JP4573517B2 - 挿入支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡の挿入を支援する挿入支援システムに関する。
近年、画像による診断が広く行われるようになっており、例えばX線CT(Computed Tomography)装置等により被検体の断層像を撮像することにより被検体内に3次元画像データを得て、該3次元画像データを用いて患部の診断が行われるようになってきた。
CT装置では、X線照射・検出を連続的に回転させつつ被検体を体軸方向に連続送りすることにより、被検体の3次元領域について螺旋状の連続スキャン(ヘリカルスキャン:helical scan)を行い、3次元領域の連続するスライスの断層像から、3次元画像を作成することが行われる。
そのような3次元画像の1つに、肺の気管支の3次元像がある。気管支の3次元像は、例えば肺癌等が疑われる異常部の位置を3次元的に把握するのに利用される。そして、異常部を生検によって確認するために、気管支内視鏡を挿入して先端部から生検針や生検鉗子等を出して組織のサンプル(sample)を採取することが行われる。
気管支のように、多段階の分岐を有する体内の管路では、異常部の所在が分岐の末梢に近いとき、内視鏡の先端を短時間で正しく目的部位に到達させることが難しいために、例えば特開2000−135215号公報等では、被検体の3次元領域の画像データに基づいて前記被検体内の管路の3次元像を作成し、前記3次元像上で前記管路に沿って目的点までの経路を求め、前記経路に沿った前記管路の仮想的な内視像を前記画像データに基づいて作成し、前記仮想的な内視像を表示することで、気管支内視鏡を目的部位にナビゲーションする装置が提案されている。
特開2000−135215号公報
しかしながら、単なる仮想的な内視像の表示のみでは、気管支構造を把握を十分に行うことが難しいといった問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気管支構造の把握が容易であって、効果的な挿入支援を行うことのできる挿入支援システムを提供することを目的としている。
本発明の挿入支援システムは、被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路のうち、始点及び終点が予め設定された所定のルートの3次元画像を連続したフレーム単位の仮想画像として生成する仮想画像生成手段と、前記仮想画像生成手段により生成された仮想画像のうち、前記所定のルートにおける任意の分岐点の仮想画像を指定する所定仮想画像指定手段と、前記所定のルート上において前記任意の分岐点の次以降に存在する1または複数の分岐点の仮想画像を抽出し、抽出した該1または複数の分岐点の仮想画像それぞれに存在する分岐穴に対応した略円形形状を生成する画像抽象化手段と、前記1または複数の分岐点の仮想画像に存在する分岐穴に重なる大きさになるように、前記略円形形状の大きさを適正化する適正化手段と、前記適正化手段により適正化された大きさの前記略円形形状を、前記1または複数の分岐点の仮想画像に存在する分岐穴の位置に重畳する画像重畳手段とを備えて構成される。
本発明によれば、気管支構造の把握が容易であって、効果的な挿入支援を行うことができるという効果がある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
図1ないし図31は本発明の実施例1に係わり、図1は気管支挿入支援システムの構成を示す構成図、図2は図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図、図3は図1の挿入支援装置による挿入支援の第1の準備であるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート、図4は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図5は図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図6は図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート、図7は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図8は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図9は図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図、図10は図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図、図11は図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図、図12は図