JP4564582B2 - 超音波アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子を備えた超音波アクチュエータに関するものである。
従来から、各種電気機器等に用いられる、圧電素子(電気機械変換素子)を備えた超音波アクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照)。この圧電素子は、圧電体と電極とを交互に積層してなる。そして、上記超音波アクチュエータでは、電極に電圧を印加することにより圧電素子を振動させ、これにより、可動体を移動させる。
また、駆動方向へ振動する1次の縦振動と、駆動方向と直交する方向へ振動する2次の屈曲振動とを圧電素子に励振させて、圧電素子に設けた振動子に縦振動と屈曲振動との合成である楕円運動を発生させ、これにより可動対を移動させる超音波アクチュエータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
圧電素子の電極に電圧を印加するため、電極には導電部材が接続されている。
特表2003−501988号公報 特開2000−295876号公報
特許文献1に記載の圧電素子は、圧電体の電極が設けられている面と直交し、該圧電体の電極が設けられている面の長辺と平行な面において、電極と導電部材が接続されている。そして、圧電素子の振動により接続面は変形して、応力が発生する。その結果、電極と導電部材との接続部にも応力がかかり、接続面の剥離が発生する虞がある。
また、特許文献2に記載の圧電素子は、圧電体の電極が設けられている面において、電極と導電部材が接続されている。圧電素子の振動により接続面は変形し、応力が発生する。その結果、電極と導電部材との接続部にも応力がかかり、接続面の剥離が発生する虞がある。
本発明は、圧電素子の電極と導電部材との接続面の応力の発生を抑制した超音波アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的は、以下の構成を備えた超音波アクチュエータによって達成される。当該超音波アクチュエータは、圧電素子と、該圧電素子と電気的に接続された電気接続部材とを備えている。そして、前記圧電素子は、略矩形状の複数の圧電体層と、前記複数の圧電体層のうちの少なくとも1つの圧電体層の主面に設けられた給電電極と、前記圧電体層を挟んで前記給電電極と対向して設けられた対向電極と、前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記給電電極と電気的に接続された給電外部電極と、前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記対向電極と電気的に接続された対向外部電極とを有している。また、前記電気接続部材は、前記給電外部電極に電気的に接続された給電導電部材と、前記対向外部電極に電気的に接続された対向導電部材とを有している。
本発明によれば、圧電素子の電極と導電部材との接続面の応力の発生を抑制した超音波アクチュエータを提供することができる。
図1は、実施形態1に係る超音波アクチュエータの概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係る圧電素子P1の正投影図法による展開図である。 図3は、実施形態1に係る圧電素子の各層を積層方向から見た図である。 図4は、圧電体層の主面上の4つの領域を説明するための図である。 図5は、フレキシブルケーブルF1と圧電素子P1の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。 図6は、超音波アクチュエータの1次モードの伸縮振動の変位を示す概念図である。 図7は、超音波アクチュエータの2次モードの屈曲振動の変位を示す概念図である。 図8は、超音波アクチュエータの動作を示す概念図である。 図9は、実施形態2に係る圧電素子P2の正投影図法による展開図である。 図10は、実施形態2に係る圧電素子P2の各層を積層方向から見た図である。 図11は、フレキシブルケーブルF2と圧電素子P2の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。 図12は、実施形態3に係る圧電素子P3の正投影図法による展開図である。 図13は、実施形態3に係る圧電素子P3の各層を積層方向から見た図である。 図14は、フレキシブルケーブルF2と圧電素子P3の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。 図15は、実施形態4に係る圧電素子P4の正投影図法による展開図である。 図16は、実施形態4に係る圧電素子P4の各層を積層方向から見た図である。 図17は、フレキシブルケーブルF4と圧電素子P4の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。 図18は、実施形態5に係る圧電素子P5の正投影図法による展開図である。 図19は、実施形態5に係る圧電素子P5の各層を積層方向から見た図である。 図20は、フレキシブルケーブルF5と圧電素子P5の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。 図21は、その他の実施形態に係る超音波アクチュエータを示す図である。 図22は、別のその他の実施形態に係る超音波アクチュエータを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の符号を付した構成は同一の構成である。そして、同一の符号を付した同一の構成についての説明を省略している場合がある。
《発明の実施形態1》
図1は、本実施形態に係る駆動装置の概略斜視図である。本実施形態に係る駆動装置は、超音波アクチュエータと、該超音波アクチュエータによって所定の可動方向に駆動される移動体9と、該超音波アクチュエータを制御する駆動電源(図示省略)とを備えている。
〈1.1:超音波アクチェータの全体構成〉
本実施形態に係る超音波アクチュエータは、圧電素子P1と、該圧電素子P1に設けられた駆動子8,8と、該圧電素子P1を収容するケース11と、該圧電素子P1をケース11に対して支持する支持部13a〜13cと、該圧電素子P1に給電するためのフレキシブルケーブルF1とを有していて、圧電素子P1に伸縮振動と屈曲振動とを発生させることによって、移動体9との間に相対的な駆動力を発生するものである。
図1に示すように、超音波アクチュエータは、略直方体の圧電素子P1(例えば、長さ6.0mm×幅1.7mm×厚み2.0mmのもの)を備えている。圧電素子P1は、図1の紙面手前から奥に向かう方向に、圧電体層と電極層が積層されている。図1において、圧電素子P1の紙面手前の面が圧電体層1の主面である。以下、互いに対向する1対の圧電体層の主面を「主面」という。また、主面と直交し、主面の長辺と平行な、互いに対向する1対の面を「長辺側面」という。また、主面と直交し、主面の短辺と平行な、互いに対向する1対の面を「短辺側面」という。主面、長辺側面及び短辺側面が圧電素子P1の外面を構成し、長辺側面及び短辺側面が圧電素子P1の周囲面を構成している。本実施形態では、主面、長辺側面及び短辺側面のうち主面が最大の面積を有している。本実施の形態では、圧電素子P1が振動子を構成する。
圧電素子P1は、支持体であるケース11に収容されている。そして、3つの支持部13a、13b、13cを介してケース11に支持されている。3つの支持部13a、13b、13cはともに弾性体である。2つの短辺側面とケース11の間には、それぞれ、支持部13a、13cが圧入されている。こうして、圧電素子P1は、主面の長辺方向から、支持部13a、13cによって支持されている。
圧電素子P1の2つの短辺側面には、電気接続部材が電気的に接続されている。
圧電素子P1の一方の長辺側面には駆動子8,8が設けられており、これらの駆動子8,8は平板状の移動体9に当接している。具体的には、圧電素子P1の、後述する2次モードの屈曲振動の腹の近傍に駆動子8,8が固定されている。駆動子8,8は、円柱形状であり、圧電素子P1と線接触状に接触している。駆動子8,8と圧電素子P1とは接着剤により固定されている。接着剤は、圧電体層1および駆動子8,8よりも柔らかいものを用いている。柔らかさは、例えば、弾性率によって比較できる。駆動子8及び移動体9のうち駆動子8と接触する部分は、例えばジルコニア、アルミナ、窒化珪素を主成分とするセラミック材料または、樹脂材料からなるものである。
圧電素子P1の他方の長辺側面、言い換えると、駆動子8,8が設けられた長辺側面とは反対側の長辺側面とケース11との間には、支持部13bが設けられている。支持部13bは、移動体9へ向かう方向(圧電素子P1の短手方向)に圧縮されて設けられている。支持部13bは、その反力により、圧電素子P1を移動体9に押圧している。これにより、駆動子8,8の先端部と移動体9との摩擦力が高められ、圧電素子P1の振動による駆動力が駆動子8,8を介して効率よく移動体9に伝搬される。
〈1.2:圧電素子P1〉
本実施形態に係る圧電素子P1は、略直方体形状である。この圧電素子P1は、圧電体である略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。圧電素子P1は、図1の紙面手前から奥に向かう方向(以下、厚み方向ともいう)に、圧電体層と電極層が積層されている。
図2は、本実施形態に係る圧電素子P1の正投影図法による展開図である。図2において、真ん中の図は主面の図であり、主面の左右の図は短辺側面の図であり、主面の上下の図は長辺側面の図である。内部電極層は主面から見えないが、主面に投影した位置を主面に破線で示してある。また、図3は、本実施形態に係る圧電素子P1の各層を積層方向から見た図である。
図2に示すように、圧電素子P1は、略矩形状の圧電体層1と内部電極層とを交互に積層してなる略直方体状のものである。この圧電体層1は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料からなる絶縁体層である。内部電極層は、積層方向(圧電素子P1の厚み方向)に圧電体層1を介して交互に配された給電電極2及び対向電極3からなる。内部電極層は、例えば銀、パラジウムを主成分とする金属からなる電極層であって、圧電体層1の主面上に設けられている。
図2に示すように、圧電素子P1の短辺側面には、給電外部電極4と、対向外部電極5とが形成されている。詳しくは、給電外部電極4は、2つの第1給電外部電極4A,4Aと、2つの第2給電外部電極4B,4Bとに分かれている。第1給電外部電極4A,4Aは、圧電素子P1の2つの短辺側面のそれぞれにおいて、圧電素子P1の短手方向の一端部に設けられている。第2給電外部電極4B,4Bは、圧電素子P1の2つの短辺側面のそれぞれにおいて、圧電素子P1の短手方向の他端部(即ち、第1給電外部電極4Aとは反対側の端部)に設けられている。また、対向外部電極5は2つ形成されていて、圧電素子P1の2つの短辺側面のそれぞれにおいて、圧電素子P1の短手方向の中央部(即ち、第1給電外部電極4Aと第2給電外部電極4Bとの間の部分)に設けられている。これらの電極4A,4B,5は、互いに絶縁されている。言い換えれば、これらの電極4A,4B,5は、互いに電気的に接続されていない。
給電電極2は、図3(b)に示すように、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。
具体的には、給電電極2は、同じ圧電体層1の主面に設けられた2つの第1給電電極2A,2Aと、該第1給電電極2A,2Aとは電気的に接続されていない2つの第2給電電極2B,2Bとを有する。第1給電電極2Aおよび第2給電電極2Bはそれぞれ略矩形状の電極である。
第1給電電極2Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。また、第2給電電極2Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。
各第1給電電極2Aには、圧電素子P1の2つの短辺側面のうち近いほうの短辺側面に形成された第1給電外部電極4Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、各第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aを介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されている。異なる圧電体層1の主面上の同じ領域(A2またはA4)に設けられた第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aおよび第1給電外部電極4Aを介して互いに電気的に接続されている。
各第2給電電極2Bには、圧電素子P1の2つの短辺側面のうち近いほうの短辺側面に形成された第2給電外部電極4Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、各第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bを介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されている。異なる圧電体層1の主面上の同じ領域(A1またはA3)に設けられた第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bおよび第2給電外部電極4Bを介して互いに電気的に接続されている。
前記対向電極3は、図3(d)に示すように、圧電体層1の主面のほぼ全面に亘って設けられている。具体的には、対向電極3は、圧電体層1の主面の該周縁領域には形成されておらず、該周縁領域よりも内側の領域のほぼ全面に亘って形成されている。対向電極3には、その短手方向中央から、圧電素子P1の両短辺側面に形成された対向外部電極5,5まで延びる対向引出電極3g,3gが設けられている。こうして、対向電極3は、対向引出電極3g,3gを介して対向外部電極5,5に電気的に接続されている。こうして、異なる圧電体層1上の対向電極3同士は、対向引出電極3gおよび対向外部電極5を介して、互いに電気的に接続されている。
このように構成された給電電極2又は対向電極3が主面に設けられた圧電体層1を積層することによって、圧電素子P1が構成されている。具体的には、複数の圧電体層1,1,…が、給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、給電電極2が設けられた圧電体層1、…の順で積層されている。このとき、圧電体層1,1,…は、給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が同じ方向を向くように、即ち、一の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が、他の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられていない主面と対向するようにして、積層されている。尚、積層の始め及び/又は終わりにおいては、給電電極2又は対向電極3が外部に露出しないように、給電電極2及び対向電極3が設けられていない圧電体層1が積層されている。
このように、圧電体層1、給電電極2及び対向電極3を積層した結果、各圧電体層1は、給電電極2(詳しくは、第1給電電極2A及び第2給電電極2B)と対向電極3とで挟まれている。ここで、各圧電体層1は、給電電極2側から対向電極3側へと分極されている。
このように積層された状態において、給電電極2と対向電極3とは、圧電体層1を挟んで、積層方向から見て重なっている。ただし、圧電体層1には、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっていない領域が存在する(図2参照)。例えば、第1給電引出電極2a及び第2給電引出電極2bや、対向引出電極3g,3gはそれぞれ、積層方向から見て対向電極3や給電電極2と重なっていない。圧電体層1における、かかる領域に相当する部分には電界が生じない。つまり、この部分は圧電的に不活性な部分となる。具体的には、圧電体層1の短辺側面近傍の部分は、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっておらず、圧電的に不活性な部分となっている。
