JP4563290B2 - 減圧弁装置 - Google Patents

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本発明は、流体の減圧弁装置に関し、特に、調節ねじへの二次側圧力の影響を排除することにより、調節ねじの操作を軽くするとともに、シール箇所も少なく簡易な構造とし、さらに、調節ねじを回してもその回転力がばね押えピストンに直接作用することがなく、ばね押えピストンやシリンダをシンプルに構成することができる減圧弁装置に関するものである。
従来から、コンプレッサー等のポンプ設備には、圧力を減圧する減圧弁装置が設けられている。このような減圧弁装置は、一次側の圧力を所定の減圧比で減圧し、供給側となる二次側の圧力を調整するものである。
ところで、この種の減圧弁装置として、図2に示すように、ケーシング内に形成された一次側室1及び二次側室2と、該一次側室1と二次側室2とを連通する弁口3と、該弁口3に一次側室側から着座して開閉する弁体4と、弁口3を介して弁体4と対向するように形成されたシリンダ5と、該シリンダ5内に摺動可能に収容され、弁体側から二次側室2の圧力が作用するとともに弁体側に移動することにより弁体4を開くピストン6と、シリンダ5内でピストン6を弁体側に付勢する調節ばね7と、該調節ばね7をピストン6と反対側から支持するばね押えピストン8と、該ばね押えピストン8の調節ばね7の反対側でシリンダ5と二次側室2とを連通する連通路9と、外側からシリンダ5を貫通し、ばね押えピストン8を摺動させることにより調節ばね7の力を調節する調節ねじ機構10’とを備えた減圧弁装置が提案されている。
この減圧弁装置は、ばね押えピストン8の調節ばね7の反対側でシリンダ5と二次側室2とを連通することにより、ばね押えピストン8を二次側圧力によって調節ばね側に付勢し、調節ばね7の負担を軽減してばね力を小さくするとともに、このばね力の縮小により、調節ばね7の力を調節する調節ねじ機構10’の操作を軽くするようにしている。
しかしながら、上記従来の減圧弁装置では、調節ねじ機構10’が、ばね押えピストン8に貫設した雌ねじ21と、該雌ねじ21に、外側からシリンダ5を貫通して螺合する調節ねじ22とからなり、調節ねじ22の回転によりばね押えピストン8を摺動させる構成であるため、連通路9からの二次側圧力が調節ねじ22の軸に作用する構造となり、調節ねじ22とシリンダ5の間及び調節ねじ22とばね押えピストン8の間をOリング23でシールする必要がある。
この場合、二次側圧力が高圧になる減圧弁装置では、このようにシール箇所が多いと調節ねじ22を回す力に大きく影響する。
また、この減圧弁装置は、調節ねじ22とばね押えピストン8に設けたねじによりばね押えピストン8を摺動させる構成であるため、ばね押えピストン8に回り止めが必要であり、シリンダ内部に縦溝24を形成し、ばね押えピストン8から出たガイド25をこの縦溝24に沿わすことで回り止めとしている。
さらに、この減圧弁装置では、二次側圧力の減圧調節を規制するストッパ26との当たり部27をばね押えピストン8に直接設けている。
しかしながら、このような構造では、減圧弁使用者が減圧調節時にハンドルを無理に強く回した場合、ばね押えピストン8のガイド25を破損したり、ばね押えピストン8のストッパ当たり部27の変形や破損を招いたりする危険性がある。
その結果、ばね押えピストン8の破損やエア漏れにつながる危険性があるため、ばね押えピストン8やシリンダ5に強度が必要となり構造も複雑となるという問題があった。
本発明は、上記従来の減圧弁装置が有する問題点に鑑み、調節ねじへの二次側圧力の影響を排除することにより、調節ねじの操作を軽くするとともに、シール箇所も少なく簡易な構造とし、さらに、調節ねじを回してもその回転力がばね押えピストンに直接作用することがなく、ばね押えピストンやシリンダをシンプルに構成することができる減圧弁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の減圧弁装置は、一次側室と二次側室とを連通する弁口と、該弁口に一次側室側から着座して開閉する弁体と、弁口を介して弁体と対向するように形成されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に収容され、弁体側から二次側室の圧力が作用するとともに弁体側に移動することにより弁体を開くピストンと、シリンダ内でピストンを弁体側に付勢する