JP4570134B2 - 大気圧プラズマ処理装置及び大気圧プラズマ処理方法 - Google Patents
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Description
そこで、大気圧又はその近傍の圧力において処理ガスをプラズマ化し、いわゆる大気圧プラズマによって活性化したガスを用いてアッシングやエッチングを行うことが従来から提案されている。
また、半導体基板はプラズマにより表面処理されることになるが、この処理時には上方の高周波電極から下方のステージに向かってプラズマが流れるため、半導体基板とプラズマとの衝突により半導体基板の表面が破損(以下、適宜「プラズマダメージ」と称する。)することもある。
ここで、第1電極と第2電極とはそれぞれ被処理物の表面に対して略直交するように配置されているため、プラズマも被処理物の表面に対して直交するように流れる。このとき、プラズマの一部が被処理物の表面をかすり、被処理物の表面処理が行われる。
以上のように、本発明によれば、被処理物を放電空間内部に置き被処理物の上方から下方に流れるプラズマによりその表面処理を行わないため、被処理物の厚みを厚くした場合でも、表面処理精度を低下することなく表面処理を行うことができる。これにより、表面処理をする際に被処理物の厚みを考慮する必要が無いため、表面処理効率の低下を防止できる。
また、プラズマが被処理物の表面に対して直交するように流れるため、プラズマが被処理物の表面に向かって流れ衝突する場合と比較して、被処理物へのプラズマダメージを大幅に低減することができる。これにより、表面処理時にプラズマが被処理物に及ぼす悪影響を防止することができる。
ここで、処理ガス供給手段により、放電空間内の他に、プラズマにより表面処理される被処理物の部位を基準として被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位(前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物)に処理ガスを供給することにより、この処理ガスの供給に伴う圧力が被処理物の反りに対抗するように被処理物に作用し、被処理物の反りが阻止される。この結果、被処理物を搬送するための搬送空間を可能な限り狭くすることができるため、放電空間に供給するための処理ガスの量を低減することができ、被処理物の表面処理に要するコストを低減することができる。
また、処理ガス供給手段により、放電空間内の他に、プラズマにより表面処理される被処理物の部位を基準として被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位に処理ガスを供給することにより、外気が処理ガスによって遮断されるため、被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位から放電空間側に向かって外気が入り込むことを防止できる。この結果、処理ガスに外気が混入することを防止でき、NOXの発生を抑制することができる。
なお、本明細書において、「ガス」とは、処理ガスの他に、処理ガスが被処理物である半導体基板の有機物と反応して生成した生成ガス等を含めたものを意味する。
ここで、第1電極と第2電極とはそれぞれ被処理物の表面に対して略直交するように配置されているため、プラズマも被処理物の表面に対して直交するように流れる。このとき、プラズマの一部が被処理物の表面をかすり、被処理物の表面処理が行われる。
以上のように、本発明によれば、被処理物を放電空間内部に置き被処理物の上方から下方に流れるプラズマによりその表面処理を行わないため、被処理物の厚みを厚くした場合でも、表面処理精度を低下することなく表面処理を行うことができる。これにより、表面処理をする際に被処理物の厚みを考慮する必要が無いため、表面処理効率の低下を防止できる。
また、プラズマが被処理物の表面に対して直交するように流れるため、プラズマが被処理物の表面に向かって流れ衝突する場合と比較して、被処理物へのプラズマダメージを大幅に低減することができる。これにより、表面処理時にプラズマが被処理物に及ぼす悪影響を防止することができる。
ここで、処理ガス供給手段により、放電空間内の他に、プラズマにより表面処理される被処理物の部位を基準として被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位(前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物)に処理ガスを供給することにより、この処理ガスの供給に伴う圧力が被処理物の反りに対抗するように被処理物に作用し、被処理物の反りが阻止される。この結果、被処理物を搬送するための搬送空間を可能な限り狭くすることができるため、放電空間に供給するための処理ガスの量を低減することができ、被処理物の表面処理に要するコストを低減することができる。
また、処理ガス供給手段により、放電空間内の他に、プラズマにより表面処理される部位を基準として被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位に処理ガスを供給することにより、外気が処理ガスによって遮断されるため、被処理物の搬送方向上流側の部位及び搬送方向下流側の部位から放電空間側に向かって外気が入り込むことを防止できる。この結果、処理ガスに外気が混入することを防止でき、NOXの発生を抑制することができる。
なお、本明細書において、「ガス」とは、処理ガスの他に、処理ガスが被処理物である半導体基板の有機物と反応して生成した生成ガス等を含めたものを意味する。
ここで、再供給流路46の搬送空間16に開口する一端は、プラズマPにより表面処理される半導体基板Mの部位を基準として半導体基板Mの搬送方向上流側(図1中矢印A方向側)の部位及び搬送方向下流側(図1中矢印B方向側)の部位に位置するように、設定されている。
また、排気流路42と再供給流路46とが連通するように構成されている。
また、搬送空間16に開口する再供給流路46の一端を複数の孔状に形成し、全ての孔から処理ガス及びその他の生成ガスを半導体基板Mの搬送方向上流側(図1中矢印A方向側)の部位及び搬送方向下流側(図1中矢印B方向側)の部位に供給するようにしてもよい。
