JP4565888B2 - 密閉型開閉装置 - Google Patents

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Description

この発明は、密閉形開閉装置、特に、密閉容器中に遮断部、断路部、接地開閉部等の開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置に関するものである。
密閉容器中に遮断部、断路部、接地開閉部等の開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置は広く知られている(例えば、非特許文献1参照)。
山下一也、山岸泰彦、「VCB搭載72/84kV C−GISの製品化」、電気設備学会誌、平成13年10月、第21巻、第10号、p.795−799
前記非特許文献1におけるp.796に掲載された図−1には、標準受電断面構造図が示されている。この密閉形開閉装置では、真空バルブからなる遮断部および線路断路部(線路DS)ならびに接地開閉器(線路ES)およびこれら構成要素間の電気的接続を行う電路等の開閉装置機能部が設けられている。このような開閉装置機能部は密閉容器に収納され、この密閉容器には絶縁性能の良好なSF(六フッ化硫黄)を充填し、耐電圧性能を向上させ、密閉容器寸法を縮小している。
このような構造の開閉装置機能部における電路を支持・固定するために、絶縁碍子が配置されている。また、断路器や接地開閉器の開閉駆動力を密閉容器外部から内部へ伝達するための絶縁ロッドも設置されている。
絶縁碍子と絶縁ロッドに要求される性能には、電路での通電時の電磁振動や開閉駆動に伴う機械衝撃に耐える機械強度と、電路と接地電位部(タンク面)の間の電気絶縁の二つがあげられる。
さらに、電気絶縁性能では、要求項目が多岐に及ぶが、中でも耐電圧(両端への電圧印加に対しどの電圧まで耐えるか)は部分放電特性や絶縁抵抗等と並んで重要な性能である。以下、耐電圧の観点から従来の絶縁碍子および絶縁ロッドについて説明する。
まず、絶縁碍子および絶縁ロッドの耐電圧を左右する要因には、(1)雰囲気のガス種と圧力、(2)高圧電極、絶縁物、ガスの3者が一点で接触するトリプルジャンクション部の電界、(3)絶縁物形状、が挙げられる。
(1)のガス種とガス圧が異なれば耐電圧が変化することは容易に理解できよう。(2)のトリプルジャンクションでは高電界が形成されやすく、全路放電のトリガとなる放電(一例として、ストリーマ放電)が同部から進展しやすいため、同部電界の低減が重要とされている。(3)の絶縁物形状は、例えばトリガ放電の進展を物理的に阻止できるバリヤ、または、ひだを備えた碍子なら、耐電圧が向上すると考えられる。この他にも、絶縁物の比誘電率、碍子の高さも耐電圧に影響を与える要因であるが、どちらもトリプルジャンクション電界に影響を与えるものと理解できる。
この点に留意しながら、従来の密閉形開閉装置に用いられている絶縁碍子の構造について検討を加える。従来構造は、円柱状のストレート形状か、ひだ付き形状のどちらかである。
ストレート形状の利点は形状が単純なので製作しやすい点である。一方、ひだを設ける利点は、絶縁物の沿面距離が大きくなるので、表面が汚損しても碍子両端の絶縁抵抗の低下を防止できる点である。
絶縁ロッドも、絶縁碍子と同様で、ストレート形状か、ひだ付き形状のどちらかである。
この従来構造の絶縁碍子および絶縁ロッドで採られている耐電圧向上策は、SF使用と、トリプルジャンクション構造改善による同部電界の低減の二つである。すなわち、第一に耐電圧性能の極めて良好なSFを密閉容器内ガスに用い、第二にトリプルジャンクション電界を低減させるため高圧電極の一部を絶縁物中に埋め込む、あるいは高圧電極に電界緩和シールドを装着している。
一方、絶縁バリヤ形状の採用といった、絶縁物形状の変更は行っていない。これはその対策を行わなくても、上記第一および第二の対策で十分な効果が上がっていたからである。
なお、ひだ付き形状の絶縁碍子にひだでは、くぼみが浅い、あるいは、ひだの高さが不十分のため、絶縁抵抗維持は可能でも、トリガ放電進展阻止は困難である。そのため耐電圧性能向上は期待できない。
ところが近年、地球温暖化防止の観点からSF使用が難しい状況になりつつある。1997年に京都とで開催された地球温暖化防止京都会議では、SFはCO,CHとともに大気排出量の削減対策に指定された。これを受けて電気事業連合会や日本電機工業会では、SF使用量に対してある割合以下しか排出しないようにするという自主規制を設け、排出量抑制を進めている。この規制では密閉形開閉装置のユーザにも適用され、ユーザが同装置を購入した後はユーザが責任を持って排出量管理をしなければならない。これは煩雑さを含む作業になる恐れがあるため、SFの使用量削減よりも、根本解決にあたる不使用化が望まれている。
ここで、温室効果がなくかつ絶縁耐力がSFと同等のガスは、現在のところ皆無との見解が支配的である。大気排出量の削減対象に入っていないガスの中にはSF並の絶縁耐力を有するガスもあるが、いずれも温室効果を持ち、地球温暖化防止の根本解決にはならない。
結局、温室効果が全くないという条件を優先すると、空気や窒素が有力な代替絶縁ガスになる。このため、絶縁ガスに空気や窒素を用いる密閉形開閉装置が製品化されるようになってきた。
