JP4566310B2 - 体内脂肪量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体内の脂肪量を測定する体内脂肪測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、体内脂肪量を正確に測定する方法として、水中での体重の測定値から体密度を算出し脂肪量を推測する水中体重秤量法がある。しかしながら、この水中体重秤量法は設備が大掛かりであるとともに被験者への負担が大きいため、最近では被験者の両手間もしくは両足間に電流を印加し、それら両手間もしくは両足間に存在する身体内インピーダンス値を測定し、この測定された身体内インピーダンス値と身長および体重から推定式
体密度=a−k・体重・インピーダンス/身長2……(式1)
(但し、a,kは水中体重秤量法で得た値との相関により得られる定数)
を用いて、体内脂肪量を測定する方法が採られている。
【0003】
ここで、身体内インピーダンス値の測定部位が両手の間である場合と、両足の間である場合とで、前記式1で用いられる係数a,kの値はそれぞれ異なるにしても身体内インピーダンス値に大きく影響を与える胴の部分に関して、体密度と求められた身体内インピーダンス値の関係がうまく対応するには、個人別インピーダンス値と実際の胴体内の脂肪、筋肉などの組織分布の関係が個人別にばらつかずできる限り一様であることが望ましい。
【0004】
この身体内インピーダンス値を用いる方法により体内脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置としては、例えば特開昭62−169023号公報において、体重計の表面に両足をそれぞれ接触させる足用電極を配置し、体重値を測定するとともに両足間に電流を印加して身体内インピーダンス値を測定して、それら体重値および身体内インピーダンス値を用いて体内脂肪量を算出する装置が提案されている。
【0005】
また、特開平11−113872号公報には、体重値を測定する体重測定部(第1測定部)と、両手に接触される電極を備えて両手間のインピーダンス値を測定する身体内インピーダンス測定部(第2測定部)とをケーブルで接続してなる体内脂肪測定装置が提案されている。この体内脂肪測定装置においては、前記体重測定部で測定された体重値が前記ケーブルを経て身体内インピーダンス測定部に伝達され、その身体内インピーダンス測定部では両手間に電流を印加して身体内インピーダンス値を測定し、この測定された身体内インピーダンス値と前記体重値とを用いて体内脂肪量が算出される。
【0006】
さらに、特開平11−128197号公報には、体重値を測定する体重測定部(第1測定部)と、この体重測定部に脱着可能に装着され、両手にそれぞれ接触させる手用電極および前記体重値を取り入れる無線通信部を備えるバー上の身体内インピーダンス測定部(第2測定部)とからなる体内脂肪測定装置が提案されている。この体内脂肪測定装置は、未使用時または体重単独測定時には前記身体内インピーダンス測定部を体重測定部に装着させた状態にされており、体脂肪測定時には前記身体内インピーダンス測定部がその体重測定部から離脱させた状態で用いられる。すなわち、体脂肪測定を行う際には、被験者が前記身体内インピーダンス測定部を両手で握持した状態で体重測定部上に乗ることにより、前記体重測定部にて体重値が測定され、前記身体内インピーダンス測定部にて両手間に電流を印加して身体内インピーダンス値が測定された後、前記身体内インピーダンス測定部が体重測定部より無線通信にて体重値を取り込み、その体重値と前記身体内インピーダンス値とを用いて体脂肪量を算出し、表示するようにされている。なお、被験者に身体内インピーダンス測定部を握持させる際には、前記身体内インピーダンス測定部の体重値を読み取る受光部と、前記体重測定部の体重値を送信する発光部とを対向配置させる必要がある。
【0007】
なお、本発明に関連する先行技術として、特表平10−510455号公報には、両手にそれぞれ2つずつ接触される電極を備える手用測定器(第1測定部)と両足にそれぞれ2つずつ接触される電極を備える足用測定器(第2測定部)とからなり、これら手用測定器と足用測定器とを導線により接続して構成される体内脂肪測定装置が提案されている。この体内脂肪測定装置は、右手−左手間に電流を流して右手−右足間の電圧を測定して右腕のインピーダンスを求め、右手−左手間に電流を流して左手−左足間の電圧を測定して左腕のインピーダンスを求め、左手−左足間に電流を流して右手−右足間の電圧を測定して胴部のインピーダンスを求め、右足−左足間に電流を流して右手−右足間の電圧を測定して右足のインピーダンスを求め、右足−左足間に電流を流して左手−左足間の電圧を測定して左足のインピーダンスを求め、こうして得られた身体各部位のインピーダンスを用いて体内脂肪量を求めるようにされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記各公報に記載の体内脂肪量測定装置においては、両手間あるいは両足間のいずれか一方に定電流を印加して身体内インピーダンス値を測定するようにされているため、被験者の胴体内脂肪分布によって同じ体脂肪量の人でも身体内インピーダンス値にばらつきが生じてしまう、すなわち脂肪含有量の大小の違いが大きい組織の分布箇所と測定位置によって胴部分のインピーダンス推定値に大きく影響を及ぼしてしまう。したがって、全身体内脂肪量を測定するに際して、両手間で測定する場合と両足間で測定する場合とでは異なった身体内インピーダンス値が測定され、正確な体内脂肪量が算出されないという問題点がある。
【0009】
図9(a)には、身体の組織をインピーダンス片に置き換えた等価回路図が示されている。図中、Raは右腕,Rbは左腕,Rcは右足,Rdは左足の等価インピーダンス片を表し、r1、r2、・・・・rnは胴体横方向等価インピーダンス片、r1,1、r1,2、・・・・rn−1,1、rn−1,2は胴体縦方向等価インピーダンス片とする。
