図1は、本発明に係る交通情報システムの全体構成図である。図1に示すように、交通情報システムはセンタ装置1と複数の端末装置200より構成される。センタ装置1は、交通情報受信部10,プローブデータ受信部20,プローブデータ処理部30,地図データ蓄積部35,現況交通情報記憶部40,統計処理部50,日時情報記憶部55,統計交通情報記憶部60,突発事象検出部70,検出閾値情報生成部72,検出閾値情報記憶部75,突発事象情報記憶部80,突発事象情報送信部90の各処理部を含んで構成されている。センタ装置1は、図示しないCPUと記憶装置とを含んで構成されたコンピュータによって実現され、センタ装置1を構成する各処理部は、前記CPUがこの記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することによって実現される。なお、記憶装置は、RAM,不揮発性メモリ,ハードディスク装置などによって構成される。
端末装置200は、突発事象情報受信部210,突発事象情報記憶部220,事象融合処理部260,地図データ蓄積部235,表示部250の各処理部を含んで構成される。また事象融合処理部260は、突発事象同一判定部225,空間融合処理部230,時間融合処理部240を含んで構成される。端末装置200は、図示しないCPUと記憶装置と表示装置とを含んで構成されたコンピュータによって実現され、端末装置200を構成する各処理部は、CPUが前記記憶装置に記憶された所定のプログラムを実行することによって実現される。なお、記憶装置は、RAM,不揮発性メモリ,ハードディスク装置などによって構成され、表示装置は、ディスプレイ装置などによって構成される。
センタ装置1は、交通情報の受信に交通情報受信部10と、プローブデータ受信部20を用いる。これらの受信部は、受信する交通情報により使い分けられる。まず交通情報受信部10は、センタ装置1とは異なる交通情報センタにて生成した交通情報を受信する。ここでの交通情報とは、路上センサから収集したデータから道路リンク単位の旅行時間及び渋滞度に加工された情報や、事故や工事などの突発事象情報やそれに伴う規制情報を言う。前者の道路リンク単位の旅行時間及び渋滞度は、現況交通情報記憶部40へ格納し、後者の突発事象情報・規制情報は、突発事象情報記憶部80へ格納する。この時、交通情報受信部10で受信した突発事象情報・規制情報については、その検出信頼度も合わせて格納する。また、交通情報受信部10は、現況の交通情報をリアルタイムで受信するだけでなく、センタ装置1とは異なる外部のセンタ装置にて過去一定期間蓄積した交通情報をオフラインで収集し、リアルタイムで受信した交通情報と同様に現況交通情報記憶部40及び突発事象情報記憶部80へ格納する機能も有する。
プローブデータ受信部20は、プローブカーにより収集されたプローブデータを受信する。センタ装置1とプローブカーは、光ビーコン,有線LAN,無線LAN,携帯電話,DSRCなどの通信手段により接続されている。ここでの有線LANによる通信手段とは、プローブカーに備えられた蓄積装置(ハードディスク,メモリなど)に、プローブデータを蓄積し、その蓄積装置をプローブカーからはずして、自宅のコンピュータに接続し、その自宅のコンピュータからインターネットを通じて、交通情報センターと接続することを意味している。
プローブデータは、一定時間や一定走行距離の間隔で収集されるものとする。プローブデータの内容は、プローブカーの固有ID情報,プローブカーの走行した位置情報,プローブデータを収集した時刻情報を含んでいる。プローブカーの固有ID情報は、プローブカーの車番,プローブカーに搭載されている車載機のシリアルナンバーなど、プローブデータを収集した車両を特定するための情報である。位置情報は、プローブカーの車載機に搭載しているGPS装置が測位した緯度・経度情報、又は、プローブカーが走行した道路リンクのリンクIDで表される。道路リンクのリンクIDとは、車載機に搭載している地図情報において、道路の交差点や分岐点などで区切られた部分(道路リンク)毎に定義されている番号である。この番号により、道路リンクが特定できる。時刻情報は、位置情報を取得した時刻の情報である。
図2(a),(b)に、プローブデータ受信部20で受信するプローブデータの構成を示す。図2(a)に示すプローブデータの構成は、位置情報を緯度・経度情報で構成した例である。また図2(b)に示す例は、プローブデータの位置情報をリンクIDで構成した例である。
地図データ蓄積部35は、道路地図の電子データを蓄積している。図3(a)に、地図データ蓄積部35に蓄積されている道路地図のデータ構成を示す。道路地図は道路リンクデータの集まりとして管理されている。各道路リンクデータは、道路リンクを特定するリンクIDと、道路リンクの始端のノードID及びその緯度・緯度の情報,終端のノードID及びその緯度・経度の情報,道路リンクの長さ,対象の道路リンクに接続する他の道路リンク数、及び他の道路リンクが接続する接続ノードの接続ノードIDとその接続ノードに接続する道路リンクのリンクIDから成り立つ。図3(b)は、図3(c)に示す道路リンクを例に、リンクIDが001の道路リンクについてデータ構成を表している。図3(b)のデータは、リンクIDが001の道路リンクは、始端ノードの始端ノードIDが100、終端ノードの終端ノードIDが200であり、始端ノードにはリンクIDが002の道路リンクが、終端ノードにはリンクIDが003の道路リンクがそれぞれ接続されていることを表している。
