JP4571724B2 - 一軸アクチュエータおよびこの一軸アクチュエータを用いた搬送・位置決め装置 - Google Patents
一軸アクチュエータおよびこの一軸アクチュエータを用いた搬送・位置決め装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮する一軸アクチュエータ、およびこの一軸アクチュエータを用いて揺動台を搬送・位置決めする搬送・位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基台と揺動台との間に6本の一軸アクチュエータを介在し、6自由度を有する揺動台を搬送・位置決めするパラレルリンク機構が知られている。図7は、このパラレルリンク機構を示す(特願平11−224472号参照)。パラレルリンク機構は、基台1と揺動台2との間に伸縮可能な6本の一軸アクチュエータ3を架設し、各一軸アクチュエータ3を選択的に伸縮して、揺動台2に載せられた車体24を搬送・位置決めする。
【0003】
図8は、パラレルリンク機構に用いられる一軸アクチュエータ3を示す。この一軸アクチュエータ3は、中空のチューブ4内に、一端がチューブ4内に収納され、他端がチューブ4外に突出するロッド5を設けたもので、ボールねじ6によってロッド5をチューブ4から進退自在にしている。ねじ軸7は、チューブ4の一端に取付けられたハウジング8に回転自在に支持され、巻掛け伝動装置9を介してサーボモータ10の出力軸に連結される。サーボモータ10を駆動すると、ねじ軸7が回転し、ナット11がねじ軸7に対して昇降し、ナットに固定されたロッド5がチューブ4に対して進退する。
【0004】
しかしながら、従来の一軸アクチュエータ3は、一つのボールねじ6を用いてロッド5を進退する構成になっているため、その伸縮ストロークを大きくすることができなかった。特に、図7に示すパラレルリンク機構において、各一軸アクチュエータ3は、揺動台2のXYZ座標軸と交差するように配置されることが多いため、揺動台2の位置の変化量に比較して各一軸アクチュエータ3のストロークを大きく取らなければならないが、従来の一軸アクチュエータ3では伸縮ストロークが不充分であった。
【0005】
図9は、伸縮ストロークを大きくした一軸アクチュエータとしての伸縮アームを示す(特開昭55−171746号参照)。この伸縮アームは、回転可能なパイプ12の両端に一対の雌ねじ13a,13bを形成し、パイプ12の両側にこの雌ねじ13a,13bと螺合する第1および第2のねじ軸14,15を設けている。駆動源によって歯車16を回転すると、歯車16に固定されたスプライン軸17が回転し、スプライン軸17と係合するパイプ12も回転する。パイプ12は、その回転により第1のねじ軸14に対して昇降する。また、パイプ12が回転することにより、このパイプに螺合する第2のねじ軸15も昇降する。このように、ねじ機構を2つ設けることによって、伸縮アームが2段で伸縮するため、伸縮ストロークを大きくすることができる。
【0006】
また、伸縮ストロークを大きくした他の一軸アクチュエータとして、図10に示す伸縮駆動装置も知られている(実用新案登録第2575054号参照)。この伸縮駆動装置は、ウォームギヤ18によって回転されるスプライン軸19と、スプライン軸19に係合する進退筒20と、進退筒20の下端側に設けられたナット21と、このナット21と螺合する固定ねじ軸25と、進退筒20の外周に形成した雄ねじと螺合するナット22を設けた支持軸筒23とで構成される。スプライン軸19を回転すると、進退筒20も一緒に回転し、進退筒20が固定ねじ軸25に対して昇降し、進退筒20に対して支持軸筒23も昇降する。この伸縮駆動装置によっても、ねじ機構を2つ設けているため、伸縮ストロークを大きくすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の伸縮アームおよび伸縮駆動装置にあっては、パイプ12を回転する駆動源は、パイプ12と共に昇降することなく、常にベース側の一定位置にある。パラレルリンク機構の一軸アクチュエータは、伸縮動作と共に揺動動作をも行うため、駆動源がベース側の一定位置にあると、駆動源がベースと干渉し、一軸アクチュエータの首振り角度が制限されることがある。