ここで、空気と窒素の他にも候補ガスは挙がっており、例えば、二酸化炭素(温室効果ガスではあるが、温室効果の影響力を示す温室効果係数が小さいので使用される可能性が無くはない)、純酸素、酸素と窒素の混合ガス、窒素と二酸化炭素の混合ガス、酸素と窒素と二酸化炭素の混合ガスが挙げられる。以下、煩雑になるので代替ガスとしては空気と窒素を記載し、説明する。
これに伴い、従来と同一構造の絶縁碍子では、空気や窒素中では製品に要求される耐電圧が容易に得られないという問題点が顕在化しつつある。空気や窒素はSFに比べると絶縁耐力が1/2〜1/3しかなく、ガス種を絶縁耐力の悪いものに変更している。充填ガス圧力を上昇させれば、その分耐電圧は向上するが、密閉容器構造を堅牢にして機械強度を向上させなければならない。これは容器コストの上昇を招くばかりか、タンク重量増により製品の運搬方法に制約が加えられる。また、真空バルブにかかる差圧が大きくなるため、バルブ構造やそのバルブを開閉駆動する機構部にも大幅変更が必要になる。このように、絶縁耐力の低いガスへの変更を基本として、タンクコスト上昇、重量増、真空バルブや操作機構部の改良等の問題が招来される。
なお、絶縁物のトリプルジャンクション電界の緩和策は既にSF向け絶縁碍子で採用されており、空気や窒素を使用した場合にもこれらの対策が盛り込まれることが前提となる。
以上に述べたように、ガス圧向上、トリプルジャンクションの電界緩和と併せて別の新たな対策を図ることが必要であるが、その具体策が提案されていないのが現状である。
この発明は、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ようとするものである。
この発明に係る密閉型開閉装置では、ガスを充填した密閉容器に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉開閉装置において、前記開閉装置機能部の開閉操作のための操作力を伝達しつつ対地間との絶縁を図る固体絶縁物に先行放電を阻止する表面形状を持つ前記固体絶縁物と同じ材質の絶縁バリヤが接地電位部分よりも電圧印加部分に近い位置に設けられているものであって、前記絶縁バリヤの電圧印加部分側表面部分の延在方向が前記固体絶縁物の絶縁物本体の外径方向へ接地電位部分と逆方向に延びるものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における開閉操作のための操作力を伝達しつつ対地間との絶縁を図る固体絶縁物での先行放電を確実に阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1から図6について説明する。図1は実施の形態1における密閉型開閉装置の全体構成を示す縦断面図である。図2は図1のII−II線における断面図である。図3は実施の形態1における固体絶縁物形状の一例を示す縦断面図である。図4は実施の形態1における固体絶縁物形状の他の例を示す縦断面図である。図5は実施の形態1における固体絶縁物形状を形態別に例示する説明図である。図6は実施の形態1における大地間固体絶縁物の両側電極の変形例を示す縦断面図である。
図1に実施の形態1に基づく密閉型開閉装置の縦断面図を示す。同図から密閉容器10の内部における単相分の電路構造が分かる。以下、電路構造を説明する。
図1において、ケーブルヘッド1は図示しないケーブルに、ケーブルヘッド1の下方から接続されている。ケーブルヘッド1はスリーポジション断路器2に接続されている。スリーポジション断路器2は、ケーブル耐圧点検端子3、避雷器4、接地開閉器5への接続状態を変えることができる。例えば図1は開閉装置の運転状態の接続を示しており、避雷器4と接地開閉器5との間は閉極しているが、ケーブル耐圧点検端子3との間は開極している。
一方、ケーブル耐圧点検時は、ケーブル耐圧点検端子3との間を閉極とし、それ以外は開極としてケーブルのみに電圧を印加できるようにする。スリーポジション断路器2の開閉駆動力は紙面手前方向の密閉容器外から軸回転力として与えられるが、その際に絶縁ロッド20で相間・対地間を絶縁しながら回転力を伝達する。
接地開閉器5は可動子5aと固定子(接地極側)5bからなる。可動子5aは線路側(ケーブル側)断路器6の可動子6aと一体構造になっている。線路側断路器6と接地開閉器5は一体駆動となっており、断路器が開極状態になると同時に接地開閉器が投入状態になるように駆動する。開閉駆動力は紙面手前方向の密閉容器外から軸回転力として与えられ、その際に絶縁ロッド50で相間・対地間を絶縁しながら回転力を伝達する。なお、線路側断路器6と接地開閉器5は必ずしも一体駆動にする必要はない。線路側断路器6の固定子6bは真空バルブ7に接続されている。さらに真空バルブ7はブッシング8を経由して密閉容器10の外部へと接続されている。以降は図示しないが、母線側断路器を経て母線に接続されている。
以上で単相分の電路が構成され、これを紙面奥行き方向に三列配置して三相構造としている。三相分をひとつの密閉容器10の内部に収納している。