プローブデータ処理部30は、地図データ蓄積部35に格納されている道路地図データを用いて、プローブデータ受信部20から取得したプローブデータを処理し、現況交通情報記憶部40へ格納する。プローブデータ受信部20で受信したプローブデータは、位置情報とその位置情報を取得した時刻情報から構成されている。この時、プローブデータの位置情報が緯度・経度情報である場合には、後述する処理によりこれをリンク列の走行経路へ変換する必要がある。始めに、プローブデータを収集した車両の運転開始から終了までの1トリップの点の位置情報を道路リンク上にマッチングし、次にマッチングした点を通過するように、経路探索を行う。最後に、この経路探索結果を、リンク列に分割する。プローブデータの位置情報が通過したリンクIDである場合には、経路探索により各リンクIDに対応した経路を順番に通過する経路を求めた上で、その経路をリンク列に分解する。そして、経路を分解した各リンク列に流入する流入時刻を求める。
プローブデータの位置情報が緯度・経度情報である場合に、プローブデータ処理部30において、プローブデータからリンク列データへ変換する処理フローを図4に示す。始めに、プローブデータ受信部20で受信したプローブデータ送信してきた全ての車両(プローブカー)についてマッチング処理・経路探索処理が終了したかを判定する(ステップS1)。
全ての車両についてマッチング処理・経路探索処理が終了していない場合(ステップS1でNo)、処理対象とする車両を選択し、プローブデータ受信部20から、リンク列データへの変換対象となるその車両のプローブデータを取得する(ステップS10)。次に、地図データ蓄積部35から、処理対象とする領域の道路地図データを取得する(ステップS20)。例えばこの領域は、対象とするプローブカーが走行した緯度・経度の最大値,最小値で定まる矩形領域を覆う地図メッシュに相当するものとする。以下、ステップS10からステップS60までの処理は、プローブデータ受信部20でプローブデータを受信した車両毎に行う。
次にステップS25では、1台の車両から受信した全プローブデータを1トリップ単位に分割する。この1トリップとは、出発地点から目的地点までの走行をいう。例えば、1日の中で、出社時に自宅から会社へ運転し、会社からの帰宅時に会社から自宅へ運転した場合は、2トリップ(自宅から会社,会社から自宅)となる。この分割処理は、車両のプローブデータを収集した時刻で、プローブデータを古いものから新しいものへ時系列順に並べ、各プローブデータの時刻を用いて行われる。時系列順に並べたプローブデータのサンプル数をn(n=1…N)とし、n番目のプローブデータの時刻をP_DATA(n)とするとき、その時刻差P_DIFFは、
P_DIFF(n)=P_DATA(n)−P_DATA(n−1) …(式1)
となる。このP_DIFF(n)をすべてのnについて求め、このP_DIFF(n)が閾値を超えた場合、P_DATA(n)とP_DATA(n−1)で、トリップが分割できる。この閾値は、プローブカーがセンタ装置1にプローブデータをアップリンクするタイミングの間隔より、大きい数値を持つ必要がある。
次に、対象車両のプローブデータの全てのトリップにおいて地図上にマッチング処理したかを判定する(ステップS30)。全てのプローブデータに対してマッチング処理が終了していない場合(ステップS30でNo)、未処理のトリップを1つ選択して、このトリップにおけるプローブデータを地図上にマッチングする(ステップS40)。プローブデータのマッチング処理では、プローブデータに直接対応する位置(緯度・経度)をプローブ点とし、このプローブ点から、周辺の道路リンクに垂線を下ろす。この垂線の長さが最短の道路リンクを、プローブ点にマッチングした道路リンクとして決定する。道路リンクにマッチングしたプローブデータは、マッチングした道路リンクのリンクIDと、垂線の足が道路リンクと交わる点(マッチング点)と、マッチングした道路リンクの終端ノードからマッチング点までの距離のデータから構成される。
全トリップについて全てのプローブデータをマッチング処理し終えた場合(ステップS30でYes)、各トリップの始点・終点に対応するマッチング点を出発地と目的地とし、残りのマッチング点の情報を時刻順に経由地点として、経路探索処理を行い、車両の走行経路を生成する(ステップS50)。全てのプローブデータを道路上にマッチングしても、プローブデータの収集間隔や各道路リンクのリンク長によっては、プローブデータがマッチングした道路リンクが全て連続しているとは限らない。そこでこの経路探索処理により、マッチング点を経由地点として対応する通過時刻の順番にこれら経由地点を通過する走行経路を求めることで、プローブデータを収集した車両が走行した道路リンク(走行リンク)のリンクIDを得ることができる。この経路探索処理により得られる走行リンクの中には、マッチング点に対応しない道路リンクも含まれる。経路探索の際に考慮される道路リンクの接続関係には、地図データ蓄積部35に格納されている接続道路リンクID情報を用いる。