【0008】
また、従来の伸縮アームおよび伸縮駆動装置にあっては、パイプ12およびこのパイプ12に螺合する一対のねじ軸14,15以外にスプライン軸17が必要になり、一軸アクチュエータが肥大化してしまうという問題もある。このようなアクチュエータの肥大化は、アクチュエータの揺動角度を低減する一因となる。
【0009】
さらに、従来の伸縮アームおよび伸縮駆動装置は、図10に示すように進退筒20を回転する歯車機構18がベース側に固定されていて、作動ストロークが歯車機構のスペースの分、寸法L1の分だけ減殺される。このように、縮んだアクチュエータの全長Lをストロークに寄与させることはできず、アクチュエータの全長LからL1を引いた寸法L2だけをストロークSに寄与させているため、ストロークSを大きくするのに限界がある。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、伸縮ストロークを大きくし、しかも揺動角度も大きくとれる一軸アクチュエータを提供すること、並びに揺動台の位置・姿勢変化を大きくとることができる搬送・位置決め装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明者は、(i)一軸アクチュエータにねじ機構を2つ用い、しかもねじ機構を駆動する駆動手段を自走させ、さらに(ii)ねじ軸が駆動手段を貫通するようにした。具体的には、本発明は、中空の回転部材(32)と、この回転部材(32)の両端に設けた一対のナット(33a,33b)と、前記ナットの一方(33a)に螺合する第1のロッド(34)と、前記ナットの他方(33b)に螺合する第2のロッド(35)と、前記回転部材(32)を回転すると共に、それ自体の動力によって自走し、前記回転部材(32)と一緒に直線運動する駆動手段(36)と、前記駆動手段(36)が前記第1のロッド(34)の回りを回転するのを制限すると共に、前記駆動手段(36)が前記第1のロッド(34)に対して前記第1のロッド(34)の軸線方向へ相対的に直線運動するのを許容する直線案内手段(41)と、を備え、前記第1のロッド(34)が前記駆動手段(36)を貫通することを特徴とする一軸アクチュエータにより、上述した課題を解決した。
【0013】
この発明によれば、駆動手段(36)によって回転部材(32)を回転すると、回転部材(32)が第1のロッド(34)に対して軸線方向に相対的に直線運動する。駆動手段(36)は直線案内手段(41)によって案内されているため、回転部材(32)の軸線方向への直線運動に追従して、駆動手段(36)が第1のロッド(34)の軸線方向に自走し、しかも回転部材(32)に回転を与えつづける。駆動手段(36)自体が自走し、ベースから離れるため、駆動手段(36)がベースと干渉することがなく、首振り角度の大きな一軸アクチュエータ(31)が得られる。さらに、第1のロッド(34)が駆動手段(36)を貫通しているので、第1のロッド(34)からの駆動手段(36)の出っ張りを小さくすることができ、より一層首振り角度の大きな一軸アクチュエータ(31)が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、回転部材(32)の回転によって、第2のロッド(35)も第1のロッド(34)と同時に回転部材(32)に対して軸線方向へ相対的に直線運動する。ナット(33a,33b)に互いに逆ねじを形成すると、第1のロッド(34)および第2のロッド(35)は、互いに反対方向へ直線運動するので、伸縮ストロークを2倍にすることができる。また、第1のロッド(34)が前記駆動手段(36)を貫通しているので、アクチュエータ(31)の全長が駆動手段(36)のスペースの分だけ減殺されることがなく、縮んだアクチュエータ(31)のほぼ全長をストロークに寄与させることができ、ストロークを大きくすることができる。
【0015】