【0010】
前記体密度、特に胴体部の密度と胴体内組織とインピーダンスとの関係において、脂肪や筋肉組織内容とインピーダンスの値との関係は対応しており、これら組織片の集合すなわちインピーダンス片の集合で胴体が成り立っているので、胴体の密度は、これらのインピーダンス片の集合値を求めることができれば、そのインピーダンス片の集合値と体密度とが最もよく対応するものと考えられる。
【0011】
すなわち、胴体内総合インピーダンス値Reとして、
Re=r1+r2+…+rn+r1,1+r1,2+…+rn−1,2 ……(式2)
を求めることができれば、これに両手足のインピーダンス値を加え、身体内インピーダンス値Rとして
R=Ra+Rb+Re+Rc+Rd……(式3)
を求めることができ、この身体内インピーダンス値Rを前記式1に用いれば、身体組織内容を最も正確に反映させた体密度を求めることができる。
【0012】
しかし、前記式2に表されるような胴体内総合インピーダンス値Reを求める方法がないため、前記各公報に記載の体内脂肪量測定装置では両手(AB)間または両足(CD)間に定電流を印加し、両手(AB)間または両足(CD)間に存在するインピーダンスを電流付加方向の合成インピーダンスとして得ることで、この値を胴体内総合インピーダンスとし、両手または両足のインピーダンスを加えることで身体内インピーダンスとして式1に代入して体密度を求めるようにしている。
【0013】
ここで、両足(CD)間に定電流を流す場合はPQ間のインピーダンス値Rxを式2で表すことはできないが、前記インピーダンス片に対応する胴体内組織片が各被験者の体質によって脂肪含有量が一様に異なるのであれば、胴体内総合インピーダンス値Re≠PQ間インピーダンス値Rxであっても胴体内総合インピーダンス値Re∝PQ間のインピーダンス値Rxの関係が保たれるので、予め定めた式1の係数を用いることで脂肪含有量に対応して異なる体密度を導くことができる。
【0014】
しかし、胴体内で全ての組織片のインピーダンス値を合計したときにその合計値が等しい被験者同士であっても、胴体上部に脂肪の多い人、胴体下部に脂肪の多い人など個人個人で様々であり、異なった性質の組織の分布から個人は成り立っているものと考えられる。
【0015】
図9(b)には、被験者の胴体内インピーダンス分布を表す一例が示されている。例えば、胴体上部のインピーダンスr1’と胴体下部のインピーダンスr2’とが等しくr1’=r2’=5rの場合、胴体内総合インピーダンスReは、
Re=26r……(式4)
と表される。前記各公報の体内脂肪測定装置では両手(AB)間または両足(CD)間に定電流を流してインピーダンスを測定するのであれば、胴体内総合インピーダンスとして前記式2を直接使用して値を求めることは出来ず、P’Q’間の合成インピーダンスRpが得られる。Rpを計算すると、
Rp=2665/1128・r=2.363r……(式5)
となる。したがって、個人によってrの値は異なるが任意のrに対して常に前記式2によるインピーダンスと前記合成インピーダンスの間に常に
26r/2.363r=11=一定……(式6)
が成り立てば、最初に実験で求めた係数を使用して正確な個人別の体密度を求めることができる。
【0016】
一方、前記胴体上部のインピーダンスr1’と胴体下部のインピーダンスr2’とが異なり、胴体内総合インピーダンスReが等しい被験者、すなわち▲1▼r1’=3r,r2’=5rの如き分布の被験者と▲2▼r1’=5r,r2’=3rの如き分布の被験者とを比較する。
【0017】
この両者に対して両足(CD)間に定電流を流して体密度を求めようとすると、▲1▼の被験者のP’Q’間合成インピーダンスRp1は、Rp1=2.331rであるのに対して、▲2▼の被験者のP’Q’間合成インピーダンスRp2は、Rp2=1.791rとなる。したがって、定電流入力点P’,Q’に近い場所の組織インピーダンスが低いときはその影響が大きく合成インピーダンスに現れ、逆にP’,Q’から遠いところの組織インピーダンスは低くても影響が少ないことが明らかである。また、それぞれの体密度を表す身体内インピーダンスとの比率は、▲1▼の被験者は、Re/Rp1=24r/2.331r=10.296、▲2▼の被験者は、Re/Rp2=24r/1.797r=13.356
となり、両者共に前記式6の一定値11からはずれるので体密度を正確に求められないのが明らかである。すなわち、▲1▼の被験者の測定時に得られる胴体内総合インピーダンスは2.331r×11=25.641rとなり、▲2▼の被験者の測定時に得られる胴体内総合インピーダンスは1.797r×11=19.767rとなり、▲1▼の被験者の測定時に得られた結果は実際値24rに近いが▲2▼の被験者の測定時に得られた結果は実際値24rにほど遠い。
【0018】
このように、同じ全身体脂肪量の人同士でも、腕と足とで大きく脂肪量が異なれば、両手間または両足間で測定することによる各被験者の全身体脂肪量の結果が大きく異なってしまい、被験者の胴体内脂肪分布に影響して正確な体内脂肪量を測定することが困難であるという問題点が明らかである。
【0019】
また、本発明に関連する先行技術として挙げた特表平10−510455号公報に記載の体内脂肪測定装置では、電流を流す電極と電圧を測定する電極とをそれぞれ選択して身体各部位のインピーダンスを1つずつ求めるようにされているため、体内脂肪量が求められるまでに時間がかかるとともに、その装置構成が大掛かりであるいう問題点がある。
【0020】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、非常に簡易な構成で体脂肪分布に関わらず全身の体内脂肪量を正確に求めることができ、場合によっては心拍数や歩行数等の種々の健康に関わる身体データの測定機能を持たせることのできる体内脂肪量測定装置を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、第1発明による体内脂肪測定装置は、