密閉容器10内部に充填するガスは空気または窒素である。加圧充填すれば耐電圧が向上するという効果があり、以下で述べる実施の形態の効果の向上を助ける作用が現われる。両ガスの他にも、純二酸化炭素、純酸素、酸素と窒素の混合ガス、酸素と二酸化炭素の混合ガス、窒素と二酸化炭素の混合ガス、酸素と窒素と二酸化炭素の混合ガスを充填してもよい。
ここで、スリーポジション断路器2は、ケーブル耐圧点検の必要がない場合は設ける必要はない。その場合、図示しないがケーブルヘッド1から延びる電極をそのまま接地開閉器5の可動子5a側に接続してもよい。また、図示しないが母線側断路器を密閉容器10の内部に配置する構造も採り得る。その場合、線路側断路器6と同一または類似の構造のものを設置してもよい。
図1では、電路を支持固定するために、各所に絶縁碍子が用いられている。断路器可動子6a、固定子6bの支持固定のため、碍子11が用いられている。一方、真空バルブ7の支持固定のため、中空碍子12が用いられている。この他にも図示していないが、スリーポジション断路器2を支持固定するための碍子等、各所に必要である。
ここで、中空碍子12は内部に真空バルブ7の駆動用絶縁ロッド(図示せず)や真空バルブ7の点検端子(図示せず)を配置できるように、絶縁物が概略円筒形状をしている。碍子11はこのような特殊機能を備えておらず、内部も絶縁物で構成されている。真空バルブ7に用いるふたつの中空碍子12は、必ずしも両方が中空構造でなければならない必要はない。真空バルブ7の駆動および点検と言う所定の機能が果たせるなら、どちらか一方を碍子11の構造にしてもよい。
図2に図1中のII−II面から下方をみた場合の水平断面図を示す。3相分の電路が密閉容器10の内部に配置されている様子が示されている。
そして、この図では線路側断路器可動子5aに密閉容器10の外部から回転駆動力を伝達しつつ、相間と対地間を絶縁する絶縁ロッド50aと50bが示されている。絶縁ロッド50aは相間絶縁用であり、絶縁ロッド50bは対地間絶縁用である。図示しないが、スリーポジション断路器2の駆動に用いる絶縁ロッド20も、同一の形状の絶縁ロッド20aと20bで構成されている。
以上のように、密閉型開閉装置内部には各碍子と絶縁ロッドが用いられている。
この発明による実施の形態では、密閉型開閉装置の電路を支持固定する絶縁碍子、および密閉容器外部から内部に動力を伝達する絶縁ロッドに対し、その表面に先行放電の伸展を阻止する絶縁バリヤを設けた。これにより絶縁バリヤがない場合に比べて耐電圧が向上する。その結果、密閉容器内のガス圧上昇を最小限にとどめ、容器コストと重量増大を抑制できる。また、絶縁碍子や絶縁ロッドの長さ縮小が可能になり、製品≧全体の寸法縮小が可能になるとともに、絶縁信頼性の高い製品が得られる。
図3は実施の形態1における固体絶縁物形状の一例を示す縦断面図である。絶縁碍子と絶縁ロッドを構成する固体絶縁物50には、ほぼ円柱状をなす絶縁物本体50Mの高圧導体すなわち高圧電極からなる高電圧印加部分HP側の一端面に埋め金51が設けられ、絶縁物本体50Mの低圧導体すなわち低圧電極からなる接地電位部分LP側の他端面に埋め金52が設けられている。全体としてほぼ円柱状をなす固体絶縁物50における絶縁物本体50Mの円周部には、円周部から突出する環状の絶縁バリヤ53が一体に形成されている。
絶縁バリヤ53には、高電圧印加部分HP側に位置する環状の絶縁物表面部分S1および接地電位部分LP側に位置する環状の絶縁物表面部分S2が形成されている。接地電位部分LP側に位置する絶縁物表面部分S2は固体絶縁物50の径方向における外方に向かって図示上方すなわち高電圧印加部分HP側に傾斜する直線L2に沿って延在する。直線L2は垂直線Vと時計回りになす角度θがθ≧45°となるように設定されている。すなわち、絶縁物表面部分S2の延在方向は高電圧印加部分HPから接地電位部分LPに向かう電界方向に平行な垂直線Vとなす角度θがθ≧45°に確保されるように設定されている。そして、高圧トリプルジャンクションTの垂直位置を示す高圧トリプルジャンクション位置Aはバリヤの高圧電極側最上位面Bと同じか上に設定されている。
このように、絶縁物表面部分S2の延在方向が高電圧印加部分HPから接地電位部分LPに向かう電界方向となす角度θがθ≧45°となるように設定されることにより、絶縁物表面部分S2における表面の電界強度は確実に低減され、絶縁物表面部分S2における先行放電の伸展は的確に阻止される。
また、絶縁バリヤ53の高電圧印加部分HP側に位置する環状の絶縁物表面部分S1は接地電位部分LP側に位置する絶縁物表面部分S2と水平面を対称面とする面対称位置に形成されており、絶縁物表面部分S2におけると同様に、絶縁物表面部分S1における表面の電界強度も確実に低減され、絶縁物表面部分S1における先行放電の伸展は的確に阻止される。
図4は実施の形態1における固体絶縁物形状の他の例を示す縦断面図である。絶縁碍子と絶縁ロッドを構成する固体絶縁物50には、ほぼ円柱状をなす絶縁物本体50Mの高圧印加部分HP側の一端面に埋め金51が設けられ、絶縁物本体50Mの接地電位部分LP側の他端面に埋め金52が設けられている。全体としてほぼ円柱状をなす固体絶縁物50における絶縁物本体50Mの円周部には、円周部から突出する環状の絶縁バリヤ53が一体に形成されている。
