JP4565732B2 - 可動羽根式の水力機械装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、操作液を利用した機構を用いて羽根車の可動羽根を回動操作してその開度調整を行うと共に羽根車に結合された回転軸を持つ可動羽根式水車装置などの可動羽根式の水力機械装置に係わり、操作液が通流する全ての構成体を回転部に装着するようにした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
カプラン水車,デリア水車などのように可動羽根を持つ羽根車を備えた可動羽根式の水力機械装置では、可動羽根の回動操作を操作液を利用した液圧式操作装置を用いて行うことが一般である。この液圧式操作装置にポンプ装置で得られた加圧液体を直接与えるようにした操作液供給装置が、水車装置を主たる対象として同じ出願人より出願された特開平8−189452号公報により公知になっている。以下に、この特開平8−189452号公報により公知となっている操作液供給装置を備えた従来例の可動羽根式の水力機械装置を、水車装置の場合に代表させて図3〜図5を用いて説明する。
【0003】
ここで図3はポンプ装置で得られた加圧液体を液圧式操作装置に直接与えるようにした操作液の通流経路を持つ操作液供給装置を備えた従来例の可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図であり、図4は図3におけるR部の要部の断面図であり、図5は図3におけるS部の要部の断面図である。図3では操作液供給装置の操作液の通流経路を点線で、信号系統を一点鎖線で示している。図3〜図5において、9は、水車ランナ(この事例の場合の羽根車)8、水車軸(この事例の場合の回転軸の一つ)83、操作ロッド84、油圧(この事例の場合の液圧)式操作装置6A、発電機7、操作油(この事例の場合の操作液)導入装置72、操作油供給装置5を備えた従来例のカプラン型の可動羽根式の水車装置である。水車ランナ8は複数のランナベーン(可動羽根)81、ランナベーン81を回動自在に保持するランナボス(可動羽根保持部)82、操作ロッド84の動作を基にランナベーン81を回動させる図示しないリンク機構などを有している。
【0004】
水車軸83は水車ランナ8に結合されて水車ランナ8と一体に回転する。この水車軸83は中空軸であり図示しない軸受により回転自在に支持され、その中空部には操作ロッド84を収納し、発電機7の発電機軸71が結合されるその基部(反水車ランナ側の端部)部分は、この事例の場合には油圧式操作装置6Aのシリンダーを兼ねている。操作ロッド84は油圧式操作装置6Aのピストン61と結合(図5参照)され、ピストン61と一体に移動動作を行う。発電機7はこの事例の場合の水車ランナ8の負荷装置であり、その発電機軸(この事例の場合の回転軸の一つ)71は中空軸である。発電機軸71の中空部には操作油(この事例の場合の操作液)99用の二重給油管(内側給油管73と外側給油管74)(この事例の場合の回転軸に装着される操作液用配管)が収納されている。
【0005】
操作油供給装置5は、例えば斜板式ピストンポンプやギヤーポンプなどの定容量の容積型で回転駆動式のポンプ装置51と、ポンプ装置51を回転駆動する可逆回転型の可変速電動機52と、調速機53が出力する指令信号を入力して可変速電動機52用の駆動信号を出力する制御アンプ54とを有している。ポンプ装置51で得られた加圧液体である操作油99は配管55によって操作油導入装置72に送られる。操作油導入装置72は、固定部に設置された操作油供給装置5で得られた操作油99を、回転部に設置された油圧式操作装置6Aに供給するために設けられている。この操作油導入装置72は、二重給油管を構成する内側給油管73および外側給油管74と、内側給油管73を支持する軸受75,76と、外側給油管74を支持する軸受77と、ケーシング78とを備えている(図4参照)。
【0006】