身体内の脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置において、
(a)被験者の少なくとも両足間への通電によりその両足間に存在する身体内インピーダンス値を得る第1測定部と、
(b)被験者の少なくとも両手間への通電によりその両手間に存在する身体内インピーダンス値を得る第2測定部と、
(c)前記第1測定部によって得られた身体内インピーダンス値と第2測定部によって得られた身体内インピーダンス値とを用いて身体内の脂肪量を演算する演算手段とを備え、
前記第1測定部または前記第2測定部のうちのいずれか一方による身体内インピーダンス値が他方に送信されるように、前記第1測定部または前記第2測定部のうちのいずれか一方に送信手段が、他方に受信手段が設けられ、
前記送信手段は、第1測定部または第2測定部における身体内インピーダンス値を測定するための一定電流の印加と、第1測定部または第2測定部による身体内インピーダンス値に相当する電流または電圧の被験者への印加とを兼ねる電源印加手段であり、
前記受信手段は、前記電源印加手段により印加された電流または電圧によって身体内に発生する電圧を測定する電圧測定手段である
ことを特徴とするものである。
【0022】
本発明においては、第1測定部により両足間に存在する身体内インピーダンス値(以下、両足間インピーダンス値という。)を得るとともに、第2測定部により両手間に存在する身体内インピーダンス値(以下、両手間インピーダンス値という)を得て、それら両足間インピーダンス値および両手間インピーダンス値を用いて演算手段により被験者の身体内の脂肪量が演算される。なお、本発明における身体内の脂肪量(体内脂肪量)とは、被験者の脂肪量を重さで表したものでも良く、また体脂肪率として表したものでもよい。
【0023】
本発明によれば、腕と足とで大きく脂肪量が異なる人や上半身と下半身とで大きく脂肪量が異なる人であっても、体内の脂肪分布に関わらず全身の体脂肪量を正確に求めることができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、第1測定部または第2測定部による身体内インピーダンス値を自動的に第2測定部または第1測定部に送信することができ、極めて簡易な操作で体脂肪量を求めることができる。また、第1測定部と第2測定部とを物理的に分離させることができ、第2測定部の携帯用としての取り扱いが可能となる。さらに、前記第1測定部または第2測定部による身体内インピーダンス値を確実に送信することができ、より精度を向上させることが可能となる。なお、少なくとも最終的に求められた体内脂肪量を第2測定部に表示させるようにすれば、被験者がその体内脂肪量を容易に読み取ることができる。
【0026】
前記第1発明において、前記演算手段は、前記受信手段を備える側の測定部に設けられるのが好ましい(第2発明)。こうすることにより、より簡易な構造にすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0027】
前記第1発明または第2発明において、前記演算手段は、前記第1測定部による身体内インピーダンス値を用いて下半身の体脂肪量を演算するとともに、前記第2測定部による身体内インピーダンス値を用いて上半身の体脂肪量を演算するのが好ましい(第3発明)。このように上半身側の体内脂肪量と下半身側の体内脂肪量とを個別に演算して必要に応じてその演算結果を対比表示させれば、被験者が体脂肪偏在を認識することができる。
【0030】
前記第1発明乃至第3発明において、前記第1測定部は、被験者の体重測定を行う体重測定手段を備えるのが好ましい(第4発明)。このように体内脂肪量の測定と同時に体重測定を行うことにより、体重値の設定が不要となり操作性が向上するとともに、正確な体重値を用いて体内脂肪量を求めることができるため体内脂肪量の測定精度をより一層向上させることができる。
【0031】
前記第1発明乃至第4発明において、前記第1測定部および前記第2測定部で得られた身体内インピーダンスに基づいて上半身脂肪量と下半身脂肪量をと演算し、前記第1測定部および前記第2測定部のうちの少なくともいずれか一方に、それら上半身脂肪量と下半身脂肪量とを両方同時に、または選択的に交互に表示するのが好ましい(第5発明)。こうすることによって、被験者は体脂肪のつき方の上半身および下半身におけるバランスを比較対照しながら容易に知ることができるという効果を奏する。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による体内脂肪測定装置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0033】
図1には、本発明の一実施例に係る体内脂肪測定装置を用いて被験者が体内脂肪量を測定する状態を説明する図が、図2にはその体内脂肪測定装置の両手間インピーダンス測定部を構成する回路図が、図3にはその体内脂肪測定装置の両足間インピーダンス測定部を構成する回路図がそれぞれ示されている。
【0034】
本実施例の体内脂肪測定装置1は、被験者の両手にそれぞれ2つ(1対)ずつ接触させる4つの電極2a,2b,3a,3bを備える両手間インピーダンス測定部(本発明における第2測定部に相当する。)4と、被験者の両足にそれぞれ2つ(1対)ずつ接触させる4つの電極5a,5b,6a,6bを備える両足間インピーダンス測定部(本発明における第1測定部に相当する。)7とから構成されている。
【0035】