絶縁バリヤ53には、高電圧印加部分HP側に位置する環状の絶縁物表面部分S3および接地電位側に位置する環状の絶縁物表面部分S4が形成されている。接地電位部分LP側に位置する絶縁物表面部分S4は固体絶縁物50の径方向における外方に向かって図示上方すなわち高電圧印加部分HP側に傾斜する直線L4に沿って延在する。直線L4は垂直線Vとの時計回りになす角度θが絶縁物本体50Mの外側表面に沿って延在し高電圧印加部分HPから接地電位部分LPに向かう電界方向と平行な垂直線Vとの外側表面テーパー角度θと同じ符号を持つように設定されている。そして、高圧トリプルジャンクションTの垂直位置を示す高圧トリプルジャンクション位置Aはバリヤの高圧電極側最上位面Bより下に設定されている。
この構成では、絶縁バリヤ53の高電圧部分HP側表面部分S3の延在方向が固体絶縁物50の絶縁物本体50Mの外径方向へ接地電位部分LPと逆方向に延びるように高電圧部分HP側表面部分S3の延在角度を適切に設定する構成になっており、絶縁物表面部分S3における表面の電界強度は確実に低減され、絶縁物表面部分S3における先行放電の伸展は的確に阻止される。
密閉型開閉装置内部に用いられる絶縁碍子と絶縁ロッドの詳細構造を説明する。まず、図5に対地間絶縁用の絶縁物形状を示す。これに該当する絶縁物は、図1と図2中では碍子11と絶縁ロッド50bである。また、図示していないが図1中の絶縁ロッド20の対地間絶縁物も該当する。
図5には、(1)〜(10)までの10種類の形状の絶縁物が示されているが、いずれにも前記した先行放電の進展を阻止するための絶縁バリヤが備わっている。いずれも紙面上方が高圧側である。
同図では絶縁バリヤ形状で種々の区分に分けている。まず、縦の列では、絶縁バリヤの外側表面の絶縁物軸線に対する角度をθとし、θ≧45°である〔(1)、(4)、(7)、(10)が該当〕か、θ<45°であるか〔同(2)、(3)、(5)、(6)、(8)、(9)〕で絶縁バリヤの向き(どの方向へバリヤが伸びているか)を規定している。また、θ<45°については、θに対し絶縁物本体表面のテーパー角度θが同じ符号の角度を持つ場合〔(2)、(5)、(8)〕と、異なる符号またはθ=0°の場合〔(3)、(6)、(9)〕で区分した。
一方、横の列は、高圧電極のトリプルジャンクション部Tからの絶縁物表面の湾曲方向で規定している。絶縁物表面が低圧電極側に湾曲することなくバリヤ部53につながる形状〔(1)〜(4)〕か、低圧電極側に一度湾曲し、その後にバリヤ部63につながる形状〔(5)〜(10)〕かの2つで区分した。そしてそれぞれの区分について、トリプルジャンクションの位置がバリヤの最上位面より下か上かで細かく区分した。また、各絶縁物共に、高圧・低圧電極のそれぞれ一部が絶縁物中に埋め込まれた構造になっており、高圧・低圧電極それぞれのトリプルジャンクション電界の緩和を図っている。
同図のような各種絶縁物形状にすることの効果を以下説明する。形状(1)を除いて、バリヤ53の根本部分におけるバリヤ53の伸びる方向は、低圧電極と概略反対方向である。この場合、高圧電極のトリプルジャンクションで発生した先行放電は、一度低圧電極側〔該当形状(4)〜(10)〕または径方向〔同(2)、(3)〕に向かって進展する。しかし、それ以上放電が進展するには放電路は電位傾度に逆らう形でバリヤ先端まで大きく迂回しなければならない。また、低圧電極側または径方向に放電が進展した時点で、高圧電極と同極性の電荷がバリヤ53の根本付近の空間に蓄積され、高圧電極周辺の電界を緩和する。このために放電進展に必要な電界が得にくくなり、一層全路放電への進展が困難になる。以上から、両極間の耐電圧(言い換えると全路放電を起す放電電圧)が向上するという効果がある。
バリヤ内側に形成されるくぼみの深さは、高圧電極のトリプルジャンクション部Tから絶縁物表面が低圧電極側に湾曲するかによって異なり、形状(8)、(9)、(10)、つまり最下列の形状で最もくぼみが深くできる。その分、バリヤ効果が十分に発揮され耐電圧が向上する。ただし、バリヤ53の最上位面から絶縁物全体の下面までの高さが大きくなり、この寸法縮小面での課題が残る。
これを改善したものが形状(5)、(6)、(7)で、高さ寸法を縮小しながら耐電圧も高くできるという効果がある。形状(2)、(3)、(4)はくぼみの深さの面では形状(5)〜(10)に及ばないが、その分構造が単純なため、製作が容易になり製造コストが抑制できるという効果がある。
形状(1)も形状が単純であるため、製作が容易になり製造コストが抑制できるという効果がある。この碍子と従来構造の碍子との違いは、従来構造では沿面距離増大による表面抵抗維持のため高さの小さいひだが多く設けられているのに対し、形状(1)では放電進展阻止のため高さの大きなバリヤ53が一つ設けられているだけである。このように設置の目的が異なるために、ひだ(またはバリヤ)の形状も数が異なる。
上記に加え、形状(2)、(3)、(5)、(6)、(8)、(9)では、バリヤの角度がθ<45°であるため、絶縁物の全体直径を小さくすることができる。その結果、図2における盤幅方向(紙面上下方向にあたる)の寸法縮小に寄与できる。θに対し、絶縁物本体の外側表面テーパー角度θが異なる符号の角度を持つか、θ=0°である場合、さらに径方向寸法が小さくなるという効果がある。
