JP4573750B2 - 薄板製造方法および薄板製造装置 - Google Patents

薄板製造方法および薄板製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4573750B2
JP4573750B2 JP2005319790A JP2005319790A JP4573750B2 JP 4573750 B2 JP4573750 B2 JP 4573750B2 JP 2005319790 A JP2005319790 A JP 2005319790A JP 2005319790 A JP2005319790 A JP 2005319790A JP 4573750 B2 JP4573750 B2 JP 4573750B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crucible
melt
thin plate
amount
solidified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005319790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007126323A (ja
Inventor
尊士 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2005319790A priority Critical patent/JP4573750B2/ja
Publication of JP2007126323A publication Critical patent/JP2007126323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4573750B2 publication Critical patent/JP4573750B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、材料の利用効率が高い薄板製造方法および薄板製造装置に関するものである。
近年、太陽電池用多結晶シリコンの製造方法として、スライス工程を必要としない薄板シリコンの製造方法が開発されている(特許文献1参照)。この方法は、坩堝内のシリコン融液中に下地板の表層部を浸し、その下地板の表面上でシリコン融液を凝固させて、薄板シリコンを製造する。また、薄板を製造するにつれて融液量が徐々に減少するため、原料を追装することにより連続的な薄板製造を可能にしている。この方法は、下地板を複数の坩堝の融液に浸漬できるようにし、第1の坩堝を使用して薄板の製造を行なっている間に、第1の坩堝と異なる第2の坩堝に原料を追加し、融解しておき、第1の坩堝内の融液が一定量以下に減少すると、第2の坩堝を使用して薄板を製造する方法である。
また、鋳造の際に発生するバリなどの不要な材料を再度、原料として用いる方法がある(特許文献2参照)。しかし、鋳造の工程では薄板製造のように落下物が発生することは考えられず、特許文献2には、落下する融液の凝固片の再利用に関して言及していない。
特開2004−331429号公報 特開2001−342524号公報
特許文献1の方法では、下地板を融液から引き上げる際に、融液の凝固片などの落下物が発生し、落下物の量だけ材料の利用効率が減少するという問題がある。ここでいう落下物とは、主に薄板シリコンの欠けおよび割れなどによる落下物、または下地板側面および下地板後面に凝固したシリコン片の落下物である。また、大量の落下物が装置内に溜まると落下物を取り除くためのメンテナンスが必要になる。
本発明の課題は、材料の利用効率の高い薄板製造方法を提供することにある。また、メンテナンスを低減した薄板製造装置を提供することにある。
本発明の薄板製造方法は、坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する方法であって、融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片を、同一の坩堝または異なる坩堝に投入することを特徴とする。
かかる薄板の製造方法にあっては、坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、落下物を坩堝に投入する態様が好ましい。また、坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、融液の新規原料のみを坩堝に投入する第1の工程と、その後、坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、融液の新規原料と落下物とを坩堝に投入する第2の工程とを備える方法が好ましい。落下物は、設定量以上になるまで、落下物を貯蔵しておく態様が望ましい。
本発明の薄板製造装置は、坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する装置であって、融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片を受け取る手段と、同一の坩堝または異なる坩堝に凝固片を投入する手段とを備えることを特徴とする。
凝固片を受け取る手段は、貯蔵している凝固片の量を測定できるものが好ましく、凝固片を投入する手段は、凝固片を押し出すことにより、同一または異なる坩堝に凝固片を投入する態様が好適である。また、凝固片を投入する手段は、凝固片を受け取る手段を傾けることにより凝固片を投入する態様が好ましい。
薄板の製造工程で発生する落下物を再利用し、材料の利用効率を高めることができる。また、落下物が製造装置内に大量に溜まるのを防ぎ、装置のメンテナンスを軽減することもできる。
実施形態1