軸受75〜77は二重給油管を回転自在に支持することは勿論であるが、長い二重給油管に熱膨張が発生するなどのことから、二重給油管をしゅう動に対しても支持している。ケーシング78はそれぞれの軸受75〜77を支持すると共にケーシング78の内部空間を仕切る3個の隔壁体783と、隔壁体783で両側を仕切られたそれぞれの空間に操作油99を導入するための導入部781,導入部782とを有しており、発電機7の外被79の端部に装着されている。この事例の場合、ランナベーン81を開く方向に回動させる場合には導入部781から操作油99を導入し、ランナベーン81を閉じる方向に回動させる場合には導入部782から操作油99を導入する。導入部781から導入された操作油99は、外側給油管74の端部開口から外側給油管74と内側給油管73との間に流入して油圧式操作装置6Aに向かう。
【0007】
また、導入部782から導入された操作油99は、内側給油管73の管壁に形成された開口731から内側給油管73の内側に流入して油圧式操作装置6Aに向かう。なお、それぞれの軸受75〜77の内側給油管73,外側給油管74を支持する部位には操作油99が潤滑油として供給されている。また、内側給油管73および外側給油管74は、発電機軸71の中空部に配設されるのが合理的であることと、操作油導入装置72と油圧式操作装置6Aとが発電機7の図示しない回転子との干渉を避けて設置される必要があることなどから、どうしても細長い形状にならざるを得ない。このために、内側給油管73と外側給油管74とを長さ方向の中間部で支持するための図示しないガイド体が要所に配設されている。
【0008】
油圧式操作装置6Aはランナベーン81を油圧を用いて回動操作して開度を調整するために備えられている。この油圧式操作装置6Aはピストン61と、内側給油管取付体62と、内側給油管固定体63と、外側給油管固定体64と、操作ロッド84をしゅう動自在に支持するガイド体65とを備え、ピストン61と組み合わされるシリンダーは水車軸83が兼ねている(図5参照)。ピストン61は内側給油管73から流入された操作油99を反給油管側に導くための貫通孔611を有し、また操作ロッド84を一体に結合させている。内側給油管73の端部は、ピストン61に取付けられた内側給油管取付体62に内側給油管固定体63によって固定され、したがって内側給油管73は、ピストン61や操作ロッド84と一体になって移動動作を行う。外側給油管74の端部は、外側給油管固定体64によって発電機軸71の水車ランナ側の端部に固定される。
【0009】
従来例の可動羽根式の水車装置9は前記のように構成されているので、可変速電動機52は調速機53が出力する指令信号に対応する制御アンプ54の駆動信号に従って回転速度と回転方向とを変え、ポンプ装置51で得られる操作油99の供給量と供給方向とを変える。この操作油99は、ポンプ装置51→配管55→操作油導入装置72→内側給油管73および側給油管74→油圧式操作装置6Aの通流経路を経て油圧式操作装置6Aに至る。そうして、油圧式操作装置6Aのピストン61を加圧し、調速機53の指令信号に対応させてピストン61を図3にP矢で示すように、図3の紙面における下方向(ランナベーン81を開く方向)または上方向(ランナベーン81を閉じる方向)に移動させる。
【0010】
操作ロッド84はピストン61と一体に動作してリンク機構を介してランナベーン81の開度を調速機53の指令信号に従う指示開度に向けて調整する。ランナベーン81の開度は図示しない開度発信器により調速機53にフィードバックされ、ランナベーン81の開度が調速機53の指令信号による指示開度に達するまで可変速電動機52の動作は継続される。ランナベーン81の開度が指示開度に達すると、可変速電動機52の回転動作が停止され、油圧式操作装置6Aへの操作油99の供給が停止されてランナベーン81の開度はその状態で維持される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術による可動羽根式の水車装置9は、操作油99の供給源に圧油タンク,集油タンクなどを不要とした操作油供給装置5を用いるようにしたことで、操作油供給装置5の大幅な小形化が可能になり、水車装置9を収容する建屋を含めた水車装置全体の小形化を達成することができている。しかしながら、近年になり次記するようなことが問題点としてクローズアップされるようになり、その解決が望まれている。すなわち、
▲1▼操作油導入装置72は、その設置目的や発電機7の回転子との干渉を避けるために水車装置の回転軸部の端部に設置せざるを得ないなどの制約から、操作油99の漏油対策、細長い二重給油管の芯振れ防止対策と熱膨張対策、二重給油管を含む回転部分を支持する軸受の潤滑対策などの諸対策が総合的に必要になる。