また、本発明によれば、駆動手段(36)が自走すると、その加減速によって駆動手段(36)に慣性力が働くが、第1のロッド(34)が駆動手段(36)を貫通しているので、第1のロッド(34)の軸心から駆動手段(36)の重心までの距離を小さくすることができ、一軸アクチュエータ(31)に加わるモーメント荷重を低減することができる。
【0016】
さらに、本発明によれば、第1のロッド(34)が前記駆動手段(36)を貫通するため、駆動手段(36)に例えばプーリ等を介さないで回転部材(32)を回転する中空モータ等を選定することができ、これによりプーリ、タイミングベルト、モータホルダ等の部品が不要になり、一軸アクチュエータ(31)の構成を大幅に単純化することができる。
【0017】
また、本発明は、前記ナットの一方(33a)は、一端に前記回転部材(32)の端部が結合され、前記駆動手段(36)は、モータ本体(37)と、前記第1のロッド(24)が貫通する中空の出力軸(38)を有し、該出力軸(38)が前記ナットの一方(33a)の他端に結合され、前記第1のロッド(34)および前記第2のロッド(35)の少なくとも一方が中空に形成され、収縮時、前記第1のロッド(34)および前記第2のロッド(35)の一方が他方に収納されることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、駆動手段(36)は、第1のロッド(34)によって貫通され、しかも回転部材(32)を回転する。
また、この発明によれば、回転部材(32)に第1のロッド(34)および第2のロッド(35)が収納されるため、回転部材(32)、第1のロッド(34)および第2のロッド(35)それぞれの軸線方向長さを略等しくすることができ、伸長時には収納時のアクチュエータ(31)の全長の約2.5倍までアクチュエータ(31)を伸ばすことができる。
【0021】
さらに、本発明は、前記直線案内手段(41)が、軸線方向に延びるボール転走溝(44)を形成した前記第1のロッド(34)と、該ボール転走溝(44)に対応するボール転走溝を含むボール循環路が形成され、前記第1のロッド(34)に対して直線運動自在に組みつけられた外筒(49)と、前記外筒(49)の前記ボール循環路内に配列収容されて、前記第1のロッド(34)に対する前記外筒(49)の直線運動に併せて循環する複数のボールとを備え、前記外筒(49)が前記モータ本体(37)に結合することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、直線案内手段(41)を構成する第1のロッド(34)にねじ軸としての機能とスプライン軸としての機能の両方を持たせることができ、ねじ軸とスプライン軸を別々に設ける必要がないため、一軸アクチュエータ(31)が肥大化するのを防止できる。また、摩擦が小さく、効率の良い直線案内手段(41)が得られる。
また、本発明は、前記第1のロッド(34)の外周に、螺旋状のボール転走溝(43)と前記ボール転走溝(44)とが互いにクロスするように形成され、前記ナットの一方(33a)は、内周面に前記螺旋状のボール転走溝(43)に対応するボール転走溝を含むボール循環路(45)が形成されて前記第1のロッド(34)に相対運動自在に組み付けられていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、基台(61)と揺動台(62)との間に複数の一軸アクチュエータ(31)を架設し、該各一軸アクチュエータ(31)を選択的に伸縮して上記揺動台(62)を搬送・位置決めする搬送・位置決め装置において、前記一軸アクチュエータ(31)は、中空の回転部材(32)と、この回転部材(32)の両端に設けた一対のナット(33a,33b)と、前記ナットの一方(33a)に螺合する第1のロッド(34)と、前記ナットの他方(33b)に螺合する第2のロッド(35)と、前記回転部材(32)を回転すると共に、それ自体の動力によって自走し、前記回転部材(32)と一緒に直線運動する駆動手段(36)と、前記駆動手段(36)が前記第1のロッド(34)の回りを回転するのを制限すると共に、前記駆動手段(36〜39)が前記第1のロッド(34)に対して前記第1のロッド(34)の軸線方向へ相対的に直線運動するのを許容する直線案内手段(41)と、を備え、前記第1のロッド(34)が前記駆動手段(36)を貫通することを特徴とする一軸アクチュエータにより、上述した課題を解決した。
