JP4566341B2 - 穀類の包装用袋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋のシール部にエア抜き用の通路を設けた穀類の包装用袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米を出荷するときには、精米機により精米した米を袋に定量(5kgとか10kgというように)充填してから、コンベアにより所定の場所に送り、ついでパレット上にたとえば6段ぐらいに積み上げる。この場合、米を充填した袋にはエアが入っているので、上の段の包装体を積んだときに下の段の包装体内のエアがすみやかに抜けないと、積み上げていくときに滑りによる荷崩れを起こしやすい。そしてこのようにしてパレット上に積み上げた包装体は、フォークリフトで運ばれてから、パレットごと陸送用のトラックに積載されるが、さらにその積載したパレット付き積み上げ体の上から、同様のパレット付き積み上げ体を合計でたとえば5段というように積み上げるのが通例である。
【0003】
また、米を充填した袋を上下のコンベアベルト間に供給して、強制脱気することもなされている。
【0004】
従来、積み上げ時の荷崩れを避けるため、あるいは脱気装置を通すときのパンクを避けるため、袋の上辺または底辺に、破線状、1点鎖線状、2点鎖線状というような断続線状の融着部を2線とか3線という複線状に形成することがなされている。断続線状の融着部の個々の単位線の長さや隙間、隣接する断続線の位置や間隔を適宜に設計することにより、積み上げ時に内容物である米粒は飛び出さずに内部のエアのみが抜けるようにすることができる。このシールの仕方は、エアが迷路を通るように流れるので、「迷路シール」と呼ばれることもある。
【0005】
たとえば、特開平8−26300号公報には、袋の上辺または底辺に、破線状の外側シールと2点鎖線状の内側シールとを複線状に形成した空気抜き穴付き米袋が示されている。
【0006】
特開平11−29153号公報には、袋の上辺または底辺に、破線状の外側シールと破線状の内側シールとを複線状に形成した包装袋が示されている。
【0007】
特開平11−301701号公報には、袋の上辺または底辺に、1点鎖線状の外側シールと、点状の中間部シールと、破線状の内側シールとを、3線状に形成した米袋が示されている。またこの公報には、上述の特開平8−26300号公報の米袋が従来技術として紹介されている。
【0008】
特開平11−301702号公報には、袋の上辺または底辺に、破線状の外側シールと、点状の中間部シールと、破線状の内側シールとを、3線状に形成した米袋が示されている。またこの公報には、上述の特開平8−26300号公報の米袋が従来技術として紹介されている。
【0009】
特開平11−3017032号公報には、袋の上辺または底辺に、(イ)T字破線状の外側シールと破線状の内側シールとを2線状に形成した米袋、(ロ)T字破線状の外側シールと逆T字破線状の内側シールとを2線状に形成した米袋、が示されている。
【0010】
特開平11−314646号公報には、袋の上辺または底辺に、融着部と未融着部とが形成され、かつ未融着部の寸法が袋の隅付近で長くなっている穀物包装袋が示されている。
【0011】
そのほか、迷路シールではないが、特開平10−258846号公報には、融着シール部の一部を未融着で残して通気部とすると共に、この通気部では両面のフィルム長に差を持たせて、穀物が漏れない大きさの穴を形成した穀物包装袋が示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記の迷路シールは、袋の上辺または底辺のシールの仕方を工夫するだけでエア抜きを図ることができるので便利であるが、米粒が飛び出さずにエアのみが速やかに抜けるようにすることは意外に難しい。
【0013】
というのは、米粒が飛び出さないようにするためには、断続線状の融着部個々の単位線の長さを長くすると共に、左右に隣接する単位線間の隙間や、上下に隣接する断続線状の融着部との間の隙間はできるだけ小さくしなければならないところ、そのようにすると今度はエアの抜け速度が遅くなってしまうからである。エアの抜け速度が遅くなると、それに合わせてパレットへの積み上げ速度をゆっくりとしなければならないので、パレットへの積み上げに長時間を要することになる。そして人手により積み上げるときは状況を見ながら積み上げ速度をコントロールすることが可能でも、ロボットにより積み上げるときは不測の荷崩れを起こすことがある。また、脱気装置により強制脱気するときには、パンクを生ずるおそれがある。
【0014】
このように、断続線状の融着部につき、その長さや、左右または隣接線間の隙間を種々に設定し、未融着部においてエア抜きを図る方法は、米粒が飛び出さないという条件は必ず満足しなければならないので、エア抜き速度にはおのずから限界があり、その限界を越えることができない。またこの方法によっては、未融着部の米粒の先端が嵌まり込むことを完全に防止することは難しい。
