JP4568127B2 - ブラケットの固定構造 - Google Patents

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Description

本発明は、足場や支保工を構築するために既設の躯体へ設置されるブラケットの固定構造に関する。
足場や支保工の組立において、地上や躯体上から直接組み立てることができない場合や、地上や躯体上から直接組み立てると特殊な構造となることや大規模となることにより不経済となる場合には、躯体にブラケットを取り付けて、このブラケットを利用して足場や支保工を構築することが多い。そして、これらのブラケットは、躯体の既設部に配置された複数のアンカーにより固定されている(例えば特許文献1参照)。
このような従来のブラケットの固定構造は、図4(a)および(b)に示すように、ブラケット110の軸方向(図面の上下方向)において、既設躯体Bに複数箇所(図面では2箇所)配置されたアンカー114を利用して固定されている。
そして、ブラケット110を既設躯体Bに固定する複数のアンカー114,114により、ブラケット110の上方から下向きに作用する外力Fにより生じるせん断力、引抜き力および押込み力に抵抗する構成となっている。つまり、図4(a)に示すように、ブラケット110に外力Fが作用すると、上側のアンカー114にせん断力と引抜き力が作用し、下側のアンカー114にせん断力と押込み力が作用する構成となっている。
このような従来のブラケットの固定構造は、図4(c)に示すように、アンカー114の位置が何らかの原因によりずれていた場合に、そのずれを吸収することが可能となるように、アンカー114の直径より大きな内径に形成されたアンカー孔111aがブラケット110のたて材111のアンカー114に対応する位置に形成されている。つまり、ブラケット110は、アンカー孔111aの内径がアンカー114を遊挿可能に形成されているため、何らかの原因によりアンカー114の位置がずれていた場合でも、その誤差を吸収可能に構成されている。
そして、アンカー114のボルト114aを、アンカー孔111aを覆うように形成された座金114bに挿通させた後、インサート114cに締着することで、ブラケット110を既設躯体Bに固定している。
また、ボルト114aとアンカー孔111aとの間に形成された隙間には、充填材115が充填されており、ブラケット110に負荷される外力により作用するせん断力をアンカー114,114へ伝達可能に構成されている。
また、図4(a)および(b)に示すように、ブラケット110の取付時において、ブラケット110の自重を受けるとともに、ブラケット110の高さ位置を調節するブラケット受け手段120を有している場合があった。このブラケット受け手段120により、ブラケット110の設置作業時に、ブラケット受け台121にブラケット110を仮置きすることができるので、その作業が容易になると共に、ブラケット受け台121に配置されている高さ調整ボルト123によりブラケット110の高さ位置を調節することができるので、正確な位置に取り付けることを可能としている。なお、図4(a)および(b)の符号122は、ブラケット受け手段120を既設躯体Bに固定するアンカーである。
特開平11−141145号公報(全文)
ところが、前記ブラケットの固定構造は、ブラケット110に直接複数のアンカー114,114を固定する構成のため、アンカー114の施工精度が著しく悪い場合には、その施工が困難となる場合があった。つまり、ブラケット110に形成可能なアンカー孔111aの内径よりも大きなずれがアンカー114に生じていた場合には、ブラケット110を取り付けられないため、アンカー114を打ち直す必要がある等の問題点を有していた。
また、アンカー114の誤差に対応するために、アンカー孔111aの内径を大きく加工するための手間や加工費がかかるため、施工性と経済性に負担がかかるという問題点を有していた。
また、アンカー孔111aの内径を大きく加工するため、がたつきが生じる場合があり、設計時のせん断抵抗力Sを発現しない場合があるという問題点を有していた。