一方、形状(1)、(4)、(7)、(10)では、形状(2)、(3)、(5)、(6)、(8)、(9)にない効果として次の点を挙げることができる。
形状(2)、(3)、(5)、(6)、(8)、(9)の碍子の直径よりも高圧電極寸法が大きい場合、バリヤ先端と高圧電極の距離が非常に短くなってしまうことが予想される。その場合、高圧電極側のトリプルジャンクションから放電が発生せずに、高圧電極と絶縁バリヤの最接近部から放電が発生し、バリヤの外表面を経由して全路放電する可能性が考えられる。これでは本来期待するバリヤ効果が期待できない。そこで、形状(1)、(4)、(7)、(10)は、バリヤが碍子の概略径方向に伸びる形状とし、バリヤ先端と高圧電極の距離を大きくとれるようにしている。その結果、本来想定するトリプルジャンクションTから放電が開始するようになり、狙い通りのバリヤ効果が現れるようになる。
図5に示した例では全て高圧・低圧電極が埋め込み構造となっているが、図6のように電極構造を変化させてもよい。
同図は図5中の形状(6)を例にしたものであるが、図6(a)の埋め金なし、図6(b)の高圧側のみ埋め金51、図6(c)の両側に埋め金51,52〔図5の形状(6)にあたる〕、図6(d)の両極埋め金51,52に加え高圧側に電界緩和シールド51a設置、図6(e)の両極埋め金51,52に加え両側に電界緩和シールド51a,52a設置、といったバリエーションがある。このバリエーションは図5中の他の形状にも応用することができる。
この発明による実施の形態1によれば、ガスを充填した密閉容器10に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置において、前記開閉装置機能部における高電圧印加部分HPからなる電圧印加部分を支持固定しつつ対地間との絶縁を図る固体絶縁物50の表面に先行放電の伸展を阻止する表面形状を持つ前記固体絶縁物50と同じ材質の絶縁バリヤ53が設けられ、絶縁バリヤ53の接地電位部分LP側絶縁物表面部分S2の延在方向が固体絶縁物50の絶縁物本体50Mの外径方向へ高電圧印加部分HP側へ傾斜して延びるとともに高電圧印加部分HPから接地電位部分LPに向かう電界方向に平行な垂直線Vとなす角度θがθ≧45°に確保されるように絶縁バリヤ53の接地電位部分LP側表面部分S2の延在角度を適切に設定するか、絶縁バリヤ53の高電圧部分HP側表面部分S3の延在方向が固体絶縁物50の絶縁物本体50Mの外径方向へ接地電位部分LPと逆方向に延びるように高電圧部分HP側表面部分S3の延在角度を適切に設定することにより、先行放電の伸展が阻止されるように構成されているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の対地絶縁を開閉装置機能部における電圧印加部分を支持固定しつつ確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
また、この発明による実施の形態1によれば、ガスを充填した密閉容器10に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置において、前記開閉装置機能部の開閉操作のための操作力を伝達しつつ対地間との絶縁を図る固体絶縁物50の表面に先行放電の伸展を阻止する表面形状を持つ前記固体絶縁物50と同じ材質の絶縁バリヤ53が設けられ、絶縁バリヤ53の接地電位部分LP側絶縁物表面部分S2の延在方向が固体絶縁物50の絶縁物本体50Mの外径方向へ高電圧印加部分HP側へ傾斜して延びるとともに高電圧印加部分HPから接地電位部分LPに向かう電界方向に平行な垂直線Vとなす角度θがθ≧45°に確保されるように絶縁バリヤ53の接地電位部分LP側表面部分S2の延在角度を適切に設定するか、絶縁バリヤ53の高電圧部分HP側表面部分S3の延在方向が固体絶縁物50の絶縁物本体50Mの外径方向へ接地電位部分LPと逆方向に延びるように高電圧部分HP側表面部分S3の延在角度を適切に設定することにより、先行放電の伸展が阻止されるように構成されているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の対地絶縁を開閉装置機能部の開閉操作のための操作力を伝達しつつ確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
さらに、この発明による実施の形態1によれば、前項または前々項における構成において、 前記密閉容器10の内部には、空気、純窒素、純二酸化炭素、純酸素、酸素と窒素の混合ガス、酸素と二酸化炭素の混合ガス、窒素と二酸化炭素の混合ガス、酸素と窒素と二酸化炭素の混合ガス、のいずれかが充填されているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できるとともに、充填ガスの適切な選択により耐電圧特性を更に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図1および図2ならびに図7および図8について説明する。図1は実施の形態2における密閉型開閉装置の全体構成を示す縦断面図である。図2は図1のII−II線における断面図である。図7は実施の形態2における固体絶縁物形状の例を形態別に示す説明図である。図8は実施の形態2における固体絶縁物形状の他の例を形態別に示す説明図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態2においても実施の形態1と同様、図1および図2に示す構造の密閉型開閉装置が対象となる。実施の形態1中で記載した内部構造のバリエーション(スリーポジション断路器2の有無や、母線側断路器の密閉容器10内の配置の有無等)についても同様である。実施の形態2では、図1と図2中の碍子12、つまり内部が中空構造の絶縁碍子について実施の形態を詳述する。
