JP4566517B2 - 記録及び/又は再生装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状記録媒体に対する情報信号の記録及び/又は再生装置に関し、特にディスクトレイと装置本体との係合機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノート型パソコン等の携帯用電子機器においても高機能化が進み、CD−R/RWやDVD−ROMのドライブが搭載されている。そして、これらの各ドライブは、読み込み速度又は書き込み速度の向上やDVDの再書き込み機能等の付加が求められるようになっている。
【0003】
また、ノート型パソコンは、携帯して持ち歩くに際してA4サイズよりもB5サイズが実用的であることから、高機能化と共に薄型化や軽量化が進み、搭載されるCD−R/RWやDVD−ROMのドライブユニットもできるだけ薄く形成されることが求められている。
【0004】
ところで、CD−R/RWやDVD−ROMの記録又は再生を行うドライブユニットにおいては、図25に示すものがある。この種のドライブユニット300は、装置本体301と、装置本体301の内外に亘って移動可能に形成され、内部にDVD等の光ディスク302が載置されるディスクトレイ303と、ディスクトレイ303の裏面側より収納され、載置された光ディスク302に対して情報信号の再生を行う光ピックアップユニット304とを有する。
【0005】
光ピックアップユニット304は、ディスクテーブル313が組み付けられた鉄製のベースシャーシ315と、対物レンズ312を備えたピックアップベース317とを有する。
【0006】
この光ピックアップユニット304は、光ディスク302の載置面側にカバー部材320がビス等によって取り付けられている。カバー部材320は、開口部321が設けられ、この開口部321より光ピックアップユニット304に設けられた対物レンズ312やディスクテーブル313が臨まされている。なお、光ピックアップユニット304は、下面側に金属製の底板322が設けられ、この底板322がディスクトレイ303の裏面に形成された収納部にビス止めされることにより、底板322とディスクトレイ303とによって狭持される。
【0007】
ディスクトレイ303は、略矩形状のトレイ本体305の主面部305aに光ディスク302が載置される収納凹部310が形成され、トレイ本体305の裏面部に光ピックアップユニット304が収納される収納部325が形成されている。この収納部325には、カバー部材320が取り付けられた光ピックアップユニット304が収納される。また、収納凹部310には開口部311が形成され、この開口部311よりカバー部材320が臨まされている。これにより、カバー部材320は、収納凹部310の一部を構成する。また、カバー部材320の開口部321からは光ピックアップユニット304に設けられた対物レンズ312や光ディスク302を回転可能に保持するディスクテーブル313が臨まされている。
【0008】
図26に示すように、ディスクトレイ303の裏面に形成された光ピックアップユニット304の収納部325には、ディスクトレイ303を装置本体301内に保持する保持機構330が形成されている。保持機構330は、ディスクトレイ303を装置本体301外へ付勢する付勢機構331と、装置本体301の下ハーフに突設された係合突部326と係合されることでディスクトレイ303と装置本体301とを係合させる係合機構332とを有する。
【0009】
付勢機構331は、装置本体301の背面壁301aに突き当てられることでディスクトレイ303を装置本体301外へ押し出す押し出し部材335と、押し出し部材335に背面壁301a側への付勢力を付与するコイルバネ336とを有する。
【0010】
押し出し部材335は、略棒状に形成され、長手方向の略中間部にフランジ部335aが形成されている。また押し出し部材335は、ディスクトレイ303に形成された収納部338に配設されている。収納部338は、ディスクトレイの一側面近傍に、ディスクトレイ303の挿脱方向に沿って形成されている。この収納部338は、ディスクトレイ303の背面部303aに貫通孔338aが形成され、略中間部に押し出し部材335のフランジ部335aが係止される係止段部338bが形成されている。また、収納部338は、係止段部338bからさらにディスクトレイ5の前面部303b側に後述するコイルバネ336の一端部が係止される係止壁339が形成されている。係止壁339は押し出し部材335の挿通孔が形成され、さらに前面部303b側には押し出し部材335の挿通部340が形成されている。
【0011】
コイルバネ336は、収納部338の係止段部338bと係止壁339間に配設されている。またコイルバネ336は、中空部に押し出し部材335が挿通され、一端を押し出し部材335のフランジ部335aに係止されると共に、他端を係止壁339に係止されている。
【0012】
このような付勢機構331は、コイルバネ336が押し出し部材335のフランジ部335aを背面部303a側に付勢することにより、図26に示すように、押し出し部材335を背面部303aより突き出している。このとき、押し出し部材335のフランジ部335aは、収納部338の係止段部338bに係止される。
【0013】
この後、ディスクトレイ303が装置本体301内に収納されると、ディスクトレイ303から突き出されている押し出し部材335は、装置本体301の背面壁301aに突き当てられ、コイルバネ336の付勢力に対抗してディスクトレイ303の前面部303b側に押し戻される。これにより、コイルバネ336は、押し出し部材335のフランジ部335aに押圧され、前面部303b側へ圧縮される。そして、ディスクトレイ303が後述する係合機構332によって装置本体301と係合されると、図27に示すように、コイルバネ336は押し出し部材335を背面部303a側へ付勢する付勢力を保持した状態とされる。なお、このとき、押し出し部材335は、係止壁339に形成された挿通孔を挿通し、挿通部340へ通されている。
【0014】
この後、係合機構332によりディスクトレイ303と装置本体301との係合が解除されると、コイルバネ336は、押し出し部材335のフランジ部335aを背面部303a側に付勢する。押し出し部材335は、貫通孔338aを貫通してディスクトレイ303の背面部303aより突き出され、装置本体301の背面壁301aに突き当てられる。そしてコイルバネ336は、さらに押し出し部材335を付勢すると、装置本体301の背面壁301aに突き当てられた押し出し部材335のフランジ部335aよりディスクトレイ303の前面部303b側へ伸長していく。従って、コイルバネ336は、係止壁339を前面部303b側へ付勢していくことによりディスクトレイ303を装置本体301外へ排出させる。
【0015】
次いで、ディスクトレイ303が装置本体301内に挿入されたときに、ディスクトレイと装置本体301とを係合する係合機構332について説明する。
【0016】
係合機構332は、図28に示すように、上記装置本体301に設けられディスクトレイ303と係合することにより該ディスクトレイ303を装置本体301内に係合保持する係合凸部326と、ディスクトレイ303に設けられ係合凸部326を係合する方向に回動付勢された係合片341とを有する。
【0017】
係合突部326は、図25に示すように、装置本体301の下ハーフの一側面部近傍に突設されている。係合凸部326は、略円柱状に形成され、ディスクトレイ303が装置本体301内に挿入されることにより、ディスクトレイ303側に形成された係合片341と係合し、ディスクトレイ303を装置本体301内に保持する。
【0018】
この係合凸部326を係合する係合片341は、図28に示すように、鉤状に形成され係合凸部326を係合する係合部342と、先端部に係合部342が形成された胴体部343と、胴体部343の基端側に設けられ、係合片341の回動支点となる支柱部344と、後述する排出釦345と接触される当接部346とを有する。この係合片341は、支柱部344を支点に図28中矢印D方向又は反矢印D方向に回動可能に形成されると共に、この支柱部344に捻りコイルバネ347が巻回されることにより、常時図28中矢印D方向に回動付勢されている。係合片341は、図28中矢印D方向に回動されることにより、装置本体301に突設された係合凸部326の移動軌跡上に係合部342が位置される。
【0019】
なお、当接部346と接触する排出釦345は、装置本体301の前面部301b側に形成される図示しない操作パネル等に設けられ、ディスクトレイ303を引き出す際にユーザに操作されることによって当接部346を押圧し、係合片341を図28中反矢印D方向に回動させる。
【0020】
係合片341は、胴体部343の先端側から係合凸部326の進行方向に向かって矢印D方向に膨出する傾斜面343aが形成され、この傾斜面343aの膨出端に鉤状の係合部342が形成されている。また、係合片341は、支柱部344を介して傾斜面343aと反対側に当接部346が形成され、当接部346が排出釦345に押圧されることにより図28中反矢印D方向へ回動される。そして、係合部342は、矢印D方向に回動されることにより、係合凸部326を係合し、ディスクトレイ303を装置本体301内に保持し、反矢印D方向に回動されることにより係合凸部326の係合を解除し、上述したコイルバネ336及び押し出し部材335によってディスクトレイ303を装置本体301より排出可能とする。
【0021】
具体的に、ディスクトレイ303が装置本体301内に挿入されていくと、装置本体301の下ハーフに突設された係合凸部326が図28中矢印H方向に進み、傾斜面343aに突き当てられ、係合片341を反矢印D方向に回動させる。そして、係合凸部326が傾斜面343aの先端部を越えると、係合片341は、捻りコイルバネ347の付勢力によって矢印D方向に回動され、係合部48が再び係合凸部326の移動軌跡上に位置される。これにより係合片341は、係合部342に係合凸部326が係合され、ディスクトレイ303と装置本体301とが係合される。
【0022】
ディスクトレイ303を装置本体301外へ排出させるときは、当接部346を押圧する排出釦345を操作する。この排出釦345により当接部346が押圧されると、係合片341は、図28中反矢印D方向に回動される。係合片341が反矢印D方向に回動されると、係合部342は、係合凸部326の移動軌跡上より退避され、係合凸部326との係合が解除される。これによりディスクトレイ303と装置本体301との係合が解除され、ディスクトレイ303は、上述した付勢機構331によって装置本体301外へ押し出される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述したドライブユニット300においては、ディスクトレイ303を装置本体301内に保持する保持機構330は、排出釦345によって係合機構332の係合を解除するものであるため、光ディスクへ記録データの記録又は再生動作中に、誤って排出釦345が押され、ディスクトレイ303と装置本体301との係合が解除され、記録又は再生動作に支障を来す場合がある。
【0024】
そこで、本発明は、ディスクトレイを装置本体内に保持する保持機構を備えた記録再生装置において、ディスクトレイの挿脱を確実に行うことができる係合機構を備えた記録再生装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明にかかる記録及び/又は再生装置は、装置本体内外に亘って移動されるディスクトレイと、上記ディスクトレイに載置される記録媒体を駆動する駆動機構と、上記記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生手段と、上記ディスクトレイを上記装置本体内に保持するディスクトレイ保持機構とを備え、上記ディスクトレイ保持機構は、上記ディスクトレイを装置本体内に係合保持する係合凸部と、上記係合凸部を係合する方向に回動付勢される係合部材と、上記係合部材と接触し、該係合部材を上記係合凸部と係合させ又は上記係合凸部との係合を解除させる回動部材と、上記係合凸部に押圧されることにより上記回動部材と当接され、上記係合部材が上記係合凸部に係合する方向に上記回動部材を押圧する押圧部材と、上記回動部材を保持するとともに該回動部材を回動させる保持手段と、上記ディスクトレイを上記装置本体外へ付勢する付勢部材とを有し、上記ディスクトレイが上記付勢部材の付勢力に対抗して上記装置本体内に挿入されることにより、上記係合凸部が上記押圧部材を押圧し、上記押圧部材と当接した上記回動部材が上記係合部材を上記係合凸部と係合する方向に回動されるとともに上記保持手段に保持されて、上記係合部材と係合凸部とが係合することにより上記ディスクトレイを上記装置本体内に保持し、上記保持手段が上記回動部材を回動させることにより上記係合部材を上記係合凸部との係合を解除する方向に付勢され、上記付勢部材の付勢力により上記ディスクトレイを上記装置本体外へ排出し、上記回動部材は、当該回動部材が回動する面内において、当該回動部材が回動する回動方向に対してほぼ垂直方向に伸びるスリットが形成されることにより、上記押圧部材に押圧された際に弾性変位可能とされていることを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたディスク記録及び/又は再生装置(以下、「記録再生装置」という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。この記録再生装置1は、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disc)等の光ディスクの再生用のドライブ装置であり、図1に示すように、ノート型パソコン等のホスト機器2のドライブベイに搭載されるものである。
【0027】
この記録再生装置1は、図2に示すように、内部にDVD等の光ディスク4が載置されるディスクトレイ5と、ディスクトレイ5に接続され、載置された光ディスク4に対して情報信号の再生を行う光ピックアップユニット6とを有する。また、この記録再生装置1は、搭載されるホスト機器2の小型化、薄型化に対応して、例えば図3に示すように、装置本体7の高さがハードディスクドライブと同じ略9.5mmに形成されている。この厚さ9.5mmの装置本体7の構成部品が占める寸法は、光ディスク4の高さが1.2mm、回転する光ディスク4の面の変動域が±0.5mm、光ピックアップユニット6が接続されたディスクトレイ5の高さ5.2mm、ディスクトレイ5のディスク載置面と光ディスク4とのクリアランスが0.4mm、ディスクトレイ5と装置本体7の底面とのクリアランスが0.4mm、光ディスク4と装置本体7の上面とのクリアランスが0.4mm、装置本体の外筐体を構成する上下一対のハーフの厚さがそれぞれ0.4mm、0.5mmとされている。