【0024】
この発明によれば、上述の理由により、一軸アクチュエータ(31)の伸縮ストロークを大きくすることができるため、揺動台(62)の位置・姿勢変化を大きくとることができる。また、駆動手段(36)を作動すると、駆動手段(36)自体が自走し基台(61)から離れるため、駆動手段が基台(61)と干渉することがなく、首振り角度の大きな一軸アクチュエータ(31)が得られる。したがって、より一層、揺動台(62)の位置・姿勢変化を大きくとることができる。
【0025】
なお、前記第1のロッド(34)および前記第2のロッド(35)の外周に螺旋状のボール転走溝(43)を形成し、前記一対のナット(33a,33b)それぞれの内周に、前記ボール転走溝(43)に対向する螺旋状のボール転走溝を含むボール循環路(45)を形成し、前記ボール循環路(45)に複数のボール(46)を配列・収容してもよい。このようにすれば、摩擦が小さく、効率良く作動する一軸アクチュエータ(31)が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1および図2は、本発明の一実施形態における一軸アクチュエータ31を示すものである。図1は、一軸アクチュエータ31が縮んだ状態を示し、図2は、伸びた状態を示している。
この一軸アクチュエータ31は、例えばパラレルリンク機構の基台と揺動台との間に自在継手を介して架け渡され、軸線方向に伸縮すると共に、上端または下端を回転中心にして揺動する。
【0027】
一軸アクチュエータ31は、中空の回転部材32と、この回転部材32の両端に設けられ、互いに逆ねじが形成された一対のボールねじナット33a,33bと、ボールねじナット33aに螺合する第1のロッド34と、ボールねじナット33bに螺合する第2のロッド35と、回転部材32を回転する駆動手段としてのサーボモータ36を備える。サーボモータ36を回転駆動すると、回転部材32の両端に設けたボールねじ機構によって、第1のロッド34および第2のロッド35が回転部材32から進退する。言い換えれば、回転部材32が第1のロッド34に対してその軸線方向(図中矢印方向)に上昇し、第2のロッド35も回転部材32に対してその軸線方向(図中矢印方向)に上昇し、この結果、一軸アクチュエータ31が伸びる。サーボモータ36は、それ自体の動力によって自走し、回転部材32と一緒に上昇する。一方、サーボモータ36を逆回転すると、一軸アクチュエータ31は逆の動作をして縮む。
【0028】
サーボモータ36は、モータ本体37と中空の出力軸38とを備える。第1のロッド34は、この中空の出力軸38およびモータ本体37を貫通している。モータ本体37の円筒状のカバーケースの内部には、出力軸に固定されたロータ39aと、このロータ39aの外周を同心状態で囲むステータ39bとが収納される。モータ本体37は、後述する直線案内手段としてのボールスプライン41の外筒49に固定されている。また、モータ本体37の反出力軸側には、出力軸38の回転位置等を検出するエンコーダ39cが設けられる。
【0029】
図3は、中空の第1のロッド34、ボールねじナット33a、軸受42およびボールスプライン41を示す。第1のロッド34は、下端側が自在継手等に取り付けられ、上端側が中空の回転部材32に収納される。第1のロッド34の外径は、回転部材32に収納されるように回転部材32の内径よりも小さく設定される。この第1のロッド34には、その外周に螺旋状のボール転走溝43と軸線方向に延びるボール転走溝としてのスプライン溝44とが互いにクロスするように形成される。
【0030】
図4は、第2のロッド35および第2のロッド35に螺合されるボールねじナット33bを示す。ボールねじナット33aとボールねじナット33bは、互いに逆ねじになるボール転走溝が形成される他、略同一の構成であるので、ボールねじ33aの構成を図4に基づいて説明する。ボールねじナット33aは、内周面に第1のロッド34のボール転走溝43に対応するボール転走溝を含むボール循環路45が形成されて第1のロッド34に相対運動自在に組み付けられる。