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図、図13は図3の積層VBS画像による画像の確認処理の流れを示す第1のフローチャート、図14は図13の処理を説明する第1の図、図15は図13の処理を説明する第2の図、図16は図13の処理を説明する第3の図、図17は図13の処理を説明する第4の図、図18は図13の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す図、図19は図13の処理を説明する第5の図、図20は図13の処理を説明する第6の図、図21は図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第4の図、図22は図3の積層VBS画像による画像の確認処理の流れを示す第2のフローチャート、図23は図22の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す第1の図、図24は図22の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す第2の図、図25は図2の画像処理部が表示するシミュレーションを開始時の挿入支援画面を示す第1の図、図26は図2の画像処理部が表示するシミュレーションを開始時の挿入支援画面を示す第2の図、図27は図2の画像処理部によるシミュレーション時の処理の流れを示すフローチャート、図28は図27の処理で展開される挿入支援画面を示す図、図29は図2の画像処理部が表示する観察・処置時の挿入支援画面を示す図、図30は図2の画像処理部による観察・処置時の処理の流れを示すフローチャート、図31は図30の処理で展開される挿入支援画面を示す図である。
図1に示すように、本実施例の気管支挿入支援システム1は、気管支内視鏡装置3と、挿入支援装置5とから構成される。
挿入支援装置5はCT画像データに基づき気管支内部の仮想の内視像(以下、VBS画像と記す)を生成すると共に気管支内視鏡装置3により得られる内視鏡画像(以下、ライブ画像と記す)とVBS画像を合成してモニタ6に表示し気管支内視鏡装置3の気管支へ挿入支援を行う。
また、気管支内視鏡装置3は、図示はしないが、撮像手段を有する気管支内視鏡と、気管支内視鏡に照明光を供給する光源と、気管支内視鏡からの撮像信号を信号処理するカメラコントロールユニット等から構成され、気管支内視鏡を患者体内の気管支に挿入し気管支内を撮像し気管支末端の患部組織を生検すると共に、ライブ画像とVBS画像を合成してモニタ7に表示する。
モニタ7には、タッチパネル等のポインティングデバイスを含む入力部8が設けられ、挿入手技を行いながら容易にタッチパネルからなる入力部8を操作することが可能となっている。
挿入支援装置5は、患者のX線断層像を撮像する図示しない公知のCT装置で生成された3次元画像データであるCT画像データを、例えばMO(Magnetic Optical)ディスク装置やDVD(Digital Versatile Disk)装置等、可搬型の記憶媒体を介して取り込むCT画像データ取り込み部11と、CT画像データ取り込み部11によって取り込まれたCT画像データを格納するCT画像データ格納部12と、CT画像データ格納部12に格納されているCT画像データに基づきMPR画像(多断面再構築画像)を生成するMPR画像生成部13と、MPR画像生成部が生成したMPR画像を有する後述するルート設定画面を生成し気管支内視鏡装置3の気管支への支援ルート(以下、単にルートと記す)を設定するルート設定部14と、CT画像データ格納部12に格納されているCT画像データに基づきルート設定部14によって設定されたルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成する仮想画像生成手段としてのVBS画像生成部15と、VBS画像生成部15が生成したVBS画像を格納するVBS画像格納部16と、気管支内視鏡装置3からの撮像信号及び入力部8からの入力信号を入力し、ライブ画像、VBS画像及び複数のサムネイルVBS画像(ナビゲーション画像)からなる後述する挿入支援画面を生成する画像処理部17と、ルート設定部14が生成したルート設定画面及び画像処理部17が生成した挿入支援画面をモニタ6に表示させる画像表示制御部18と、ルート設定部14に対して設定情報を入力するキーボード及びポインティングデバイスからなる所定仮想画像指定手段としての入力装置19と、画像処理部17で用いられる各種データを格納するメモリ20とから構成される。