【0028】
このような記録再生装置1の装置本体7は、上下一対のハーフ8,9を突き合わせて形成されている。上下ハーフ8,9は、金属板から打ち抜き成形され、穴開け等の加工が施されて形成される。
【0029】
装置本体7の下ハーフ9には、記録再生装置1の駆動を制御する制御回路やホスト機器2との接続を図る接続コネクタ等が形成された回路基板17が配設されている。また、下ハーフ9は、ディスクトレイ5が装置本体7外へ引き出される一端側が開放され、この開放端と対向する側に背面壁9aが形成され、これらを挟んだ両側縁部に側壁9b,9cが立ち上がり形成されている。
【0030】
相対向する側壁9b,9cには、ディスクトレイ5の装置本体7からの挿脱をガイドするガイドレール12が背面壁9a側から開放端にかけて形成されている。ガイドレール12は、断面略コ字状に形成され、コ字状の凹部12aを装置本体7側に向けて配設されている。このガイドレール12は、凹部12aにディスクトレイ5に接続されたガイド部材13が摺動自在に係合されている。また、ガイドレール12は、ディスクトレイ5が所定の長さ以上に装置本体7より引き出されることを防止するため、ガイド部材13の摺動領域を規制するストッパー片14が形成されている。
【0031】
このガイドレール12に係合されるガイド部材13は、断面略コ字状に形成され、ディスクトレイ5の両側面部を摺動可能に狭持する。そして、ガイド部材13は、ディスクトレイ5が装置本体7から引き出し又は挿入されると、ガイドレール12を摺動して、ディスクトレイ5の移動がスムーズになるようにガイドする。
【0032】
また、下ハーフ9は、後述するディスクトレイ5を装置本体5内に保持する保持機構18に係合される係合凸部11が立設されている。また下ハーフ9は背面壁9a近傍に駆動回路が形成されている配線基板17が設けられている。配線基板17は、いわゆるリジット基板であり、配線パターンが形成されると共に、外部機器との接続を図るコネクタ等の各種電子部品が実装されている。また、配線基板17は、後述する光ピックアップユニット6と接続されたFPC(flexible printed circuit)23が取り付けられている。
【0033】
この装置本体7より挿脱されるディスクトレイ5は、光ディスク4が収納される収納凹部15が形成されている。収納凹部15は、略円形の凹部からなり、主面部にディスクトレイ5に収納された光ピックアップユニット6のディスクテーブル及び対物レンズを光ディスク4側に臨ませる開口部16が形成されている。開口部16は、収納凹部15の略中央部からディスクトレイ5の前面5a側にかけて形成されている。そして、開口部16は、光ピックアップユニット6のベースシャーシに取り付けられたカバー部材と、ベースシャーシに取り付けられカバー部材を介して上方に臨まされたディスクテーブル及び対物レンズが光ディスク4側に臨まされている。
【0034】
このディスクトレイ5は、PPE(ポリフェニレンエーテル)にガラスを20%含有させた剛性を有する材料を用いて形成されている。ディスクトレイ5の主面5b側には、光ディスク4が載置される略円形状の凹部からなる収納凹部15が設けられ、裏面5c側には、図4に示すように、後述する光ピックアップユニット6が収納される収納部21及びディスクトレイ5を装置本体7内に係合保持する保持機構18が形成されている。
【0035】
収納部21には、光ピックアップユニット6と係合される複数の係合突起25が突設されている。収納部21は、係合突起25が光ピックアップユニット6のベースシャーシに設けられた複数の係合孔と係合されることにより光ピックアップユニット6と接続される。
【0036】
このディスクトレイ5は、装置本体7からの挿脱方向に亘って、ガイド部材13に係合されるガイド突条22が形成されている。ガイド突条22は、上述したガイド部材13に摺動自在に狭持され、装置本体7に対する挿脱がガイドされる。また、ガイド突条22は、装置本体7側である背面5d側の端部及びディスクトレイ5の引き出し方向である前面5a側の端部に、詳細を省略するストッパー片が設けられ、ガイド部材13からの抜けや、ガイド部材13の前面5a側への突き出しが防止されている。
【0037】
このディスクトレイ5には、ディスクトレイ5を装置本体7内に保持する保持機構18が設けられている。保持機構18は、ディスクトレイ5の裏面5c側の一側縁部近傍に形成され、ディスクトレイ5を装置本体7外へ付勢する付勢機構19と、ディスクトレイを装置本体7内に係合する係合機構20とを有する。
【0038】
先ず、ディスクトレイ5を装置本体7外へ付勢する付勢機構19について説明する。
【0039】
この付勢機構19は、図4に示すように、ディスクトレイ5の裏面5cに設けられ、ディスクトレイ5を装置本体7より押し出すコイルバネ28が用いられる。コイルバネ28は、一のガイド突条22近傍にディスクトレイ5の挿脱方向に沿って形成されたバネ収納部29に収納されている。コイルバネ28の中空部には棒状の押し出し部材30が挿通されている。この押し出し部材30は、バネ収納部29の背面5d及び前面5a側の収納壁29aに穿設された挿通孔29bを挿通可能とされている。また、押し出し部材30は、長手方向の略中腹にフランジ30aが形成されている。押し出し部材30は、フランジ30aの一面がコイルバネ28の端部に押圧されることにより、背面5d側に付勢され、フランジ30aの他面がバネ収納部29の背面5d側に形成された段差部29cに係止されている。このとき押し出し部材30は、フランジ30aより背面5d側に延在する部分がバネ収納部29の収納壁29aに穿設された挿通孔29bを挿通して装置本体7側に突き出されている。
【0040】
押し出し部材30は、ディスクトレイ5が装置本体7側に挿入されると、装置本体7側に突き出された部分が下ハーフ9の背面壁9aにつき当てられる。さらにディスクトレイ5が挿入されると、図5に示すように、押し出し部材30は、背面壁9aから押し戻されて前面5a側に移動し、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に圧縮する。このときコイルバネ28は、前面5a側の端部がバネ収納部29の収納壁29aに係止されているため、フランジ30aに押圧されて圧縮することにより、フランジ30aを背面5d側に付勢する付勢力が保持される。その後、ディスクトレイ5に設けられた後述する係合機構20によりディスクトレイ5が装置本体7内に係合保持されると、コイルバネ28は、フランジ30aを背面5d側に付勢する付勢力を保持した状態とされる。
【0041】
この後、係合機構20によるディスクトレイ5の係合が解除されると、コイルバネ28に付勢されている押し出し部材30は、コイルバネ28の付勢力と同等の反力を背面壁9aから受けて、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に押し戻す。コイルバネ28は、前面5a側端部がコイル収納部29の収納壁29aに係止されているため、この収納壁29aを前面5a側に押し出しながら伸長していく。これによりディスクトレイ5は、装置本体7の開放端側に押し出され、前面5a側が装置本体7の開放端側に突出されて、引き出し可能とされる。なお、押し出し部材30は、フランジ部30aがコイルバネ28に背面5d側に付勢されることにより、図4に示すように、フランジ30aより背面5d側に延在する部分がバネ収納部29の収納壁29aに穿設された挿通孔29bを挿通して装置本体7側に突き出される。
【0042】
次いで、ディスクトレイ5を装置本体7内に係合する係合機構20について説明する。この係合機構20は、図4〜図7に示すように、上記装置本体7に設けられディスクトレイ5と係合することにより該ディスクトレイ5を装置本体7内に係合保持する係合凸部11と、ディスクトレイ5に設けられ係合凸部11を係合する方向に回動付勢された係合片41と、係合片41と接触し、係合片41の回動範囲を規制することにより係合片41を係合凸部11と係合させ又は係合凸部11との係合を解除させる回動片42と、回動片42と係合すると共に鉄芯コイル44内に挿通され、回動片42を回動させるプランジャー45と、係合凸部11に押圧されることにより回動片42と接触され、回動片42を係合片41が係合凸部11に係合する方向に押圧する押圧片46とを有する。
【0043】
係合凸部11は、図2に示すように、上述した下ハーフ9に設けられ、ガイドレール12の開放端側近傍に突設されている。係合凸部11は、略円柱状に形成され、ディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されることにより、ディスクトレイ5側に形成された係合片41と係合し、ディスクトレイ5を装置本体7内に保持する。
【0044】
この係合凸部11を係合する係合片41は、図6に示すように、鉤状に形成され係合凸部11を係合する係合部48と、先端部に係合部48が形成された胴体部49と、胴体部49の基端側に設けられ、係合片41の回動支点となる支柱部50と、後述する回動片42と接触される当接部51とを有する。この係合片41は、支柱部50を支点に図6中矢印D方向又は反矢印D方向に回動可能に形成されると共に、この支柱部50に捻りコイルバネ52が巻回されることにより、常時図6中矢印D方向に回動付勢されている。
【0045】
係合片41は、胴体部49の先端側から係合凸部11の進行方向に向かって矢印D方向に膨出する傾斜面49aが形成され、この傾斜面49aの膨出端に鉤状の係合部48が形成されている。また、係合片41は、支柱部50を介して傾斜面49aと反対側に当接部51が形成され、当接部51が回動片42に当接されることにより図6中矢印D方向への回動領域が規制されている。そして、係合部48は、矢印D方向に回動されることにより、係合凸部11を係合し、ディスクトレイ5を装置本体7内に保持し、反矢印D方向に回動されることにより係合凸部11の係合を解除し、上述したコイルバネ28及び押し出し部材30によってディスクトレイ5を装置本体7より排出可能とする。
【0046】
この係合片41の回動領域を規制する回動片42は、係合片41の当接部51を押圧して回動領域を規制する規制突部55と、回動片42の回動支点となる支柱部56と、押圧片46と接触し押圧される接触部57と、プランジャー45と接続された接続部58とを有する。
【0047】
この回動片42は、支柱部56を支点に図6中矢印E方向又は反矢印E方向に回動可能に形成されると共に、この支柱部56に捻りコイルバネ59が巻回されることにより、常時図6中矢印E方向に回動付勢されている。
【0048】
規制突部55は、係合片41が図6中矢印D方向に付勢されることにより当接部51と常に当接され、矢印E方向又は反矢印E方向に回動されることにより当接部51を介して係合片41の回動領域を規制する。
【0049】
接触部57は、押圧片46との当接箇所に膨出部60が形成されている。膨出部60は、押圧片46に押圧されることにより、回動片42を反矢印E方向に回動させる。
【0050】
プランジャー45が接続されている接続部58は、一面側にプランジャー45に形成された接続孔45aに挿通された突起部58aが形成されている。そして接続部58は、回動片42が押圧片46によって反矢印E方向に回動されると、プランジャー45を鉄芯コイル44側に移動させる。そして、プランジャー45が鉄芯コイル44内に保持されると、回動片42は反矢印E方向に保持される。
【0051】
また、接触部57と接続部58との間には、回動片42が回動する面内において、回動部材が回動する回動方向に対してほぼ垂直方向に伸びるスリット61が形成され、押圧片46に押圧される接触部57を弾性変位可能としている。従って、回動片42は、接触部57に膨出部60を設け確実に押圧片46が回動片42を回動させプランジャー45を鉄芯コイル44内に保持させるとともに、接触部57が押圧片46に過剰に押圧されたときにはスリット61を設けることで接触部57を撓ませて押圧力を吸収できるようにしている。
【0052】
この回動片42は、捻りコイルバネ59により図6中矢印E方向に付勢されることにより、係合片41の当接部51と当接している規制突部55が矢印E方向に回動され、係合片41を反矢印D方向に回動させている。これにより係合片41の係合部48と装置本体7の下ハーフ9に立設された係合凸部11との係合が解除され、ディスクトレイ5が装置本体7より排出される。
【0053】
また、回動片42は、ディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されて接触部57が後述する押圧片46に押圧されて反矢印E方向に回動され、且つ接続部57に接続されたプランジャー45が鉄芯コイル44内に保持されると、規制突部55が反矢印E方向に回動され、係合片41を図7に示す矢印D方向に回動させる。これにより係合片41の係合部48と係合凸部11とが係合され、ディスクトレイ5が装置本体7内に保持される。
【0054】
この回動片42を反矢印E方向に保持するプランジャー45は、略U字状の磁性体からなり、鉄芯コイル44内に挿入される一対の挿入軸63を有し、その基端部に接続孔45aが形成されている。プランジャー45は、接続孔45aに回動片42の接続部58に設けられた突起部58aが挿通されることにより回動片42と接続されている。
【0055】
プランジャー45の挿通軸63が挿通される鉄芯コイル44は、中空状の鉄芯65にコイル66が巻回されて形成され、その中空部に挿通軸63が挿通されている。また、鉄芯コイル44は、挿通軸63の挿入端と反対側に挿通軸63を図6中矢印F方向に磁気吸引する図示しないマグネットが内蔵されている。そして、鉄芯コイル44は、回動片42が反矢印E方向に回動されプランジャー45の挿通軸63が深く挿通されると、図7に示すように、マグネットによって挿通軸63を鉄芯コイル44に保持する。また、鉄芯コイル44は、コイル66に電流が供給されることにより、挿通軸63を磁気吸引しているマグネットの磁力をキャンセルし、プランジャー45をフリーな状態にする。プランジャー45がフリーとなることにより、回動片42は捻りコイルバネ59の付勢力によって矢印E方向に回動可能となる。
【0056】