実施形態1の薄板製造方法および薄板製造装置を図1を用いて説明する。図1は、この装置の断面図である。図1に示すように、主室内に配置された坩堝101内の原料融液102中に、浸漬機構100を用いて、下地板104の表層部を浸し、その下地板104の表面上で原料融液102を凝固させて、薄板を製造する。連続的に薄板を製造可能にするために、原料の追装機構(図示していない。)を有している態様が望ましい。下地板104を原料融液102から引き上げる際、融液が凝固し、薄板の欠け、割れが発生し、または下地板104の側面および後面で凝固した凝固片が、下地板から落下することがある。落下物受け板105は、下地板から落下する融液の凝固片を受け取る手段であり、落下物は落下物受け板105上に溜まる。また、落下物押出し用板106は、坩堝に凝固片を投入する手段であり、落下物押し出し用板106を矢印S1に沿って押出すことにより落下物を坩堝に投入し、融液中に戻すことが可能である。したがって、かかる方法および装置により、融液中に戻した落下物の分だけ再利用し、材料の利用効率を高めることができる。また、落下物が装置内に大量に溜まるのを防ぎ、装置メンテナンスを軽減することができる。主室内は反応性の高い原料を融解するため、真空排気し、または、Arなどの不活性ガスを充填できる機構を備える態様が望ましい。
浸漬機構100には、ガイドレールを使用する機構、回転体を使用する機構、ロボットアームのような構造を使用する機構など、任意の機構を用いることができる。たとえば、ガイドレールを使用する機構を図1に示す。図1に示すように、この機構は、水平動作レール110に沿って動作するスライド体111と、スライド体111に取り付けられた昇降機構112を備える。昇降機構112には、懸垂支柱113、懸垂支柱に設置された回転機構114、回転機構によって動作される回転支柱115および台座支持部116が吊り下げられている。台座支持部116には、下地板104を保持する台座117が接続されている。
下地板104の水平方向の移送は、水平動作レール110に沿ってスライド体111が移動することにより、昇降機構112と懸垂支柱113以下に吊り下がっている機構全体が水平方向に移動することにより行なわれる。下地板104の上下方向の移送は、昇降機構112が懸垂支柱113以下に吊り下がっている機構全体を上下方向に移動することにより行なわれる。下地板104の回転動作は、回転機構114によって行なわれる。上記の水平動作、上下動作または回転動作は、それぞれ独立に制御可能である。さらに、連続的に薄板を製造すると、湯面が徐々に減少するため、浸漬機構100には湯面位置に合わせて下地板の浸漬軌道を調節できる機能を有している態様が望ましい。
坩堝101の形状は、特に限定されるものではない。また、原料の融解に用いる加熱手段103には、抵抗加熱、誘導加熱または赤外線ランプ加熱など、金属原料および半導体原料を融解する一般的な方法を用いることが可能である。一方、下地板104の材質は、高温の融液中への浸漬により損傷することのないように、十分な耐熱性を持つことが条件となる。たとえば、シリコン薄板を製造する場合は、耐熱性の観点からカーボンを使用するのが望ましい。また、原料融液102としては、金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含む材料の融液を使用することができる。半導体材料としては、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、ひ素、インジウム、硼素、アンチモン、亜鉛、すずなどであり、金属材料としては、アルミニウム、ニッケル、鉄などを使用することが可能である。
落下物受け板105と落下物押し出し用板106の材質は、落下物と化学反応しないこと、落下物との衝突により損傷することのないように耐久性を持つこと、薄板の性質に悪影響を及ぼさない材質であることが必要である。たとえば、シリコン薄板を製造する場合は、耐久性と不純物の観点から、カーボンを使用するのが望ましい。
装置外から装置内へ追装する新規原料の形状は、融解が容易である点で粒状が望ましい。一方、下地板からの落下物の形状は薄板状であったり、細長い形状であったりとさまざまであるため、追装の際に、落下物は溶湯の外に出ている部分の体積が大きく、新規原料に比べて、融解に要する時間は長くなる。したがって、融解時間を短縮し、生産性を向上するために、坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、融液の新規原料のみを坩堝に投入する第1の工程を優先し、その後、坩堝内の融液が設定量以下に減少するとき、融液の新規原料と落下物とを坩堝に投入する第2の工程を実施する態様が好ましい。
実施形態2
実施形態2の薄板製造方法及び薄板製造装置を図2を用いて説明する。図2(a)は、この装置の断面図であり、図2(b)および図2(c)は、平面図である。図2に示すように、本実施形態では、坩堝を2つ使用するが、他の点においては、実施形態1と同様である。図2(a)に示すように、主室内に坩堝201Aと坩堝201Bを配置し、加熱手段203により、融解し、原料融液202A、202Bを作製する。また、連続的に薄板を製造可能にするために、原料の追装機構(図示していない。)を有し、坩堝201Aと坩堝201Bのどちらにも追装可能である態様が望ましい。
まず、図2(b)に示すように、落下物押し出し用板206を坩堝201Aの回りを取り囲む位置に配置しておき、浸漬機構200により下地板(図示していない。)の表層部を原料融液202Aに浸し、その下地板の表面上で原料融液202Aを凝固させて、薄板を製造する。融液量が任意の設定量以下に減少すると、落下物押し出し用板206を矢印の方向S2に移動して、落下物受け板205上の落下物を坩堝201Aに投入する。必要に応じて、原料を追装し、坩堝201A内で融解する。本発明の薄板製造方法は、下地板を坩堝内の融液に浸し、下地板上で凝固させて薄板を製造する。したがって、融液が少な過ぎることにより下地板と坩堝とが接触して、装置が破損するのを回避するために、坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、落下物などを投入する態様が好ましい。
