JP4564723B2 - ボックス収納型膜式ガスホルダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、し尿、浄化槽汚泥、畜産・水産施設からの廃棄物、生ゴミなどの有機性廃棄物からメタンガス等を発生させるバイオガス処理施設、或いは製鉄所等の廃ガスや低圧の燃料ガス等の貯蔵設備などに適用するボックス収納型膜式ガスホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の膜式ガスホルダーには、例えば「タンク内を上下動可能に設けられたバルーンの構造」(特許文献1参照)特開平5−229592号公報の発明がある。
この従来の発明は、タンク内面の略中央高さ位置に可撓性材料よりなるバルーンの端部周囲を取り付け、このバルーンが弛んだ際の頂部中央部分の接触摩擦を防止し、さらに計測を常時可能とし設置場所を少なくする構造とするために、その頂部中央部分に非可撓性材料からなる円板を取り付け、さらにこの円板中央部にバランス用錘に連結された索条を取り付けたものである。
【0003】
また、従来の膜式ガスホルダーが有する建設費が高額で耐久性の問題等に鑑みて発明された「膜式ガスホルダー」には、本出願人に係る特願2002−316336号(特許文献2参照)がある。
この改良型の「膜式ガスホルダー」は、平底円筒形の貯槽構造物の外殻内部に、直立平底円筒ドーム形状の袋体を設置する構造である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−229592号公報(第1図及び、第2頁右蘭第5行〜第8行、第2頁右蘭第18行〜第23行)
【特許文献2】
特願2002−316336号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記紹介した特許文献1の膜式ガスホルダーは、直立円筒形タンク内を上下に仕切るバルーンが大きくて重量が大であるため、繰返される上下動や反転によって可撓材料への引張り荷重が大きく、かつバルーン固定部への荷重負荷が大きく耐久性が低下する心配があった。
【0006】
また、上記特許文献2の膜式ガスホルダーは、円筒形の外殻内壁面に円筒形状の袋体が当接して損傷しないように、壁面と袋体相互の間隔を大きく取る必要があるためデッドスペースが広くなり、また袋体の底部取付け部のシール性を維持するために頑丈な取付構造にする必要が生じた。さらにまた、円筒直立に設置する外殻及び袋体を現地で組立、据付作業するため、構築に手間が掛かり工期が長くなり、設備費及び建築費が高くなる傾向があった。
【0007】
この発明の目的は、上述の従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、剛構造のボックス内に工場で気密液密の可撓性膜材からなる袋体を収納し、この袋体が収納されたボックスを現地で据付けることにより、作動性が良い簡単な収納構造でかつ建設費用が低額で、さらに増設及び移動が簡単にでき、耐久性及び汎用性に優れたボックス収納型膜式ガスホルダーを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、強化プラスチック材、金属材などからなる剛構造の直方体形状に形成したボックスの中に、気密性及び液密性を有する可撓性膜材からなる袋体で形成されたガスの出し入れ可能な横置き円筒形状、又は球殻形状のガス貯蔵バッグを収納する構造とし、該ガス貯蔵バッグは前記ボックスの天井、側壁及び底壁のそれぞれから離反した状態で、かつ該ガス貯蔵バッグの膨張及び収縮が可能となるように形成し、該ガス貯蔵バッグの外周面の、ガス貯蔵バッグの中心高さ位置に対応する位置に沿って、ガス貯蔵バッグの径方向外方に突出するように膜端布よりなる取付部材を形成し、該取付部材と対向する位置にパイプ材を設け、該パイプ材は前記ボックス内壁面に沿って取付けられ、前記取付部材に複数隔離して孔開部を設け、該孔開部とパイプ材とをロープによる係合材で絡めて取付け保持したものである。
【0010】