【0015】
上記のうち特開平10−258846号公報の穀物包装袋は、迷路シールではないが、通気部において両面のフィルム長に差を持たせて穴を形作るべく、スペーサを挟み込んで融着を行うというような特殊な方法を採用するため(表裏のシートの巾が異なることになる)、袋の製造装置、製造工程が相当程度複雑となることを免れない上、特に表裏のシートの基材フィルムが二軸延伸されたナイロンフィルムやポリエステルフィルムのような伸びにくい材料であるときには、仕上り状態が不安定となる。また、穴は台形とか矩形とか丸形になるため、その穴に米粒の先端が嵌まり込むことを完全には防止できない。
【0016】
本発明は、このような背景下において、従来の迷路シールとは別の機構を採用して、米等の粒状物は飛び出したりエア抜き通路に嵌入したりせず、しかもエア抜き速度を充分に大きくすることのできる穀類の包装用袋を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の穀類の包装用袋は、
穀類を包装する袋であって、
表裏のシート(1A), (1B)で作られた袋(1) の4辺のうち少なくとも1辺に沿った帯域(2) の少なくとも一部に、1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) が2段以上の複線状となるようにかつ前記帯域(2) の長さ方向に向くように配設されると共に、その断続線状でかつ複線状の融着部(3) 間の隙間が非融着部(4) となっていること、
上記の帯域(2) のうち、少なくとも上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) のうちの点状の融着部を含む領域における融着部(3) および非融着部(4) には、袋の正面視で短線列状のエンボス加工部(5) が、その個々の短線の向きが実質的に帯域(2) の巾方向に向くようにバーコード状に設けてあること、
そのエンボス加工部(5) が設けられた帯域(2) の表裏のシート(1A), (1B)が、該エンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視で、二重の折れ線形状となるように変形されていること、
もって、上記断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) が、エア抜き通路となっていること
を特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0019】
〈穀類の包装用袋の構造〉
袋(1) は、表裏のシート(1A), (1B)で作られる。表裏のシート(1A), (1B)としては、典型的には、外面側が基材フィルム(1x)、内面側がシーラント層(1y)からなる積層シートが用いられる。これらの基材フィルム(1x)およびシーラント層(11y) のほかに、アルミニウム蒸着層等の蒸着層、アルミニウム箔等の金属箔、不織布、紙をはじめとする他の層を含んでいてもよい。
【0020】
ここで基材フィルム(1x)としては、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、無延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、密度の比較的高い直鎖状低密度ポリエチレン等の単層または複層フィルムが例示できる。基材フィルム(1x)の厚みは、特に限定はないものの、7〜60μm 程度とすることが多い。
【0021】
シーラント層(1y)としては、LDPE(またはLD)と称される低密度ポリエチレン、CPPと称されるプロピレン系重合体(コポリマーやターポリマー)、LLDPE(またはLLD)と称される直鎖状低密度ポリエチレン(殊に密度の比較的低いもの)、EVAと称されるエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などの層があげられる。シーラント層(1y)の厚みは、特に限定はないものの、30〜250μm 程度とすることが多い。
【0022】
基材フィルム(1x)(蒸着層など他の層を付加していることもある)に対するシーラント層(1y)の積層は、ドライラミネート、エクストルージョンラミネート、共押出などの方法により達成できる。なお、蒸着層など他の層を付加するときは、これを基材フィルム(1x)に付加してもよく、シーラント層(1y)側に付加してもよい。
【0023】
袋(1) への製袋に際しては、表裏のシート(1A), (1B)をそれぞれのシーラント層(1y)が対向するようにして、必要部(袋の両サイドとなる帯域や、袋の底辺または上辺となる帯域)をヒートシールする。
【0024】