前記両手間インピーダンス測定部4は、被験者の個人データ(年齢,身長,体重など)の設定および体内脂肪量測定開始信号の入力を行う設定値入力部(KEY)8と、前記個人データ,測定された体内脂肪量を表示する第1表示部(DIS)9とを備えており、前記電極の左右1つずつの電極2a,3aがそれら電極2a,3a間に一定電流を印加する定電流供給回路10に接続され、他方の電極2b,3bがそれら電極2a,3a間に発生する電圧を測定する高入力抵抗差動増幅回路(本発明における受信手段、すなわち電圧測定手段に相当する)11に接続されている。なお、前記体内脂肪量とは、被験者の脂肪量を重さで表したものでも良く、また体脂肪率として表したものでもよい。
【0036】
前記高入力差動増幅回路11は、順に整流回路(REC)12,平滑回路(FIR)13,A/D変換器14またはコンパレータ(CMP)15を介してI/O回路16に接続されている。このI/O回路16には、前記設定値入力部8,第1表示部9および各種データを記憶するROM/RAMメモリ(MEM)17を備えるCPU18が接続されている。
【0037】
前記定電流供給回路10は、非反転入力端子に電圧V1が印加されて定電流I1を出力する演算増幅器19と、この演算増幅器19の反転入力端子に接続され、前記演算増幅器19から定電流I1が出力されるように回路電流を制限する参照抵抗Rsとにより構成されており、前記演算増幅器19の出力端子−電極3a間および前記演算増幅器19の反転入力端子−電極2a間にそれぞれアナログスイッチAS1,AS2が配設されている。なお、これらアナログスイッチAS1,AS2は、前記I/O回路16によってその開閉が制御されている。
【0038】
前記高入力抵抗差動増幅回路11は、3つの演算増幅器21a,21b,21cと、7つの抵抗ra〜rgとからなり、ほとんど電流が流れ込まないようにされており、前記電極−手間の接触インピーダンスおよび手先末端部の組織インピーダンスを除いた体内仮想点E,F間(図4参照)の電圧を差動電圧として測定する。
【0039】
次に、両足間インピーダンス測定部7の回路構成について説明する。前記両足間インピーダンス測定部7には、その上面に配設される電極の左右1つずつの電極5a,6aに50KHz〜100KHz程度の高周波交流の一定電流I2を印加する交流電流供給回路(本発明における送信手段、すなわち電源印加手段に相当する。)22が接続され、他方の電極5b,6bに前記電極5a,6a間に交流電流I2が印加された際に発生する電極−足裏面の接触インピーダンスおよび手先端末の組織インピーダンスを除いた体内仮想点G,H間(図4参照)の電圧を測定する電圧測定回路20に接続されている。
【0040】
前記交流電流供給回路22は、非反転入力端子に一定交流電圧V2が印加されて一定の交流電流I2を出力する演算増幅器23と、この演算増幅器23の反転入力端子に接続され、前記演算増幅器23から一定の交流電流I2が出力されるように回路電流を制限する参照抵抗Rsとにより構成されている。また、前記演算増幅器23の反転入力端子は、アナログスイッチAS3を介して前記一定交流電圧V2を供給する電源(図示省略)と、アナログスイッチAS4を介してアースとに接続されており、前記アナログスイッチAS3,AS4の開閉によって前記電源またはアースのいずれか一方に接続するようにされている。また、前記演算増幅器23の反転入力端子−電極5a間および前記演算増幅器23の出力端子−電極6a間にそれぞれアナログスイッチAS5,AS6が配設されている。
【0041】
前記電圧測定回路20は、順に整流回路(REC)24,平滑回路(FIR)25およびA/D変換器26を介してI/O回路27に接続されている。このI/O回路27は、各種データを記憶するROM/RAMメモリ(MEM)28を備えるCPU29が接続されるとともに、測定開始指令や他の操作・設定を行うための外部信号入力部30および測定値を表示する第2表示部31が接続されている。
【0042】
図4には、体内脂肪量を測定する際の被験者の身体組織をインピーダンス片に置き換えた等価回路図が示されている。前記電極2a,3aに印加された電流は接触インピーダンス,腕部インピーダンスRa,上内臓部インピーダンスR1,腕部インピーダンスRb,接触インピーダンスを通して流れ、前記電極5a,6aに印加された電流は接触インピーダンス,脚部インピーダンスRc,下内臓部インピーダンスR2,脚部インピーダンスRd,接触インピーダンスを通して流れ、前記上内臓部インピーダンスR1と下内臓部インピーダンスR2との間には、それぞれ体の縦方向の胴部インピーダンスRe,Rfを通して電流が流れるようになっている。なお、通常身体組織をインピーダンスの等価回路で表すと複雑な立体的平直列回路表現となるため、図4には簡略化した等価回路図が示されており、図4に示される等価回路をより身体組織に合わせて細分化して表したものが図9(a)および図9(b)に示される。
【0043】
このように構成される体内脂肪測定装置1においては、被験者が両手間インピーダンス測定部4に個人データを入力し、1対の電極2a,2b,3a,3bをそれぞれ両手に接触させるようにその両手間インピーダンス測定部4を握持した状態で、前記両足間インピーダンス測定部7の1対の電極5a,5b,6a,6bに両足をそれぞれ接触させて、設定値入力部9より体内脂肪量測定開始信号を入力すれば体内脂肪量測定が開始される。
【0044】
まず、前記両足間インピーダンス測定部7が送信モードに設定され、両手間インピーダンス測定部4が受信モードに設定される。この両足間インピーダンス測定部7は測定モードにおいて、体内仮想点G,H間の身体内インピーダンス値(以下、両足間インピーダンス値という)を測定する。すなわち、前記CPU29の制御信号によってアナログスイッチAS3が閉(ON)状態,アナログスイッチAS4が開(OFF)状態にされるとともに、アナログスイッチAS5,AS6が閉(ON)状態にされて前記電極5a,6a間に交流電流I2が印加される。この交流電流I2の印加により、電極−足裏面の接触インピーダンスおよび足先末端部の組織インピーダンスを除いた体内仮想点G,H間に発生する電圧が電圧測定回路20によって測定される。この電圧測定回路20からの出力電圧信号は、交流信号であるため整流回路(REC)24にて整流され、前記平滑回路(FIR)25にて平滑化されて、前記A/D変換器26によりデジタル化された後、前記I/O回路27を通してCPU29に入力されて、前記交流電流I2の値を用いて両足間インピーダンス値が演算される。