また、圧電素子P1の、後述する伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子P1の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子P1の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
〈1.3:電気接続部材〉
本実施形態においては、電気接続部材として、フレキシブルケーブルF1を用いている。フレキシブルケーブルF1は、第1フレキシブルケーブルF11と第2フレキシブルケーブルF12とを含んでいる。図1に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は、圧電素子P1の短辺側面のそれぞれに接続されている。そして、第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は、圧電素子P1に電気的に接続されている。第1フレキシブルケーブルF11と第2フレキシブルケーブルF12とは同じ形状である。
図5は、第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12と圧電素子P1の側面との接続の位置関係を示す図である。図5に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は絶縁性の樹脂基板上に、銅をプリントした複数の電気線を有する。各電気線は互いに絶縁されている。
第1フレキシブルケーブルF11は、圧電素子P1の一方の短辺側面に接続される一方、第2フレキシブルケーブルF12は、圧電素子P1の他方の短辺側面に接続される。第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は、それぞれ給電外部電極4に接続される電気線6と、対向外部電極5に接続される電気線7とを有している。具体的には、第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は、第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aと、第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bと、対向外部電極5に接続される電気線7とを有している。尚、第1フレキシブルケーブルF11においては、圧電素子P1の短手方向の一端から他端に向かって、電気線6A、電気線7、電気線6Bの順に並んでいるのに対し、第2フレキシブルケーブルF12においては、圧電素子P1の短手方向の一端から他端に向かって、電気線6B、電気線7、電気線6Aの順に並んでいる。これら電気線6が給電導電部材を構成し、電気線7が対向導電部材を構成する。さらに詳しくは、電気線6Aが第1給電導電部材を構成し、電気線6Bが第2給電導電部材を構成する。
また、第1フレキシブルケーブルF11は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF12も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF11と第2フレキシブルケーブルF12とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF11の圧電素子P1との接続部は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF12の圧電素子P1との接続部も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF11の圧電素子P1との接続部と第2フレキシブルケーブルF12の圧電素子P1との接続部とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12と圧電素子P1との各接続部は、異方性導電性接着シートを用いて電気的に接続および接着されている。異方性導電性接着シートは、樹脂に導電粒子を分散させたものをシート状に成型したものである。また、異方性導電性接着シートは、接着方向、すなわち、シートの厚み方向の電気導電性があるが、接着面内方向の電気導電性がない。したがって、圧電素子P1の短辺側面に設けられた複数の電極を一つの異方性導電性接着シートによって互いに絶縁された状態で第1又は第2フレキシブルケーブルF11,F12の各電気線と導通させることができる。接続方法は、まず、ポリイミド製の第1又は第2フレキシブルケーブルF11,F12と圧電素子P1との間に、異方性導電シートを挟みこむ。次に、加熱した平面状のこてにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF11,F12を圧電素子P1の方向に加圧する。これにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF11,F12と圧電素子P1とは、導電粒子により電気的に接続されると共に、異方性導電シートの樹脂の効果により接着される。
第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12と圧電素子P1との接続部はそれぞれ、支持部13a及び支持部13cと圧電素子P1との間に位置する。すなわち、第1フレキシブルケーブルF11は支持部13aによって圧電素子P1に押し付けられている。また、第2フレキシブルケーブルF12は支持部13cによって圧電素子P1に押し付けられている。
なお、給電外部電極4に接続される電気線6は給電導電部材の一例である。第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aは第1給電導電部材の一例である。第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bは第2給電導電部材の一例である。対向外部電極5に接続される電気線7は対向導電部材の一例である。第1フレキシブルケーブルF11は第1電気接続部材の一例である。そして、第2フレキシブルケーブルF12は第2電気接続部材の一例である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12は、電源(図示省略)に接続されている。そして、電源から第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12を介して、圧電素子P1を振動させるための駆動電圧が印加される。
〈1.4:超音波アクチュエータの動作〉
以下、超音波アクチュエータの動作について説明する。図6は、本実施形態に係る1次の伸縮振動の変位を示す概念図であり、図7は、2次の屈曲振動の変位を示す概念図であり、図8は、圧電素子P1の動作を示す概念図である。なお、図6〜図8においては、圧電素子P1の主面はその紙面と平行な位置関係にある。
フレキシブルケーブルF11,F12の電気線7,7がグラウンドに接続される。電源は、電気線6A及び第1給電外部電極4Aを介して圧電体層1の主面の第1給電電極2Aに第1の駆動電圧として所定の周波数の正弦波の駆動電圧を印加する。また、電源は、電気線6B及び第2給電外部電極4Bを介して第2給電電極2Bに第1の駆動電圧とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ周波数の正弦波の第2の駆動電圧を印加する。これら第1及び第2の駆動電圧の周波数は、略一致する圧電素子P1の伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数近傍の周波数に設定されている。
ここで、第1給電電極2Aに印加した第1の駆動電圧と第2給電電極2Bに印加した第2の駆動電圧との位相差が0°の場合、図6に示すように、圧電素子P1には1次の伸縮振動が誘起される。一方、その位相差が180°の場合、図7に示すように、圧電素子P1には2次の屈曲振動が誘起される。
そして、第1給電電極2Aに印加した第1の駆動電圧と第2給電電極2Bに印加した第2の駆動電圧との位相差が略90°又は−90°の場合、図8に示すように、圧電素子P1には1次の伸縮振動と2次の屈曲振動とが調和的に誘起される。これにより、圧電素子P1の形状が、図8(a)〜(d)に示すような順で変化して振動し、圧電素子P1に設けられた駆動子8,8が、図8の紙面を貫く方向から見て周回運動、具体的には略楕円運動する。つまり、圧電素子P1の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8,8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8,8が当接する移動体9が圧電素子P1に対して相対的に移動する。
ここで、圧電素子P1は、その主面の長辺方向が、移動体9の可動方向と一致し、主面の短手方向が、支持部13bによって圧電素子P1が移動体9へ付勢される方向と一致するように配設されている。つまり、圧電素子P1の伸縮振動の伸縮方向は、移動体9の可動方向であり、屈曲振動の振動方向は、駆動子8,8が移動体9を押圧する方向である。尚、圧電素子P1の積層方向は、伸縮振動の伸縮方向及び屈曲振動の振動方向の両方に垂直な方向である。
ところで、圧電素子P1の短辺側面は、伸縮振動の応力集中部から遠く離れており、応力があまり発生しない。また、短辺側面は圧電素子P1の自由端であるため、屈曲振動においても応力があまり発生しない。本実施形態では、短辺側面に第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12を接続している。したがって、圧電素子P1の振動により圧電素子P1と第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12との接続面(接続部)に発生する応力が抑制される。そして、接続面の剥離の発生を抑制することができる。なお、本実施形態においては、圧電素子P1と第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12との接続面とは、圧電素子P1と異方性導電性接着シートとの接続面、および、異方性導電性接着シートと第1及び第2フレキシブルケーブルF11,F12との接続面を含む。
〈1.5:実施形態の効果〉
本実施形態において、圧電素子P1の短辺側面は、1次モードの伸縮振動の応力集中部から遠く離れており、応力があまり発生しない。また、短辺側面は圧電素子の自由端であるため、2次モードの屈曲振動においても応力があまり発生しない。そこで、電気接続部材であるフレキシブルケーブルF1を該圧電素子P1の短辺側面に接続することによって、フレキシブルケーブルF1と圧電素子P1との接続面に発生する、圧電素子P1の振動による応力が抑制される。そして、圧電素子P1とフレキシブルケーブルF1との接続面の剥離の発生を抑制することができる。換言すれば、電気接続部材を、1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動においてもほぼ平面を維持する、圧電素子P1の短辺側面に接続することによって、電気接続部材面内で応力が発生しづらく、安定した接続を実現することができる。
また、圧電素子P1の主面に直交する方向からみて、給電電極2が形成された範囲と対向電極3が形成された範囲とは、圧電体層1の主面の短辺近傍において重複していない。そのため、圧電体層1の主面の短辺近傍は、圧電的に不活性な部分となり、電歪効果による歪みの発生が抑制される。よって、圧電素子P1の短辺側面に電気接続部材を接続することによって、電気接続部材と圧電素子P1との接続面に発生する、圧電素子の振動による応力が抑制されるため、接続面の剥離の発生を抑制することができる。また、圧電素子P1と電気接続部材とを熱を加えて接続する場合、この熱によって圧電素子P1の短辺側面付近の圧電体層1の分極がとれる場合がある。2つの短辺側面付近で分極のバランスが崩れると振動のバランスが崩れてしまう虞がある。それに対し、前述の如く、圧電素子P1の短辺側面近傍の部分を圧電的に不活性とすることによって、電気接続部材の接続時の熱により圧電体層1の分極状態が変化しても、圧電素子P1の振動のバランスが崩れることを防止することができる。尚、圧電素子P1と電気接続部材とを熱を加えて接続する場合とは、例えば、前述の実施形態のように異方性導電性接着シートを用いて接続する場合の他、導電性接着剤、低融点金属等を用いて接続する場合が考えられる。
さらに、電気接続部材は、圧電体層1の主面と直交し主面の短辺と平行な圧電素子の2つの短辺側面のうち一方の短辺側面において圧電素子P1に電気的に接続される第1電気接続部材と、他方の短辺側面において圧電素子P1に電気的に接続される第2電気接続部材とを有し、第1電気接続部材は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り前記一方の短辺側面に直交する面に対して対称な形状であり、第2電気接続部材は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り前記他方の短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。これにより、電気接続部材の接続による振動への影響を、圧電体層の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称とすることができる。そして、電気接続部材の接続による振動の対象性への影響を小さくすることができる。その結果、圧電素子の振動のバランスをよくすることができる。
また、第1電気接続部材と第2電気接続部材とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。これにより、電気接続部材の接続による振動への影響が、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称となる。そして、電気接続部材の接続による振動の対象性への影響を小さくすることができる。
駆動子8と圧電素子P1とは、線接触状または点接触状に固定されるため、圧電素子P1の屈曲振動の阻害が抑制され、屈曲振動の効率を向上させることができる。
《発明の実施形態2》
続いて、本発明の実施形態2に係る超音波アクチュエータについて説明する。なお、前述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態2に係る超音波アクチュエータは、圧電素子及びフレキシブルケーブルの構成が実施形態1と異なる。
〈2.1:圧電素子P2〉
実施形態2に係る圧電素子P2は、略直方体形状である。略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。圧電素子P2は、図1の紙面手前から奥に向かう方向に、圧電体層と電極層が積層されている。
図9は、圧電素子P2の正投影図法による展開図である。また、図10は、圧電素子P2の各層を積層方向から見た図である。
図9に示すように、圧電素子P2は、略矩形状の圧電体層1と内部電極層とを交互に積層してなる略直方体状のものである。この圧電体層1は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック材料からなる絶縁体層である。内部電極層は、積層方向(圧電素子P2の厚み方向)に圧電体層1を介して交互に配された給電電極2及び対向電極3からなる。なお、図9において、真ん中の図は主面の図であり、主面の左右の図は短辺側面の図であり、主面の上下の図は長辺側面の図である。内部電極層は主面から見えないが、主面に投影した位置を主面に破線で示してある。
図2に示すように、圧電素子P2の短辺側面には、給電外部電極4と、対向外部電極5とが形成されている。詳しくは、給電外部電極4は、第1給電外部電極4Aと、第2給電外部電極4Bとに分かれている。第1給電外部電極4Aおよび第2給電外部電極4Bは、圧電素子P2の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられている。また、対向外部電極5は2つ形成されていて、2つの短辺側面のうち他方の面に設けられている。これらの電極4A,4B,5は、互いに絶縁されている。言い換えれば、これらの電極4A,4B,5は、互いに電気的に接続されていない。