回動片42の接触部57に当接され、回動片42を押圧する押圧片46は、装置本体7側に立設された係合凸部11に押圧されるアーム部70と、アーム部70の基端部に設けられ、押圧片46の回動支点となる支柱部71と、回動片42の接触部57を押圧し回動片42を回動させる押圧部72とを有する。
【0057】
この押圧片46は、支柱部71を支点に図6中矢印G方向又は反矢印G方向に回動可能に形成されると共に、この支柱部71に捻りコイルバネ73が巻回されることにより、図6に示す、係合凸部11の移動軌跡上にアーム部70が交差する位置に保持されている。即ち、押圧片46は、アーム部70が係合凸部11に押圧されて矢印G方向に回動されて回動片42を反矢印E方向に回動させた後や、回動片42が矢印E方向に回動されたときに接触部57が衝突して反矢印G方向に回動されたときにおいても、捻りコイルバネ73により元の位置に戻される。
【0058】
この押圧片46の位置規制を図る捻りコイルバネ73は、支柱部71に巻回されると共に、一端が押圧片46に係止され、他端をディスクトレイ5の裏面5cに形成された係止部材75に係止されている。係止部材75は、半円形の係止片75a及び矩形の係止片75bとが一定のクリアランスを隔てて形成されている。そして、捻りコイルバネ73は、他端をクリアランスに通し、半円形の係止片75a側に巻回されて掛けられている。このとき、捻りコイルバネ73は、係止片75aが半円形に形成されているのに対して係止片75bが矩形に形成されているため、係止片75b側に巻回することができず、必ず半円形の係止片75aに掛けられる。従って、捻りコイルバネ73は、最適な付勢力を押圧片46に与え、押圧片46が係合凸部11や回動片42に押圧されて矢印G方向又は反矢印G方向に回動されたときにおいても、係合凸部11の移動軌跡上にアーム部70が交差する元の位置に戻される。
【0059】
なお、アーム部70が回動する領域の反矢印G方向側近傍には、アーム部70の過剰な回動を止めるストッパー80が形成されている。ストッパー80は、例えば円柱状の突起がディスクトレイ5の裏面5cに突設されている。押圧片46は、回動片42が矢印E方向に回動されたときに接触部57が衝突して反矢印G方向に回動されたときに、図6において点線で示すように、アーム部70がストッパー80に規制されて、反矢印G方向に過剰に回動することが防止されている。これにより、押圧片46は、アーム部70が係合凸部11の移動軌跡上に戻らなくなることが防止されている。
【0060】
すなわち、仮にアーム部70が係合凸部11の移動軌跡上に戻らなくなると、ディスクトレイ5の装置本体7内への挿入時に係合凸部11がアーム部70を回動させないため、押圧片46は、回動片42を矢印E方向に回動させることができず、係合片41を係合凸部11を係合する矢印D方向に回動させることができなくなる。このため、押圧片46は、アーム部70が必ず係合凸部11の移動軌跡上に戻るようにストッパー80が設けられることにより、アーム部70の回動領域が規制されている。
【0061】
以上のような係合凸部11と、係合片41と、回動片42と、プランジャー45と、押圧片46とを有する係合機構20は、ディスクトレイ5が装置本体7外へ排出された状態において、図6に示すように、回動片42が矢印E方向に付勢されて、ディスクトレイ5に設けられたストッパー壁81に係止されて矢印E方向への回動が規制されている。また、係合片41は、回動片42の規制突部55によって当接部51が反矢印D方向に回動され、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上より退避された位置に保持されている。従って、係合凸部11が立設された装置本体7の下ハーフ9とディスクトレイ5との係合は解除されており、ディスクトレイ5に設けられたコイルバネ28の付勢力を受けた押し出し部材30が下ハーフ9の背面壁9aを付勢して、ディスクトレイ5が装置本体7から排出されている。
【0062】
ディスクトレイ5の収納凹部15に光ディスク4が収納され、ユーザによってディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されると、下ハーフ9に立設された係合凸部11が図6中矢印H方向に進み、押圧片46のアーム部70と接触して、アーム部70を図7中矢印G方向に回動させる。アーム部70が回動することにより押圧片46の押圧部72が回動片42の接触部57を押圧して、回動片42を図7中反矢印E方向に回動させる。回動片42の接続部58に接続されているプランジャー45は、挿通軸63が鉄芯コイル44内に深く挿入されて、鉄芯コイル44内に配設されたマグネットに磁気吸着される。
【0063】
このとき、押圧片46の押圧部72と接触する接触部57には膨出部60が形成されているため、押圧片46は、膨出部60を押圧することにより確実に回動片42を反矢印E方向に回動させ、プランジャー45を鉄芯コイル44に内蔵されたマグネットと吸着させることができる。また、回動片42は、接触部57と接続部58との間にスリット61が形成され、接触部57が弾性変位可能とされているため、接触部57が押圧片46に過剰に押圧されたときにも接触部57を撓ませて押圧力を吸収できる。
【0064】
これによりプランジャー45及び回動片42は、捻りコイルバネ59の図7中矢印E方向への付勢力に対抗して図7中反矢印E方向に回動され保持される。係合片41は、回動片42の規制突部55が反矢印E方向に回動されることにより、矢印D方向へ回動領域が広がり、捻りコイルバネ52の図7中矢印D方向への付勢力によって、図7に示すように、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上に位置される。
【0065】
さらにディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されると、係合凸部11は、係合片41の胴体部49の先端に設けられた傾斜面49aを反矢印D方向に回動させながら図7中矢印H方向に進み、係合部48に係合される。これにより、ディスクトレイ5と装置本体7の下ハーフ9とが係合される。
【0066】
このとき、押し出し部材30は、図5に示すように、下ハーフ9の背面壁9aから押し戻されて、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に圧縮しながら前面5a側に移動する。コイルバネ28は、前面5a側の端部がバネ収納部29の収納壁29aに係止されているため、フランジ30aに押圧されて圧縮することにより、フランジ30aを背面5d側に付勢する付勢力を保持している。即ち、ディスクトレイ5は、下ハーフ9を背面5d側に付勢しながら下ハーフ9に突設されている係合凸部11を係合片41で係合することにより装置本体7内に保持されている。
【0067】
ディスクトレイ5を装置本体7より排出する際には、ディスクトレイ5の操作部から操作信号を受けた制御回路によって鉄芯コイル44に電流が供給され、鉄芯コイル44に内蔵されたマグネットの磁力がキャンセルされることによりプランジャー45がフリーとなる。従って、回動片42は、捻りコイルバネ59の付勢力によって、図6中矢印E方向に回動される。係合片41は、規制突部55が矢印E方向に回動されることによって、反矢印D方向へ回動され、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上から退避される。これにより、係合部48から係合凸部11が外れ、ディスクトレイ5と装置本体7の下ハーフ9との係合が解除される。
【0068】
このとき、先端部を下ハーフ9の背面壁9aに突き当てられている押し出し部材30は、コイルバネ28の付勢力と同等の反力を背面壁9aから受けて、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に押し戻す。コイルバネ28は、前面5a側端部がコイル収納部29の収納壁29aに係止されているため、この収納壁29aを前面5a側に押し出しながら伸長していく。これによりディスクトレイ5は装置本体7の開放端側に押し出され、前面5a側が装置本体7の開放端側に排出される。
【0069】
なお、回動片42が矢印E方向に回動されることにより、押圧片46の押圧部72が回動片42の接触部57と衝突して反矢印G方向に回動されたときにも、アーム部70がストッパー80に係止されるため、過剰にアーム部70が過剰に回動して係合凸部11の移動軌跡上に位置されなくなる事態は防止される。また、押圧片46に巻回された捻りコイルバネ73は、ディスクトレイ5の裏面5cに形成された係止部材75によって係止位置が適正な位置に規制され、最適な付勢力を押圧片46に与えている。従って、押圧片46は、係合凸部11や回動片42に押圧されて矢印G方向又は反矢印G方向に回動されたときにおいても、図6において実線で示すように、係合凸部11の移動軌跡上にアーム部70が交差する元の位置に戻される。
【0070】
なお、上述した回動片42の接触部57に形成された膨出部60は、押圧片46の押圧部72側に形成してもよく、若しくは回動片42及び押圧片46の両方に形成してもよい。
【0071】
次いで、このディスクトレイ5の裏面5c側に設けられた収納部21内に組み付けられる光ピックアップユニット6について説明する。
【0072】
この光ピックアップユニット6は、図8に示すように、ユニット本体を構成するベースシャーシ101と、ベースシャーシ101と一体的に形成され、光ディスク4が取り付けられるディスクテーブル102と、ディスクテーブル102に載置された光ディスク4に対して情報信号の記録又は再生を行う光ピックアップ装置103と、光ピックアップ装置103を光ディスク4の径方向に亘って移動させるピックアップ移動機構104と、光ピックアップ装置103のピックアップ移動機構104による移動をガイドする一対のガイド軸105,106と、ガイド軸105,106の傾きを調整することにより光ピックアップ装置103に設けられた対物レンズ108と光ディスク4の信号記録面との相対的な傾きを調整するスキュー調整機構109とを有する。
【0073】
ベースシャーシ101は、鉄製のフレーム110を有し、フレーム110は、略矩形状に形成され、光ピックアップ装置103の対物レンズ108を光ディスク4の信号記録面側に臨ます開口部112が形成されている。開口部112は、略矩形状に形成され、長手方向に亘って光ピックアップ装置103を移動させるピックアップ移動機構104と、一対のガイド軸105,106と、ガイド軸105,106に支持された光ピックアップ装置103が配設されている。また、開口部112は、長手方向の一端側に略円弧状の切欠部113が形成され、光ディスク4が載置される円形のディスクテーブル102及びディスクテーブル102を回転駆動する図示しないスピンドルモータが配設されている。
【0074】
フレーム110には、ディスクトレイ5の裏面5cに形成された収納部21内に複数設けられた係合突起25にベースシャーシ101を係合させる係合孔111が複数形成されている。フレーム110は、係合孔111が係合突起25にそれぞれ係合することにより収納部21内に収納される。
【0075】
ディスクテーブル102に載置された光ディスク4に対して情報信号の記録又は再生を行う光ピックアップ装置103は、略矩形の筐体からなるピックアップベース114を備え、このピックアップベース114に、少なくとも、半導体レーザなどの図示しない光源と、この光源から照射した光ビームを光ディスク4の信号記録面に収束させて照射する対物レンズ108と、光ディスク4の記録面から反射の戻り光を検出する図示しない光検出器と、対物レンズ108を光ディスク4のフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動させる駆動系が配設されている。また光ピックアップ装置103は、ピックアップベース114の長手方向の一端側114aに後述するガイド軸105が挿通される挿通孔116が形成され、他端部114bに後述するガイド軸106に係合する係合片117が形成されている。ピックアップベース114には、対物レンズ108の駆動系を制御する駆動回路等が形成されたフレキシブル配線基板119が取り付けられている。
【0076】
また、光ピックアップ装置103は、ガイド軸105と隣接して設けられ、ピックアップベース114を移動させるピックアップ移動機構104のリードスクリュー140と係合する係合部材120が形成されている。
【0077】
そして、光ピックアップ装置103は、ベースシャーシ101の開口部112の相対向する側縁部に配設された一対のガイド軸105,106に支持されることにより、光ディスク4の内外周に亘る移動をガイドされると共に対物レンズ108が開口部112より光ディスク4の信号記録面と対峙される。
【0078】
この光ピックアップ装置103の移動をガイドする一対のガイド軸105,106は、ベースシャーシ101の開口部112に相対向して配設されている。ガイド軸105,106は、両端部が胴体部分よりも細く、例えば略1.2mmに形成され、この両端部がスキュー調整機構109に支持され、このスキュー調整機構109によって上下方向の傾きが調整される。このガイド軸105,106は、導電性を有する材料によって形成され、同じく導電性を有する後述する調整ネジがアース接地されることによってガイド軸105,106に帯電した電化を除去することができる。
【0079】
スキュー調整機構109は、図8に示すように、一対のガイド軸105,106の各両端部に対応して4箇所に設けられている。このスキュー調整機構109は、図9に示すように、ベースシャーシ101内に設けられたハウジング125と、ハウジング125内に設けられ、ガイド軸105,106を付勢する弾性部材126と、弾性部材126とガイド軸105,106を介して反対側に設けられ、ガイド軸105,106を上記弾性部材126と反対側から押圧する調整ネジ127とを有する。
【0080】
ハウジング125は、ベースシャーシ101の上面部101a及び下面部101b間に配設されている。また、ハウジング125は、ガイド軸105,106の一端部が挿入される挿入開口128が形成されている。このハウジング125内には、ガイド軸105,106を付勢する弾性部材126が収納されると共に、ベースシャーシ101の下面部101bに穿設されたネジ穴129を挿通した調整ネジ127がハウジング125内に臨まされている。
【0081】
弾性部材126は、例えば略円錐形状に形成された弦巻バネが用いられる。この弾性部材126は、径の小さい先端126a側をガイド軸105,106の上面側と当接させ、径の大きい基端126b側をハウジング125の上面壁に当接されて配設されている。