本発明の穀類の包装用袋にあっては、表裏のシート(1A), (1B)で作られた袋(1) の4辺のうち少なくとも1辺に沿った帯域(2) の少なくとも一部に、1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) が2段以上の複線状となるようにかつ上記帯域(2) の長さ方向に向くように配設されると共に、その断続線状でかつ複線状の融着部(3) 間の隙間が非融着部(4) となっている。4辺のうち少なくとも1辺とは、縦長形状の場合、上辺、底辺、右サイド辺、左サイド辺のうちの少なくも1辺(通常は1辺か精々2辺)ということである。
【0025】
1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) は、上記の帯域(2) の長さ方向に向くように配設される(若干斜めにした場合も長さ方向に含まれるものとする)。1〜4点鎖線状の断続線とは、1点鎖線、2点鎖線、3点鎖線、4点鎖線、あるいはこれらの混在したものを言う。1〜4点鎖線は、長さの短い点状の部分と長さの長い線分の部分(モールス信号に喩えれば「ト」の部分と「ツー」の部分)とからなる。後述の実施例1においては、長さの短い点状の部分の長さが7mmで、長さの長い線分の部分の長さが21mmである3点鎖線の場合を示してある(図2を参照)。
【0026】
そして、上記の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) は、上記帯域(2) に1重に設けたのではシール強度が不足するので、上記帯域(2) に2段以上の複線状となるように配設される。
【0027】
さて本発明においては、上記帯域(2) のうち、少なくとも上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) のうちの点状の融着部を含む領域における融着部(3) および非融着部(4) には、袋の正面視で短線列状のエンボス加工部(5) が、その個々の短線の向きが実質的に帯域(2) の巾方向に向くようにバーコード状に設けてあるようにする。「実質的に」とは、帯域(2) の巾方向に対して多少(45°程度まで、殊に35°程度まで)傾斜していても差し支えないという趣旨である。傾斜とは、たとえば、「//////」とか、「///」と「\\\」とが混在するようなことである。
【0028】
そして、そのエンボス加工部(5) が設けられた帯域(2) の表裏のシート(1A), (1B)が、該エンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視で、二重の折れ線形状となるように変形されているようにする。このように変形する方法については後述する。
【0029】
短線列状のエンボス加工部(5) は、これをバーコード状に設けるが、このとき短線を一連に配列する態様のほか、バーコードを短線の数がm本とかn本ごとのブロックに分け、m−n−m−nとかn−n−n−nとかいうように、m−n間やn−n間の「−」の所に空白を設けるようにしながら間欠的に配列する態様をとることも多い。
【0030】
短線の長さは、たとえば30±10mm、殊に20±5mmとすることが多い。その長さが余りに短いときは、二重の折れ線が脱気時に広がってしまってそこに内容物である穀類粒が嵌入するおそれがあり、一方その長さが余りに長いときには、エア抜き性が不充分となる傾向があったり、袋の有効面積が過度に減少したりすることがあるからである。
【0031】
各短線間の間隔は、米袋の場合で、たとえば10mm当たり7±3本程度とすることが好ましい。また、1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) 間の隙間である1つの非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) の短線の数は、1〜4本、殊に2〜3本とすることが望ましい。このようにすると、米粒の嵌まり込みが防止されかつエア抜きが円滑となるからである。
【0032】
本発明においては、上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) が、エア抜き通路となっているわけである。
【0033】
〈穀類の包装用袋の製造法〉
上記構造を有する本発明の穀類の包装用袋は、典型的には、次の工程により製造される。
【0034】
まず、表裏のシート(1A), (1B)を、水平方向に、かつそれぞれのシーラント層(1y)の側が対向するように上下に配して、下流に向けて送る。なお実際の工程においては、供給ロールから1枚の原反シートを送り出すと共に、半折し、ついで半裁し、以後は表裏のシート(1A), (1B)として走行させる。表裏のシート(1A), (1B)の走行は、原反シートを供給ロールから送り出してから半裁するまでは連続的に一定速度で行われるが、緩衝機構により次工程以降は個別の袋としたときの袋巾の分を1ピッチとして間欠走行するようにする。
【0035】
下流に向けて送られた表裏のシート(1A), (1B)は、ついで次のようにエンボス加工される。
【0036】