給電電極2は、図10(b)および図10(c)に示すように、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。具体的には、給電電極2は、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に、図10(b)に示すような第1パターンで設けられている。また、給電電極2は、第1パターンで設けられている圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に、第1パターンと異なる図10(c)に示すような第2パターンで設けられている。
給電電極2は、1つの圧電体層1の主面に設けられた第1給電電極2Aと、該第1給電電極2Aが設けられた圧電体層1とは別の圧電体層1に設けられた第2給電電極2Bとを有する。第1給電電極2Aと第2給電電極2Bと、電気的に接続されていない。
具体的には、第1給電電極2Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。さらに、給電電極2は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第1接続電極J1を有している。前記2つの領域A2,A4に形成された第1給電電極2A,2Aは、該第1接続電極J1によって互いに電気的に接続されている。これら第1給電電極2A,2A及び第1接続電極J1で第1パターンが構成されている。
また、第2給電電極2Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。さらに、給電電極2は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第2接続電極J2を有している。前記2つの領域A1,A3に形成された第2給電電極2B,2Bは、第2接続電極J2によって互いに電気的に接続されている。これら第2給電電極2B,2B及び第2接続電極J2で第2パターンが構成されている。
前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面に近い領域A2に形成されている第1給電電極2Aには、第1給電外部電極4Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、領域A2の第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aを介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されている。また、異なる圧電体層1に設けられた第1給電電極2Aは第1給電外部電極4A、第1給電引出電極2a及び第1接続電極J1を介して互いに電気的に接続されている。
また、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面に近い領域A3に形成されている第2給電電極2Bには、第2給電外部電極4Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、領域A3の第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bを介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されている。また、異なる圧電体層1に設けられた第2給電電極2Bは第2給電外部電極4B、第2給電引出電極2b及び第2接続電極J2を介して互いに電気的に接続されている。
前記対向電極3は、図10(d)に示すように、圧電体層1の主面のほぼ全面に亘って設けられている。具体的には、対向電極3は、圧電体層1の主面の該周縁領域には形成されておらず、該周縁領域よりも内側の領域のほぼ全面に亘って形成されている。対向電極3には、対向外部電極5,5が形成されている短辺側面に近い短辺の両端部から該対向外部電極5,5に向かってそれぞれ延びて該対向外部電極5,5に接続される対向引出電極3g,3gが設けられている。こうして、対向電極3は、対向引出電極3gを介して対向外部電極5に電気的に接続されている。また、異なる圧電体層1上の対向電極3同士は、対向引出電極3gおよび対向外部電極5を介して、電気的に接続されている。
このように構成された給電電極2又は対向電極3が主面に設けられた圧電体層1を積層することによって、圧電素子P2が構成されている。具体的には、複数の圧電体層1,1,…が、第1パターンの給電電極2(即ち、第1給電電極2A,2A)が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第2パターンの給電電極2(即ち、第2給電電極2B,2B)が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、…の順で積層されている。このとき、圧電体層1,1,…は、給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が同じ方向を向くように、即ち、一の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が、他の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられていない主面と対向するようにして、積層されている。尚、積層の始め及び/又は終わりにおいては、給電電極2又は対向電極3が外部に露出しないように、給電電極2及び対向電極3が設けられていない圧電体層1が積層されている。
このように、圧電体層1、給電電極2及び対向電極3を積層した結果、各圧電体層1は、給電電極2(詳しくは、第1給電電極2A又は第2給電電極2B)と対向電極3とで挟まれている。すなわち、給電電極2と対向電極3とは、圧電体層1を挟んで、積層方向から見て重なっている。ここで、各圧電体層1は、給電電極2側から対向電極3側へと分極されている。
ただし、圧電体層1には、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっていない領域が存在する(図9参照)。例えば、第1給電引出電極2a及び第2給電引出電極2bや、対向引出電極3g,3gはそれぞれ、積層方向から見て対向電極3や給電電極2と重なっていない。圧電体層1における、かかる領域に相当する部分には電界が生じない。つまり、この部分は圧電的に不活性な部分となる。具体的には、圧電体層1の短辺側面近傍の部分は、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっておらず、圧電的に不活性な部分となっている。
圧電素子P2の、後述する伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子P2の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子P2の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
〈2.2:電気接続部材〉
本実施形態においては、電気接続部材として、フレキシブルケーブルF2を用いている。フレキシブルケーブルF2は、第1フレキシブルケーブルF21と、第2フレキシブルケーブルF22とを含んでいる。図1に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22は、圧電素子P2の短辺側面のそれぞれに接続されている。そして、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22は、圧電素子P2に電気的に接続されている。第1フレキシブルケーブルF21と第2フレキシブルケーブルF22とは同じ形状である。
図11は、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P2の側面との接続の位置関係を示す図である。図11に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22は絶縁性の樹脂基板上に、銅をプリントした複数の電気線を有する。各電気線は互いに絶縁されている。
第1フレキシブルケーブルF21は、圧電素子P2の一方の短辺側面に接続される。第1フレキシブルケーブルF21は、給電外部電極4に接続される電気線6を有している。具体的には、第1フレキシブルケーブルF21は、第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aと、第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bとを有している。
また、第2フレキシブルケーブルF22は、圧電素子P2の他方の短辺側面に接続される。第2フレキシブルケーブルF22は、対向外部電極5に接続される電気線7を有している。具体的には、第2フレキシブルケーブルF22は、対向外部電極5,5に接続される電気線7,7を有している。
また、第1フレキシブルケーブルF21は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF22も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF21と第2フレキシブルケーブルF22とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF21の圧電素子P2との接続部は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF22の圧電素子P2との接続部も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF21の圧電素子P2との接続部と第2フレキシブルケーブルF22の圧電素子P2との接続部とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P2との各接続部は、異方性導電性接着シートを用いて電気的に接続および接着されている。異方性導電性接着シートは、樹脂に導電粒子を分散させたものをシート状に成型したものである。また、異方性導電性接着シートは、接着方向、すなわち、シートの厚み方向の電気導電性があるが、接着面内方向の電気導電性がない。したがって、圧電素子P2の短辺側面に設けられた複数の電極を一つの異方性導電性接着シートによって互いに絶縁された状態で第1又は第2フレキシブルケーブルF21,F22の各電気線と導通させることができる。接続方法は、まず、ポリイミド製の第1又は第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P2との間に、異方性導電シートを挟みこむ。次に、加熱した平面状のこてにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF21,F22を圧電素子P2の方向に加圧する。これにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P2とは、導電粒子により電気的に接続されると共に、異方性導電シートの樹脂の効果により接着される。
第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P2との接続部はそれぞれ、支持部13a及び支持部13cと圧電素子P2との間に位置する。すなわち、第1フレキシブルケーブルF21は支持部13aによって圧電素子P2に押し付けられている。また、第2フレキシブルケーブルF22は支持部13cによって圧電素子P2に押し付けられている。
なお、給電外部電極4に接続される電気線6は給電導電部材の一例である。第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aは第1給電導電部材の一例である。第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bは第2給電導電部材の一例である。対向外部電極5に接続される電気線7は対向導電部材の一例である。第1フレキシブルケーブルF21は第1電気接続部材の一例である。そして、第2フレキシブルケーブルF22は第2電気接続部材の一例である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22は、電源(図示省略)に接続されている。そして、電源から第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22を介して、圧電素子P2を振動させるための駆動電圧が印加される。
〈2.3:超音波アクチュエータの動作〉
以下、超音波アクチュエータの動作について説明する。本実施形態に係る超音波アクチュエータは、実施形態1に係る超音波アクチュエータと同様の動作を行う。すなわち、第1給電電極2Aに略一致させた圧電素子P2の伸縮振動及び屈曲振動の共振周波数近傍の周波数の第1の駆動電圧を印加し、第2給電電極2Bに第1の駆動電圧とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ周波数で、位相が略90°又は−90°だけ異なる第2の駆動電圧を印加することによって、圧電素子P2に1次の伸縮振動と2次の屈曲振動とを調和的に誘起させる。これにより、圧電素子P2の形状が、図8(a)〜(d)に示すような順で変化して振動し、圧電素子P2に設けられた駆動子8,8が、図8の紙面を貫く方向から見て周回運動、具体的には略楕円運動する。つまり、圧電素子P2の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8,8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8,8が当接する移動体9が圧電素子P2に対して相対的に移動する。
ここで、本実施形態においては、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5とは異なる短辺側面にそれぞれ設けられており、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5とは異なる短辺側面にそれぞれ設けられている。したがって、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との距離、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との距離を十分に確保することができる。そして、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との絶縁性、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との絶縁性を十分に確保することができる。
〈2.4:実施形態の効果〉
本実施形態によれば、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5とは圧電素子P2の異なる短辺側面にそれぞれ設けられており、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5とは異なる短辺側面にそれぞれ設けられている。これにより、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との距離、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との距離を十分に確保することができる。そして、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との絶縁性、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との絶縁性を十分に確保することができる。