さらに、従来のブラケットの固定構造は、上載される足場や支保工の規模に応じて大きくなるせん断力に対して、アンカーの本数の増加やアンカーの規格を大きくする必要があるため、これに伴う、施工の手間や材料費により、施工性や経済性に支障をきたす場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構造によりアンカーの施工誤差に対応し、かつ、その耐力を落とすことなくブラケットを既設の躯体に取り付けることを可能としたブラケットの固定構造を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ブラケットと、前記ブラケットの上端部のみを既設躯体に固定する引抜き抵抗手段と、前記ブラケットの下端部近傍において前記ブラケットと分離して設けられ前記既設躯体に配置されるせん断抵抗手段と、を有するブラケットの固定構造であって、前記引抜き抵抗手段が、前記躯体との接合面に略平行な外力により生じる引抜力に対して抵抗し、前記既設躯体の前記ブラケットの下端部との接合面が、前記躯体との接合面に略平行な外力により生じる押し込み力に対して抵抗し、前記せん断抵抗手段が、前記ブラケットに作用するせん断力に対して抵抗ることを特徴としている。
かかるブラケットの固定構造は、ブラケットに作用する引抜き力に対しては、ブラケットの一方の端部に配置された引抜き抵抗手段により抵抗し、押込み力に対しては、ブラケットの他方の端部と躯体とを当接させることにより抵抗し、さらに、せん断力に対しては、ブラケットの近傍においてブラケットに隣接して設けられたせん断抵抗手段により受け持つ構成である。
つまり、せん断力に抵抗するせん断抵抗手段を、ブラケットと分割して個別に設置したことにより、従来、少なくとも引抜き側と押込み側との2点においてブラケットを固定していたところを、引抜き側のみで固定する構成とした。そのため、引抜き抵抗手段の位置のずれ等に対応したブラケットの加工や、アンカーの打ち直し等を行う必要が無く、その手間による施工期間や施工費用を削減することが可能となる。
また、かかるブラケットの固定構造は、例えば、ブラケットの上方からブラケットに荷重が作用する場合に、ブラケットの上端を引抜き抵抗手段により固定するとともに、ブラケットの下端に当接してせん断抵抗手段を配置することにより、ブラケットに作用するせん断力を、直接的にせん断抵抗手段に伝達させるものである。この構成によれば、ブラケットとせん断抵抗手段とを一体に固定することなくせん断力をせん断抵抗手段に伝達させることが可能となる。
また、かかるブラケットの固定構造によると、せん断抵抗手段を簡易な構造により構成することが可能となる。
なお、既設躯体に設置された引抜き抵抗手段とせん断アンカーに施工誤差が生じていても、ブラケットとせん断抵抗手段とが分離されているため、双方とも誤差に縛られることなく、それぞれ引抜き抵抗手段およびせん断アンカーの出来形に合せて固定することを可能としている。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載のブラケットの固定構造であって、前記せん断抵抗手段が、せん断アンカーと、前記せん断アンカーにより前記既設躯体に固定されるせん断受け材と、により構成されており、前記せん断アンカーが、前記既設躯体に埋設されるアンカーボルトと、一方の端部が前記アンカーボルトに固定されて、他方の端部が前記既設躯体から突出した状態で前記せん断受け材に固定されるせん断抵抗部と、を有していることを特徴としている。
かかるブラケットの固定構造は、大きなせん断力が作用する場合に、せん断力を直接アンカー自体で受け持つ構成である。つまり、作用するせん断力が大きいために、通常の鋼製のボルトのせん断抵抗力が不足する場合、または通常のインサートアンカーでは、躯体コンクリートの支圧破壊が生じることが想定される場合に、アンカーの一部を、例えば鉄製のコーン等、断面の大きい部材に置き換えることでアンカーの剛性を高めて応力の伝達が可能な構成として、破損を防止するものである。ここで、従来、せん断抵抗力を高めるために太径のボルトを使用する場合があったが、引抜き抵抗力が過剰となり不経済となることや、作業性が悪化すること等の問題点を有している。これに対し、本ブラケットの取付構造は、この問題点を解消し得るものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のブラケットの固定構造であって、前記せん断抵抗手段は、前記ブラケットとの間に形成された隙間に間詰材を挿入することにより前記ブラケットからのせん断力が伝達可能に構成されていることを特徴としている。
かかるブラケットの固定構造は、既設躯体に設置された引抜き抵抗手段およびせん断アンカーにそれぞれブラケットとせん断抵抗手段とを設置した際に、これらのブラケットとせん断抵抗手段との間に隙間が生じた場合に、この隙間に間詰材を介在させるものである。この構成により、せん断抵抗手段に、ブラケットに作用するせん断力が伝達されるため、ブラケットの既設躯体への固定に使用される引抜アンカーへのせん断力の負担を無くす、あるいは軽減することが可能となり、引抜き抵抗手段の規格を比較的小さくすることが可能となり、好適である。