画像処理部17は、図2に示すように、ナビゲーション画像生成手段としての画像生成機能17a、画像抽象化手段としての画像抽象化機能17b、抽象化画像最適化手段としての画像最適化機能17c、抽象化画像重畳手段としての抽象化画像重畳機能17dを備えている。画像処理部17は、指定されている現在のVBS画像の分岐穴の挿入先のVBS画像を画像抽象化機能17bにより抽象化を行い(以下、抽象化された挿入先のVBS画像を抽象化VBS画像と記す)、画像最適化機能17cにより抽象化VBS画像の現在のVBS画像上での分岐穴への重畳に適した抽象化VBS画像に縮小・補正を行い(以下、重畳に適した抽象化VBS画像を適性抽象化VBS画像と記す)、抽象化画像重畳機能17dにより現在のVBS画像の分岐穴に適性抽象化VBS画像に重畳・生成すると共に、画像生成機能17aがナビゲーション画像からなる挿入支援画面を生成する。
気管支内視鏡装置3は、挿入支援装置5の画像処理部17からVBS画像及びサムネイルVBS画像を受け取りライブ画像と合成して、挿入支援装置5がモニタ6に表示する挿入支援画面と同等の画面をモニタ7に表示すると共に、モニタ7のタッチセンサからなる入力部8からの入力情報を挿入支援装置5の画像処理部17に出力するようになっている。
なお、CT画像データ格納部12及びVBS画像格納部16は、1つのハードディスクによって構成してもよい。また、MPR画像生成部13、ルート設定部14、VBS画像生成部15及び画像処理部17は1つの演算処理回路で構成することができる。また、CT画像データ取り込み部11はMOあるいはDVD等の可搬型の記憶媒体を介してCT画像データを取り込みとしたが、CT装置あるいはCT画像データを保存している院内サーバが院内LANに接続されている場合には、CT画像データ取り込み部11を該院内LANに接続可能なインターフェイス回路により構成し、院内LANを介してCT画像データを取り込むようにしてもよい。
このように構成された本実施例の作用について説明する。
図3に示すように、気管支内視鏡装置3による観察・処置に先立ち、挿入支援装置5は、ステップS1でCT画像データ取り込み部11によりCT装置で生成された患者のCT画像データを取り込み、ステップS2で取り込んだCT画像データをCT画像データ格納部12に格納する。
ステップS3でルート設定部14により、図4に示すようなルート設定画面21をモニタ6に表示させ、ルート設定画面21上の患者情報タグ画面22で患者情報をポインタ20により選択する。この選択により、ステップS4で選択された患者の例えば3つの異なる多断面像からなるMPR画像が生成され、ステップS5でこのMPR画像23がルート設定画面21に表示される。
なお、患者情報タグ画面22での患者情報の選択は、入力装置19により患者を識別する患者IDを入力することで行われる。
次に、ステップS6でルート設定画面21上のルート設定タグ24(図4参照)を設定情報入力部19により選択すると、図5に示すようなルート設定タグ画面25がルート設定画面21に表示され、後述するルート設定処理を行い、気管支での気管支内視鏡の挿入支援のルートを設定する。
挿入支援のルートが設定されると、ステップS7でVBS画像生成部15により設定した全ルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成し、ステップS8にて設定したルート上での後述する積層VBS画像による画像の確認を行うかどうかの指示があるかどうか判断し、積層VBS画像による画像の確認の指示があると、ステップS9にて積層VBS画像を表示してステップS10に進み、積層VBS画像による画像の確認の指示がない場合はそのままステップS10に進み、ステップS10で生成したVBS画像をVBS画像格納部16に格納する。
上記のステップS1〜S10の処理により、気管支内視鏡による観察・処置時の挿入支援装置5による挿入支援の第1の準備が完了する。
ここで、上記ステップS6のルート設定処理を図6を用いて説明する。
図6に示すように、ステップS6のルート設定処理では、入力装置19を操作することで、図5に示したルート設定タグ画面25上のルート探索ボタンをクリックすると、ステップS11で図7に示すようなルートの始点の入力を促す始点入力指示ウインドウ31がルート設定画面21上に表示され、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で始点を設定する。始点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に始点が設定されると共に、図8に示すようなルートの終点の入力を促す終点入力指示ウインドウ32がルート設定画面21上に表示さる。
そこで、ステップS12で始点の設定と同様に、ルート設定画面21上にカーソル30を用いてMPR画像23のうちの1つの断層像上で終点を設定する。終点を設定すると他のMPR画像23の2つの断層像上にも対応する位置に終点が設定される。
始点と終点が設定されると、ステップS13でルート設定部14は始点から終点に至る気管支内のルートを探索する。気管支は複雑な経路を有しているので、始点から終点に至る気管支内のルートが一意的に決まるとは限らないので、ルート設定部14ではステップS13では、始点から終点に至る気管支内のルートの第1候補を探索する。