また、第1給電電極が設けられた圧電体層1の主面に設けられ、該第1給電電極2A,2Aを互いに電気的に接続する第1接続電極J1と、第1接続電極J1が設けられた圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に設けられ、第2給電電極2B,2Bを互いに電気的に接続する第2接続電極J2とを有している。これにより、第1給電電極2A,2Aと電気的に接続された第1給電外部電極4A、および、第2給電電極2B,2Bと電気的に接続された第2給電外部電極4Bの数を減らすことができる。例えば、第1及び第2接続電極J1,J2を有していない実施形態1では、第1給電外部電極4Aおよび第2給電外部電極4Bがそれぞれ2つずつ必要であったのに対し、第1及び第2接続電極J1,J2を有する構成においては、第1給電外部電極4Aおよび第2給電外部電極4Bがそれぞれ1つずつでよくなる。その結果、圧電素子P2と電気接続部材との接続点を低減することができるため、圧電素子P2と電気接続部材との接続面の剥離が生じる可能性を低減することができ、さらに、圧電素子P2の振動の阻害要因を低減して振動の効率を向上させることができる。
さらに、圧電体層1の長手方向中央部は、1次モードの伸縮振動のノード部、即ち、伸縮振動による応力が集中する応力集中部である。この応力集中部には、圧電効果による電荷が集中して発生する。そこで、第1接続電極及び第2接続電極J1,J2を、圧電体層1の主面の長手方向中央部において短手方向に延びた形状としている。これにより、圧電体層1の長手方向中央部の給電電極2の面積を大きくすることができる。さらに、第1接続電極及び第2接続電極J1,J2の面積を大きくすることによって、圧電素子P2を小型化した場合でも、大きな伸縮振動を誘起させることができる。その結果、超音波アクチュエータの効率を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用・効果を奏することができる。
《発明の実施形態3》
続いて、本発明の実施形態3に係る超音波アクチュエータについて説明する。なお、前述の実施形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態3に係る超音波アクチュエータは、圧電素子及びフレキシブルケーブルの構成が実施形態1と異なる。
〈3.1:圧電素子P3〉
本実施形態に係る圧電素子P3は、略直方体形状である。略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。圧電素子P3は、図1の紙面手前から奥に向かう方向に、圧電体層と電極層が積層されている。
図12は、圧電素子P3の正投影図法による展開図である。また、図13は、圧電素子P3の各層を積層方向から見た図である。なお、図12において、真ん中の図は主面の図であり、主面の左右の図は短辺側面の図であり、主面の上下の図は長辺側面の図である。内部電極層は主面から見えないが、主面に投影した位置を主面に破線で示してある。
図12に示すように、圧電素子P3の短辺側面には、給電外部電極4と、対向外部電極5とが形成されている。詳しくは、給電外部電極4は、第1給電外部電極4Aと、第2給電外部電極4Bとに分かれている。第1給電外部電極4Aおよび第2給電外部電極4Bは、圧電素子P3の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられている。また、対向外部電極5は2つ形成されていて、2つの短辺側面のうち他方の面に設けられている。これらの電極4A,4B,5は、互いに絶縁されている。言い換えれば、これらの電極4A,4B,5は、互いに電気的に接続されていない。さらに、圧電素子P3の一方の長辺側面には第1接続外部電極10Aが設けられ、他方の長辺側面には第2接続外部電極10Bが設けられている。これら第1接続外部電極10A及び第2接続外部電極10Bは、互いに絶縁されている。
給電電極2は、図13(b)および図13(c)に示すように、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。具体的には、給電電極2は、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に、図13(b)に示すような第1パターンで設けられている。また、給電電極2は、第1パターンで設けられている圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に、第1パターンと異なる図13(c)に示すような第2パターンで設けられている。
具体的には、第1及び第2パターンで形成された給電電極2はそれぞれ、第1給電電極2Aと、該第1給電電極2Aとは電気的に接続されていない第2給電電極2Bとを有する。
第1及び第2パターンの何れのパターンにおいても、第1給電電極2Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。また、第2給電電極2Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。
そして、第1パターンの給電電極2は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第1接続電極J1を有している。第1パターンにおける前記2つの領域A2,A4に形成された第1給電電極2A,2Aは、該第1接続電極J1によって互いに電気的に接続されている。また、第2パターンの給電電極は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第2接続電極J2を有している。第2パターンにおける前記2つの領域A1,A3に形成された第2給電電極2B,2Bは、該第2接続電極J2によって互いに電気的に接続されている。
また、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面に近い領域A2に形成されている第1給電電極2Aには、第1給電外部電極4Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、領域A2の第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aを介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面から遠い領域A4に形成されている第1給電電極2Aには、長辺側面に形成された第1接続外部電極10Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A4の第1給電電極2Aはそれぞれ、第1接続外部電極10Aを介して電気的に接続されている。そして、第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1接続電極J1を介して領域A2の第1給電電極2Aに電気的に接続されているため、第1接続外部電極10Aを介して第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aに電気的に接続された第2パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1パターンの第1接続電極J1を介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されることになる。
さらに、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面に近い領域A3に形成されている第2給電電極2Bには、第2給電外部電極4Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、領域A3の第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bを介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面から遠い領域A1に形成されている第2給電電極2Bには、長辺側面に形成された第2接続外部電極10Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A1の第2給電電極2Bはそれぞれ、第2接続外部電極10Bを介して電気的に接続されている。そして、第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2接続電極J2を介して領域A3の第2給電電極2Bに電気的に接続されているため、第2接続外部電極10Bを介して第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bと電気的に接続された第1パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2パターンの第2接続電極J2を介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されることになる。
前記対向電極3は、図13(d)に示すように、圧電体層1の主面のほぼ全面に亘って設けられている。具体的には、対向電極3は、圧電体層1の主面の該周縁領域には形成されておらず、該周縁領域よりも内側の領域のほぼ全面に亘って形成されている。対向電極3には、対向外部電極5,5が形成されている短辺側面に近い短辺の両端部から該対向外部電極5,5に向かってそれぞれ延びて該対向外部電極5,5に接続される対向引出電極3g,3gが設けられている。こうして、対向電極3は、対向引出電極3gを介して対向外部電極5に電気的に接続されている。また、異なる圧電体層1上の対向電極3同士は、対向引出電極3gおよび対向外部電極5を介して、電気的に接続されている。
このように構成された給電電極2又は対向電極3が主面に設けられた圧電体層1を積層することによって、圧電素子P3が構成されている。具体的には、複数の圧電体層1,1,…が、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第2パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、…の順で積層されている。このとき、圧電体層1,1,…は、給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が同じ方向を向くように、即ち、一の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が、他の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられていない主面と対向するようにして、積層されている。尚、積層の始め及び/又は終わりにおいては、給電電極2又は対向電極3が外部に露出しないように、給電電極2及び対向電極3が設けられていない圧電体層1が積層されている。
このように、圧電体層1、給電電極2及び対向電極3を積層した結果、各圧電体層1は、給電電極2(詳しくは、第1給電電極2A及び第2給電電極2B)と対向電極3とで挟まれている。すなわち、給電電極2と対向電極3とは、圧電体層1を挟んで、積層方向から見て重なっている。ここで、各圧電体層1は、給電電極2側から対向電極3側へと分極されている。
ただし、圧電体層1には、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっていない領域が存在する(図12参照)。例えば、第1給電引出電極2a及び第2給電引出電極2bや、対向引出電極3g,3gはそれぞれ、積層方向から見て対向電極3や給電電極2と重なっていない。圧電体層1における、かかる領域に相当する部分には電界が生じない。つまり、この部分は圧電的に不活性な部分となる。具体的には、圧電体層1の短辺側面近傍の部分は、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっておらず、圧電的に不活性な部分となっている。
圧電素子P3の、後述する伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子P3の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子P3の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
〈3.2:電気接続部材〉
本実施形態においては、電気接続部材として、第2実施形態で用いたフレキシブルケーブルF2を用いている。図14は、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22と圧電素子P3の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22と他の部材との関係は第2実施形態と同様である。例えば、第1フレキシブルケーブルF21と圧電素子P3との関係は、実施形態2における第1フレキシブルケーブルF21と圧電素子P2との関係と同様である。なお、第2実施形態における<2.3:電気接続部材>の記載において、圧電素子P2を圧電素子P3と読み替えて、図11を図14と読み替えてここに準用することで、本実施の形態における電気接続部材の説明とする。
なお、第1接続外部電極10A及び第2接続外部電極10Bには、第1及び第2フレキシブルケーブルF21,F22が直接には接続されない。
〈3.3:超音波アクチュエータの動作〉
以下、超音波アクチュエータの動作について説明する。本実施形態に係る超音波アクチュエータは、実施形態1に係る超音波アクチュエータと同様の動作を行う。すなわち、第1給電電極2Aに略一致させた圧電素子P3の伸縮振動及び屈曲振動の共振周波数近傍の周波数の第1の駆動電圧を印加し、第2給電電極2Bに第1の駆動電圧とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ周波数で、位相が略90°又は−90°だけ異なる第2の駆動電圧を印加することによって、圧電素子P3に1次の伸縮振動と2次の屈曲振動とを調和的に誘起させる。これにより、圧電素子P3の形状が、図8(a)〜(d)に示すような順で変化して振動し、圧電素子P3に設けられた駆動子8,8が、図8の紙面を貫く方向から見て周回運動、具体的には略楕円運動する。つまり、圧電素子P3の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8,8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8,8が当接する移動体9が圧電素子P3に対して相対的に移動する。
尚、第1接続外部電極10Aは、圧電素子P3の2つの長辺側面のうち一方の面に設けられ、第2接続外部電極10Bは、2つの長辺側面のうち他方の面に設けられているが、第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを同一の長辺側面に設けてもよい。この場合、駆動子8が設けられている長辺側面と異なる長辺側面に第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを設けるのが好ましい。
〈3.4:実施形態の効果〉
本実施形態によれば、実施形態2と同様に、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5とは圧電素子P2の異なる短辺側面にそれぞれ設けられており、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5とは異なる短辺側面にそれぞれ設けられている。これにより、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との距離、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との距離を十分に確保することができる。そして、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との絶縁性、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との絶縁性を十分に確保することができる。