さらに、請求項に記載の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のブラケットの固定構造であって、前記せん断抵抗手段が、連結手段を介して前記ブラケットに連結されていることを特徴としている。
かかるブラケットの固定構造は、せん断抵抗手段とブラケットとが、例えばずれ止めボルト等からなる連結手段を介して連結されているため、ブラケットの横方向(引抜き抵抗手段を軸としてブラケット面内および面外に回転する方向)へのずれが防止される。これにより、ブラケットがずれることがないため、安定した支持構造が確保される。
本発明のブラケットの固定構造によると、簡易な構造によりアンカーの施工誤差に対応可能で、その耐力を落とすことなくブラケットを既設の躯体に取り付けることが可能となり、かつ、抵抗機構が明快なことにより合理的な設計も可能となるため、施工性、経済性および安全性に優れたブラケットによる支持構造を提供することが可能となる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
なお、図1は、本発明のブラケットの固定構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。また、図2は、本発明のブラケットの固定構造に係るせん断抵抗手段を示す詳細図であって、(a)は側断面図、(b)は正面図である。さらに、図3は、本発明のブラケットの固定構造の他の実施形態を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。
本実施形態に係るブラケットの固定構造1は、ブラケット10を既設躯体Bの表面(接合面B1)に固定するものであり、ブラケット10に作用する引抜き力に抵抗する引抜き抵抗手段14と、ブラケット10に作用するせん断力に抵抗するせん断抵抗手段20とから構成されている。図1(a)および(b)に示すように、引抜き抵抗手段14は、ブラケット10の、外力Fにより引抜き力が作用する側(本実施形態では上側)の端部を、既設躯体Bに締着している。一方、せん断抵抗手段20は、ブラケット10の、押込み力が作用する側(本実施形態では下側)に、ブラケット10の端部と隙間を介して独立して配置されている。
つまり、本実施形態に係るブラケットの固定構造1は、ブラケット10に作用する既設躯体Bとの接合面B1に略平行な外力Fに対して、引抜き抵抗手段14の引抜き抵抗力Tと、せん断抵抗手段20のせん断抵抗力Sと、ブラケット10の下部における既設躯体Bとの接合面B1の押込み抵抗力Pにより抵抗する構造である。
本実施形態に係るブラケット10は、図1(a)に示すように、それぞれH形鋼の端部に矩形状の鋼板が接合されていることにより構成されたたて材11とよこ材12と斜材13とを、側面視で三角形状を示すように組み合わせて形成されている。なお、斜材13の両端には、それぞれたて材11とよこ材12との接合のための継材13aが接合されている。たて材11、よこ材12、斜材13および継材13aの接合は、ボルト・ナット15により締着されることにより行われている。なお、継材13aの形状は限定されるものではなく、斜材13とたて材11またはよこ材12との角度等に応じて、適宜鋼材を組み合わせることにより構成されている。
たて材11は、既設躯体Bの接合面B1に一方のフランジが当接するように配置されており、この既設躯体B側のフランジには、その上部に図示しないアンカー孔が2箇所形成されている。そして、このたて材11のアンカー孔にボルト14cを挿通し、コーン14bに螺合することにより、たて材11が既設躯体Bに締着される。また、たて材11の下端に接合された鋼板には、ずれ止めボルト24が挿通可能なボルト孔(図示せず)が形成されている。
さらに、たて材11の他方のフランジには、その上部によこ材12と接合するためのボルト孔(図示せず)が形成されており、下部に斜材13の継材13aと接合するためのボルト孔(図示せず)が形成されている。
よこ材12は、たて材11の上端と平面をなすように配置されており、一端がたて材11の他方(接合面B1と反対側)のフランジの上部に当接した状態で、ボルト・ナット15を介して固定されている。なお、よこ材12は、図1(a)に示すように、H形鋼のフランジが上下に配置されるように、水平に固定されており、その上面に各種部材等の上載が可能となっている。また、よこ材12の他端(図1(a)で右側の端部)には、下側のフランジに、斜材13の継材13aとの接合のためのボルト孔が所定数形成されている。