すなわち、個々の袋(1) となるときの4辺のうち少なくとも1辺に沿った帯域(2) の少なくとも一部に、袋の正面視で短線列状のエンボス加工部(5) を、
(イ)その個々の短線の向きが実質的に帯域(2) の巾方向に向くようにバーコード状に、かつ
(ロ)そのエンボス加工部(5) が設けられた帯域(2) の表裏のシート(1A), (1B)が、該エンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視で、二重の折れ線形状となるように変形するように、
形成する。
【0037】
上記の帯域(2) 、すなわちエンボスを施す帯域は、走行するシートの巾方向であってもよく、長さ方向(1個取りの場合は耳端側に沿って、2個取りの場合は両耳端側に沿ってあるいは中央線および耳端側に沿って)であってもよい。走行するシートから、どのように個々の袋を取るかに依存するからである。
【0038】
短線列状のエンボス加工部(5) の形成は、互いに噛み込むラック形状の対向面を有する上下のプレス板(7), (7)にて、かつ表裏のシート(1A), (1B)が融着しない条件下において、上記帯域(2) を熱圧着することにより行うことが特に好ましい。
【0039】
「ラック形状」とは、ピニオン−ラックにおけるラックの意味、つまり円筒状の歯車のピッチ円直径を無限大にした状態(ピッチ円がピッチ線となった状態)の歯ざおである。(「図説機械用語事典[増補版]、実業出版株式会社発行、昭和62年6月10日増補第2刷発行」の450頁の「ラック」の項の図を参照。)
【0040】
エンボス加工部(5) を形成した後は、個々の袋(1) となるときの必要個所にシール帯(6) を形成する。このシール帯域(6) のシート上の位置は、どのように個々の袋を取るかに依存するので、表裏のシート(1A), (1B)の両耳端側の帯域とか、中央線に沿う帯域とか、シートの巾方向とかになる。
【0041】
続いて、上記エンボス加工部(5) を設けた帯域(2) 内に、上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) を形成して、その断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) がエア抜き通路となるようにする。断続線状の融着部(3) の設置の仕方は先に述べた。なお、先に述べたシール帯(6) の形成と、この断続線状の融着部(3) の形成は、その順序を逆にすることも可能であり、また同時に行うことも可能である。
【0042】
最後に、上記工程を経た表裏のシート(1A), (1B)を所定のカット線に沿ってカットし、個々の袋(1) となす。もし必要なら、このカットに先立ちまたはカットと同時に、表裏のシート(1A), (1B)の両耳端側やその他の部位を化粧カットまたは打ち抜きするトリミングを行う。
【0043】
〈内容物の充填と密封〉
上記で得た袋(1) には、その開口辺側から米、麦等の穀類が充填され、ついで開口辺の帯域がヒートシールされる。
【0044】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
【0045】
実施例1
図1は本発明の穀類の包装用袋の一例を示した正面図である。
図2は図1の要部の拡大図である。
図3は図2のX−X切断端面図である。
図4はエンボス加工部(5) 形成のための熱板(7), (7)の斜視図である。
図5は本発明の穀類の包装用袋の製造工程の一例を示した説明図である。
【0046】
〈表裏のシート(1A), (1B)の準備〉
袋(1) 形成用の表裏のシート(1A), (1B)として、次の2種の層構成の積層シート (i)、(ii)を準備した(DLとあるのはドライラミネーションの意味)。
【0047】
(i) 基材フィルム(1x)の一例としての厚み15μm の二軸延伸ナイロン6フィルム(ONy)の片面に印刷を行った後、その印刷面の上からシーラント層(1y)の一例としての厚みが60μm で密度が 0.920の直鎖状低密度ポリエチレン(LLD)をドライラミネートして得た「ONy(15)/DL/LLD(60)」の層構成の積層シート。
【0048】
(ii) 基材フィルム(1x)の一例としての厚みが40μm で密度が 0.935の直鎖状低密度ポリエチレン(LLD)の片面に印刷を行った後、その印刷面の上からシーラント層(1y)の一例としての厚みが50μm で密度が 0.912の直鎖状低密度ポリエチレン(LLD)をドライラミネートして得た「LLD(40)/DL/LLD(50)」の層構成の積層シート。
【0049】
〈表裏のシート(1A), (1B)の走行〉
上記の積層シートからなる原反シートを供給ロールから繰り出して、そのシーラント層(1y)が内側となるように半折してから半裁して表裏のシート(1A), (1B)となし、それぞれのシーラント層(1y)の側が対向するように上下に離間させた状態で、水平方向に下流に向けて走行させていった。なお、シートの走行は、原反シートを供給ロールから繰り出してから半裁するまでは連続的に一定速度で行われるが、緩衝機構により次工程以降は個別の袋としたときの袋巾の分を1ピッチとして間欠的に走行するようにした。
