JP4571899B2 - 磁気式変位センサ - Google Patents
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Description
軟磁性材料よりなるヨーク11は直方体状をなすものとされ、図には示していないが直線変位を検出すべき可動体に取り付けられている。図12中、矢印は可動体と共に直線変位するヨーク11の変位方向を示す。
可動体に対する固定側には軟磁性材料よりなるバックヨーク12が配置され、このバックヨーク12上に一対の磁石13,14と磁気センサ15とが搭載固定されている。
一対の磁石13,14は板厚方向において、つまりヨーク11と対向する方向において互いに逆向きに着磁されており、ヨーク11はこれら磁石13,14と所定の空隙を介し、近接対向して変位するように配置されている。
磁気センサ15にはホール素子と増幅回路等の回路が集積化されたホールICが用いられ、バックヨーク12の板面と直交する方向の、つまり磁石13,14の板厚方向の磁束の変化を検出するように配置されている。
一方、図14は特許文献1に記載されている回転変位を検出する磁気式変位センサの構成を示したものであり、この例では回転軸20の回転変位(回転角)を検出するものとなっている。
回転軸20に対する固定側には軟磁性材料よりなるバックヨーク22が配置され、このバックヨーク22上に一対の磁石23,24と磁気センサ15とが搭載固定されている。
一対の磁石23,24はほぼ半円形をなす平板状とされて円板状をなすバックヨーク22上に図14に示したように配置されており、磁気センサ15はバックヨーク22の周縁上において一対の磁石23,24の間に配置されている。
この図14に示した磁気式変位センサにおいてもヨーク21が回転軸20と共に回転変位することにより、その回転変位方向に配列されている磁石23,24間の磁束が変化し、この磁束の変化を磁気センサ15で検出することによって回転軸20の回転変位(回転角)を検出することができるものとなっている。
しかるに、従来においてはヨークは可動体や回転軸に固定される構造となっているため、例えば変位動作において可動体や回転軸にぶれが生じるとヨークもそれに伴ってぶれることになり、このようなぶれにより、特にヨークと一対の磁石との距離(空隙)が変動すると磁束の流れ(磁界分布)は大きな影響を受け、磁気センサの出力に誤差が生じて検出精度が大きく損なわれるものとなっていた。
請求項4の発明では請求項2の発明において、ヨークはロータのスペーサとの対向面に形成された凹部に収容されているものとされる。
請求項5の発明では請求項1の発明において、ヨークはサスペンションを介してスライダに保持され、そのサスペンションによりスペーサに押圧されているものとされる。
請求項6の発明では請求項2の発明において、ヨークはサスペンションを介してロータに保持され、そのサスペンションによりスペーサに押圧されているものとされる。
図1はこの発明による直線変位を検出する磁気式変位センサの一実施例を示したものであり、この例では磁気式変位センサは一対の磁石31,32と磁気センサ33とスペーサ34とヨーク35とスライダ36とケース37とバックヨーク38とによって構成されている。
ケース37は断面コ字状をなすものとされ、そのコ字の開放面に方形板状をなすバックヨーク38が配されて開放面(底面)がバックヨーク38によって蓋されたものとなっている。ケース37の上面には窓37aが形成されている。
可動体に取り付けられたスライダ36に対して固定側となるバックヨーク38の内面上には一対の磁石31,32と磁気センサ33とが搭載固定され、さらにそれらの上にスペーサ34が搭載固定される。一対の磁石31,32は方形板状とされてスライダ36の変位方向(X方向)に配列されて配置され、これら磁石31,32の間に磁気センサ33が配置されている。一対の磁石31,32は板厚方向において、つまりスペーサ34の配置面と直交するZ方向において互いに逆向きに着磁されており、磁気センサ33はZ方向の磁束の変化を検出するように配置されている。
このような構成とされた磁気式変位センサでは可動体の変位に伴い、ヨーク35を保持したスライダ36が変位し、これによりヨーク35がスペーサ34上をX方向に変位する。従って、図12及び13に示した従来の磁気式変位センサと同様、ヨーク35の変位に応じて磁石31,32間の磁束が変化し、磁気センサ33はこの磁束の変化に応じた電圧を出力する。よって、磁気センサ33の出力電圧の変化によって可動体の直線変位を検出することができる。
図2及び3はこの様子を示したものであり、可動体のぶれによってこれら図中にそれぞれ矢印Aで示したような力がスライダ36に作用してスライダ36が傾き、そのX方向の一端側が磁石31,32からZ方向に遠ざかるような動きをしても、ヨーク35はその動きに連動せず、常にスペーサ34に接した状態を維持し、つまりヨーク35と一対の磁石31,32とのZ方向の距離はこの例では常に一定に保たれるものとなる。
以上説明したように、この例では可動体と共に変位するヨーク35と固定配置された一対の磁石31,32との間には従来のように空隙が存在するのではなく、スペーサ34が存在し、スペーサ34の厚さによってヨーク35と磁石31,32との距離が規定され、このスペーサ34にヨーク35は常に接して変位するものとなっているため、可動体がたとえぶれても、その本来の変位方向のみの変位を安定かつ高精度に検出することができる。
図5は回転軸の回転変位を検出するこの発明による磁気式変位センサの一実施例の外観を示したものであり、図6A,Bはその断面構造をそれぞれ示したものである。また、図7は回転変位を検出すべき回転軸40が取り付けられた状態を示したものである。この例では磁気式変位センサは一対の磁石41,42と磁気センサ43とケース44とヨーク45とロータ46とカバー47とバックヨーク48とによって構成されている。
