JP4566072B2 - 基板試験方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、例えば半導体基板のような被試験基板を試験する基板試験方法及び装置に関する。
半導体基板の試験においては、製品の信頼性を試験するため、常温測定と高温測定を頻繁に切り換えて何度も繰り返し試験を行う必要がある。試験装置には、加熱して温度調節可能な測定ステージが設けられ、半導体基板は測定ステージに載置される。測定ステージを加熱して温度調節することにより、常温測定と高温測定を切り換える。
常温測定から高温測定への切り換え時には、測定ステージを加熱することにより10数分程度の時間で所望の高温、例えば110℃に到達し、その後は温度調節により所望の高温に保つことにより、高温測定が可能となる。
これに対し、高温測定から常温測定への切り換え時には、測定ステージの加熱を停止し、その後は自然冷却によるため、温度が常温で安定して測定可能となるのに長時間を必要とする。例えば、8インチの半導体基板の場合、110℃の高温から25℃の常温になるには約100分以上もの時間を必要とする。この間は、基板試験装置は停止状態となり非効率である。
このため、基板試験装置にオプションとして冷却のための低温ユニット(チラー)を設け、低温ユニットにより基板を冷却する技術が知られている(特許文献1参照)。このようにすれば、高温測定から常温測定への切り換え時に、10数分程度で基板温度が常温に達し、測定可能となる。
また、基板試験装置に冷却ファンを設け、冷却ファンを用いて基板を強制空冷する技術が知られている(特許文献2参照)。このようにすれば、高温測定から常温測定への切り換え時に、比較的短時間で基板温度が常温に達し、測定可能となる。
特開平5−343486号公報 特公平6−087475号公報
しかしながら、基板試験装置に冷却のための低温ユニットを設ける技術では、短時間で常温測定が可能となるが、低温ユニットが高価であり、そのための設備投資が膨大なものとなってしまう問題がある。
また、基板試験装置に冷却ファンを設ける技術では、設備投資の大きな増大は招かないものの、冷却時間が飛躍的には短縮しないという問題がある。例えば、110℃の高温から50℃までは約10分程度で到達するものの、その後、50℃から25℃の常温に到達するには約90分もの時間を必要とする。また、冷却ファンにより冷却する際に、周辺のパーティクルも飛ばすため、パーティクルが半導体基板に付着して品質を劣化させるという懸念もある。
本発明の目的は、設備投資の大きな増大を招くことなく、高温測定から低温測定への切り換えを効率的に行うことができる基板試験方法及び装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、測定ステージに被試験基板を載置して第1の温度で試験を行うステップと、前記測定ステージから前記被試験基板を取り外すステップと、前記測定ステージに、前記測定ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる補助ステージを装着するステップと、前記補助ステージに前記被試験基板を載置して前記第1の温度よりも低い第2の温度で試験を行うステップとを有することを特徴とする基板試験方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、測定ステージと、前記測定ステージ上に装着され、前記測定ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる補助ステージと、前記測定ステージ又は前記補助ステージに載置される被試験基板を試験する試験手段とを有し、第1の温度で試験を行う場合には、前記測定ステージに前記被試験基板を載置して前記試験手段により試験を行い、前記第1の温度よりも低い第2の温度で試験を行う場合には、前記測定ステージ上に前記補助ステージを装着し、前記補助ステージに前記被試験基板を載置して前記試験手段により試験を行うことを特徴とする基板試験装置が提供される。
本発明によれば、測定ステージに被試験基板を載置して第1の温度で試験を行い、測定ステージから被試験基板を取り外し、測定ステージに、測定ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる補助ステージを装着し、補助ステージに被試験基板を載置して第1の温度よりも低い第2の温度で試験を行うようにしたので、設備投資の大きな増大を招くことなく、高温測定から低温測定への切り換えを効率的に行うことができる。
本発明の一実施形態による基板試験装置について図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実施形態による基板試験装置の構成を示す図であり、図2は本実施形態による基板試験装置の高温試験から常温試験への切り換え時の構成を示す図であり、図3は本実施形態による基板試験装置に使用する補助ステージの構造を示す図である。