そして、ルート設定部14はルート設定画面21上において、図9に示すように、ステップS14で探索されたルートをMPR画像23に重畳して表示すると共に、ルートの確定等の入力を促すルート確定ウインドウ33を表示する。
ルート確定ウインドウ33には、探索したルートの確定を指示するルート確定ボタン41と、次候補のルートの探索を指示する次候補探索ボタン42と、始点及び終点を再設定し直すルート再設定ボタン43と、ルート探索処理をキャンセルするキャンセルボタン44とを備えている。
ステップS15で次候補探索ボタン42がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS16で次候補のルートを自動探索してステップS17に進み、クリックされない場合にはステップS18に進む。ステップS17では次候補を探索した結果、次候補が存在するかどうかを判断し、存在しない場合には図示はしないが次候補ルートが存在しない旨の警告を表示しステップS13に戻り、存在する場合にはステップS14に戻る。
ステップS18では、ルート再設定ボタン43がクリックされたかどうか判断し、クリックされたならばステップS11に戻り、クリックされない場合にはステップS19に進む。
ステップS19では、ルート確定ボタン41がクリックされたかどうか判断し、クリックされない場合にはステップS15に戻り、クリックされたならばステップS20に進み、ステップS20でルート及びルート内の各分岐点の位置情報を決定して図3のステップS7に戻る。
つぎに、図3のステップS9における積層VBS画像による画像の確認処理について、説明する。図3のステップS7においてVBS画像生成部15により設定した全ルートの連続したVBS画像をフレーム単位で生成されると、図10に示すように、ルート設定部14によりルート設定画面21に積層VBS画像確認ウインドウ41が表示される。そして、積層VBS画像確認ウインドウ41の「はい」ボタン42をポインタ20でクリックすると、図11に示すような積層VBS画像表示モード選択ウインドウ43がルート設定部14によりルート設定画面21に表示される。
例えば、この積層VBS画像表示モード選択ウインドウ43において、分岐点指定表示のラジオボタンが指定され、ポインタ20で「OK」ボタン44がクリックされると、図12に示すようにルート設定画面21上に分岐点指定ウインドウ45が表示され、ポインタ20でルート上の所望の分岐点を選択する。
この分岐点指定の場合は、図13に示すように、画像処理部17は、ステップS21にて設定された(支援)ルートをメモリ20より読み出し、ステップS22で読み出した(支援)ルートのVBS画像のフレーム画像をVBS画像格納部16より取得する。
そして、ステップS23で読み出したVBS画像のフレーム画像が選択された分岐点のVBS画像に到達するのを待ち、ステップS25に進む。VBS画像のフレーム画像が選択された分岐点のVBS画像に到達するまでは、画像処理部17はステップS24で図14に示すように、VBS画像をフレーム毎に進めVBS動画像45として、ルート設定部14が生成したルート設定画面21上に表示する。
ステップS25では、画像抽象化機能17bにより、指定された分岐点のVBS画像の分岐先の分岐穴から至る次の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像を取得し、ステップS26において、図15に示すように、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91aを生成する。そして、ステップS27において、所定の積層数に達したかどうかを判断する。
なお、前記積層数は、以下のように積層数設定手段を設けて設定してもよい。積層数設定手段は、図示はしないが、積層数入力エリアとOKボタン、キャンセルボタンを備えた積層数設定ウインドウを表示し、積層数入力エリアへ入力を促す。OKボタンが押下されると、積層数設定手段は、積層数入力エリアへ入力された値を積層数データとしてVBS画像格納部16に記録する。
画像処理部は、VBS画像格納部16に記録された積層数データを読み出し、メモリ20上に展開する。
例えば、積層数を2とすると、ステップS25に戻り、さらに(抽象化VBS画像91aの)次段の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像53aを取得し、ステップS26において、図16に示すように、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91bを生成する。