また、第1接続外部電極10Aは、圧電素子P2の2つの長辺側面のうち一方の長辺側面に設けられ、第2接続外部電極10Bは、2つの長辺側面のうち他方の長辺側面に設けられている。これにより、第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとの絶縁性を十分に確保することができる。
その他、実施形態1,2と同様の作用・効果を奏することができる。
《発明の実施形態4》
続いて、本発明の実施形態4に係る超音波アクチュエータについて説明する。なお、前述の実施形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態4に係る超音波アクチュエータは、圧電素子及びフレキシブルケーブルの構成が実施形態1と異なる。
〈4.1:圧電素子P4〉
本実施形態に係る圧電素子P4は、略直方体形状である。略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。圧電素子P4は、図1の紙面手前から奥に向かう方向に、圧電体層と電極層が積層されている。
図15は、圧電素子P4の正投影図法による展開図である。また、図16は、圧電素子P4の各層を積層方向から見た図である。なお、図15において、真ん中の図は主面の図であり、主面の左右の図は短辺側面の図であり、主面の上下の図は長辺側面の図である。内部電極層は主面から見えないが、主面に投影した位置を主面に破線で示してある。
図15に示すように、圧電素子P4の短辺側面には、給電外部電極4と、対向外部電極5とが形成されている。詳しくは、給電外部電極4は、第1給電外部電極4Aと、第2給電外部電極4Bとに分かれている。第1給電外部電極4Aは、圧電素子P4の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられ、第2給電外部電極4Bは、圧電素子P4の2つの短辺側面のうち他方の面に設けられている。また、対向外部電極5は2つ形成されていて、2つの短辺側面のそれぞれに1つずつ設けられている。すなわち、圧電素子P4の一方の短辺側面においては、圧電素子P4の短手方向の一端部に対向外部電極5が設けられ、該短手方向の他端部に第1給電外部電極4Aが設けられている。一方、圧電素子P4の他方の短辺側面においては、圧電素子P4の短手方向の一端部に対向外部電極5が設けられ、該短手方向の他端部に第2給電外部電極4Bが設けられている。これらの電極4A,4B,5は、互いに絶縁されている。言い換えれば、これらの電極4A,4B,5は、互いに電気的に接続されていない。さらに、圧電素子P4の一方の長辺側面には、圧電素子P4の長手方向の一端部に第2接続外部電極10Bが、該長手方向の他端部に第1接続外部電極10Aが設けられている。これら第1接続外部電極10A及び第2接続外部電極10Bは、互いに絶縁されている。
給電電極2は、図16(b)および図16(c)に示すように、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。具体的には、給電電極2は、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に、図16(b)に示すような第1パターンで設けられている。また、給電電極2は、第1パターンで設けられている圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に、第1パターンと異なる図16(c)に示すような第2パターンで設けられている。
具体的には、第1及び第2パターンで形成された給電電極2はそれぞれ、第1給電電極2Aと、該第1給電電極2Aとは電気的に接続されていない第2給電電極2Bとを有する。
第1及び第2パターンの何れのパターンにおいても、第1給電電極2Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。また、第2給電電極2Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。
そして、第1パターンの給電電極2は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第1接続電極J1を有している。第1パターンにおける前記2つの領域A2,A4に形成された第1給電電極2A,2Aは、該第1接続電極J1によって互いに電気的に接続されている。また、第2パターンの給電電極は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第2接続電極J2を有している。第2パターンにおける前記2つの領域A1,A3に形成された第2給電電極2B,2Bは、該第2接続電極J2によって互いに電気的に接続されている。
また、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面に近い領域A2に形成されている第1給電電極2Aには、第1給電外部電極4Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、領域A2の第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aを介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面から遠い領域A4に形成されている第1給電電極2Aには、長辺側面に形成された第1接続外部電極10Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A4の第1給電電極2Aはそれぞれ、第1接続外部電極10Aを介して電気的に接続されている。そして、第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1接続電極J1を介して領域A2の第1給電電極2Aに電気的に接続されているため、第1接続外部電極10Aを介して第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aに電気的に接続された第2パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1パターンの第1接続電極J1を介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されることになる。
さらに、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面に近い領域A1に形成されている第2給電電極2Bには、第2給電外部電極4Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、領域A3の第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bを介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面から遠い領域A3に形成されている第2給電電極2Bには、長辺側面に形成された第2接続外部電極10Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A1の第2給電電極2Bはそれぞれ、第2接続外部電極10Bを介して電気的に接続されている。そして、第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2接続電極J2を介して領域A3の第2給電電極2Bに電気的に接続されているため、第2接続外部電極10Bを介して第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bと電気的に接続された第1パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2パターンの第2接続電極J2を介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されることになる。
前記対向電極3は、図16(d)に示すように、圧電体層1の主面のほぼ全面に亘って設けられている。具体的には、対向電極3は、圧電体層1の主面の該周縁領域には形成されておらず、該周縁領域よりも内側の領域のほぼ全面に亘って形成されている。対向電極3には、その短手方向一端部から、圧電素子P4の両短辺側面に形成された対向外部電極5,5まで延びる対向引出電極3g,3gが設けられている。こうして、対向電極3は、対向引出電極3g,3gを介して対向外部電極5,5に電気的に接続されている。こうして、異なる圧電体層1上の対向電極3同士は、対向引出電極3gおよび対向外部電極5を介して、互いに電気的に接続されている。
このように構成された給電電極2又は対向電極3が主面に設けられた圧電体層1を積層することによって、圧電素子P4が構成されている。具体的には、複数の圧電体層1,1,…が、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第2パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、対向電極3が設けられた圧電体層1、…の順で積層されている。このとき、圧電体層1,1,…は、給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が同じ方向を向くように、即ち、一の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が、他の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられていない主面と対向するようにして、積層されている。尚、積層の始め及び/又は終わりにおいては、給電電極2又は対向電極3が外部に露出しないように、給電電極2及び対向電極3が設けられていない圧電体層1が積層されている。
このように、圧電体層1、給電電極2及び対向電極3を積層した結果、各圧電体層1は、給電電極2(詳しくは、第1給電電極2A及び第2給電電極2B)と対向電極3とで挟まれている。すなわち、給電電極2と対向電極3とは、圧電体層1を挟んで、積層方向から見て重なっている。ここで、各圧電体層1は、給電電極2側から対向電極3側へと分極されている。
ただし、圧電体層1には、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっていない領域が存在する(図15参照)。例えば、第1給電引出電極2a及び第2給電引出電極2bや、対向引出電極3g,3gはそれぞれ、積層方向から見て対向電極3や給電電極2と重なっていない。圧電体層1における、かかる領域に相当する部分には電界が生じない。つまり、この部分は圧電的に不活性な部分となる。具体的には、圧電体層1の短辺側面近傍の部分は、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっておらず、圧電的に不活性な部分となっている。
圧電素子P4の、後述する伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子P4の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子P4の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
〈4.2:電気接続部材〉
本実施形態においては、電気接続部材として、フレキシブルケーブルF4を用いている。フレキシブルケーブルF4は、第1フレキシブルケーブルF41と、第2フレキシブルケーブルF42とを含んでいる。図1に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42は、圧電素子P4の短辺側面のそれぞれに接続されている。そして、第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42は、圧電素子P4に電気的に接続されている。第1フレキシブルケーブルF41と第2フレキシブルケーブルF42とは同じ形状である。
図17は、第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42と圧電素子P4の短辺側面との接続の位置関係を示す図である。図17に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42は絶縁性の樹脂基板上に、銅をプリントした複数の電気線を有する。各電気線は互いに絶縁されている。
第1フレキシブルケーブルF41は、圧電素子P4の一方の短辺側面に接続される一方、第2フレキシブルケーブルF42は、圧電素子P4の他方の短辺側面に接続される。第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42は、それぞれ給電外部電極4に接続される電気線6と、対向外部電極5に接続される電気線7とを有している。具体的には、第1フレキシブルケーブルF41は、第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aと、対向外部電極5に接続される電気線7とを有している。また、第2フレキシブルケーブルF42は、第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bと、対向外部電極5に接続される電気線7とを有している。
尚、第1接続外部電極10A及び第2接続外部電極10Bには、フレキシブルケーブルF4が直接には接続されていない。
また、第1フレキシブルケーブルF41は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF42も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF41と第2フレキシブルケーブルF42とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF41の圧電素子P4との接続部は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF42の圧電素子P4との接続部も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF41の圧電素子P4との接続部と第2フレキシブルケーブルF42の圧電素子P4との接続部とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42と圧電素子P4との各接続部は、異方性導電性接着シートを用いて電気的に接続および接着されている。異方性導電性接着シートは、樹脂に導電粒子を分散させたものをシート状に成型したものである。また、異方性導電性接着シートは、接着方向、すなわち、シートの厚み方向の電気導電性があるが、接着面内方向の電気導電性がない。したがって、圧電素子P4の短辺側面に設けられた複数の電極を一つの異方性導電性接着シートによって互いに絶縁された状態で第1又は第2フレキシブルケーブルF41,F42の各電気線と導通させることができる。接続方法は、まず、ポリイミド製の第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42と圧電素子P4との間に、異方性導電シートを挟みこむ。次に、加熱した平面状のこてにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF41,F42を圧電素子P4の方向に加圧する。これにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF41,F42と圧電素子P4とは、導電粒子により電気的に接続されると共に、異方性導電シートの樹脂の効果により接着される。
第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42と圧電素子P4との接続部はそれぞれ、支持部13a及び支持部13cと圧電素子P4との間に位置する。すなわち、第1フレキシブルケーブルF41は支持部13aによって圧電素子P4に押し付けられている。また、第2フレキシブルケーブルF42は支持部13cによって圧電素子P4に押し付けられている。