調節ばねと、該調節ばねをピストンと反対側から支持するばね押えピストンと、該ばね押えピストンの調節ばねの反対側でシリンダと二次側室とを連通する連通路と、外側からシリンダを貫通し、ばね押えピストンを摺動させることにより調節ばねの力を調節する調節ねじ機構とを備えた減圧弁装置において、前記調節ねじ機構を、ばね押えピストンから延設されシールパッキンを介して摺動可能にシリンダを貫通するスリーブと、該スリーブを貫通し、外側でシリンダ側の雌ねじと螺合するとともに、シールパッキンを介して摺動可能にシリンダを貫通するスリーブによって二次側圧力が作用しないようにした調節ねじとにより構成したことを特徴とする。
この場合において、シリンダ側の雌ねじを、シリンダ本体に形成した雌ねじに位置調節可能に螺合する調節リングに形成するとともに、調節ねじの頭部に調節ナットを位置調節可能に螺合し、調節ナットと調節リングの当接及び調節ねじに形成した大径部と調節リングの当接により調節ねじの上下動を制限することができる。
また、調節ねじの先端に、調節ねじに形成した大径部との間でスリーブを相対的に回転可能に挟持する固定用袋ナットを螺合することができる。
本発明の減圧弁装置によればばね押えピストンのスリーブシリンダとの間をシールすることによって、調節ねじには二次側圧力が作用しない構造とすることができ、これにより、調節ねじへの二次側圧力の影響を排除し調節ねじの操作を軽くするとともに、シール箇所も少なく簡易な構造とすることでコストを低減し、耐久性を向上させることができる。
また、調節ねじ自身が上下する構造であるため、ばね押えピストンの回り止め構造が不要になるとともに、調節ねじを無理に回してもその回転力がばね押えピストンに直接作用することがなく、これにより、ばね押えピストンやシリンダをシンプルに構成するとともに破損やエア漏れを防止し、減圧弁装置のコストを低減しかつ信頼性を向上させることができる。
また、シリンダ側の雌ねじを、シリンダ本体に形成した雌ねじに位置調節可能に螺合する調節リングに形成するとともに、調節ねじの頭部に調節ナットを位置調節可能に螺合し、調節ナットと調節リングの当接及び調節ねじに形成した大径部と調節リングの当接により調節ねじの上下動を制限することにより、二次側圧力の調節は、調節リングの調整で下限側を、調節ナットの調整で上限側を規制することができる。
そして、二次側圧力の上限規制は調節ナットと調節リングの当接で受けるとともに、下限規制は調節ねじに形成した大径部と調節リングとの当接で受ける構造のため、規制時に調節ねじを無理に回してもその回転力がばね押えピストンに直接作用することがなく、これにより、ばね押えピストンやシリンダをシンプルに構成するとともに破損やエア漏れを防止し、減圧弁装置のコストを低減しかつ信頼性を向上させることができる。
また、調節ねじの先端に、調節ねじに形成した大径部との間でスリーブを相対的に回転可能に挟持する固定用袋ナットを螺合することにより、減圧弁装置が万一破損した場合にも、内部部品が圧力で飛散することを防止することができる。
以下、本発明の減圧弁装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の減圧弁装置の一実施例を示す。
この減圧弁装置は、ケーシング内に形成された一次側室1及び二次側室2と、一次側室1と二次側室2とを連通する弁口3と、弁口3に一次側室側から着座して開閉する弁体4と、弁口3を介して弁体4と対向するように形成されたシリンダ5と、シリンダ5内に摺動可能に収容され、弁体側から二次側室2の圧力が作用するとともに弁体側に移動することにより弁体4を開くピストン6と、シリンダ5内でピストン6を弁体側に付勢する調節ばね7と、調節ばね7をピストン6と反対側から支持するばね押えピストン8と、ばね押えピストン8の調節ばね7の反対側でシリンダ5と二次側室2とを連通する連通路9と、外側からシリンダ5を貫通し、ばね押えピストン8を摺動させることにより調節ばね7の力を調節する調節ねじ機構10とを備えている。
そして、この減圧弁装置は、調節ねじ機構10を、ばね押えピストン8から延設されシリンダ5を貫通するスリーブ81と、スリーブ81に摺接して回動可能に貫通し、外側でシリンダ側の雌ねじ12aと螺合するとともに、スリーブ81によって二次側圧力が作用しないようにし、スリーブ81の端部に当接するフランジ状の大径部11aを備えた調節ねじ11とで構成するようにしている。