そして、ステップS27において、所定の積層数に達すると、ステップS28で画像最適化機能17cにより抽象化VBS画像91bを抽象化VBS画像91aの分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像に、また、抽象化VBS画像91aを選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像にそれぞれ適正化し、図17に示すように抽象化画像重畳機能17dにより選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に積層重畳した積層VBS画像99を生成して、図18に示すように積層VBS画像99をルート設定部14が生成したルート設定画面21上に表示する。
画像最適化機能17cは、詳細には、図19に示すように、抽象化VBS画像91aを選択された分岐点のVBS画像の分岐穴内に収まるように縮小する。同様に、図20に示すように、抽象化VBS画像91bを抽象化VBS画像91aの挿入先の分岐穴内に収まるように縮小する。
そして、ステップS29にてポインタ20による分岐点変更ボタンが100(図18参照)の押下と分岐点の選択とによりルート上の分岐点指定に変更があるかどうか判断し、変更がある場合にはステップS22にもどり、変更がない場合にはステップS30にてルート設定画面21上の積層表示終了ボタン101(図18参照)がクリックされたかどうか判断する。
積層表示終了ボタン101が押下されない場合にはステップS29に戻り、積層表示終了ボタン101がされると積層VBS画像99の表示を終了し、処理を終了する。
なお、VBS画像が動画表示されている間は、上述したように積層表示はなされない。また、図18のルート設定画面21において、積層表示ボタン102を押下することで、上述した図3のステップS9における積層VBS画像による画像の確認処理を実行することが可能となっている。
このように積層VBS画像表示モードが分岐点指定表示モードの場合には、分岐点毎に分岐先の分岐穴上で分岐点構造を確認することができるので、挿入ルートを3次元的に視認することが可能となり、設定した挿入ルート構造の認識が可能となる。なお、積層数は2層に限らず、3層以上でもよい。
次に、例えば積層VBS画像表示モード選択ウインドウ43において、図21に示すように、連続表示のラジオボタンが指定され、ポインタ20で「OK」ボタン44がクリックされると、画像処理部17は、図22に示すような処理を実行する。
すなわち、画像処理部17は、ステップS41にて設定された(支援)ルートをメモリ20より読み出し、ステップS42で読み出した(支援)ルートのVBS画像のフレーム画像をVBS画像格納部16より取得する。
そして、ステップS43で読み出したVBS画像のフレーム画像が最初の分岐点のVBS画像に到達するのを待ち、ステップS45に進む。VBS画像のフレーム画像が最初の分岐点のVBS画像に到達するまでは、ステップS44でVBS画像をフレーム毎に進めVBS動画像45として、ルート設定部14が生成したルート設定画面21上に表示する(図14参照)。
ステップS45では、画像抽象化機能17bにより、指定された分岐点のVBS画像の分岐先の分岐穴から至る次の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像を取得し、ステップS46において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91aを生成する(図15参照)。そして、ステップS47において、所定の積層数に達したかどうかを判断する。
例えば、積層数を2とすると、ステップS45に戻り、さらに(抽象化VBS画像91aの)次段の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像53aを取得し、ステップS46において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91bを生成する(図16参照)。
そして、ステップS47において、所定の積層数に達すると、ステップS48で画像最適化機能17cにより抽象化VBS画像91bを抽象化VBS画像91aの分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像に、また、抽象化VBS画像91aを選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像にそれぞれ適正化し、抽象化画像重畳機能17dにより選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に積層重畳した積層VBS画像99を生成して(図17参照)、図23に示すように、積層VBS画像99をルート設定部14が生成したルート設定画面21上に表示する。
そして、ステップS49にて図23の積層VBS画像99の表示を所定時間行った後、ステップS50にて終点である分岐点にフレーム画像が到達しているかどうか判断し、終点ではないならばステップS42にもどり、図24のようにフレーム画像が終点のVBS画像110の場合にはステップS51にてルート設定画面21上の積層表示終了ボタン101(図22参照)がクリックされたかどうか判断する。