斜材13は、たて材11の下側のフランジの下面と、よこ材12の他端のフランジの側面にそれぞれ継材13a,13aを介して接合されている。
ここで、たて材11、よこ材12および斜材13を構成する材料は、H形鋼に限定されるものではなく、ブラケット10の形状、作用する外力Fの大きさ等に応じて、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。また、本実施形態では、複数の部材を組み合わせてブラケット10を形成する構成としたが、組み合わせかたはボルト・ナットによる締着に限定されるものではなく、例えば、溶接接合により組み合せてもよい。また、鋼材を予め所定の形状に加工した一体物のブラケットを使用してもよいことはいうまでもない。さらに、ブラケットの形状は三角形に限定されるものではない。
たて材11の上方の端部を既設躯体Bに締着する引抜き抵抗手段14は、既設躯体Bに埋設されたアンカーボルト14aと、アンカーボルト14aのブラケット10側(図面で右側)の端部に固定されて接合面B1と平面をなすコーン14bと、コーン14bに螺合されるボルト14cと、ボルト14cに挿通される座金14dと、アンカーボルト14aのブラケット10と反対側(図面で左側)の端部に配置されるアンカープレート14eと、アンカープレート14eを挟持するアンカーナット14fおよびロックナット14gとから構成されている。このアンカーボルト14aは、アンカープレート14eにより、引抜き力に抵抗するものである。ここで、引抜き抵抗手段14の構成は、所要の引抜き抵抗力Tが得られる構成であれば限定されるものではなく、例えば、異形鉄筋やネジ切り加工が施された鉄筋棒等をアンカーボルト14aとして使用してもよい。この場合、アンカープレート14eを有していない構成としてもよい。また、引抜き抵抗手段14のコーン14bは、アンカーボルト14aとボルト14cとを接合するための継部材であって、引抜き抵抗手段14に作用する引抜き力に対して十分な耐力を有していれば、その形状等は限定されるものではない。さらに、設計上問題がなければ、引抜き抵抗手段14のアンカー形式は限定されるものではなく、例えばインサートを使用するアンカー等、公知の一般的なアンカーを使用することが可能である。
せん断抵抗手段20は、図1(a)に示すように、ブラケット10の押込み力が作用する側に配設されて、外力Fに起因して発生するせん断力に抵抗する部材であって、本実施形態では、ブラケット10の下方に隣接して配置されている。
そして、ブラケット10とせん断抵抗手段20とは、連結手段であるずれ止めボルト24を介して連結されている。
このせん断抵抗手段20は、既設躯体Bに設置されたせん断アンカー22と、このせん断アンカー22により既設躯体Bに固定されたせん断受け材21とから構成されている。
せん断受け材21は、既設躯体Bの接合面B1に突設されており、図2(a)および(b)に示すように、矩形状の鋼板を側面視で略L形を示すように構成された本体21aと、本体21aの両端と中央に配置された3枚の三角形状の鋼板からなり補強材としてのリブ21bとから構成されている。そして本体21aは、一方の鋼板(以下、「たて鋼板」という場合がある)が既設躯体Bの接合面B1に当接し、他方の鋼板(以下、「よこ鋼板」という場合がある)がブラケット10の下方において水平をなすように配置されている(図1(a)または(b)参照)。
本体21aの既設躯体Bと当接するたて鋼板には、せん断アンカー22のコーン22bを嵌合可能なアンカー孔21cが2箇所に形成されており、本体21aのよこ鋼板にはずれ止めボルト24を挿通する図示しないボルト孔が2箇所に形成されている。ここで、本体21aに形成されるアンカー孔21cおよびボルト孔の数は限定されるものではなく、ブラケット10の規模や作用するせん断力等に応じて、適宜設定すればよい。また、せん断受け材21を構成する材料や形状は限定されるものではなく、ブラケット10に作用するせん断力に対して、十分な抵抗力を発現することが可能に構成すればよい。