【0031】
図4に示すように、複数のボール46は、該ボール循環路45内に配列収納されて、第1のロッド34及びボールねじナット33aの相対運動(回転)に併せて循環する。第1のロッド34およびボールねじナット33aの負荷転走溝を転がるボール46は、ボールねじナット33aの端部に設けられた側蓋48で溝から掬い上げられ、ボールねじナット33aの中を通り反対側の側蓋48から負荷域に送り込まれて無限転がり運動をする。なお、図示はしないが、パイプの一端でボール46を掬い上げ、パイプを経由して他端に戻すリターンパイプも採用しうる。また、ボール46をデフレクタによって該ボール転走溝から離脱させ、第1のロッド34の外径部を飛び越えて1リード前のボール転走溝に戻すものも採用しうる。ボールねじナット33aの上端には、回転部材32の下端に取付けるためのフランジ47が形成されている。
【0032】
図1ないし図3に示すように、直線案内手段としてのボールスプライン41は、サーボモータ36の第1のロッド34回りの回転を制限すると共に、サーボモータ36の第1のロッド34に対する軸線方向への相対的な直線運動を許容する。サーボモータ36をこのように案内する直線案内手段としては、かかるボールスプラインに限らず、種々の構成のものが採用可能である。
【0033】
ボールスプライン41は、スプライン溝44に対応するボール循環路を有して第1のロッド34に遊嵌された外筒49と、ボール循環路内に配列収納され、第1のロッド34に対する外筒49の相対的な直線運動に併せて循環する複数のボールと、外筒49に一体に組み込まれ、複数のボールを整列・保持する保持器とを備える。図示しないが、外筒49の内面には、ボールの軌道となり、軸線方向に延びるボール転走溝が形成されている。外筒49に形成したボール転走溝と第1のロッド34に形成したスプライン溝44との間で負荷転走路が形成される。
負荷転走路の隣には荷重から開放されたボールが循環する無負荷戻し通路が形成されている。第1のロッド34に対して外筒49を相対的に直線移動すると、ボールは、負荷転走路で荷重を受けながら転走する。そして、ボールは、負荷転走路の隣に設けた無負荷戻し通路で戻され、サーキット状の循環路を無限循環する。
【0034】
図4は、第2のロッド35およびボールねじナット33bを示す。第2のロッド35は、中実または中空で、その外周には螺旋状のボール転走溝43が形成される。第2のロッド35の外径は、中空の第1のロッド34に収納されるように第1のロッド34の内径よりも小さく設定される。この第2のロッド35の上端は、自在継手等に連結され、下端は回転部材32に収納される。第1のロッド34と第2のロッド35とには互いに逆ねじが形成され、ボールねじナット33aとボールねじナット33bとにも互いに逆ねじが形成されている。すなわち、ボールねじナット33aに左ねじが形成された場合、ボールねじナット33bには右ねじが形成され、ボールねじナット33aに右ねじが形成された場合、ボールねじナット33bには左ねじが形成される。ボールねじナット33bの上端には、回転部材32の上端に取付けるためのフランジ47が形成されている。
【0035】
図1に示す一軸アクチュエータ31を収縮させた状態から、サーボモータ36を作動して回転部材32を回転すると、ボールねじナット33aによって回転部材32が第1のロッド34に対して上昇する。このとき、サーボモータ36は、回転部材32の上昇に追従して上昇する。したがって、サーボモータ36とパラレルリンク機構の基台等とが干渉することなく、一軸アクチュエータ31の揺動角度が大きくとれる。さらに、第1のロッド34がサーボモータ36を貫通しているので、第1のロッド34からのサーボモータ36の出っ張りを小さくすることができ、より一層首振り角度の大きな一軸アクチュエータ31が得られる。
【0036】