これ等のために操作油導入装置72の構造が前述のように複雑になり、外形が大きくなると共に、その製造原価が高価になっている。そうしてこのことが、水車装置全体の製造原価の低減努力を阻害する要因の一つになっている。また、このように複雑な構造の操作油導入装置72では、二重給油管を回転自在およびしゅう動自在に支持する軸受75〜77に、操作油99の漏油が発生することはどうしても避けられない。このために、操作油99の最高油圧値が止むを得ず5MPa程度と比較的に低い油圧値に制約されている。
【0012】
▲2▼前記▲1▼項で述べたように操作油99の最高油圧値が5MPa程度であるので、ランナベーン81の開度調整に必要な操作力を得るための操作油導入装置のピストンは大口径のものが必要になる。そうして、この大口径のピストンを持つ油圧式操作装置を水車装置の回転軸部に設置するためには、その外形寸法を押え込む必要がある。このような必要性に対処したものが前記油圧式操作装置6Aであり、水車軸83にシリンダーを兼ねさせて外形寸法を押え込んでいる。しかしながら、水車軸83は使用材料が鋳鋼材であると共に、極めて大形の構造体である。このためにピストンしゅう動部の精密な加工が困難であり、この部位からのある程度の漏油を覚悟しなければならなかった。この結果、操作油導入装置72による5MPa程度の操作油99の最高油圧値では漏油量を実用上支障が無い範囲に止めることができているが、操作油99の最高油圧値をこれ以上に高めることが実質上できず、小形な油圧式操作装置を得る上での大きな制約条件になっていた。
【0013】
この発明は、前述の従来技術の問題点に鑑みなされ、その目的は、可動羽根の開度調整用の液圧機構部の小形化や操作液圧値の高圧化が可能な可動羽根式の水力機械装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明では前述の目的は、
1)可動羽根が液圧式操作装置により回動操作される可動羽根式の水力機械装置において、
前記可動羽根と,この可動羽根を回動自在に保持する可動羽根保持部と,可動羽根に回動動作を行わせるリンク機構を有する羽根車と、この羽根車に一体に結合されると共に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の一部を利用して形成され前記リンク機構を介して可動羽根の回動操作を操作液を用いて行う前記液圧式操作装置と、前記回転軸に装着され操作液を供給するポンプ装置と、前記回転軸に装着され前記ポンプ装置から前記液圧式操作装置への操作液の供給に用いられる操作液用配管とを備え、操作液が通流する部位の全てを回転軸に装着するようにしたこと、または、
2)可動羽根が液圧式操作装置により回動操作される可動羽根式の水力機械装置において、
前記可動羽根と,この可動羽根を回動自在に保持する可動羽根保持部と,可動羽根に回動動作を行わせるリンク機構を有する羽根車と、この羽根車に一体に結合されると共に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の内部または前記可動羽根保持部の内部に装着されて前記リンク機構を介してランナベーンの回動操作を操作液を用いて行う前記液圧式操作装置と、前記回転軸に装着され操作液を供給するポンプ装置と、前記回転軸に装着され前記ポンプ装置から前記液圧式操作装置への操作液の供給に用いられる操作液用配管とを備え、操作液が通流する部位の全てを回転軸に装着するようにしたこと、さらにまたは、
3)前記2項に記載の手段において、前記液圧式操作装置と前記ポンプ装置とが隣接して組み合わされて前記回転軸に装着されることにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお以下の説明においては、図3〜図5に示した従来例の可動羽根式の水車装置と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図3〜図5で付した符号については、極力代表的な符号のみを記すようにしている。
図1は、この発明の実施の形態の一例による可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図である。図1では操作油供給装置の信号系統を一点鎖線で示しており、このことは以降の図面においても同様である。図1において、1は、図3〜図5に示した従来例による可動羽根式の水車装置9に対して、発電機7に代えて発電機3を用いると共に、操作油導入装置72を用いないようにした可動羽根式の水車装置である。