図7と図8に、対地間絶縁用の絶縁物であって、内部が空洞になっている形状を示す。図7では、バリヤ53の伸びる方向が低圧電極からなる接地電位部分LPとは概略反対方向であり(角度θ<45°)、図8では、θ≧45°としている。
両図記載の各形状に共通の効果から説明する。全形状共に、バリヤの根本部分におけるバリヤの伸びる方向は、低圧電極と概略反対方向である。この場合、高圧電極のトリプルジャンクションで発生した先行放電は、一度低圧電極側または径方向に進展する。しかし、それ以上放電が進展するには放電路は電位傾度に逆らう形でバリヤ先端まで大きく迂回しなければならない。また、低圧電極側または径方向に放電が進展した時点で、高圧電極と同極性の電荷がバリヤの根本付近の空間に蓄積され、高圧電極周辺の電界を緩和する。このために放電進展に必要な電界が得にくくなり、一層全路放電への進展が困難になる。以上から、両極間の耐電圧が向上するという効果がある。
次に、図7の各種形状全体に共通の効果は、絶縁物の全体直径を小さくすることができることに起因して、図2における盤幅方向(紙面上下方向にあたる)の寸法縮小に寄与できる点である。図7については図5のように、角度θに対し絶縁物本体表面のテーパー角度θが同じ符号の角度を持つ場合と、異なる符号またはθ=0°の場合で区分することもできる。その場合、図5同様にさらに径方向寸法の縮小が可能になり、一層盤幅方向(紙面上下方向にあたる)の寸法縮小に寄与できる。
さらに、図8中のマトリックスの詳細とその効果を説明する。図8の縦の列は、絶縁物表面が高圧電極から離れた後、低圧電極側に湾曲することなくバリヤ部につながる形状(列aとする)か、低圧電極側に一度湾曲し、その後にバリヤ部につながる形状か(列b、列c)で大別した。さらに、後者の区分に関しては、トリプルジャンクションの位置がバリヤの高圧電極側最上位面より下か(列b)上か(列c)で区分した。この縦の列に沿って効果を以下説明する。
バリヤ内側に形成されるくぼみの深さは、列bは列a、列cに比べて深くできる。その分、バリヤ効果が十分に発揮され耐電圧が向上する。ただし、バリヤの最上位面から絶縁物全体の下面までの高さが大きくなり、この寸法縮小面での課題が残る。
これを改善したものが列cで、高さ寸法を縮小しながら耐電圧も従来構造より高くできるという効果がある。列aはくぼみの深さの面では列b、列cに及ばないが、その分構造が単純なため、製作が容易になり製造コストが抑制できるという効果がある。
次に、図7の横の列に沿って構造を区分していくと、最上列(列d)と上から2番目(列e)は、高圧電極が埋め込み形ではない構造である。一方、下から2番目列(列f)と最下列(列g)は、高圧電極が埋め金構造になっている。そして、列eと列gは内側沿面にもバリヤを配置した構造である。列dと列eは内側沿面はストレート形状である。
高圧電極を埋め込み構造にすると、その分トリプルジャンクション電界を低減できるので耐電圧向上が容易になるという効果がある。埋め込み構造にしない場合はトリプルジャンクション電界の低減効果は埋め込み構造には劣るが、その分製作が容易であり、低コスト化できるという効果がある。列eと列gのように内側沿面にもバリヤを配置すると、絶縁物の内側沿面の耐電圧も向上できるという効果がある。列dと列eは列eと列gに比べると内側の沿面耐電圧は劣るが、その分製作が容易であり低コスト化できるという効果がある。
図7で説明した効果は、図8にも全て当てはまるので省略する。図8に共通し図7にない効果は、図5で述べたものと同様であるが、バリヤを碍子の概略径方向に伸ばすことでバリヤ先端と高圧電極の距離を大きくとることにより、碍子直上の高圧電極からバリヤ先端を経由した放電を抑制する点である。その結果、碍子径よりも寸法の大きい高圧電極が用いられた場合の耐電圧を向上することができる。
また、図7と図8では図示していないが、絶縁物の内側表面にのみ絶縁バリヤを設けた形状の碍子を用いてもよい。この場合、外側の沿面耐電圧向上はあまり期待できないが、内側の沿面耐電圧は向上する。どうしても内側沿面の方が外側よりも短くなる構成の場合、本構成によるバリヤ設置が効果的である。
この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における構成において、前記固体絶縁物50の形状が概略円筒である場合に、前記固体絶縁物50の外表面に前記絶縁バリヤ53が設けられているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保する固体絶縁物での先行放電を固体絶縁物の外表面に設けた絶縁バリヤで阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