なお、給電外部電極4に接続される電気線6は給電導電部材の一例である。第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aは第1給電導電部材の一例である。第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bは第2給電導電部材の一例である。対向外部電極5に接続される電気線7は対向導電部材の一例である。第1フレキシブルケーブルF41は第1電気接続部材の一例である。そして、第2フレキシブルケーブルF42は第2電気接続部材の一例である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42は、電源(図示せず)に接続されている。そして、電源から第1及び第2フレキシブルケーブルF41,F42を介して、圧電素子P4を振動させるための駆動電圧が印加される。
〈4.3:超音波アクチュエータの動作〉
以下、超音波アクチュエータの動作について説明する。本実施形態に係る超音波アクチュエータは、実施形態1に係る超音波アクチュエータと同様の動作を行う。すなわち、第1給電電極2Aに略一致させた圧電素子P4の伸縮振動及び屈曲振動の共振周波数近傍の周波数の第1の駆動電圧を印加し、第2給電電極2Bに第1の駆動電圧とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ周波数で、位相が略90°又は−90°だけ異なる第2の駆動電圧を印加することによって、圧電素子P4に1次の伸縮振動と2次の屈曲振動とを調和的に誘起させる。これにより、圧電素子P4の形状が、図8(a)〜(d)に示すような順で変化して振動し、圧電素子P4に設けられた駆動子8,8が、図8の紙面を貫く方向から見て周回運動、具体的には略楕円運動する。つまり、圧電素子P4の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8,8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8,8が当接する移動体9が圧電素子P4に対して相対的に移動する。
尚、第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを同一の長辺側面に設けているが、第1及び第2接続外部電極10A,10Bを、圧電素子P4の別々の長辺側面に設けてもよい。
〈4.4:実施形態の効果〉
本実施形態によれば、第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを同一の長辺側面に設けている。具体的には、駆動子8が設けられている長辺側面に第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを設けず、駆動子8が設けられている長辺側面と異なる長辺側面に第1接続外部電極10Aと第2接続外部電極10Bとを設けている。これにより、駆動子8を第1接続外部電極10Aまたは第2接続外部電極10B以外の場所に固定するための配置の自由度が広げることができる。
その他、実施形態1,2と同様の作用・効果を奏することができる。
《発明の実施形態5》
続いて、本発明の実施形態5に係る超音波アクチュエータについて説明する。なお、前述の実施形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。実施形態5に係る超音波アクチュエータは、圧電素子及びフレキシブルケーブルの構成が実施形態1と異なる。
〈5.1:圧電素子P5〉
本実施形態に係る圧電素子P5は、略直方体形状である。略矩形状の複数の圧電体層1と、前記圧電体層1の間に設けられた内部電極層とを有している。圧電素子P5は、図1の紙面手前から奥に向かう方向に、圧電体層と電極層が積層されている。
図18は、圧電素子P5の正投影図法による展開図である。また、図19は、圧電素子P5の各層を積層方向から見た図である。なお、図18において、真ん中の図は主面の図であり、主面の左右の図は短辺側面の図であり、主面の上下の図は長辺側面の図である。内部電極層は主面から見えないが、主面に投影した位置を主面に破線で示してある。
図18に示すように、圧電素子P5の短辺側面には、給電外部電極4と、対向外部電極5とが形成されている。詳しくは、給電外部電極4は、第1給電外部電極4Aと、第2給電外部電極4Bとに分かれている。第1給電外部電極4Aおよび第2給電外部電極4Bは、圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられている。また、対向外部電極5は第1対向外部電極5Aと、第2対向外部電極5Bとに分かれている。第1対向外部電極5Aおよび第2対向外部電極5Bは、圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられている。2つ形成されていて、2つの短辺側面のうち他方の面に設けられている。これらの電極4A,4B,5A,5Bは、互いに絶縁されている。言い換えれば、これらの電極4A,4B,5A,5Bは、互いに電気的に接続されていない。さらに、圧電素子P5の一方の長辺側面には第1接続外部電極10A及び第4接続外部電極10Dが設けられ、他方の長辺側面には第2接続外部電極10B及び第3接続外部電極10Cが設けられている。これら第1〜第4接続外部電極10A〜10Dは、互いに絶縁されている。言い換えれば、第1〜第4接続外部電極10A〜10Dは、互いに電気的に接続されていない。
給電電極2は、図19(b)および図19(c)に示すように、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。具体的には、給電電極2は、複数の圧電体層1のうちの少なくとも1つの圧電体層1の主面に、図19(b)に示すような第1パターンで設けられている。また、給電電極2は、第1パターンで設けられている圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に、第1パターンと異なる図19(c)に示すような第2パターンで設けられている。
具体的には、第1及び第2パターンで形成された給電電極2はそれぞれ、第1給電電極2Aと、該第1給電電極2Aとは電気的に接続されていない第2給電電極2Bとを有する。
第1及び第2パターンの何れのパターンにおいても、第1給電電極2Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。また、第2給電電極2Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。
そして、第1パターンの給電電極2は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第1接続電極J1を有している。第1パターンにおける前記2つの領域A2,A4に形成された第1給電電極2A,2Aは、該第1接続電極J1によって互いに電気的に接続されている。一方、第2パターンの給電電極は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第2接続電極J2を有している。第2パターンにおける前記2つの領域A1,A3に形成された第2給電電極2B,2Bは、該第2接続電極J2によって互いに電気的に接続されている。
また、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面に近い領域A2に形成されている第1給電電極2Aには、第1給電外部電極4Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、領域A2の第1給電電極2Aは、第1給電引出電極2aを介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1給電電極2A,2Aのうち、第1給電外部電極4Aが形成されている短辺側面から遠い領域A4に形成されている第1給電電極2Aには、長辺側面に形成された第1接続外部電極10Aまで延びる第1給電引出電極2aが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A4の第1給電電極2Aはそれぞれ、第1接続外部電極10Aを介して電気的に接続されている。そして、第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1接続電極J1を介して領域A2の第1給電電極2Aに電気的に接続されているため、第1接続外部電極10Aを介して第1パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aに電気的に接続された第2パターンにおける領域A4の第1給電電極2Aは、第1パターンの第1接続電極J1を介して第1給電外部電極4Aに電気的に接続されることになる。
さらに、第1及び第2パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面に近い領域A3に形成されている第2給電電極2Bには、第2給電外部電極4Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、領域A3の第2給電電極2Bは、第2給電引出電極2bを介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2給電電極2B,2Bのうち、第2給電外部電極4Bが形成されている短辺側面から遠い領域A1に形成されている第2給電電極2Bには、長辺側面に形成された第2接続外部電極10Bまで延びる第2給電引出電極2bが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A1の第2給電電極2Bはそれぞれ、第2接続外部電極10Bを介して電気的に接続されている。そして、第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2接続電極J2を介して領域A3の第2給電電極2Bに電気的に接続されているため、第2接続外部電極10Bを介して第2パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bと電気的に接続された第1パターンにおける領域A1の第2給電電極2Bは、第2パターンの第2接続電極J2を介して第2給電外部電極4Bに電気的に接続されることになる。
対向電極3は、図19(d)および図19(e)に示すように、複数の圧電体層1のうちの、給電電極2が設けられていない少なくとも1つの圧電体層1の主面に設けられている。具体的には、対向電極3は、複数の圧電体層1のうちの、給電電極2が設けられていない少なくとも1つの圧電体層1の主面に、図19(d)に示すような第3パターンで設けられている。また、対向電極3は、給電電極2及び第3パターンの対向電極3が設けられていない圧電体層1の主面に、第3パターンと異なる図19(e)に示すような第4パターンで設けられている。
具体的には、第3及び第4パターンで形成された対向電極3はそれぞれ、第1対向電極3Aと、該第1対向電極3Aとは電気的に接続されていない第2対向電極3Bとを有する。
第1及び第2パターンの何れのパターンにおいても、第1対向電極3Aは、圧電体層1の主面をその長手方向L及び短手方向Sにそれぞれ2等分してなる4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第1対角線方向D1に並ぶ2つの領域A2,A4に形成されている。また、第2対向電極3Bは、該4つの領域A1〜A4(図4参照)のうち、圧電体層1の主面の第2対角線方向D2に並ぶ2つの領域A1,A3に形成されている。
そして、第3パターンの対向電極3は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第3接続電極J3を有している。第3パターンにおける前記2つの領域A2,A4に形成された第1対向電極3A,3Aは、該第3接続電極J3によって互いに電気的に接続されている。また、第4パターンの給電電極は、圧電体層1の主面の長手方向中央において短手方向に延びる第4接続電極J4を有している。第4パターンにおける前記2つの領域A1,A3に形成された第2対向電極3B,3Bは、該第4接続電極J4によって互いに電気的に接続されている。
また、第3及び第4パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1対向電極3A,3Aのうち、第1対向外部電極5Aが形成されている短辺側面に近い領域A4に形成されている第1対向電極3Aには、第1対向外部電極5Aまで延びる第1対向引出電極3aが設けられている。こうして、領域A4の第1対向電極3Aは、第1対向引出電極3aを介して第1対向外部電極5Aに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A2,A4に形成されている第1対向電極3A,3Aのうち、第1対向外部電極5Aが形成されている短辺側面から遠い領域A2に形成されている第1対向電極3Aには、長辺側面に形成された第3接続外部電極10Cまで延びる第1対向引出電極3aが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A2の第1対向電極3Aはそれぞれ、第3接続外部電極10Cを介して電気的に接続されている。そして、第3パターンにおける領域A2の第1対向電極3Aは、第3接続電極J3を介して領域A4の第1対向電極3Aに電気的に接続されているため、第3接続外部電極10Cを介して第3パターンにおける領域A2の第1対向電極3Aに電気的に接続された第4パターンにおける領域A2の第1対向電極3Aは、第3パターンの第3接続電極J3を介して第1対向外部電極5Aに電気的に接続されることになる。
さらに、第3及び第4パターンのいずれのパターンにおいても、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2対向電極3B,3Bのうち、第2対向外部電極5Bが形成されている短辺側面に近い領域A1に形成されている第2対向電極3Bには、第2対向外部電極5Bまで延びる第2対向引出電極3bが設けられている。こうして、領域A1の第2対向電極3Bは、第2対向引出電極3bを介して第2対向外部電極5Bに電気的に接続されている。また、前記2つの領域A1,A3に形成されている第2対向電極3B,3Bのうち、第2対向外部電極5Bが形成されている短辺側面から遠い領域A3に形成されている第2対向電極3Bには、長辺側面に形成された第4接続外部電極10Dまで延びる第2対向引出電極3bが設けられている。こうして、異なる圧電体層1に設けられた、領域A3の第2対向電極3Bはそれぞれ、第4接続外部電極10Dを介して電気的に接続されている。そして、第4パターンにおける領域A3の第2対向電極3Bは、第4接続電極J4を介して領域A1の第2対向電極3Bに電気的に接続されているため、第4接続外部電極10Dを介して第4パターンにおける領域A3の第2対向電極3Bと電気的に接続された第3パターンにおける領域A3の第2対向電極3Bは、第4パターンの第4接続電極J4を介して第2対向外部電極5Bに電気的に接続されることになる。
このように構成された給電電極2又は対向電極3が主面に設けられた圧電体層1を積層することによって、圧電素子P5が構成されている。具体的には、複数の圧電体層1,1,…が、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、第3パターンの対向電極3が設けられた圧電体層1、第2パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、第4パターンの対向電極3が設けられた圧電体層1、第1パターンの給電電極2が設けられた圧電体層1、第3パターンの対向電極3が設けられた圧電体層1、…の順で積層されている。このとき、圧電体層1,1,…は、給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が同じ方向を向くように、即ち、一の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられた主面が、他の圧電体層1の給電電極2又は対向電極3が設けられていない主面と対向するようにして、積層されている。尚、積層の始め及び/又は終わりにおいては、給電電極2又は対向電極3が外部に露出しないように、給電電極2及び対向電極3が設けられていない圧電体層1が積層されている。