【0016】
発電機3を従来例の発電機7と対比すると、従来例の発電機軸71では操作油導入装置72が設置されていた部位に、この発明による発電機軸31ではポンプ装置51を設置していることが特長である。そうしてポンプ装置51は、可変速電動機52で駆動される駆動軸がその回転中心軸を発電機軸31の回転中心軸とほぼ合致させて発電機軸31の内部に設置される。また水車装置1では、ポンプ装置51から供給された操作油99は、ポンプ装置51から直ぐに給油管(給油管73と給油管74)に流入されて油圧式操作装置6Aに送られるように操作油通流経路が構成されている。ところで水車装置1では、ポンプ装置51が回転部である発電機軸31に設置されているのに対して可変速電動機52は固定部に設置されているので、ポンプ装置51の回転速度を従来例の場合と比較すると、水車ランナ8の回転速度分だけ異ならせている。
【0017】
すなわち、従来例の場合のポンプ装置51の回転速度をN,水車ランナ8の回転速度をnと置いた時、この発明の場合のポンプ装置51に必要な回転速度ΔNは、ΔN=N±nの関係になる。水車ランナ8の回転速度nの影響が−として表されるか,または+として表されるかは、ポンプ装置51の回転方向と水車ランナ8の回転方向とが一致しているか否かによる。従来例の場合にポンプ装置51が回転速度Nで所要の操作油99の供給量を得ていたとすれば、この発明の場合にはポンプ装置51の回転速度ΔNを従来例の回転速度Nと同一値にすることで、従来例の場合と同一の操作油99の供給量を得ることができる。
【0018】
また、この発明の場合にポンプ装置51からの操作油99の供給を停止するには、ポンプ装置51を水車ランナ8と同一方向に同一回転速度で運転すればよい。そうして、このようなポンプ装置51の回転速度ΔNは、ポンプ装置51の駆動源に制御アンプ54によって回転速度が制御されている可逆回転型の可変速電動機52が用いられていることで、例えば、制御アンプ54に調速機53が出力する指令信号に加えて水車ランナ8の図示しない回転速度信号を入力すると共に、制御アンプ54の回転速度に関する制御条件を従来例の場合の回転速度Nから回転速度ΔNに変更することで容易に得ることができる。
【0019】
図1に示すこの発明の実施の形態の一例による可動羽根式の水車装置1では前述の構成としたので、構造が複雑なために大形でしかも製造原価が高価になっていた操作油導入装置72が不要になる。このことで、ランナベーン81の開度調整に必要な油圧機構部が小形化されると共に、水車装置1の製造原価を従来例の場合よりも低減できる。また水車装置1では操作油導入装置72が不要になることで、従来例の水車装置9で課題になっていた操作油導入装置72での操作油99の漏油の問題も解消できる。
【0020】
次に、図2を用いてこの発明の実施の形態の異なる例による可動羽根式の水車装置を説明する。ここで図2は、この発明の実施の形態の異なる例による可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図である。図2において、2は、図1に示したこの発明による可動羽根式の水車装置1に対し、発電機3,水車軸83および油圧式操作装置6Aに代え,それぞれ発電機3A,水車軸4および油圧式操作装置6を用いるようにした可動羽根式の水車装置である。
【0021】
油圧式操作装置6を水車装置1の油圧式操作装置6Aと対比すると、油圧式操作装置6Aは水車軸の一部がシリンダーを兼ねる構造を持つのに対し、油圧式操作装置6には単体品として形成された油圧シリンダが採用されている。また、油圧式操作装置6は、この事例の場合には、発電機軸32の内側にポンプ装置51と共に装着され、しかもポンプ装置51と油圧式操作装置6とは水車軸32の軸長方向に隣接させて一体に結合されている。また、水車装置2でも操作油導入装置72を用いないことから従来例の水車装置9で課題になっていた操作油導入装置72での操作油99の漏油問題は無い。
【0022】