また、請求項2の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、上記ガス貯蔵バッグとガスの出入口及びドレン抜などの配管との接続は、上記可撓性膜材で膜布接続管を作成し、ガス貯蔵バッグと膜布接続管の端部を溶着してフランジ固定し、配管側の膜布接続管の端部はシール材を介してフランジ固定したものである。
【0011】
また、請求項3の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、上記ガス貯蔵バッグの上面に、該ガス貯蔵バッグを押える補強テープを備えたガス貯蔵バッグの外周形状よりも小さい環状の重錘バランサーを載置し、該重錘バランサーに結合するバランスワイヤーを介してボックスの外側に垂下するカウンターウエイトを設けることにより、常にガス貯蔵量の変化に対応して操業圧力を確保するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーの実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
図1はガス貯蔵バッグを球殻形状とした場合の縦断面説明図であり、図2及び図3はガス貯蔵バッグを横置き円筒形状とし、ノズルの取出し方向の位置を変えた場合を示し、(a)は側面から見た縦断面説明図、(b)は正面から見た縦断面説明図である。
1は外殻となる剛構造のボックスで、強化プラスチック材(FRPなど)を用いて接着又は溶着やボルト・ナットでパネル接合した樹脂製、或いは鋼板材等を用いて溶接やパネル接合した金属製などからなり、矩形平面形状の底板と側板と天井板とからなる直方体形状に形成する。
この剛構造のボックスはコンテナボックス1を使用し、このコンテナボックス1の外殻の内部に、ガスを収容するための気密性及び液密性を有し軽量で引張強度を有する可撓性膜材で袋体に形成したガス貯蔵バッグ2を収納する。
このガス貯蔵バッグ2は、図1では球殻形状に形成し、図2及び図3では横置きで円筒形状に形成した場合を示している。
ガス貯蔵バッグ2は、コンテナボックス1の天井、側壁及び底壁のそれぞれから離反した状態で、かつガス貯蔵バッグ2の膨張及び収縮が可能となるように、貯蔵バッグ2の外側水平方向中間部位の周囲をコンテナボックス1の側壁で支承する。
そして、ガス貯蔵バッグ2の底部には、ガスの出入口等のノズル3を設ける。
【0013】
このコンテナ型膜式ガスホルダーは、工場で予めコンテナボックス1内に袋体に一体成形したガス貯蔵バッグ2とコンテナボックス外の第1フランジ部までのノズルの接続材とを取付けた完成品として、この完成品を車輌で現場に搬入する。
そして、現場ではこのコンテナボックス1を据付けるだけでよく、さらに必要に応じて複数のコンテナボックス1を並べて配管を連結し、或いは積上げて接続するだけでよいので、現場作業を低減でき、工期の大幅な短縮が可能となる。
【0014】
直方体形状で箱型のコンテナボックス1は、膜体を保護する外殻構造物として簡単な構造であって、例えば、20〜40フィート(6〜12メートル)程度の長さで、容積は20〜40立方メートル程度の規格品等を使用することによって、構築費用を低減することができる。そして、運搬用や貯蔵用など他の用途で中古品となったコンテナボックス1を使用した場合には、廃品の有効活用が図られ、さらに安価となり経済性が向上する。
このボックス1は、汎用品であるJIS規格等の運搬用コンテナボックスなどを使用することができる。
このように、JIS規格等の運搬可能な標準品のコンテナボックス1を使用した場合には、通常のコンテナ搬送用の車輌で運搬し、ガスの需要に応じて適宜移動して使用することや、ガスを使用済みのコンテナボックスを、ガスを充填したコンテナボックスに使用場所で簡単に交換することが可能となる。
【0015】
コンテナボックス1は、高床式に基礎上に設置し、ガス貯蔵量を増加する場合には、必要に応じて並列に隣接して設置したり、複数段に積上げたりして使用することができる。
ノズル3からの配管は、図1及び図2(a),(b)に示す高床式の場合は、コンテナボックスの底板面に導入出するように形成し、コンテナボックス1を積重ねる場合には、図3(a),(b)に示すようにコンテナボックスの側壁面に導入出する。
【0016】