本実施形態の基板試験装置には、図1(a)に示すように、被試験基板である半導体基板8が載置される測定ステージ10が設けられている。測定ステージ10は内部に加熱ヒータ12と、温度測定のための熱電対14が設けられている。そして、測定ステージ10上に載置された半導体基板8の温度調節のために、温度調節計20とその電源22が設けられている。温度調節計20は、熱電対14により半導体基板8の温度を測定しながら、加熱ヒータ12をオンオフ制御する。これにより、測定ステージ10上に載置された半導体基板8が設定温度に維持される。
測定ステージ10の内部には、更に、半導体基板8を真空吸着するために真空経路16が形成されている。真空経路16には真空ポンプ24が接続されている。測定ステージ10に載置された半導体基板8は、図1(b)に示すように、リフトピン18により測定ステージ10から持ち上げることができる。
半導体基板8の装着時には、半導体基板8をリフトピン18により一旦支持し、その後、リフトピン18を降下させ、真空ポンプ24により真空経路16から真空溝17を介して、測定ステージ10上に半導体基板8を真空吸着する。
半導体基板8の離脱時には、真空ポンプ24による吸引を停止し、リフトピン18を突出させて、測定ステージ10から半導体基板8を離す。
本実施形態の基板試験装置には、更に、半導体基板8を試験するために、プローブカード30と、プローブカード保持部32と、テスタ34とが設けられている。測定ステージ10上に載置された半導体基板8の試験用電極(図示せず)に、プローブカード30の電極31を接触させ、テスタ34を用いて半導体基板8に対して種々の試験を行う。
本実施形態の基板試験装置を用いて高温試験から常温試験に切り換える際には、図2に示すように、測定ステージ10上に補助ステージ40を装着し、補助ステージ40に被試験基板である半導体基板8を載置して試験を行う。
補助ステージ40について図3を用いて説明する。図3(a)は補助ステージの平面図であり、図3(b)は補助ステージのA−A′線断面図である。
補助ステージ40は、測定ステージ10よりも熱伝導率の低い材料、例えば、熱伝導率が1以下である非金属材料、具体的には、テフロン(登録商標)、ダイフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂の樹脂材料により形成されている。
補助ステージ40は測定ステージ10よりも外径が小さい。補助ステージ40は、図3(a)に示すように、同心円状に2重の真空溝47が形成され、真空溝47の所定位置に真空経路46が開口している。真空溝47近傍にリフトピン18を貫通させるための貫通孔44が形成されている。
補助ステージ40は、図3(b)に示すように、内部に大きな空洞42が形成され、更に、リフトピン18を貫通させるため貫通孔44が形成されている。大きな空洞42を形成することにより、測定ステージ10から補助ステージ40上の半導体基板8に熱が伝導しにくくしている。貫通孔44を形成することにより、リフトピン18により補助ステージ40から半導体基板8を持ち上げることができる。
また、補助ステージ40内部には、真空吸着用の真空経路46が形成されている。真空経路46は、補助ステージ40が測定ステージ10に装着された場合に、測定ステージ10の真空経路16を補助ステージ40に形成された真空溝47に連ならせるためのものである。真空ポンプ24により測定ステージ10の真空経路16から吸引することにより、測定ステージ10の真空溝17を介して、補助ステージ40の真空経路46から真空溝47を介して、補助ステージ10上の半導体基板8を真空吸着する。
真空経路46の測定ステージ10側の開口の大きさを、測定ステージ10の真空経路16の開口よりも大きくしている。これにより、補助ステージ40が位置ずれしても半導体基板8を真空吸着することができる。
本発明の一実施形態による基板試験方法について説明する。被試験基板である半導体基板8に対して、常温の初期状態から始まり、最初に、110℃の高温で試験測定し、その後、25℃の常温で試験測定する場合について説明する。
常温の初期状態において、図1(b)に示すように、搬送されてきた半導体基板8を、測定ステージ10から突出したリフトピン18に載置する。
次に、真空ポンプ24により真空経路16から吸引しながら、リフトピン18を降下させて、図1(a)に示すように、半導体基板8を測定ステージ10に真空吸着する。
次に、加熱ヒータ12により測定ステージ10を加熱する。熱電対14により基板温度を測定して、所望の110℃に達するまで加熱を続行する。約110℃に達したら、熱電対14で温度を測定しながら、加熱ヒータ12をオンオフ制御する。これにより、測定ステージ10上に載置された半導体基板8が設定温度である110℃に維持される。なお、測定ステージ10に半導体基板8を載置する前に、測定ステージ10を所定温度で加熱しておいてもよい。