【0045】
このようにして得られた両足間インピーダンス値のデジタル値は、前記CPU29により8ビットのアスキーコードに変換されて送信データが作成される。この送信データは、例えば両足間インピーダンス値が4桁である場合、4桁分の数値がアスキーコードに変換され、各数値は8ビットコードの頭にスタートビット、終わりにパリティビットとストップビットが加えられ11ビット構成とされ、さらに4桁の数値桁の前後に11ビットのスタートテキストコード(STX)とエンドテキストコード(ETX)が付けられ、合計6桁、66ビットのデータ構成にされている。
【0046】
前記CPU29により両足間インピーダンス値の送信データが作成されると、、I/O回路27により前記アナログスイッチAS5,AS6がON状態にされ、その後前記送信データに応じてアナログスイッチAS3,AS4のON・OFFが制御される。なお、この送信データの送信完了までは、両手間インピーダンス測定部4のアナログスイッチAS1,AS2は開(OFF)状態にされ、身体の等価回路と前記定電流供給回路10とが電気的に絶縁状態にされている。
【0047】
前記アナログスイッチAS3,AS4のON・OFF制御によって、前記送信データに応じた信号が前記電極5a,6a間に印加される。すなわち、前記送信データは0,1で構成されており、0を送信する際には一定時間t(msec)の間アナログスイッチAS3をOFF状態にし、アナログスイッチAS4をON状態にして電極5a,6a間に高周波交流電流I2を印加させないようにし、1を送信する際には一定時間t(msec)の間アナログスイッチAS3をON状態にし、アナログスイッチAS4をOFF状態にして電極5a,6a間に高周波交流電流I2を印加させるようにする。
【0048】
このようにアナログスイッチAS1,AS2が開(OFF)状態にされ前記電極2a,3a間に電流I1が印加されていない状態で、前記電極5a,6aに高周波交流電流I2が印加されると、身体内の下内臓部インピーダンスR1を流れる電流は、縦方向の胴部インピーダンスRe,Rfが断面方向のインピーダンスに比べて小さいためその胴部インピーダンスRe,Rfを経て上内臓部インピーダンスR2に流れ、その上内臓部インピーダンスR2の両端に電圧を発生させる。この上内臓部インピーダンスR2の両端に発生する電圧が、前記両手間インピーダンス測定部4内の高入力抵抗差動増幅回路11によって測定される。
【0049】
図5は、前記送信データを受信して両足間インピーダンス値に変換する手順を説明する説明図である。前記送信データ(図5(a))に対応して一定時間t(msec)毎に前記電極5a,6a間への高周波交流電流I2の印加が調整され、前記高入力抵抗差動増幅回路11によって上内臓部インピーダンスR2の両端に発生する電圧の電圧波形(図5(b))が測定される。この高入力抵抗差動増幅回路11により測定された交流電圧は、前記整流回路(REC)12に入力されて直流化され(図5(c))、続いて前記平滑回路(FIR)13に入力されて平滑化される(図5(d))。この平滑回路13で平滑化された信号は、前記コンパレータ(CMP)15に入力され、予め設定されている閾値Vsとの比較によりパルス化されて(図5(e))、前記I/O回路16を通してCPU18に入力される。このCPU19によって、前記パルス化された信号がシリアルのビット信号に復調されて(図5(f))、両足間インピーダンス値に変換される。
【0050】
前記CPU18は、コンパレータ15からSTXが入力されると送信データの入力が開始されたことを認識して、コンパレータ15からETXが入力されると送信データの入力が完了したことを認識して数値桁のビット信号を両足間インピーダンス値に変換するようにされている。
【0051】
こうして両足間インピーダンス測定部7にて測定された両足間インピーダンス値が両手間インピーダンス測定部4に送信され、この送信された両足間インピーダンス値は前記CPU18に接続されるROM/RAMメモリ(MEM)17に記憶させておく。
【0052】
前記両手間インピーダンス測定部4は両足間インピーダンス測定部7からのデータを受信すると、タイマー時間T6の後に測定モードに変化し、体内仮想点E,F間の身体内インピーダンス値(以下、両手間インピーダンス値という。)を測定する。まず、前記両足間インピーダンス値の送信が終了した時点で前記アナログスイッチAS5,AS6が開(OFF)状態にされ、その後I/O回路16によりアナログスイッチAS1,AS2が閉(ON)状態にされて、定電流供給回路10から電極2a,3a間に定電流I1が印加される。この定電流I1は両腕部インピーダンスRc,Rdと上内臓部インピーダンスR2に加えて、電極−手間の接触インピーダンスおよび手先末端部の組織インピーダンスを流れる。
【0053】
この定電流I1の印加により体内に発生する電圧が電極2b,3bに連結される高入力差動増幅回路11により測定される。この高入力差動増幅回路11は、電圧測定に対してほとんど電流が流れ込まないようにされているため、電極−手間の接触インピーダンスおよび手先末端部の組織インピーダンスを除いた体内仮想点E,F間の電圧を測定する。この高入力抵抗差動増幅回路11からの出力電圧信号は、前記整流回路(REC)12に入力されて直流化され、続いて前記平滑回路(FIR)13に入力されて平滑化される。この平滑回路13にて平滑化された電圧信号は、前記A/D変換器14に入力されてデジタル化され、I/O回路16を経てCPU18に入力されて前記一定電流I1の値を用いて両手間インピーダンス値が演算される。こうして得られた両手間インピーダンス値は、前記CPU18に接続されるROM/RAMメモリ(MEM)17に記憶される。