【0082】
この弾性部材126は、ガイド軸105,106が調整ネジ127に押圧されると、ガイド軸105,106とハウジング125の内壁に狭持されて圧縮される。このとき、弾性部材126は、ガイド軸105,106と当接する先端126aが、径の大きい基端126b側の内側に入り込みながら圧縮され、その長さが1mm以下とされる。従って、圧縮されたときの長さが1mm以上となる円筒状の弾性部材126を用いた場合に比して、本発明が適用された弾性部材126は、圧縮されたときの長さを小さくすることができ、ハウジング125全体に要する厚さを薄く、例えば略4mmに形成することができ、ベースシャーシ101の薄型化を図ることができる。
【0083】
また調整ネジ127は、ベースシャーシ101の下面部101bに穿設されたネジ穴129に挿通され、先端をガイド軸105,106の下面側と当接させて配設されている。そして、調整ネジ127は、ハウジング125内への突出長さを調整されることにより、ガイド軸105,106の傾きを、例えば±0.4mmの幅で調節することができる。
【0084】
なお、調整ネジ127は、ニッケルや銅がメッキされることにより導通化されている。そして調整ネジは、接地電位とされたベースシャーシ101の下面部101bと接続すると共にガイド軸105,106の下面側と当接されることにより、ガイド軸105,106のアースを兼ねている。
【0085】
このようなスキュー調整機構109は、ガイド軸105,106の各両端部に計4箇所設けられている。そして、スキュー調整機構109は、光ピックアップユニット6の組立時にスキュー調整用ディスクを用いて、対物レンズ108より照射される光ビームが垂直にディスクの信号記録面に入射するように、ガイド軸105,106の傾きを調整し、対物レンズ108とスキュー調整用ディスクの信号記録面との相対的な傾きを調節する。
【0086】
また、スキュー調整機構109は、スキュー調整を行った後、弾性部材126を接着剤を用いて固定し、スキュー角の変化を防止するようにしてもよい。即ち、スキュー調整機構109は、図10に示すように、ベースシャーシ101の上面部101a及びハウジング125に、弾性部材126が配設される箇所に対応して、それぞれ接着剤を投入するための投入孔131,132を設ける。この投入孔131,132には、例えば紫外線硬化型の接着剤133が投入される。
【0087】
そして、スキュー調整機構109は、光ピックアップユニット6の組立時に、調整ネジ127によってガイド軸105,106の傾きを調整し、続いて投入孔131,132より接着剤133を投入、硬化させる。これにより、弾性部材126が圧縮されることにより塑性変形が生じた場合にも、接着剤133によって硬化させることができるため、ガイド軸105,106の適切な傾きを維持することができる。
【0088】
なお、ベースシャーシ101及びハウジング125に穿設される投入孔131,132は、いずれも微小な径にて形成されているため、液状の接着剤133が投入されても表面張力によってベースシャーシ101外へ漏れ出ることはない。
【0089】
また、スキュー調整機構109は、弾性部材126として円錐状の弦巻バネを用いる他に、図11に示すように、シリコンゴムを用いてもよい。このシリコンゴムは、中空円筒状に形成され、一端をガイド軸105,106の上面側に当設し、他端をハウジング125の内壁に当接して配設されている。
【0090】
このシリコンゴムからなる弾性部材126は、ガイド軸105,106が調整ネジ127に押圧されると、ガイド軸105,106とハウジング125の内壁に狭持されて圧縮される。このとき、弾性部材126は、中空部に圧縮された部分の体積を逃がすことで圧縮される。また、弾性部材126は、スキュー調整に続いて、投入孔131,132より紫外線硬化型の接着剤133によって硬化させるようにしてもよい。これにより弾性部材126は、圧縮されることにより塑性変形が生じた場合にも、接着剤133によって硬化されるため、ガイド軸105,106の適切な傾きを維持することができる。
【0091】
なお、シリコンゴムからなる弾性部材126に添加剤を施し、導電性を具備させて、接地電位とされたベースシャーシ101の下面部101bと接続すると共にガイド軸105,106の下面側と当接されることにより、ガイド軸105,106のアースを兼ねるようにしてもよい。
【0092】
また、以上のようなスキュー調整機構109によれば、ベースシャーシ101の上面部101a及び下面部101bの間に、弾性部材126及び調整ネジ127が配設されたハウジング125を挟み込むことにより形成されているため、かかる弾性部材126の配設スペースを平坦に形成することができ、従来のベースシャーシにおいて深絞り加工によってスキュー調整機構のガイド軸の支持部を形成していた場合に比して、ベースシャーシ101の薄型化、加工工程の簡素化を図ることができる。
【0093】
ガイド軸105と隣接して設けられ、光ピックアップ装置103を光ディスク4の径方向に亘って移動させるピックアップ移動機構104は、図8及び図12に示すように、ガイド軸105に隣接してこのガイド軸105と平行に光ディスク4の径方向に亘ってベースシャーシ101に取り付けられているリードスクリュー140と、リードスクリュー140を回転駆動する送りモータ141とを有する。
【0094】
リードスクリュー140は、軸部140aの先端において軸受け143に回転自在に支持されている。リードスクリュー140の軸部140aは、ネジ溝144が形成され、ピックアップベース114に設けられた係合部材120がこのネジ溝144を摺動可能に係合されている。リードスクリュー140は、送りモータ141に回転駆動されることにより、係合部材120を介してピックアップベース114を光ディスク4の径方向に亘って移動させることができる。
【0095】
このリードスクリュー140を回転駆動する送りモータ141は、直流モータが用いられ、ステッピングモータとして構成されている。そして、送りモータ141は、矩形波によりステップ送りされることによってリードスクリュー140を回転駆動して、ピックアップベース114を光ディスク4の径方向に亘って移動させる。
【0096】
ここで、リードスクリュー140を回転駆動する送りモータ141は、直流モータを用いていることため、高速回転にしないとトルクがでないことから、ピックアップ移動機構104の各接触箇所における摩耗が激しくなる。また、ギヤ機構を介してリードスクリュー140と接続され、ピックアップベース114を移動させる場合にはノイズが大きくなってしまう。
【0097】
このことより、送りモータ141はステッピングモータで構成し、ピックアップベース114を矩形波でステップ送りすることによって光ディスクの径方向に亘って移動させている。
【0098】
図12(A)及び(B)に示すように、送りモータ141のモータハウジング145は、上下面側の外壁が設けられておらず、内部に収納されたコイル146が上下面より外方に臨まされた開口部142,142が設けられている。モータハウジング145は、上下面側の外壁が除かれた開口部142,142が設けられることにより、外壁の分厚さが薄く、例えば5.1mmに形成されている。
【0099】
送りモータ141及びリードスクリュー140は、フレーム148に取り付けられ、このフレーム148を介してベースシャーシ101に取り付けられている。フレーム148は、モータハウジング145のリードスクリュー140が突出されている側面部及びリードスクリュー140の先端側を支持する軸受け143とが接続される略矩形板状の接続部148aと、接続部148aの一部より折り曲げ形成され、ベースシャーシ101に取り付けられるビスが挿通されるビス孔149が形成された取付面部148bとを有する。
【0100】
以上のような構成を有するピックアップ移動機構104は、図12に示すフレーム148にリードスクリュー140及び送りモータ141が取り付けられたユニットをベースシャーシ101の所定箇所にビス止めすることにより取り付けることができる。
【0101】
ベースシャーシ101にフレーム148が取り付けられたピックアップ移動機構104は、図16に示すように、後述する光ピックアップユニット6を上面側より覆うカバー部材90及び、後述する光ピックアップユニット6を下面側より覆う底板91とによってベースシャーシ101が狭持されると、カバー部材90及び底板91によってモータハウジング145の上下面側に形成された各開口部142,142が閉塞される。これにより、カバー部材90及び底板91がヨークとして機能し、モータハウジング145内に収納されたコイル146の磁界を閉じることができ、送りモータ141より漏れる磁界による光ディスク4に対する情報信号の記録又は再生への影響を防止することができるとともに、ステッピングモータのトルクの低下を防ぐことができる。また、モータハウジング145内に塵埃等が侵入することを防止することができる。なお、モータハウジング145の各開口部142,142は、カバー部材90及び底板91とによって完全に閉塞されるほか、各部品の寸法公差等によってカバー部材90及び底板91との間に多少の間隙が形成されていてもよい。
【0102】
また、このピックアップ移動機構104は、送りモータ141のモータハウジング145の上下面側が開放されているため、モータハウジング145内に籠もる熱を容易に排出することができる。即ち、ピックアップ移動機構104は、静止したピックアップベース114を移動させるときには摩擦係数が大きく働くため、大きなトルクを必要とするが、移動し始めると摩擦係数は小さくなるため、これに応じてトルクを下げる。以後、ピックアップ移動機構104は、ピックアップベース114の位置ズレを防止できる程度のトルクをかけておく(ホールディングトルク)。このホールディングトルクは記録再生装置1の稼働中は常時かかるものであり、送りモータ141は常に電流が供給される状態となっている。そこで、送りモータ141のモータハウジング145の上下面側を開放することにより、送りモータ141の加熱を防止してピックアップベース114の送り動作への影響を防止することができる。
【0103】
そして、このようなピックアップ移動機構104は、送りモータ141のモータハウジング145の上下面側の外壁が除かれているため、ベースシャーシ101が有する厚さよりも薄く形成され、ピックアップ移動機構104が取り付けられるベースシャーシ101の厚さを抑えて記録再生装置1の薄型化を図ることができる。
【0104】
このリードスクリュー140に形成されたネジ溝144に係合される係合部材120は、図13乃至図15に示すように、一端をピックアップベース114にビス止めされ、他端においてリードスクリュー140のネジ溝144と係合することにより、リードスクリュー140の回転運動を直線移動に変換するものである。
【0105】
この係合部材120は、リードスクリュー140の溝部144に係合する係合突部151と、ピックアップベース114と連続して設けられ、係合突部151をリードスクリュー140との係合を保つ距離に維持する間隙形成部材152が収納される収納部153とを有する。
【0106】
係合突部151は、収納部153のリードスクリュー140側の収納壁153aにリードスクリュー140側へ突設されている。この係合突部151は、リードスクリュー140のネジ溝144の傾斜と同一の傾斜をもって形成されている。また、係合突部151は、ネジ溝144と略同一の幅を有している。
【0107】
ネジ溝144に係合された係合突部151は、ネジ溝144の溝深さ分、例えば0.3mmだけネジ溝144と係合する。そして、係合突部151は、リードスクリュー140が回転駆動されると、ネジ溝144に沿って移動してリードスクリュー140の軸方向に移動する。
【0108】
係合突部151が形成された収納部153は、上面側が開放された断面略コ字状の凹部からなる。収納部153は、リードスクリュー140側の収納壁153a及びガイド軸105側の収納壁153bの各内壁側に係止突部155,156が設けられている。この係止突部155,156は、後述する間隙形成部材152が収納部153より抜け出ることを防止するために設けられている。
【0109】
ガイド軸105側の収納壁153bの上縁には、係合部材120をピックアップベース114に接続するための接続面部157が形成されている。接続面部157は、リードスクリュー140とピックアップベース114との間に配設されているガイド軸105の上側を通ってピックアップベース114の上面に延設され、ピックアップベース114の上面部にビス止めされることにより接続されている。
【0110】
収納部153内に収納される間隙形成部材152は、略コ字状に形成された剛性を有する金属板が用いられる。この間隙形成部材152は、図14に示すように、側壁158,159の略中央部に上端から上下方向に亘る切欠き158a,159aが形成されている。間隙形成部材152は、切欠き158a,159aに収納壁153a,153bに突設された係止突部155,156が係止されることにより、収納部153からの抜け止めが図られている。
【0111】
この間隙形成部材152は、収納部153に収納されると、図15に示すように、収納部153の両収納壁153a,153bと弾性部材152の両側壁158,159との間に、係合突部151とリードスクリュー140の溝部144に係合した深さより短い、例えば0.1mmのクリアランスが形成される。従って、間隙形成部材152は、収納部153の収納部153aをリードスクリュー140に付勢することなく収納される。また、間隙形成部材152は剛性を有するため、係合部材120の寸法公差等により、ピックアップベース114の搬送中に係合突部151とネジ溝144との間にブレが生じたときにも、係合突部151のブレを収納部153の収納壁153aと間隙形成部材152の側壁158との間に形成されたクリアランス(0.1mm)以内に抑えることができる。このため、係合部材120は、係合突部151が、ネジ溝144の溝深さ(0.3mm)以上にブレることがなく、ピックアップベース114の搬送中にリードスクリュー140と係合突部151との係合が外れる歯飛びを防止できる。
【0112】
また、ベースシャーシ101は、図8に示すように、駆動回路が形成されている配線基板161が接続されている。配線基板161は、いわゆるリジット基板であり、配線パターンが形成されると共に、装置本体7の下ハーフ9に配設された配線基板17に取り付けられたFPC23が接続されるコネクタ162等の各種電子部品が実装されている。
