JP4566779B2 - 内視鏡の鉗子栓 - Google Patents

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Description

この発明は内視鏡の鉗子栓に関する。
内視鏡の鉗子栓は一般に、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に着脱自在に設けられたゴム製の部材であり、処置具不使用時と使用時の双方の状態において処置具挿通チャンネルを通じて体内の汚液が噴出して周囲を汚染しないようにするために、処置具が通されることにより弾性変形して押し広げられるスリットを有する第1の閉鎖膜と、処置具が通されることにより弾性変形して押し広げられる開口を有する第2の閉鎖膜とが二重に配置されている。
そして、スリットを通過できないような太径の処置具を使用する際等には、第1の閉鎖膜を外して第2の閉鎖膜の開口だけに処置具を通すことができるように、第1の閉鎖膜は、第2の閉鎖膜が形成された樽状部材に対して着脱自在な蓋状部材に形成されている(例えば、特許文献1)。
しかし、そのような第1の閉鎖膜が形成された蓋状部材が樽状部材から取り外された状態では、処置具が通されていない時に第2の閉鎖膜に形成されている開口から体内汚液等が漏れ出し易いという問題がある。
そこで、処置具が通されることにより弾性変形して一端側を支点に押し下げられる舌片を第2の閉鎖膜の裏面に面する状態に配置して、処置具不使用時に処置具挿通チャンネル内の圧力が高まった時は、その圧力で舌片が閉鎖膜の裏面に押し付けられて開口部分が裏側から塞がれるようにすることも考えられる(例えば、特許文献2)。
特開2001−218732 実公平5−15282
内視鏡検査が終わると、一症例毎に、内視鏡本体だけでなく鉗子栓等も完全に洗浄消毒を行う必要があり、特許文献2に記載された鉗子栓の場合は、舌片と閉鎖膜との間の部分が汚れたままにならないように注意する必要がある。
しかし、特許文献2に記載された鉗子栓で舌片と閉鎖膜との間の部分を洗浄するためには、舌片を根元側(支点側)から大きく折り曲げて閉鎖膜との間に十分な隙間を作らなければならないので、舌片の根元部分に短期に割れが発生して鉗子栓を新品に交換しなければならなくなってしまう。
そこで本発明は、処置具挿通チャンネルの入口からの汚液漏れを確実に防止すると共に、使用後には各部を容易かつ確実に洗浄消毒することができて、優れた耐久性を有する内視鏡の鉗子栓を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の鉗子栓は、底部側が内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に連通する状態に取り付けられる弾力性のある材料からなる樽状部材と、樽状部材の頭部側に係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とが設けられ、処置具が通されることにより弾性変形して押し広げられるスリットを有する閉鎖膜が蓋状部材に形成された内視鏡の鉗子栓において、樽状部材内の処置具が通る空間には、蓋状部材が樽状部材に取り付けられたとき閉鎖膜の裏面壁に当接してスリットを塞いだ状態になる舌片のみが樽状部材の内壁から内方に向かって突出形成され、舌片は、蓋状部材が樽状部材に取り付けられると閉鎖膜の裏面壁により一端側を支点に押し下げられ、処置具がスリットを通って通過することによりさらに押し退けられた状態になるようにしたものである。
本発明によれば、蓋状部材が樽状部材に取り付けられると閉鎖膜の裏面壁により舌片が一端側を支点に押し下げられて閉鎖膜の裏面壁に当接してスリットを塞いだ状態になるので、処置具挿通チャンネル入口からの汚液漏れを確実に防止することができると共に、樽状部材内の処置具が通る空間には舌片のみしか形成されていないので、使用後には蓋状部材を樽状部材から取り外すことにより閉鎖膜と舌片を含め各部を容易かつ確実に洗浄消毒することができ、その際に舌片を折り曲げたりする必要がないので耐久性も優れている。
底部側が内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に連通する状態に取り付けられる弾力性のある材料からなる樽状部材と、樽状部材の頭部側に係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とが設けられ、処置具が通されることにより弾性変形して押し広げられるスリットを有する閉鎖膜が蓋状部材に形成された内視鏡の鉗子栓において、樽状部材内の処置具が通る空間には、蓋状部材が樽状部材に取り付けられたとき閉鎖膜の裏面壁に当接してスリットを塞いだ状態になる舌片のみが樽状部材の内壁から内方に向かって突出形成され、舌片は、蓋状部材が樽状部材に取り付けられると閉鎖膜の裏面壁により一端側を支点に押し下げられ、処置具がスリットを通って通過することによりさらに押し退けられた状態になるようにする。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2において、1は、可撓管によって外装された内視鏡の挿入部であり、その基端が操作部2の下端に連結されている。
挿入部1内に挿通配置された処置具挿通チャンネル3の先端は挿入部1の先端において外部に開口し、処置具挿通チャンネル3の入口部分に取り付けられた鉗子栓10が、操作部2の下端部分から斜め上方に突出する状態に配置されている。
鉗子栓10は、処置具挿通チャンネル3の入口部分に着脱自在に取り付けられる弾力性のある材料からなる樽状部材11と、樽状部材11に対して係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材12とにより構成されており、図2には、蓋状部材12が樽状部材11から外された状態が示されている。
図1は、処置具挿通チャンネル3の入口端部に設けられた処置具挿入口金30に対して鉗子栓10が取り付けられた状態を示しており、処置具挿入口金30は、処置具挿通チャンネル3に連通して操作部2の外壁面から突出した状態に配置されている。
鉗子栓10は、弾力性のあるゴム材によって形成された無底状の樽状部材11の頭部側に、やはり弾力性のあるゴム材によって形成された蓋状部材12を着脱自在に取り付けて、その二部品だけで構成されている。