【0054】
図6には、両手間インピーダンス測定部4のCPU18および両足間インピーダンス測定部7のCPU29によるアナログスイッチAS1〜AS6のON・OFF制御を説明する説明図が示されている。なお、本実施例は両足間インピーダンス測定部7の動作を主に、両手間インピーダンス測定部4の動作を従としており、両手間インピーダンス測定部4は通常受信モードにて両足間インピーダンス測定部7からの送信データを受信したときのみ一定時間後に測定動作を実施する。
【0055】
前記CPU29によれば、両足間インピーダンス測定部7によって両足間インピーダンス値を測定して両手間インピーダンス測定部4にその両足間インピーダンス値を送信する送信モードM1と身体等価回路と絶縁状態を維持する待機モードM2とがそれぞれ一定時間T1,T2毎に交互に切換えられるように設定されている。なお、前記時間T1,T2にそれぞれ100から150msecを割り当てると被験者の感覚としては同時測定である。
【0056】
前記送信モードM1では、前記アナログスイッチAS5,AS6がON状態に、前記アナログスイッチAS1,AS2がOFF状態に保持され、両足間インピーダンス測定部7が被験者の体内に通電可能な状態にされる。この送信モードM1の前半部では両足間インピーダンス値の測定が行われ、後半部ではその両足間インピーダンス値を基にして得られる送信データの送信が行われる。すなわち、前記アナログスイッチAS3がON状態に、アナログスイッチAS4がOFF状態にされ、体内に交流電流I2を定常的に供給することで両足間インピーダンスが測定される。前記両足間インピーダンス値の測定終了後、一定時間T4が経過するまでアナログスイッチAS3がOFF状態に、アナログスイッチAS4がON状態に保持され、一旦体内が通電停止状態にされる。前記両足間インピーダンス値に基づく送信データが作成されると、その送信データに従って前述のようにアナログスイッチAS3,AS4のON・OFFが切換えられる。これらアナログスイッチAS3,AS4のON・OFF切換えにより身体内に発生する電圧を前記両手間インピーダンス測定部4が測定して、前述のようにデータ解析を行って両足間インピーダンス値を受信する。こうしてアナログスイッチAS3,AS4のON・OFF切換えが終了すると、一旦アナログスイッチAS3がOFF状態に、アナログスイッチAS4がON状態にされて通電停止状態にされた後、前記送信モードM1から待機モードM2に切換えられる。前記待機モードM2に切換えられると、前記アナログスイッチAS5,AS6がOFF状態に保持されるとともに、前記アナログスイッチAS3がON状態に、アナログスイッチAS4がOFF状態に切換えられる。
【0057】
一方、前記両手間インピーダンス測定部4のCPU19によれば、前記送信データのETXが認識されて一定時間T6経過後にアナログスイッチAS1,AS2がON状態に切換えられ、その状態が一定時間T7保持されて両手間インピーダンスの測定が行われる。この両手間インピーダンス測定が終了すると、アナログスイッチAS1,AS2がOFF状態に切換えられる。なお、前記CPU19では、送信データのSTXが認識された後規定時間内にETXを認識したときのみ一定時間T6が経過するとアナログスイッチAS1,AS2がON状態に切換えられて両手間インピーダンスの測定が行われる。また、前記両足間インピーダンス測定部7では、送信モードM1と待機モードM2は、それぞれ一定時間間隔T1,T2で自動的に切換えられ、繰り返される。
【0058】
次に、前記CPU18によりROM/RAMメモリ(MEM)17に記憶された両足間インピーダンス値Rt1および両手間インピーダンス値Rt2に基づいて、全身のインピーダンスである身体内インピーダンス値Rtが演算される。前記両足間インピーダンス測定部7により測定された胴体内インピーダンス値をRg,両手間インピーダンス測定部4により測定された胴体内インピーダンス値をRhとすると、前記両足間インピーダンス値Rt1は、
Rt1=Ra+Rb+Rg……(式7)
と表すことができ、
前記両手間インピーダンス値Rt2は、
Rt2=Rc+Rd+Rh……(式8)
と表すことができる。したがって、求める身体内インピーダンス値Rtは、
として表すことができる。この式9の(Ra+Rb+Rc+Rd)/2は手足のインピーダンス値の平均値を表し、(Rg+Rh)/2は成分の異なる組織分布と測定箇所との違いによってばらつく胴体内インピーダンス値の平均値すなわち胴体内総合インピーダンス値を表している。また、特に平均値を求めなくとも合計値のままでも比例的に胴体内インピーダンス値の大きさを表すことができる。
【0059】
前記CPU17によって、式9を用いて身体内インピーダンス値Rtが演算されるとともに、この身体内インピーダンス値Rtと予め入力される個人データ(性別,身長,体重,年齢など)とを用いて体内脂肪量が演算される。こうして得られた体内脂肪量は、前記両手間インピーダンス測定部4の第1表示部9に出力されて、デジタル数値で表示される。なお、両足間インピーダンス測定部7の第2表示部31にも前記体内脂肪量を表示させることができる。
【0060】
本実施例によれば、胴体内上部の組織インピーダンス値を強く反映した両手間インピーダンス測定値Rt2と胴体部下部の組織インピーダンス値を強く反映した両足間インピーダンス測定値Rt1とを用いて全身の体脂肪量が演算されるため、被験者の体脂肪偏在に関わらず正確な体脂肪量を求めることができるという効果を奏する。
【0061】
また、本実施例によれば、両足間インピーダンス測定部7から送信データが被験者の身体内を通して両手間インピーダンス測定部4に伝達されるため、前記両手間インピーダンス測定部4と両足間インピーダンス測定部7とが物理的に分離可能となり、前記第1表示器9に表示された体内脂肪量を読み取りやすく、また個人データの入力等も行いやすく、操作性がよいという効果を奏する。また、送信データの送信に関しても、従来の無線による送信のようにノイズの影響を受けることがなく、また両手間インピーダンス測定部4と両足間インピーダンス測定部7との対向配置上の制限がない。
