JP4573750B2 - 薄板製造方法および薄板製造装置 - Google Patents
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Description
実施形態1の薄板製造方法および薄板製造装置を図1を用いて説明する。図1は、この装置の断面図である。図1に示すように、主室内に配置された坩堝101内の原料融液102中に、浸漬機構100を用いて、下地板104の表層部を浸し、その下地板104の表面上で原料融液102を凝固させて、薄板を製造する。連続的に薄板を製造可能にするために、原料の追装機構(図示していない。)を有している態様が望ましい。下地板104を原料融液102から引き上げる際、融液が凝固し、薄板の欠け、割れが発生し、または下地板104の側面および後面で凝固した凝固片が、下地板から落下することがある。落下物受け板105は、下地板から落下する融液の凝固片を受け取る手段であり、落下物は落下物受け板105上に溜まる。また、落下物押出し用板106は、坩堝に凝固片を投入する手段であり、落下物押し出し用板106を矢印S1に沿って押出すことにより落下物を坩堝に投入し、融液中に戻すことが可能である。したがって、かかる方法および装置により、融液中に戻した落下物の分だけ再利用し、材料の利用効率を高めることができる。また、落下物が装置内に大量に溜まるのを防ぎ、装置メンテナンスを軽減することができる。主室内は反応性の高い原料を融解するため、真空排気し、または、Arなどの不活性ガスを充填できる機構を備える態様が望ましい。
実施形態2の薄板製造方法及び薄板製造装置を図2を用いて説明する。図2(a)は、この装置の断面図であり、図2(b)および図2(c)は、平面図である。図2に示すように、本実施形態では、坩堝を2つ使用するが、他の点においては、実施形態1と同様である。図2(a)に示すように、主室内に坩堝201Aと坩堝201Bを配置し、加熱手段203により、融解し、原料融液202A、202Bを作製する。また、連続的に薄板を製造可能にするために、原料の追装機構(図示していない。)を有し、坩堝201Aと坩堝201Bのどちらにも追装可能である態様が望ましい。
実施形態3の薄板製造方法および薄板製造装置を図3を用いて説明する。図3は、装置の断面図である。図3に示すように、本実施の形態では、落下物受け板305に、落下物の量を測定するためのバネ307を接続し、バネの変位量とバネ定数から落下物の量が測定できるようになっている。他の点では実施の形態1と同様である。凝固片を受け取る手段である落下物受け板305により、落下物の量を測定し、落下物が設定量以上になるまで貯蔵してから、落下物を融液中に戻すことで、坩堝内の融液量をより正確に制御できる。
実施形態4の薄板製造方法および薄板製造装置を図4を用いて説明する。図4は、装置の断面図である。図4に示すように、本実施の形態では、落下物受け板405には、落下物受け板405を傾斜させるために、落下物受け板用支柱408が接続されている。他の点では、実施の形態1と同様である。落下物受け板用支柱408を矢印T1に示すように、上下に動かすことにより、落下物受け板405を傾け、落下物受け板上の落下物を融液中に投入し、再利用することができる。実施形態1で用いた落下物押し出し用板106は、浸漬機構100と接触し、故障の原因となる恐れがある。落下物受け板を傾けて落下物を融液中に戻す態様とすることにより、装置故障を少なくすることができる。したがって、凝固片を坩堝に投入する手段は、凝固片を受け取る手段である落下物受け板を傾けることにより、実施する態様が好ましい。
(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=(融液使用量)÷(薄板1枚)
=(30×2/3)÷0.04
=500
薄板を1000枚製造するために投入するシリコン量は、初期原料量と追装分の原料を足した量になる。すると、追装の際のシリコン投入量は、坩堝1杯分の追装量から坩堝1杯分の落下物総量を引いた値になる。したがって、シリコン投入量は以下の式で表せる。
(シリコン投入量)
=(初期原料量)+(追装原料量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×(追装回数)−(落下物総量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×{(薄板製造枚数)−(坩堝1杯分薄板製造枚数)}÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)−(落下物総量)
=30+20×{(1000−500)/500}−1000×0.008
=42
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷42
=0.476
また、装置内に溜まる落下物量は、坩堝1杯分の材料から薄板を製造する際に発生する落下物の量であるから以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分薄板製造枚数)×(1枚落下物量)
=(20/0.04)×0.008
=4
(シリコン投入量)
=(初期原料量)×(使用坩堝個数)
=(初期原料量)×(薄板製造枚数)÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=30×1000/(20/0.04)
=60
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷60
=0.333
また、装置内に溜まる落下物量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(製造枚数)×(1枚の落下物量)
=1000×0.008
=8
(シリコン投入量)
=(初期原料量)×(使用坩堝個数)−(落下物量)
=30×{1000/(20/0.04)}−(1000×0.008)
=52
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷52
=0.385