また、落下物を融液202A中に戻した後、落下物押し出し用板206を図2(c)に示すように、坩堝201Bの回りを取り囲む位置に移動させる。同様に、浸漬機構200により下地板(図示していない。)の表層部を原料融液202Bに浸し、その下地板の表面上で原料融液202Bを凝固させて、薄板を製造する。融液量が任意の規定量にまで低下したら、落下物押し出し用板206を矢印の方向S2に移動して、落下物受け板205上の落下物を坩堝201Bに投入する。必要に応じて、原料を追装し、坩堝201B内で融解する。また、落下物を融液202B中に戻した後、図2(b)に示すように、落下物押し出し用板206を坩堝201Aの回りを取り囲む位置に移動させる。
このように複数の坩堝を用意し、下地板から落下する融液の凝固片を、薄板を形成していた坩堝または異なる坩堝に投入する。薄板を形成する坩堝のほかに、落下物などを追装し、融解する坩堝とを設けて、上記の操作を繰り返し行なうことにより、落下物の追装と融解に要する時間を短縮でき、生産性を向上させることができる。また、本実施の形態では坩堝の数が2個の場合を示したが、坩堝の数は2個以上でも同様の効果が得られる。
実施形態3
実施形態3の薄板製造方法および薄板製造装置を図3を用いて説明する。図3は、装置の断面図である。図3に示すように、本実施の形態では、落下物受け板305に、落下物の量を測定するためのバネ307を接続し、バネの変位量とバネ定数から落下物の量が測定できるようになっている。他の点では実施の形態1と同様である。凝固片を受け取る手段である落下物受け板305により、落下物の量を測定し、落下物が設定量以上になるまで貯蔵してから、落下物を融液中に戻すことで、坩堝内の融液量をより正確に制御できる。
実施形態4
実施形態4の薄板製造方法および薄板製造装置を図4を用いて説明する。図4は、装置の断面図である。図4に示すように、本実施の形態では、落下物受け板405には、落下物受け板405を傾斜させるために、落下物受け板用支柱408が接続されている。他の点では、実施の形態1と同様である。落下物受け板用支柱408を矢印T1に示すように、上下に動かすことにより、落下物受け板405を傾け、落下物受け板上の落下物を融液中に投入し、再利用することができる。実施形態1で用いた落下物押し出し用板106は、浸漬機構100と接触し、故障の原因となる恐れがある。落下物受け板を傾けて落下物を融液中に戻す態様とすることにより、装置故障を少なくすることができる。したがって、凝固片を坩堝に投入する手段は、凝固片を受け取る手段である落下物受け板を傾けることにより、実施する態様が好ましい。
つぎに、坩堝内の融液に下地板の表層部を浸すことにより下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成した。また、シリコン融液を用い、シリコン融液が凝固し、下地板から落下する凝固片を坩堝に投入し、さらに、新規原料の追装を行ない、材料利用効率と落下物ストック量を計算した。ここでいう落下物ストック量とは、装置内に溜まる落下物量のことを指す。
まず、前提条件を表1に示すように仮定した。ただし、前提条件の値は一例であり、その値に限定されるものではない。製造する薄板の枚数を1000枚とし、坩堝内の初期シリコン充填量を30kg、坩堝内の融液残湯シリコン量が10kgまで下地板の浸漬が可能であるとする(融液使用率2/3)。これは、下地板を坩堝内の融液シリコンに浸漬して薄板を製造するため、坩堝内にある程度溶湯シリコンがないと、下地板が坩堝に接触してしまい、装置自体が故障する恐れがあるためである。よって、坩堝内の融液シリコンの全てを利用できず、残湯シリコンが生じる。また、下地板の表面上に凝固した周縁部付きの薄板シリコンを0.04kgとし、製品サイズの薄板シリコンを0.02kg、落下物を0.008kgとした。
Figure 0004573750
坩堝1杯分の薄板製造枚数は以下の式で表せる。
(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=(融液使用量)÷(薄板1枚)
=(30×2/3)÷0.04
=500
薄板を1000枚製造するために投入するシリコン量は、初期原料量と追装分の原料を足した量になる。すると、追装の際のシリコン投入量は、坩堝1杯分の追装量から坩堝1杯分の落下物総量を引いた値になる。したがって、シリコン投入量は以下の式で表せる。
(シリコン投入量)
=(初期原料量)+(追装原料量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×(追装回数)−(落下物総量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×{(薄板製造枚数)−(坩堝1杯分薄板製造枚数)}÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)−(落下物総量)
=30+20×{(1000−500)/500}−1000×0.008
=42
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷42
=0.476
また、装置内に溜まる落下物量は、坩堝1杯分の材料から薄板を製造する際に発生する落下物の量であるから以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分薄板製造枚数)×(1枚落下物量)
=(20/0.04)×0.008
=4
つぎに、製造中、下地板から落下する凝固片を再利用せず、また新規原料の追装を行なわないようにして、同様に薄板を製造した。このときの材料利用効率と落下物ストック量を示す。追装なし、落下物再利用なしということは、初めに坩堝に充填された材料のみで薄板を製造することになる。すると、シリコン投入量は以下の式で表せる。
(シリコン投入量)