【0113】
以上のような光ピックアップユニット6は、図2及び図16に示すように、ベースシャーシ101の上面側にカバー部材90がビス止めされ、下面側に底板91がディスクトレイ5にビス止めされることによってカバー部材90及び底板91に狭持される。
【0114】
カバー部材90は、光ピックアップ装置103に形成された対物レンズ108及びディスクテーブル18を上方に臨ませる開口部166が形成されている。開口部166は、ピックアップベース114の移動領域に応じて、光ディスク4の内周側から外周側にかけて略矩形状に形成された矩形開口部166aと、ディスクテーブル18に対応して矩形開口部166aの内周側端部と連続して略円形に形成された円形開口部166bとを有する。また、カバー部材90は、ベースシャーシ101に形成されたピックアップベース114の送りモータ141を構成するモータハウジング145の上面部が突き当てられる当接部167が形成されている。
【0115】
そしてカバー部材90は、ベースシャーシ101の上面側にネジ135によってネジ止めされることにより、開口部166よりディスクテーブル18及びピックアップベース114の対物レンズ108を上方に臨ませる。また、カバー部材90は、当接部167の裏面側と送りモータ141のモータハウジング145とが当接することにより、モータハウジング145の上面側開口部142を閉塞してモータハウジング145内に収納されたコイル146の磁界をクローズさせる。
【0116】
このカバー部材90は、ベースシャーシ101がディスクトレイ5の収納部21に収納されると、図17に示すように、ディスクトレイ5の開口部16より光ディスク4側に臨まされ、収納凹部15の一部を構成する。カバー部材90は、ベースシャーシ101にビス止めされているため、ベースシャーシ101側に密着され、収納凹部15からの浮き上がりが防止され、カバー部材90の主面や開口部116の開口端部によって光ディスク4の信号記録面を傷つけることが防止される。
【0117】
このようなカバー部材90は、アルミニウムの板状体を打ち抜き成形することにより形成されている。このとき、カバー部材90の下面側にはピックアップベース114と接続されたフレキシブル配線基板119が配設されているため、カバー部材90の打ち抜き加工時に発生するバリが残存することによってフレキシブル配線基板119を傷つけないように、カバー部材90は下面側から上面側に向けて打ち抜かれる。その後、カバー部材90は開口部116や外縁部に発生したバリが除去される。
【0118】
また、底板91は、アルミニウムの板状体を打ち抜き成形することにより形成されている。底板91は、所定のビス孔が形成され、ディスクトレイ5の収納部21内に収納されたベースシャーシ101の下面側より収納部21にビス止めされることによりベースシャーシ101を狭持してディスクトレイ5に接続される。
【0119】
カバー部材90及びカバー部材90の開口部116よりピックアップベース114及びディスクテーブル18が臨まされたディスクトレイ5の収納凹部15は、略円弧状の凹部からなり、図17に示すように、略円弧状に形成された第1〜第4の収納壁170〜173が形成されている。
【0120】
第1の収納壁170は、ディスクトレイ5の前面5a側に形成され、収納凹部15に形成された開口部16上に延設されている。この第1の収納壁170は、収納凹部15側に面する壁本体170aの下側縁と収納凹部15の開口部16より臨まされているカバー部材90との間に一定のクリアランスCが形成されている。このクリアランスCには、壁本体部170aの下側縁から収納凹部15側に突出する突部175が設けられている。
【0121】
突部175は、開口部16より臨まされているカバー部材90の光ディスク4の信号記録面側への撓みを防止するものである。即ち、上述したように、ディスクトレイ5は、PPE(ポリフェニレンエーテル)にガラスを20%含有させた剛性材料を用いて形成され、このディスクトレイ5に収納される光ピックアップユニット6のベースシャーシ101は鉄(Fe)で形成され、ベースシャーシ101の上面に取り付けられディスクトレイ5の開口部16より臨まされるカバー部材90はアルミニウム(Al)で形成されている。従って、ディスクトレイ5とベースシャーシ101とカバー部材90とは、異なる材料によって形成され、互いに線膨張係数が異なる。具体的に、PPEの線膨張計数が約2.8×10−5/mm℃であるのに対して、アルミニウムの線膨張係数が2.4×10−5/mm℃、鉄の線膨張係数が1.2×10−5/mm℃となる。
【0122】
従って、記録再生装置1が駆動されてディスクトレイ5、ベースシャーシ101及びカバー部材90が熱を帯びてくると、熱による収縮率の違いにより各構成部品に歪みが発生してしまう。具体的に、アルミニウム製のカバー部材90は、開口部166の矩形開口部116aが光ディスク4側に反りを生じ、収納凹部15に載置された光ディスク4の信号記録面と摺接する場合がある。ここで、第1の収納壁170は、壁本体170aの下側縁に突部175が形成されているため、カバー部材90が突部175に当接されることにより光ディスク4側への反りを防止することができる。
【0123】
なお、カバー部材90をベースシャーシ101取り付けるネジ135は、熱による収縮率が低い液晶ポリマー系の材料によって形成されている。従って、ベースシャーシ101及びカバー部材90は、ネジ135によってネジ止めされることにより熱による歪みが抑えられている。
【0124】
また、第2〜第4の収納壁171〜173は、収納凹部15より略円弧状に立ち上がり形成されている。
【0125】
次いで、光ピックアップユニット6を収納したディスクトレイ5と下ハーフ9に設けられた配線基板17とを接続するFPC23について説明する。このFPC23は、図18に示すように、略U字状に形成され、共に直線状をなし隣接して平行に延在している第1の腕部180及び第2の腕部181と、これら第1の腕部180と第2の腕部181とを繋ぐ接続部182とを有する。
【0126】
第1の腕部180は、先端に配線基板17の下面部に設けられた図示しないコネクタと接続される接続部183が形成されると共に、先端部180aに剛性を高めるカバーレイ184が貼着されている。そして、第1の腕部180は、図19(A)に示すように、このカバーレイ184によって剛性が高められた先端部180aを下ハーフ9の背面壁9a側に向けて配設され、配線基板17の下面部に設けられたコネクタと接続されている。第1の腕部180は、先端部180aにカバーレイ184が貼着されることにより剛性を高められているため、接続部183を配線基板17の下面部に設けられたコネクタに容易に接続することができる。また、第1の腕部180は、下ハーフ9の下面に固定されて配設されている。
【0127】
この第1の腕部180と接続部182を介して連続された第2の腕部181は、先端にディスクトレイ5に収納された光ピックアップユニット6に設けられたコネクタ162と接続される接続部186が形成されると共に、図19(A)に示すように、この先端部181aが下ハーフ9の開放端側に折り返されてディスクトレイ5側に延設されることにより接続部186が光ピックアップユニット6のコネクタ162に接続されている。また、第2の腕部181は、下ハーフ9の開放端側に折り返されることにより屈曲部187が形成されている。
【0128】
また、第2の腕部181は、先端部181aからやや接続部182側に剛性を高めるカバーレイ188が貼着されている。即ち、第2の腕部181は、接続部186近傍の領域よりもこれよりやや接続部182側の領域の剛性が高められて形成されている。カバーレイ188は、第2の腕部181の略中間部に貼着されることにより、カバーレイ188の貼着領域の剛性を接続部186近傍の領域及び接続部182近傍の領域よりも相対的に高めている。
【0129】
この第2の腕部181は、下ハーフ9の下面には固定されず、図19(A)及び(B)に示すように、ディスクトレイ5の移動に伴って接続部182を基点に装置本体7内外に亘って移動可能とされている。また、第2の腕部181に形成される屈曲部187は、図20(A)乃至(C)に示すように、ディスクトレイ5の移動に伴ってディスクトレイ5の移動方向に移っていく。
【0130】
ここで、第2の腕部181は、下ハーフ9の下面に固定されない可撓変形自在に形成されている長さをディスクトレイ5の移動長さの略半分とされ、且つ接続部182との境界がディスクトレイ5の移動領域の略中点に位置される。換言すると、第2の腕部181は、ディスクトレイ5の移動に必要な最低限の長さか、これよりやや長い長さを有する。そして、第2の腕部181は、下ハーフ9の下面に固定された接続部182との境界を基端として、ディスクトレイ5の移動に伴って下ハーフ9外に移動されることによりこの基端部181bが屈曲されて装置本体7より引き出され、また、下ハーフ9内に移動されることにより接続部186が形成された先端部181aが屈曲されて装置本体7内に収納される。
【0131】
具体的に、ディスクトレイ5が装置本体7外へ排出されると、図20(A)に示すように、第2の腕部181は、先端部181aが装置本体7外へ排出され、接続部182近傍に屈曲部187が形成される。次いで、ディスクトレイ5が装置本体7内に移動され、第2の腕部181も装置本体7内に移動されていくと、図20(B)に示すように、屈曲部187が先端部181a側へ移動していく。そして、ディスクトレイ5が装置本体7内に収納されると、図20(C)に示すように、第2の腕部181は、接続部186近傍に屈曲部187が形成される。
【0132】
ここで、第2の腕部181は、上述したように、接続部186の近傍の領域の剛性がこれよりやや接続部182側のカバーレイ188が貼着されている領域に比して相対的に弱められているため、図19(B)及び図20(C)に示すディスクトレイ5が装置本体7内に収納されている状態において接続部186近傍に屈曲部187が形成されたときも、第2の腕部181にかかる屈曲に伴う負荷を減少させることができる。これにより、第2の腕部181は、先端部181aにクラックが発生してFPC23に形成された回路パターンが断線してしまうことを防止することができる。
【0133】
また、第2の腕部181は、屈曲部187が接続部186近傍に形成されたときに屈曲に伴う負荷を減少させるものであるため、ディスクトレイ5の装置本体7内への収納時に、接続部186と屈曲部187との距離を大きくとることにより屈曲に係る第2の腕部181への負荷を減少させる必要がなく、第2の腕部181の長さを余計に用いることなく、コスト的にも不利となることがない。
【0134】
さらに、ホスト機器の薄型化に伴って記録再生装置1の装置本体7の厚さが極力抑えられるようになり、FPC23の配設スペースの高さが抑えられると、屈曲部187の曲率が大きくなり屈曲部187に係る負荷が大きくなるが、第2の腕部181は、ディスクトレイ5の収納時における屈曲部187にかかる負荷を減少させることができるため、装置本体7の薄型化の要請にも応えることができる。
【0135】
なお、FPC23は、第2の腕部181の略中間部にカバーレイ188が形成されることにより、ディスクトレイ5の収納時に装置本体7とディスクトレイ5の背面5dとの間に挟まれることを防止することができる。即ち、図20(A)に示すように、ディスクトレイ5が装置本体7から排出された状態においては、ディスクトレイ5と装置本体7との間にクリアランス190が形成されている。従って、可撓性を有する第2の腕部181の中間部が、ディスクトレイ5を装置本体7内に収納するときにこのクリアランス190より下方に撓むと、ディスクトレイ5の背面5dと装置本体7との間に第2の腕部181の略中間部が挟まれてしまう。
【0136】
ここで、FPC23は、第2の腕部181の略中間部にカバーレイ188が貼着されているため、第2の腕部181の略中間部の剛性が後端部181bに比して相対的に高められている。従って、第2の腕部181は、装置本体7外に排出されたディスクトレイ5を装置本体7内に収納する際に、剛性の高い中間部がクリアランス190の下方に撓むことが防止されると共に、相対的に剛性の低く撓みやすくされた第2の腕部181の後端部181bが屈曲していき、確実に装置本体7内に移動されていく。
【0137】
次いで、以上のように構成された記録再生装置1の回路構成について説明する。
【0138】
光ディスク4に対して光ビームを照射してデータを記録すると共に、光ディスク4で反射された戻りの光ビームを検出することにより光ディスク4に記録されたデータの読み出しを行う記録再生装置1は、図21に示すように、光ディスク4を回転するスピンドルモータ201と、スピンドルモータ201を制御するモータ制御回路202と、スピンドルモータ201により回転される光ディスク4に光ビームを照射し光ディスク4で反射した戻りの光ビームを検出する光ピックアップ装置103と、光ピックアップ装置103から出力された電気信号を増幅するRFアンプ203と、対物レンズ108のフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成するサーボ回路204と、サブコードデータを抽出するサブコード抽出回路205とを備える。また、この記録再生装置1は、記録系として、パーソナルコンピュータ等のホスト機器2に接続され、記録すべきデータが入力される入力端子206と、入力端子206に入力された記録データに対してエラー訂正符号化処理を施すエラー訂正符号化回路207と、エラー訂正符号化処理が施されたデータを変調する変調回路208と、変調された記録データに対して記録処理を施す記録処理回路209とを備える。更に、記録再生装置1は、再生系として、光ディスク4より読み出した再生データに対して復調する復調回路210と、復調された再生データに対してエラー訂正復号処理を施すエラー訂正復号回路211と、エラー訂正復号処理されたデータを出力する出力端子212とを備える。更に、記録再生装置1は、装置に対して操作信号を入力する操作部213と、各種制御データ等を格納するメモリ214と、全体の動作を制御する制御回路215を備える。
【0139】
スピンドルモータ201は、スピンドルに光ディスク4が装着されるディスクテーブル102が設けられており、ディスクテーブル102に装着されている光ディスク4を回転する。モータ制御回路202は、光ディスク4をCLV(Constant Linear Velocity)で回転することができるようにスピンドルモータ201を駆動制御する。具体的に、モータ制御回路202は、水晶発振器からの基準クロックとPLL回路からのクロックとに基づいて光ディスク4の回転速度が線速一定となるようにスピンドルモータ201を駆動制御する。勿論、光ディスク4は、CAV(Cnstant Angular Velocity)やCLVとCAVとを組み合わせた制御で回転するようにしてもよい。