次に、走行した道路リンクと、プローブデータの時刻情報から、プローブデータに対応するマッチング点と次のプローブデータのマッチング点の間を走行した時の平均速度を求め、リンク毎の流入・流出時刻を求める(ステップS60)。2つのマッチング点間の距離は、走行経路上でこの2つのマッチング点に対応した道路リンクに挟まれる各道路リンクの長さと、マッチングの際に求めたマッチングした道路リンクの終端からマッチング点までの距離により求まる。また、2つのマッチング点間を走行するのに要した時間は、個々のマッチング点に対応するプローブデータの時刻情報の差とする。ここでは、マッチング点間の速度を一定と仮定し、2つのマッチング点間に存在する道路リンクについて接続ノード(リンクの始端ノード,終端ノード)を通過する時刻を求める。これにより、プローブカーが走行した道路リンクのリンクIDとその道路リンクの始端・終端ノードを通過する時刻を求めることができる。ここでの始端ノードを通過する時刻を流入時刻、終端ノードを通過する時刻を流出時刻とする。
全ての車両についてマッチング処理・経路探索処理が終了した場合(ステップS1でYes)、生成した車両毎のリンク旅行時間データをリンク単位の旅行時間として収集する(ステップS70)。この処理では、リンク毎に車両のリンク旅行時間データを抽出し、抽出した複数のリンク旅行時間の平均値を求める。つまり、道路リンクとその道路リンクのリンク旅行時間が1対1に対応する。最後に、収集したリンク単位の旅行時間を、現況交通情報記憶部40へ格納する(ステップS80)。
現況交通情報記憶部40は、交通情報受信部10で受信した道路リンク単位の旅行時間、及びプローブデータ処理部30にて生成されたリンク単位の旅行時間を現況交通情報として格納する。なお、交通情報受信部10で受信したが渋滞度である場合は、対応する道路リンクのリンク長と渋滞度に対応した平均速度から旅行時間を求めるものとする。
図5に、現況交通情報記憶部40に格納された交通情報の構成を示す。格納する交通情報は、リンクID,交通情報の種類,リンク旅行時間及びそのリンク旅行時間を収集した収集時刻である。交通情報の種類とは、元の情報源を区別する指標であり、例えば、リンク旅行時間が、路上センサから収集され、交通情報受信部10で受信したデータの場合は「1」を、プローブカーが収集し、プローブデータ受信部20で受信したプローブデータから、プローブデータ処理部30にて生成されたデータの場合は「2」を格納する。
日時情報記憶部55は、年月日を表すカレンダーと日種が関連づけられ保存されている。このカレンダーと日種を関連付けた情報は、センタ装置1の管理者が予め生成しておく。日種とは、統計処理部50で統計交通情報を生成する際に用いる、交通現象に影響を与える平日,休日などの要因の分類である。図6は、日時情報記憶部55の構成を示している。以下では、日種を平日,休日の2種類として議論する。
統計交通情報記憶部60には、日種毎,道路リンク毎に統計化された交通情報が保存される。図7に、統計交通情報記憶部60に保存される統計交通情報のデータ構成を示す。統計交通情報記憶部60には、リンクID,日種毎に、交通情報の種類,収集時刻とその収集時刻毎に統計化されたリンク旅行時間とリンク旅行時間の標準偏差、そして統計交通情報の生成に用いた交通情報のサンプル数を格納している。例えば、リンクID「001」の平日で時刻10:00の統計交通情報を生成する際に、2007年10月3日の10:00のリンク旅行時間と、2007年10月4日の10:00のリンク旅行時間を使用した場合、サンプル数は「2」となる。
統計処理部50は、現況交通情報記憶部40から取得した現況交通情報について、現況交通情報の収集時刻と日時情報記憶部55を用いて道路リンク単位に日種で分類した上で統計処理して統計交通情報を生成し、統計交通情報記憶部60へ格納する。なお、統計処理部50における統計処理は、オフライン処理により行われる。