【0050】
〈エンボス加工部(5) の形成〉
互いに噛み込むラック形状の対向面を有する図4の構造の上下のプレス板(7), (7)を、図5(イ)のように、表裏のシート(1A), (1B)を挟むようにシートの巾方向に配置し、これら表裏のシート(1A), (1B)が融着しない温度条件下において熱圧着した。なお、プレス板(7), (7)としては熱板を用い、熱圧着後にはその下流に配置した同種のプレス板に水を通して圧着することにより冷却を行った。
【0051】
これにより、下流に向けて送られた表裏のシート(1A), (1B)には、その巾方向に、短線列状のエンボス加工部(5) が形成された(図5(ロ)を参照)。このエンボス加工部(5) が形成された部位を帯域(2) とするとき、エンボス加工部(5) は、その短線の向きが帯域(2) の巾方向(シートの流れ方向)に向くようにバーコード状に形成されていて、このエンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視では、表裏のシート(1A), (1B)は、図3のように二重の折れ線形状となるように変形していた。
【0052】
短線列状のエンボス加工部(5) は、この実施例においては、図1および図2のように、短線の長さが20mmであり、各短線間の間隔が10mm当たり7本となる部分が40mm(短線の数で28本)であるブロックが20mmの間隔を開けて間欠的に配列するように設計した。
【0053】
〈シール帯(6), (6)の形成〉
エンボス加工部(5) を形成した後、図5(ロ)のように、重なった状態の表裏のシート(1A), (1B)の両耳端側の帯域をサイドシール装置によりサイドシールして、シール帯(6), (6)を形成した。このシール帯(6), (6)が、個々の袋(1) としたときの両サイドのシール部となる。なお、サイドシール後には、サイドシール装置の下流において冷却板を圧着することにより冷却を行った。
【0054】
〈断続線状の融着部(3) の形成〉
次に、図5(ハ)に付記のように、上記エンボス加工部(5) を形成した帯域(2) 内に、融着部(3) を断続線状に形成して、その断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置する上記のエンボス加工部(5) がエア抜き通路となるようにした。この融着部(3) の下流においても、冷却板を圧着して冷却を行った。この断続線状の融着部(3) は、この実施例においては、長さの長い線分の部分である21mm×4mmの長円と、長さの短い点状の部分である7mm×4mmの長円の3個とが、5mmの間隔を開けて3点鎖線状に並んだ断続線が、6mmの間隔をあけて2段に平行に並ぶように配列した。なお、長さの長い線分の部分である21mm×4mmの長い長円状の融着部(3) を設けたのは、シートの縮みを防止するためである。
【0055】
〈シート両耳端側のトリミング〉
続いて、図5(ニ)のように、重なった状態の表裏のシート(1A), (1B)の両耳端側を化粧カットするトリミングを行うと共に、表裏のシート(1A), (1B)を帯域(2) の近くの部位において巾方向にカットし、図1に示した個々の袋(1) となした。
【0056】
比較例1〜4
図6は比較例における断続線状の融着部の形成状態を示した説明図である。
【0057】
実施例1における積層シート(i) を用いて、図6(イ)〜(ニ)のように、種々の断続線状の融着部を形成した袋を作製した。
【0058】
〈包装体〉
実施例1で得た袋(積層シート (i)、(ii)を使用)および比較例1〜4で得た(積層シート(i) を使用)袋に、その底辺開口部から精米機により精米した米を充填すると共に、底辺である開口辺の帯域をヒートシールして密封し、包装体となした。
【0059】
〈脱気試験〉
このようにして得た包装体の上から板を当てて5kgの加重体を載せ、脱気速度(板の降下量(mm))を測定した。また、脱気試験後のエア抜き孔への米粒の嵌まり込み状況を観察し、1袋当たりの)米粒の嵌入数を調べた。試験数nは各10である。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
脱気速度(板の降下量(mm)) 米粒の
1sec 2sec 3sec 4sec 5sec 6sec 8sec 10sec 嵌入数
実施例1/(i) 6 12 18 24 28 31 32 33 0
実施例1/(ii) 6 12 18 24 28 31 32 33 0-1
比較例1/(i) 0 0 0 5 8 12 18 20 0-1
比較例2/(i) 0 0 3 6 9 12 16 19 0-1
比較例3/(i) 0 0 3 6 10 14 20 25 3-4