【0062】
さらに、本実施例によれば、前記両手間インピーダンス測定部4に歩数計,心拍数,血圧などの種々の健康に関わる身体データの測定機能を持たせることができ、常に持ち歩くことができる。
【0063】
本実施例においては、両足間インピーダンス値Rt1と両手間インピーダンス値Rt2とが加算平均されて身体内インピーダンス値Rtが演算されているが、これに限らず、前記両足間インピーダンス値Rt1と両手間インピーダンス値Rt2と実際に近い体内インピーダンスの求められる水中体密度測定器から得られたインピーダンス値との関係付けに関して最も相関があるように多くのテスト結果からそれぞれに適切な係数k1,k2の重み付けを行い、
Rt=(k1・Rt1+k2・Rt2)/(k1+k2)……(式10)
の如く演算することで身体内インピーダンス値Rtを求めるようにしてもよく、また相乗平均により、
Rt=(Rt1・Rt2)1/2……(式11)
の如く演算することで身体内インピーダンス値Rtを求めるようにしても良い。
【0064】
また、両足間インピーダンス測定部7による測定は下半身に脂肪が偏在すると全身の脂肪量が大きめに、両手間インピーダンス測定部4による測定は上半身に脂肪が偏在すると全身の脂肪量が大きめに求まる傾向を用いて、前記両足間インピーダンス値Rt1および両手間インピーダンス値Rt2に基づいてそれぞれ体内脂肪量を演算して、下半身測定体脂肪量および上半身測定対脂肪量と称して前記第1表示器9(もしくは第2表示器31)に表示させて、被験者に脂肪分布の違いの存在を数値的に示すようにしても良い。この場合は前記第1表示器9(もしくは第2表示器31)に、身体内総合脂肪量,下半身測定体脂肪量および上半身測定体脂肪量に同時に表示させてもよく、また切換えにより各体脂肪量を表示させるようにしてもよい。こうすることによって、被験者は体脂肪のつき方の上半身,下半身におけるバランスを比較対照しながら容易に知ることができる。
【0065】
本実施例においては、両足間インピーダンス測定部7に体重測定回路を組み込むことができる。図7には、前記体重測定回路40を組み込んだ両足間インピーダンス測定部7’の回路図が示される。両足間インピーダンス測定部7の載せ台(図示省略)に重量センサ(ロードセル)41を接続して、その重量センサ41が順に重量信号増幅器42,平滑回路43およびA/D変換器44を介して、前記I/O回路27に連結されている。前記重量センサ41が載せ台に係る重量(体重)を測定し、この重量センサ41から出力される重量信号が前記重量信号増幅器42にて増幅され、前記平滑回路43にて平滑化された後、前記A/D変換器44にてデジタル化されて、前記I/O回路27を経てCPU29に入力される。こうしてCPU29に入力された体重値に応じて、前記両足間インピーダンス値と同様に送信データが作成され、両足間インピーダンス値に関する送信データが両手間インピーダンス測定部4に送信された後(もしくは送信される前)に体重値に関する送信データが前述と同様の方法で両手間インピーダンス測定部4に送信される。このように両足間インピーダンス測定部7にて体重値が測定されれば、両手間インピーダンス測定部4への体重値の設定入力が不要となり、測定精度を向上できるという効果を奏する。
【0066】
本実施例において、前記両足間インピーダンス値に関する送信データまたは体重値に関する送信データは0,1ビットからなり、これら送信データを一定時間t毎に交流電流I2の印加を調整して送信するPCM方式が採用されているが、これに限らず、例えば図8に示されるように数値0〜9までを予め定めたそれぞれの数値に対応した長さの時間t0,t1,……t9だけアナログスイッチAS3をON状態にし、アナログスイッチAS4をOFF状態にして、また数値桁の間を表すためとして予め定めた長さの時間tdだけアナログスイッチAS3をOFF状態にし、アナログスイッチAS4をON状態にして交流電流の印加を調整し、これによって上内臓部インピーダンスR1に発生する電圧を読み取ってパルス化し、そのパルス長さを認識して数値化する方法が採用されていてもよい。また、例えば0ビットを10KHz、1ビットを50KHzとして、それぞれ読み取り側で0,1に復調して得られるように2個種類の周波数信号に対応させて送信する方法が採用されてもよい。
【0067】
また、本実施例においては、送信データに相当する電流が被験者に印加され、その電流の印加によって被験者の体内に発生する電圧を読み取ることにより、両足間インピーダンス値または体重値が両足間インピーダンス測定部7から両手間インピーダンス測定部4に電圧されるように構成されているが、これに限らず、前記両手間インピーダンス測定部4に無線データ受信部と前記両足間インピーダンス測定部に無線データ送信部とを設けるようにして、前記両足間インピーダンス値または体重値を無線通信するようにしてもよく、また前記両足間インピーダンス測定部7と両手間インピーダンス測定部4とをケーブルによって連結し、このケーブルを通して前記両足間インピーダンス値または体重値を伝達するようにしてもよい。
【0068】
本実施例によれば、2つの電極間に定電流を印加して体内仮想点E,F間もしくは点G,H間の電圧を測定して両手間インピーダンス値もしくは両足間インピーダンス値を電圧測定値から交換・算出する4端子法を採用しているが、これに限らず、2端子法もしくは2端子法を原理とする測定方法によって両手間インピーダンス値もしくは両足間インピーダンス値を算出するようにしてもよい。前記2端子法を原理とする測定方法とは、求めたい体内組織インピーダンスを挟む2箇所の身体末端組織に接触する電極間に電流を与える方法であって、まず身体外部に存在するところの、電極と皮膚表面との間の接触インピーダンスと身体末端組織インピーダンスとの合計部分のみに電流を印加して接触インピーダンスと身体末端組織インピーダンスとの合計インピーダンスに発生する電圧Vaを測定し、続いて前記接触インピーダンスと身体末端組織インピーダンスと両手間の身体内インピーダンスもしくは両足間の身体内インピーダンスとの合計部分に電流を印加して発生する電圧Vbを測定する。そして電圧Vb−Vaの演算により両手間インピーダンスもしくは両足間インピーダンスのみに発生する電圧値を算出して、その値から両手間インピーダンスもしくは両足間インピーダンスを算出する方法である。