図8は、この統計処理部50における、現況交通情報から統計交通情報を生成する処理フローを示している。始めに、現況交通情報記憶部40に格納されている全ての道路リンクについて処理したかどうかを判定する(ステップS101)。全ての道路リンクについて処理した場合(ステップS101のYes)、処理を終了する。全ての道路リンクについて処理していない場合(ステップS101のNo)、対象とする道路リンクの収集時刻に該当する日種を、日時情報記憶部55から抽出する(ステップS102)。このとき処理対象であるリンクIDを「X」、収集時刻を「t」、日種を「n」とし、リンク旅行時間をTIME(n,t,X)とする。次に、統計交通情報記憶部60から、リンクID,日種,収集時刻が同一である統計交通情報を抽出する(ステップS103)。次に、統計交通情報と現況交通情報を用いて、統計交通情報を更新する(ステップS104)。この時、統計処理した旅行時間をTOKEI(n,t,X)、標準偏差をSTD(n,t,X)、サンプル数をSAMPLE(n,t,X)とすると、統計交通情報の旅行時間は以下の式2に示すようなサンプル数を使ったリンク旅行時間の重み付き平均になる。さらに、同様に標準偏差STD(n,t,X)は式3により更新し、式4のようにサンプル数SAMPLE(n,t,X)に1を加えて、統計交通情報を更新する。
TOKEI(n,t,X)=(TOKEI(n,t,X)×SAMPLE(n,t,X)
+TIME(n,t,X))/(SAMPLE(n,t,X)+1) …(式2)
STD(n,t,X)=sqrt((TMP(n,t,X)−TOKEI(n,t,X)2)) …(式3)
ただし、TMP(n,t,X)==(TMP(n,t,X)×SAMPLE(n,t,X)+TIME(n,t,X)2)/(SAMPLE(n,t,X)+1)
SAMPLE(n,t,X)=SAMPLE(n,t,X)+1 …(式4)
次に(式2)(式3)(式4)で更新された統計交通情報を統計交通情報記憶部60へ格納する(ステップS105)。
突発事象検出部70は、現況交通情報記憶部40に格納されている現況交通情報と、統計交通情報記憶部60に格納されている統計交通情報を比較して、検出閾値情報記憶部75を用いて突発事象を検出し、突発事象情報記憶部80へ格納する。この突発事象検出部70は、現況交通情報記憶部40に格納されている交通情報を処理対象とする。突発事象検出部70にて実施される突発事象検出方法は、統計交通情報と現況交通情報を比較することで、突発事象を自動で検出する方法である。この方法は、日常起こる渋滞を統計交通情報とし、現況交通情報との差分を求めることで、非日常的な渋滞を突発事象情報として捉える。ここでは、現況交通情報と、統計交通情報はリンク旅行時間であり、リンクID「X」,収集時刻「t」,日種「n」の差分のリンク旅行時間DIFF(n,t,X)を、
DIFF(n,t,X)=TIME(n,t,X)−TOKEI(n,t,X)…(式5)
と定義する。
次に(式5)により求めた差分のリンク旅行時間DIFF(n,t,X)と複数の閾値を比較する。閾値の個数をM個とし、それぞれm番目の閾値をD(m)とする(m=1…M)。各閾値については、0<D(1)<D(2)<…<D(M)が成り立ち、さらに閾値にはそれぞれ突発事象の検出信頼度と対応付けられる。検出信頼度とは、突発事象の検出結果の確かさを表す指標である。つまり、差分のリンク旅行時間DIFF(n,t,X)が大きい方が、突発的な事象が起きている可能性が高く、即ち検出信頼度も高いと言える。ここでは、差分のリンク旅行時間DIFF(n,t,X)をそれぞれの閾値D(m)について大小関係を比較し、例えばDIFF(n,t,X)がD(1)以上D(2)未満となる場合は検出信頼度68%、D(2)以上D(3)未満となる場合は検出信頼度95%のようにする。
突発事象検出部70で検出した突発事象情報は、突発事象情報記憶部80へ格納する。また突発事象情報には、検出時刻と解消予定時刻も含まれる。ここでは、突発事象情報の検出時刻は、(式5)で突発事象が起こっていることを検出した現況交通情報の収集時刻「t」とする。さらに突発事象情報の解消予定時刻については、センタ装置1の管理者が一律に決めている値、例えば30分とする。
検出閾値情報生成部72は、統計交通情報記憶部60に格納されている統計交通情報を入力として、道路リンク,日種,時刻毎に、複数の検出の閾値とその個数及びそれぞれの閾値に対応する信頼度情報を検出閾値情報記憶部75へ格納する。閾値の個数Mは、センタ装置1の管理者が決定する。
図9は、検出閾値情報生成部72における処理を示すフロー図である。始めに統計交通情報記憶部60に格納されている全ての道路リンクを処理したかどうかを判定する(ステップS801)。全ての道路リンクを処理した場合(ステップS801でYes)、処理を終了する。以下処理対象となる道路リンクIDを「X」とする。全ての道路リンクを処理し終わっていない場合(ステップS801でNo)、未処理の道路リンクから処理対象とする道路リンクを1つ選択し、その道路リンクにおける全ての日種について処理したかどうかを判定する(ステップS802)。以下処理対象とする日種を「n」とする。全ての日種について処理した場合(ステップS802でYes)、ステップS801へ進む。全ての日種について処理が終了していない場合(ステップS802でNo)、全ての時刻について処理したかどうかを判定する(ステップS803)。以下処理対象とする時刻を「t」とする。全てのリンクについて処理した場合(ステップS803でYes)、ステップS802へ進む。全ての時刻について処理が終了していない場合(ステップS803でNo)、処理対象とするリンクID,日種,時刻に該当する標準偏差STD(n,t,X)を統計交通情報記憶部60から抽出し、検出閾値を求める(ステップS804)。リンクID「X」,収集時刻「t」,日種「n」でm番目の閾値をD(n,t,X,m)(m=1…M)、また閾値D(n,t,X,m)以上閾値D(n,t,X,m+1)未満の検出信頼度をP(n,t,X,m)とする。標準偏差STD(n,t,X)を用いた検出の閾値の算出は、例えば以下のように決める。