比較例4/(i) 0 0 5 10 15 19 26 29 3-4
【0061】
表1から、実施例1の袋を用いた本発明の包装体にあっては、加重体を載せると同時に脱気が始まり、およそ5秒後には袋内の過剰のエアが事実上抜けてしまうこと、そしてこのように脱気速度が速いにもかかわらず、エア抜き孔への米粒の嵌まり込みが皆無か皆無に近いことがわかる。
【0062】
一方、従来提案されている迷路シールにあっては、エア抜き孔への米粒の嵌まり込みが極力小になるように迷路シールの隙間を調節してあるが、加重体を載せてから数秒間は板がほとんど下降せず初期の脱気が悪いこと、一旦脱気が始まっても実施例の場合よりも脱気速度はやや遅くなり、完全脱気に要するトータル時間が長くなること(脱気部分で実際に開口する数が少ないためと思われる)、また脱気速度が一定とならないことがある(エア抜き孔への米粒の嵌まり込みも一因となっているものと思われる)。
【0063】
【発明の効果】
本発明の穀類の包装用袋にあっては、表裏のシート(1A), (1B)で作られた袋(1) の4辺のうち少なくとも1辺に沿った帯域(2) の少なくとも一部に、1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) を2段以上の複線状となるようにかつ上記帯域(2) の長さ方向に向くように配設すると共に、その断続線状でかつ複線状の融着部(3) 間の隙間が非融着部(4) となるようにしてある上、上記の帯域(2) のうち、少なくとも上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) のうちの点状の融着部を含む領域における融着部(3) および非融着部(4) 非融着部(4) には、袋の正面視で短線列状のエンボス加工部(5) が、その個々の短線の向きが実質的に帯域(2) の巾方向に向くようにバーコード状に設けてあり、かつそのエンボス加工部(5) が設けられた帯域(2) の表裏のシート(1A), (1B)が、該エンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視で、二重の折れ線形状となるように変形されているようにしてある。
【0064】
そのため、上記断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) が、エア抜き通路となっていて、包装体を積み上げたときあるいは脱気装置で脱気するときに、内部のエアが速やかに抜け出るようになり、しかも内容物である米等の穀類粒は飛び出したりエア抜き通路に嵌入したりしない。
【0065】
加えて、上記のエンボス加工部(5) の形成は、袋の製造工程に組み込むことができるので、袋の製造に余分の時間がかかることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の穀類の包装用袋の一例を示した正面図である。
【図2】 図1の要部の拡大図である。
【図3】 図2のX−X切断端面図である。
【図4】 エンボス加工部(5) 形成のための熱板(7), (7)の斜視図である。
【図5】 本発明の穀類の包装用袋の製造工程の一例を示した説明図である。
【図6】 比較例における断続線状の融着部の形成状態を示した説明図である。
【符号の説明】
(1) …袋、
(1A), (1B)…表裏のシート、
(1x)…基材フィルム、(1y)…シーラント層、
(2) …帯域、
(3) …断続線状の融着部、
(4) …非融着部、
(5) …エンボス加工部、
(6) …シール帯域、
(7) …プレス板
Claims (1)
- 穀類を包装する袋であって、
表裏のシート(1A), (1B)で作られた袋(1) の4辺のうち少なくとも1辺に沿った帯域(2) の少なくとも一部に、1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) が2段以上の複線状となるようにかつ前記帯域(2) の長さ方向に向くように配設されると共に、その断続線状でかつ複線状の融着部(3) 間の隙間が非融着部(4) となっていること、
上記の帯域(2) のうち、少なくとも上記の2段以上の1〜4点鎖線状の断続線状の融着部(3) のうちの点状の融着部を含む領域における融着部(3) および非融着部(4) には、袋の正面視で短線列状のエンボス加工部(5) が、その個々の短線の向きが実質的に帯域(2) の巾方向に向くようにバーコード状に設けてあること、
そのエンボス加工部(5) が設けられた帯域(2) の表裏のシート(1A), (1B)が、該エンボス加工部(5) のバーコードの横断方向の断面視で、二重の折れ線形状となるように変形されていること、
もって、上記断続線状の融着部(3) 間の隙間である非融着部(4) に位置するエンボス加工部(5) が、エア抜き通路となっていること
を特徴とする穀類の包装用袋。
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