積層表示終了ボタン101が押下されない場合にはステップS50に戻り、積層表示終了ボタン101がされると積層VBS画像99の表示を終了し、処理を終了する。
なお、VBS画像が動画表示されている間は、上述したように積層表示はなされない。また、図24のルート設定画面21において、積層表示ボタン102を押下することで、上述した図3のステップS9における積層VBS画像による画像の確認処理を実行することが可能となっている。
このように積層VBS画像表示モードが連続表示モードの場合には、ルートの全域を連続したVBS画像の動画として確認ができると共に、分岐点毎に所定時間分岐先の分岐穴上で分岐点構造を確認することができるので、挿入ルートを3次元的に視認することが可能となり、設定したルートの全域の挿入ルート構造の認識が可能となる。
このようにしてルート設定がなされた挿入支援装置5による気管支内視鏡観察手技前の挿入支援の第2の準備である挿入シミュレーションについて説明する。なお、以下では、ルートの分岐点が10カ所の場合を例に説明する。
挿入支援装置5によるシミュレーションを開始すると、画像処理部17は、モニタ7に図25に示すような挿入支援画面51を表示する。なお、モニタ6にもモニタ7と同様な挿入支援画面51が表示される。
この挿入支援画面51は、実際の観察時に得られる気管支内視鏡装置3からのライブ画像を表示する内視鏡ライブ画像表示エリア52と、VBS画像像53aを表示するVBS画像表示エリア53と、ルートの全ての分岐点でのVBS画像像53aを縮小して分岐サムネイルVBS画像54(a)〜54(j)として表示する分岐サムネイルVBS画像エリア54とからなり、ライブ画像が位置する分岐点に対応した仮想画像であるVBS画像像53aがVBS画像表示エリア53に表示される。
ここで、VBS画像表示エリア53に表示されるVBS画像53aと同じ分岐サムネイルVBS画像の枠が太枠あるいはカラー表示され、他の分岐サムネイルVBS画像と識別可能となっており、術者はVBS画像表示エリア53に表示されるVBS画像がどの分岐の画像かを容易に認識できるようになっている。
分岐サムネイルVBS画像エリア54に表示される分岐サムネイルVBS画像54(a)〜54(j)は、初期状態では、所定の画像回転角に初期化されたルートに沿った仮想モデル画像となっており、図25では、分岐サムネイルVBS画像54(a)の原画像がVBS画像表示エリア53に表示される。
なお、図25においては、シミュレーションであるために内視鏡ライブ画像表示エリア52には何も表示されない。
挿入支援画面51には、左ボタン71,右ボタン72,前ボタン73,次ボタン74が設けられており、次ボタン74を入力部8を用いてカーソル20で選択することで、VBS画像53aをフレーム単位で挿入前方に進行させることができ、また、前ボタン73をカーソル20で選択することで、VBS画像53aをフレーム単位で挿入後方に後退させることができる。
また、左ボタン71をカーソル20で選択することで、VBS画像53aを左向きに連続的に回転させることができ、また、右ボタン72をカーソル20で選択することで、VBS画像53aを右向きに連続的に回転させることができる。
気管支の各分岐点でのVBS画像53aでは、挿入先の分岐穴を示すマーカ76が重畳表示される。気管支内視鏡は細径化のために、一般的に湾曲させる方向は例えば上下方向の一方向のみとなっているので、マーカ76が示す挿入先の分岐穴をVBS画像53aの上、あるいは下に位置させるように、左ボタン71あるいは右ボタン72を用いてVBS画像53aを回転させる。
また、分岐サムネイルVBS画像エリア54上でポインタ20により、例えば図26に示すように、分岐サムネイルVBS画像54(c)をクリックすると、VBS画像53aが分岐サムネイルVBS画像54(c)の原画像となる。
例えば図26の挿入支援画面51において、積層表示ボタン102を押下すると、画像処理部17は、図27に示すような処理を実行する。
すなわち、画像処理部17は、ステップS61において、分岐サムネイルVBS画像エリア54上でポインタ20により所望の分岐サムネイルVBS画像を選択されると、ステップS62にて分岐サムネイルVBS画像の該分岐点のVBS画像のフレーム画像を取得する。
そして、ステップS63において、画像抽象化機能17bにより、指定された分岐点のVBS画像の分岐先の分岐穴から至る次の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像を取得し、ステップS64において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91aを生成する(図15参照)。そして、ステップS65において、所定の積層数に達したかどうかを判断する。