樽状部材11の底部側位置の内径部分には小径部13が形成されており、小径部13を弾性変形させて処置具挿入口金30に形成されている括れ部31に係合させることにより、樽状部材11が処置具挿入口金30に取り付けられて処置具挿通チャンネル3と連通する状態になり、その状態から力を加えて樽状部材11を弾性変形させることにより、小径部13と括れ部31との係合を外して、樽状部材11を処置具挿入口金30から取り外すことができる。
蓋状部材12の中央部分は内方に向かって窪んだ形状に形成されていて、その底面部分が閉鎖膜14になっており、その閉鎖膜14の中央部分に「−」状のスリット15が形成されている。
スリット15は、通常は自己の弾力性によって閉じた状態を維持して処置具挿通チャンネル3内と外部との間をシールしており、処置具挿通チャンネル3に挿脱される処置具等により弾力的に押し広げられた状態に弾性変形する。
そのような閉鎖膜14部分から外径方向に間隔をあけて周囲を囲む状態に蓋状部材12に形成された円周壁部には、弾性変形させることにより、樽状部材11の上端近傍の外周面に形成された円周溝16に係脱自在な内方突起17が形成されている。
したがって、円周溝16と内方突起17との係合を外すことにより、図3に示されるように、蓋状部材12を樽状部材11から取り外すことができる。ただし、蓋状部材12から一体的に延出形成された連結ベルト18が樽状部材11の下端付近に常に連結されているので、樽状部材11と蓋状部材12が完全に分離してしまう訳ではない。
蓋状部材12が樽状部材11に取り付けられた状態の時に蓋状部材12の閉鎖膜14の裏面に面する位置には、舌片20が、樽状部材11の内周壁から内方に向かって突出形成されている。舌片20は、図3におけるIV−IV断面を図示する図4に示されるように、その一端側に形成されたつながり部21においてのみ樽状部材11と片持状態でつながっている。
舌片20は、図3に示されるように、樽状部材11に蓋状部材12が取り付けられていない無負荷の状態では、つながり部21側に比べてその逆側の自由端側が頭部寄りに位置するようにやや斜めに傾いて形成されている。
図1に示されるように、樽状部材11の頭部に蓋状部材12が取り付けられると、舌片20に閉鎖膜14の裏面壁が全面で当接して、舌片20がスリット15を塞いだ状態でつながり部21側を支点に樽状部材11の内方に弾力的に押し下げられた状態になる。
そしてこの状態では、つながり部21が弾性変形しているので、その弾力により舌片20が閉鎖膜14の裏面壁に押し付けられた状態に密着し、スリット15が処置具挿通チャンネル3側から舌片20で塞がれた状態になっている。
したがって、スリット15自体の閉じ状態の密着性が不十分であっても処置具挿通チャンネル3内からの汚液漏れ等が発生せず、処置具挿通チャンネル3内の圧力がゲップなどにより高まれば舌片20が閉鎖膜14の裏面壁にさらに強く押し付けられて、汚液漏れが発生しない。
処置具100を処置具挿通チャンネル3に挿通する際には、図5に示されるように、処置具100の通過によってスリット15が押し広げられた状態に弾性変形することで汚液漏れが防止される。
そして、舌片20はスリット15を通過した処置具100によってさらにつながり部21を支点に押し退けられた状態に弾性変形し、鉗子栓10から処置具100を引き出せば、舌片20が閉鎖膜14の裏面壁に密接する図1に示される状態に戻る。
そのような鉗子栓10の樽状部材11内の処置具100が通る空間には、舌片20以外の閉鎖膜の類は設けられていない。したがって、内視鏡検査が終了して鉗子栓10を洗浄消毒等する際には、図6に示されるように、内視鏡の処置具挿入口金30から鉗子栓10を取り外して、蓋状部材12を樽状部材11の頭部から外した状態にすることにより、蓋状部材12側の閉鎖膜14を容易に洗浄消毒することができるだけでなく、樽状部材11の内部側も舌片20を折り曲げたりすることなく表裏両面から容易に洗浄消毒することができ、鉗子栓10の各部を極めて容易に洗浄消毒することができる。
本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓が内視鏡に取り付けられた状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の蓋状部材が樽状部材から外された状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓の図3におけるIV−IV断面図である。 本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓に処置具が差し込まれた状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡の鉗子栓が内視鏡から取り外されて洗浄される状態の側面断面図である。
符号の説明
3 処置具挿通チャンネル
10 鉗子栓
11 樽状部材
12 蓋状部材
14 閉鎖膜
15 スリット
20 舌片
21 つながり部
100 処置具

Claims (1)

  1. 底部側が内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に連通する状態に取り付けられる弾力性のある材料からなる樽状部材と、上記樽状部材の頭部側に係脱自在な弾力性のある材料からなる蓋状部材とが設けられ、処置具が通されることにより弾性変形して押し広げられるスリットを有する閉鎖膜が上記蓋状部材に形成された内視鏡の鉗子栓において、
    上記樽状部材内の処置具が通る空間には、上記蓋状部材が上記樽状部材に取り付けられたとき上記閉鎖膜の裏面壁に当接して上記スリットを塞いだ状態になる舌片のみが上記樽状部材の内壁から内方に向かって突出形成され、
    上記舌片は、上記蓋状部材が上記樽状部材に取り付けられると上記閉鎖膜の裏面壁により一端側を支点に押し下げられ、処置具が上記スリットを通って通過することによりさらに押し退けられた状態になることを特徴とする内視鏡の鉗子栓。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10192228A (ja) * 1997-01-11 1998-07-28 Fuji Photo Optical Co Ltd 内視鏡用鉗子栓
JP2002282205A (ja) * 2001-03-22 2002-10-02 Fuji Photo Optical Co Ltd 内視鏡用鉗子栓

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