また、油圧式操作装置6ではその構成に水車軸を用いないので、油圧式操作装置6Aがシリンダーに水車軸の一部を用いることで持っていた操作油99の漏油問題が解消される。したがって水車装置2では、操作油99の最高油圧値を漏油問題の制約から解放できるので、水車装置2にとって望ましい最高油圧値に設定できる。この好ましい利点を生かして、水車装置2では、操作油99の最高油圧値を、汎用品の油圧シリンダーですでに実績のある20MPa程度に設定している。すなわち、水車装置2では、油圧式操作装置6に汎用品の油圧シリンダーを採用している。これにより、油圧式操作装置6の図示しないピストンの口径を油圧式操作装置6Aのピストン61の口径を小さくすることができ、油圧式操作装置6の発電機軸32の内側への装着が容易化している。
【0023】
なお、油圧式操作装置6の図示しないピストンは操作ロッド84と結合され、操作ロッド84は油圧式操作装置6のピストンと一体に移動動作を行う。発電機3Aを水車装置1の発電機3と対比すると、発電機軸31に代えて、ポンプ装置51と共に油圧式操作装置6を中空部に設置するようにした発電機軸32を用いることが相異点である。水車軸4を水車装置1の水車軸83と対比すると、中空軸であることは同一であるが、水車軸83とは異なって油圧式操作装置のシリンダ部の兼用はせず、また中空部への油圧式操作装置の設置もないことで、中空部は操作ロッド84の収納のみを考慮することでよい。なおまた、水車装置2の場合のポンプ装置51の運転方法は水車装置1の場合と全く同一であるので、重複を避けてその説明を省略する。
【0024】
図2に示すこの発明の実施の形態の異なる例による可動羽根式の水車装置2では前述の構成としたので、水車装置1で得られた効果に加えて、操作油導入装置72を不使用にすると共に、水車軸の一部がシリンダーを兼ねた構造を持つ油圧式操作装置6Aを不使用にすることで、操作油99の漏油問題を解消することができ、操作油圧値の最高値を従来例の5MPa程度から例えば20MPa程度に高めることができる。これにより、油圧式操作装置6が小形化されるなど、ランナベーン81の開度調整に必要な油圧機構部がさらに小形化されると共に、水車装置2の製造原価を水車装置1の場合よりもさらに低減できる。
【0025】
図2を用いての前述の説明では、操作油99の最高油圧値は20MPa程度であるとしてきたが、これに限定されることはなく、操作油導入装置72や水車軸がシリンダーを兼ねた構造を持つ油圧式操作装置6Aを用いないことで、操作油99の最高油圧値は水車装置にとって好ましい適宜の値に設定することができる。また前述の説明では、水車装置2では油圧式操作装置6を発電機軸に設置すると共に給油管を使用しないとしてきたが、これに限定されることはなく、例えば、油圧式操作装置6を水車軸に設置し、ポンプ装置51と油圧式操作装置6との間の操作油99の通流経路に給油管を用いてもよい。この構成としても、水車軸が油圧式操作装置のシリンダーを兼ねないことで水車軸83の場合よりも加工が容易となって製造原価が低減されるし、操作油99の漏油問題も解消できることは水車装置2の場合と同様である。
【0026】
また前述の説明では、ポンプ装置51と油圧式操作装置6との間の操作油通流経路に操作油用配管が用いられる水車装置の場合には、油圧式操作装置6は回転軸(発電機軸または水車軸)に設置されるとしてきたが、これに限定されることはなく、例えば、油圧式操作装置内蔵式の水車ランナーが用いられる水車装置の場合には、油圧式操作装置6を水車ランナーに内蔵できることは勿論のことである。さらにまた前述の説明では、水車装置2では可変速電動機52は固定部に設置されるとしてきたが、これに限定されることはなく、可変速電動機52を回転部に設置しても何ら差し支えはない。
【0027】
図1,図2を用いての前述の説明では、操作用の液は油であるとしてきたが、これに限定されることはなく、水車装置に使用可能であるならば適宜の液体の採用が可能である。また前述の説明では、可動羽根式の水力機械装置はカプラン水車であるとしてきたが、これに限定されることはなく、この発明はデリア水車などの可動羽根式の水車装置や、さらには、可動羽根式のポンプ装置などを含む可動羽根式の水力機械装置に適用して好適である。
【0028】
【発明の効果】
この発明による可動羽根式の水力機械装置では、前記課題を解決するための手段の項で述べた構成とすることで、次記する効果を得られる。