また、被処理物搬送装置14は、各搬送ローラ52を支持するための土台部56を備えている。この土台部56は高さ調整機構58を備えており、この高さ調整機構58の上下方向の作動により土台部56がその高さ方向に調整可能となっている。これにより、大気圧プラズマ処理装置本体12と被処理物搬送装置14との間に形成された搬送空間16の大きさを調整することができる。また、高さ調整機構58に高周波電源(図示省略)を接続し、かつ高さ調整機構58の上部にアースに接続されたアース側電極(図示省略)を設ける構成にすれば、高周波電極22とアース側電極との間にプラズマPを放電する放電空間を形成することができ、さらに、高さ調整機構58を上方に移動させることにより、高周波電極22とアース側電極との間の空間(隙間)を狭くすることができる。そして、高さ調整機構58にRFバイアスをかけることにより上記放電空間34内のプラズマPから必要な量だけイオン及びラジカルを半導体基板M側に引き出すことができる。
図1に示すように、搬送ローラ52が駆動手段により回転駆動させられ、半導体基板Mが搬送方向(図1中矢印A方向)に沿って搬送空間16内を搬送される。半導体基板Mの表面処理を行う部位が高周波電極22の下方に位置すると、駆動手段の駆動が停止し搬送ローラ52の回転が停止する。
なお、このとき、処理ガスが半導体基板Mの有機物と反応することにより、生成ガスが発生する。
また、プラズマPが半導体基板Mの表面に対して直交するように流れるため、プラズマPが半導体基板Mの表面に向かって流れ衝突する場合(図4参照)と比較して、半導体基板Mへのプラズマダメージを大幅に低減することができる。これにより、表面処理時にプラズマPが半導体基板Mに及ぼす悪影響を防止することができる。
なお、図3において図1及び図2と重複する構成には図1及び図2の符号と同符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、本変形例の大気圧プラズマ処理装置では、高周波電極22の高さ方向の寸法(厚み寸法)を短くしアース側電極28の下端部が高周波電極22の下端部よりも下方に位置するように構成するとともに、アース側電極28の下端部に複数の貫通孔(連通孔)82が形成されたプレート(区画部材)80を取り付けるようにしてもよい。
かかる変形例の大気圧プラズマ処理装置によれば、放電空間34内部のラジカルのみを貫通孔82を通して半導体基板Mに誘導することができ、イオンが半導体基板Mに及ぼす悪影響(イオンダメージ)を低減することができる。
なお、この変形例の大気圧プラズマ処理装置においても、高さ調整機構58に高周波電源を接続し、高さ調整機構58の上部にアース接続されたアース側電極を設けることにより、このアース側電極に異周波のバイアスを印加することで、プロセスの幅を持たせることができる。
20 処理ガス供給部材(処理ガス供給手段)
22 高周波電極(第2電極)
24 マッチング回路
26 高周波電源
28 アース側電極(第1電極)
34 放電空間
42 排気流路(排気手段)
46 再供給流路(再供給手段)
52 搬送ローラ
80 プレート(区画部材)
82 貫通孔(連通孔)
M 半導体基板(被処理物)
Claims (7)
- 大気圧下においてプラズマにより被処理物の表面処理を行う大気圧プラズマ処理装置であって、
アースに接続され前記被処理物の表面に対して直交するように配置された第1電極と、
前記第1電極に対向するように配置され、前記第1電極との間に前記被処理物を前記表面処理するための放電空間を形成する第2電極と、
前記第2電極にマッチング回路を介して接続され前記第2電極に高周波電力を供給する高周波電源と、
前記放電空間に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記被処理物を搬送するための搬送ローラと、
を有し、
前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物に対して前記処理ガスを供給することを特徴とする大気圧プラズマ処理装置。 - 前記放電空間のガスを排気する排気手段を有することを特徴とする請求項1に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- 前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物に対して、前記排気手段により排気された前記ガスを導き供給する再供給手段を有することを特徴とする請求項2に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- 前記放電空間と前記被処理物を搬送するための搬送空間とを区画する区画部材を設け、前記区画部材には前記放電空間と前記搬送空間とを連通するための連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ処理装置。
- アースに接続された第1電極と、マッチング回路を介して高周波電源に接続された第2電極と、をそれぞれ被処理物の表面に対して直交するように配置させ、
前記高周波電源により前記第2電極に高周波電力を供給して前記第1電極と前記第2電極との間の放電空間に高周波電圧を印加し、前記放電空間に処理ガス供給手段により供給した処理ガスを電離させてプラズマを発生させ、大気圧下において前記プラズマにより前記放電空間に位置する前記被処理物を表面処理する大気圧プラズマ処理方法であって、
前記被処理物は、搬送ローラにより搬送され、
前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物に対して前記処理ガスが供給されることを特徴とする大気圧プラズマ処理方法。 - 前記放電空間のガスを排気手段により排気することを特徴とする請求項5に記載の大気圧プラズマ処理方法。
- 前記プラズマにより前記被処理物が前記表面処理される前記放電空間よりも前記被処理物の搬送方向上流側及び搬送方向下流側に位置する前記被処理物に対して、前記排気手段により排気された前記ガスを再供給手段により導き供給することを特徴とする請求項6に記載の大気圧プラズマ処理方法。
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JP2002151494A (ja) * | 2000-11-14 | 2002-05-24 | Sekisui Chem Co Ltd | 常圧プラズマ処理方法及びその装置 |
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