このように、圧電体層1、給電電極2及び対向電極3を積層した結果、各圧電体層1は、給電電極2と対向電極3とで挟まれている。すなわち、給電電極2と対向電極3とは、圧電体層1を挟んで、積層方向から見て重なっている。ここで、各圧電体層1は、給電電極2側から対向電極3側へと分極されている。
詳しくは、第1給電電極2Aは、積層方向から見て第1対向電極3Aと圧電体層1を挟んで重なっている。第2給電電極2Bは、積層方向から見て圧電体層1を挟んで第2対向電極3Bと重なっている。第1接続電極J1は、積層方向から見て第3接続電極J3と圧電体層1を挟んで重なっている。第2接続電極J2は、積層方向から見て圧電体層1を挟んで第4接続電極J4と重なっている。
ただし、圧電体層1には、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっていない領域が存在する(図18参照)。例えば、第1及び第2給電引出電極2a,2bや、第1及び第2対向引出電極3a,3bはそれぞれ、積層方向から見て対向電極3や給電電極2と重なっていない。圧電体層1における、かかる領域に相当する部分には電界が生じない。つまり、この部分は圧電的に不活性な部分となる。具体的には、圧電体層1の短辺側面近傍の部分は、積層方向から見て、給電電極2と対向電極3とが重なっておらず、圧電的に不活性な部分となっている。
圧電素子P5の、後述する伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数は、それぞれ圧電素子P5の材料や形状等により決定される。そして、圧電素子P5の材料や形状等は、伸縮振動の共振周波数及び屈曲振動の共振周波数が略一致するように決められている。
〈5.2:電気接続部材〉
本実施形態においては、電気接続部材として、フレキシブルケーブルF5を用いている。フレキシブルケーブルF5は、第1フレキシブルケーブルF51と、第2フレキシブルケーブルF52とを含んでいる。図1に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52は、圧電素子P5の短辺側面のそれぞれに接続されている。そして、第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52は、圧電素子P5に電気的に接続されている。第1フレキシブルケーブルF51と第2フレキシブルケーブルF52とは同じ形状である。
図20は、第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52と圧電素子P5の側面との接続の位置関係を示す図である。図20に示すように、第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52は絶縁性の樹脂基板上に、銅をプリントした複数の電気線を有する。各電気線は互いに絶縁されている。
第1フレキシブルケーブルF51は、圧電素子P5の一方の短辺側面に接続される。第1フレキシブルケーブルF51は、給電外部電極4に接続される電気線6を有している。具体的には、第1フレキシブルケーブルF51は、第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aと、第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bとを有している。
また、第2フレキシブルケーブルF52は、圧電素子P5の他方の短辺側面に接続される。第2フレキシブルケーブルF52は、対向外部電極5に接続される電気線7を有している。具体的には、第2フレキシブルケーブルF52は、第1対向外部電極5Aに接続される電気線7Aと、第2対向外部電極5Bに接続される電気線7Bとを有している。これら電気線7Aが第1対向導電部材を構成し、電気線7Bが第2対向導電部材を構成する。
尚、第1〜第4接続外部電極10A〜Dには、第1及び第2フレキシブルケーブルF5は直接には接続されていない。
また、第1フレキシブルケーブルF51は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF52も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF51と第2フレキシブルケーブルF52とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF51の圧電素子P5との接続部は、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。第2フレキシブルケーブルF52の圧電素子P5との接続部も同様に、圧電体層1の主面の短辺の中点を通り短辺側面に直交する面に対して対称な形状である。また、第1フレキシブルケーブルF51の圧電素子P5との接続部と第2フレキシブルケーブルF52の圧電素子P5との接続部とは、圧電体層1の主面の長辺の中点を通り主面に直交する面に対して対称な形状である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52と圧電素子P5との各接続部は、異方性導電性接着シートを用いて電気的に接続および接着されている。異方性導電性接着シートは、樹脂に導電粒子を分散させたものをシート状に成型したものである。また、異方性導電性接着シートは、接着方向、すなわち、シートの厚み方向の電気導電性があるが、接着面内方向の電気導電性がない。したがって、圧電素子P5の短辺側面に設けられた複数の電極を一つの異方性導電性接着シートによって互いに絶縁された状態で第1又は第2フレキシブルケーブルF51,F52の各電気線と導通させることができる。接続方法は、まず、ポリイミド製の第1又は第2フレキシブルケーブルF51,F52と圧電素子P5との間に、異方性導電シートを挟みこむ。次に、加熱した平面状のこてにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF51,F52を圧電素子P5の方向に加圧する。これにより、第1又は第2フレキシブルケーブルF51,F52と圧電素子P5とは、導電粒子により電気的に接続されると共に、異方性導電シートの樹脂の効果により接着される。
第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52と圧電素子P5との接続部はそれぞれ、支持部13a及び支持部13cと圧電素子P5との間に位置する。すなわち、第1フレキシブルケーブルF51は支持部13aによって圧電素子P5に押し付けられている。また、第2フレキシブルケーブルF52は支持部13cによって圧電素子P5に押し付けられている。
なお、給電外部電極4に接続される電気線6は給電導電部材の一例である。第1給電外部電極4Aに接続される電気線6Aは第1給電導電部材の一例である。第2給電外部電極4Bに接続される電気線6Bは第2給電導電部材の一例である。対向外部電極5に接続される電気線7は対向導電部材の一例である。第1対向外部電極5Aに接続される電気線7Aは第1対向導電部材の一例である。第2対向外部電極5Bに接続される電気線7Bは第2対向導電部材の一例である。第1フレキシブルケーブルF51は第1電気接続部材の一例である。そして、第2フレキシブルケーブルF52は第2電気接続部材の一例である。
第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52は、電源(図示省略)に接続されている。そして、電源から第1及び第2フレキシブルケーブルF51,F52を介して、圧電素子P5を振動させるための駆動電圧が印加される。
〈5.3:超音波アクチュエータの動作〉
以下、超音波アクチュエータの動作について説明する。
電源は、第1給電電極2Aと第1対向電極3Aとの間に略一致させた圧電素子P5の伸縮振動及び屈曲振動の共振周波数近傍の周波数の第1の駆動電圧を印加すると共に、第2給電電極2Bと第2対向電極3Bとの間に第1の駆動電圧とほぼ同じ大きさ、ほぼ同じ周波数で、位相が略90°又は−90°だけ異なる第2の駆動電圧を印加する。こうすることによって、圧電素子P5には1次モードの伸縮振動と2次モードの屈曲振動とが調和的に誘起される。その結果、圧電素子P5の形状が、図8(a)〜(d)に示すような順で変化して振動し、圧電素子P5に設けられた駆動子8,8が、図8の紙面を貫く方向から見て周回運動、具体的には略楕円運動する。つまり、圧電素子P5の伸縮振動及び屈曲振動の合成振動により駆動子8,8が楕円運動する。この楕円運動により駆動子8,8が当接する移動体9が圧電素子P5に対して相対的に移動する。
ところで、本実施形態では、電源は、第1対向電極3Aに第1給電電極2Aに加える電圧と逆極性の電圧を加えている。また、第2対向電極3Bに第2給電電極2Bに加える電圧と逆極性の電圧を加えている。このような電源は、フルブリッジ回路やプシュプル回路などを用いて実現することができる。また、このような構成は、対向電極3が第1対向電極3Aと第2対向電極3Bとに分かれていることにより実現することができる。
尚、第1給電外部電極4Aと第2給電外部電極4Bとは、ともに圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられ、第1対向外部電極5Aと第2対向外部電極5Bとは、ともに2つの短辺側面のうち他方の面に設けられているが、どのような組み合わせでもかまわない。なお、第1給電外部電極4Aは、圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられ、第1対向外部電極5Aは、2つの短辺側面のうち他方の面に設けられ、第2給電外部電極4Bは、圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられ、第2対向外部電極5Bは、2つの短辺側面のうち他方の面に設けられているという構成は、第1給電外部電極4Aと第2対向外部電極5Bとは、ともに圧電素子P5の2つの短辺側面のうち一方の面に設けられ、第1対向外部電極5Aと第2給電外部電極4Bとは、ともに2つの短辺側面のうち他方の面に設けられているようにしても実現できる。
また、第1対向電極3Aおよび第2対向電極3Bをともにグラウンドに接続してもよい。
さらに、圧電素子P5を1つ用い、電源に接続していたが、圧電素子P5を2つ以上用い、これらを直列に接続して電源に接続して用いてもよい。この場合、例えば第1の圧電素子P5の第2対向外部電極5Bを第2の圧電素子P5の第2給電外部電極4Bにフレキシブル等の電気接続部材で電気的に接続し、第1の圧電素子P5の第1対向外部電極5Aを第2の圧電素子P5の第1給電外部電極4Aにフレキシブル等の電気接続部材で電気的に接続する等により実現可能である。
〈5.4:実施形態の効果〉
本実施形態によれば、実施形態2と同様に、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5とは圧電素子P2の異なる短辺側面にそれぞれ設けられており、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5とは異なる短辺側面にそれぞれ設けられている。これにより、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との距離、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との距離を十分に確保することができる。そして、第1給電外部電極4Aと対向外部電極5との絶縁性、および、第2給電外部電極4Bと対向外部電極5との絶縁性を十分に確保することができる。
また、対向電極3を第1対向電極3Aと第2対向電極3Bとに分けることによって、第1対向電極3Aに第1給電電極2Aに加える電圧と逆極性の電圧を加えることができると共に、第2対向電極3Bに第2給電電極2Bに加える電圧と逆極性の電圧を加えることができる。したがって、対向電極3をグラウンドに接続する場合と比べて2倍の電圧を圧電体層1に印加することができる。また、これにより、前述の如く、複数の圧電素子P5を直列接続することができる。
さらに、第1給電外部電極4Aは、圧電素子の2つの短辺側面のうち、一方の面に設けられ、第1対向外部電極5Aは、2つの短辺側面のうち、第1給電外部電極4Aが設けられた面と異なる方の面に設けられている。これにより、第1給電外部電極4Aと第1対向外部電極5Aとの距離を大きくすることができる。また、第1給電外部電極4Aと第1対向外部電極5Aとの絶縁性を高めることができる。同様に、第2給電外部電極4Bは、圧電素子の2つの短辺側面のうち、一方の面に設けられ、第2対向外部電極5Bは、2つの短辺側面のうち、第2給電外部電極4Bが設けられた面と異なる方の面に設けられている。これにより、第2給電外部電極4Bと第2対向外部電極5Bとの距離を大きくすることができる。また、第2給電外部電極4Bと第2対向外部電極5Bとの絶縁性を高めることができる。
また、第1対向電極3A,3Aが設けられた圧電体層1の主面に設けられ、該第1対向電極3A,3Aを互いに電気的に接続する第3接続電極J3と、第3接続電極J3が設けられた圧電体層1と異なる圧電体層1の主面に設けられ、第2対向電極3B,3Bを互いに電気的に接続する第4接続電極J4とを有している。これにより、第1対向電極3A,3Aと電気的に接続された第1対向外部電極5A、および、第2対向電極3B,3Bと電気的に接続された第2対向外部電極5Bの数を減らすことができる。その結果、圧電素子P5と電気接続部材との接続点を低減することができるため、圧電素子P5と電気接続部材との接続面の剥離が生じる可能性を低減することができ、さらに、圧電素子P5の振動の阻害要因を低減して振動の効率を向上させることができる。
さらに、第3及び第4接続電極J3,J4は、圧電体層1の主面の長手方向中央部において短手方向に延びた形状となっている。これにより、圧電体層1の長手方向中央部の対向電極3の面積を大きくすることができる。さらに、第3及び第4接続電極J3,J4の面積を大きくすることによって、圧電素子P5を小型化した場合でも、大きな伸縮振動を誘起させることができる。その結果、超音波アクチュエータの効率を向上させることができる。
その他、実施形態1,2と同様の作用・効果を奏することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
駆動子8の形状は、円柱に限られない。球や四角柱であってもよい。駆動子が球の場合は、駆動子と圧電素子P1とが点接触状に接触、固定されるため好ましい。
電気接続部材は、フレキシブルケーブルに限られない。例えば、ワイヤー、コンタクトピン、導電ゴム等を用いることができる。また、異方性導電性接着シートにより接続する構成について説明したが、はんだ等の低融点金属による接続、ワイヤボンディングによる接続、異方性の無い導電性接着シート、液体状の接着剤等の導電性接着剤による接続、圧着による接続など、他の電気的接続方法を用いてもよい。導電ゴムは、例えばシリコーンゴムが主成分の支持層とシリコーンゴムと銀などの金属粒子が混ぜられた導電層との積層構造になっており、その積層方向には絶縁されている異方性のものである。そして、圧電素子の一方の短辺側面に1つの導電ゴムを設けても2つの導電ゴムを設けてもよい。また、導電ゴムを用いる場合、導電ゴムを支持部13a、13cとして用いてもよい。圧電素子の一方の短辺側面に1つの導電ゴムを設ける場合、導電ゴムの積層方向の絶縁性を利用して、給電外部電極4と対向外部電極5との絶縁、第1給電外部電極4Aと第2給電外部電極4Bと第1対向外部電極5Aと第2対向外部電極5Bとの絶縁をとるのが好ましい。この場合、各導電層がそれぞれ第1給電導電部材6A、第2給電導電部材6B、第1対向導電部材7A、第2対向導電部材7Bのいずれかとして機能する。