▲1▼前記課題を解決するための手段の項の第(1)項による構成とすることで、操作液を回転部に導入するための複雑な構造を持つ操作液導入装置が不要になる。これにより、可動羽根の開度調整に必要な液圧機構部の小形化が可能になると共に、水力機械装置の製造原価を低減することが可能になる。また、
▲2▼前記課題を解決するための手段の項の第(2)項による構成とすることで、共に操作液の漏液問題の解消が困難であった操作液導入装置および液圧式操作装置(羽根車と結合される回転軸の一部がシリンダーを兼ねた構造を持つもの)を不使用にできる。これにより、前記▲1▼項による効果をそのまま保持しながら、操作液の最高圧力値を高圧化できて、可動羽根の開度調整に必要な液圧機構部のさらなる小形化が可能になると共に、羽根車と結合される回転軸の加工が容易になることもあって水力機械装置の製造原価をさらに低減することが可能になる。さらにまた、
▲3▼前記課題を解決するための手段の項の第(3)項による構成とすることで、操作液をポンプ装置から液圧式操作装置に送る二重給油管の使用が不要になると共に、羽根車と結合される回転軸への液圧式操作装置の設置が不要になる。これにより液圧式操作装置非内蔵式の羽根車が用いられる水力機械装置の場合、羽根車と結合される回転軸の加工がさらに容易になることもあって、前記▲1▼項,▲2▼項による効果をそのまま保持しながら、水力機械装置の製造原価のさらなる低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例による可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図
【図2】この発明の実施の形態の異なる例による可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図
【図3】従来例の可動羽根式の水車装置を模式的に示すその構成図
【図4】図3におけるR部の要部の断面図
【図5】図3におけるS部の要部の断面図
【符号の説明】
1 水車装置(水力機械装置)
3 発電機
31 発電機軸
51 ポンプ装置
52 可変速電動機
6A 油圧式操作装置
73 内側給油管
74 外側給油管
99 操作油(操作液)

Claims (3)

  1. 可動羽根が液圧式操作装置により回動操作される可動羽根式の水力機械装置において、
    前記可動羽根と,この可動羽根を回動自在に保持する可動羽根保持部と,可動羽根に回動動作を行わせるリンク機構を有する羽根車と、この羽根車に一体に結合されると共に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の一部を利用して形成され前記リンク機構を介して可動羽根の回動操作を操作液を用いて行う前記液圧式操作装置と、前記回転軸に装着され操作液を供給するポンプ装置と、前記回転軸に装着され前記ポンプ装置から前記液圧式操作装置への操作液の供給に用いられる操作液用配管とを備え、操作液が通流する部位の全てを回転軸に装着するようにしたことを特徴とする可動羽根式の水力機械装置。
  2. 可動羽根が液圧式操作装置により回動操作される可動羽根式の水力機械装置において、
    前記可動羽根と,この可動羽根を回動自在に保持する可動羽根保持部と,可動羽根に回動動作を行わせるリンク機構を有する羽根車と、この羽根車に一体に結合されると共に回転自在に支持される回転軸と、この回転軸の内部または前記可動羽根保持部の内部に装着されて前記リンク機構を介してランナベーンの回動操作を操作液を用いて行う前記液圧式操作装置と、前記回転軸に装着され操作液を供給するポンプ装置と、前記回転軸に装着され前記ポンプ装置から前記液圧式操作装置への操作液の供給に用いられる操作液用配管とを備え、操作液が通流する部位の全てを回転軸に装着するようにしたことを特徴とする可動羽根式の水力機械装置。
  3. 請求項2に記載の可動羽根式の水力機械装置において、前記液圧式操作装置と前記ポンプ装置とが隣接して組み合わされて前記回転軸に装着されることを特徴とする可動羽根式の水力機械装置。
JP2000339339A 2000-11-07 2000-11-07 可動羽根式の水力機械装置 Expired - Lifetime JP4565732B2 (ja)

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