また、回転部材32の回転によって、第2のロッド35も回転部材32に対して上昇するので、一軸アクチュエータ31のストロークを大きくすることができる。さらに、第1のロッド34がサーボモータ36を貫通しているので、アクチュエータ31の全長がサーボモータ36のスペースの分だけ減殺されることもなく、一軸アクチュエータ31のほぼ全長をストロークに寄与させることができ、ストロークをより大きくすることができる。この結果、本実施形態では、縮んだ状態の全長の2.5倍以上の長さまで一軸アクチュエータを伸長させることができた。
【0037】
図5および図6は、上記一軸アクチュエータ31を組み込んだパラレルリンク機構としての搬送・位置決め装置を示すものである。この搬送・位置決め装置は、例えば、正三角形状の基台61と、この基台61と平行に配置され、基台61よりも小さな正三角形状の揺動台62と、基台61と揺動台62との間に、両端が揺動可能に架け渡された複数の例えば6本の一軸アクチュエータ31と、各一軸アクチュエータ31の両端に設けられる自在継手64を有する。基台61と揺動台62は、三角形の頂点位置を平面的に互いにずらして配置されている。なお、基台61、揺動台62の形状や大きさは、搬送・位置決め装置の用途・作動態様等に応じて種々変更される。基台61および揺動台62の頂点位置には、それぞれ2つの自在継手63,64が取付けられる。各一軸アクチュエータ31は、基台61の三角形の頂点と揺動台62の三角形の頂点を連結するように配置され、基台61、揺動台62および一軸アクチュエータ31でトラスが形成される。
そして、各一軸アクチュエータ31を選択的に伸長あるいは収縮することによって、揺動台62の位置および姿勢の空間6自由度を変化させ、揺動台62に種々の揺動を付与する。
【0038】
本実施形態のパラレルリンク機構は、上述のように伸縮ストロークを大きくし、しかも揺動角度も大きくとれる一軸アクチュエータを組み込んでいるので、例えば全高1000mmのパラレルリンク機構の場合、X−Y方向に±1000mm以上、Z軸方向+750mm以上の動作範囲を確保できた。これに対し、従来の一軸アクチュエータを用いたパラレルリンク機構は、全高792mmの場合、X−Y方向に±266mm、Z軸方向+437mm程度の動作範囲しか確保できなかった。
【0039】
なお、図示しないが、本発明の一軸アクチュエータ31は、従来のZ軸2本のアクチュエータを直列的に組み合わせたロボットの代わりにも用いることができる。このように用いた場合、一本の一軸アクチュエータ31によって、従来のZ軸2本のアクチュエータを組み合わせたロボットと略同じストロークを実現することができるので、サーボモータを一つ減らすことができる効果がある。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動手段によって回転部材を回転すると、回転部材が第1のロッドに対して軸線方向に相対的に直線運動する。駆動手段は、直線案内手段によって案内されているため、回転部材の軸線方向への直線運動に追従して第1のロッドの軸線方向に自走し、回転部材に回転を与えつづける。駆動手段自体が自走し、ベースから離れるため、駆動手段がベースと干渉することがなく、首振り角度の大きな一軸アクチュエータが得られる。さらに、第1のロッドが駆動手段を貫通しているので、第1のロッドからの駆動手段の出っ張りを小さくすることができ、より一層首振り角度の大きな一軸アクチュエータが得られる。
【0041】
また、回転部材の回転によって、第2のロッドも第1のロッドと同時に回転部材に対して軸線方向へ相対的に直線運動するため、伸縮ストロークの大きな一軸アクチュエータが得られる。さらに、第1のロッドが前記駆動手段を貫通しているので、アクチュエータの全長が駆動手段のスペースの分だけ減殺されることがなく、縮んだアクチュエータのほぼ全長をストロークに寄与させることができる。
【0042】
また、本発明によれば、回転部材内に第1のロッドおよび第2のロッドが収納されるため、回転部材、第1のロッドおよび第2のロッドそれぞれの軸線方向長さを略等しくすることができ、伸長時には収縮時のアクチュエータの全長の約2.5倍までアクチュエータを伸ばすことができる。
【0043】