=(初期原料量)×(使用坩堝個数)
=(初期原料量)×(薄板製造枚数)÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=30×1000/(20/0.04)
=60
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷60
=0.333
また、装置内に溜まる落下物量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(製造枚数)×(1枚の落下物量)
=1000×0.008
=8
つぎに、製造中、新規原料の追装を行なわず、下地板から落下する凝固片を再利用して同様に薄板を製造した。材料利用効率と落下物ストック量を示す。落下物の再利用を行なうので、シリコン投入量は以下の式で表せる。
(シリコン投入量)
=(初期原料量)×(使用坩堝個数)−(落下物量)
=30×{1000/(20/0.04)}−(1000×0.008)
=52
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷52
=0.385
また、装置内に溜まる落下物ストック量は、坩堝1杯分の材料から薄板を製造する際に発生する落下物の量であるから以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分薄板製造枚数)×(1枚落下物質量)
=(20/0.04)×0.008
=4
つぎに、製造中、下地板から落下する凝固片を再利用せず、新規原料の追装を行ない、同様に薄板を製造した。このときの材料利用効率と落下物ストック量を示す。新規原料を追装するので、シリコンの投入量は、初期原料量と、追装分の原料を足した量になる。
(シリコン投入量)
=(初期原料量)+(追装原料量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×(追装回数)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×{(薄板製造枚数)−(坩堝1杯分薄板製造枚数)}/(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=30+20×{(1000−20/0.04)/(20/0.04)}
=50
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷50
=0.4
また、装置内に溜まる落下物量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(製造枚数)×(1枚落下物量)
=1000×0.008
=8
以上の結果から、材料利用効率について表2にまとめ、落下物ストック量について表3にまとめた。
Figure 0004573750
Figure 0004573750
表2の結果から明らかなとおり、新規原料の追装を実施しないときと比較して、追装を実施することにより、材料利用効率が向上した。また、落下物の再利用を実施しないときと比較して、再利用を実施することにより、材料利用効率が向上することがわかった。一方、表3の結果から明らかなとおり、落下物ストック量は、落下物の再利用をしない場合に比べて、再利用をすることにより、8kgから4kgに減少させることができ、装置メンテナンスを軽減できることがわかった。
つぎに、坩堝内の融液量が設定量以下にまで減少した際に、下地板からの落下物を投入することにより追装し、新規原料は投入せず、同様に薄板を製造した。また、原料を追装、融解している間は、薄板製造ができないものとし、落下物を追装、融解に要する時間は1時間を要することとし、追装時間と落下物ストック量を調べた。
薄板を1000枚製造するのに必要な追装回数は以下の式で表せる。
(追装回数)
=(薄板製造枚数)÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=1000÷(20/0.04)
=2
追装時間は以下の式で表せる。
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)
=2×1
=2
また、装置内に溜まる落下物の最大量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)
=0.008×(20/0.004)
=4
つぎに、坩堝内の融液量が設定量以下にまで減少した際に、複数回(2回および10回とする。)新規原料のみを投入した後、融液量が設定量以下にまで減少した際に、新規原料とともに落下物も投入することとし、同様に薄板を製造した。また、追装、融解に要する時間は、追装材料として新規原料を用いた場合は0.5時間とし、落下物を用いた場合は1時間要することとした。これは、新規原料の形状が粒状であるのに対し、落下物の形状は薄板状であったり、細長い形状であったりとさまざまであるため、一般的に落下物は溶湯の外に出る体積が大きくなり、融解するのに要する時間が長くなるためである。
追装時間は以下の式で表せる。
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)+(新規原料追装回数)×(新規原料追装時間)
=2×(1/3)×1+2×(2/3)×0.5
=1.333
10回新規原料のみを投入するとき
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)+(新規原料追装回数)×(新規原料追装時間)
=2×(1/11)×1+2×(10/11)×0.5
=1.091
また、装置内に溜まる落下物の最大量は以下の式で表せる。
2回新規原料のみを投入するとき
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)×3
=12
10回新規原料のみを投入するとき
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)×11