また、コンテナボックス1の内側壁面に沿った水平方向の周囲で、コンテナボックス1の中間高さ程度の所定高さ位置にパイプ材4を取付ける。このパイプ材4の位置は、ガス貯蔵バッグ2の中心高さ位置に形成する取付部材5に対向して設ける。
このパイプ材4は、例えば底壁上に複数本の支柱を隔離して立設し、この支柱に水平の手摺状に設けるか、或いは側壁面に直接水平に取付けるか、又は側壁面から支えを張出してこの支えに水平に取付ける。
【0017】
図4(a)、(b)、(c)に、ガス貯蔵バッグ2の外周面の中心高さ位置に対応する位置に沿って形成する取付部材5の固着部を一部切断して示す。
ガス貯蔵バッグ2のセンター外側、中心高さ位置の周囲に、取付部材5を形成する。この取付部材5は、フレア形状の膜端布5A、或いはタブ形状の膜端布5Bに形成し、この膜端布5A,5Bに複数隔離して孔開部6を設ける。
(a)に示すガス貯蔵バッグ2は、上下二枚の膜体を用いて、半割り筒体状に溶着形成した場合で、このフレア形状の溶着部を上記膜端布5Aに利用して孔開部6を設けた場合を示す。また(b)に示すガス貯蔵バッグ2は、筒体状の外円周部にタブ形状の膜端布5Bを溶着又は接着剤で取付けて、この膜端布5Bに孔開部6を設けた場合を示す。
【0018】
そして、図4(c)に一部切断して示すように、取付部材5の孔開部6とパイプ材4とを合成繊維ロープやワイヤロープ等の係合材7で絡めて、ガス貯蔵バック2を取付け保持する。
このように、パイプ材4にガス貯蔵バッグ2の外周部の取付部材5を係合材7で取付け保持することによって、ガス貯蔵バッグ2の浮き上がりや片寄り移動を規制し、安定して中間部が保持され、この中間位置から上方の膜体を自由に膨張収縮させることができ、コンテナボックス内壁面に膜体が当接することなく膜体が摩擦損傷をすることがない。
また、現地へ運搬中の車輌の振動や衝撃に対しても、ガス貯蔵バッグ2は安定して中間部で保持されるので、コンテナボックス1の側壁や底壁に膜体が当接することがなく、膜体の破損を防止することができ、工場での完成品としての製作を可能にしている。
そして、使用中におけるガスの出入りに伴うガス貯蔵バッグ2の膨張及び収縮による繰返し引張り荷重に対しても、パイプ材4に固定されている取付部材5で応力が緩衝されるため耐久性を有する。
【0019】
ガス貯蔵バッグ2は、可撓性を有する膜材を用いて、球殻形状又は円筒形状の密封一体の袋体形状に形成する。
このように、袋体を球殻形状又は円筒形状にしたので、内圧力で発生する引張り力は湾曲面全体で受けるので、内圧変動に伴う引張応力や繰返し応力に強い構造となる。
さらに、袋体の膜体は、気密性を有する市販の軽量な可撓性膜材を用いて、例えば袋体の水平中央付近を上下二枚の膜布の接合部とし、膜布の両端部をフレア形状で熱溶着することによって、漏洩などの心配がなく高品質の製品となり、特殊な接合用部材を必要とせず簡単容易に、作業性良く手間も掛からず経済的に製作することができる。
【0020】
このガス貯蔵バッグ2を形成する可撓性膜材は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニール系樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂等の合成樹脂材で形成したシート体、或いはポリエステル繊維やガラス繊維等の繊維に、上記ポリ塩化ビニール系樹脂等の合成樹脂をコーティングした布膜材などの気密性及び液密性を有するシート体を用いる。
そして、ガス貯蔵バッグ2はコンテナボックス1の中に収納されるので、日光や外気に曝されることないため、紫外線による劣化がなく、強風による膜体の崩壊や飛来物による破損を防止することができ、安全性や耐久性を確保することができる。
【0021】
図5に、ガス貯蔵バッグ2とガスの出入口及びドレン抜などノズル3の配管11への接続部を拡大して示す。
ノズル3は、可撓性膜材などで膜布接続管8を作成し、ガス貯蔵バッグ2と膜布接続管8の端部を溶着してフランジ9A,9Bで固定し、下部の配管11に接続する膜布接続管8の端部は、シール材12を介装してフランジ10A,10Bで固定する。
なお、フランジ9A,9Bは軽量な合成樹脂材などを用いて膜体を痛めないようにするとともに、必要に応じて気密性を向上するシーリング材などを介装する。
【0022】