【0069】
また、本実施例においては、電極5a,6aに交流電流供給回路22から交流電流が印加されて両足間インピーダンス値または体重値に相当する送信データが送信されるように構成されているが、前記交流電流に代えて定電圧を前記電極5a,6aに印加するようにしても各送信データを送信することが可能である。この場合、前記上内臓部インピーダンスR1に発生する電圧は、各電極5a,6aと体表面との接触インピーダンス値によって異なるが両足間インピーダンス信号または体重値信号はCPU18への入力時でコンパレータ15で正しくパルス化されればよい。このため、前記高入力抵抗差動増幅器11にある程度のゲインをもたせておけば、送信データに相当する交流電流を印加した際の上内臓部インピーダンスR1に発生する電圧が接触インピーダンス値の違いによって増減し、コンパレータ15への入力信号が小さくなった場合でも閾値Vsより高ければ正しいパルス信号に変換される。
【0070】
また、本実施例においては、両足間インピーダンス値Rt1が両足間インピーダンス測定部7から両手間インピーダンス測定部4へ伝達されるように構成されているが、これに限らず、例えば両足間インピーダンス測定部を前記両手間インピーダンス測定部4の回路構成と同一にして、両手間インピーダンス測定部が前記両足間インピーダンス測定部7の回路構成と同一にして両手間インピーダンス値を両手間インピーダンス測定部から両足間インピーダンス測定部へ伝達されるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る体内脂肪測定装置を用いて被験者が体内脂肪量を測定する状態を説明する図である。
【図2】図2は、本実施例の体内脂肪測定装置の両手間インピーダンス測定部を構成する回路図である。
【図3】図3は、本実施例の体内脂肪測定装置の両足間インピーダンス測定部を構成する回路図である。
【図4】図4は、被験者の身体組織をインピーダンス片に置き換えた等価回路図である。
【図5】図5(a)〜(f)は、送信データの受信手順を説明する説明図である。
【図6】図6は、アナログスイッチのON・OFF制御を説明する説明図である。
【図7】図7は、体重測定回路を組み込んだ両足間インピーダンス測定部の回路図である。
【図8】図8は、送信データの送信方式の別態様を説明する説明図である。
【図9】図9(a)(b)は、従来の問題点を説明する身体組織をインピーダンス片に置き換えた等価回路図である。
【符号の説明】
1 体内脂肪測定装置
2a,2b,3a,3b 電極
4 両手間インピーダンス測定部
5a,5b,6a,6b 電極
7 両足間インピーダンス測定部
8 設定値入力部
9 第1表示部
10 定電流供給回路
11 高入力差動増幅回路
12,24 整流回路
13,25 平滑回路
14,26 A/D変換器
15 コンパレータ
16,27 I/O回路
17,28 ROM/RAMメモリ
18,29 CPU
19,23 演算増幅器
20 電圧測定回路
21a,21b,21c 演算増幅器
22 交流電流供給回路
30 外部信号入力部
31 第2表示部
40 体重測定回路
Claims (5)
- 身体内の脂肪量を測定する体内脂肪量測定装置において、
(a)被験者の少なくとも両足間への通電によりその両足間に存在する身体内インピーダンス値を得る第1測定部と、
(b)被験者の少なくとも両手間への通電によりその両手間に存在する身体内インピーダンス値を得る第2測定部と、
(c)前記第1測定部によって得られた身体内インピーダンス値と第2測定部によって得られた身体内インピーダンス値とを用いて身体内の脂肪量を演算する演算手段とを備え、
前記第1測定部または前記第2測定部のうちのいずれか一方による身体内インピーダンス値が他方に送信されるように、前記第1測定部または前記第2測定部のうちのいずれか一方に送信手段が、他方に受信手段が設けられ、
前記送信手段は、第1測定部または第2測定部における身体内インピーダンス値を測定するための一定電流の印加と、第1測定部または第2測定部による身体内インピーダンス値に相当する電流または電圧の被験者への印加とを兼ねる電源印加手段であり、
前記受信手段は、前記電源印加手段により印加された電流または電圧によって身体内に発生する電圧を測定する電圧測定手段である
ことを特徴とする体内脂肪量測定装置。 - 前記演算手段は、前記受信手段を備える側の測定部に設けられる請求項1に記載の体内脂肪量測定装置。
- 前記演算手段は、前記第1測定部による身体内インピーダンス値を用いて下半身の体脂肪量を演算するとともに、前記第2測定部による身体内インピーダンス値を用いて上半身の体脂肪量を演算する請求項1または2に記載の体内脂肪量測定装置。
- 前記第1測定部は、被験者の体重測定を行う体重測定手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の体内脂肪量測定装置。
- 前記第1測定部および前記第2測定部で得られた身体内インピーダンスに基づいて上半身脂肪量と下半身脂肪量とを演算し、前記第1測定部および前記第2測定部のうちの少なくともいずれか一方に、それら上半身脂肪量と下半身脂肪量とを両方同時に、または選択的に交互に表示する請求項1〜4のいずれかに記載の体内脂肪測定装置。
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