D(n,t,X,1)=STD(n,t,X)
P(n,t,X,1)=68%
D(n,t,X,2)=2×STD(n,t,X)
P(n,t,X,2)=95%
D(n,t,X,3)=3×STD(n,t,X)
P(n,t,X,3)=99%
D(n,t,X,3)=4×STD(n,t,X)
次に求めたM個の閾値と対応する検出信頼度を検出閾値情報記憶部75に格納する(ステップS805)。
なお、検出閾値情報生成部72における複数の閾値とそれぞれの閾値に対応する信頼度情報の計算は、統計処理部50における統計処理と同様、オフライン処理により行われる。
検出閾値情報記憶部75は、突発事象検出部70に用いる差分のリンク旅行時間の複数の閾値とそれに対応する信頼度を、道路リンク,日種,時刻毎に記憶している。図10は、検出閾値情報記憶部75の構成を表している。検出閾値情報記憶部は、リンクID毎に管理されている。突発事象検出部70では、リンクID「X」,収集時刻「t」,日種「n」に該当する閾値と検出信頼度の複数のセットを、検出閾値情報記憶部75から抽出して検出を行う。
突発事象情報記憶部80は、交通情報受信部10から受信した突発事象情報と、突発事象検出部70にて検出した突発事象情報を格納している。図11に突発事象情報記憶部の構成を示す。突発事象情報記憶部は、突発事象ID,始端位置情報,終端位置情報,検出信頼度,検出時刻,解消予定時刻を突発事象ID毎に構成されている。突発事象IDは、交通情報受信部10又は突発事象検出部70から突発事象情報が格納されるときに定義される。
始端位置情報,終端位置情報は、突発事象の位置を表している。突発事象情報の位置情報には点と線の2種類がある。点の突発事象の位置情報は、緯度・経度で表現される。このため始端位置情報のみ位置情報が格納される。点の突発事象情報は、例えば、事故や故障車などの点で現すことのできる突発的な事象である。また、線の突発事象の位置情報は、始端位置情報と終端位置情報から構成される。線の突発事象情報の場合、位置情報は、例えば、工事などの連続した道路で事象が起きている場合、開始の道路リンクにおける始端の緯度・経度を始端位置情報へ、最後の道路リンクにおける終端の緯度・経度を終端位置情報へ格納する。また突発事象検出部70で検出された突発事象が道路リンク単位の場合、同様にしてその道路リンク列の最初の道路リンクにおける始端の緯度・経度と最後の道路リンクにおける終端の緯度・経度の情報を位置情報へ格納する。もし、道路リンク1本のみの検出だった場合は、始端位置情報と終端位置情報にその道路リンクの始端の緯度・経度と終端の緯度・経度をそれぞれ格納する。
突発事象の検出信頼度は、突発事象を検出したときに、その検出結果がどのくらい信頼できるのかどうかを表す指標であり、上記のように、プローブデータから突発事象を検出した場合には、検出閾値情報記憶部75に格納されている閾値情報に基づき決定される。また交通情報受信部10にて、事故の報告によって突発事象情報を受信した場合、実際に事故の目撃者からの通報のために信頼度は高く、検出信頼度には「95%」が格納される。また検出時刻としては、その突発事象情報に含まれる検出時刻を格納する。解消予定時刻についても、突発事象情報受信時に予め設定されている値を用い、例えば、事故の継続時間を30分と決めておき、検出時刻から30分後の情報を解消予定時刻として格納する。
突発事象情報送信部90は、突発事象情報記憶部80を常に監視し、新しく突発事象情報記憶部80に突発事象情報が格納されたとき、その情報を抽出して端末装置200へ送信する。センタ装置1と端末装置200は、光ビーコン,無線LAN,携帯電話,DSRCなどの通信手段により接続されている。以上がセンタ装置1の構成になる。
端末装置200の突発事象情報受信部210は、センタ装置1の突発事象情報送信部90から送信される突発事象情報を受信し、突発事象情報記憶部220に格納する。
突発事象情報記憶部220は、突発事象情報受信部210からの突発事象情報を記憶する。図12に突発事象情報記憶部220に記憶される突発事象情報の構成図を示す。突発事象情報は、突発事象ID,始端位置情報,終端位置情報,検出信頼度,検出時刻,解消予定時刻,融合事象IDから構成される。突発事象ID,始端位置情報,終端位置情報,検出信頼度,検出時刻,解消予定時刻は、センタ装置1の突発事象情報記憶部80に格納されている突発事象情報と同様である。融合事象IDとは、空間融合処理部230と時間融合処理部240にて、複数の突発事象情報を融合したときにその元になる突発事象情報のIDを格納する。ここでの突発事象IDは、センタ装置1の突発事象情報記憶部80に格納されているものと同様である。また融合後の突発事象IDは、元の突発事象IDとは重複しないように突発事象同一判定部225にて設定される。例えば、センタ装置1と端末装置200で突発事象IDの番号を「00001〜99999」としたとき、融合事象IDは「100000〜」とする。