バックヨーク48はリング形状をなすものとされ、このバックヨーク48上に一対の磁石41,42と磁気センサ43とが配置されている。一対の磁石41,42は図5に示したように回転軸40の回転軸心(図中、点Cで示す)を中心とする円弧形状をなし、回転軸心Cを中心とする周方向に配列されて配置されている。磁気センサ43は磁石41,42の配列されている周方向において、磁石41と42の間に配置されている。一対の磁石41,42は回転軸40の回転軸心方向において互いに逆向きに着磁されており、磁気センサ43はその回転軸心方向の磁束の変化を検出するように配置されている。図5中、43aは磁気センサの端子を示す。
一方、ケース44の上半部にはロータ46とヨーク45とが収容されている。ロータ46は軸部46aとその外周に設けられたフランジ部46bとよりなり、軸部46aには回転軸40が挿入嵌合される貫通穴46cが形成されている。貫通穴46cはこの例ではD字形状とされ、いわゆるDカットされた穴となっている。
ロータ46はその軸部46aがケース44の薄肉部44aの中央に形成されている穴44bに軸支されて回転可能とされており、カバー47によって抜け止めされてケース44内に保持されている。
上記のような構成を有する磁気式変位センサでは回転軸40の回転変位に伴い、回転軸40に取り付けられたロータ46が回転変位し、ロータ46に保持されたヨーク45が薄肉部44a上を回転変位する。従って、ヨーク45の回転変位に応じて磁石41,42間の磁束が変化し、磁気センサ43はこの磁束の変化に応じた、即ち回転軸40の回転変位に応じた電圧を出力し、これにより回転軸40の回転変位(回転角)を検出することができるものとなっている。
図8は回転軸40がぶれ、ロータ46が傾いた状態を示したものであり、このような状態においてもヨーク45は薄肉部44aに接した状態を維持するものとなっている。
この図9に示した例ではロータ46には前述したような凹部46dではなく、ヨーク45の形状に対応した半円弧形状をなす穴46eが形成されたものとなっており、この穴46eにヨーク45が収容保持されるものとなっている。なお、ヨーク45は回転軸心方向に移動可能に保持され、かつ磁石41,42によって常に吸引されるため、凹部46dに替えてこのような穴46e形状を採用することもできる。
一方、図11はスペーサ49に対してヨーク45を押圧させる他の構造を示したものであり、この例ではロータ46に3本の板ばね状のサスペンション52をインサート成形してそれらサスペンション52にヨーク45を取り付けたものとなっている。この構造ではヨーク45はサスペンション52によってスペーサ49に押圧され、よって衝撃等が加わってもヨーク45はスペーサ49から離れないものとなっている。なお、この例ではヨーク45はリベット53によってサスペンション52に取り付け固定されているが、リベット止めに替え、サンペンション52にヨーク45を溶接によって固定するようにしてもよい。
Claims (7)
- 直線変位する可動体の変位を検出するセンサであって、
上記可動体に対する固定側に上記変位方向に配列されて配置された一対の磁石と、
それら磁石間に配置された磁気センサと、
上記一対の磁石上に配置された非磁性材料よりなるスペーサと、
上記可動体に取り付けられる非磁性材料よりなるスライダと、
そのスライダに保持され、上記可動体の変位に伴い、上記スペーサ上を摺動する軟磁性材料よりなるヨークとを備え、
上記一対の磁石は上記スペーサの配置面と直交する方向において互いに逆向きに着磁されており、
上記磁気センサは上記直交方向の磁束の変化を検出するものとされ、
上記ヨークは上記直交方向に移動可能に上記スライダに保持されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 回転軸の回転変位を検出するセンサであって、
上記回転軸の回転軸心を中心とする周方向に配列されて上記回転軸に対する固定側に配置された一対の磁石と、
それら磁石間に配置された磁気センサと、
上記回転軸心方向において上記一対の磁石上に配置された非磁性材料よりなるスペーサと、
上記回転軸に取り付けられる非磁性材料よりなるロータと、
そのロータに保持され、上記回転軸の回転変位に伴い、上記スペーサ上を摺動する軟磁性材料よりなるヨークとを備え、
上記一対の磁石は上記回転軸心方向に互いに逆向きに着磁されており、
上記磁気センサは上記回転軸心方向の磁束の変化を検出するものとされ、
上記ヨークは上記回転軸心方向に移動可能に上記ロータに保持されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 請求項1記載の磁気式変位センサにおいて、
上記ヨークは上記スライダの上記スペーサとの対向面に形成された凹部に収容されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 請求項2記載の磁気式変位センサにおいて、
上記ヨークは上記ロータの上記スペーサとの対向面に形成された凹部に収容されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 請求項1記載の磁気式変位センサにおいて、
上記ヨークはサスペンションを介して上記スライダに保持され、そのサスペンションにより上記スペーサに押圧されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 請求項2記載の磁気式変位センサにおいて、
上記ヨークはサスペンションを介して上記ロータに保持され、そのサスペンションにより上記スペーサに押圧されていることを特徴とする磁気式変位センサ。 - 請求項1乃至6記載のいずれかの磁気式変位センサにおいて、
上記一対の磁石の上記スペーサ配置面と反対面に軟磁性材料よりなるバックヨークが配置されていることを特徴とする磁気式変位センサ。
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