せん断アンカー22は、既設躯体Bに埋設されたアンカーボルト22aと、一方の端部がアンカーボルト22aに固定されて他方の端部が既設躯体Bから突出しているコーン(せん断抵抗部)22bと、コーン22bの突出部側の端部にて螺合されるボルト22cと、ボルト22cが挿通される座金22dとにより構成されている。なお、コーン22bは、既設躯体Bへの埋設部分がアンカーボルト22a側に行くに従いその直径が小さくなる、いわゆるコーン状に形成されており、突出部分は円柱状に形成されている。コーン22bの両端にはそれぞれアンカーボルト22aのネジ穴と、ボルト22cのネジ穴が形成されている。そして、その端面がこのコーン22bは、せん断受け材21(本体21a)の表面と一致するように既設躯体Bから一部が突出した状態で既設躯体Bに埋設されている。
なお、せん断抵抗手段20は、図1(a)および(b)に示すように、ブラケット10と隙間を有して配置されており、このブラケット10とせん断抵抗手段20との間に形成された隙間には、ライナー(間詰材)23が挿入されており、ブラケット10からのせん断力がせん断抵抗手段20へ伝達可能に構成されている。
そして、本実施形態に係るブラケットの固定構造によれば、ブラケット10のよこ材12に載荷された外力Fにより生じる引抜き力、押込み力、せん断力に対して、引抜き抵抗手段14の引抜き抵抗力T、ブラケット10のたて材11と既設躯体Bとの当接面の押込み抵抗力P、せん断アンカー22のせん断抵抗力Sにより抵抗することが可能なため、安定性に優れたブラケット構造が提供される。
また、せん断力を負担するせん断抵抗手段20を、ブラケット10と分離したため、引抜き抵抗手段14またはせん断アンカー22の出来形に合せてブラケット10とせん断受け材21を固定することが可能となる。このため、引抜き抵抗手段14とせん断アンカー22(以下、引抜き抵抗手段14とせん断アンカー22を区別しない場合は、単に「アンカー14,22」という場合がある)に施工誤差によるずれが生じていても、ブラケット10またはせん断抵抗手段20に特別な加工を施す必要がないため、施工性に優れている。
また、ブラケット10またはせん断抵抗手段20は、各アンカー14,22の出来形に合せてそのまま設置されるため、施工誤差等によるずれを吸収するための加工を施す必要がなく、リース材等の使用や、各鋼材の転用等が可能となり、経済性に優れている。
ブラケット10とせん断抵抗手段20との間に形成された隙間には、ライナー23からなる間詰材が介在されているため、ブラケット10に作用するせん断力は、確実にせん断抵抗手段20に伝達される。また、ブラケット10とせん断抵抗手段20とは、ずれ止めボルト24により接続されているため、ブラケット10が回転することがなく、安定した支持構造を構築することが可能である。
せん断アンカー22は、ブラケット10に作用するせん断力を、ボルト22cにより受け持つのではなく、既設躯体Bに埋め込まれたせん断アンカー22(コーン22b)により受け持つため、合理的に力を伝達して、既設躯体Bの支圧破壊を防止することを可能としている。つまり、断面形状が大きく、剛性の強いコーン22bによりせん断力を受け持つことで、既設躯体Bに生じる支圧応力を低減し、負荷を軽減する。ここで、ブラケット10に作用するせん断力がボルト22cにより抵抗することが可能な程度の大きさであれば、コーン22bを躯体から突出させずに、ボルト22cによりせん断力を受け持つ構成としてもよいことはいうまでもない。また、せん断アンカー22は、コーン形式のアンカーに限定されるものではなく、例えばインサートを使用するアンカー等、公知の一般的なアンカーを使用することも可能である。
また、ブラケット10として、図3(a)および(b)に示すブラケットの取付構造2のように、引抜き抵抗手段14の取付部に、取付部材16を別部材として配置することにより、たて材11’、よこ材12、斜材13に、アンカー孔を形成する等の特殊な加工を施す必要がなくなるため、これらのたて材11’、よこ材12、斜材13として、リース材を使用することが可能となるため、経費を大幅に削減することが可能となる。
また、既設躯体Bが垂直ではなく、傾斜を有して形成される場合には、取付部材16またはせん断抵抗手段20の水平方向の長さを長くすることにより、対応することが可能となる。
なお、複数のブラケット10を利用して足場や支保工を組み立てる場合において、既設躯体Bに設置された引抜き抵抗手段14のずれなどにより、隣接するブラケット10同士の上面の高さに高低差が生じた場合には、適宜高さ調整部材を配置して、各ブラケット10の高さを一定にするものとする。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、外力により作用するせん断力に対して、ブラケットの下部に設けられたせん断抵抗手段により抵抗する構成としたが、せん断力の一部をブラケットの上部の固定に採用された引抜き抵抗手段により受け持つ構成としてもよいことはいうまでもない。
