置され、それによって溶接により埋められる溶接用溝が形成されていると共に、
    前記溶接用溝に対して垂直な端面には、少なくとも一対の段差が形成され、それによって前記溶接用溝の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出していることを特徴とする、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片。
  2. 請求項1に記載の試験片において、前記溶接用溝に対して垂直な両端面に、それぞれ少なくとも一対の段差が設けられ、それによって前記溶接用溝の両端面の近傍が周囲に比較して所定量だけ外方に突出していることを特徴とする、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片。
  3. 請求項1または2に記載の試験片において、前記一対の鋼板の一方の鋼板は、他方の鋼板より板厚が厚く、他方の鋼板は前記溶接面が斜めにカットされ、これらによって、前記溶接用溝には断面形状がレ字形の開先が形成されていることを特徴とする、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の試験片において、前記段差は0.3〜1.5mmに形成されていることを特徴とする、代替エンドタブ工法における技能評価用試験片。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の試験片によって、代替エンドタブ工法の技能を評価する方法であって、
    前記試験片の溶接用溝の両端面に一対のセラミックス製の代替エンドタブを当接して前記溶接用溝に溶接し、そして前記代替エンドタブを取り外した後、
    前記試験片の端面を、前記段差の部分において端面と並行にスライスし、溶接部分のスライスされた断面の状態によって技能を評価することを特徴とする代替エンドタブ工法における技能評価方法。
  6. 請求項5に記載の技能評価方法であって、前記スライスを実施する前に、超音波探傷法によって溶接部分を評価することを特徴とする代替エンドタブ工法における技能評価方法。
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