地図データ蓄積部235は、道路地図の電子データを蓄積しており、交通情報センタ1の地図データ蓄積部35と同じデータ構成である。
突発事象同一判定部225は、突発事象情報受信部210にて受信した突発事象情報と、突発事象情報記憶部220に蓄積している突発事象情報を比較し、新たに受信した突発事象情報が既に蓄積されている突発事象情報と同じ突発事象に基づいた情報であるかどうかを判定する。
図13に、事象融合処理部260の処理フローを示す。ここでは突発事象情報受信部210にて受信した突発事象情報の突発事象IDを(X)とし、検出信頼度をC(X)、検出時刻をTIME_S(X)、解消予定時刻をTIME_E(X)として表す。同様に、突発事象情報記憶部220から処理対象として読み出した突発事象情報の突発事象IDを(Y)とする。
始めに、突発事象情報記憶部220に格納されている全ての突発事象情報について処理したかどうかを判定する(ステップS201)。全ての突発事象情報について処理が終了していない場合(ステップS201でNo)、処理対象とする事象情報(Y)を突発事象情報記憶部220から読み出す。突発事象同一判定部225では、まずこの事象情報(Y)と突発事象情報受信部210にて受信した突発事象情報である事象情報(X)の検出時刻の時間差が許容範囲内かどうかを判断する(ステップS202)。ステップS202では、TIME_S(X)とTIME_S(Y)を比較し、この時間差が閾値Tを超えないかどうかを判断する。閾値Tを超える場合(ステップS202でNo)、事象情報(X)と事象情報(Y)を異なる突発事象と見なしてステップS201へ進む。閾値Tを越えない場合(ステップS202でYes)、次に突発事象同一判定部225では、処理対象の事象情報(Y)と事象情報(X)とが隣接しているかどうかを判定する(ステップS203)。
ステップS203の処理では、まず、各事象情報について、対応する道路リンク列を求める。この場合、事象情報に格納されている始端位置情報と終端位置情報を用い、始端位置情報に格納されている緯度・経度を出発地点、終端位置情報に格納されている緯度・経度を目的地点として経路探索を行って求めた経路を構成する道路リンク列と、逆に終端位置情報に格納されている緯度・経度を出発地点、始端位置情報に格納されている緯度・経度を目的地点として経路探索を行って求めた経路を構成する道路リンク列の2つを求め、2つの経路長が短いほうの道路リンク列を、突発事象発生区間とする。そしてこの経路を求めた時に出発地点とした緯度・経度を上流側位置とし、目的地点とした緯度・経度を下流側位置とする。事象情報(X)について求めた上流側位置情報をPos_S(X)、下流側位置情報をPos_E(X)と表す。
なお、突発事象情報が点の情報であり、始端位置情報のみの場合は、終端位置情報が始端位置情報と同じであるものとし、Pos_S(X)=Pos_E(X)とする。そして、事象情報に対応する道路リンク列は、点の情報が存在する1個の道路リンクということになる。
次に、2つの事象情報(X),事象情報(Y)の位置関係を判断する。事象情報(X)に対応する道路リンク列を、(LX(1),…,LX(i),…,LX(N))、事象情報(Y)に対応する道路リンク列を、(LY(1),…,LY(j),…,LY(M))としたとき、一方の道路リンク列が他方の道路リンク列の一部又は全部と一致するか、2つの道路リンク列で一致する部分的な道路リンク列が存在しない場合の2つに分かれる。ここで道路リンク列が一致するとは、リンクIDとその並びの順番が同じであることを意味する。一方の道路リンク列が他方の道路リンク列の一部又は全部と一致する場合は、2つの事象情報が重複又は交差していることを意味するため、2つの突発事象は隣接しているものと判断する。
2つの道路リンク列で一致する部分的な道路リンク列が存在しない場合は、2つの突発事象が離れていることを意味するため、次に、2つの突発事象間の距離Lを求める。
距離Lの算出には、図4のステップS50にて用いた経路探索処理と同様の処理を行う。ここではPos_S(X),Pos_E(X)とPos_S(Y),Pos_E(Y)を出発地と目的地とする組合せを考慮して、経路探索結果の経路長を距離Lとする。Pos_S(X)とPos_S(Y)とのどちらを出発地側と目的地側に設定するのかを考えたときに、一方の下流側が他方の上流側に繋がることを考えると、出発地:Pos_E(X)−目的地:Pos_S(Y)の場合と、出発地:Pos_E(Y)−目的地:Pos_S(X)の場合の2パターンがある。このときは、2パターンについて経路探索処理し、求めた経路の距離が短いパターンの経路の距離をLとして採用する。そしてこの距離の短い組合せの出発地側となった突発事象情報を上流事象、目的地側となった突発事象情報を下流事象とする。