=44
こららの結果をまとめると、落下物の追装間隔を長くすれば、追装時間は短くなるが、装置内に溜まる落下物量は増加する。したがって、落下物の追装間隔を変えることにより、追装時間を短縮することも可能であるし、落下物受け板を小さくし、装置を小型化することも可能である。
つぎに、新規原料の追装は行なわないこととし、坩堝を2つ用い、落下物押出し用板を移動させて、落下物を坩堝に投入し、再利用することとし、同様に薄板を製造した。落下物押し出し用板を移動し、落下物を坩堝に投入している間は、その坩堝では薄板製造ができないが、他方の坩堝では薄板製造ができる。また、落下物押し出し用板を移動するのに要する時間は、1/60時間とした。
坩堝2個のときの追装時間は以下の式で表される。
(追装時間)
=(追装回数)×(落下物押し出し用板移動時間)
=2×(1/60)
=0.033
また、装置内に溜まる落下物の最大量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)
=4
新規原料の追装を行なった先の例との間で追装時間を比較すると、
2回新規原料のみを投入するとき
1.333−0.033
=1.3
10回新規原料のみを投入するとき
1.091−0.033
=1.058
したがって、新規原料の追装を行なった先の例に比べて追装時間が短縮されていることがわかった。また、落下物ストック量も減少させることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の薄板製造方法によれば、材料の利用効率を高めることができる。また、本発明の薄板製造装置では、融液の凝固した落下物が大量に溜まることがなく、メンテナンスを軽減することができる。
本発明の実施形態1における薄板製造装置の断面図である。 本発明の実施形態2における薄板製造装置を示す図である。 本発明の実施形態3における薄板製造装置の断面図である。 本発明の実施形態4における薄板製造装置の断面図である。
符号の説明
100,200 浸漬機構、101,201A,201B 坩堝、102,202A,202B 原料融液、103,203 加熱手段、104 下地板、105,205,305 落下物受け板、106,206 落下物押し出し用板、110 水平動作レール、111 スライド体、112 昇降機構、113 懸垂支柱、114 回転機構、115 回転支柱、116 台座支持部、117 台座、307 バネ、408 落下物受け板用支柱。

Claims (8)

  1. 坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する薄板製造方法であって、前記融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片(ただし、前記坩堝内の融液に落下するものを除く)を、前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に投入することを特徴とする薄板製造方法。
  2. 前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記凝固片を前記坩堝に投入することを特徴とする請求項1に記載の薄板製造方法。
  3. 前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記融液の新規原料のみを前記坩堝に投入する第1の工程と、前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記融液の新規原料と前記凝固片とを前記坩堝に投入する第2の工程とを備える請求項に記載の薄板製造方法。
  4. 前記凝固片が設定量以上になるまで、前記凝固片を貯蔵する請求項1〜3のいずれかに記載の薄板製造方法。
  5. 坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する薄板製造装置であって、前記融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片を受け取る手段と、前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に凝固片を投入する手段とを備えることを特徴とする薄板製造装置。
  6. 凝固片を受け取る前記手段は、貯蔵している凝固片の量を測定する手段を有する請求項5に記載の薄板製造装置。
  7. 凝固片を投入する前記手段は、凝固片を押し出すことにより、前記坩堝または前記坩堝と異なる坩堝に凝固片を投入する請求項5に記載の薄板製造装置。
  8. 凝固片を投入する前記手段は、凝固片を受け取る前記手段を傾けることにより前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に凝固片を投入する請求項5に記載の薄板製造装置。
JP2005319790A 2005-11-02 2005-11-02 薄板製造方法および薄板製造装置 Expired - Fee Related JP4573750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319790A JP4573750B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 薄板製造方法および薄板製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319790A JP4573750B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 薄板製造方法および薄板製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007126323A JP2007126323A (ja) 2007-05-24