また、装置内に溜まる落下物ストック量は、坩堝1杯分の材料から薄板を製造する際に発生する落下物の量であるから以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分薄板製造枚数)×(1枚落下物質量)
=(20/0.04)×0.008
=4
(シリコン投入量)
=(初期原料量)+(追装原料量)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×(追装回数)
=(初期原料量)+(坩堝1杯分追装量)×{(薄板製造枚数)−(坩堝1杯分薄板製造枚数)}/(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=30+20×{(1000−20/0.04)/(20/0.04)}
=50
したがって、材料利用効率は以下の式で表せる。
(材料利用効率)
=(薄板製造分原料量)÷(シリコン投入量)
=(1000×0.02)÷50
=0.4
また、装置内に溜まる落下物量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(製造枚数)×(1枚落下物量)
=1000×0.008
=8
以上の結果から、材料利用効率について表2にまとめ、落下物ストック量について表3にまとめた。
(追装回数)
=(薄板製造枚数)÷(坩堝1杯分薄板製造枚数)
=1000÷(20/0.04)
=2
追装時間は以下の式で表せる。
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)
=2×1
=2
また、装置内に溜まる落下物の最大量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)
=0.008×(20/0.004)
=4
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)+(新規原料追装回数)×(新規原料追装時間)
=2×(1/3)×1+2×(2/3)×0.5
=1.333
10回新規原料のみを投入するとき
(追装時間)
=(落下物追装回数)×(落下物追装時間)+(新規原料追装回数)×(新規原料追装時間)
=2×(1/11)×1+2×(10/11)×0.5
=1.091
2回新規原料のみを投入するとき
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)×3
=12
10回新規原料のみを投入するとき
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)×11
=44
こららの結果をまとめると、落下物の追装間隔を長くすれば、追装時間は短くなるが、装置内に溜まる落下物量は増加する。したがって、落下物の追装間隔を変えることにより、追装時間を短縮することも可能であるし、落下物受け板を小さくし、装置を小型化することも可能である。
(追装時間)
=(追装回数)×(落下物押し出し用板移動時間)
=2×(1/60)
=0.033
また、装置内に溜まる落下物の最大量は以下の式で表せる。
(落下物ストック量)
=(坩堝1杯分の落下物質量)
=4
新規原料の追装を行なった先の例との間で追装時間を比較すると、
2回新規原料のみを投入するとき
1.333−0.033
=1.3
10回新規原料のみを投入するとき
1.091−0.033
=1.058
したがって、新規原料の追装を行なった先の例に比べて追装時間が短縮されていることがわかった。また、落下物ストック量も減少させることができた。
Claims (8)
- 坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する薄板製造方法であって、前記融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片(ただし、前記坩堝内の融液に落下するものを除く)を、前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に投入することを特徴とする薄板製造方法。
- 前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記凝固片を前記坩堝に投入することを特徴とする請求項1に記載の薄板製造方法。
- 前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記融液の新規原料のみを前記坩堝に投入する第1の工程と、前記坩堝内の融液が設定量以下に減少すると、前記融液の新規原料と前記凝固片とを前記坩堝に投入する第2の工程とを備える請求項1に記載の薄板製造方法。
- 前記凝固片が設定量以上になるまで、前記凝固片を貯蔵する請求項1〜3のいずれかに記載の薄板製造方法。
- 坩堝内の融液に下地板の表層部を浸し、下地板の表面で融液を凝固させて薄板を形成する薄板製造装置であって、前記融液は金属材料および半導体材料のうち少なくとも一方を含み、下地板から落下する融液の凝固片を受け取る手段と、前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に凝固片を投入する手段とを備えることを特徴とする薄板製造装置。
- 凝固片を受け取る前記手段は、貯蔵している凝固片の量を測定する手段を有する請求項5に記載の薄板製造装置。
- 凝固片を投入する前記手段は、凝固片を押し出すことにより、前記坩堝または前記坩堝と異なる坩堝に凝固片を投入する請求項5に記載の薄板製造装置。
- 凝固片を投入する前記手段は、凝固片を受け取る前記手段を傾けることにより前記坩堝または前記坩堝とは異なる坩堝に凝固片を投入する請求項5に記載の薄板製造装置。
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JP2002237465A (ja) * | 2000-12-05 | 2002-08-23 | Sharp Corp | 固相シートの製造方法 |
JP2003340561A (ja) * | 2002-05-28 | 2003-12-02 | Shinko Electric Co Ltd | 析出板製造装置 |
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