例えば、積層数を2とすると、ステップS63に戻り、さらに(抽象化VBS画像91aの)次段の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像53aを取得し、ステップS64において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91bを生成する(図16参照)。
そして、ステップS65において、所定の積層数に達すると、ステップS66で画像最適化機能17cにより抽象化VBS画像91bを抽象化VBS画像91aの分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像に、また、抽象化VBS画像91aを選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像にそれぞれ適正化し、抽象化画像重畳機能17dにより選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に積層重畳した積層VBS画像99を生成して(図17参照)、図28に示すように、積層VBS画像99をVBS画像表示エリア53に表示する。
このように挿入支援装置5によるシミュレーションにおいても、所望の分岐点の積層VBS画像99をVBS画像表示エリア53に表示することができるので、ルート全域のシミュレーションを仮想的な3次元的な感覚で行うことが可能であり、効果的なシミュレーションを行うことができる。
続いて、実際の気管支内視鏡による観察・処置の検査時での挿入支援装置5の支援処理について説明する。
実際の気管支内視鏡による観察・処置の検査が開始されると、図29に示すように、画像処理部17は、挿入支援画面51において内視鏡ライブ画像表示エリア52に実際の観察時に得られる気管支内視鏡装置3からのライブ画像52aを表示する。図29の挿入支援画面51では、内視鏡ライブ画像表示エリア52には第3の分岐点でのライブ画像52aが表示され、VBS画像表示エリア53にはこのライブ画像52aに対応したVBS画像53aが表示されている状態を示している。
図29の挿入支援画面51で積層表示ボタン102を押下すると、画像処理部17は、図30に示すような処理を実行する。
すなわち、画像処理部17は、ステップS71において、分岐サムネイルVBS画像エリア54上でポインタ20により所望の分岐サムネイルVBS画像を選択されると、ステップS72にて分岐サムネイルVBS画像の該分岐点のVBS画像のフレーム画像を取得する。
そして、ステップS73において、画像抽象化機能17bにより、指定された分岐点のVBS画像の分岐先の分岐穴から至る次の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像を取得し、ステップS74において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91aを生成する(図15参照)。そして、ステップS75において、所定の積層数に達したかどうかを判断する。
例えば、積層数を2とすると、ステップS73に戻り、さらに(抽象化VBS画像91aの)次段の分岐点を抽出し抽出した分岐点のVBS画像53aを取得し、ステップS74において、取得した次の分岐点のVBS画像53aの分岐穴を抽象化した抽象化VBS画像91bを生成する(図16参照)。
そして、ステップS75において、所定の積層数に達すると、ステップS76で画像最適化機能17cにより抽象化VBS画像91bを抽象化VBS画像91aの分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像に、また、抽象化VBS画像91aを選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に入るような大きさにした適性抽象化VBS画像にそれぞれ適正化し、抽象化画像重畳機能17dにより選択された分岐点のVBS画像の分岐穴に積層重畳した積層VBS画像99を生成して(図17参照)、図31に示すように、積層VBS画像99をVBS画像表示エリア53に表示する。
そして、ステップS77にて図29の挿入支援画面51で「次」ボタン74あるいは「前」ボタン73がポインタ20により押下されたかどうか判断し、押下されない場合は処理を終了し、押下された場合は、ステップS78に進む。
ステップS78では、押下された「次」ボタン74あるいは「前」ボタン73に基づき、次あるいは前の分岐点までの連続したVBS画像のフレーム画像を取得し、ステップS79及びs80にて取得した連続したVBS画像のフレーム画像を動画にてVBS画像表示エリア53に表示し、次あるいは前の分岐点のVBS画像のフレーム画像に到達するとステップS73に戻る。