このように、各種配管11との接続に膜布接続管8を使用することで、貯蔵ガス内圧力の変動による膜体の膨張、収縮挙動を膜布接続管8で吸収し、膜体と膜布接続管との接合部の疲労亀裂を防止することができる。
また、膜体フランジ取付部と膜布接続管端部を工場で溶着し、フランジ9Aを取付けて現場に搬入するので、現場施工で生じやすいフランジ部の漏気を防止することができる。
このように、工場でガス貯蔵バッグを一体成形し、かつ各種配管の第1フランジ部まで取付けて洩気検査を行うので、現地ではコンテナボックス1を据付けるだけでよく、現場作業は簡単で工期を短縮することができる。
【0023】
図6(a),(b),(c)に、貯蔵ガスに外圧力を付加する構造の事例を示す。
ガス貯蔵バッグ2の上面に、このガス貯蔵バッグ2を押える補強テープ14を備えたガス貯蔵バッグの外周形状よりも小さい環状の重錘バランサー13を載置し、この重錘バランサー13に結合するバランスワイヤー15を介してコンテナボックス1の外側に垂下するカウンターウエイト16を設ける。
この重錘バランサー13とバランスワイヤー15、及びカウンターウエイト16を用いて、ガス貯蔵バッグ2を安定的に上下移動させ、常にガス貯蔵量の変動に対応してガス貯蔵バッグ2の内圧力を一定に保持し、所定の操業圧力を確保するものである。なおこの操業圧力は、通常、水柱で600ミリメートル以下(2kPa〜6kPa)の比較的低い圧力である。
【0024】
この重錘バランサー13は錘の重量を変えることによって、操業圧力の変更や調整をすることができ、またカウンターウエイト16にレベル計を設けてその高さ位置によって、ガス貯蔵容量を外面から計測することができる。
【0025】
また、ガス貯蔵バッグ2の上面を押える補強テープ14は、環状の重錘バランサー13の平衡を保持できるとともに、内圧力による上方の膜体に発生する張力を低減させ、上方へ広がろうとする膨張を抑制することができる。
また、重錘バランサー13及びカウンターウエイト16により、常に操業圧力に対応した所定荷重がガス貯蔵バッグ2の上方の膜体に載荷されるため、ガス貯蔵量が少ない場合でも所定の操業圧力を確保し、ガス発生量が不安定なガス製造施設にも適用でき、貯蔵ガスを排気するためのガス供給ポンプが不要となる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、強化プラスチック材、金属材などからなる剛構造のボックスの中に、気密性及び液密性を有する可撓性膜材からなる袋体で形成されたガスの出し入れ可能なガス貯蔵バッグを収納する構造とし、該ガス貯蔵バッグは前記ボックスの天井、側壁及び底壁のそれぞれから離反した状態で、かつ該ガス貯蔵バッグの膨張及び収縮が可能となるように、該ガス貯蔵バッグの外側水平方向中間部位の周囲で支承するので、ガス貯蔵量や内圧力の変動による膜体の膨張時や現地への車輌運搬時の振動や衝撃に対してもコンテナボックス内壁面に膜体が当接することなく、膜体の摩擦損傷や破損を防止することができ、また膨らみ伸びる方向への膜体の動きを規制する固定点がないので円周方向の膨らみが均一となり、膜体に集中荷重がかかることがないため、内圧力に強い構造となる。
また、工場で予めボックス内に袋体に一体成形したガス貯蔵バッグを取付けた完成品として、この完成品を車輌で現場に搬入し、現場ではこのボックスを据付けるだけでよく、さらに必要に応じて複数のボックスを並べて接続し、或いは積上げて接続するだけでよいので、現場作業を低減でき、工期の大幅な短縮が可能となる。
そして、ガス貯蔵バッグはボックスの中に位置し日光や外気に曝されることないため、紫外線による劣化がなく、強風による膜体の崩壊や飛来物による破損を防止することができ、安全性や耐久性を確保することができる。
さらに、袋体の膜体は気密性を有する市販の軽量な可撓性膜材を用いて、水平中央付近を上下膜の膜端部をフレア形状で溶着した場合には、この膜端部からの漏洩などの心配がなく、高品質の製品となり、特殊な接合用部材を必要とせず簡単容易に、作業性良く手間も掛からず経済的に製作することができる。
【0027】