また、この減圧弁装置は、シリンダ側の雌ねじ12aを、シリンダ本体の雌ねじ51に位置調節可能に螺合する調節リング12に形成するとともに、調節ねじ11の頭部に調節ナット13を位置調節可能に螺合し、調節ナット13と調節リング12の当接及び調節ねじ11に形成した大径部11aと調節リング12の当接により調節ねじ11の上下動を制限するようにしている。
調節ねじ11の先端には、大径部11aとの間でスリーブ81を相対的に回転可能に挟持する固定用袋ナット14がワッシャ14aを介して螺合されている。
一次側室1と二次側室2は、弁口3とシリンダ5の下部を介して連通し、弁口3には、弁体4が弁体ばね41により閉弁方向に付勢された状態で配設されている。
シリンダ5の下部には、弁体側に移動することにより、弁棒61を介して弁体4を開くピストン6が配設されており、このピストン6には、調節ばね7等の付勢力と均衡するように、弁体側から二次側室2の圧力が作用している。
調節ばね7は、ばね押えピストン8によって上から付勢されており、ばね押えピストン8は、その上方でシリンダ5が連通路9により二次側室2と連通することにより、二次側圧力によって調節ばね7側に付勢されている。
これにより、調節ばね7の負担を軽減してばね力を小さくするとともに、このばね力の縮小により、調節ねじ11の操作を軽くするようにしている。
ばね押えピストン8のスリーブ81は、シールパッキン8を介して摺動可能にシリンダ5を貫通し、スリーブ81の内部には、調節ねじ11がスリーブ81に摺接して回動可能に貫通している。
調節ねじ11は、その中間位置の大径部11aが、ばね押えピストン8のスリーブ81上端にナイロン等の合成樹脂製のシート83を介して当接しており、先端に螺合する固定用袋ナット14と大径部11aとの間でスリーブ81を相対的に回転可能に挟持している。
また、調節ねじ11は、大径部11aの上方位置に雄ねじが形成されており、この雄ねじは調節リング12の雌ねじ12aに螺合している。また、この雄ねじには、調節リング12の上方位置で調節ナット13が位置調節可能に螺合している。
調節リング12は内側に雌ねじ12aを有し、その外側の雄ねじが、シリンダ本体に形成された雌ねじ51に螺合している。
この調節リング12及び調節ナット13は、それぞれ止めねじ15a、15bを締め込むことによりその位置を調節して固定することが可能である。
本実施例では、これら調節ナット13と調節リング12の当接と、大径部11aと調節リング12の当接とにより、調節ねじ11の上下動を制限するようにしているが、調節リング12や調節ナット13の位置を調節することにより、調節ねじ11の上下動制限範囲を調節することができる。
ちなみに、二次側圧力の制限は、調節リング12の調整で下限側を、調節ナット13の調整で上限側をそれぞれ規制することができる。
この場合、調節リング12や調節ナット13の位置調節は、減圧弁装置の組立後に外側から行うことが可能であるため、二次側に接続される各種流体圧力機器の使用圧力範囲に対応して、二次側最低圧力と最高圧力を減圧弁装置の組立後に簡易に設定したり、変更することができる。
さらに、調節リング12や調節ナット13は、ねじによる無段階の位置調節にため、目標とする設定圧力と実際の設定圧力との誤差を小さくすることができ、その構造も簡易でコストを低減することができる。
また、調節ナット13は六角ナットを用いるため、そのまま上部のハンドル16に形成した六角形状の穴部16aに嵌合させることができ、調節ねじ11の頭部に六角の係合部を形成する必要がなく安価となる。
かくして、本実施例の減圧弁装置は、ばね押えピストン8を摺動させることにより調節ばね7の力を調節する調節ねじ機構10を、ばね押えピストン8から延設されシリンダ5を貫通するスリーブ81と、スリーブ81に摺接して回動可能に貫通し、外側でシリンダ側の雌ねじ12aと螺合するとともに、スリーブ81によって二次側圧力が作用しないようにした調節ねじ11とにより構成したことから、ばね押えピストン8のスリーブ81にシリンダ5とのシールパッキン84を設けることによって、調節ねじ11には二次側圧力が作用しない構造とすることができ、これにより、調節ねじ11への二次側圧力の影響を排除し調節ねじ11の操作を軽くするとともに、シール箇所も少なく簡易な構造とすることでコストを低減し、耐久性を向上させることができる。