さらに、発明によれば、第1のロッドにねじ軸としての機能とスプライン軸としての機能の両方を持たせることができ、ねじ軸とスプライン軸を別々に設ける必要がなく、一軸アクチュエータが肥大化するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の一軸アクチュエータを示す断面図。
【図2】上記一軸アクチュエータが伸長した状態を示す図(一部断面図を含む)。
【図3】第1のロッド、ボールねじナットおよび直線案内装置を示す斜視図(一部断面図を含む)。
【図4】第2のロッドおよびボールねじナットを示す斜視図(一部断面図を含む)。
【図5】搬送・位置決め機構を示す平面図。
【図6】搬送・位置決め機構を示す側面図。
【図7】パラレルリンク機構を示す概略図。
【図8】従来の一軸アクチュエータを示す断面図。
【図9】従来の伸縮アクチュエータを示す断面図。
【図10】従来の伸縮駆動装置を示す断面図。
【符号の説明】
31 一軸アクチュエータ
32 回転部材
33a,33b ナット(ボールねじナット)
34 第1のロッド
35 第2のロッド
36 サーボモータ(駆動手段)
38 出力軸
41 ボールスプライン(直線案内手段)
44 スプライン溝(ボール転走溝)
49 スプライン外筒(外筒)
61 基台
62 揺動台
Claims (5)
- 中空の回転部材と、
この回転部材の両端に設けた一対のナットと、
前記ナットの一方に螺合する第1のロッドと、
前記ナットの他方に螺合する第2のロッドと、
前記回転部材を回転すると共に、それ自体の動力によって自走し、前記回転部材と一緒に直線運動する駆動手段と、
前記駆動手段が前記第1のロッドの回りを回転するのを制限すると共に、前記駆動手段が前記第1のロッドに対して前記第1のロッドの軸線方向へ相対的に直線運動するのを許容する直線案内手段とを備え、
前記第1のロッドが前記駆動手段を貫通することを特徴とする一軸アクチュエータ。 - 前記ナットの一方は、一端に前記回転部材の端部が結合され、
前記駆動手段は、モータ本体と、前記第1のロッドが貫通する中空の出力軸を有し、該出力軸が前記ナットの一方の他端に結合され、
前記第1のロッドおよび前記第2のロッドの少なくとも一方が中空に形成され、収縮時、前記第1のロッドおよび前記第2のロッドの一方が他方に収納されることを特徴とする請求項1に記載の一軸アクチュエータ。 - 前記直線案内手段は、軸線方向に延びるボール転走溝を形成した前記第1のロッドと、
該ボール転走溝に対応するボール転走溝を含むボール循環路が形成され、前記第1のロッドに対して直線運動自在に組みつけられた外筒と、
前記外筒の前記ボール循環路内に配列収容されて、前記第1のロッドに対する前記外筒の直線運動に併せて循環する複数のボールとを備え、
前記外筒が前記モータ本体に結合することを特徴とする請求項2に記載の一軸アクチュエータ。 - 前記第1のロッドの外周に、螺旋状のボール転走溝と前記ボール転走溝とが互いにクロスするように形成され、
前記ナットの一方は、内周面に前記螺旋状のボール転走溝に対応するボール転走溝を含むボール循環路が形成されて前記第1のロッドに相対運動自在に組み付けられていることを特徴とする請求項3に記載の一軸アクチュエータ。 - 基台と揺動台との間に複数の一軸アクチュエータを架設し、該各一軸アクチュエータを選択的に伸縮して上記揺動台を搬送・位置決めする搬送・位置決め装置において、
前記一軸アクチュエータは、
中空の回転部材と、
この回転部材の両端に設けた一対のナットと、
前記ナットの一方に螺合する第1のロッドと、
前記ナットの他方に螺合する第2のロッドと、
前記回転部材を回転すると共に、それ自体の動力によって自走し、前記回転部材と一緒に直線運動する駆動手段と、
前記駆動手段が前記第1のロッドの回りを回転するのを制限すると共に、前記第1のロッドに対して前記第1のロッドの軸線方向へ相対的に直線運動するのを許容する直線案内手段とを備え、
前記第1のロッドが前記駆動手段を貫通することを特徴とする搬送・位置決め装置。
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