また、請求項1の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、上記剛構造のボックスは直方体形状とし、上記袋体のガス貯蔵バッグは横置き円筒形状、又は球殻形状に形成し、該ボックス内の所定高さ位置の側壁面に沿った水平方向にパイプ材を取付け、該ガス貯蔵バッグの外周面の、ガス貯蔵バッグの中心高さ位置に対応する位置に沿って、ガス貯蔵バッグの径方向外方に突出するように形成した膜端布よりなる取付部材を、前記パイプ材にロープによる係合材を介して取付け保持したので、直方体形状で箱型のボックスは、膜体を保護する外殻構造物として簡単な構造であって、コンテナボックスなどの規格品を用いることによって価格を低減することができ、さらに中古品の汎用コンテナボックスを使用した場合には、廃品の有効活用が図られ、より安価となり経済性が向上する。
そして、パイプ材にガス貯蔵バッグの外周部の取付部材の孔開部をロープによる係合材で絡めて取付け保持することによって、ガス貯蔵バッグの浮き上がりや片寄り移動を規制し、安定して中間部が保持され、この中間位置から上方の膜体を自由に膨張収縮させることができ、コンテナボックス内壁面に膜体が当接することなく膜体が摩擦損傷をすることがない。また、現地へ運搬中の車輌の振動や衝撃に対しても、ガス貯蔵バッグは安定して中間部で保持されるので、コンテナボックスの側壁や底壁に膜体が当接することがなく、膜体の破損を防止することができ、工場での完成品としての製作を可能にしている。そして、使用中におけるガスの出入りに伴うガス貯蔵バッグの膨張及び収縮による繰返し引張り荷重に対しても、パイプ材に固定されている取付部材で応力が緩衝されるため耐久性を有する。
つまり、可撓性膜材からなる袋体で形成されたガス貯蔵バッグの中間部位に形成された取付部材の特定部位に過度の負荷がかからず取付部材の全周にわたり略均等に保持されるため、安全性及び耐久性を確保することができる。
さらにこのコンテナボックスは、JIS規格等の運搬用貨物コンテナを使用した場合には、通常のコンテナ搬送用の車輌を使用して、ガスの需要に応じて適宜移動することや、需要先でガスを充填したコンテナボックスに簡単に交換することが可能となる。
そして、袋体を横置き円筒形状又は球殻形状にしたので、ボックス内のデッドスペースを極力少なくでき、内圧力で発生する引張力は湾曲面全体で受けるため、引張応力や内圧変動に伴う繰返し応力に強い構造となる。
この膜体のコンテナ内での保持は、コンテナ側壁面に取付けたパイプ材と膜体外側中央部の取付部材とをロープによる係合材で結合し、例えば取付部材の膜端布に適当な間隔で穴を開けてハトメ処理部を設け、このハトメ孔開部とパイプ材とを合成繊維ロープ等の係合材で固定保持することにより、貯蔵ガス内圧力の変動による膜体の膨張収縮挙動に対しては、膜端布とロープによる係合材が追随し、膜体を破損せず、高い内圧力の場合でも安全性を高めることができる。
【0028】
また、請求項2の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、上記ガス貯蔵バッグとガスの出入口及びドレン抜などの配管との接続は、上記可撓性膜材で膜布接続管を作成し、ガス貯蔵バッグと膜布接続管の端部を溶着してフランジ固定し、配管側の膜布接続管の端部はシール材を介してフランジ固定したので、各種配管との接続に膜布接続管を使用することで、貯蔵ガス内圧力の変動による膜体の膨張、収縮挙動を膜布接続管で吸収し、膜体の破損を防止することができる。
また、ガス貯蔵バッグと膜布接続管の端部の溶着部をフランジにて固定したので、貯蔵ガス内圧力の変動による膜体及び膜布接続管の膨張による溶着部の膜布の剥離を防止することができる。
さらにまた、膜体フランジ取付部と膜布接続管端部を工場で溶着し、フランジを取付けて現場に搬入するので、現場作業で生じやすいフランジ部の漏気を防止することができる。
このように、工場で袋体の膜体の一体成形と各種配管の第1フランジ部まで取付けて洩気検査を行うので、現地では据付けと現場配管との接続だけでよく、作業は簡単で建設工期を大幅に短縮することができ、経済性を向上することができる。
【0029】