また、調節ねじ11自身が上下する構造であるため、ばね押えピストン8の回り止め構造が不要になるとともに、調節ねじ11を無理に回してもその回転力がばね押えピストン8に直接作用することがなく、これにより、ばね押えピストン8やシリンダ5をシンプルに構成するとともに破損やエア漏れを防止し、減圧弁装置のコストを低減しかつ信頼性を向上させることができる。
また、シリンダ側の雌ねじ12aを、シリンダ本体に形成した雌ねじ51に位置調節可能に螺合する調節リング12に形成するとともに、調節ねじ11の頭部に調節ナット13を位置調節可能に螺合し、調節ナット13と調節リング12の当接及び調節ねじ11に形成した大径部11aと調節リング12の当接により調節ねじ11の上下動を制限することにより、二次側圧力の調節は、調節リング12の調整で下限側を、調節ナット13の調整で上限側を規制することができる。
そして、二次側圧力の上限規制は調節ナット13と調節リング12の当接で受けるとともに、下限規制は調節ねじ11の大径部11aと調節リング12との当接で受ける構造のため、規制時に調節ねじ11を無理に回してもその回転力がばね押えピストン8に直接作用することがなく、これにより、ばね押えピストン8やシリンダ5をシンプルに構成するとともに破損やエア漏れを防止し、減圧弁装置のコストを低減しかつ信頼性を向上させることができる。
また、調節ねじ11の先端に、調節ねじ11に形成した大径部11aとの間でスリーブ81を相対的に回転可能に挟持する固定用袋ナット14を螺合することにより、減圧弁装置が万一破損した場合にも、内部部品が圧力で飛散することを防止することができる。
以上、本発明の減圧弁装置について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明の減圧弁装置は、調節ねじへの二次側圧力の影響を排除することにより、調節ねじの操作を軽くするとともに、シール箇所も少なく簡易な構造とし、さらに、調節ねじを回してもその回転力がばね押えピストンに直接作用することがなく、ばね押えピストンやシリンダをシンプルに構成するという特性を有していることから、汎用の減圧弁装置の用途に広く好適に用いることができる。
本発明の減圧弁装置の一実施例を示す正面断面図である。 従来の減圧弁装置を示す正面断面図である。
1 一次側室
2 二次側室
3 弁口
4 弁体
41 弁体ばね
5 シリンダ
51 雌ねじ
6 ピストン
61 弁棒
7 調節ばね
8 ばね押えピストン
81 スリーブ
82 シールパッキン
83 シート
84 シールパッキン
9 連通路
10 調節ねじ機構
11 調節ねじ
11a 大径部
12 調節リング
12a 雌ねじ
13 調節ナット
14 固定用袋ナット
14a ワッシャ
15a 止めねじ
15b 止めねじ
16 ハンドル
16a 穴部

Claims (3)

  1. 一次側室と二次側室とを連通する弁口と、該弁口に一次側室側から着座して開閉する弁体と、弁口を介して弁体と対向するように形成されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に収容され、弁体側から二次側室の圧力が作用するとともに弁体側に移動することにより弁体を開くピストンと、シリンダ内でピストンを弁体側に付勢する調節ばねと、該調節ばねをピストンと反対側から支持するばね押えピストンと、該ばね押えピストンの調節ばねの反対側でシリンダと二次側室とを連通する連通路と、外側からシリンダを貫通し、ばね押えピストンを摺動させることにより調節ばねの力を調節する調節ねじ機構とを備えた減圧弁装置において、前記調節ねじ機構を、ばね押えピストンから延設されシールパッキンを介して摺動可能にシリンダを貫通するスリーブと、該スリーブを貫通し、外側でシリンダ側の雌ねじと螺合するとともに、シールパッキンを介して摺動可能にシリンダを貫通するスリーブによって二次側圧力が作用しないようにした調節ねじとにより構成したことを特徴とする減圧弁装置。
  2. シリンダ側の雌ねじを、シリンダ本体に形成した雌ねじに位置調節可能に螺合する調節リングに形成するとともに、調節ねじの頭部に調節ナットを位置調節可能に螺合し、調節ナットと調節リングの当接及び調節ねじに形成した大径部と調節リングの当接により調節ねじの上下動を制限するようにしたことを特徴とする請求項1記載の減圧弁装置。
  3. 調節ねじの先端に、調節ねじに形成した大径部との間でスリーブを相対的に回転可能に挟持する固定用袋ナットを螺合したことを特徴とする請求項2記載の減圧弁装置。
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