また、この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における構成において、前記固体絶縁物50の形状が概略円筒である場合に、前記固体絶縁物50の内外両表面に前記絶縁バリヤ53が設けられているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保する固体絶縁物での先行放電を固体絶縁物の内外両表面に設けた絶縁バリヤで阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
さらに、この発明による実施の形態2によれば、実施の形態1における構成において、前記固体絶縁物50の形状が概略円筒である場合に、前記固体絶縁物50の内表面に前記絶縁バリヤ53が設けられているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保する固体絶縁物での先行放電を固体絶縁物の内表面に設けた絶縁バリヤで阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図1および図2ならびに図9について説明する。図1は実施の形態3における密閉型開閉装置の全体構成を示す縦断面図である。図2は図1のII−II線における断面図である。図9は実施の形態3における固体絶縁物形状の例を形態別に示す説明図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1または実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態3においても実施の形態1と同様、図1および図2に示す構造の密閉型開閉装置が対象となる。実施の形態1中で記載した内部構造のバリエーション(スリーポジション断路器2の有無や、母線側断路器の密閉容器10内の配置の有無等)についても同様である。この実施の形態3では、図5中の相間絶縁ロッド50a、および図示していないが図4中の絶縁ロッド20の相間絶縁物が対象となる。以下、その構造について説明する。
図9中のいずれの構造でも、絶縁バリヤが設置されており、先行放電進展の阻止により耐電圧が上昇するという効果がある。また、バリヤの最先端部の位置やバリヤの根本の位置はどちらの電極からも等距離にある。相間絶縁物はどちらの電極が高電圧側になるか不確定であるが、このようなバリヤ構造にすることで、どちらの電極からの電圧印加にも等しい耐電圧性能が得られるという効果がある。以上が図9全体に共通する構造とその効果である。
次に、図中の区分ごとの構造と効果を説明する。まず表中の縦の列に沿うと、最左列(以下、列uとい)は埋め金有りの構造で、バリヤ効果に加えて、トリプルジャンクション電界を低減する効果により耐電圧を向上させている。さらに真ん中の列(列v)では、両側電極に電界緩和シールドを設けており、トリプルジャンクション電界の低減効果がより大きくなる。最右列(列w)は埋め金のないシンプルな構造のため耐電圧面では、列u、列vに比べて劣るが、その分製作しやすくコスト低減が可能であるという効果がある。
次に、横の列に沿って構造特徴と効果を説明する。最上段(列x)は絶縁バリヤ表面と絶縁ロッド軸線のなす角度θが、θ≧90°の構造、中段(列y)はθ<90°の構造である。列xは平板バリヤ構造、列yはくぼみ付きバリヤの構造になる。そして最下段(列z)はくぼみ付きのバリヤの上に平板バリヤを配置した構成である。
列yのようなくぼみの付いたバリヤ形状にすると、高圧電極側のトリプルジャンクションで発生した先行放電は、一度反対電極側または径方向に向かって進展する。しかし、それ以上放電が進展するには放電路は電位傾度に逆らう形でバリヤ先端まで大きく迂回しなければならない。
また、低圧電極側に放電が進展した時点で、高圧電極と同極性の電荷がバリヤの根本付近の空間に蓄積され、高圧電極周辺の電界を緩和する。このために放電進展に必要な電界が得にくくなり、一層全路放電への進展が困難になる。以上から、両極間の耐電圧が向上するという効果がある。列zの形状なら、くぼみ付きバリヤの他にもう一枚バリヤが装着されているため、さらに耐電圧向上効果が期待できる。列xは列yに比べると耐電圧上昇効果は小さいが、形状が単純な分だけ製作は容易になりコスト低減効果が大きくなる。
この発明による実施の形態3によれば、ガスを充填した密閉容器に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置において、前記開閉装置機能部における電圧印加部分を支持固定しつつ相間の絶縁を図る固体絶縁物50の表面に先行放電を阻止する所定の表面形状を持つための前記固体絶縁物50と同じ材質の絶縁バリヤ53が設けられているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の相間絶縁を電圧印加部分を支持固定しつつ確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