【0140】
光ピックアップ装置103は、装着された光ディスク4の種類に応じた波長をの光ビームを出射する半導体レーザ、この半導体レーザより出射された光ビームを集束する光ディスク4の種類に対応した開口数の対物レンズ108、光ディスク4で反射された戻りの光ビームを検出する光検出器等を備える。光ピックアップ装置103は、光ディスク4に記録されているデータを読み出すとき、半導体レーザの出力を標準レベルに設定し、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。また、光ピックアップ装置103は、記録データを光ディスク4に記録するとき、半導体レーザの出力を、再生時の標準レベルより高い記録レベルにして、半導体レーザよりレーザ光である光ビームを出射する。光ピックアップ装置103は、記録再生時、光ディスク4に光ビームを照射し、信号記録面で反射した戻りの光ビームを光検出器で検出し、光電変換する。また、対物レンズ108は、2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構に保持され、フォーカシングサーボ信号に基づいて対物レンズ108の光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位され、また、トラッキングサーボ信号に基づいて対物レンズ108の光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。
【0141】
RFアンプ203は、光ピックアップ装置103を構成する光検出器からの電気信号に基づいて、RF信号、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成する。例えばフォーカシングエラー信号は、非点収差法により生成され、トラッキングエラー信号は、3ビーム法やプッシュプル法により生成される。そして、RFアンプ203は、再生時、RF信号を復調回路210に出力し、フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号をサーボ回路204に出力する。
【0142】
サーボ回路204は、光ディスク4を再生する際のサーボ信号を生成する。具体的に、サーボ回路204は、RFアンプ203から入力されたフォーカシングエラー信号に基づき、このフォーカシングエラー信号が0となるように、フォーカシングサーボ信号を生成し、また、RFアンプ203から入力されたトラッキングエラー信号に基づき、このトラッキングエラー信号が0となるように、トラッキングサーボ信号を生成する。そして、サーボ回路204は、フォーカシングサーボ信号及びトラッキングサーボ信号を光ピックアップ装置103を構成する対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。この駆動回路は、フォーカシングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズ108を対物レンズ108の光軸と平行なフォーカシング方向に駆動変位させ、トラッキングサーボ信号に基づき2軸アクチュエータを駆動し、対物レンズ108の光軸に直交するトラッキング方向に対物レンズ108を駆動変位させる。
【0143】
サブコード抽出回路205は、RFアンプ203より出力されたRF信号よりサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路215に出力し、制御回路215がアドレスデータ等を特定できるようにする。
【0144】
入力端子206は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器2のSCSI(Small Computer System Interface)、ATAPI(Advanced Techonology Attachment Packet Interface)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等のインタフェースに電気的に接続され、ホスト機器2よりオーディオデータ、映画データ、コンピュータプログラム、コンピュータで処理された処理データ等の記録データが入力され、入力された記録データをエラー訂正符号化回路207に出力する。
【0145】
エラー訂正符号化回路207は、例えば、クロスインターリーブ・リード・ソロモン符号化(Cross Interleave Reed-solomon Code;CIRC)、リードソロモン積符号化等のエラー訂正符号化処理を行い、エラー訂正符号化処理した記録データを変調回路208に出力する。変調回路208は、8−14変調、8−16変調等の変換テーブルを有しており、入力された8ビットの記録データを14ビット又は16ビットに変換して、記録処理回路209に出力する。記録処理回路209は、変調回路208から入力された記録データに対してNRZ(Non Return to Zoro)、NRZI(Non Return to Zoro Inverted)等の処理や記録補償処理をを行い、光ピックアップ装置103に出力する。
【0146】
復調回路210は、変調回路208と同様な変換テーブルを有しており、RFアンプ203から入力されたRF信号を14ビット又は16ビットから8ビットに変換し、変換した8ビットの再生データをエラー訂正復号回路211に出力する。エラー訂正復号回路211は、復調回路210から入力されたデータに対してエラー訂正復号処理を行い、出力端子212に出力する。出力端子212は、上述したホスト機器2のインタフェースに電気的に接続されいる。出力端子212より出力された再生データは、ホスト機器2に接続されたモニタに表示され、また、スピーカで再生音に変換されて出力される。
【0147】
操作部213は、記録再生装置1を操作するための各種操作信号を生成し、生成した各種操作信号を制御回路215に出力する。具体的に、この操作部213は、イジェクト釦213aの他、ディスクテーブル102に装着された光ディスク4に対して記録データの記録を開始する記録釦213bや光ディスク4に記録されているデータの再生を開始する再生釦213cや記録再生動作を停止する停止釦213dとを備える。イジェクト釦213a、記録釦213b、再生釦213c、停止釦213d等は、例えばホスト機器2のキーボード、マウス等を操作することにより、ホスト機器2よりインタフェースを介して記録開始信号、再生開始信号、停止信号等を制御回路215に入力する。
【0148】
メモリ214は、例えばEP−ROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)等のメモリであり、制御回路215が行う各種制御データやプログラムが格納されている。具体的に、このメモリ214には、光ピックアップ装置103をディスクテーブル102に装着された光ディスク4の径方向に送り操作する際の駆動源となるステッピングモータからなる送りモータ141の各種制御データが格納されている。
【0149】
ところで、光ディスク4は、内周側に、リードインエリアが設けられ、リードインエリアの外周側にプログラムエリアが設けられ、プログラムエリアの外周側、すなわち最外周にリードアウトエリアが設けられている。リードインエリアには、サブコードデータ中にプログラム領域に格納されているデータのアドレスデータ、リードアウトエリアのアドレスデータ等のTOC(Table Of Contents)データが格納されている。また、送りモータ141は、パルス電圧を印加して光ピックアップ装置103をステップ送りするものである。そこで、メモリ214には、図22に示すように、光ピックアップ24をリードインエリアの開始位置(HOME)から最外周のリードアウトエリアの読み出しを行うことができる終了位置(OUT)まで移動させるのに必要な記録再生ステップ数(A)が格納されている。なお、終了位置(OUT)は、光ピックアップ装置103の移動が機械的に規制され光ピックアップ21が更に外周側まで移動することができない位置でもある。
【0150】
また、光ピックアップ装置103の移動可能領域は、リードインエリアのTOCデータを確実に読み出すことができるようにするため、光ディスク4のリードインエリアより更に内周側まで移動することができるようになっている。そこで、メモリ214には、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)からリードインエリアの開始位置(HOME)まで光ピックアップ装置103を移動させるのに必要なステップ数(B)が格納されている。この光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)は、光ピックアップ装置103の移動が機械的に規制され光ピックアップ装置103が更に内周側まで移動することができない位置でもある。
【0151】
光ピックアップ装置103の移動可能領域は、最内周位置(IN)からリードアウトエリアの読み出しを行うことができる終了位置(OUT)までであり、機械的に光ピックアップ装置103の位置を正確に特定する必要がある。そこで、メモリ214には、ステッピングモータ141の最大ステップ数(C)が格納されている。最大ステップ数(C)は、光ピックアップ装置103を最内周位置(IN)に確実に突き当てるため、過剰ステップ数(D)を最内周位置(IN)より内周側に加算したものであり、また、光ピックアップ装置103を終了位置(OUT)に確実に突き当てるため、過剰ステップ数(D)を終了位置(OUT)より外周側に加算したものである。過剰ステップ数(D)の部分では、光ピックアップ装置103は、機械的に規制されて移動不能な状態にあり、この移動不能な状態で更にパルス電圧が印加され、リードスクリューが回転することから、リードスクリューが空回りし、ノイズが発生する状態となる。
【0152】
図21に示すように、制御回路215は、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等で構成されており、操作部213からの操作信号に応じて装置全体を制御する。制御回路215は、図22に示すように、リードインエリアの開始位置(HOME)を「0」として光ピックアップ装置103の位置をカウントする。また、制御回路215は、光ディスク4のイジェクト時、鉄芯コイル44に電力を供給してプランジャー45を磁気吸引しているマグネットの磁力をキャンセルさせ、ディスクトレイ5の係合機構20と装置本体7の係合凸部11との係合を解除する。
【0153】
次に、以上のように構成された記録再生装置1の動作について説明する。
【0154】
記録再生装置1は、予め一対のガイド軸105,106の各両端部を支持しているスキュー調整機構109によってガイド軸105,106の傾きが調整され、対物レンズ108から照射される光ビームが垂直に光ディスクの信号記録面に入射するようにされている。スキュー調整機構109のハウジング125内に配設された弾性部材126は、接着剤133によって硬化されているため、調整ネジ127により圧縮されて塑性変形が生じていてもガイド軸105,106の適切な傾きが維持されている。
【0155】
そして、記録再生装置1は、光ディスク4をディスクトレイ5に載置するためにディスクトレイ5が装置本体7外へ排出される。このとき、装置本体7は、図6に示すように、回動片42が矢印E方向に付勢されて、ディスクトレイ5に設けられたストッパー壁81に当接されている。また、係合片41は、回動片42の規制突部55によって当接部51が反矢印D方向に回動され、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上より退避された位置に保持されている。従って、係合凸部11が立設された装置本体7の下ハーフ9とディスクトレイ5との係合は解除され、ディスクトレイ5に設けられたコイルバネ28の付勢力を受けた押し出し部材30が下ハーフ9の背面壁9aを付勢してディスクトレイ5が装置本体7から排出される。
【0156】
ディスクトレイ5の収納凹部15に光ディスク4が載置され、ユーザによってディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されると、下ハーフ9に立設された係合凸部11が図6中矢印H方向に進み、押圧片46のアーム部70と接触して、アーム部70を図7中矢印G方向に回動させる。アーム部70が回動することにより押圧片46の押圧部72が回動片42の接触部57を押圧して、回動片42を図7中反矢印E方向に回動させる。回動片42の接続部58に接続されているプランジャー45は、挿通軸63が鉄芯コイル44内に深く挿入されて、鉄芯コイル44内に配設されたマグネットに磁気吸着される。
【0157】
このとき、押圧片46の押圧部72と接触する接触部57には膨出部60が形成されているため、押圧片46は、膨出部60を押圧することにより確実に回動片42を反矢印E方向に回動させ、プランジャー45を鉄芯コイル44に内蔵されたマグネットと吸着させることができる。また、回動片42は、接触部57と接続部58との間にスリット61が形成され、接触部57が弾性変位可能とされているため、接触部57が押圧片46に過剰に押圧されたときにも接触部57を撓ませて押圧力を吸収できる。
【0158】
これによりプランジャー45及び回動片42は、捻りコイルバネ59の付勢力に対抗して図7中反矢印E方向に回動され保持される。係合片41は、回動片42の規制突部55が反矢印E方向に回動されることにより、矢印D方向へ回動領域が広がり、図7に示すように、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上に位置される。
【0159】
さらにディスクトレイ5が装置本体7内に挿入されると、係合凸部11は、係合片41の胴体部49の先端に設けられた傾斜面49aを反矢印D方向に回動させながら図7中矢印H方向に進み、係合部48に係合される。これにより、ディスクトレイ5と装置本体7の下ハーフ9とが係合される。
【0160】