第1接続電極J1および第2接続電極J2は、圧電体層1の主面の長手方向中央部にそれぞれ設けられ、圧電体層1の主面の短辺と略平行な方向に延びた形状であるが、さらに好ましくは、圧電体層1の長辺方向に関しては、第1接続電極J1及び第2接続電極J2の幅は、圧電体層1の長辺方向の長さの5%〜40%程度の大きさとすることが望ましい。第1接続電極J1及び第2接続電極J2の電極面積が大きいほど、大きな伸縮振動が発生するが、その電極面積があまりに大きすぎると、2次モードの屈曲振動が妨げられるからである。一方、第1接続電極J1及び第2接続電極J2は、圧電体層1の短辺方向に関しては、ほぼ全域に亘って形成することが理想であるが、第1接続電極J1及び第2接続電極J2を圧電体層1の短手方向端縁部にまで形成すると、内部電極層間の絶縁が困難となる。そこで、第1接続電極J1及び第2接続電極J2を圧電体層1の主面の短辺方向両端縁部を除く部分に形成するのが好ましい。具体的には、圧電体層1の主面の短辺方向各端縁から、その短辺方向中心に向かって圧電体層1の厚み方向長さだけ入った領域以外の領域のほぼ全面に、第1接続電極J1及び第2接続電極J2を形成することが望ましい。なお、実施形態5においては、第3接続電極J3、第4接続電極J4についても同様である。
また、第1パターンの給電電極2の数と第2パターンの給電電極2の数とが同数でなくてもよいが、同数あるのが好ましい。第1パターンの給電電極2と第2パターンの給電電極2とは交互になっていなくてもよいが、交互になることが好ましい。尚、実施形態5については、第3パターンの対向電極3の数と第4パターンの対向電極3の数も、同様に、同数でなくてもよいが、同数あるのが好ましい。第3パターンの対向電極3と第4パターンの対向電極3とは交互になっていなくてもよいが、交互になることが好ましい。圧電素子の振動の対称性が向上するからである。また、圧電素子に余分な振動が発生せず、エネルギーロスが大幅に低減されるからである。
さらに、給電電極2や対向電極3が圧電素子の主面に露出するように構成してもよいが、給電電極2や対向電極3が露出しない方が好ましい。圧電素子の外面のうち、面積が大きい主面に給電電極2や対向電極3を露出させないことによって、その周辺にある金属部品とのショートが起こり難くなるからである。
また、積層方向から見て給電電極2と対向電極3とが重ならない領域は、圧電体層1の長手方向の両端に位置する各端縁(即ち、主面の短辺)から、その長手方向中心に向かって圧電体層1の長手方向長さの10%以上入った領域であることが好ましい。また、積層方向から見て給電電極2と対向電極3とが重ならない領域は、圧電体層1の長手方向の両端に位置する各端縁から、その長手方向中心に向かって圧電体層1の長手方向長さの20%以上入った領域であることがさらに好ましい。圧電体層1の長手方向各端縁近傍は1次モードの伸縮振動においてあまり応力が発生しないからである。また、圧電素子の短辺側面と電気接続部材との接続部への影響を小さくできるからである。
また、前記実施形態では、超音波アクチュエータの駆動力が付与されて駆動される移動体9は平板状であるが、これに限られるものではなく、移動体9の構成としては任意の構成を採用することができる。例えば、図21に示すように、可動体は所定の軸X回りに回動可能な円板体9であり、超音波アクチュエータの駆動子8,8が円板体9の側周面9aに当接するように構成されていてもよい。かかる構成の場合、超音波アクチュエータを駆動すると、駆動子8,8の略楕円運動によって、円板体9が所定の軸X回りに回動させられる。また、圧電素子が設けられている側を固定体としても可動体としてもどちらでもよい。
さらに、前記実施形態では、支持体をケース11で構成しているが、如何なるもので構成してもよい。
また、第2給電電極2Bへ印加する電圧は、第1給電電極2Aへ印加する基準電圧に対して略+90°または−90°だけ位相を異ならせる例を示したが、これに限られず、基準電圧に対してそのほかの位相の電圧を加えてもよい。また、第1給電電極2Aおよび第2給電電極2Bの一方のみに電圧を印加してもよい。
前記実施形態において、支持部13a、13b、13cを用いて超音波アクチュエータを支持していたが、この方法に限られない。例えば、図22に示すように、圧電素子の2つの長辺側面のうち、駆動子が設けられていない側の長辺側面に、支持部13bのみを設けてもよい。この支持部13bは、圧電素子が駆動方向(主面の長辺方向)に動くのを規制しつつ、駆動子が可動体に接触する方向(主面の短辺方向)に動くのを許容する。また、支持部13bは、駆動子が可動体に接触する方向に押圧力を発生し、駆動子と可動体の摩擦力を強めている。
本発明は、前記実施形態に限定されず、その趣旨から逸脱することなく他の色々な形で実施できる。実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、信頼性の高い超音波アクチュエータであり、例えば、各種電子機器等に用いられる駆動力発生装置等として利用可能である。
P1,P2,P3,P4,P5 圧電素子
F1,F2,F4,F5 フレキシブルケーブル(電気接続部材)
F11,F21,F41,F51 第1フレキシブルケーブル(第1電気接続部材)
F12,F22,F42,F52 第2フレキシブルケーブル(第2電気接続部材)
1 圧電体層
2 給電電極
2A 第1給電電極
2B 第2給電電極
2a 第1給電引出電極
2b 第2給電引出電極
3 対向電極
3g 対向引出電極
3A 第1対向電極
3B 第2対向電極
3a 第1対向引出電極
3b 第2対向引出電極
4 給電外部電極
4A 第1給電外部電極
4B 第2給電外部電極
5 対向外部電極
5A 第1対向外部電極
5B 第2対向外部電極
6 電気線(給電導電部材)
6A 電気線(第1給電導電部材)
6B 電気線(第2給電導電部材)
7 電気線(対向導電部材)
7A 電気線(第1対向導電部材)
7B 電気線(第2対向導電部材)
8 駆動子
9 移動体
J1 第1接続電極
J2 第2接続電極
J3 第3接続電極
J4 第4接続電極
10A 第1接続外部電極
10B 第2接続外部電極
10C 第3接続外部電極
10D 第4接続外部電極
11 ケース
13a、13b、13c 支持部

Claims (20)

  1. 圧電素子と、該圧電素子と電気的に接続された電気接続部材とを備える超音波アクチュエータであって、
    前記圧電素子は、
    略矩形状の複数の圧電体層と、
    前記複数の圧電体層のうちの少なくとも1つの圧電体層の主面に設けられた給電電極と、
    前記圧電体層を挟んで前記給電電極と対向して設けられた対向電極と、
    前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記給電電極と電気的に接続された給電外部電極と、
    前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記対向電極と電気的に接続された対向外部電極とを有し、
    前記電気接続部材は、
    前記給電外部電極に電気的に接続された給電導電部材と、
    前記対向外部電極に電気的に接続された対向導電部材とを有する超音波アクチュエータ。
  2. 前記給電電極は、
    前記複数の圧電体層のうちの少なくとも1つの圧電体層の主面に設けられた第1給電電極と、
    前記第1給電電極が設けられた圧電体層の主面、又は、前記第1給電電極が設けられた圧電体層と異なる圧電体層の主面に設けられ、前記第1給電電極と電気的に接続されていない第2給電電極とを有し、
    前記給電外部電極は、
    前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記第1給電電極と電気的に接続された第1給電外部電極と、
    前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し該主面の短辺と平行な面に設けられ、前記第2給電電極と電気的に接続された第2給電外部電極とを有し、
    前記給電導電部材は、
    前記第1給電外部電極に電気的に接続された第1給電導電部材と、
    前記第2給電外部電極に電気的に接続された第2給電導電部材とを有する、請求項1に記載の超音波アクチュエータ。
  3. 前記第1給電電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられ、
    前記第2給電電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられている、請求項2に記載の超音波アクチュエータ。
  4. 前記給電電極は、
    前記第1給電電極が設けられた圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた該第1給電電極を互いに電気的に接続する第1接続電極と、
    前記第2給電電極が設けられた圧電体層の主面であって且つ前記第1接続電極が設けられた圧電体層と異なる圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた前記第2給電電極を互いに電気的に接続する第2接続電極とを有する、請求項3に記載の超音波アクチュエータ。
  5. 前記対向電極は、
    前記圧電体層を挟んで前記第1給電電極と対向する第1対向電極と、
    前記圧電体層を挟んで前記第2給電電極と対向し且つ、前記第1対向電極と電気的に接続されていない第2対向電極とを有し、
    前記対向外部電極は、
    前記第1対向電極と電気的に接続された第1対向外部電極と、
    前記第2対向電極と電気的に接続された第2対向外部電極とを有し、
    前記対向導電部材は、
    前記第1対向外部電極と電気的に接続された第1対向導電部材と、
    前記第2対向外部電極と電気的に接続された第2対向導電部材とを有する、請求項2に記載の超音波アクチュエータ。
  6. 前記第1給電電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられ、
    前記第2給電電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられている、請求項5に記載の超音波アクチュエータ。
  7. 前記給電電極は、
    前記第1給電電極が設けられた圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた該第1給電電極を互いに電気的に接続する第1接続電極と、
    前記第2給電電極が設けられた圧電体層の主面であって且つ前記第1接続電極が設けられた圧電体層と異なる圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた前記第2給電電極を互いに電気的に接続する第2接続電極とを有する、請求項6に記載の超音波アクチュエータ。
  8. 前記第1対向電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられ
    前記第2対向電極は、前記圧電体層の主面をその長手方向及び短手方向にそれぞれ2分割してなる4つの領域のうち前記圧電体層の主面の第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられている、請求項7に記載の超音波アクチュエータ。
  9. 前記対向電極は、
    前記第1対向電極が設けられた圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第1対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた該第1対向電極を互いに電気的に接続する第3接続電極と、
    前記第2対向電極が設けられた圧電体層の主面であって且つ前記第1対向電極が設けられた圧電体層と異なる圧電体層の主面に設けられ、前記4つの領域のうち前記第2対角線方向に並ぶ2つの領域に設けられた前記第2対向電極を互いに電気的に接続する第4接続電極とを有する、請求項8に記載の超音波アクチュエータ。
  10. 前記第1給電外部電極及び前記第2給電外部電極は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち、一方の面に設けられ、
    前記対向外部電極は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち、他方の面に設けられている、請求項4に記載の超音波アクチュエータ。
  11. 前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記圧電体層の主面の長手方向中央部にそれぞれ設けられ、前記圧電体層の主面の短辺と略平行な方向に延びた形状である、請求項4及び請求項7〜9のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  12. 前記第1給電外部電極及び前記第2給電外部電極は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち、一方の面に設けられ、
    前記第1対向外部電極及び前記第2対向外部電極は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち、他方の面に設けられている、請求項9に記載の超音波アクチュエータ。
  13. 前記第3接続電極及び前記第4接続電極は、前記圧電体層の主面の長手方向中央部にそれぞれ設けられ、前記圧電体層の主面の短辺と略平行な方向に延びた形状である、請求項9に記載の超音波アクチュエータ。
  14. 前記給電電極が形成された範囲と前記対向電極が形成された範囲とは、前記圧電体層の主面に直交する方向から見て、前記圧電体層の主面の短辺近傍において重なっていない、請求項1から請求項13のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  15. 前記電気接続部材は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち一方の面において前記圧電素子に電気的に接続される第1電気接続部材と、該2つの外面のうち他方の面において前記圧電素子に電気的に接続される第2電気接続部材とを有し、
    前記第1電気接続部材は、前記圧電体層の主面の短辺の中点を通り前記一方の面に直交する面に対して対称な形状であり、
    前記第2電気接続部材は、前記圧電体層の主面の短辺の中点を通り前記他方の面に直交する面に対して対称な形状である、請求項1から請求項14のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  16. 前記第1電気接続部材と前記第2電気接続部材とは、前記圧電体層の主面の長辺の中点を通り前記主面に直交する面に対して対称な形状である、請求項15に記載の超音波アクチュエータ。
  17. 前記電気接続部材は、前記圧電体層の主面と直交し前記主面の短辺と平行な前記圧電素子の2つの外面のうち一方の面において前記圧電素子に電気的に接続される第1電気接続部材と、該2つの外面のうち他方の面において前記圧電素子に電気的に接続される第2電気接続部材とを有し、
    前記第1給電外部電極と前記第2電気接続部材とは、前記圧電体層の主面の長辺の中点を通り前記主面に直交する面に対して対称な形状である、請求項1から請求項14のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  18. 前記圧電素子の外面のうち前記圧電体層の主面と直交し前記主面の長辺と平行な外面に設けられた駆動子をさらに備える、請求項1から請求項17のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  19. 前記圧電素子は、前記圧電体層の主面の長辺方向の振動の共振周波数と、前記主面の短辺方向の振動の共振周波数とは、実質的に等しい、請求項1から請求項18のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
  20. 前記圧電素子は、前記給電電極と前記対向電極との間に所定の周波数の交流電圧を印加することによって、前記圧電体層の主面の長辺方向の共振振動と前記主面の短辺方向の共振振動とを発生させる、請求項1から請求項19のいずれかに記載の超音波アクチュエータ。
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