また、この発明による実施の形態3によれば、ガスを充填した密閉容器に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉形開閉装置において、前記開閉装置機能部の開閉操作のための操作力を伝達しつつ相間の絶縁を図る固体絶縁物50の表面に先行放電を阻止するための前記固体絶縁物50と同じ材質の絶縁バリヤ53が設けられているので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の相間絶縁を開閉操作のための操作力を伝達しつつ確保する固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図1および図2ならびに図10について説明する。図1は実施の形態4における密閉型開閉装置の全体構成を示す縦断面図である。図2は図1のII−II線における断面図である。図10は実施の形態4における固体絶縁物形状の例を示す縦断面図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態3までのいずれかにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
実施の形態4においても、実施の形態1と同様、図1および図2に示す構造の密閉型開閉装置が対象となる。実施の形態1中で記載した内部構造のバリエーション(スリーポジション断路器2の有無や、母線側断路器の密閉容器10内の配置の有無等)についても同様である。実施の形態4では、図1中のブッシング8およびケーブル耐圧点検端子3のブッシングが対象となる。ブッシングは電路または高圧電極と密閉容器10(接地電位)との間の絶縁に必要な部材である。以下、その構造について説明する。
図1のようにブッシングに何もバリヤを施さない構造も採り得るが、図10(a)および図10(b)のブッシング縦断面構造図のように、一重または二重の絶縁バリヤ53を入力側と出力側の両方に設けてもよい。
固体絶縁物50に設けられたバリヤ53の配置により、高圧電極側のトリプルジャンクションTで発生した先行放電は、一度接地電極側に向かって進展する。しかし、それ以上放電が進展するには放電路は電位傾度に逆らう形でバリヤ先端まで大きく迂回しなければならない。また、接地電極側に放電が進展した時点で、高圧電極と同極性の電荷がバリヤ53の根本付近の空間に蓄積され、高圧電極周辺の電界を緩和する。このために放電進展に必要な電界が得にくくなり、一層全路放電への進展が困難になる。以上から、高圧電極部と密閉容器10の間の耐電圧が向上するという効果がある。
この発明による実施の形態4によれば、実施の形態1から実施の形態3までのいずれかにおける構成において、前記密閉容器10に装着されたブッシング8の固体絶縁物に先行放電を阻止する所定の表面形状を持つ絶縁バリヤ53が備わっていることを特徴とするので、ガスを充填した密閉容器に収納された遮断部および断路部を含む開閉装置機能部における電圧印加部分の絶縁を確保するブッシングにおいて固体絶縁物での先行放電を阻止し絶縁性能を的確に向上できる密閉型開閉装置を得ることができる。
この発明による実施の形態1における密閉型開閉装置の全体構成を示す縦断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 この発明による実施の形態1における固体絶縁物形状の一例を示す縦断面図である。 この発明による実施の形態1における固体絶縁物形状の他の例を示す縦断面図である。 この発明による実施の形態1における固体絶縁物形状の例を形態別に示す説明図である。 この発明による実施の形態1における大地間固体絶縁物の両側電極の変形例を示す縦断面図である。 この発明による実施の形態2における固体絶縁物形状の例を形態別に示す説明図である。 この発明による実施の形態2における固体絶縁物形状の他の例を形態別に示す説明図である。 この発明による実施の形態3における固体絶縁物形状の例を形態別に示す説明図である。 この発明による実施の形態4における固体絶縁物形状の例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ケーブルヘッド、2 スリーポジション断路器、3 ケーブル耐圧点検端子、4 避雷器、5 接地開閉器、5a 可動子5a、5b 固定子(接地極側)、6 断路器、6a 可動子6a、6b 固定子、7 真空バルブ、10 密閉容器、20 絶縁ロッド、50,50a,50b 固体絶縁物、51,52 埋め金、53 絶縁バリヤ。

Claims (2)

  1. ガスを充填した密閉容器に遮断部および断路部を含む開閉装置機能部が収納された密閉開閉装置において、前記開閉装置機能部の開閉操作のための操作力を伝達しつつ対地間との絶縁を図る固体絶縁物に先行放電を阻止する表面形状を持つ前記固体絶縁物と同じ材質の絶縁バリヤが接地電位部分よりも電圧印加部分に近い位置に設けられているものであって、前記絶縁バリヤの電圧印加部分側表面部分の延在方向が前記固体絶縁物の絶縁物本体の外径方向へ接地電位部分と逆方向に延びるものであることを特徴とする密閉開閉装置。
  2. 前記固体絶縁物の形状が概略円筒である場合に、前記固体絶縁物の外表面に前記絶縁バリヤが設けられていることを特徴とする請求項に記載の密閉開閉装置。
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