このとき、押し出し部材30は、図5に示すように、下ハーフ9の背面壁9aから押し戻されて、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に圧縮しながら前面5a側に移動する。コイルバネ28は、前面5a側の端部がバネ収納部29の収納壁29aに係止されているため、フランジ30aに押圧されて圧縮することにより、フランジ30aを背面5d側に付勢する付勢力を保持している。即ち、ディスクトレイ5は、下ハーフ9を背面5d側に付勢しながら下ハーフ9に突設されている係合凸部11を係合片41で係合することにより装置本体7内に保持されている。
【0161】
また、ディスクトレイ5が装置本体7内に収納される際、ディスクトレイ5に収納された光ピックアップユニット6と装置本体7の下ハーフ9に配設された配線基板17とを接続しているFPC23は、第2の腕部181の後端部181bが撓み、この後端部181bに形成されている屈曲部187が先端部181a側へ移動しながら装置本体7内に移動されていく。このとき、FPC23は、第2の腕部181の略中間部にカバーレイ188が貼着されているため、第2の腕部181の略中間部の剛性が後端部181bに比して相対的に高められている。従って、第2の腕部181は、装置本体7外に排出されたディスクトレイ5を装置本体7内に収納する際に、剛性の高い中間部がクリアランス190の下方に撓むことが防止されると共に、相対的に剛性の低く撓みやすくされた第2の腕部181の後端部221bが屈曲していき、確実に装置本体7内に移動されていく。
【0162】
また、図19(B)及び図20(C)に示すように、ディスクトレイ5が装置本体7内に収納されると、第2の腕部181は、コネクタ162との接続部186近傍に屈曲部187が形成される。しかし、接続部186の近傍の領域の剛性は、これよりやや接続部182側のカバーレイ188が貼着されている領域に比して相対的に弱められているため、第2の腕部181にかかる屈曲に伴う負荷を減少させることができる。従って、第2の腕部181は、先端部181aにクラックが発生して回路パターンが断線してしまうことを防止することができる。
【0163】
また、第2の腕部181は、屈曲部187が接続部186近傍に形成されたときに屈曲に伴う負荷を減少させるものであるため、ディスクトレイ5の装置本体7内への収納時に、屈曲に係る第2の腕部181への負荷を減少させるために接続部186と屈曲部187との距離を大きくとる必要がなく、第2の腕部181の長さを余計に必要とすることなく、コスト的にも不利となることがない。
【0164】
さらに、薄型化が図られた記録再生装置1においてはディスクトレイ5の収納時におけるFPC23の収納高さが極力抑えられているため屈曲部187の曲率が大きくなり屈曲部187に係る負荷が大きくなるが、第2の腕部181は、ディスクトレイ5の収納時における屈曲部187にかかる負荷を減少させることができるため、装置本体7の薄型化の要請にも応えることができる。
【0165】
また、記録再生装置1は、通常、光ピックアップ装置103を、リードインエリアの開始位置(HOME)に位置させている。この記録再生装置1は、ノート型コンピュータ等の携帯型の機器に内蔵されるものであるから、持ち運び時等に振動が加わるときがある。光ディスク4が収納された状態で記録再生装置1が内蔵されたホスト機器2が持ち運ばれると、振動によって収納されている光ディスク4ががたつくことがある。このがたつきに伴う光ディスク4の変位量は、外周側の方が大きい。そこで、記録再生装置1は、光ピックアップ装置103をがたつきに伴う変位量が小さい光ディスク4の内周側に位置させておくことで、光ディスク4と光ピックアップ装置103の対物レンズ108等が互いに接触し損傷しないようにしている。
【0166】
そして、図23に示すように、ステップS1において、記録再生装置1に電源が投入されると、制御回路215は、ステップS2において、ステッピングモータ141を駆動する。具体的に、制御回路215は、ステッピングモータ141に対して最大ステップ数(C)に相当するパルス電圧を印加する。すると、ステッピングモータ141に接続されたリードスクリュー140が回転し、光ピックアップ装置103は、光ディスク4の外周側の終了位置(OUT)までステップ送りされる。
【0167】
この記録再生装置1は、持ち運び時等の振動によって、光ピックアップ装置103が歯飛びをして、リードインエリアの開始位置(HOME)より内周側又は外周側に移動してしまうことがある。このような場合にも、ステッピングモータ141には、図22に示す記録再生ステップ数(A)に、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)からリードインエリアの開始位置(HOME)まで光ピックアップ装置103を移動させるのに必要なステップ数(B)と内周側と外周側の過剰ステップ数(D)を加算した最大ステップ数(C)に相当するパル電圧が印加される。すなわち、ステッピングモータ141は、光ピックアップ装置103が終了位置(OUT)で機械的に移動が規制された後リードスクリュー140が空回りまで駆動されることで、光ピックアップ装置103の終了位置(OUT)を確実に位置出しすることができる。
【0168】
なお、リードスクリュー140が空回りしているときは、ノイズを発生することになるが、このノイスが発生するのは、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)からリードインエリアの開始位置(HOME)まで光ピックアップ装置103を移動させるのに必要なステップ数(B)と内周側と外周側の過剰ステップ数(D)を加算したステップの間のみである。したがって、ノイズは、例えばリードインエリアの開始位置(HOME)より最内周位置(IN)の方向に最大ステップ数(C)に相当するマイナスのパルス電圧をステッピングモータ141に印加したときよりも小さくすることができる。
【0169】
光ピックアップ装置103の終了位置(OUT)がステップS2において確実に特定されると、制御回路215は、ステップS3において、ステッピングモータ141に対して最大ステップ数(C)に相当するマイナスのパルス電圧を印加する。これによって、ステッピングモータ141は、光ピックアップ装置103が最内周位置(IN)で機械的に移動が規制された後リードスクリュー140が空回りまで駆動され、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)を確実に位置出しすることができる。
【0170】
なお、リードスクリュー140が空回りしているときは、ノイズを発生することになるが、このノイスが発生するのは、内周側の過剰ステップ数(D)分だけであり、ノイズ発生時間を最小限にすることができる。
【0171】
光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)がステップS3において確実に特定されると、制御回路215は、ステップS4において、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)からリードインエリアの開始位置(HOME)まで光ピックアップ装置103を移動させるのに必要なステップ数(B)に相当するプラスのパルス電圧を印加する。これによって、制御回路215は、光ピックアップ装置103をリードインエリアの開始位置(HOME)に確実に移動させることができる。また、制御回路215は、開始位置(HOME)を「0」として、パルス数のカウントを開始し、光ピックアップ装置103の位置管理を開始する。
【0172】
次に、光ディスク4へ記録データを記録するときの記録動作について説明する。操作部213を構成する記録釦213bがユーザにより操作されて入力端子206より記録データが入力されると、この記録データは、エラー訂正符号化回路207で光ディスク4の種類に応じたエラー訂正符号化処理がされ、次いで、変調回路208で光ディスク4の種類に応じた変調処理がされ、次いで、記録処理回路209で記録処理がされた後、光ピックアップ装置103に入力される。すると、光ピックアップ装置103は、光ディスク4の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを照射し、光ディスク4の記録層に照射すると共に、光ディスク4の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ203に出力する。RFアンプ203は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路204は、RFアンプ203から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号を光ピックアップ装置103の対物レンズ駆動機構の駆動回路に出力する。これにより、対物レンズ駆動機構に保持された対物レンズ108は、フォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号に基づいて、対物レンズ108の光軸と平行なフォーカシング方向及び対物レンズ108の光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位される。更に、モータ制御回路202は、グルーブのウォブル成分やアドレス用のピットより生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ201を駆動し、光ディスク4をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路205は、RF信号からウォブルしたグルーブやピットパターン等からリードインエリアのアドレスデータを抽出し、制御回路215に出力する。光ピックアップ装置103は、制御回路215の制御に基づいて、記録処理回路209で記録処理されたデータを記録するため、この抽出されたアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを記録レベルで駆動し、光ビームを光ディスク4の記録層に照射しデータの記録を行う。光ピックアップ装置103は、記録データを記録するに従って、順次ステッピングモータ141によってステップ送りされ、光ディスク4の内外周に亘って記録データを記録する。
【0173】
次に、光ディスク4に記録されている記録データを再生するときの動作について説明する。操作部213を構成する再生釦213cがユーザにより操作されると、光ピックアップ装置103は、記録動作のときと同様に、光ディスク4の種類に応じて半導体レーザより所定の波長の光ビームを光ディスク4の記録層に照射すると共に、光ディスク4の反射層で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出し、これを光電変換しRFアンプ203に出力する。RFアンプ203は、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号を生成する。サーボ回路204は、RFアンプ203から入力されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいてフォーカシングサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらの信号に基づいて対物レンズ108のフォーカシング制御やトラッキング制御を行う。更に、モータ制御回路202は、同期信号より生成したクロックが水晶発振器からの基準クロックと同期するように回転サーボ信号を生成し、これに基づき、スピンドルモータ201を駆動し、光ディスク4をCLVで回転する。更に、サブコード抽出回路205は、RF信号からサブコードデータを抽出し、抽出したサブコードデータを制御回路215に出力する。光ピックアップ54は、所定のデータを読み出すため、この抽出されたサブコードデータに含まれるアドレスデータに基づいて所定のアドレスにアクセスし、半導体レーザを再生レベルで駆動し、光ビームを光ディスク4の記録層に照射し反射層で反射された戻りの光ビームを検出することによって光ディスク4に記録されている記録データの読み出しを行う。光ピックアップ装置103は、記録データを読み出すに従って、順次ステッピングモータ141によってステップ送りされ、光ディスク4の内外周に亘って記録されている記録データの読み出しを行う。
【0174】
RFアンプ203で生成されたRF信号は、復調回路210で記録時の変調方式に応じて復調処理がされ、次いで、エラー訂正復号化回路21でエラー訂正復号処理がされ、出力端子212より出力される。この後、出力端子212より出力されたデータは、そのままディジタル出力されるか又は例えばD/Aコンバータによりディジタル信号からアナログ信号に変換され、スピーカ、モニタ等に出力される。
【0175】
以上の光ディスク4に対して記録データを記録又は再生する際、対物レンズ108を備えたピックアップベース114に接続された係合部材120は、収納部153に形成された係合突部151がリードスクリュー140のネジ溝144と、ネジ溝144の溝深さ分の例えば0.3mmだけ係合すると共に、収納部153内に剛性を有する金属板からなる間隙形成部材152が収納部153の両側壁158,159との間に係合突部151とリードスクリュー140の溝部144に係合した深さより短い、例えば0.1mmのクリアランスを隔てて収納されている。
【0176】
従って、間隙形成部材152は、収納壁153aに形成された係合突部151をリードスクリュー140に付勢することなく収納され、リードスクリュー140に過剰な付勢力を与えてリードスクリュー140の回転を鈍らせてピックアップベース114の搬送を阻害することを防止できる。また、間隙形成部材152は、係合部材120の寸法公差等により、ピックアップベース114の搬送中に係合突部151とネジ溝144との間にブレが生じたときにも、係合突部151のブレを収納部153の収納壁153aと間隙形成部材152の側壁158との間に形成されたクリアランス(0.1mm)以内に抑えることができる。このため、係合部材120は、係合突部151が、ネジ溝144の溝深さ(0.3mm)以上にブレることがなく、ピックアップベース114の搬送中にリードスクリュー140と係合突部151との係合が外れることを防止できる。
【0177】
また、リードスクリュー140を回転させることにより、ピックアップベース114を矩形波でステップ送りする送りモータ141は、モータハウジング145の上下面側が開放されることにより、厚さ方向の薄型化が図られている。またモータハウジング145は、光ピックアップユニット6の上下面に配設されたカバー部材90及び底板91とによって狭持されている。