また、前記実施形態では、外力がブラケットの上方から下向きに作用する場合において、せん断抵抗手段をブラケットの下方に配置する構成としたが、例えば、せん断抵抗手段をブラケットの上方に配置してボルト等によりブラケットと接合するなど、ブラケットに作用するせん断力の伝達が可能であれば、せん断抵抗手段の配置箇所は限定されるものではない。
また、前記実施形態では、外力が上から下に作用する場合について説明したが、ブラケットの設置方向は限定されるものではなく、水平方向に外力が作用する場合にも本発明のブラケットの固定構造が採用可能であることはいうまでもない。
また、本発明のブラケットの固定構造に使用される各アンカー(引抜き抵抗手段およびせん断アンカー)の構成は、それぞれが所望の引抜き抵抗力またはせん断抵抗力を発現することが可能であれば限定されるものではなく、適宜公知のアンカー形式から選定すればよい。例えば、前記各実施形態では、引抜き抵抗手段としてボルトをコーンに螺合することによりブラケットを締着する構成としたが、例えば、ネジ加工が施されたアンカーボルトの先端が躯体から突出するように配設されたアンカーを使用して、当該アンカーボルトを挿通してブラケットおよび座金を配置した後、ナットをアンカーボルトに螺合することにより締着する構成としてもよい。
本発明のブラケットの固定構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正断面図である。 本発明のブラケットの固定構造に係るせん断抵抗手段を示す詳細図であって、(a)は側断面図、(b)は正面図である。 本発明のブラケットの固定構造の他の実施形態を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正断面図である。 従来のブラケットの固定構造を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正断面図、(c)は図4(a)における固定箇所の拡大断面図である。
符号の説明
1,2 ブラケットの固定構造
10,10’ ブラケット
14 引抜き抵抗手段
20 せん断抵抗手段
21 せん断受け材
22 せん断アンカー
22b コーン(せん断抵抗部)
23 ライナー(間詰材)
24 ずれ止めボルト
B 既設躯体
F 外力
P 押込み抵抗力
S せん断抵抗力
T 引抜き抵抗力

Claims (4)

  1. ブラケットと、
    前記ブラケットの上端部のみを既設躯体に固定する引抜き抵抗手段と、
    前記ブラケットの下端部近傍において前記ブラケットと分離した状態で前記既設躯体に配置されるせん断抵抗手段と、を有するブラケットの固定構造であって、
    前記引抜き抵抗手段が、前記躯体との接合面に略平行な外力により生じる引抜力に対して抵抗し、
    前記既設躯体の前記ブラケットの下端部との接合面が、前記躯体との接合面に略平行な外力により生じる押し込み力に対して抵抗し、
    前記せん断抵抗手段が、前記ブラケットに作用するせん断力に対して抵抗ることを特徴とする、ブラケットの固定構造。
  2. 前記せん断抵抗手段が、せん断アンカーと、前記せん断アンカーにより前記既設躯体に固定されるせん断受け材と、により構成されており、
    前記せん断アンカーが、前記既設躯体に埋設されるアンカーボルトと、
    一方の端部が前記アンカーボルトに固定されて、他方の端部が前記既設躯体から突出した状態で前記せん断受け材に固定されるせん断抵抗部と、を有していることを特徴とする、請求項に記載のブラケットの固定構造。
  3. 前記せん断抵抗手段は、前記ブラケットとの間に形成された隙間に間詰材を挿入することにより前記ブラケットからのせん断力が伝達可能に構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のブラケットの固定構造。
  4. 前記せん断抵抗手段が、連結手段を介して前記ブラケットに連結されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のブラケットの固定構造。
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JPH11141145A (ja) * 1997-11-12 1999-05-25 Okabe Co Ltd 支保工ブラケット

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