このように実際の気管支内視鏡による観察・処置の検査時での支援においても、所望の分岐点の積層VBS画像99をVBS画像表示エリア53に表示することができるので、観察・処置の検査時における支援を、挿入先を仮想的な3次元的な感覚で行うことが可能となり、効果的な支援を行うことができる。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の実施例1に係る気管支挿入支援システムの構成を示す構成図 図1の画像処理部の機能構成を示すブロック図 図1の挿入支援装置による挿入支援の第1の準備であるナビゲーションデータの生成処理の流れを示すフローチャート 図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図 図3の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図 図3のルート設定処理の流れを示すフローチャート 図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図 図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図 図6の処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第1の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第2の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第3の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理の流れを示す第1のフローチャート 図13の処理を説明する第1の図 図13の処理を説明する第2の図 図13の処理を説明する第3の図 図13の処理を説明する第4の図 図13の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す図 図19は図13の処理を説明する第5の図 図13の処理を説明する第6の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理で展開されるルート設定画面を示す第4の図 図3の積層VBS画像による画像の確認処理の流れを示す第2のフローチャート 図22の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す第1の図 図22の処理による積層VBS画像を表示したルート設定画面を示す第2の図 図2の画像処理部が表示するシミュレーションを開始時の挿入支援画面を示す第1の図 図2の画像処理部が表示するシミュレーションを開始時の挿入支援画面を示す第2の図 図2の画像処理部によるシミュレーション時の処理の流れを示すフローチャート 図27の処理で展開される挿入支援画面を示す図 図2の画像処理部が表示する観察・処置時の挿入支援画面を示す図 図2の画像処理部による観察・処置時の処理の流れを示すフローチャート 図30の処理で展開される挿入支援画面を示す図
符号の説明
1…気管支挿入支援システム
3…気管支内視鏡装置
5…挿入支援装置
6,7…モニタ
8…入力部
11…CT画像データ取り込み部
12…CT画像データ格納部
13…MPR画像生成部
14…ルート設定部
15…VBS画像生成部
16…VBS画像格納部
17…画像処理部
17a…画像生成機能
17b…画像抽象化機能
17c…画像最適化機能
17d…抽象化画像重畳機能
18…画像表示制御部
19…入力装置
20…メモリ
代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (2)

  1. 被検体の3次元領域の画像データに基づき前記被検体内の体腔路のうち、始点及び終点が予め設定された所定のルートの3次元画像を連続したフレーム単位の仮想画像として生成する仮想画像生成手段と、
    前記仮想画像生成手段により生成された仮想画像のうち、前記所定のルートにおける任意の分岐点の仮想画像を指定する所定仮想画像指定手段と、
    前記所定のルート上において前記任意の分岐点の次以降に存在する1または複数の分岐点の仮想画像を抽出し、抽出した該1または複数の分岐点の仮想画像それぞれに存在する分岐穴に対応した略円形形状を生成する画像抽象化手段と、
    前記1または複数の分岐点の仮想画像に存在する分岐穴に重なる大きさになるように、前記略円形形状の大きさを適正化する適正化手段と、
    前記適正化手段により適正化された大きさの前記略円形形状を、前記1または複数の分岐点の仮想画像に存在する分岐穴の位置に重畳する画像重畳手段と
    を備えたことを特徴とする挿入支援システム。
  2. 前記画像重畳手段は、前記1または複数の分岐点の仮想画像に存在する各分岐穴のうち、前記所定のルート上に存在する分岐穴の位置に、前記適正化手段により適正化された大きさの前記略円形形状を重畳することを特徴とする請求項1に記載の挿入支援システム。
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