なお、突発事象情報(X)の位置と突発事象情報(Y)の位置が完全に一致する場合は、距離Lの値は「0」になる。
次に求めた距離Lがある一定の閾値ε以下かどうかを判定する。距離Lが閾値ε以下の場合、事象情報(X)が対応する突発事象と、事象情報(Y)が対応する突発事象は隣接していると判定する。距離Lが閾値εより大きい場合、2つの突発事象は隣接していないと判定する。
以上の処理により、2つの事象情報が隣接していないと判断した場合(ステップS203:No)には、ステップS201へ進み、隣接していると判断した場合(ステップS203:Yes)には、次のステップS204へ進む。
ステップS204では、まず空間融合処理部230により、同一と判定された2つの突発事象の位置関係と検出信頼度に基づき、突発事象情報の位置情報を融合する。まず、突発事象情報記憶部220から検出信頼度C(X),C(Y)を抽出する。次に事象情報(X)と事象情報(Y)の位置関係と、取得した突発事象情報の検出信頼度を元に、突発事象の位置情報を融合する。検出信頼度の高い突発事象情報の位置を基準に、その下流に検出信頼度の低い突発事象情報があった場合は下流にあたるこの検出信頼度の低い突発事象情報を削除し、上流の事象情報については、検出信頼度の低い突発事象情報の位置情報を融合する。また、検出信頼度が同じであった場合にも、2つの突発事象情報の位置情報を融合する。以下では、検出信頼度の高い突発事象を高信頼度突発事象、検出信頼度の低い突発事象を低信頼度突発事象、融合した突発事象を融合突発事象と定義する。
まず、2つの突発事象の事象情報(X),事象情報(Y)について、Pos_S(X)=Pos_E(X),Pos_S(Y)=Pos_E(Y)であった場合、即ち両方の突発事象が点の情報である場合については、一方の事象情報の検出信頼度が高くC(X)>C(Y)又はC(Y)>C(X)であって、Pos_S(X)=Pos_S(Y)であるか、高信頼度突発事象が上流事象である場合、高信頼度突発事象に対応した事象情報を融合突発事象として突発事象情報記憶部220に登録し、低信頼度突発事象に対応した事象情報を削除する。また2つの事象情報の検出信頼度が同じであるか又は高信頼度突発事象が下流事象である場合、上流事象の上流側位置情報を出発点とし、下流事象の上流側位置情報を目的地とした時の経路探索を行い、経路探索により求まった経路を構成する道路リンク列を融合した高信頼度突発事象として突発事象情報記憶部220に登録する。融合突発事象の事象情報を突発事象情報記憶部220に登録する際には、前述の通り、突発事象情報を融合したときにその元になる事象情報の突発事象IDを融合事象IDに追加するが、一方の事象情報が融合突発事象であった場合は、融合事象IDに格納されている突発事象IDを、突発事象ID同士が重複しないように、もう一方の事象情報の突発事象IDとマージした上で、融合事象IDに格納する。
次に、2つの突発事象の事象情報(X),事象情報(Y)の位置関係に基づき、一方の突発事象に対応した道路リンク列の全てが他方の突発事象に対応した道路リンク列の一部又は全部と一致する場合、即ち、2つの道路リンク列が完全に一致するかあるいは一方の道路リンク列が他方の道路リンク列を含む場合、2つの突発事象の検出信頼度が同じであるか、又は低信頼度突発事象に対応した道路リンク列の全てが高信頼度突発事象に対応した道路リンク列の一部又は全部と一致していれば、他方の道路リンク列の全てを含む突発事象を融合突発事象として、その事象情報を突発事象情報記憶部220に登録する。逆に、高信頼度突発事象に対応した道路リンク列の全てが低信頼度突発事象に対応した道路リンク列の一部又は全部と一致していれば、高信頼度突発事象の事象情報における下流側位置情報を融合突発事象の下流側位置情報とし、低信頼度突発事象の事象情報における上流側位置情報を融合突発事象の上流側位置情報とした事象情報を突発事象情報記憶部220に登録し、低信頼度突発事象の事象情報を削除する。
次に、一方の突発事象に対応した道路リンク列の一部が他方の突発事象に対応した道路リンク列の一部と一致する場合、即ち2つの道路リンク列の一部だけが重複する場合、まず2つの事象情報のどちらが上流側にあるのか調べる。この為、2つの事象情報を事象情報(A),事象情報(B)とした時、出発地:Pos_S(A)−目的地:Pos_S(B)の場合と、出発地:Pos_S(B)−目的地:Pos_S(A)の場合の2パターンについて経路探索処理し、求めた経路の距離が短い組合せの出発地側となった事象情報を上流事象、目的地側となった事象情報を下流事象とする。そして、下流事象が高信頼度突発事象である場合は、高信頼度突発事象の事象情報における下流側位置情報を融合突発事象の下流側位置情報とし、低信頼度突発事象の事象情報における上流側位置情報を融合突発事象の上流側位置情報とした事象情報を突発事象情報記憶部220に登録する。一方、下流事象が低信頼度突発事象である場合は、高信頼度突発事象に対応した事象情報を突発事象情報記憶部220に登録し、低信頼度突発事象に対応する事象情報を削除する。