また、請求項3の発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーは、上記ガス貯蔵バッグの上面に、該ガス貯蔵バッグを押える補強テープを備えたガス貯蔵バッグの外周形状よりも小さい環状の重錘バランサーを載置し、該重錘バランサーに結合するバランスワイヤーを介してボックスの外側に垂下するカウンターウエイトを設けることにより、常にガス貯蔵量の変化に対応して操業圧力を確保するとともに、環状の重錘バランサーに補強テープを取付けたので、重錘バランサーの重量がガス貯蔵バッグの上面部に均等に加重することでガス貯蔵バッグの内圧力は常に一定に保持でき、ガス貯蔵量の変動による重錘バランサーの上下変動に対しても重錘バランサーの平衡を保持することができる。また、重錘バランサー及びカウンターウエイトにより、常に操業圧力に対応した所定荷重がガス貯蔵バッグ上面に載荷されるため、ガス貯蔵量が少ない場合でも所定の操業圧力を確保することができ、ガス発生量が不安定なガス製造施設にも適用できる。
さらに、カウンターウエイトの錘の重量を変えることによって、操業圧力の変更や調整を簡単にすることができるとともに、レベル計を設けてその高さ位置によって外面からガス貯蔵容量を計測することができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るボックス収納型膜式ガスホルダーの実施形態例を示し、ガス貯蔵バッグを球殻形状とした場合の縦断面説明図である。
【図2】 ガス貯蔵バッグを横置き円筒形状とした場合を示し、(a)は側面から見た縦断面説明図、(b)は正面から見た縦断面説明図である。
【図3】 図2のノズル位置を変えた他の実施形態例を示し、(a)は側面から見た縦断面説明図、(b)は正面から見た縦断面説明図である。
【図4】 (a),(b)はガス貯蔵バッグの外側水平方向中間部位に形成する取付部材の固着部近傍を拡大して示す断面説明図、(c)はその固着部近傍の取付部材、膜端布の孔開け部をパイプに係合した状態を示す説明図である。
【図5】 ノズル部を示す縦断面説明図である。
【図6】 重錘バランサーを用いて加圧する状況を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【符号の説明】
1 ボックス(コンテナボックス)
2 ガス貯蔵バッグ
3 ノズル
4 パイプ材
5 取付部材
5A,5B 膜端布
6 孔開部
7 係合材
8 膜布接続管
9A,9B フランジ
10A,10B フランジ
11 配管
12 シール材
13 重錘バランサー
14 補強テープ
15 バランスワイヤー
16 カウンターウエイト
Claims (3)
- 強化プラスチック材、金属材などからなる剛構造の直方体形状に形成したボックスの中に、気密性及び液密性を有する可撓性膜材からなる袋体で形成されたガスの出し入れ可能な横置き円筒形状、又は球殻形状のガス貯蔵バッグを収納する構造とし、該ガス貯蔵バッグは前記ボックスの天井、側壁及び底壁のそれぞれから離反した状態で、かつ該ガス貯蔵バッグの膨張及び収縮が可能となるように形成し、該ガス貯蔵バッグの外周面の、ガス貯蔵バッグの中心高さ位置に対応する位置に沿って、ガス貯蔵バッグの径方向外方に突出するように膜端布よりなる取付部材を形成し、該取付部材と対向する位置にパイプ材を設け、該パイプ材は前記ボックス内壁面に沿って取付けられ、前記取付部材に複数隔離して孔開部を設け、該孔開部とパイプ材とをロープによる係合材で絡めて取付け保持したことを特徴とするボックス収納型膜式ガスホルダー。
- 上記ガス貯蔵バッグとガスの出入口及びドレン抜などの配管との接続は、上記可撓性膜材で膜布接続管を作成し、ガス貯蔵バッグと膜布接続管の端部を溶着してフランジ固定し、配管側の膜布接続管の端部はシール材を介してフランジ固定したことを特徴とする請求項1記載のボックス収納型膜式ガスホルダー。
- 上記ガス貯蔵バッグの上面に、該ガス貯蔵バッグを押える補強テープを備えたガス貯蔵バッグの外周形状よりも小さい環状の重錘バランサーを載置し、該重錘バランサーに結合するバランスワイヤーを介してボックスの外側に垂下するカウンターウエイトを設けることにより、常にガス貯蔵量の変化に対応して操業圧力を確保することを特徴とする請求項1又は2記載のボックス収納型膜式ガスホルダー。
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