【0178】
これにより、モータハウジング145内に収納されたコイル146の磁界を閉じることができ、送りモータ141より漏れる磁界による光ディスク4に対する情報信号の記録又は再生への影響を防止することができる。また、このピックアップ移動機構104は、送りモータ141のモータハウジング145の上下面側が開放されているため、モータハウジング145内に籠もる熱を容易に排出することができる。
【0179】
また、記録再生装置1は、ディスクトレイ5とベースシャーシ101とカバー部材90とは、互いに線膨張係数が異なる材料によって形成されているため、光ディスク4に対する記録データの記録又は再生動作中において、ディスクトレイ5、ベースシャーシ101及びカバー部材90が熱を帯びてくると、熱による収縮率の違いにより各構成部品に歪みが発生する。具体的に、アルミニウム製のカバー部材90は、開口部166の矩形開口部116aが光ディスク4側に反りを生じ、収納凹部15に載置された光ディスク4の信号記録面と摺接する場合がある。
【0180】
ここで、第1の収納壁170は、壁本体170aの下側縁に突部175が形成されているため、カバー部材90が突部175に当接されることにより光ディスク4側への反りを防止し、カバー部材90と光ディスク4との摺接を防止することができる。
【0181】
次に、光ディスク4のイジェクト釦213aが押されたときの動作について図24を参照して説明する。制御回路215は、ステップS11において、イジェクト釦213aが押されたかどうかを判断し、イジェクト釦213aが押されたとき、ステップS12に進む。制御回路215は、イジェクト釦213aが押されたことを検出すると、ステッピングモータ141にマイナスのパルス電圧を印加し、光ピックアップ装置103をリードインエリアの開始位置(HOME)まで移動する。
【0182】
なお、光ピックアップ装置103をリードインエリアの開始位置(HOME)まで移動するに当たっては、最大ステップ数(C)に相当するマイナスのパルス電圧をステッピングモータ141に印加して最内周位置(IN)に光ピックアップ装置103を移動させた後、光ピックアップ装置103の最内周位置(IN)からリードインエリアの開始位置(HOME)まで光ピックアップ装置103を移動させるのに必要なステップ数(B)に相当するプラスのパルス電圧を印加して光ピックアップ装置103をリードインエリアの開始位置(HOME)に移動させるようにしてもよい。
【0183】
光ピックアップ装置103がリードインエリアの開始位置(HOME)に移動すると、制御回路215は、ステップS13において、プランジャー45を磁気吸引するマグネットの磁力をキャンセルさせるために鉄芯コイル44に電力を供給してディスクトレイ5の係合機構と装置本体7の係合凸部11との係合を解除する。すると、光ディスク4が装着されているディスクトレイ5は、コイルバネ28の付勢力によって装置本体7外に排出される。
【0184】
具体的に、ディスクトレイ5を装置本体7より排出する際には、ディスクトレイ5の操作部213から操作信号を受けた制御回路215によって、鉄芯コイル44に内蔵されたマグネットの磁力をキャンセルするような電流を供給するように制御される。従って、回動片42は、捻りコイルバネ59の付勢力によって、図6中矢印E方向に回動される。係合片41は、規制突部55が矢印E方向に回動されることによって、反矢印D方向へ回動され、係合部48が係合凸部11の移動軌跡上から退避される。これにより、係合部48から係合凸部11が外れ、ディスクトレイ5と装置本体7の下ハーフ9との係合が解除される。
【0185】
このとき、押し出し部材30は、コイルバネ28の付勢力と同等の反力を背面壁9aから受けて、フランジ30aによりコイルバネ28を前面5a側に押し戻す。コイルバネ28は、前面5a側端部がコイル収納部29の収納壁29aに係止されているため、この収納壁29aを前面5a側に押し出しながら伸長していく。これによりディスクトレイ5は装置本体7の開放端側に押し出され、前面5a側が装置本体7の開放端側に排出される。
【0186】
なお、回動片42が矢印E方向に回動されることにより、押圧片46の押圧部72が回動片42の接触部57と衝突して反矢印G方向に回動されたときにも、アーム部70がストッパー80に係止されるため、過剰にアーム部70が過剰に回動して係合凸部11の移動軌跡上に位置されなくなる事態は防止される。また、押圧片46に巻回された捻りコイルバネ73は、ディスクトレイ5の裏面5cに形成された係止部材75によって係止位置が適正な位置に規制され、最適な付勢力を押圧片46に与えている。従って、押圧片46は、係合凸部11や回動片42に押圧されて矢印G方向又は反矢印G方向に回動されたときにおいても、係合凸部11の移動軌跡上にアーム部70が交差する元の位置に戻される。
【0187】
ここで、光ディスク4をイジェクトするとき、振動によって収納されている光ディスク4ががたつくことがある。このがたつきに伴う光ディスク4の変位量は、外周側の方が大きい。そこで、記録再生装置1は、光ピックアップ装置103をがたつきに伴う変位量が小さい光ディスク4の内周側に位置させておくことで、光ディスク4と光ピックアップ装置103の対物レンズ108等が互いに接触し損傷しないようにしている。
【0188】
以上、本発明が適用された記録再生装置について説明したが、本発明は上述した構成の他に、例えば光ディスクとして、CD(compact disk)、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD−RAMの記録及び/又は再生装置について適用してもよい。
【0189】
また、本発明が適用された記録再生装置が搭載されるホスト機器としては、ノート型パソコンやPDA(personal digital assistant)等の携帯型記録再生装置、デスクトップ型パソコンやサーバ装置等の据置型記録再生装置又は車載用の記録再生装置等に適用してもよい。
【0190】
また、上述した本発明が適用された記録再生装置における各寸法は例示であり、他の寸法により本件発明を構成してもよい。
【0191】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る係合機構を備えた記録再生装置によれば、ディスクトレイ装置本体より排出する際には、鉄芯コイルに内蔵されたマグネットの磁力をキャンセルするような電流を供給するように制御される。そして、回動片は、係合片を、係合部が係合凸部の移動軌跡上から退避するように回動領域を開放する。これにより、係合部から係合凸部が外れ、ディスクトレイと装置本体との係合が解除される。
【0192】
従って、プランジャーを磁気吸引しているマグネットの磁力を、鉄芯コイルに電流を供給することによりキャンセルさせるため、ユーザによる誤動作により光ディスクへ記録データの記録又は再生動作中に、ディスクトレイが引き出される事態を防止し、確実にディスクトレイの挿脱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録及び/又は再生装置が搭載されたノート型パソコンを示す斜視図である。
【図2】本発明に係る記録及び/又は再生装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る記録及び/又は再生装置を示す断面図である。
【図4】ディスクトレイの裏面を示す平面図である。
【図5】ディスクトレイの裏面を示す平面図である。
【図6】係合機構を示す平面図である。
【図7】係合機構を示す平面図である。
【図8】光ピックアップユニットを示す平面図である。
【図9】スキュー調整機構を示す断面図である。
【図10】他のスキュー調整機構を示す断面図である。
【図11】さらに他のスキュー調整機構を示す断面図である。
【図12】ピックアップ移動機構を示す平面図及び正面図である。
【図13】係合部材を示す斜視図である。
【図14】係合部材を示す分解斜視図である。
【図15】係合部材を示す側面図である。
【図16】カバー部材が取り付けられた光ピックアップユニットを示す平面図である。
【図17】ディスクトレイの収納凹部を示す斜視図である。
【図18】ディスクトレイと装置本体とを接続するフレキシブル配線基板を示す平面図である。
【図19】フレキシブル配線基板によって接続されたディスクトレイ及び装置本体を示す斜視図である。
【図20】ディスクトレイが装置本体内外へ搬送される際のフレキシブル配線基板を示す断面図である。
【図21】本発明に係る記録再生装置を示すブロック図である。
【図22】光ピックアップがステップ送りされることにより移動される領域を説明するための図である。
【図23】記録再生装置の起動時における光ピックアップ装置をパルス駆動する過程を示すフローチャートである。
【図24】記録再生装置のイジェクト時における光ピックアップ装置をパルス駆動する過程を示すフローチャートである。
【図25】従来のドライブユニットを示す分解斜視図である。
【図26】従来のディスクトレイを裏面側から示す平面図である。
【図27】従来のディスクトレイを裏面側から示す平面図である。
【図28】従来の係合機構を示す平面図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置、2 ホスト機器、4 光ディスク、5 ディスクトレイ、6光ピックアップユニット、7 装置本体、9 下ハーフ、11 係合凸部、12 ガイドレール、15 収納凹部、16 開口部、17 回路基板、18 保持機構、19 付勢機構、20 係合機構、21 収納部、22 ガイド突条、23 FPC、28 コイルバネ、29 バネ収納部、30 押し出し部材、41 係合片、42 回動片、44 鉄芯コイル、45 プランジャー、46 押圧片、48 係合部、49 胴体部、51 当接部、52 捻りコイルバネ、55 規制突部、57 接触部、58 接続部、60 膨出部、61 スリット、65 鉄芯、66 コイル、70 アーム部、72 押圧部、75 係止部材、80 ストッパー、90 カバー部材、91 底板、101 ベースシャーシ、102 ディスクテーブル、103 光ピックアップ装置、104 ピックアップ移動機構、105,106 ガイド軸、108 対物レンズ、109 スキュー調整機構、110 フレーム、114 ピックアップベース、120 係合部材、125 ハウジング、126 弾性部材、127 調整ネジ、129 ネジ孔、131,132 挿入孔、133 接着剤、140 リードスクリュー、141 送りモータ、142 開口部、143 軸受け、144 ネジ溝、145ハウジング、146 コイル、151 係合突部、152 間隙形成部材、153 収納部、155,156 係止突部、161 配線基板、162 コネクタ、166 開口部、167 当接部、170 収納壁、175 突部、180第1の腕部、182 第2の腕部、184 カバーレイ、187 屈曲部、190 クリアランス、202 モータ制御回路、213 操作部、214 メモリ、215 制御回路

Claims (5)

  1. 装置本体内外に亘って移動されるディスクトレイと、
    上記ディスクトレイに載置される記録媒体を駆動する駆動機構と、
    上記記録媒体に対して情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生手段と、
    上記ディスクトレイを上記装置本体内に保持するディスクトレイ保持機構とを備え、
    上記ディスクトレイ保持機構は、
    上記ディスクトレイを装置本体内に係合保持する係合凸部と、
    上記係合凸部を係合する方向に回動付勢される係合部材と、
    上記係合部材と接触し、該係合部材を上記係合凸部と係合させ又は上記係合凸部との係合を解除させる回動部材と
    上記係合凸部に押圧されることにより上記回動部材と当接され、上記係合部材が上記係合凸部に係合する方向に上記回動部材を押圧する押圧部材と、
    上記回動部材を保持するとともに該回動部材を回動させる保持手段と、
    上記ディスクトレイを上記装置本体外へ付勢する付勢部材とを有し、
    上記ディスクトレイが上記付勢部材の付勢力に対抗して上記装置本体内に挿入されることにより、上記係合凸部が上記押圧部材を押圧し、上記押圧部材と当接した上記回動部材が上記係合部材を上記係合凸部と係合する方向に回動されるとともに上記保持手段に保持されて、上記係合部材と係合凸部とが係合することにより上記ディスクトレイを上記装置本体内に保持し、
    上記保持手段が上記回動部材を回動させることにより上記係合部材を上記係合凸部との係合を解除する方向に付勢され、上記付勢部材の付勢力により上記ディスクトレイを上記装置本体外へ排出し、
    上記回動部材は、当該回動部材が回動する面内において、当該回動部材が回動する回動方向に対してほぼ垂直方向に伸びるスリットが形成されることにより、上記押圧部材に押圧された際に弾性変位可能とされていることを特徴とする記録及び/又は再生装置。
  2. 上記押圧部材又は上記回動部材は、上記押圧部材と上記回動部材との接触部の少なくとも一方に膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。
  3. 上記押圧部材の近傍には、該押圧部材の回動領域を上記係合凸部が押圧可能な領域内に規制する規制凸部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。
  4. 上記押圧部材は捻りコイルバネによって所定の回動領域内を回動可能に付勢され、
    該捻りコイルバネは、上記押圧部材に形成された回動軸部に巻回されると共に、先端部が上記押圧部材近傍に設けられた一対の係止部材の間を通りその一方に掛けることにより係止されることにより上記押圧部材を付勢しており、
    該一対の係止部材は、上記捻りコイルバネの先端部が掛けられる一部材側が略円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。
  5. 上記回動部材は、支柱部を支点に回動可能に形成されると共に、この支柱部に捻りコイルバネが配置されることにより、第1の方向に回動付勢されているとともに、上記係合部材が上記第1の方向に付勢される際に、上記回動部材に設けられた規制突部が、上記係合部材の当接部と当接され、上記規制突部と上記当接部とによって上記係合部材の回動領域が規制されることを特徴とする請求項1記載の記録及び/又は再生装置。
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