半導体基板8が設定温度である110℃に維持されると、測定ステージ10上に載置された半導体基板8の試験用電極(図示せず)に、プローブカード30の電極31を接触させ、テスタ34を用いて半導体基板8に対して種々の試験測定(高温試験測定)を行う。
高温試験測定が完了すると、リフトピン18により半導体基板8を持ち上げて一旦他の場所において常温で保管する。
次に、測定ステージ10の加熱ヒータ12をオフして自然冷却を開始する。続いて、高温の測定ステージ10に、常温で保管していた補助ステージ40を装着する。続いて、図2(b)に示すように、一旦他の場所に移された半導体基板8を、補助ステージ40から突出したリフトピン18に載置する。
次に、真空ポンプ24により測定ステージ10の真空経路16から吸引しながら、リフトピン18を降下させて、図2(a)に示すように、半導体基板8を補助ステージ40に真空吸着する。
このとき、測定ステージ10は自然冷却されているだけなので依然として高温であるが、補助ステージ40は熱伝導率が低い材料で形成され、しかも、内部に大きな空洞42が形成されているので、測定ステージ10の温度が補助ステージ40上まで熱伝導することはなく、半導体基板8は常温で維持される。
半導体基板8が常温である25℃に維持されると、補助ステージ40上に載置された半導体基板8の試験用電極(図示せず)に、プローブカード30の電極31を接触させ、テスタ34を用いて半導体基板8に対して種々の試験測定(常温試験測定)を行う。
このように本実施形態によれば、高温測定から常温測定への切り換えの際に、測定ステージが自然冷却により常温に達する前に、常温で保管された補助ステージを用いることにより、短時間で常温測定に切り換えることができる。従来は、高温測定から常温測定の切り換えには100分以上の時間を必要としたが、本実施形態によれば、10分程度で常温測定に切り換えることができる。しかも、そのためには補助ステージを用意するだけでよいので、設備投資の増大を最小限に抑えることができる。
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、補助ステージに樹脂材料を用いたが、測定ステージよりも熱伝導率の低い材料であり、パーティクル,汚染や強度の心配がない材料であれば、樹脂材料以外の材料でもよい。
本発明の一実施形態による基板試験装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態による基板試験装置の高温試験から常温試験への切り換え時の構成を示す図である。 本発明の一実施形態による基板試験装置に使用する補助ステージの構造を示す図である。
符号の説明
8…半導体基板
10…測定ステージ
12…加熱ヒータ
14…熱電対
16…真空経路
17…真空溝
18…リフトピン
20…温度調節計
22…電源
24…真空ポンプ
30…プローブカード
32…プローブカード保持部
34…テスタ
40…補助ステージ
42…空洞
44…貫通孔
46…真空経路
47…真空溝

Claims (4)

  1. 測定ステージに被試験基板を載置して第1の温度で試験を行うステップと、
    前記測定ステージから前記被試験基板を取り外すステップと、
    前記測定ステージに、前記測定ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる補助ステージを装着するステップと、
    前記補助ステージに前記被試験基板を載置して前記第1の温度よりも低い第2の温度で試験を行うステップと
    を有することを特徴とする基板試験方法。
  2. 請求項1記載の基板試験方法において、
    前記補助ステージは、非金属である材料からなることを特徴とする基板試験方法。
  3. 請求項1又は2記載の基板試験方法において、
    前記補助ステージは、内部に空洞が形成されていることを特徴とする基板試験方法。
  4. 測定ステージと、
    前記測定ステージ上に装着され、前記測定ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる補助ステージと、
    前記測定ステージ又は前記補助ステージに載置される被試験基板を試験する試験手段とを有し、
    第1の温度で試験を行う場合には、前記測定ステージに前記被試験基板を載置して前記試験手段により試験を行い、
    前記第1の温度よりも低い第2の温度で試験を行う場合には、前記測定ステージ上に前記補助ステージを装着し、前記補助ステージに前記被試験基板を載置して前記試験手段により試験を行う
    ことを特徴とする基板試験装置。
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