次に2つの突発事象に対応する2つの道路リンク列で一致する部分的な道路リンク列が存在しない場合、前述の2つの突発事象間の距離Lを求めた処理により、どちらの突発事象が上流事象又は下流事象であるかが判明している。そして、上記の処理と同様にして、下流事象が高信頼度突発事象である場合は、高信頼度突発事象の事象情報における下流側位置情報を融合突発事象の下流側位置情報とし、低信頼度突発事象の事象情報における上流側位置情報を融合突発事象の上流側位置情報とした事象情報を突発事象情報記憶部220に登録する。一方、下流事象が低信頼度突発事象である場合は、高信頼度突発事象に対応した事象情報を突発事象情報記憶部220に登録し、下流に位置する低信頼度突発事象に対応する事象情報を削除する。なおこの時、下流事象が低信頼度突発事象である場合に、上流事象である高信頼度突発事象が点の情報である場合には、融合突発事象も点の情報となる。
なお、融合突発事象の事象情報における検出信頼度は、融合した2つの事象情報における検出信頼度の内、高い検出信頼度の値が格納される。
次にステップS205では、時間融合処理部240により、同一と判定された2つの突発事象の検出信頼度に基づき、融合突発事象の事象情報における時間情報を融合する。この時間融合処理部240では、突発事象情報記憶部220の解消予定時刻情報を、高信頼度突発事象の事象情報に合わせる。そこで始めに、融合対象となる突発事象の事象情報から解消予定時刻情報と検出信頼度情報を抽出する。ここでは突発事象(A)と突発事象(B)を考え、検出信頼度をそれぞれC(A),C(B)、解消予定時刻をそれぞれTIME_E(A),TIME_E(B)とする。次に抽出した突発事象の解消予定時刻TIME_E(A,B)を検出信頼度を用いて融合する。融合突発事象の解消予定時刻は、検出信頼度を用いた解消予定時刻の重み付き平均にて求める。
TIME_E(A,B)=(C(A)×TIME_E(A)+C(B)×TIME_E(B)) /(C(A)+C(B)) …(式6)
あるいはまた、検出信頼度が高い方の突発事象の解消予定時刻を、融合突発事象の解消予定時刻にしてもよい。
次に融合した解消予定時刻を突発事象情報記憶部220に登録されている対象となる融合突発事象へ格納する。
受信した突発事象について、全ての突発事象情報との処理した場合(ステップS201でYes)、ステップS206へ移動する。ステップS206では、突発事象情報記憶部220に格納されている突発事象における2つの事象情報の組合せが全て処理済となったか否かを調べ、未処理の組合せがあれば(S206:No)その1つを選択してステップS207へ移動する。以下では、突発事象情報記憶部220に格納されている突発事象の組合せが、事象情報(U)と事象情報(V)であるものとして説明する。
ここからの処理は、突発事象情報記憶部220に格納された事象情報について、互いに融合可能なものが無いか調べ、可能な限り融合を行う処理である。この為、図13に示すステップS207からステップS210の処理は、前述のステップS202からステップS205の処理において、受信した突発事象の事象情報(X)と処理対象とする事象情報(Y)を、それぞれ突発事象情報記憶部220に格納されている事象情報(U)と事象情報(V)の組合せで置き換えたものとなる。また、ステップS204において、新たな融合突発事象を突発事象情報記憶部220に格納する場合、その融合突発事象の融合事象IDは、ステップS204における処理と同様であるが、事象情報(U)と事象情報(V)が共に融合突発事象である場合、それぞれの融合事象IDに含まれる突発事象IDが重複しないようにマージして、登録する事象情報の融合事象IDに格納される。
ステップS206の判定処理で、突発事象情報記憶部220に格納されている突発事象における2つの事象情報の組合せが全て処理済となった場合(S206でYes)、処理が終了する。
表示部250は、空間融合処理部230と時間融合処理部240によって融合された融合突発事象の事象情報を車載端末のディスプレイに表示する。図14は端末装置200の表示部250にて突発事象情報を表示するときの例を表した図である。図14(a)は融合前の突発事象情報の表示例である。現況の交通情報,突発事象情報を道路リンクの線の太さによって区別する。また、道路リンクごとの渋滞度,突発事象の検出信頼度の大きさに応じて色を変えて表示している。また突発事象情報には点と線の情報がある。また、現況の交通情報,突発事象情報を区別する方法は、線の色相・彩度・明度を変える、線種を変えるなどの表示手法がある。さらにディスプレイ上では、1つの突発事象につき、突発事象発生を報じるコメントと、検出信頼度,検出時刻,解消予定時刻が表示される。図14(b)は融合後の突発事象情報の表示例である。図14(a)と同様に、空間融合処理部230,時間融合処理部240にて融合された突発事象情報の検出時刻,解消予定時刻を表示する。