JP4573750B2 true JP4573750B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=38149279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005319790A Expired - Fee Related JP4573750B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 薄板製造方法および薄板製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4573750B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002237465A (ja) * 2000-12-05 2002-08-23 Sharp Corp 固相シートの製造方法
JP2003340561A (ja) * 2002-05-28 2003-12-02 Shinko Electric Co Ltd 析出板製造装置
JP2005035814A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Sharp Corp 薄板の製造方法および太陽電池
JP2006049439A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Sharp Corp 析出板製造装置および析出板製造方法
JP2007073635A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Sharp Corp 析出板製造装置および析出板製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002237465A (ja) * 2000-12-05 2002-08-23 Sharp Corp 固相シートの製造方法
JP2003340561A (ja) * 2002-05-28 2003-12-02 Shinko Electric Co Ltd 析出板製造装置
JP2005035814A (ja) * 2003-07-16 2005-02-10 Sharp Corp 薄板の製造方法および太陽電池
JP2006049439A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Sharp Corp 析出板製造装置および析出板製造方法
JP2007073635A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Sharp Corp 析出板製造装置および析出板製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007126323A (ja) 2007-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103547393B (zh) 用于形成金属棒的机器
KR100984926B1 (ko) 용융된 물질을 정제하기 위한 방법 및 장치
CN102421947B (zh) 从已熔化材料制造薄半导体本体的方法和装置
CN1236880C (zh) 铸造金属的方法和装置
CN111940733B (zh) 选区激光熔化过程飞溅氧化物清除及供粉补偿装置和方法
RU2533964C2 (ru) Непрерывное литье полосы свинцового сплава для электродов аккумуляторных батарей повышенной мощности
KR101182907B1 (ko) 성막 방법 및 성막 장치
KR101130830B1 (ko) 우라늄 전착물을 이용한 잉곳 주조장치
JP4573750B2 (ja) 薄板製造方法および薄板製造装置
CN1200788C (zh) 高速连铸设备的运行方法及其实施系统
CN1162023A (zh) 制造储氢合金的方法
CN1311940C (zh) 铝合金扁锭熔铸工艺方法
JP2015188926A (ja) マグネシウム系金属の薄板の製造方法
JP5412349B2 (ja) 金属鋳造における溶湯連続供給システム
JP4570570B2 (ja) 薄板製造装置および薄板製造方法
CN112284135A (zh) 一种用于加工锡锭的熔炼炉
JP6625921B2 (ja) 鋼塊の製造方法及び鋼塊の製造装置
RU54543U1 (ru) Устройство для разливки цветных металлов в изложницы
JP2007176765A (ja) 薄板製造用基板、薄板製造装置、および薄板製造方法
KR101585786B1 (ko) 턴디쉬 갭 제어 장치 및 턴디쉬 갭 제어 방법
CN221071607U (zh) 一种支臂式恒熔速电渣炉的横臂结构
RU45734U1 (ru) Установка для получения товарного слитка сплава
CN117620094A (zh) 增强型铸铁曲轴的制造系统和方法
US20160067771A1 (en) Upward continuous casting apparatus and upward continuous casting method
JP2016124733A (ja) ガラス塊の製造方法、及び、ガラス塊の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100810

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100817

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees